JP7278900B2 - ろ過膜の洗浄効果の評価方法及びろ過膜の洗浄方法 - Google Patents

ろ過膜の洗浄効果の評価方法及びろ過膜の洗浄方法 Download PDF

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Description

本発明は、ろ過膜の洗浄効果の評価方法及びろ過膜の洗浄方法に関するものである。
一般に、上水処理システム、下水処理システム、工業用水処理システム、排水処理システム、海水淡水化システムなどの各種水処理システムにおいて、被処理水中の汚濁物質を分離除去する方法として、膜ろ過を用いた水処理方法が知られている。
ここで、膜ろ過を用いた水処理方法では、ろ過の継続に伴い、被処理水中の汚濁物質等がろ過膜に付着してろ過膜の目詰まりが生じ、ろ過性能が低下するため、定期的にろ過膜を洗浄して目詰まりを解消する必要がある。ろ過膜の洗浄方法としては、物理洗浄法と薬品洗浄法とが挙げられる。中でも、物理洗浄法としては、ろ過膜の二次側(ろ過水側)から一次側(被処理水側)へと洗浄水を逆流させることで、ろ過膜を逆流洗浄(以下、「逆洗」という。)する方法が一般的に用いられている。
従来、ろ過膜を用いて被処理水をろ過する膜ろ過システムでは、定期的にろ過膜を逆洗するにあたり、種々の方法に基づいて、洗浄時間(以下、「逆洗時間」とも称する。)及び洗浄圧力(以下、「逆洗圧力」とも称する。)等の逆洗条件を決定して、ろ過膜を逆洗することで、ろ過膜のろ過性能を回復させていた。例えば、特許文献1では、ろ過時の膜差圧の測定値に応じて、逆洗時間及び逆洗圧力を制御することが提案されている。また、特許文献2では、逆洗排水の濁度の測定値が、予め設定されている洗浄完了決定濁度よりも小さくなった時に逆洗を終了することが提案されている。さらにまた、特許文献3では、物理洗浄開始時期等を決定するにあたり、ろ過膜に対して供給した被処理水の濁度等に基づいて、膜供給水質負荷量を求めることが提案されている。
特開平11-19485号公報 特開2003-126855号公報 特開2007-245084号公報
しかし、従来提案されてきたような制御方法では、逆洗条件については種々の制御を行うものの、逆洗を行った後にその効果を評価してこなかった。例えば、特許文献1に記載されたような、ろ過時の膜差圧の測定値に基づいた方法では、ろ過膜の膜面内にて、目詰まりの程度にばらつきがある場合に、膜差圧により膜面全体の状況を正確に把握することができず、結果的に十分な洗浄効果を得られないことがあり得た。また、特許文献2に記載されたような逆洗排水の濁度に基づいた方法では、逆洗排水の濁度が低くなった場合であっても、ろ過膜に残留した汚濁物質等の量が必ずしも十分な程度に少なくなっていない場合があり、逆洗の効果を正確に把握することができず、結果的に十分な洗浄効果を得られないことがあり得た。さらにまた、特許文献3に記載されたような、被処理水等の濁度に基づいた方法でも、ろ過膜に対して課された負荷量を正確に評価することができず、結果的に十分な洗浄効果を得られないことがあり得た。
そこで、本発明は、ろ過膜の洗浄効果を正確に把握することができる、ろ過膜の洗浄効果の評価方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ろ過膜を効率的に洗浄可能なろ過膜の洗浄方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を行なった。そして、本発明者は、ろ過膜を逆洗する際に生じた逆洗排水中に含まれる懸濁物質(SS:Suspended Solids)量と、被処理水中に含まれる懸濁物質量との相対的な関係に基づいて、ろ過膜の洗浄効果を正確に評価可能であることを見出し、本発明を完成させた。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のろ過膜の洗浄効果の評価方法は、被処理水をろ過した後のろ過膜を逆洗した際のろ過膜の洗浄効果を評価する評価方法であって、該評価方法は、ろ過中に前記ろ過膜に流入した流入懸濁物質量SSを得るステップと、逆洗にて生じた逆洗排水中の逆洗排水懸濁物質量SSを得るステップと、前記流入懸濁物質量SSを100%とした場合の、前記逆洗排水懸濁物質量SSの比率である、(SS/SS)%の値に基づいて、逆洗の洗浄効果を評価するステップと、を実施することを含むことを特徴とする。このように、(SS/SS)%の値に基づいて逆洗効果を評価することで、ろ過膜の洗浄効果を正確に把握することができる。
