JPH10155316A - 乗用型田植機 - Google Patents

乗用型田植機

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Publication number
JPH10155316A
JPH10155316A JP32384096A JP32384096A JPH10155316A JP H10155316 A JPH10155316 A JP H10155316A JP 32384096 A JP32384096 A JP 32384096A JP 32384096 A JP32384096 A JP 32384096A JP H10155316 A JPH10155316 A JP H10155316A
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JP
Japan
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seedling planting
float
planting device
surface height
mud surface
Prior art date
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Pending
Application number
JP32384096A
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English (en)
Inventor
Hiroto Kimura
木村  浩人
Tatsuji Ochi
竜児 越智
Kenji Fujii
藤井  健次
Yoshihide Miyanishi
吉秀 宮西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圃場の起伏や泥土の硬さにかかわらず自動的
に苗植付装置の対地高さを所定の対地高さに維持できる
ように構成して、植え付け作業時における作業者の労力
の軽減を図りながらも、苗植付装置による苗の植え付け
を良好に行えるようにするとともに、そのために要する
構成の簡素化を図れるようにする。 【解決手段】 植え付け作業走行時に変位する整地フロ
ート16の上下揺動角度θを検出するフロートセンサS
2からの検出値に基づいて、整地フロート16の上下揺
動角度θが予め設定された目標角度θoに復帰するよう
に苗植付装置5の昇降を制御する自動昇降制御手段20
Cを備えた乗用型田植機において、苗植付装置5に対す
る泥土表面高さの変位を検出する泥面高さ検出センサS
3を苗植付装置5の固定部5Aに配備し、泥面高さ検出
センサS3からの検出値に基づいて整地フロート16の
目標角度θoを補正する目標角度補正手段20Dを装備
した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、走行機体に苗植付
装置を昇降自在に連結するとともに、前記苗植付装置
に、付勢手段により接地付勢された整地フロートを後部
支点周りに上下揺動自在に装備し、植え付け作業時の走
行に伴って変位する前記整地フロートの上下揺動角度を
検出するフロートセンサと、該フロートセンサからの検
出値に基づいて、前記整地フロートの上下揺動角度が予
め設定された目標角度に復帰するように苗植付装置の昇
降を制御する自動昇降制御手段とを備えた乗用型田植機
に関する。
【0002】
【従来の技術】上記のような乗用型田植機おいては、自
動昇降制御手段が、フロートセンサからの検出値に基づ
いて、整地フロートの上下揺動角度が予め設定された目
標角度に復帰するように苗植付装置の昇降を制御するこ
とによって、圃場の起伏の変化にかかわらず苗植付装置
を所定の対地高さに維持できるように構成されており、
これによって、苗植付装置による苗の植え付けを予め設
定された植え付け深さで行えるようにしている。尚、植
え付け深さの設定は、苗植付装置の固定部に装備された
植付機構に対する整地フロートの高さ位置を変更し、植
え付け作動時における植付機構の圃場に対する突入量を
調節することによって行えるようになっている。また、
整地フロートの目標角度は、圃場泥土の硬さに応じて適
宜設定変更されるものであり、その設定変更は、作業者
が圃場泥土の硬さを判断するとともに、その判断に基づ
いて手動式の設定器を操作することによって行えるよう
になっている。
【0003】しかしながら、圃場によってはその一つの
圃場内において圃場泥土の硬さが頻繁に変化する場合が
あり、そのような場合には、植え付け作業時の走行に伴
って変化する圃場泥土硬さの判断と、その判断に基づく
整地フロートの目標角度の設定変更操作を迅速かつ頻繁
に行う必要が生じることから、作業者は、植え付け作業
時にかなりの労力を強いられるようになる。また、植え
付け作業時の走行に伴って圃場泥土の硬さが変化してい
るにもかかわらず整地フロートの目標角度の設定変更操
作を怠ると、例えば、圃場泥土の硬さが硬くなった場合
には、その泥土硬さの変化に起因して整地フロートが後
部支点周りに上昇揺動(前上がり方向に姿勢変更)する
とともに、その上昇揺動角度をフロートセンサが検出
し、このフロートセンサからの検出値に基づいて、自動
昇降制御手段が整地フロートの上下揺動角度が予め設定
された目標角度に復帰するように苗植付装置を上昇させ
るようになることから、苗植付装置の対地高さが所定の
対地高さよりも高くなり、これによって、圃場泥土の硬
さが硬くなっているにもかかわらず整地フロートの接地
圧が低くなって整地フロートによる整地が不十分になる
とともに、苗植付装置による苗の植え付けが予め設定さ
れた植え付け深さよりも浅くなり、もって、植付苗が倒
れ易くなる不都合が生じるようになる。また逆に、圃場
泥土の硬さが柔らかくなった場合には、その泥土硬さの
変化に起因して整地フロートが後部支点周りに下降揺動
(前下がり方向に姿勢変更)するとともに、その下降揺
動角度をフロートセンサが検出し、このフロートセンサ
からの検出値に基づいて、自動昇降制御手段が整地フロ
ートの上下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰す
るように苗植付装置を下降させるようになることから、
苗植付装置の対地高さが所定の対地高さよりも低くな
り、これによって、圃場泥土の硬さが柔らかくなってい
