JP3864632B2 - 鉄イオン供給用部材ならびに人工漁礁 - Google Patents
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- Y02A40/81—Aquaculture, e.g. of fish
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、漁礁に係り、とくに沿岸海域における魚介類の繁殖場である藻場を極めて短時間に作成することが可能な、鋼製人工漁礁に関する。
【0002】
【従来の技術】
海には、有用な魚介類の繁殖場所である藻場が存在し、自然の良好な漁礁となっている。ところが近年、藻場が消滅する、いわゆる「磯焼け」という現象が増えてきている。そのため、人工漁礁を海中に設置して、これに海藻類を繁殖させる方法がとられている。人工漁礁としては、海藻の付着基板として、コンクリートを海中に沈めたものが主体として用いられていた。しかしながら、このようなコンクリート製人工漁礁では、コンクリートの溶解に伴い生物に悪影響をおよぼす成分が流出しやすいため、漁礁としての効果が出るまでに数年から10数年を要し、即効性に欠けていた。
【0003】
一方、磯焼けに関する最近の研究では、河川から流入する鉄イオンの欠乏が磯焼けの主要因と考えられており、これを解決することが可能な漁礁として、鋼材で構成された鋼製人工漁礁が考えられている。
【0004】
たとえば、特開平4−108327号公報では、鉄筋をもって四角錐台状に構成された骨組みの各面に、鉄筋で横杆を張設し、さらにそれに直交するように補強用縦杆が添着され、上方に平面方形に石塊投入用開口を有し、鉄筋の径が等しい鋼材による魚礁用枠が提案されている。特開平4−108327号公報に記載された技術は、魚礁用枠の構造に関する提案であるが、鋼構造物が海水中に浸漬されることにより鋼材が腐食し、海水中に適度な鉄分を供給する、いわゆる鉄イオン作用で植物プランクトンが大量に発生し、動物性プランクトンが増えて餌が豊富になるとしている。しかしながら、特開平4−108327号公報に記載された技術では、鉄イオンを積極的に溶解させるという技術思想はなく、鉄イオンの溶出速度は自然に任され、鉄イオンの溶出速度が遅いという問題があった。
【0005】
このような問題に対し、特開平6−206804号公報には、セメントに酸化鉄と発泡基材を混入した気泡コンクリート製ブロックを備え、該ブロックには中空部が形成され、該中空部がブロック表面に開口を有することを特徴とする海域浄化式魚礁構造物が、また、この魚礁構造物の中空部に鉄、あるいは鉄と鉄に比べ電位の高い金属、たとえばグラファイト、活性炭等との混合物を充填して海中に浸漬する鉄あるいは混合金属充填型魚礁構造物が、また中空部に鉄を充填した鉄充填型魚礁構造物を3個並設し、中央に位置する鉄充填型魚礁構造物とその左右に配設された鉄充填型魚礁構造物との電気極性を一定周期毎に変更したり、あるいは、鉄充填型魚礁構造物の左右両側に鉄に比べ電位の高い金属を配設し、鉄充填型魚礁構造物と両金属とを電気的に接続し、鉄イオンの溶出速度を増加させることを意図した魚礁が、提案されている。しかしながら、特開平6−206804号公報に記載された技術では、コンクリート製ブロックに特殊な加工を施す必要があり構造的に複雑であること、また、定常的に通電状態に保つ必要があることなど、製造コストや維持管理コストの増大を招き、実用性という面で問題を残していた。
【0006】
また、鉄イオンを積極的に制御する方法として、特開平11−113440号公報には、鋼管にこれより貴な金属、例えば、銅、ステンレス、チタン、金、銀、ニッケル等を貼設し、局部電池を形成して鉄イオンを鋼管より放出させることを狙った鋼管魚巣が提案されている。しかし、特開平11−113440号公報に記載された技術では、貼設する金属である、金、銀、ステンレス、チタン、ニッケル等は、魚礁として一般的に使われている普通鋼に比べて極めて高価であること、またその中で比較的安価な金属であるステンレス鋼は溶接性が低く現地での溶接組立に困難を伴うこと、などの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
