JPH10152735A - 耐海水性銅基合金、魚類用養殖網及び魚類養殖用生簀 - Google Patents

耐海水性銅基合金、魚類用養殖網及び魚類養殖用生簀

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JPH10152735A
JPH10152735A JP8314444A JP31444496A JPH10152735A JP H10152735 A JPH10152735 A JP H10152735A JP 8314444 A JP8314444 A JP 8314444A JP 31444496 A JP31444496 A JP 31444496A JP H10152735 A JPH10152735 A JP H10152735A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅基合金製網を使用することによって、銅基
合金の特性を生かした良好な魚類養殖を行うことができ
る生簀を提供する。 【解決手段】 魚類養殖用生簀13 は、魚類用養殖網3
を複数の浮子4…により吊支させると共に、養殖網3の
各コーナ部3bに亜鉛板である犠牲陽極5を取り付けて
なる。養殖網3は、銅62.0〜69.0重量%、錫
0.2〜1.0重量%及びアンチモン0.02〜0.1
5重量%を含有すると共に燐0.02〜0.15重量
%、ニッケル0.1〜1.0重量%及び鉄0.05〜
0.8重量%から選択した一種又は二種の元素を含有し
且つ残部が亜鉛及び不可避不純物からなる耐海水性銅基
合金製の線材で構成される。隣接する浮子4,4の相互
間隔S,S´は30cm以下とし、各犠牲陽極5の取付
位置は海面下10〜50cmの範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、使用時等において
海水に浸漬,接触される海洋設置物や海水を扱う機器等
の各種製品ないし部品の構成材として好適に使用される
耐海水性銅基合金と、この耐海水性銅基合金からなる魚
類用養殖網と、この養殖網を使用する魚類養殖用生簀に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えばフグ等の魚類を養殖させるために
使用する海洋設置物たる養殖網としては、一般に、鉄製
のものやナイロン,ポリプロピレン等の合成繊維製のも
のが使用されている。
【0003】しかし、かかる鉄製網や合成繊維製網で
は、フジツボ等の貝類,藻類等の海洋生物が付着し易い
ため、かかる付着海洋生物により網目が塞がれて潮通し
が悪くなり、その結果、養殖海水域への酸素や水中栄養
物の補給が不足する等により、養殖魚の生育に悪影響
(ストレスや発病による成長不良等)を及ぼす虞れがあ
った。このため、従来からも、一年に一,二度の割合で
エアーを噴射して、網に付着した海洋生物を除去するこ
とも行なわれているが、このようなエアー噴射による網
洗浄作業は危険を伴うと共に作業コストも極めて高い。
しかも、網洗浄作業を行なう直前の期間においては、網
目が完全に塞がれる程度でないにしても、相当量の海洋
生物が付着しているため、養殖魚への悪影響をさほど排
除できるものでない。また、エアー噴射は、養殖魚に強
度のストレスを与えて、その健全な成長を妨げることに
もなる。
【0004】また、鉄製網では、その構成材たる鉄が耐
海水腐蝕性に乏しいため、比較的短期間において、構成
線材の腐蝕による網破れが生じ易い。一箇所でも網が破
れると、そこから養殖魚が逃散して大損害となるため、
定期的に鉄製網を交換する必要がある。このため、現状
では、鉄製網は2年前後で交換しているのが普通であ
る。ところで、養殖魚が幼魚から商品価値を有する成魚
に成長するまでに要する期間(以下「養殖期間」とい
う)は、成長の早いものでは2年程度であるが、フグ等
の高級魚では3年以上であるのが普通である。したがっ
て、多くの場合、養殖期間中に網交換が行なわれること
になり、網交換時に養殖魚の移替えが必要となるため、
網交換作業に要する労力,コスト負担が大きいことは勿
論、移替えにより養殖魚に与える悪影響(ストレス等)
が極めて大きい。なお、合成繊維製網では、海水により
腐蝕されることはないが、本来的に強度に劣るため、耐
用年数が鉄製網より短く、短期間での交換を余儀なくさ
れる。
【0005】そこで、近時、養殖網として、銅基合金製
の線材を用いたものが提案されている。かかる銅基合金
製の養殖網では、線材から溶出する銅イオンの作用によ
り、フジツボ等の海洋生物の付着が防止される(以下、
かかる性質を「防藻性」という)と共に、養殖海水域が
滅菌,殺菌されることになる。したがって、エアー噴射
による網洗浄作業を行なう必要がなく、これに伴う労
力,コストの削減と養殖魚に与える悪影響(エア噴射に
より養殖魚に与えるストレス等)の排除を図ることがで
きる。しかも、養殖海水域が滅菌,殺菌されることによ
り、養殖魚の発病や寄生虫による悪影響等を可及的に防
止できることとも相俟って、養殖魚の健全な成長並びに
成長速度の向上を図ることができる。
【0006】したがって、銅基合金製の養殖網を使用し
た養殖用生簀によれば、鉄製網や合成繊維製網を使用し
た場合に比して、生産歩留りが向上し、商品価値の高い
養殖魚類を得ることができ、養殖産業の発展が期待され
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、養殖網はそ
れが吊支されるものである以上、線材の機械的強度が不
足すると、その自重によって線材が破断されることにな
る。また、養殖網は波,風によって常時揺動されるた
め、線材同士が強く接触して(擦れて)摩耗することに
なる。また、養殖網には波が繰り返し衝突するため、そ
の衝撃による浸蝕作用によって線材が痩せ細る(以下、
かかる現象を「潰蝕」という)ことになる。また、海水
は金属腐蝕性を有するため、海水との接触により線材が
腐蝕(以下、かかる腐蝕を「海水腐蝕」という)される
ことになる。したがって、機械的強度,耐摩耗性,耐潰
蝕性,耐海水腐蝕性の一つでも不足している線材で構成
された養殖網は、その耐用年数が不十分となる。