るにもかかわらず整地フロートの接地圧が高くなって整
地フロートによる泥押しが強くなり、もって、植付苗が
倒れ易くなる不都合が生じるようになる。つまり、苗植
付装置による苗の植え付けが良好に行われなくなる不都
合が生じるようになる。
【0004】そこで従来では、例えば特開平8‐103
129号公報や特開平8‐130941号公報などで開
示されているように、整地フロートの泥面通過後に形成
された溝跡深さを検出する溝跡深さ検出センサと、この
溝跡深さ検出センサからの検出値に基づいて圃場泥土の
硬さを判断するとともに、その判断に基づいて整地フロ
ートの目標角度を補正する補正手段とを装備することに
よって、植え付け作業時における作業者の労力を軽減し
ながら、苗植付装置による苗の植え付けを良好に行える
ようにしたものがあった。
【0005】ちなみに、整地フロートの泥面通過後に形
成される溝跡深さは、前述した自動昇降制御手段の制御
作動により、圃場泥土の硬さが硬くなるほど苗植付装置
が上昇することによって浅くなり、また逆に、圃場泥土
の硬さが柔らかくなるほど苗植付装置が下降することに
よって深くなる。一方、整地フロートの目標角度は、前
述した自動昇降制御手段の制御作動によって、前上がり
側に変更されるほど苗植付装置を下降させるようにな
り、また逆に、前下がり側に変更されるほど苗植付装置
を上昇させるようになる。これらの点から、補正手段
は、溝跡深さ検出センサにより検出される溝跡深さが深
いほど圃場泥土の硬さが軟らかいと判断し、その判断に
基づいて整地フロートの目標角度を前下がり側に変更す
るように構成されており、これによって、圃場の硬軟に
かかわらず、溝跡深さ検出センサにより検出される溝跡
深さを所定深さに維持することができて、苗植付装置の
対地高さを所定の対地高さに維持できるようになってお
り、もって、苗植付装置による苗の植え付けを良好に行
えるのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術によると、前述した両公報で開示されているよ
うに、溝跡深さ検出センサを構成する上において、圃場
泥土の表面を接地追従して泥土表面レベルを検出する接
地体と、整地フロートが通過した後の圃場泥土に形成さ
れた溝跡底面を接地追従して溝跡底面レベルを検出する
接地体とを設ける必要が生じるとともに、整地フロート
が通過した後の圃場泥土に形成された溝跡底面を接地追
従することから、一般的には先に例示した特開平8‐1
30941号公報で開示されているように整地フロート
の後方に配置されて苗植付装置の後部から突出する状態
となる溝跡底面レベル検出用の接地体(同公報において
は泥土表面レベル検出用の接地体も苗植付装置の後部か
ら突出する状態に配置されている)の後進走行時や旋回
走行時における他物(畦など)との接触を回避するため
の構成(先に例示した公報のうち特開平8‐13094
1号公報においては後進走行への切り換えに連動して苗
植付装置を上昇させるバックアップ機能を設ける構成で
あり、また、特開平8‐103129号公報においては
整地フロートの後部に切欠き部を形成するとともに、そ
の切欠き部に溝跡底面レベル検出用の接地体を配置する
ことによって苗植付装置の後部から突出させないように
した構成)を設ける必要が生じるようになり、構成が複
雑化する不都合を招くようになっていた。
【0007】本発明の目的は、圃場の起伏や泥土の硬さ
にかかわらず自動的に苗植付装置の対地高さを所定の対
地高さに維持できるように構成して、植え付け作業時に
おける作業者の労力の軽減を図りながらも、苗植付装置
による苗の植え付けを良好に行えるようにするととも
に、そのために要する構成の簡素化を図れるようにする
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のうちの請求項1記載の発明では、走行機体
に苗植付装置を昇降自在に連結するとともに、前記苗植
付装置に、付勢手段により接地付勢された整地フロート
を後部支点周りに上下揺動自在に装備し、植え付け作業
時の走行に伴って変位する前記整地フロートの上下揺動
角度を検出するフロートセンサと、該フロートセンサか
らの検出値に基づいて、前記整地フロートの上下揺動角
度が予め設定された目標角度に復帰するように前記苗植
付装置の昇降を制御する自動昇降制御手段とを備えた乗
用型田植機において、前記苗植付装置に対する泥土表面
高さの変位を検出する泥面高さ検出センサを前記苗植付
装置の固定部に配備するとともに、前記苗植付装置に対
する泥土表面高さが大きくなるほど前記整地フロートの
目標角度が前下がり側に変更されるように、前記泥面高
さ検出センサからの検出値に基づいて前記整地フロート
の目標角度を補正する目標角度補正手段を装備した。
【0009】上記請求項1記載の発明によると、圃場の
起伏により整地フロートが後部支点周りに上下揺動した
場合には、その整地フロートの上下揺動角度をフロート
センサが検出するとともに、その検出値に基づいて、自
動昇降制御手段が整地フロートの上下揺動角度が予め設
定された目標角度に復帰するように苗植付装置の昇降を
制御することによって、苗植付装置が圃場の起伏に沿っ
て昇降する状態となる。この状態では、泥面高さ検出セ
ンサが苗植付装置に対する泥土表面高さの変位を検出し
ないことから、目標角度補正手段が整地フロートの目標
角度を補正せずに維持するようになり、これによって、
目標角度の補正に基づく自動昇降制御手段の制御作動に
よる苗植付装置の昇降が行われないことから、圃場の起
伏の変化にかかわらず苗植付装置を所定の対地高さに維
持できるようになる。
【0010】一方、圃場泥土の硬さの変化により整地フ
ロートが後部支点周りに上下揺動した場合には、その整
地フロートの上下揺動角度をフロートセンサが検出する
とともに、その検出値に基づいて、自動昇降制御手段が
整地フロートの上下揺動角度が予め設定された目標角度
に復帰するように苗植付装置の昇降を制御することによ
って、苗植付装置が圃場の起伏の変化がないにもかかわ
らず昇降する状態となって所定の対地高さから外れるよ
うになる。これによって、泥面高さ検出センサが苗植付
装置に対する泥土表面高さの変位を検出するようになる
とともに、この検出値に基づいて、目標角度補正手段
が、その検出値に応じた補正値が得られるように、苗植
付装置に対する泥土表面高さが大きく(高く)なるほど
整地フロートの目標角度を前下がり側に変更する補正を