ここで、本発明のろ過膜の洗浄効果の評価方法にて、(SS/SS)%の値が、90%以上の所定の値となった場合に、逆洗効果が十分であったと判定することを含むことが好ましい。(SS/SS)%の値が、90%以上の所定の値となった場合に、逆洗効果が十分であったと判定すれば、ろ過膜の洗浄効果を一層正確に把握することができる。
さらに、本発明のろ過膜の洗浄効果の評価方法にて、前記ろ過膜の孔径が0.1μm以上1μm以下であることが好ましい。
なお、ろ過膜の孔径は、AMST F316-86に準拠して測定することができる。
また、この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のろ過膜の洗浄方法は、被処理水をろ過した後のろ過膜を洗浄するろ過膜の洗浄方法であって、該洗浄方法は、前記ろ過膜を逆流洗浄する、逆洗工程と、前記逆洗工程の洗浄効果を評価する評価工程と、を含み、前記評価工程において、ろ過中に前記ろ過膜に流入した流入懸濁物質量SSを得るサブステップと、前記逆洗工程にて生じた逆洗排水中の逆洗排水懸濁物質量SSを得るサブステップと、前記流入懸濁物質量SSを100%とした場合の、前記逆洗排水懸濁物質量SSの比率である、(SS/SS)%の値に基づいて、前記逆洗工程の洗浄効果を評価するサブステップと、を実施することを含む、ことを特徴とする。このように、(SS/SS)%の値に基づいて逆洗工程の洗浄効果を評価することにより、ろ過膜を効率的に洗浄することができる。
ここで、本発明のろ過膜の洗浄方法が、前記逆洗工程を実施している間に前記評価工程を実施することを含み、前記逆洗工程において逆洗終期を決定するにあたり、前記評価工程で得た、前記(SS/SS)%の値が、90%以上の所定の値となった時点を、前記逆洗終期とすることが好ましい。(SS/SS)%の値が、90%以上の所定の値となった時点を、逆洗終期とすれば、ろ過膜を一層効率的に洗浄することができる。
また、本発明のろ過膜の洗浄方法にて、前記ろ過膜の孔径が0.1μm以上1μm以下であることが好ましい。
本発明によれば、ろ過膜の洗浄効果を正確に把握することができる、ろ過膜の洗浄効果の評価方法を提供することができる。
また、本発明によれば、ろ過膜を効率的に洗浄可能なろ過膜の洗浄方法を提供することができる。
本発明に従うろ過膜の洗浄評価の評価方法及びろ過膜の洗浄方法を適用可能な膜ろ過システムの一例の概略構成を示す図である。 本発明に従うろ過膜の洗浄効果の評価方法、及びかかる評価方法を含む本発明の洗浄方法に基づいてろ過膜を洗浄した場合における、ろ過膜のろ過性能の回復度合いと、比較例における洗浄方法を実施した場合における、ろ過膜のろ過性能の回復度合いとを比較して示すグラフである。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき詳細に説明する。本発明のろ過膜の洗浄効果の評価方法(以下、「本発明の評価方法」とも称する。)及びろ過膜洗浄方法(以下、「本発明の洗浄方法」とも称する。)は、特に限定されることなく、上水処理、下水処理、工業用水処理、排水処理、海水淡水化などの各種水処理において被処理水中の汚濁物質を分離除去する際に用い得る、膜ろ過システムに備えられたろ過膜を逆流洗浄する際に好適に適用することができる。
ここで、図1に、本発明の評価方法及び洗浄方法の一例を適用可能な、膜ろ過システムの一例の概略構成を示す。図1に示す膜ろ過システム100は、被処理水を貯留する被処理水槽10と、容器20の内部にろ過膜30を収容してなるろ過装置とを備えている。そして、この膜ろ過システム100では、被処理水槽10中の被処理水をろ過装置のろ過膜30でろ過してろ過水を得る。