【0008】しかし、銅基合金として従来からも種々の
組成のものが提案されているものの、公知の銅基合金に
は、養殖用網に必要とされる程度以上の機械的強度,耐
摩耗性,耐潰蝕性,耐海水腐蝕性をすべて備えたものは
存在していない。例えば、純銅系の銅基合金では強度,
耐摩耗性,耐潰蝕性の面で、銅−亜鉛系の銅基合金では
耐摩耗性,耐潰蝕性,耐海水腐蝕性の面で、また銅−ニ
ッケル系の銅基合金では耐摩耗性,耐潰蝕性(及び材料
コスト)の面で、夫々問題がある。因に、本発明者が実
験により確認したところでは、公知の銅基合金を使用し
て製作した養殖網では、その耐用年数が鉄製網と同等な
いしそれ以下である。例えば、耐海水性に優れた銅基合
金であるネーバル黄銅(JIS C4621,CDA
C46600等)を使用したものでも、鉄製網と同等の
耐用年数を確保できるにすぎない(耐用年数は精々2年
程度にすぎない)。したがって、銅基合金製の養殖網
は、材料コスト上、鉄製や合成繊維製のものに比して高
価なものであるから、上記した防藻性,殺菌・滅菌性に
よる優位性を考慮しても、この程度の耐用年数では到底
採算がとれない。このため、銅基合金製のものは、防藻
性,殺菌・滅菌性を有する点で、鉄製のものや合成繊維
製のものに比して極めて優れた養殖上の利点を有するも
のでありながら、耐用年数を含めたトータル的なコスト
面から未だ実用化されていないのが実情である。
【0009】また、銅基合金は、他の金属ないし合金に
比して優れた特性を有する(例えば、上記した防藻性,
殺菌・滅菌性の他にも、導電性,伝熱性等に優れる)も
のであるため、養殖網以外にも、使用時等において海水
に浸漬,接触される海洋設置物や海水を扱う機器等の各
種製品ないし部品(例えば、船舶用熱交換器の伝熱管
等)において、その構成材として使用することが好まし
い場合があり、実際に、上記した如く耐海水性に比較的
優れたネーバル黄銅等を構成材として使用した実用品が
数多く存在する。
【0010】しかし、このような実用品にあっても、養
殖網と同様に、海水腐蝕等による種々の問題(耐用年数
の不足等)が指摘されており、耐海水性に優れた銅基合
金の開発が強く望まれているのが実情である。
【0011】本発明は、このような実情に鑑みて、銅基
合金本来の特性を損なうことなく、耐海水性を大幅に向
上させることができ、魚類用養殖網も含めて、使用時等
において海水に浸漬,接触される海洋設置物や海水を扱
う機器等の各種製品ないし部品の構成材として好適に使
用することができる耐海水性銅基合金を提供することを
目的とするものであり、更には実用的な銅基合金製の魚
類用養殖網及びこれを使用した魚類養殖用生簀を提供す
ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、第1
に、銅62.0〜69.0重量%、錫0.2〜1.0重
量%及びアンチモン0.02〜0.15重量%を含有し
且つ残部が亜鉛及び不可避不純物からなる金属組成をな
す耐海水性銅基合金を提案する。
【0013】そして、かかる耐海水性銅基合金にあって
は、その特性の更なる向上を図るために、更に、燐,ニ
ッケル,鉄から選択した一種又は二種の元素を適当量含
有させておくことが好ましい。すなわち、耐海水性銅基
合金の金属組成を、銅62.0〜69.0重量%、錫
0.2〜1.0重量%及びアンチモン0.02〜0.1
5重量%を含有すると共に燐0.02〜0.15重量
%、ニッケル0.1〜1.0重量%及び鉄0.05〜
0.8重量%から選択した一種又は二種の元素を含有し
且つ残部が亜鉛及び不可避不純物からなるものとしてお
くことが好ましい。
【0014】ところで、このような金属組成としておく
主たる理由は、以下に述べる通りである。
【0015】すなわち、銅は基本元素であり、銅の添加
量が62.0重量%未満では良好な耐蝕性が得られず、
また69.0重量%を超えると、熱間加工性が低下す
る。耐蝕性も添加量に見合う程度には向上せず、養殖網
等の銅基合金製品の材料コストが高くなる。このような
理由から銅の添加量は62.0〜69.0重量%とし
た。
【0016】錫は0.2重量%以上添加することによっ
て、耐蝕性,耐潰蝕性,耐摩耗性、強度を向上させる効
果がある。しかし、1.0重量%を超えて添加しても、
添加量に見合う効果が得られず、熱間加工性,冷間加工
性を却って低下させることになる。したがって、錫の添
加量は0.2〜1.0重量%とした。
【0017】アンチモンは、0.02重量%以上添加す
ることによって、耐蝕性(特に、耐脱亜鉛腐蝕性)を向
上させる効果がある。しかし、0.15重量%を超えて
添加しても、それに見合う効果が得られず、熱間加工
性,冷間加工性を却って低下させることになる。。した
がって、アンチモンの添加量は0.02〜0.15重量
%とした。
【0018】燐,ニッケル,鉄は、その一種又は二種以
上を添加させることにより、銅基合金の上記特性を更に
向上させるものである。燐は耐蝕性を向上させるもので
あり、更にニッケル又は鉄との共添により耐摩耗性,耐
潰蝕性を向上させるが、かかる効果は0.02重量%未
満の添加では充分に発揮されない。一方、燐の添加量が
0.15重量%を超えると、添加量に見合う効果が得ら
れないばかりか、却って熱間加工性,冷間加工性が低下
したり、応力腐蝕割れ感受性が高くなるといった問題を
生じる。また、ニッケルないし鉄は、その一方又は両方
を添加することにより、機械的強度,耐摩耗性,耐潰蝕
性を向上させる。特に、ニッケルは耐蝕性をも向上させ
る作用がある。而して、ニッケルないし鉄の添加による
かかる効果が充分に発揮されるには、両者を共添させる
と否とに拘わらず、また燐を共添させると否とに拘わら
ず、ニッケル又は鉄の添加量を夫々0.1重量%以上又
は0.05重量%以上としておく必要がある。しかし、
ニッケル又は鉄の添加量が夫々1.0重量%又は0.8
重量%を超えると、添加量に見合う効果が得られないば
かりか、却って冷間加工性が低下する等の弊害を生じ
る。したがって、銅,錫,アンチモン,亜鉛に加えて、
燐,ニッケル,鉄を添加させる場合においては、燐につ
いては、ニッケル又は鉄を共添させる場合も含めて0.