行うようになることから、この補正に基づく自動昇降制
御手段の制御作動によって苗植付装置を所定の対地高さ
に復帰させることができるようになる。
【0011】詳述すると、例えば、圃場泥土の硬さが軟
らかくなることにより整地フロートが後部支点周りに下
降揺動(沈下)した場合には、その整地フロートの下降
揺動角度をフロートセンサが検出するとともに、その検
出値に基づいて、自動昇降制御手段が整地フロートの上
下揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように
苗植付装置を下降させることによって、苗植付装置が所
定の対地高さから下降側に外れるようになる。これによ
って、苗植付装置の固定部に配備された泥面高さ検出セ
ンサは、苗植付装置に対して泥土表面高さが大きく(高
く)なる側に変位したことを検出するようになるととも
に、その検出値に基づいて、目標角度補正手段は、その
検出値に応じた補正値で整地フロートの目標角度を前下
がり側に補正するようになる。この補正が行われると、
自動昇降制御手段が、フロートセンサにより検出される
整地フロートの上下揺動角度が前下がり側に補正された
目標角度となるように苗植付装置を上昇させるようにな
り、もって、苗植付装置を所定の対地高さに復帰させる
ことができるようになる。また逆に、圃場泥土の硬さが
硬くなることにより整地フロートが後部支点周りに上昇
揺動(浮上)した場合には、その整地フロートの上昇揺
動角度をフロートセンサが検出するとともに、その検出
値に基づいて、自動昇降制御手段が整地フロートの上下
揺動角度が予め設定された目標角度に復帰するように苗
植付装置を上昇させることによって、苗植付装置が所定
の対地高さから上昇側に外れるようになる。これによっ
て、苗植付装置の固定部に配備された泥面高さ検出セン
サは、苗植付装置に対して泥土表面高さが小さく(低
く)なる側に変位したことを検出するようになるととも
に、その検出値に基づいて、目標角度補正手段は、その
検出値に応じた補正値で整地フロートの目標角度を前上
がり側に補正するようになる。この補正が行われると、
自動昇降制御手段が、フロートセンサにより検出される
整地フロートの上下揺動角度が前上がり側に補正された
目標角度となるように苗植付装置を下降させるようにな
り、もって、苗植付装置を所定の対地高さに復帰させる
ことができるようになる。
【0012】要するに、苗植付装置に対する泥土表面高
さの変位を検出する泥面高さ検出センサと、泥面高さ検
出センサからの検出値に基づいて整地フロートの目標角
度を補正する目標角度補正手段とを装備したことによっ
て、植え付け作業時における作業者の労力の軽減を図り
ながらも、苗植付装置の対地高さを圃場の起伏や泥土の
硬さにかかわらず所定の対地高さに維持することができ
て、苗植付装置による苗の植え付けを、整地フロートに
よる整地不良や泥押しあるいは浅植えなどに起因した苗
倒れの生じ難い所定の植え付け深さで良好に行えるよう
になる。
【0013】また、上述したように、圃場泥土の硬さが
軟らかくなった場合には、泥面高さ検出センサからの検
出値に基づいて目標角度補正手段が整地フロートの目標
角度を前下がり側に補正し、その補正に基づく自動昇降
制御手段の制御作動により苗植付装置を上昇させること
によって、苗植付装置を所定の対地高さに復帰させるよ
うになることから、整地フロートは、接地圧が低下して
軟らかい圃場泥土の起伏でも敏感に上下揺動するように
なり、フロートセンサは、その上下揺動角度を検出する
ようになる。また逆に、圃場泥土の硬さが硬くなった場
合には、泥面高さ検出センサからの検出値に基づいて目
標角度補正手段が整地フロートの目標角度を前上がり側
に補正し、その補正に基づく自動昇降制御手段の制御作
動により苗植付装置を下降させることによって、苗植付
装置を所定の対地高さに復帰させるようになることか
ら、整地フロートは、接地圧が上昇して多少の圃場泥土
の起伏では上下揺動しないようになり、フロートセンサ
は、その上下揺動角度の変動を余り検出しないようにな
る。つまり、圃場泥土の硬さが軟らかくなるほど自動的
にフロートセンサの感知感度が敏感側に調節され、また
逆に、圃場泥土の硬さが硬くなるほど自動的にフロート
センサの感知感度が鈍感側に調節されるのであり、これ
によって、泥土の硬い圃場における局部的な凹凸をもフ
ロートセンサが起伏として敏感に検出して苗植付装置が
頻繁に昇降することによって、苗植付装置による苗の植
え付けに悪影響を及ぼすようになることを回避でき、ま
た、泥土の軟らかい圃場における起伏をフロートセンサ
が検出しないことにより、起伏があるにもにかかわらず
苗植付装置が昇降しなくなることによって、苗植付装置
による苗の植え付けに悪影響を及ぼすようになることを
回避できるようになる。
【0014】要するに、フロートセンサの感知感度を圃
場泥土の硬さに応じた感知感度に自動調節することがで
きるのであり、これによって、苗植付装置による苗の植
え付けをより一層良好に行えるようになる。
【0015】しかも、泥面高さ検出センサは、単に苗植
付装置に対する泥土表面高さの変位を検出するものであ
ることから、従来技術として例示した溝跡深さ検出セン
サに比較して、溝跡底面レベル検出用の接地体を設ける
必要がなく、また、それによって、溝跡底面レベル検出
用の接地体の後進走行時や旋回走行時における他物(畦
など)との接触を回避するための構成を設ける必要がな
いので、構成の簡素化を図れるようになる。
【0016】その上、例えば、泥面高さ検出センサを苗
植付装置の可動部である整地フロートの揺動端に配備し
た場合には、圃場泥土の硬さの変化に伴って整地フロー
トの目標角度が補正されることにより整地フロートの基
準姿勢が変更されると、それに伴って泥面高さ検出セン
サの対地高さおよび姿勢が変化し、泥面高さ検出センサ
の基準値が変更された状態と同じようになることから、
苗植付装置に対する泥土表面高さの変位を精度良く検出
するためには、泥面高さ検出センサにより検出された苗
植付装置に対する泥土表面高さの変位量から、整地フロ
ートの目標角度の補正に伴って変化した泥面高さ検出セ
ンサの変化分を考慮する補正を行うための構成を要する
のであるが、本発明においては、泥面高さ検出センサを
苗植付装置の固定部に配備していることによって、整地
フロートの姿勢に関係なく泥面高さ検出センサの対地高