沿岸漁業の振興を図る上で、鋼製人工漁礁には、多量の鉄イオンを安価に効率良く、しかも継続的に海中に供給して、短時間で磯焼け現象を解消することが強く要望されている。また同時に、鋼製人工漁礁は、構造体として30年以上の寿命を有することが要求されている。
【0008】
本発明は、このような要望に合致して、30年程度の長い寿命を維持でき、しかも極めて安価に鉄イオンを海水中へ供給することが可能な、優れた鋼製人工漁礁を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、安価に鉄イオンを海水中に供給する方策について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、従来は全く着目されていなかった鋼材の化学成分、とりわけ合金成分としてコスト上昇を殆ど伴わないか、あるいは含有することで精錬コストがむしろ低下する元素であるC、Sに着目した。そして、鋼材の(C+2S)量が特定の関係を満足する2種類の鋼材を電気的に接触させて海中に浸漬すると、鋼材からの鉄イオンの溶出が促進され、しかも安価に安定して多量の鉄イオンを海中に供給することが可能となることを見いだした。
【0010】
さらに、本発明者らは、このような(C+2S)量が特定の関係を満足する2種類の鋼材を電気的に接触させた場合には、一方の鋼材((C+2S)量が多い鋼材)では鉄が溶解し鉄イオンを多量に供給するが、他方の鋼材((C+2S)量が少ない鋼材)ではむしろ鉄の溶解は抑制されるという知見を得た。この鉄の溶解が抑制された鋼材((C+2S)量が少ない鋼材)を、強度や剛性を維持する構造部材として配置すれば、腐食が少なく長い寿命を有する構造物(鋼製人工漁礁)とすることができるものと考えられる。
【0011】
本発明は、上記した知見に基づいて完成されたものである。
【0012】
すなわち、本発明は、化学成分の異なる2種類の鋼材1、2を組付けた部材であって、前記鋼材1のC含有量〔C〕1 、S含有量〔S〕1 と、鋼材2のC含有量〔C〕2 、S含有量〔S〕2 と、が次(1)式
{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }≧0.10 ……(1)
(ただし〔C〕1 、〔S〕1 :鋼材1のC、S含有量(wt%)、〔C〕2 、〔S〕2 :鋼材2のC、S含有量(wt%))
を満足し、かつ前記鋼材1と前記鋼材2とを電気的に接触状態とすることを特徴とする鉄イオン供給用部材である。
【0013】
また、本発明は、鋼材1のC含有量〔C〕1 、S含有量〔S〕1 と、鋼材2のC含有量〔C〕2 、S含有量〔S〕2 と、が前記(1)式を満足し、かつ前記鋼材1と前記鋼材2とを電気的に接触状態とした鉄イオン供給用部材を、少なくとも一部の部材として配設することを特徴とする人工漁礁である。
【0014】
また、本発明は、化学成分の異なる少なくとも2種類の鋼材1、2を組付けて構成される人工漁礁であって、前記鋼材1のC含有量〔C〕1 、S含有量〔S〕1 と、鋼材2のC含有量〔C〕2 、S含有量〔S〕2 と、が前記(1)式を満足し、かつ前記鋼材1と鋼材2とを電気的に接触状態とすることを特徴とする人工漁礁であり、また、本発明では、前記鋼材2を、強度、剛性を受け持つ構造部材として配設することが好ましい。
【0015】
本発明でいう鋼材は、転炉、電気炉等通常公知の溶製方法で溶製され、連続鋳造法等でスラブ等の圧延素材に鋳造されたのち、熱間圧延を施されて製造されるものであり、熱延鋼板、熱延H形鋼、熱延棒鋼等を含み、さらに鋳造のままの鋼材等前記(1)式を満足する鋼材は全て含むものとする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の鉄イオン供給用部材は、化学成分の異なる鋼材1と鋼材2とを組付けて電気的に接触状態とした部材である。本発明では、この部材の形状はとくに限定されない。形状は、例えば漁礁の所望形状に対応して適宜決定すればよい。