02〜0.15重量%の範囲で添加するのが適当であ
り、ニッケルについては、燐又は鉄を共添させる場合も
含めて0.1〜1.0重量%の範囲で添加するのが適当
であり、また鉄については、燐又はニッケルを添加させ
る場合も含めて0.05〜0.8重量%の範囲で添加す
るのが適当である。なお、燐,ニッケル,鉄を全て添加
することを排除する理由は、これら全てを添加しても、
その一種又は二種を添加した場合に比して顕著な効果が
認められる訳ではなく、無意味ないし無駄であるからで
ある。
【0019】第2に、本発明にあっては、魚類の養殖を
行う上で優れた機能(防藻性,殺菌・滅菌性等)を発揮
する銅基合金製網の実用化を図るべく、上記耐海水性銅
基合金からなる線材で構成した魚類用養殖網を提案す
る。
【0020】ところで、魚類養殖用生簀にあっては、一
般に、魚類用養殖網を、その上端外周面に沿って環状に
並列配置された複数の浮子により、吊支させるようにし
ているが、本発明者の永年の経験からして、潰蝕による
損傷程度は養殖網のすべの部分において一様ではなく、
一般的に、海面下10〜50cmの部分において顕著で
ある。すなわち、かかる部分においては、線材の線径減
少量が他の網部分に比して異常に大きい。しかし、かか
る異常な線径減少は、それが養殖網の海面近くの特定箇
所に集中していることからすれば、養殖網の材質(耐海
水腐蝕性,耐摩耗性等)のみに起因するものであるとは
考え難い。一方、魚類養殖用生簀が設置される場所は、
一般に、比較的波の穏やかな内海ではあるが、季節によ
っては台風等により養殖網の受ける波の影響が極めて大
きくなる場合がある。そして、本発明者の経験及び実
験,研究の結果、かかる波の影響は養殖網の海面下10
〜50cmの部分において最も強く受けること、及びそ
の影響の程度は浮子に対面している網部分(以下「浮子
存在部分」という)とそうでない部分(隣接する浮子間
の隙間に対応する網部分であり、以下「浮子不存在部
分」という)とで大きく異なり、浮子存在部分では浮子
による防波作用により波の影響がかなり小さくなってい
ることが判明した。また、異常な線径減少が生じている
網部分を詳細に観察,分析してみると、海面下10〜5
0cmの部分においても、浮子存在部分と浮子不存在部
分とでは線径減少程度が明瞭に異なっており、浮子不存
在部分における線径減少程度が顕著に高いことが判明し
た。したがって、これらのことから総合的に判断する
と、線材の異常な線径減少は、その材質(耐海水腐蝕
性,摩耗性等の程度)もさることながら、波による影響
が極めて大きいものと結論することができる。
【0021】そこで、本発明者は、かかる結論に基づい
て、更に、幾多の実験,研究を繰り返すことにより、浮
子不存在部分であっても、浮子相互間隔が一定以下とな
ると波の影響をさほど強力に受けなくなることを究明し
た。すなわち、従来の魚類養殖用生簀にあっては、通
常、浮子相互間隔が40〜50cm程度となっている
が、この浮子相互間隔を30cm以下(浮子が相互に接
触している場合(相互間隔が0cmである場合)を含
む)とすると、浮子不存在部分においても、波の影響が
可及的に小さくなり、浮子存在部分と同程度となること
を究明した。なお、浮子の使用数は、一般に、養殖網の
適正な吊支姿勢の確保及び養殖作業者が安全に作業を行
いうる足場の確保を条件として、つまり生簀構成部材及
び作業者の合計重量とバランスするに必要最小限の浮力
が得られることを条件として決定されるが、このように
して浮子の使用数を決定した場合、生簀の規模(養殖網
の周長等)に拘わらず、浮子相互間隔が必然的に40〜
50cm程度となる。
【0022】第3に、本発明では、かかる究明点に基づ
いて、上記した耐海水性に優れた銅基合金で構成する魚
類用養殖網を使用することに加えて、当該養殖網を、そ
の上端外周面に沿って環状に並列配置された複数の浮子
により、吊支させてある魚類養殖用生簀において、波の
影響による線材の線径減少を可及的に防止すべく、隣接
する浮子の相互間隔を30cm以下としておくことを提
案する。
【0023】ところで、銅基合金製の養殖網は、防藻
性,殺菌・滅菌性といった魚類を養殖する上において優
れた機能を発揮するものであるが、かかる機能は養殖網
の構成線材から溶出する銅イオンの作用によるものであ
る。一方、銅イオンの溶出は、当然に線材の潰蝕を促進
し、養殖網の耐久性を低下させることになる。このよう
に銅イオンの溶出は諸刃の剣であり、このことが銅基合
金製の養殖網を実用できない一つの要因ともなってい
る。
【0024】そこで、本発明にあっては、第4に、養殖
に必要且つ充分な防藻性,殺菌・滅菌性を担保できる程
度の銅イオン溶出を確保しつつ、銅イオン溶出による弊
害(線材の潰蝕による養殖網の耐久性低下)を可及的に