さを一定にすることができるので、前述の補正を行うた
めの構成を要することなく、泥面高さ検出センサにより
苗植付装置に対する泥土表面高さの変位を精度良く検出
できるようになる。
【0017】従って、圃場の起伏や泥土の硬さにかかわ
らず自動的に苗植付装置の対地高さを所定の対地高さに
維持できることによって、植え付け作業時における作業
者の労力の軽減を図りながらも、苗植付装置による苗の
植え付けを良好に行えるようになった。また、そのため
に要する構成の簡素化をも図れるようになった。
【0018】本発明のうちの請求項2記載の発明では、
上記請求項1記載の発明において、前記苗植付装置の固
定部に装備された植付機構に対する前記整地フロートの
高さ位置を変更する植え付け深さ調節に連動して、前記
泥面高さ検出センサの基準値を補正する基準値補正手段
を装備した。
【0019】上記請求項2記載の発明によると、苗植付
装置の固定部に装備された植付機構に対する整地フロー
トの高さ位置を変更する植え付け深さ調節によって、苗
植付装置固定部の対地高さが変化し、それに伴って、苗
植付装置の固定部に装備された泥面高さ検出センサの対
地高さが変化すると、基準値補正手段が、苗植付装置に
対する泥土表面高さの変位を検出する上において基準と
なる泥面高さ検出センサの基準値を、植え付け深さ調節
に伴って変化する泥面高さ検出センサの対地高さに応じ
た補正値で補正するようになる。これによって、植え付
け深さ調節に伴う泥面高さ検出センサの対地高さの変化
にかかわらず、設定された植え付け深さでの苗植付装置
に対する泥土表面高さの変位を泥面高さ検出センサによ
って正確に検出することができ、それによって、それぞ
れの植え付け深さに適した目標角度補正手段による整地
フロートの目標角度の補正、および、自動昇降制御手段
の制御作動による苗植付装置の昇降を行えるので、いず
れの植え付け深さにおいても、圃場の起伏や泥土の硬さ
にかかわらず自動的に苗植付装置の対地高さを、それぞ
れの植え付け深さに応じた所定の対地高さに維持できる
ようになる。
【0020】従って、苗植付装置の対地高さを、それぞ
れの植え付け深さに応じた所定の対地高さに維持できる
ことから、いずれの植え付け深さにおいても、苗植付装
置による苗の植え付けを良好に行えるようになった。
【0021】本発明のうちの請求項3記載の発明では、
上記請求項1または2記載の発明において、前記泥面高
さ検出センサを前記苗植付装置の左右に装備した。
【0022】上記請求項3記載の発明によると、目標角
度補正手段が、左右の泥面高さ検出センサからの検出値
に基づいて平均値を算出するとともに、その平均値に基
づいて整地フロートの目標角度を補正するように構成す
れば、苗植付装置が位置する圃場部分の苗植付装置に対
する略平均的な泥土表面高さの変位を検知することがで
き、その圃場部分に対してより適した目標角度に整地フ
ロートの目標角度を補正できるようになる。また、左右
の泥面高さ検出センサからの検出値を比較することによ
って、一方の泥面高さ検出センサからの検出値に対して
他方の泥面高さ検出センサからの検出値が極端に大きい
場合には、他方の泥面高さ検出センサからの検出値が泥
土表面の局部的な凹凸や異物などに起因した異常検出値
であることを認識することができ、整地フロートの目標
角度を補正する際に、その異常検出値の影響を受けない
ようにすることができるので、より適切な整地フロート
の目標角度の補正を行えるようになり、もって、この補
正に基づく自動昇降制御手段の制御作動によって苗植付
装置を所定の対地高さに精度良く復帰させることができ
るようになる。
【0023】従って、苗植付装置をより精度良く所定の
対地高さに維持することができるので、苗植付装置によ
る苗の植え付けをより一層良好に行えるようになった。
【0024】本発明のうちの請求項4記載の発明では、
上記請求項3記載の発明において、左右の前記泥面高さ
検出センサからの検出値に基づいて、前記苗植付装置が
圃場泥面に沿うように前後軸芯周りに傾動させるローリ
ング制御手段を装備した。
【0025】上記請求項4記載の発明によると、ローリ
ング制御手段が、左右の泥面高さ検出センサからの検出
値に基づいて苗植付装置を前後軸芯周りに傾動させるこ
とによって、苗植付装置は、圃場泥面の左右傾斜に沿う
ように考慮された状態で所定の対地高さに位置するよう
になる。つまり、苗植付装置に対して圃場泥面が左右方
向に傾斜していたとしても、苗植付装置の固定部に左右
方向に並列装備される植付機構の各対地高さを略同じ高
さに揃えることができ、各条の植え付け深さを略同じ深
さに植え付けることができるので、苗植付装置による良
好な苗の植え付けを安定して行えるようになる。また、
整地フロートの目標角度を補正するために装備した左右
の泥面高さ検出センサをローリング制御用に流用するよ
うにしていることから、ローリング制御専用の検出セン
サを別途設ける必要がないので、構成の複雑化や製造コ
ストの高騰を抑制できるようになる。
【0026】従って、構成の複雑化や製造コストの高騰
を抑制しながら、苗植付装置による良好な苗の植え付け
を安定して行えるようになった。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0028】図1には乗用型田植機の全体側面が示され
ており、この乗用型田植機は、乗用型の走行機体1と、
走行機体1の後部に昇降リンク機構2を介して油圧式の
リフトシリンダ3の作動により昇降自在に、かつ、電動
式のローリングモータ4の作動により前後軸芯P1周り
で傾動自在に連結された苗植付装置5によって構成され
ている。走行機体1の前部にはエンジン6が搭載されて
おり、エンジン6からの動力が、ベルト式無段変速装置
7やギヤ式変速装置8などを介して、前輪9、後輪1
0、および、苗植付装置5へ伝達されるようになってい
る。
【0029】図1および図2に示すように、苗植付装置
5は、エンジン6からの動力が入力されるフィードケー
ス11、フィードケース11から左右に向けて延設され
た角パイプ状の支持フレーム12、支持フレーム12か
ら後方に向けて三列で延設されたフレーム兼用の植付伝
動ケース13、各植付伝動ケース13の後部左右両側に
回転可能に軸支連結されたロータリ式の植付機構14、
各植付機構14に対して一定のストロークで往復横移動
する苗載台15、各植付機構14による苗植え付け箇所
に対して前もって整地作用を施す三つの整地フロート1