なお、ろ過膜30は、特に限定されないが、ろ過時の懸濁物質の除去性能が高く、且つ、本発明の洗浄方法を適用した際に洗浄効果が顕著に表れる観点からは、ろ過膜の孔径は、0.1μm以上が好ましく、1μm以下が好ましく、0.8μm以下がより好ましい。
被処理水槽10は、第1被処理水ライン11、及び第2被処理水ライン12を介してろ過装置の容器20の下部と接続されている。そして、被処理水槽10内に貯留された被処理水は、第2被処理水ライン12に設けられた被処理水ポンプ13を用いて容器20内へと送水され、ろ過膜30でろ過される。そして、ろ過膜30を経たろ過水は、容器20の二次側領域に接続されたろ過水ライン40を経て搬送され得る。なお、ろ過水ライン40は逆洗時に閉塞状態とされ得るろ過水弁41を備え得る。
また、第2被処理水ライン12の、被処理水ポンプ13と容器20との間には、被処理水弁14、及び流量計15が設けられている。さらに、容器20の一次側領域またはその前段には、ろ過膜30を隔てた一次側の圧力を測定するように構成された一次側圧力計16が設けられている。また、容器20の二次側領域又はその後段には、ろ過膜30を隔てた二次側の圧力を測定するように構成された二次側圧力計17が設けられている。一次側圧力計16及び二次側圧力計17の各測定値等に基づいて、ろ過膜30の差圧を算出することができる。かかる差圧の値に基づいて、ろ過膜30のろ過性能を把握及び評価することができる。
そして、第1被処理水ライン11と第2被処理水ライン12との連結箇所にて連結された、第3の配管は、逆洗排水ライン50に相当し得る。そして、逆洗排水ライン50には、逆洗排水弁51が設けられていてもよい。そして、逆洗時に容器20の一次側領域に流出した逆洗排水は、第2被処理水ライン12を経て逆洗排水ライン50から排水されて、逆洗排水槽52に貯留される。逆洗排水槽52には、槽内に貯留された逆洗排水の懸濁物質濃度を測定可能に構成された逆洗排水SS濃度計53が備えられている。
さらに、上述した被処理水槽10も、内部に貯留された被処理水の懸濁物質濃度を測定可能に構成された、被処理水SS濃度計60を備える。これらの、逆洗排水SS濃度計53、及び被処理水SS濃度計60としては、特に限定されることなく、例えば、東亜ディーケーケー株式会社製SS濃度計(SSF-1600)のような、赤外線散乱光測定方式に従って、光学的に懸濁物質濃度を測定することができる計測装置を用いることができる。
また、図示しないが、膜ろ過システム100は、逆洗時に逆洗水をろ過膜30に向けて送り出し、さらにろ過膜30を経て一次側領域に流出させるために必要な種々の構成部を備えていてもよい。そのような構成部としては、特に限定されることなく、例えば、ろ過水を逆流させるための逆洗ポンプ、及び、エアブローなどの加圧機構、及び所定量の逆洗水を貯留し得る逆洗水槽等が挙げられる。
そして、この膜ろ過システム100では、被処理水をろ過してろ過水を得る場合には、図1に示す被処理水弁14及びろ過水弁41を開き、逆洗排水弁51を閉じた状態で被処理水ポンプ13を運転する。そして、第1被処理水ライン11、及び第2被処理水ライン12を介して容器20内に流入した被処理水をろ過膜30でろ過する。なお、ろ過膜30から流出したろ過水は、容器20内の二次側領域を流れ、ろ過水ライン40から系外へと流出する。
ここで、被処理水のろ過を継続すると、被処理水中の懸濁物質等がろ過膜に付着してろ過膜の目詰まりが生じ、ろ過性能が低下する。そこで、本発明の評価方法及びかかる評価方法を含む本発明の洗浄方法を、上記したような構成を有する膜ろ過システム100に適用することで、逆洗工程におけるろ過膜の逆洗効果を正確に把握し、且つ、ろ過膜30を効率的に洗浄することができる。以下の説明では、本発明の洗浄方法に含まれる評価工程として、本発明の評価方法が実施されるものとして説明する。明確化の観点から、本発明の評価方法に含まれる各「ステップ」について、本発明の洗浄方法の「評価工程」に含まれる各「サブステップ」と称して説明する。