排除すべく、上記した魚類養殖用生簀において、更に、
養殖網における海面下の複数箇所に、養殖網に酸化皮膜
を形成させるための犠牲陽極を配設しておくことを提案
する。
【0025】すなわち、上記した如く海面下10〜50
cmの部分における潰蝕(線材の線径減少)が著しい
が、その潰蝕の程度は一様でなく、養殖網の形状等に応
じて特定される箇所において特に顕著な潰蝕が認められ
る。例えば、方形筒状をなす一般的な養殖網では、海面
下10〜50cmの部分でも、とりわけ四隅コーナ部で
の潰蝕が甚だしい。一方、このような特定箇所は養殖網
全体の極く一部であり、かかる箇所からの銅イオン溶出
を酸化皮膜により抑制したとしても、養殖網全体として
の銅イオン溶出効果には殆ど影響しない。
【0026】上記提案は、このような点に着目して、特
に潰蝕が甚だしい特定箇所のみに銅イオンの溶出を抑制
する酸化皮膜を形成することにより、つまり酸化皮膜の
形成による局部的な補強を行なうことにより、適度の防
藻性,殺菌・滅菌性を確保できる銅イオン溶出を確保し
つつ養殖網全体の耐久性を向上させんとしたものであ
る。
【0027】ここに、犠牲陽極としては、アルミニウム
又は亜鉛からなる板状,棒状等のものを使用することが
好ましい。犠牲陽極の設置箇所は、一般に、犠牲陽極に
よる顕著な効果を発揮する範囲(効果的な酸化皮膜の形
成範囲)が犠牲陽極設置箇所を中心とする半径(平均)
50cm程度の範囲であることを考慮して、決定され
る。例えば、上記した方形筒状の養殖網では、犠牲陽極
を、各コーナ部であって海面下10〜50cm(より好
ましくは30〜50cm)の位置に取り付けておくこと
が好ましい。なお、犠牲電極の設置は、当該生簀を設置
後の初期の段階、つまり犠牲電極により安定した緻密な
酸化皮膜が形成される初期の段階において行なうことは
いうまでもない。
【0028】また、銅基合金製網の耐久性の更なる向上
を図るためには、上記した構成に加えて、養殖網におけ
る海面下数十cm(通常、70cm程度)の部位より上
方部分を、他の養殖網部分における線材径より大径とし
た線材で構成しておくことも好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図4に基づいて具体的に説明する。
【0030】図1〜図4は主としてフグ等の高級魚を養
殖するために使用される本発明に係る魚類養殖用生簀1
を示すもので、図1及び図2は第1の実施の形態におけ
る生簀(以下「第1生簀11 」という)を、図1及び図
3は第2の実施の形態における生簀(以下「第2生簀1
2 」という)を、また図1及び図4は第3の実施の形態
における生簀(以下「第3生簀13 」という)を、夫
々、示している。
【0031】各生簀11 ,12 ,13 は、図1に示す如
く、支持枠2に養殖網3及び適当数の浮子4…及びを取
り付けてなる。
【0032】支持枠2は、図1に示す如く、木質材等か
らなる軽量の角材,板材,パイプ材等を方形額縁状に組
み立てた枠構造体である。この支持枠2は、養殖作業者
が作業を行うための足場を兼ねるものであり、その内周
部には養殖網3の上端部を取り付けるための網取付部が
設けられている。
【0033】養殖網3は、図1〜図4に示す如く、従来
公知の鉄製網を製造する場合に使用する網製造機(金属
網編み機)により銅基合金製の線材3a…を使用して編
組されたものであり、上端部を支持枠2の内周部に設け
た網取付部にワイヤロープ等により取り付けられた方形
筒状をなすものである。
【0034】而して、養殖網3を構成する各線材3a
は、常法により直径3〜4mmの線状形態に成形された
銅基合金製のものである。線材3aの構成材としては、
請求項1に記載する本発明に係る銅基合金(以下「第1
銅基合金」という)又は請求項2に記載する本発明に係
る銅基合金(以下「第2銅基合金」という)が使用され
る。すなわち、第1銅基合金は、銅62.0〜69.0
重量%、錫0.2〜1.0重量%及びアンチモン0.0
2〜0.15重量%を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避
不純物からなる金属組成をなす耐海水性銅基合金であ
る。また、第2銅基合金は、銅62.0〜69.0重量
%、錫0.2〜1.0重量%及びアンチモン0.02〜
0.15重量%を含有する共に燐0.02〜0.15重
量%、ニッケル0.1〜1.0重量%及び鉄0.05〜
0.8重量%のうち少なくとも一種の元素を含有し且つ
残部が亜鉛及び不可避不純物からなる金属組成をなす耐
海水性銅基合金である。
【0035】浮子4…は、図1〜図4に示す如く、支持
枠2の下面部に、養殖網3の上端外周面に沿う方形環状
をなして取り付けられている。養殖網3の各辺に平行し
