JPH08257568A - 汚水処理システム並びに汚水処理方法及び汚水処理装置 - Google Patents

汚水処理システム並びに汚水処理方法及び汚水処理装置

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JPH08257568A
JPH08257568A JP6129995A JP6129995A JPH08257568A JP H08257568 A JPH08257568 A JP H08257568A JP 6129995 A JP6129995 A JP 6129995A JP 6129995 A JP6129995 A JP 6129995A JP H08257568 A JPH08257568 A JP H08257568A
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sewage
bittern
wastewater
iron
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JP6129995A
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Hirosuke Kasuya
啓輔 糟谷
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NISSUI KIKO KK
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NISSUI KIKO KK
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/463Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrocoagulation

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 経済性に優れ、取扱いが容易である、汚水処
理システムと汚水処理方法を提供することを目的とす
る。 【構成】 処理槽と、前記処理槽に設けられた(+)電
極と(−)電極を有し、前記(+)電極と前記(−)電
極との間に直流電流を流すことで、前記(+)電極から
溶出した金属イオンにより汚水を処理する汚水処理シス
テムにおいて、前記汚水がにがりを添加させたものであ
ることを特徴とする。汚水ににがりを添加し、処理槽内
において、(−)電極と鉄を含む(+)電極とを用い
て、該汚水に、直流電圧を印加して前記(+)電極から
鉄イオンを溶出せしめ、溶出した鉄イオンと前記汚水中
のリン酸イオンとを反応させて不溶性のリン酸鉄塩を析
出させ、前記リン酸鉄塩を除去することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、汚水処理システム並び
に汚水処理方法及び汚水処理装置に関し、特に、生活系
廃水や産業廃水などの有機性汚染水からリンを除去する
ための処理技術に関する。
【0002】
【従来の技術】し尿を含む生活系廃水や産業廃水などの
汚水を浄化して、これら汚水が流入する河川水における
BODを浄化する技術としては、活性汚泥法、生物膜接
触法などの生物処理方法が一般的に用いられている。
【0003】ところで、汚水における栄養塩類は、窒素
とリンに代表されるが、窒素は大気中に多量存在し、ま
た雨水にも多量に含まれている。そして、自然界の基底
濃度以上のリンが集中する河川、湖沼などに水性植物の
種子が存在すると、これら窒素とリンを吸収し、また水
温や太陽光の影響も受けながら繁茂し、それらが水中の
酸素を消費して、水質の劣化をもたらす。この場合、リ
ンの存在が自然界基底濃度程度であれば、水性植物の繁
茂の度合いは水質劣化をもたらす程のものではない。よ
って、汚水中のリンの十分な除去は、水域環境の保全に
重要な要素であるということができる。なお、リンの自
然界の基底濃度は0.02ppm程度であり、リンをこ
れ以下に除去することは、生物処理によっては実質上、
不可能である。
【0004】そこで、通常は、生物処理をした後の汚水
を更に処理して、中水、親水公園用水などへの再利用を
可能としたり、またはこの処理によって湖沼などの閉鎖
性水域の富栄養化を防止することが行われている。この
ような生物処理後の汚水処理技術としては、従来は、特