本発明のろ過膜の洗浄方法は、被処理水をろ過した後のろ過膜を洗浄するろ過膜の洗浄方法である。かかる洗浄方法は、ろ過膜30を逆流洗浄する、逆洗工程と、本発明の評価方法に従って逆洗工程の洗浄効果を評価する評価工程と、を含む。一例に係る本発明の洗浄方法を、上記の膜ろ過システム100に適用する際には、「所定の間隔」で、被処理水弁14、ろ過水弁41、第1被処理水ライン11、及び第2被処理水ライン12、逆洗排水ライン50、逆洗排水弁51を逆洗機構として使用して、「所定の逆洗圧力」で、ろ過膜30を逆洗する逆洗工程を実施する。なお、逆洗時の各弁及びポンプの動作は、図示しない制御装置を用いて制御することができる。
逆洗工程を実施する「所定の間隔」とは、膜ろ過システムの用途及び被処理水の季節的要因等に応じて経験的に定められた一定の期間であってもよいし、本発明の洗浄方法における評価工程にて得られた評価結果に基づいて、随時決定され得る間隔であってもよい。中でも、評価工程にて得られた評価結果に基づいて逆洗工程を実施する間隔を定めることが好ましい。例えば、膜ろ過システムの運転開始後、所定の期間までは、あらかじめ定められたタイミングで逆洗を実施し、所定の期間が経過した後に、逆洗を実施するにあたり、前回の逆洗工程における回収率を基準として、逆洗間隔を調節することが好ましい。この際、前回(n回目)の逆洗工程における回収率が95%以上の場合、(n+1)回目の逆洗工程を開始するまでの間隔(逆洗間隔)を、n回目の逆洗工程を実施した際の間隔よりも長くすることができる。また、n回目の逆洗工程における回収率が90%以下の場合、逆洗間隔をn回目の逆洗工程を実施した際の間隔よりも短くすることができる。さらには、n回目の逆洗工程における回収率が90%超95%未満の場合、逆洗間隔をn回目の逆洗工程を実施した際の間隔と同じにすることができる。
これにより、被処理水中に含まれる懸濁物質量が少なくろ過膜30が閉塞するまでの時間が比較的長いような場合において、定期的に逆洗工程を実施する場合と比較して、ろ過の継続時間を長くすることができる。このようにして、膜ろ過システム100においてろ過膜30がろ過を中断して逆洗するタイミングをできるだけ少なくすることにより、膜ろ過システム100のろ過効率を高めることができる。反対に、上記のような制御により、被処理水中に含まれる懸濁物質量が多くろ過膜30が閉塞するまでの時間が比較的短いような場合において、膜差圧が過度に高まるよりも前に逆洗を開始することができるので、ろ過膜30によるろ過性能を迅速に回復させることができる。このことによっても、膜ろ過システム100のろ過効率を高めることができる。
ここで、逆洗工程における「所定の逆洗圧力」とは、蓄積されたデータ(例えば、予め試験等して蓄積した、種々の流入懸濁物質量SSとそれに対応する逆洗圧力との関係性を示すデータ)などに基づいてあらかじめ定められている圧力であってもよいし、逆洗工程開始時点における膜差圧の値、及び、前回逆洗完了時点における懸濁物質回収率(%)の値等に基づいて、適時に定められ得る圧力であってもよい。
そして、本発明の洗浄方法では、評価工程において、ろ過中にろ過膜に流入した流入懸濁物質量SSを得るサブステップ(サブステップA)と、逆洗工程にて生じた逆洗排水中の逆洗排水懸濁物質量SSを得るサブステップ(サブステップB)と、流入懸濁物質量SSを100%とした場合の、逆洗排水懸濁物質量SSの比率である、(SS/SS)%の値に基づいて、逆洗工程の洗浄効果を評価するサブステップ(サブステップC)と、を実施することを含む。このような評価工程を実施することで、ろ過膜を逆洗した場合の効果を十分に高い精度で評価することができ、さらには、その評価結果に基づいて逆洗工程を実施することで、ろ過膜を効率的に洗浄することが可能となる。
本発明の洗浄方法では、評価工程において、上記のようにして算出した懸濁物質回収率:(SS/SS)%の値を指標とすることで、逆洗工程にて実施した洗浄の効果を高精度で評価することができる。以下、上記の各サブステップについて詳述する。