て直列する浮子群4…における相互間隔(以下「直列間
隔」という)S及び直列する浮子群4…相互の間隔(以
下「コーナ間隔」という)S´は、夫々同一とされてい
る。
【0036】以上は、各生簀11 ,12 ,13 に共通の
構成であるが、第1生簀11 にあっては、浮子4…の使
用数を、従来におけると同様に、養殖網3の適正な吊支
姿勢の確保及び養殖作業者が安全に作業を行いうる足場
の安定確保を条件として、つまり生簀構成部材(支持枠
2,養殖網3,浮子4…等)及び作業者の合計重量とバ
ランスするに必要最小限の浮力が得られることを条件と
して決定されている。而して、このようにして浮子4…
を決定した結果、第1生簀11 にあっては、図2に示す
如く、一般に、直列間隔Sは40〜50cmとなり、コ
ーナ間隔S´は直列間隔Sと略同一かやや大きくなって
いる。
【0037】また、第2生簀12 又は第3生簀13 にあ
っては、図3又は図4に示す如く、直列間隔S及びコー
ナ間隔S´が30cm以下となるように、浮子4…の使
用数を上記した如くして決定されるよりも適当数多くし
てある。
【0038】なお、各生簀11 ,12 ,13 において使
用される浮子4は、従来公知の魚類養殖用生簀において
使用されているものと同一のものであり、長さを約1m
とた発泡スチロール製の樽形状ないし円柱形状をなすも
のである。
【0039】さらに、第3生簀13 にあっては、図4に
示す如く、養殖網3における海面下10〜50cm(よ
り好ましくは30〜50cm)の範囲における適当高さ
部位であって、潰蝕の特に著しい箇所つまり四隅コーナ
部3b…に、アルミニウム又は亜鉛からなる犠牲陽極5
…を取り付けて、かかる箇所を中心とする半径50cm
程度の範囲に緻密な酸化皮膜が形成されるように工夫し
てある。すなわち、潰蝕の特に著しいコーナ部3b…を
予め酸化皮膜で補強しておくことにより、銅イオンの溶
出による潰蝕進行を可及的に防止して、養殖網3全体の
更なる耐久性向上を図っている。
【0040】以上のように構成された各生簀11
2 ,13 にあっては、養殖網3が銅基合金製の線材3
a…からなるものであるから、線材a…から溶出する銅
イオンの作用により、フジツボ等の海洋生物の付着が防
止されると共に、養殖海水域が滅菌,殺菌されることに
なる。したがって、エアー噴射による網洗浄作業を行な
う必要がなく、これに伴う労力,コストの削減と養殖魚
に与える悪影響(エア噴射により養殖魚に与えるストレ
ス等)の排除を図ることができる。しかも、養殖海水域
が滅菌,殺菌されることにより、養殖魚の発病や寄生虫
による悪影響等を可及的に防止できることとも相俟っ
て、養殖魚の健全な成長並びに成長速度の向上を図るこ
とができる。
【0041】さらに、各生簀11 ,12 ,13 にあって
は、養殖網3の構成材料である第1銅基合金又は第2銅
基合金が、実施例1から理解されるように、従来公知の
銅基合金に比して耐海水性に極めて優れたものであるか
ら、養殖網3の耐用年数が鉄製網に比しても大幅に向上
する。したがって、鉄製網に代えて銅基合金製の養殖網
3を使用することが充分採算に見合うものとなり、コス
ト面から実用化が妨げられるようなことがない。しか
も、養殖期間の長いフグ等の高級魚(例えば、フグが幼
魚から商品価値ある成魚に成長するまでに要する養殖期
間は3年程度である)を養殖する場合にも、養殖期間中
に、労力,コストに加えて養殖魚に与える悪影響から好
ましくないとされる養殖網3の交換作業を行う必要がな
い。
【0042】また、第2生簀12 又は第3生簀13 にあ
っては、隣接する浮子4,4の間隔つまり直列間隔S及
びコーナ間隔S´を30cm以下としたから、養殖網3
の浮子存在部分3c…(浮子4に対向する浮子背面側部
分であって、浮子4による防波作用によって波の影響を
殆ど受けない網部分)と同様に、養殖網3の浮子不存在
部分3d…(浮子4と同一高さ位置に位置する網部分の
うち、浮子存在部分3c,3c間に位置する網部分であ
り、コーナ部3bにおける相当部分を含む)についても
波の影響をさほど受けることがない。したがって、波の
影響による潰蝕つまり線材3a…の線径減少が可及的に
抑制されることになり、第1生簀11 に比して養殖網3
の耐用年数が更に向上する。
【0043】さらに、第3生簀13 にあっては、波に影
響により最も潰蝕が生じ易い網部分に犠牲陽極5…によ
る緻密な酸化皮膜が形成されるから、当該網部分におけ
る銅イオンの溶出が抑制され、銅イオンの溶出による潰
蝕が可及的に防止される。その結果、養殖網3の耐用年
数が、第1生簀11 に比しては勿論、第2生簀12 に比
しても向上する。一方、犠牲陽極5…は、養殖網3の極
く一部に酸化皮膜を形成するにすぎないものであるか