【0017】
本発明の部材では、鋼材1と鋼材2の化学成分のうち、それぞれのC含有量とS含有量が次(1)式
{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }≧0.10 ……(1)
(ただし〔C〕1 、〔S〕1 :鋼材1のC、S含有量(wt%)、〔C〕2 、〔S〕2 :鋼材2のC、S含有量(wt%))
を満足するように、鋼材1と鋼材2とを選択し、組付けて、接触状態とされる。鋼材1と鋼材2との組付けは、両者が電気的に接触状態となる部分があればよく、その方法はとくに限定されないが、溶接、あるいはボルト固定とするのが好ましい。
【0018】
このような状態にした部材を海水中に浸漬すると、(C+2S)量が多い鋼材1がカソード側となり、局部電池が形成され、鉄の溶解が促進され、海水中に鉄イオンが多量に供給される。一方、(C+2S)量が少ない鋼材2では、鉄の溶解はむしろ抑制される。本発明のように、化学成分の異なる鋼材を接触状態とすることにより、同一成分の鋼材を接触させた場合に比べ単純に表面積を2倍とする以上に鉄イオンが溶出する。
【0019】
通常、鋼材中では、CはFe3C等の炭化物、SはMnS 等の硫化物として存在しており、(1)式を満足する場合にこれら析出物の周囲で局部的に孔食腐食が起こり鉄の溶解が促進されるものと考えられる。鋼材1と鋼材2のC、S含有量が(1)式を満足しない場合、すなわち、{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }が0.10未満の場合には、カソード反応の顕著な増加が起こらないため、海水中での鉄イオンの溶出が少ない。なお、鉄イオンの溶出速度の観点から、好ましくは{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }が0.2 以上である。
【0020】
また、鋼材のC含有量は、一般的に、鋼材の強度・靱性などを考慮して決められているが、ほとんど製造コストの上昇を伴うことなく、製錬の過程でその量を制御することが可能である。またS含有量は、ppm オーダーの極低S領域まで低減するような特殊な場合を除けば、Cと同様に製造コストの上昇を伴うことなくその量を制御することが可能である。なお、本発明においては、鋼材の、C、S以外の化学成分はとくに限定されない。
【0021】
前記(1)式を満足するような2種の鋼材を組付けて、電気的に接触状態とした部材は、海水中に限らず淡水中でも、鉄イオンを多量に供給でき、水生生物の餌となる藻の繁茂が促進され、水生生物の増殖が図られるという効果を有する。
【0022】
また、このような鉄イオン供給用部材を、鋼製人工漁礁の少なくとも1部の部材として配設するのが好ましい。これにより、鉄イオンが多量にしかも継続して海水中に供給され、植物性プランクトンの発生、藻の繁茂が促進され、優れた人工漁礁として魚介類の蝟集場あるいは育成場を提供できる。
【0023】
本発明の鋼製人工漁礁では、前記(1)式を満足するような2種の鋼材1、2を組付けた部材の配置は、鋼材1と鋼材2が電気的に接触した状態が保たれていればよく、基本的には限定されない。なお、構造物としての寿命を長時間側とするためには、鉄の溶解が抑制される、(C+2S)量が少ない鋼材2を、柱や主要な梁等の強度・剛性を受け持つ部分に配置するのが好適である。一方、(C+2S)量が多い鋼材1は、主として鉄イオンの供給体として強度・剛性の要求が比較的少ない箇所に配置するのが好ましいが、必ずしも漁礁構造部材として強度・剛性を担当させる必要はない。例えば、(C+2S)量が多い鋼材1を鋼製人工漁礁の付属物として、(C+2S)量が少ない鋼材2に電気的に接触させるだけとし、単に鉄イオンの供給体として作用させても本発明の効果は十分に発揮される。
【0024】
図1に、本発明の鋼製人工漁礁の構造の1例を模式的に示す。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