開昭62−250994号公報などに記載されているよ
うなCa,Al塩などの凝集剤を加えて沈殿させる凝集
沈殿法、活性炭,水性植物,土壌,土壌植栽物などへの
素材への吸着法、イオン交換法、膜分離法、消毒法、あ
るいは例えば特公平3−25236号公報に記載さてい
るような電解法などが知られている。その他、例えば特
開平4−298285号公報に開示されているように、
銅イオンを溶出させることで、例えば汚水処理後におけ
る防藻を図る処理技術も知られている。
【0005】ここで、電解法に関して、一般的な汚水の
電解処理においては、汚水に電気エネルギーを与えるこ
とによる電気反応(電気分解、電気析出、電解酸化、電
解還元、電解中和、イオン交換など)のように電極面と
汚水との接触面に生じる反応と、析出物質と汚水中の成
分とが吸着する反応が起きるといわれている。また、こ
の場合において、電極材には、カーボンなどの電気析出
が起きない材料の他、電気析出が生じる導電性金属
(鉄、銅、アルミニウムなど)からなる材料が用いられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、生物処
理後における汚水の従来の処理技術において、凝集沈殿
法の場合には、凝集剤の注入により発生する汚泥量が多
いという問題がある。また、吸着法の場合には、素材の
吸着能力の限界にあるため処理能力が低く、特に水生生
物を用いた場合には更に、水生生物の繁殖量が多くなる
ことによる水質劣化が生じるという問題がある。更に、
イオン交換法や膜分離法の場合には、メンテナンスが繁
雑であり経済的に劣るという問題がある。
【0007】一方、電解法の場合には、上記の汚水のよ
うな淡水において用いた場合には、汚水の電導性が悪い
ことから、高電圧、高電流とする必要があり、そのため
の設備が必要となり、取扱いが難しくなるという問題が
ある。
【0008】本発明は、経済性に優れ、取扱いが容易で
ある、汚水処理システムと汚水処理方法を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の汚水処理システ
ムは、汚水を処理するための処理槽(例えば電解槽)
と、前記処理槽に設けられた(+)電極と(−)電極を
有し、前記(+)電極と前記(−)電極との間に直流電
流を流すことで、前記(+)電極から溶出した金属イオ
ンにより汚水を処理する汚水処理システムにおいて、前
記汚水がにがりを添加させたものであることを特徴とす
る。
【0010】(+)電極は、鉄材、銅材、鉄材と銅材と
の混合材、あるいは鉄と銅との合金材からなるものであ
る。そして、鉄を含有する材料(上記のうち、鉄材、混
合材、合金材)からなるものである場合には、上記
(+)電極から溶出した鉄イオンを上記汚水中のリン酸
イオンとを反応させ不溶性のリン酸鉄塩を析出させて上
記汚水中のリンを除去する、汚水処理システムが得られ
る。また、銅を含有する材料(上記材料のうち、銅材、
混合材、合金材)からなるものであれば、上記(+)電
極から銅イオンが溶出する、汚水処理システムが得られ
る。更に、鉄と銅とを含有する材料からなる場合(上記
材料のうち、混合材、合金材)には、これら鉄イオンと
銅イオンが溶出する汚水処理システムが得られる。な
お、本発明において鉄材や銅材は、これら金属の単体、
またはこれらの金属と他の金属との混合や合金などのよ
うに、鉄イオンや銅イオンを溶出し得るものすべてを指
し、これらは板状や棒状などの適宜な形態で使用され
る。また、処理槽(電解槽)自体を電極としてもよい。
【0011】また、(+)電極が、例えば板状電極のよ
うな場合の片面または両面に、また、棒状の場合にはそ
の周に、保持部材を固着することが特に好ましい。けだ
し、(+)電極における鉄材や銅材の溶出は極めて速く
反応進行に伴い、電極が溶断し、溶断部より下方は、電
解槽底面に落下してしまい、電極としての機能を損なっ
てしまう。保持部材を電極の少なくとも縦方向全体にわ
たり固着しておけばかかる落下を防止することができ
る。かかる目的を達成する限りにおいて電極と部材との
固着はどのような態様であってもよい。また、支持部材
の材料・形態は特に限定されない。材料としては非導電
性材料(例えば樹脂)でも導電性材料(例えば、金属、
カーボン)でもよい。形態としては、例えばメッシュ状
(網目状)でも不織布でもよい。メッシュ状の塩化ビニ
ルシート、あるいはカーボン不織布などが好適に用いら