<サブステップA>
サブステップAでは、ろ過中にろ過膜に流入した流入懸濁物質量SS、言い換えれば、直近のろ過開始時点から、それに続く逆洗工程開始時点までの期間(以下、「ろ過期間」とも称する。)に、ろ過膜30に対して供給された被処理水中の懸濁物質量を得る。例えば、流入懸濁物質量SSを求める方法としては、ろ過膜でろ過された被処理水の量と、被処理水中の懸濁物質の濃度とを用いる方法が挙げられる。具体的には、流入懸濁物質量SSは、被処理水の流量および被処理水中の懸濁物質の濃度を連続的に測定し、測定された被処理水の流量と被処理水中の懸濁物質の濃度との乗算値を積算することにより、被処理水の流量や懸濁物質の濃度が経時変化する場合であっても正確に求めることができる。また、ろ過中に被処理水の流量および懸濁物質の濃度が殆ど変化しない場合には、被処理水の流量と、被処理水中の懸濁物質の濃度と、被処理水のろ過時間とを乗算することにより、簡便に求めることができる。
なお、懸濁物質の濃度を連続的に測定する場合、被処理水中の懸濁物質の濃度は、SS濃度計を用いた測定や、濁度計で測定した濁度からの換算などの方法で求めることができる。例えば、懸濁物質の濃度を連続的に測定することが可能なSS濃度計としては、上記したような東亜ディーケーケー株式会社製SS濃度計(SSF-1600)等を用いることができる。また、懸濁物質の濃度が経時的に殆ど変化しない場合には、被処理水中の懸濁物質の濃度は、SS濃度計や濁度計を用いて測定してもよいし、「水質汚濁に関わる環境基準の付表9(環境省)」に記載の方法を用いて求めてもよい。
具体的には、図1に示す膜ろ過システム100では、SS濃度計60により、被処理水槽10内に貯留された被処理水のSS濃度を測定する。そして、第2被処理水ライン12に取り付けられた流量計15により、ろ過膜30に供給される被処理水の流量(フラックス)を測定する。そして、直近のろ過開始時点から、次回の逆洗開始時点までの処理時間を算出する。このようにして得られた各種パラメータに基づいて、上記に従って流入懸濁物質量SSを得ることができる。
<サブステップB>
サブステップBでは、逆洗工程にて生じた逆洗排水中の逆洗排水懸濁物質量SSを得る。より具体的には、サブステップBでは、逆洗工程において二次側領域からろ過膜30を経て一次側領域へと流出した逆洗排水中の懸濁物質量を得る。逆洗排水懸濁物質量SSは、例えば、逆洗排水量の全量に対して、逆洗排水SS濃度計53により測定した逆洗排水の懸濁物質濃度値を乗じることにより、算出することができる。あるいは、流入懸濁物質量SSの場合と同様に、逆洗排水の流量及び逆洗排水中の懸濁物質の濃度を連続的に測定し、測定された流量と懸濁物質の濃度との乗算値を積算することによっても、逆洗排水懸濁物質量SSを得ることができる。なお、逆洗排水中の懸濁物質の濃度の測定は、上記したような、東亜ディーケーケー株式会社製SS濃度計(SSF-1600)等を用いることができる。さらには、逆洗排水量の全量に対して、「水質汚濁に関わる環境基準の付表9(環境省)」に記載の方法を適用することによっても、逆洗排水懸濁物質量SSを算出することができる。
<サブステップC>
サブステップCでは、流入懸濁物質量SSを100%とした場合の、逆洗排水懸濁物質量SSの比率(懸濁物質回収率)に基づいて、逆洗工程の洗浄効果を評価する。対応する式を下記に示す。
懸濁物質回収率(%)=SS2/SS×100
サブステップCでは、上記の懸濁物質回収率(%)の値に基づいて、逆洗効果が十分であったかを判定することができる。かかる判定に際して、懸濁物質回収率(%)の値が90%以上の所定の値となった場合に「十分な逆洗効果が得られた」と判定することが好ましく、懸濁物質回収率(%)の値が95%以上の所定の値となった場合に「十分な逆洗効果が得られた」と判定することがより好ましい。これらの下限閾値を用いることで、逆洗効果が十分であったことを一層正確に把握することができる。