図1では、前記(1)式を満足する2種の鋼材のうち、(C+2S)量が少ない鋼材2を柱11a 、11b 、11c 、11d 、および主要な梁12a 、12b 、12c 、12d に配置し、構造物としての強度・剛性を確保している。一方、(C+2S)量が多い鋼材1を、強度・剛性の分担が少ない横梁13a 、15a 、縦梁14a 、14b 、14c 、14d に、前記鋼材2に溶接等で接合して電気的に接触状態として配置している。
【0026】
このような構造とすることにより、鋼材1は、鉄イオンの供給体の役割を主として担当し鉄イオンの供給を続け、鋼材2は鉄の溶解が抑制されて強度・剛性を担当して構造物として長い寿命を全うできるようになる。
【0027】
なお、本発明の人工漁礁では、基礎部分のコンクリートによる補強や、漁礁内部への石等の装填を行ってもよい。これらは、漁礁とするために必要なことであり、なんら本発明の効果を損なうものではないことは言うまでもない。
【0028】
また、本発明では、人工漁礁を上記したように2種の鋼材1、2のみを使用して構成するのが好ましいが、部材すべてを上記した2種の鋼材1と鋼材2とする必要はなく、鋼材1と鋼材2とを電気的に接触させた箇所を少なくとも1箇所以上配設すればよく、初期の目的を達成できる。
【0029】
【実施例】
表1に示す化学成分を有する熱延鋼板からそれぞれ2種の鋼材1、2を選択し、それら選択した鋼材1と鋼材2とから試験材(6mm厚×175 mm幅×300 mm長さ)を採取し、表2に示す組合せで、全周を溶接により接合し、電気的に接触状態とした部材を作製した。
【0030】
これら部材を、25℃の人工海水中に浸漬し、鋼材1からの鉄イオン溶出速度を測定した。なお、鋼材1からの鉄イオンの溶出速度は、1年後の部材の重量減を測定し、表面積で除すことにより鉄イオンの溶出速度に換算した。
【0031】
それらの結果を表2に示す。表2に示す溶出速度比は、各部材での鋼材1からの鉄イオンの溶出速度と部材No. 3における鋼材1からの鉄イオンの溶出速度の比を意味している。部材No. 3は普通材(SS 400材)同士を接合した従来例である。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
本発明例では、鉄イオンの溶出速度比が5.7 以上と、普通材同士の接合である従来例(部材No.3)にくらべ鉄イオンの溶出が著しく促進されている。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例では、従来例の1.7 倍程度であり、鉄イオン溶出の著しい促進は見られない。
【0035】
本発明に従い、前記(1)式を満足するように化学成分の異なる鋼材を接触させることにより、単純に同一成分の普通鋼材を接触させ表面積を2倍とした以上に鉄イオンの供給ができる。
【0036】
以上のような化学成分の異なる鋼材を接触させて、漁礁等に配設すれば、あるいは化学成分の異なる鋼材を接触させて人工漁礁を構成すれば、海水中あるいは淡水中で、有利に鉄イオンの供給ができ、魚を初め水生生物の餌となる藻の繁茂が促進される結果、魚介類等水生生物の増殖、蝟集等が期待できる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鉄イオンが有効に溶出し、短時間で磯焼け現象を解消でき、優れた人工漁礁として、漁業資源の確保が容易となり産業上格段の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例である人工漁礁の構成の1例を示す斜視図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、漁礁に係り、とくに沿岸海域における魚介類の繁殖場である藻場を極めて短時間に作成することが可能な、鋼製人工漁礁に関する。
【0002】
【従来の技術】