ら、犠牲陽極5…を設けない第1及び第2生簀1 1 ,1
2 に比しても、銅イオンの溶出による防藻性,殺菌・滅
菌性がさほど低下することがなく、養殖魚の健全な成長
並びに成長速度の向上を図ることができる。
【0044】以上のことから、第1〜第3生簀11 ,1
2 ,13 によれば、鉄製網を使用した場合に比して、ト
ータルコストを節減して、生産歩留りを大幅に向上させ
ることができ、商品価値の高い養殖魚類を得ることがで
きる。
【0045】
【実施例】実施例1として、表1に示す組成をなす本発
明に係る銅基合金No.1〜No.9を、各々、高周波
溶解炉により木炭被覆下において大気溶解して、直径1
00mm,長さ200mmの円柱状をなす鋳塊を鋳造し
た。そして、各鋳塊の表面を切削して、直径95mm,
長さ150mmの円柱状をなす加工鋳塊を得た。さら
に、各加工鋳塊を800℃に加熱した上、押出プレス
(200トン)により直接押出して、直径10mmの棒
状素材を得た。しかる後、各棒状素材を、酸洗処理した
上で、冷間抽出と焼鈍(500℃,1時間)とを2回繰
り返して、直径3.2mm(冷間抽出率10%)の線材
を得た。ここに、銅基合金No.1は第1銅基合金に相
当し、銅基合金No.2〜No.9は第2銅基合金に相
当する。
【0046】また、比較例として、表1に示す組成をな
す銅基合金No.10〜No.12からなる線材を、上
記実施例1におけると同一の条件,工程により得た。こ
こに、No.10〜No.12は何れも公知の銅基合金
であって、銅基合金No.10は「JIS C270
0」の一般黄銅に相当し、銅基合金No.11は「JI
S C4621」のネーバル黄銅に相当し、銅基合金N
o.12は「CDA C46600」のネーバル黄銅に
相当するものである。
【0047】そして、各線材を500mmの長さに切断
したものを、実際の内海において海水に浸漬させ、その
まま放置した。
【0048】次に、2年経過後、海水中から引き上げた
各線材について、腐食形態を判定した。その結果は表1
に示す通りであった。なお、表1においては、線材表面
が凹凸状に変化しているものの、脱亜鉛腐蝕が全く認め
られなかったものについては○で示し、また明瞭な脱亜
鉛腐食が認められたものについては×で示した。
【0049】さらに、海水中から引き上げた各線材につ
いて100箇所を切断して、それらの切断面における腐
蝕深さ(線材表面からの腐蝕深さ)を測定し、最大腐蝕
深さ(mm)及び平均腐蝕深さ(mm)を測定した。そ
の結果は、表1に示す通りであった。
【0050】
【表1】
【0051】表1から理解できるように、本発明に係る
銅基合金No.1〜No.9は、何れも脱亜鉛腐食が生
じておらず、特に最大腐蝕深さ及び平均腐蝕深さについ
ては、公知の銅基合金No.10〜No.12のうち耐
海水性に優れたものとされているネーバル黄銅No.1
1,No.12が示す最小値よりも遙に小さな値を示し
ており、耐海水性に極めて優れたものであることが明ら
かである。
【0052】ところで、養殖網においては、鉄製である
と銅基合金製であるとに拘わらず、一般に、構成材であ
る線材の有効断面積が腐蝕により30%未満(線径につ
いては約55%未満)になると、網の自重により網が破
断する等の問題を生じるため、網を交換する必要があ
る。
【0053】しかるに、公知の銅基合金No.10〜N
o.12については、線材の直径線上における腐蝕深さ
が最大で0.7〜1.3mm(表1に示す最大腐蝕深さ
の2倍)となり、海水浸漬前の線径の20〜40%が腐
蝕されている。したがって、これらの銅基合金No.1
0〜No.12からなる養殖網では、波によって網部分
同士が擦れ合うことにより腐蝕が助長されることをも考
慮すれば、耐用年数が2年に満たないと判断するのが相
当である。
【0054】これに対して、本発明に係る銅基合金N
o.1〜No.9では、線材の直径線上における腐蝕深
さが最大で0.06〜0.16mmにすぎない(特に、
第2銅基合金である銅基合金No.2〜No.9では僅
か0.06〜0.1mmである)から、これらの銅基合
金からなる養殖網では、波によって網部分同士が擦れ合
うことにより腐蝕が助長されることを考慮しても、耐用
年数が2年を大幅に上回るであろうことが容易に理解さ
れる。このことは、後述する実施例2〜8によってより
明白となるであろう。
【0055】次に、表2に示す如く、実施例2〜4とし
て、夫々、第1実施例で示した銅基合金No.1,N
o.3,No.5からなる養殖網3を使用した図1及び
図2に示す第1生簀11 を製作し、実施例5,6とし
て、夫々、上記銅基合金No.3,No.5からなる養
殖網3を使用した図1及び図3に示す第2生簀12 を製
作し、また実施例7,8として、上記銅基合金No.