さらに、上述したようなサブステップA~Cを含む評価工程は、逆洗工程の最中に実施することができる。具体的には、本発明の逆洗方法において、逆洗工程の最中に、所定の間隔で、あるいは連続的に、懸濁物質回収率(%)の値を測定して、かかる値に基づいて、逆洗工程を終了するタイミング、すなわち、逆洗工程の終期を決定することができる。逆洗工程の終期は、懸濁物質回収率(%)の値が90%以上の所定の値となった時点とすることが好ましく、95%以上の所定の値となった時点とすることがより好ましい。
以上、本発明の評価方法及び洗浄方法の一例について説明したが、本発明の評価方法及び洗浄方法は上述した内容に限定されるものではない。
以下、本発明について実施例を用いて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例にて採用した態様に限定されるものではない。以下に説明する実施例及び比較例において、水処理システムとしては、下記の属性を満たすろ過膜を備える図1に示す概略構成を満たすものを用い、被処理水としては下記のものを用い、懸濁物質回収率は下記のようにして測定した。また、実施例及び比較例に従う逆洗方法による逆洗の効果は、逆洗工程を繰り返し実施した場合のろ過膜の膜差圧の上昇状況を計測した結果に基づいて評価した。
(ろ過膜)
ろ過膜としては、セラミック膜(孔径:0.1μm)を使用した。
(被処理水)
水道水に対して、カオリン50mg/L及びベントナイト50mg/Lを添加して調製した人工原水を被処理水とした。
(懸濁物質回収率)
懸濁物質濃度計(東亜ディーケーケー株式会社製、SS濃度計、「SSF-1600」、測定波長:890nm)及び流量計を用いて、流入懸濁物質量SS及び逆洗排水懸濁物質量SSを測定し、下式に基づいて懸濁物質回収率を算出した。
懸濁物質回収率(%)=SS2/SS×100
(膜差圧)
図1に示す水処理システムに備えられた、一次側圧力計16の測定値及び二次側圧力計17の測定値、及びこれらの設置高さの差に起因する圧力及び配管通水圧損などのバイアスを用いて、下式に基づいて、ろ過膜30の差圧を算出した。膜差圧の値によれば、ろ過膜のろ過性能を把握することができる。例えば、逆洗工程を経たろ過膜の膜差圧が直前のろ過を開始する時点と同等の値まで低下していれば、逆洗工程により膜差圧が十分に回復し得たことを意味する。
差圧=(一次側圧力計16の測定値)-(二次側圧力計17の測定値)-(バイアス)
(実施例1)
水処理システムに被処理水を供給して、膜ろ過流束が12m/dとなるようにろ過を開始した。6時間毎に、ろ過を停止し、得られたろ過水の一部(0.5%)を逆洗水として用いた逆洗工程を実施した。逆洗工程における逆洗圧力は、流入懸濁物質量SSに基づいて決定され得る所定の値とした。また、逆洗工程にて用いた逆洗水の水量(以下、「逆洗水量」ともいう)は複数回の逆洗工程のすべてを通じて一定の値とした。逆洗工程終了時点におけるSS回収率を測定したところ、100%であった。このようなろ過-逆洗工程を繰り返し(5回)行った場合の、ろ過時の膜差圧の上昇カーブを取得した。結果を図2に示す。
(比較例1)
差圧回復率が100%となる逆洗圧力を予め求めておき、逆洗工程において、かかる逆洗圧力にて逆洗を行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。すなわち、ろ過流束及び逆洗水量等は、実施例1と同じとした。このようなろ過-逆洗工程を繰り返し(5回)行った場合の、ろ過時の膜差圧の上昇カーブを取得した。結果を図2に示す。
(比較例2)
図1に示す構成に加えて、逆洗排水の濁度を経時的に測定可能な濁度計(図示せず)を備える水処理システムを用い、逆洗工程において逆洗排水の濁度を経時的にモニターして、濁度がゼロとなる時点を逆洗工程の終期として決定した以外は、実施例1と同様の操作を行った。このようなろ過-逆洗工程を繰り返し(4回)行った場合の、ろ過時の膜差圧の上昇カーブを取得した。結果を図2に示す。