6などによって六条植え用に構成されている。
【0030】図2および図3に示すように、苗植付装置
5における各植付伝動ケース13の前下部には、左右の
植付伝動ケース13に渡って横架されたフロート支点パ
イプ17が、その軸芯である横軸芯P2周りに回動自在
に装着されている。フロート支点パイプ17における左
右中央部と左右両端部からは、フロート支点パイプ17
の横軸芯P2周りの回動に伴って横軸芯P2周りに上下
揺動する左右一対ずつの揺動アーム18が後方に向けて
延設されており、各揺動アーム18の遊端には対応配備
された整地フロート16の後部が横軸芯(後部支点)P
3周りに上下揺動自在に連結されている。フロート支点
パイプ17の略左右中央部には、横軸芯P2周りにフロ
ート支点パイプ17と一体回動する入力ギヤ17aが装
着されている。入力ギヤ17aには、支持フレーム12
に連結されたウォーム減速機構付きの電動モータ19の
出力ギヤ19aが噛合するようになっている。つまり、
電動モータ19を駆動させると、フロート支点パイプ1
7が横軸芯P2周りに回動するとともに各揺動アーム1
8が横軸芯P2周りに一体的に上下揺動し、各揺動アー
ム18の遊端に連結された整地フロート16のそれぞれ
が横軸芯P2周りに上下動するようになっており、これ
によって、苗植付装置5の支持フレーム12や植付伝動
ケース13などからなる固定部5Aに装着された各植付
機構14に対する各整地フロート16の高さ位置を一体
的に変更できて、植え付け作動時における各植付機構1
4の圃場に対する突入量を一体的に調節でき、もって、
苗植付装置5による植え付け深さを調節できるようにな
っている。尚、整地フロート16の揺動支点となる横軸
芯P3は、植付機構14による植え付け箇所と機体前後
方向において略一致するように設定されている。
【0031】図4に示すように、走行機体1にはマイク
ロコンピュータからなる制御装置20が搭載されてお
り、この制御装置20には、植え付け深さ設定用として
走行機体1の操縦部1Aに装備されたダイヤル型の設定
器21の操作位置に基づいて、その操作位置に応じた植
え付け深さが得られるように、電動モータ19の駆動を
制御して各植付機構14に対する各整地フロート16の
高さ位置を一体的に変更する植え付け深さ制御手段20
Aが制御プログラムとして備えられている。つまり、こ
の植え付け深さ制御手段20Aの制御作動によって、所
望の植え付け深さを設定器21の操作で容易に現出でき
るようになっている。
【0032】図1および図4に示すように、走行機体1
の操縦部1Aに装備されたステアリングハンドル22の
左下部には中立復帰型の操作レバー23が配備されてお
り、この操作レバー23を上方へ揺動操作すると第一ス
イッチ24が押圧操作され、また、操作レバー23を下
方へ揺動操作すると第二スイッチ25が押圧操作される
ようになっている。第一スイッチ24および第二スイッ
チ25は、それぞれ押圧操作されるのに伴ってオン信号
を制御装置20へ出力するようになっている。制御装置
20は、第一スイッチ24からのオン信号が入力される
と、植付クラッチ26の伝動状態を切り換えるクラッチ
モータ27の作動を制御して植付クラッチ26の切り状
態を現出することによって、苗植付装置5の植え付け作
動を停止させた後に、リフトシリンダ3に対する作動油
の流動状態を切り換える電磁制御弁28の作動を制御し
てリフトシリンダ3を伸長作動させることによって、苗
植付装置5を所定の上限位置まで上昇させるようになっ
ている。また、苗植付装置5を所定の上限位置まで上昇
させた後に第二スイッチ25からのオン信号が入力され
ると、電磁制御弁28の作動を制御してリフトシリンダ
3を短縮作動させることによって、苗植付装置5を所定
の植え付け高さ位置まで下降させるようになっている。
苗植付装置5を所定の植え付け高さ位置まで下降させた
後に再び第二スイッチ25からのオン信号が入力される
と、クラッチモータ27の作動を制御して植付クラッチ
26の入り状態を現出することによって、苗植付装置5
の植え付け作動を再開させるようになっている。つま
り、制御装置20には、操作レバー23の操作に基づい
て苗植付装置5の植え付け作動ならびに昇降を制御する
手動制御手段20Bが制御プログラムとして備えられて
いる。
【0033】ちなみに、操作レバー23の操作に基づく
手動制御手段20Bの制御作動は、走行機体1における
運転座席29の右側方に配備された植付クラッチレバー
30を「自動」位置に位置させた状態においてのみ実行
されるようになっている。そして、手動制御手段20B
は、植付クラッチレバー30を「自動」位置に位置させ
ていない状態においては、植付クラッチレバー30の操
作位置に基づいて苗植付装置5の植え付け作動ならびに
昇降を制御するようになっている。尚、図4における符
号S1は、植付クラッチレバー30の「自動」「上昇」
「中立」「下降」「入(植付け)」「切(植付け)」の
各操作位置への操作を検出して制御装置20へ出力する
回転式のポテンショメータによって構成されたレバーセ
ンサである。
【0034】図3〜5に示すように、苗植付装置5に
は、苗植付装置5の左右中央に配置された整地フロート
16の揺動端となる先端部を腰折れ式のリンク機構31
を介して接地付勢する付勢手段としてのコイルバネ32
と、植え付け作業時の走行に伴って横軸芯P3を支点と
して変位する整地フロート16の上下揺動角度θを検出
して制御装置20へ出力する回転式のポテンショメータ
によって構成されたフロートセンサS2とが装備されて
いる。フロートセンサS2は、支持フレーム12から上
方に向けて延設された支持ブラケット33に上下揺動自
在に支持された上下一対の揺動リンク34の遊端に枢支
連結された可動ブラケット35に支持されている。上下
一対の揺動リンク34のうちの上側に位置する揺動リン
ク34は、フロート支点パイプ17の横軸芯P2周りの
回動に伴って横軸芯P2周りに揺動するようにフロート
支点パイプ17から前上方に向けて延設された操作ロッ
ド36に連係されている。つまり、電動モータ19の駆
動により植付機構14に対する整地フロート16の高さ
位置を変更する植え付け深さ調節に連動して、フロート
センサS2の高さ位置も整地フロート16と同じ変位量
で変更されるようになっている。
【0035】図4に示すように、制御装置20は、フロ
ートセンサS2による検出値としての整地フロート16
の上下揺動角度θが入力されると、その検出値に基づい