海には、有用な魚介類の繁殖場所である藻場が存在し、自然の良好な漁礁となっている。ところが近年、藻場が消滅する、いわゆる「磯焼け」という現象が増えてきている。そのため、人工漁礁を海中に設置して、これに海藻類を繁殖させる方法がとられている。人工漁礁としては、海藻の付着基板として、コンクリートを海中に沈めたものが主体として用いられていた。しかしながら、このようなコンクリート製人工漁礁では、コンクリートの溶解に伴い生物に悪影響をおよぼす成分が流出しやすいため、漁礁としての効果が出るまでに数年から10数年を要し、即効性に欠けていた。
【0003】
一方、磯焼けに関する最近の研究では、河川から流入する鉄イオンの欠乏が磯焼けの主要因と考えられており、これを解決することが可能な漁礁として、鋼材で構成された鋼製人工漁礁が考えられている。
【0004】
たとえば、特開平4−108327号公報では、鉄筋をもって四角錐台状に構成された骨組みの各面に、鉄筋で横杆を張設し、さらにそれに直交するように補強用縦杆が添着され、上方に平面方形に石塊投入用開口を有し、鉄筋の径が等しい鋼材による魚礁用枠が提案されている。特開平4−108327号公報に記載された技術は、魚礁用枠の構造に関する提案であるが、鋼構造物が海水中に浸漬されることにより鋼材が腐食し、海水中に適度な鉄分を供給する、いわゆる鉄イオン作用で植物プランクトンが大量に発生し、動物性プランクトンが増えて餌が豊富になるとしている。しかしながら、特開平4−108327号公報に記載された技術では、鉄イオンを積極的に溶解させるという技術思想はなく、鉄イオンの溶出速度は自然に任され、鉄イオンの溶出速度が遅いという問題があった。
【0005】
このような問題に対し、特開平6−206804号公報には、セメントに酸化鉄と発泡基材を混入した気泡コンクリート製ブロックを備え、該ブロックには中空部が形成され、該中空部がブロック表面に開口を有することを特徴とする海域浄化式魚礁構造物が、また、この魚礁構造物の中空部に鉄、あるいは鉄と鉄に比べ電位の高い金属、たとえばグラファイト、活性炭等との混合物を充填して海中に浸漬する鉄あるいは混合金属充填型魚礁構造物が、また中空部に鉄を充填した鉄充填型魚礁構造物を3個並設し、中央に位置する鉄充填型魚礁構造物とその左右に配設された鉄充填型魚礁構造物との電気極性を一定周期毎に変更したり、あるいは、鉄充填型魚礁構造物の左右両側に鉄に比べ電位の高い金属を配設し、鉄充填型魚礁構造物と両金属とを電気的に接続し、鉄イオンの溶出速度を増加させることを意図した魚礁が、提案されている。しかしながら、特開平6−206804号公報に記載された技術では、コンクリート製ブロックに特殊な加工を施す必要があり構造的に複雑であること、また、定常的に通電状態に保つ必要があることなど、製造コストや維持管理コストの増大を招き、実用性という面で問題を残していた。
【0006】
また、鉄イオンを積極的に制御する方法として、特開平11−113440号公報には、鋼管にこれより貴な金属、例えば、銅、ステンレス、チタン、金、銀、ニッケル等を貼設し、局部電池を形成して鉄イオンを鋼管より放出させることを狙った鋼管魚巣が提案されている。しかし、特開平11−113440号公報に記載された技術では、貼設する金属である、金、銀、ステンレス、チタン、ニッケル等は、魚礁として一般的に使われている普通鋼に比べて極めて高価であること、またその中で比較的安価な金属であるステンレス鋼は溶接性が低く現地での溶接組立に困難を伴うこと、などの問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
沿岸漁業の振興を図る上で、鋼製人工漁礁には、多量の鉄イオンを安価に効率良く、しかも継続的に海中に供給して、短時間で磯焼け現象を解消することが強く要望されている。また同時に、鋼製人工漁礁は、構造体として30年以上の寿命を有することが要求されている。
【0008】
本発明は、このような要望に合致して、30年程度の長い寿命を維持でき、しかも極めて安価に鉄イオンを海水中へ供給することが可能な、優れた鋼製人工漁礁を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、安価に鉄イオンを海水中に供給する方策について鋭意検討した。その結果、本発明者らは、従来は全く着目されていなかった鋼材の化学成分、とりわけ合金成分としてコスト上昇を殆ど伴わないか、あるいは含有することで精錬コストがむしろ低下する元素であるC、Sに着目した。そして、鋼材の(C+2S)量が特定の関係を満足する2種類の鋼材を電気的に接触させて海中に浸漬すると、鋼材からの鉄イオンの溶出が促進され、しかも安価に安定して多量の鉄イオンを海中に供給することが可能となることを見いだした。