図2において破線1で示すように、実施例1に従う洗浄方法によれば、逆洗工程を経てろ過膜の膜差圧が十分に低くなっており、5回の逆洗を経た後も、ろ過膜が十分なろ過性能を呈し得る状態であったことがわかる。よって、実施例1より、本発明のろ過膜の洗浄効果の評価方法によれば、ろ過膜が効率的に洗浄されたことを正確に把握することができたことがわかる。
また、図2において破線2で示すように、膜差圧に基づいて設定した逆洗条件に従って逆洗工程を行った比較例2では、逆洗直後の膜差圧の値こそ、実施例1と同様に低いものの、ろ過時の膜差圧の上昇カーブの勾配が実施例1と比較して急であったことがわかる。さらに、破線3で示すように、繰り返しの逆洗を経た後に、膜差圧を回復させることができなくなったことがわかる。これは、逆洗により膜差圧が十分に低くなった場合であっても、ろ過膜全体のうち洗浄効果が良好であった箇所が、膜差圧の値を低くするように作用した結果、膜差圧によってはろ過膜全体の洗浄効果を適切に評価することができなかったためであると推察される。
さらにまた、図2において破線4で示すように、逆洗排水の濁度に基づいて逆洗工程の終期を決定しつつ、繰り返しの逆洗を行った比較例2では、逆洗工程を経ても膜差圧が回復しなかったことがわかる。これは、逆洗排水の濁度がゼロであるような場合でも、ろ過膜に懸濁物質が残留した状態となっており、逆洗排水の濁度をモニタリングしただけでは、逆洗による効果を適切に評価することができなかったためであると推察される。
本発明のろ過膜の洗浄効果の評価方法によれば、ろ過膜の洗浄効果を正確に把握することができる。
また、本発明のろ過膜の洗浄方法によれば、ろ過膜を効率的に洗浄することができる。
10 被処理水槽
11 第1被処理水ライン
12 第2被処理水ライン
13 被処理水ポンプ
14 被処理水弁
15 流量計
16 一次側圧力計
17 二次側圧力計
20 容器
30 ろ過膜
40 ろ過水ライン
41 ろ過水弁
50 逆洗排水ライン
51 逆洗排水弁
52 逆洗排水槽
53 逆洗排水SS濃度計
60 被処理水SS濃度計
100 膜ろ過システム

Claims (4)

  1. 被処理水をろ過した後のろ過膜を洗浄するろ過膜の洗浄方法であって、該洗浄方法は、
    前記ろ過膜を逆流洗浄する、逆洗工程と、
    前記逆洗工程の洗浄効果を評価する評価工程と、を含み、
    前記評価工程において、
    ろ過中に前記ろ過膜に流入した流入懸濁物質量SSを得るサブステップと、
    前記逆洗工程にて生じた逆洗排水中の逆洗排水懸濁物質量SSを得るサブステップと、
    前記流入懸濁物質量SSを100%とした場合の、前記逆洗排水懸濁物質量SS
    比率である、(SS/SS)%の値に基づいて、前記逆洗工程の洗浄効果を評価する
    サブステップと、を実施することを含み、さらに、
    前記評価工程にて得られた評価結果に基づいて前記逆洗工程を実施する間隔を定めることを含む、
    ろ過膜の洗浄方法。
  2. 前記逆洗工程を複数回実施するにあたり、前回(n回目)の逆洗工程における(SS /SS )%の値が95%以上の場合、(n+1)回目の逆洗工程を開始するまでの間隔を、n回目の逆洗工程を実施した際の間隔よりも長くし、n回目の逆洗工程における(SS /SS )%の値が90%以下の場合、(n+1)回目の逆洗工程を開始するまでの間隔をn回目の逆洗工程を実施した際の間隔よりも短くし、n回目の逆洗工程における(SS /SS )%の値が90%超95%未満の場合、(n+1)回目の逆洗工程を開始するまでの間隔をn回目の逆洗工程を実施した際の間隔と同じにすることを含む、請求項1に記載のろ過膜の洗浄方法。
  3. 前記逆洗工程を実施している間に前記評価工程を実施することを含み、
    前記逆洗工程において逆洗終期を決定するにあたり、前記評価工程で得た、前記(SS/SS)%の値が、90%以上の所定の値となった時点を、前記逆洗終期とする、
    請求項1又は2に記載のろ過膜の洗浄方法。
  4. 前記ろ過膜の孔径が0.1μm以上1μm以下である、請求項1~3の何れかに記載のろ過膜の洗浄方法。
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