て、整地フロート16の上下揺動角度θが予め設定され
た目標角度θoに復帰するように苗植付装置5の昇降を
制御するようになっている。尚、フロートセンサS2
は、整地フロート16が水平姿勢になると0度を検出
し、整地フロート16が前上がり姿勢になるとプラス角
を検出し、整地フロート16が前下がり姿勢になるとマ
イナス角を検出するように設定されている。フロートセ
ンサS2からの検出値に基づく制御装置20の制御作動
について詳述すると、制御装置20は、予め設定された
整地フロート16の目標角度θo(以下、単に目標角度
θoと略称する)とフロートセンサS2により検出され
た整地フロート16の上下揺動角度θ(以下、単に検出
角度θと略称する)とを比較し、その比較結果から、例
えば、目標角度θoに対して検出角度θが大きい(整地
フロート16が目標角度θoよりも前上がり方向にあ
る)と判断した場合には、電磁制御弁28の伸長作動に
より苗植付装置5を上昇させて整地フロート16の揺動
支点(横軸芯)P3を上昇変位させることによって、整
地フロート16の上下揺動角度θを目標角度θoに復帰
させるようになっている。また逆に、目標角度θoに対
して検出角度θが小さい(整地フロート16が目標角度
θoよりも前下がり方向にある)と判断した場合には、
電磁制御弁28の短縮作動により苗植付装置5を下降さ
せて整地フロート16の揺動支点P3を下降変位させる
ことによって、整地フロート16の上下揺動角度θを目
標角度θoに復帰させるようになっている。つまり、制
御装置20には、フロートセンサS2からの検出値に基
づいて苗植付装置5の昇降を制御する自動昇降制御手段
20Cが制御プログラムとして備えられており、この自
動昇降制御手段20Cの制御作動によって、圃場の起伏
にかかわらず苗植付装置5を所定の対地高さに維持する
ことができ、もって、苗植付装置5による苗の植え付け
を予め設定した所望の植え付け深さで行えるようになっ
ている。
【0036】ちなみに、整地フロート16の目標角度θ
oは、圃場泥土の硬さに応じて適宜設定変更されるもの
であり、その設定変更は、作業者が圃場泥土の硬さを判
断するとともに、その判断に基づいて、走行機体1の操
縦部1Aに装備された手動式の設定器37を操作するこ
とによって人為的に行えるようになっている。また、制
御装置20には、泥面高さ検出センサS3からの検出値
に基づいて整地フロート16の目標角度θoを補正する
目標角度補正手段20Dが制御プログラムとして備えら
れており、この目標角度補正手段20Dの制御作動を実
行させることによって、整地フロート16の目標角度θ
oを圃場泥土の硬さに応じた目標角度θoに自動的に設
定変更できるようになっている。
【0037】以下、目標角度補正手段20Dの制御作動
により、整地フロート16の目標角度θoを自動的に設
定変更するための構成について詳述する。
【0038】図2〜4に示すように、泥面高さ検出セン
サS3は、苗植付装置5の左右に各整地フロート16の
間に位置する状態で装備されている。各泥面高さ検出セ
ンサS3は、苗植付装置5の固定部5Aである支持フレ
ーム12に支持固定された回転式のポテンショメータ3
8と、このポテンショメータ38の操作軸38aから後
方に向けて上下揺動自在に延設された接地体39によっ
て構成され、接地体39が、植え付け作業時の走行に伴
って圃場の泥土表面を接地追従し、かつ、ポテンショメ
ータ38が、植え付け作業時の走行に伴って変位する接
地体39の上下揺動角度を検出することによって、苗植
付装置5に対する泥土表面高さの変位を検出するととも
に、その検出値を制御装置20の目標角度補正手段20
Dへ出力するようになっている。接地体39は、その接
地点が植付機構14による植え付け箇所と機体前後方向
において略一致するように形成されている。目標角度補
正手段20Dは、左右の泥面高さ検出センサS3からの
検出値に基づいて平均値を算出するとともに、その平均
値に基づいて苗植付装置5に対する泥土表面高さを検知
し、その検知に応じた補正値が得られるように、苗植付
装置5に対する泥土表面高さが大きい(接地体39が上
方に変位する)ほど整地フロート16の目標角度θoを
前下がり側(フロートセンサS2の検出基準値をマイナ
ス角検出方向側)に変更する補正を行うように構成され
ている。
【0039】以上の構成から、例えば、圃場泥土の硬さ
が軟らかくなることによって整地フロート16が後部支
点P3周りに下降揺動(沈下)した場合には、その整地
フロート16の下降揺動角度θをフロートセンサS2が
検出するとともに、その検出値に基づいて、自動昇降制
御手段20Cが整地フロート16の上下揺動角度θが予
め設定された目標角度θoに復帰するように苗植付装置
5を下降させることによって、苗植付装置5が所定の対
地高さから下降側に外れるようになったとしても、これ
に伴って、泥面高さ検出センサS3が、苗植付装置5に
対して泥土表面高さが大きく(高く)なる側に変位した
ことを検出するとともに、その検出値に基づいて、目標
角度補正手段20Dが、その検出値に応じた補正値で整
地フロート16の目標角度θを前下がり側に補正し、こ
の補正後の目標角度θに基づいて、自動昇降制御手段2
0Cが、フロートセンサS2からの検出角度θが前下が
り側に補正された目標角度θoとなるように苗植付装置
5を上昇させるようになるので、苗植付装置5を所定の
対地高さに復帰させることができるようになっている。
また逆に、圃場泥土の硬さが硬くなることによって整地
フロート16が後部支点P3周りに上昇揺動(浮上)し
た場合には、その整地フロート16の上昇揺動角度θを
フロートセンサS2が検出するとともに、その検出値に
基づいて、自動昇降制御手段20Cが整地フロート16
の上下揺動角度θが予め設定された目標角度θoに復帰
するように苗植付装置5を上昇させることによって、苗
植付装置5が所定の対地高さから上昇側に外れるように
なったとしても、これに伴って、泥面高さ検出センサS
3が、苗植付装置5に対して泥土表面高さが小さく(低
く)なる側に変位したことを検出するとともに、その検
出値に基づいて、目標角度補正手段20Dが、その検出
値に応じた補正値で整地フロート16の目標角度θを前
上がり側に補正し、この補正後の目標角度θに基づい
て、自動昇降制御手段20Cが、フロートセンサS2か
らの検出角度θが前上がり側に補正された目標角度θo
となるように苗植付装置5を下降させるようになるの