3,No.5からなる養殖網3を使用した図1及び図4
に示す第3生簀13 を製作した。
【0056】
【表2】
【0057】すなわち、実施例2においては、まず、銅
基合金No.1を低周波溶解炉(400KW)により木
炭被覆下において大気溶解(溶解量:5000kg)し
て、直径240mmの円柱状鋳塊を鋳造した。そして、
この鋳塊を押出プレス(3000t)により直接押出し
て、直径10mmの棒状素材を得た。しかる後、この棒
状素材に冷間抽出と焼鈍とを繰り返して、線径3.2m
m(最終冷間抽出率10%)の線材3aを得た。
【0058】次に、かくして得られた線材3aを使用し
て魚網用網形態に編み、1辺長さを9mとし且つ深さ
(上下方向幅)を5mとした正方形筒状の養殖網3を得
た。
【0059】そして、この養殖網3及び24個(1列に
つき6個)の浮子4…を正方形額縁状の支持枠2に取り
付けてなる第1生簀11 を製作した。この生簀11 にあ
っては、浮子4…の相互間隔は直列間隔S=40cm,
コーナ間隔S´=90cmであった。また、浮子4とし
ては、従来一般に使用されている公知のもの(長さ1m
の発泡スチロール製の樽形浮子)を使用した。
【0060】また、実施例3においては、線材3aの構
成材料を銅基合金No.3とした点を除いて、実施例2
と同一(線材3a及び養殖網3の寸法,形状,製作工程
を含む)の第1生簀11 を製作した。なお、線材3a及
び養殖網3の線径,形状,製造工程は実施例2における
と同一である。
【0061】また、実施例4においては、線材3aの構
成材料を銅基合金No.5とした点を除いて、実施例2
と同一(線材3a及び養殖網3の寸法,形状,製作工程
を含む)の第1生簀11 を製作した。
【0062】また、実施例5においては、実施例3にお
いて使用した線材と同一の線材3a(銅基合金No.
3)で構成された上記と同一形状(1辺長さ9m,深さ
5mの正方形筒状)の養殖網3を使用し、且つ1列につ
き8個で計32個の浮子4…を使用することによって、
直列間隔S及びコーナ間隔S´を共に10cmとした、
図1及び図3に示す第2生簀12 を製作した。すなわ
ち、この実施例5で製作した第2生簀12 は、浮子4…
を各列につき2個づつ増やしてS=S´=10cmとな
るようにした点を除いて、実施例3と同一(線材3a及
び養殖網3の寸法,形状,製作工程を含む)のものであ
る。
【0063】また、実施例6においては、線材3aの構
成材料を銅基合金No.5とした点を除いて、実施例5
と同一(線材3a及び養殖網3の寸法,形状,製作工程
を含む)の第2生簀12 を製作した。
【0064】また、実施例7においては、養殖網3の各
コーナ部3bにおける海面下50cmの箇所に犠牲陽極
5…を取り付けた点を除いて、実施例5と同一(線材3
a及び養殖網3の寸法,形状,製作工程を含む)とした
図1及び図4に示す第3生簀13 を製作した。各犠牲陽
極5としては、10kgの亜鉛板を使用した。
【0065】さらに、実施例8においては、線材3aの
構成材料を銅基合金No.5とした点を除いて、実施例
7と同一(線材3a及び養殖網3の寸法,形状,製作工
程を含む)の第3生簀13 を製作した。
【0066】そして、以上の各生簀11 ,12 ,13
実際にフグの養殖場において使用し、使用開始後1年及
び2年経過後における養殖網3について、特定の15箇
所における線材3aの線径減少量(mm)を測定した。
すなわち、線径減少量を特定した箇所(測点)は、図1
に示す如く、養殖網3のコーナ部3bを通過するX−X
線上において海面からH1 ,H2 ,H3 ,H4 ,H
5 (cm)の距離に位置する5箇所、養殖網3の浮子存
在部分3cを通過するY−Y線上において海面から
1 ,H2 ,H3 ,H4 ,H5 (cm)の距離に位置す
る5箇所、及び養殖網3の浮子不存在部分(コーナ部3
bに相当する部分以外)3dを通過するZ−Z線上にお
いて海面からH1 ,H2 ,H3 ,H4 ,H5 (cm)の
距離に位置する5箇所である。ここに、H1 =10c
m,H2 =30cm,H3 =50cm,H4=1m,H
5 =2mである。
【0067】その結果は、表3〜9に示す通りであっ
た。なお、線径減少量は、各側点における1年経過後及
び2年経過後の線径を測定し、その測定値を元の線径値
(3.2mm)から差し引いたものである。
【0068】
【表3】
【0069】
【表4】
【0070】
【表5】
【0071】
【表6】
【0072】
【表7】
【0073】
【表8】
【0074】
【表9】
【0075】而して、表3〜5から明らかなように、冒
頭で述べた如く、海面下10〜50cmの網部分におい
て潰食が甚だしいことが理解されるが、線材3aの構成
材料を除いて格別の工夫を施していない実施例2〜4に
おいては、一年当たりの線径減少量からみて、養殖網3
を少なくとも後1年程度は使用できることが理解され
る。
【0076】すなわち、前述したように、養殖網3をそ
の構成線材3aの線径が約55%に減少する(つまり、
線径が3.2mmから約1.8mmに減少する)までは
支障なく使用できることからすれば、養殖網3を使用す
る上においての線径減少量の許容限度は約1.4mmと
考えることができる。とすれば、実施例2〜4の何れに
おいても、表3〜5に示された1年経過時及び2年経過
時の線径減少量並びにこれらから得られる1年当たりの
線径減少量からして、少なくとも後1年程度は養殖網3
を使用することができる、つまり少なくとも3年程度の
耐用年数を確保できることが理解される。
【0077】このことから、養殖網3の構成材料として
本発明に係る第1銅基合金又は第2銅基合金を使用する
ことによって、銅基合金製養殖網の耐用年数を実用可能
な程度にまで向上させ得ることが確認された。なお、耐