れる。なお、上記のうち、導電性材料、例えば、カーボ
ン不織布を用いることが特に好ましい。導電性材料を用
いた場合には、溶断により上下に電極が分断されても、
保持部材を介して分断された上下の電極は電気的にも接
続されているため電極としての機能を損なうことがな
い。また、汚水に対する耐食性の点からもカーボン不織
布が好ましい。保持部材は、例えばエポキシ系接着剤な
どにより(+)電極を構成する鉄材や銅材(例えばこれ
らの板材)に固定される。もちろん他の手段により固着
せしめてもよい。
【0012】ここで、上記の鉄材や銅材の屑としては、
旋盤、フライス盤、ミーリングなどの機械工作によって
切粉となった鉄屑や銅屑、あるいは、自動車、家電製
品、空き缶などに使用されている鉄材や廃棄建材などを
使用することができる。そして、これらの屑を脱脂後
に、例えば塩化ビニル製の蛇篭や有孔塩化ビニル板で仕
切られた槽に入れて(+)電極とする。また、切粉は螺
旋形状にかっているものが多く、くもの巣状での電導が
期待できる。この切粉を適当な形状にプレスして、蛇篭
などに補給することもできる。なお、切粉は、近年では
蓄積すると社会問題となる産業廃棄物であり、この切粉
を用いることは、有効利用となる。
【0013】そして、(+)電極においては、鉄材や銅
材の溶出進行に伴ってその容量が減少することから、上
記のような鉄屑や銅屑を用いる構成を用いる場合におい
て、電源からの電流を(+)電極全体に有効に伝えられ
なくなる虞がある。このため、(+)電極を、電源から
の電流を伝えるためのカーボンなどの非溶解性(電気析
出のない)材料からなる一次側電極と、鉄屑や銅屑で構
成される二次側電極とから構成し、二次側電極の下側に
一次側電極を接触させて配する構成とすることが好まし
い。このように構成すれば、溶出進行に伴って二次側電
極の鉄屑や銅屑が減少した場合でも、これら鉄屑や銅屑
が自重により落下して一次側電極と接触するため、電源
と二次側電極との導通を良好に保持することができる。
上記の構成において、永久磁石などの磁性部材を
(+)電極の底部、例えば一次側電極の両側や下側に配
し、この磁性部材の磁力により二次側電極の鉄屑を一次
側電極側に引き付ける構成とすることで、二次側電極に
おける鉄屑の浮上防止および一次側電極との密着性向上
が図れる。
【0014】また、(−)電極としては、非溶解性(電
気析出のない)の材料、例えばカーボンや非溶解性で電
導性の良い金属板などで構成すればよい。
【0015】本発明において、処理材として汚水中に添
加されるにがりは、海水から食塩を製造するに当り、食
塩を晶出させたあとの液であり、汚水中に微量添加され
る。具体的には、塩化マグネシウムと硫酸マグネシウム
を主成分とし、これに塩化カリウム、塩化ナトリウムや
その他のミネラルを含有したものである。一般的には、
次の組成のものが好適に用いられる。
【0016】MgCl2:15〜19,MgSO4:6〜
9,KCl:2〜4,NaCl:2〜6,MgBr2
0.2〜0.4(g/にがり100g)。
【0017】また、にがりの添加量は、汚水中における
濃度が好ましくは20〜500ppm、更に好ましくは
50〜300ppmであるような量である。これより少
ない場合には所望の電導性が得難く、また多い場合には
汚水中における濃度が高まり、処理水中の塩分濃度が高
まって汚水清浄化の目的にそぐわなくなる。
【0018】なお、にがりの添加により、汚水の電導性
が高まるとともに、動物、魚介類、植物の生命維持に不
可欠なミネラルを処理水に供給することができる。ま
た、(+)電極からの鉄イオンなどの溶出度がにがりの
添加量に比例するので、(+)電極からの金属イオンの
溶出度を更に高めることができる。
【0019】また、にがりの添加は有機物を凝集する作
用がある。このため、電解槽に流入させる汚水中に予め
にがりを添加することで、汚水中の有機物を凝集させる
ことができるとともに、(+)電極から鉄イオンを溶出
させる本発明の処理方式において析出したリン酸鉄塩の
凝集を促進することができる。ここで、にがりは汚水に
霧状に添加すると効果的である。
【0020】なお、にがりの汚水中への添加は、どの時
期に行ってもよい。すなわち、処理槽の下流に例えば図
1に示すように、混合槽を設けておき、この混合槽にお
いてにがりを汚水に添加してもよいし、処理槽に中おい
て汚水とにがりを混合してもよい。