で、苗植付装置5を所定の対地高さに復帰させることが
できるようになっている。
【0040】つまり、苗植付装置5に対する泥土表面高
さの変位を検出する泥面高さ検出センサS3と、泥面高
さ検出センサS3からの検出値に基づいて整地フロート
16の目標角度θoを補正する目標角度補正手段20D
とを装備したことによって、圃場泥土の硬さに応じた目
標角度θoの設定を自動的に行うことができ、これによ
って、苗植付装置5の対地高さを圃場の起伏や圃場泥土
の硬さにかかわらず所定の対地高さに維持することがで
きて、苗植付装置5による苗の植え付けを予め設定した
所望の植え付け深さで安定して行えるようになってい
る。
【0041】また、上述したように、圃場泥土の硬さが
軟らかくなった場合には、泥面高さ検出センサS3から
の検出値に基づいて目標角度補正手段20Dが整地フロ
ート16の目標角度θoを前下がり側に補正し、その補
正に基づく自動昇降制御手段20Cの制御作動によって
苗植付装置5が上昇して所定の対地高さに復帰するよう
になることから、整地フロート16は、接地圧が低下し
て軟らかい圃場泥土の起伏でも敏感に上下揺動するよう
になり、その上下揺動角度θをフロートセンサS2が検
出するようになる。また逆に、圃場泥土の硬さが硬くな
った場合には、泥面高さ検出センサS3からの検出値に
基づいて目標角度補正手段20Dが整地フロート16の
目標角度θoを前上がり側に補正し、その補正に基づく
自動昇降制御手段20Cの制御作動によって苗植付装置
5が下降して所定の対地高さに復帰するようになること
から、整地フロート16は、接地圧が上昇して多少の圃
場泥土の凹凸では上下揺動しないようになり、その上下
揺動角度θの変動をフロートセンサS2が余り検出しな
いようになる。つまり、圃場泥土の硬さが軟らかくなる
ほど自動的にフロートセンサS2の感知感度が敏感側に
調節され、また逆に、圃場泥土の硬さが硬くなるほど自
動的にフロートセンサS2の感知感度が鈍感側に調節さ
れるのであり、これによって、泥土の軟らかい圃場にお
ける起伏をフロートセンサS2が検出しないことによ
り、起伏があるにもにかかわらず苗植付装置5が昇降し
なくなって、苗植付装置5による苗の植え付けに悪影響
を及ぼすようになることを回避でき、また、泥土の硬い
圃場における泥塊などに起因した局部的な凹凸をもフロ
ートセンサS2が起伏として敏感に検出し、苗植付装置
5が頻繁に昇降することによって、苗植付装置5による
苗の植え付けに悪影響を及ぼすようになることを回避で
きるようになっている。
【0042】要するに、フロートセンサS2の感知感度
(目標角度θo)を圃場泥土の硬さに応じた感知感度に
自動調節することができるのであり、これによって、苗
植付装置5による苗の植え付けをより一層良好に行える
ようになっている。
【0043】尚、手動式の設定器37の操作によりフロ
ートセンサS2の感知感度を手動設定する場合には、操
縦部1Aに装備されたダイヤル式の切り換えスイッチ4
0を「手動」位置に操作し、また、目標角度補正手段2
0Dの制御作動によりフロートセンサS2の感知感度を
自動設定する場合には、切り換えスイッチ40を「自
動」位置に操作することによって、フロートセンサS2
の感知感度設定方法を切り換えられるようになってい
る。
【0044】図4に示すように、制御装置20には、電
動モータ19の作動により植付機構14に対する整地フ
ロート16の高さ位置を変更する植え付け深さ調節に連
動して、泥面高さ検出センサS3の基準値を補正する基
準値補正手段20Eが制御プログラムとして備えられて
いる。基準値補正手段20Eは、苗植付装置5の固定部
5A(植付伝動ケース13)に装備された植付機構14
に対する整地フロート16の高さ位置を変更する植え付
け深さ調節によって、苗植付装置5の固定部5Aの対地
高さが変化し、それに伴って、苗植付装置5の固定部5
A(支持フレーム12)に装備された泥面高さ検出セン
サS3の対地高さが変化すると、苗植付装置5に対する
泥土表面高さの変位を検出する上において基準となる泥
面高さ検出センサS3の基準値を、植え付け深さ調節に
伴って変化する泥面高さ検出センサS3の対地高さに応
じた補正値で補正するようになっている。例えば、植え
付け深さが深い側に調節されることによって、植付機構
14に対する整地フロート16の高さ位置が高くなり
(植付機構14に近づく状態)、苗植付装置5の固定部
5Aの対地高さが低くなった場合には、泥面高さ検出セ
ンサS3の基準値は、基準値補正手段20Eの制御作動
により、植え付け深さ調節に伴って変化する泥面高さ検
出センサS3の対地高さに応じた補正値で補正されるこ
とによって、接地体39の上昇方向に変位するようにな
っている。また、植え付け深さが浅い側に調節されるこ
とによって、植付機構14に対する整地フロート16の
高さ位置が低くなり(植付機構14から離れる状態)、
苗植付装置5の固定部5Aの対地高さが高くなった場合
には、泥面高さ検出センサS3の基準値は、基準値補正
手段20Eの制御作動により、植え付け深さ調節に伴っ
て変化する泥面高さ検出センサS3の対地高さに応じた
補正値で補正されることによって、接地体39の下降方
向に変位するようになっている。これによって、植え付
け深さ調節に伴う泥面高さ検出センサS3の対地高さの
変化にかかわらず、予め設定された植え付け深さでの苗
植付装置5に対する泥土表面高さの変位を泥面高さ検出
センサS3によって正確に検出することができ、それに
よって、それぞれの植え付け深さに適した目標角度補正
手段20Dによる整地フロート16の目標角度θoの補
正、および、自動昇降制御手段20Cの制御作動による
苗植付装置5の昇降を行えるので、いずれの植え付け深
さにおいても、圃場の起伏や泥土の硬さにかかわらず自
動的に苗植付装置5の対地高さを、それぞれの植え付け
深さに応じた所定の対地高さに維持できて、苗植付装置
5による苗の植え付けを設定された植え付け深さで精度
良く行えるようになっている。
【0045】尚、植え付け深さ設定用の設定器21の操
作位置に基づいて植え付け深さ制御手段20Aが植え付
け深さを調節し、その植え付け深さ調節に連動して基準
値補正手段20Eが泥面高さ検出センサS3の基準値を
補正することから、植え付け深さ設定用の設定器21
は、泥面高さ検出センサS3の基準値を設定するための
設定器としても機能するようになっている。