【0010】
さらに、本発明者らは、このような(C+2S)量が特定の関係を満足する2種類の鋼材を電気的に接触させた場合には、一方の鋼材((C+2S)量が多い鋼材)では鉄が溶解し鉄イオンを多量に供給するが、他方の鋼材((C+2S)量が少ない鋼材)ではむしろ鉄の溶解は抑制されるという知見を得た。この鉄の溶解が抑制された鋼材((C+2S)量が少ない鋼材)を、強度や剛性を維持する構造部材として配置すれば、腐食が少なく長い寿命を有する構造物(鋼製人工漁礁)とすることができるものと考えられる。
【0011】
本発明は、上記した知見に基づいて完成されたものである。
【0012】
すなわち、本発明は、化学成分の異なる2種類の鋼材1、2を組付けた部材であって、前記鋼材1のC含有量〔C〕1 、S含有量〔S〕1 と、鋼材2のC含有量〔C〕2 、S含有量〔S〕2 と、が次(1)式
{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }≧0.10 ……(1)
(ただし〔C〕1 、〔S〕1 :鋼材1のC、S含有量(wt%)、〔C〕2 、〔S〕2 :鋼材2のC、S含有量(wt%))
を満足し、かつ前記鋼材1と前記鋼材2とを電気的に接触状態とすることを特徴とする鉄イオン供給用部材である。
【0013】
また、本発明は、鋼材1のC含有量〔C〕1 、S含有量〔S〕1 と、鋼材2のC含有量〔C〕2 、S含有量〔S〕2 と、が前記(1)式を満足し、かつ前記鋼材1と前記鋼材2とを電気的に接触状態とした鉄イオン供給用部材を、少なくとも一部の部材として配設することを特徴とする人工漁礁である。
【0014】
また、本発明は、化学成分の異なる少なくとも2種類の鋼材1、2を組付けて構成される人工漁礁であって、前記鋼材1のC含有量〔C〕1 、S含有量〔S〕1 と、鋼材2のC含有量〔C〕2 、S含有量〔S〕2 と、が前記(1)式を満足し、かつ前記鋼材1と鋼材2とを電気的に接触状態とすることを特徴とする人工漁礁であり、また、本発明では、前記鋼材2を、強度、剛性を受け持つ構造部材として配設することが好ましい。
【0015】
本発明でいう鋼材は、転炉、電気炉等通常公知の溶製方法で溶製され、連続鋳造法等でスラブ等の圧延素材に鋳造されたのち、熱間圧延を施されて製造されるものであり、熱延鋼板、熱延H形鋼、熱延棒鋼等を含み、さらに鋳造のままの鋼材等前記(1)式を満足する鋼材は全て含むものとする。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の鉄イオン供給用部材は、化学成分の異なる鋼材1と鋼材2とを組付けて電気的に接触状態とした部材である。本発明では、この部材の形状はとくに限定されない。形状は、例えば漁礁の所望形状に対応して適宜決定すればよい。
【0017】
本発明の部材では、鋼材1と鋼材2の化学成分のうち、それぞれのC含有量とS含有量が次(1)式
{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }≧0.10 ……(1)
(ただし〔C〕1 、〔S〕1 :鋼材1のC、S含有量(wt%)、〔C〕2 、〔S〕2 :鋼材2のC、S含有量(wt%))
を満足するように、鋼材1と鋼材2とを選択し、組付けて、接触状態とされる。鋼材1と鋼材2との組付けは、両者が電気的に接触状態となる部分があればよく、その方法はとくに限定されないが、溶接、あるいはボルト固定とするのが好ましい。
【0018】
このような状態にした部材を海水中に浸漬すると、(C+2S)量が多い鋼材1がカソード側となり、局部電池が形成され、鉄の溶解が促進され、海水中に鉄イオンが多量に供給される。一方、(C+2S)量が少ない鋼材2では、鉄の溶解はむしろ抑制される。本発明のように、化学成分の異なる鋼材を接触状態とすることにより、同一成分の鋼材を接触させた場合に比べ単純に表面積を2倍とする以上に鉄イオンが溶出する。