潰蝕性を含めた耐海水性については、実施例1における
と同様に、第2銅基合金が第1銅基合金より更に優れて
いることも確認された。
【0078】また、表6,7から明らかなように、養殖
網3の構成材料として本発明に係る第2銅基合金を使用
した上、生簀の構成にも工夫を施して浮子相互間隔S,
S´を10cmとした実施例5,6においては、潰食が
甚だしい海面下10〜50cmの網部分についての線径
減少量が、実施例2〜4に比して、極めて少なくなって
いることが理解される。すなわち、海面下10〜50c
mの網部分のうち、浮子3による防波作用を受けるY−
Y線上の3箇所H1 ,H2 ,H3 においては、実施例2
〜4と顕著な差は認められないが、浮子3による防波作
用を直接には受けないX−X線上及びZ−Z線上の3箇
所H1 ,H2 ,H3 においては、線径減少量が実施例2
〜4におけるより大幅に小さくなっており、Y−Y線上
の3箇所H1 ,H2 ,H3 におけると殆ど差がない程度
にまで減少している。
【0079】このことから、浮子相互間隔S,S´を小
さくしておくことにより、波の影響による潰蝕進行を効
果的に防止し得て、網全体の潰蝕を可及的に抑制でき、
もって養殖網3の耐用年数が大幅に向上する(3年を大
幅に上回る)ことが確認された。
【0080】さらに、表8,9から明らかなように、養
殖網3の構成材料(第2銅基合金)及び浮子相互間隔
(S=S´=10cm)に加えて、犠牲陽極5…を取り
付けた実施例7,8においては、潰食が甚だしい海面下
10〜50cmの網部分についての線径減少量が実施例
5,6におけるよりも更に小さくなっている。これは、
犠牲陽極5…によりその設置部分の周辺領域に緻密な酸
化皮膜が形成されることによって、波の影響も含めた潰
蝕が効果的に抑制されたことによる。
【0081】したがって、犠牲陽極5…により潰蝕が甚
だしい網部分に酸化皮膜を形成させるようにすることに
よって、養殖網3の耐用年数を更に向上させることがで
きることが確認された。
【0082】なお、各実施例の生簀において、1年経過
時及び2年経過時に養殖網3の状態を観察したが、フジ
ツボ等の海洋生物の付着は殆ど認められなかった。ま
た、これらの生簀において養殖したフグは、何れも、適
正且つ順調な成長をしていることが確認された。このこ
とから、網の一部に酸化皮膜が形成された実施例7,8
の養殖網3も含めて、本発明に係る銅基合金製の養殖網
は、銅イオンの溶出による効果的な防藻性,殺菌・滅菌
性を有するものであり、鉄製網ないし合成繊維製網に比
して、極めて効果的な魚類養殖を行うことができるもの
であることが理解される。
【0083】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、請求
項1,2に記載した発明によれば、従来公知の銅基合金
に比して耐海水性に極めて優れた銅基合金を提供するこ
とができる。したがって、海水に対する耐久性を含めた
トータルコストの面から使用できなかった分野にまで、
銅基合金用途を拡大することができ、他の金属に比して
優れる銅基合金の特性を有効に利用することができる。
【0084】また、請求項3,4,5に記載した発明に
よれば、養殖網の耐用年数をトータルコスト的にも実用
できる程度にまで向上させることができ、銅基合金製網
の特性を生かした極めて良好な魚類養殖を行うことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る魚類養殖用生簀を示す側面図であ
る。
【図2】第1生簀を示す、図1のII−II線に沿う横断平
面図である。
【図3】第2生簀を示す、図1のII−II線に沿う横断平
面図である。
【図4】第3生簀を示す、図1のII−II線に沿う横断平
面図である。
【符号の説明】
1,11 ,12 ,13 …魚類養殖用生簀、3…魚類用養
殖網、3a…線材、3b…コーナ部、3c…浮子存在部
分、3d…浮子不存在部分、4…浮子、S…直列間隔
(浮子相互間隔)、S´…コーナ間隔(浮子相互間
隔)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅62.0〜69.0重量%、錫0.2
    〜1.0重量%及びアンチモン0.02〜0.15重量
    %を含有し且つ残部が亜鉛及び不可避不純物からなる金
    属組成をなすことを特徴とする耐海水性銅基合金。
  2. 【請求項2】 銅62.0〜69.0重量%、錫0.2
    〜1.0重量%及びアンチモン0.02〜0.15重量
    %を含有すると共に燐0.02〜0.15重量%、ニッ
    ケル0.1〜1.0重量%及び鉄0.05〜0.8重量
    %から選択した一種又は二種の元素を含有し且つ残部が
    亜鉛及び不可避不純物からなる金属組成をなすことを特
    徴とする耐海水性銅基合金。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載する耐海水
    性銅基合金からなる線材で構成したことを特徴とする魚
    類用養殖網。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載する魚類用養殖網を、そ
    の上端外周面に沿って環状に並列配置された複数の浮子
    により、吊支させてある魚類養殖用生簀であって、隣接
    する浮子の相互間隔を30cm以下としてあることを特
    徴とする魚類養殖用生簀。
  5. 【請求項5】 養殖網における海面下の複数箇所に、養
    殖網に酸化皮膜を形成させるための犠牲陽極を配設して
    あることを特徴とする、請求項4に記載する魚類養殖用
    生簀。
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