【0046】図4に示すように、制御装置20には、左
右の泥面高さ検出センサS3からの検出値に基づいてロ
ーリングモータ4の作動を制御することにより、苗植付
装置5を圃場泥面に沿う状態となるように前後軸芯P1
周りに回動させるローリング制御手段20Fが制御プロ
グラムとして備えられており、このローリング制御手段
20Fの制御作動によって、苗植付装置5を圃場泥面の
左右傾斜に沿うように考慮した状態で所定の対地高さに
位置させることができるようになっている。つまり、苗
植付装置5に対して圃場泥面が左右方向に傾斜していた
としても、ローリング制御手段20Fの制御作動によ
り、苗植付装置5を圃場泥面に沿う状態に傾斜させるこ
とによって、苗植付装置5の固定部5Aに左右方向に並
列装備される植付機構14の各対地高さを略同じ高さに
揃えることができて、各条の植え付け深さを略同じ深さ
に植え付けることができるので、苗植付装置5による良
好な苗の植え付けを安定して行えるようになっている。
また、整地フロート16の目標角度θoを補正するため
に装備した左右の泥面高さ検出センサS3をローリング
制御用に流用していることから、ローリング制御専用の
検出センサを別途設ける場合に比較して、構成の複雑化
や製造コストの高騰を抑制できるようになっている。
【0047】〔別実施例〕以下、本発明の別実施形態を
列記する。 上記の実施形態においては、六条植え用の苗植付装
置5が装備された乗用型田植機を例示したが、苗植付装
置5としては、四条植え用、五条植え用、八条植え用、
十条植え用、あるいは、十二条植え用のものであっても
よい。 図6に示すように、フロート支点パイプ17から前
上方に向けて延設された操作レバー41の手動操作によ
って植え付け深さを調節するように構成した場合には、
操作レバー41の各操作位置(図6においては五段階操
作のものを例示する)への操作を検出するリミットスイ
ッチSa〜Seまたはレバーセンサ(図示せず)などを
設け、それらの検出に基づいて基準値補正手段20Eが
泥面高さ検出センサS3の基準値を補正するように構成
すれば、植え付け深さ調節に連動して泥面高さ検出セン
サS3の基準値を補正できるようになる。 上記の実施形態においては、植え付け深さ調節に連
動して泥面高さ検出センサS3の基準値を補正するよう
に構成したが、泥面高さ検出センサS3の基準値の補正
を、植え付け深さ調節に連動させずに別の操作で行うよ
うに構成してもよい。 泥面高さ検出センサS3を、苗植付装置5の固定部
5Aである植付伝動ケース13に配備するように構成し
てもよい。 苗植付装置5の固定部5Aに泥面高さ検出センサS
3を一つだけ装備するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗用型田植機の全体側面図
【図2】苗植付装置の構成を示す概略平面図
【図3】泥面高さ検出センサおよびフロートセンサの構
成を示す苗植付装置の要部側面図
【図4】制御構成を示すブロック図
【図5】泥面高さ検出センサおよびフロートセンサの構
成を示す苗植付装置の要部正面図
【図6】植え付け深さ調節に連動して泥面高さ検出セン
サの基準値を補正するための別の構成を示す苗植付装置
の要部側面図
【符号の説明】
1 走行機体 5 苗植付装置 5A 固定部 14 植付機構 16 整地フロート 20C 自動昇降制御手段 20D 目標角度補正手段 20E 基準値補正手段 20F ローリング制御手段 32 付勢手段 P1 前後軸芯 P3 後部支点 S2 フロートセンサ S3 泥面高さ検出センサ θ 上下揺動角度 θo 目標角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮西 吉秀 大阪府堺市石津北町64番地 株式会社クボ タ堺製造所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行機体に苗植付装置を昇降自在に連結
    するとともに、前記苗植付装置に、付勢手段により接地
    付勢された整地フロートを後部支点周りに上下揺動自在
    に装備し、植え付け作業時の走行に伴って変位する前記
    整地フロートの上下揺動角度を検出するフロートセンサ
    と、該フロートセンサからの検出値に基づいて、前記整
    地フロートの上下揺動角度が予め設定された目標角度に
    復帰するように前記苗植付装置の昇降を制御する自動昇
    降制御手段とを備えた乗用型田植機において、 前記苗植付装置に対する泥土表面高さの変位を検出する
    泥面高さ検出センサを前記苗植付装置の固定部に配備す
    るとともに、前記苗植付装置に対する泥土表面高さが大
    きくなるほど前記整地フロートの目標角度が前下がり側
    に変更されるように、前記泥面高さ検出センサからの検
    出値に基づいて前記整地フロートの目標角度を補正する
    目標角度補正手段を装備してある乗用型田植機。
  2. 【請求項2】 前記苗植付装置の固定部に装備された植
    付機構に対する前記整地フロートの高さ位置を変更する
    植え付け深さ調節に連動して、前記泥面高さ検出センサ
    の基準値を補正する基準値補正手段を装備してある請求
    項1記載の乗用型田植機。
  3. 【請求項3】 前記泥面高さ検出センサを前記苗植付装
    置の左右に装備してある請求項1または2記載の乗用型
    田植機。
  4. 【請求項4】 左右の前記泥面高さ検出センサからの検
    出値に基づいて、前記苗植付装置が圃場泥面に沿うよう
    に前後軸芯周りに傾動させるローリング制御手段を装備
    してある請求項3記載の乗用型田植機。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007259782A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Kubota Corp 植え付け作業機の昇降制御構造

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JP2007259782A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Kubota Corp 植え付け作業機の昇降制御構造

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