【0019】
通常、鋼材中では、CはFe3C等の炭化物、SはMnS 等の硫化物として存在しており、(1)式を満足する場合にこれら析出物の周囲で局部的に孔食腐食が起こり鉄の溶解が促進されるものと考えられる。鋼材1と鋼材2のC、S含有量が(1)式を満足しない場合、すなわち、{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }が0.10未満の場合には、カソード反応の顕著な増加が起こらないため、海水中での鉄イオンの溶出が少ない。なお、鉄イオンの溶出速度の観点から、好ましくは{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }が0.2 以上である。
【0020】
また、鋼材のC含有量は、一般的に、鋼材の強度・靱性などを考慮して決められているが、ほとんど製造コストの上昇を伴うことなく、製錬の過程でその量を制御することが可能である。またS含有量は、ppm オーダーの極低S領域まで低減するような特殊な場合を除けば、Cと同様に製造コストの上昇を伴うことなくその量を制御することが可能である。なお、本発明においては、鋼材の、C、S以外の化学成分はとくに限定されない。
【0021】
前記(1)式を満足するような2種の鋼材を組付けて、電気的に接触状態とした部材は、海水中に限らず淡水中でも、鉄イオンを多量に供給でき、水生生物の餌となる藻の繁茂が促進され、水生生物の増殖が図られるという効果を有する。
【0022】
また、このような鉄イオン供給用部材を、鋼製人工漁礁の少なくとも1部の部材として配設するのが好ましい。これにより、鉄イオンが多量にしかも継続して海水中に供給され、植物性プランクトンの発生、藻の繁茂が促進され、優れた人工漁礁として魚介類の蝟集場あるいは育成場を提供できる。
【0023】
本発明の鋼製人工漁礁では、前記(1)式を満足するような2種の鋼材1、2を組付けた部材の配置は、鋼材1と鋼材2が電気的に接触した状態が保たれていればよく、基本的には限定されない。なお、構造物としての寿命を長時間側とするためには、鉄の溶解が抑制される、(C+2S)量が少ない鋼材2を、柱や主要な梁等の強度・剛性を受け持つ部分に配置するのが好適である。一方、(C+2S)量が多い鋼材1は、主として鉄イオンの供給体として強度・剛性の要求が比較的少ない箇所に配置するのが好ましいが、必ずしも漁礁構造部材として強度・剛性を担当させる必要はない。例えば、(C+2S)量が多い鋼材1を鋼製人工漁礁の付属物として、(C+2S)量が少ない鋼材2に電気的に接触させるだけとし、単に鉄イオンの供給体として作用させても本発明の効果は十分に発揮される。
【0024】
図1に、本発明の鋼製人工漁礁の構造の1例を模式的に示す。なお、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
図1では、前記(1)式を満足する2種の鋼材のうち、(C+2S)量が少ない鋼材2を柱11a 、11b 、11c 、11d 、および主要な梁12a 、12b 、12c 、12d に配置し、構造物としての強度・剛性を確保している。一方、(C+2S)量が多い鋼材1を、強度・剛性の分担が少ない横梁13a 、15a 、縦梁14a 、14b 、14c 、14d に、前記鋼材2に溶接等で接合して電気的に接触状態として配置している。
【0026】
このような構造とすることにより、鋼材1は、鉄イオンの供給体の役割を主として担当し鉄イオンの供給を続け、鋼材2は鉄の溶解が抑制されて強度・剛性を担当して構造物として長い寿命を全うできるようになる。
【0027】
なお、本発明の人工漁礁では、基礎部分のコンクリートによる補強や、漁礁内部への石等の装填を行ってもよい。これらは、漁礁とするために必要なことであり、なんら本発明の効果を損なうものではないことは言うまでもない。
【0028】
また、本発明では、人工漁礁を上記したように2種の鋼材1、2のみを使用して構成するのが好ましいが、部材すべてを上記した2種の鋼材1と鋼材2とする必要はなく、鋼材1と鋼材2とを電気的に接触させた箇所を少なくとも1箇所以上配設すればよく、初期の目的を達成できる。
【0029】
【実施例】
表1に示す化学成分を有する熱延鋼板からそれぞれ2種の鋼材1、2を選択し、それら選択した鋼材1と鋼材2とから試験材(6mm厚×175 mm幅×300 mm長さ)を採取し、表2に示す組合せで、全周を溶接により接合し、電気的に接触状態とした部材を作製した。
【0030】
これら部材を、25℃の人工海水中に浸漬し、鋼材1からの鉄イオン溶出速度を測定した。なお、鋼材1からの鉄イオンの溶出速度は、1年後の部材の重量減を測定し、表面積で除すことにより鉄イオンの溶出速度に換算した。
【0031】
それらの結果を表2に示す。表2に示す溶出速度比は、各部材での鋼材1からの鉄イオンの溶出速度と部材No. 3における鋼材1からの鉄イオンの溶出速度の比を意味している。部材No. 3は普通材(SS 400材)同士を接合した従来例である。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
本発明例では、鉄イオンの溶出速度比が5.7 以上と、普通材同士の接合である従来例(部材No.3)にくらべ鉄イオンの溶出が著しく促進されている。これに対し、本発明の範囲を外れる比較例では、従来例の1.7 倍程度であり、鉄イオン溶出の著しい促進は見られない。
【0035】
本発明に従い、前記(1)式を満足するように化学成分の異なる鋼材を接触させることにより、単純に同一成分の普通鋼材を接触させ表面積を2倍とした以上に鉄イオンの供給ができる。
【0036】
以上のような化学成分の異なる鋼材を接触させて、漁礁等に配設すれば、あるいは化学成分の異なる鋼材を接触させて人工漁礁を構成すれば、海水中あるいは淡水中で、有利に鉄イオンの供給ができ、魚を初め水生生物の餌となる藻の繁茂が促進される結果、魚介類等水生生物の増殖、蝟集等が期待できる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、鉄イオンが有効に溶出し、短時間で磯焼け現象を解消でき、優れた人工漁礁として、漁業資源の確保が容易となり産業上格段の効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例である人工漁礁の構成の1例を示す斜視図である。
Claims (4)
- 化学成分の異なる2種類の鋼材1、2を組付けた部材であって、前記鋼材1のC含有量〔C〕1 、S含有量〔S〕1 と、鋼材2のC含有量〔C〕2 、S含有量〔S〕2 と、が下記(1)式を満足し、かつ前記鋼材1と前記鋼材2とを電気的に接触状態とすることを特徴とする鉄イオン供給用部材。
記
{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }≧0.10 ……(1)
ただし〔C〕1 、〔S〕1 :鋼材1のC、S含有量(wt%)
〔C〕2 、〔S〕2 :鋼材2のC、S含有量(wt%) - 請求項1に記載の鉄イオン供給用部材を、少なくとも一部の部材として配設することを特徴とする人工漁礁。
- 少なくとも化学成分の異なる2種類の鋼材1および鋼材2を組付けて構成される人工漁礁であって、前記鋼材1のC含有量〔C〕1 、S含有量〔S〕1 と、鋼材2のC含有量〔C〕2 、S含有量〔S〕2 と、が下記(1)式を満足し、かつ前記鋼材1と鋼材2とを電気的に接触状態とすることを特徴とする人工漁礁。
記
{〔C〕1 +2 〔S〕1 }−{〔C〕2 +2 〔S〕2 }≧0.10 ……(1)
ただし〔C〕1 、〔S〕1 :鋼材1のC、S含有量(wt%)
〔C〕2 、〔S〕2 :鋼材2のC、S含有量(wt%) - 前記鋼材2を、強度、剛性を受け持つ構造部材として配設することを特徴とする請求項3に記載の人工漁礁。
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