【0021】更に、析出したリン酸鉄塩は、公知の方
法、例えば沈殿地法、砂ろ過法、加圧浮上法、凝集沈殿
法などにより、処理済水から分離・除去される。
【0022】また、本発明において使用される電源とし
ては、通常の商用電源の他、太陽光発電(ソーラー発
電)、風力発電、ごみ消却発電を利用することができ
る。
【0023】一方、本発明の汚水処理方法は、汚水にに
がりを添加し、電解槽内において、(−)電極と鉄を含
む(+)電極とを用いて、該汚水に、直流電圧を印加し
て前記(+)電極から鉄イオンを溶出せしめ、溶出した
鉄イオンと前記汚水中のリン酸イオンとを反応させて不
溶性のリン酸鉄塩を析出させ、前記リン酸鉄塩を除去す
ることを特徴とする。
【0024】本発明の他の汚水処理方法は、汚水ににが
りを添加し、電解槽内において、(−)電極と銅を含む
(+)電極とを用いて、該汚水に、直流電圧を印加する
ことを特徴とする。
【0025】本発明の更に他の汚水処理方法は、汚水に
にがりを添加し、処理槽内において、(−)電極と鉄と
銅とを含む(+)電極とを用いて、該汚水に、直流電圧
を印加して前記(+)電極から鉄イオンを溶出せしめ、
溶出した鉄イオンと前記汚水中のリン酸イオンとを反応
させて不溶性のリン酸鉄塩を析出させ、前記リン酸鉄塩
を除去することを特徴とする。
【0026】本発明の汚水処理装置は、汚水を処理する
ための処理槽と、該処理槽内の汚水に電圧を印加するた
めの(+)電極と(−)電極とを有する汚水処理装置に
おいて、該(+)電極と(−)電極のうち、少なくとも
溶出する側の電極が、保持部材に固着されていることを
特徴とする。固着は、前述した通り、溶出にともなう溶
断による落下を防止できる。
【0027】
【作用】本発明において、(+)電極と(−)電極との
間に直流電流を流すことで、(+)電極から金属イオン
が溶出する。この金属イオンは、(+)電極が鉄材であ
れば鉄イオンであり、また同じく銅材であれば銅イオン
であり、更に両者であれば鉄イオンと銅イオンである。
そして、鉄イオンの場合には、汚水中のリン酸イオンP
-4と反応して不溶性のリン酸鉄塩が生成し、これによ
り汚水中におけるリンの除去を行うことができる。ま
た、銅イオンの場合には、これが汚水中に溶出すること
で、汚水処理後における防藻が図れる。
【0028】そして、上記のように、にがりを汚水中に
添加することで、上記の直流電流の電導性が高まって、
処理槽(電解槽)における鉄イオンや銅イオンの溶出
を、従来に比べて、低電圧、低電流で行うことができ
る。また、にがりの添加によって、汚水中の有機物を凝
集する作用を高めることができる。
【0029】
【実施例】次に、本発明を添付図面を用いて詳細に説明
する。
【0030】本発明の実施例の汚水処理システムを示し
た図1を参照して、この実施例のシステムは、汚染水が
流入する混合槽1、混合槽1の下流に設けられた電解槽
(処理槽)2、電解槽2の下流に設けられた最終処理槽
3、最終処理槽3の次段に設けられた汚泥貯留槽4から
構成される。なお、この実施例は、(+)電極から溶出
させた鉄イオンにより汚水中のリン酸イオンを結合する
ことで、汚水中のリンを除去するシステムである。
【0031】そして、混合槽1では、流入した汚染水5
ににがり6を添加・混合して溶解させる。この場合、に
がり6の汚染水5への添加はスプレーによる噴霧などの
適宜な方法により行われる。また、電解槽2では、にが
り6を溶解した汚染水5を電解処理して汚染水5中のリ
ンを除去する。この場合、リンの除去は、後述するよう
に、不溶性のリン酸鉄塩として汚染水5から分離するこ
とで行われる。また、最終処理槽3では、電解槽2にお
いて分離されたリン酸鉄塩およびその他の凝集された有
機物を、沈殿、ろ過、加圧浮上、凝集沈殿させることで
除去され、除去後の処理水7が得られる。
【0032】また、最終処理槽3において除去されたリ
ン酸鉄塩や凝集有機物は、汚泥貯留槽4において貯留さ
れる。そして、汚泥貯留槽4における上澄液8は、シス
テム上流の汚染水5に加えられて、再度処理される。
【0033】電解槽2では、多数の(+)電極21と
(−)電極22が図示したように交互に対向させて配置
されている。なお、図示して例に限定されず、例えば一
対の(+)電極21と(−)電極22とを対向させた構
成とすることもできる。ここで、(−)電極22は、例
えば公知の非溶解性のカーボン電極が用いられる。
【0034】(+)電極21は、例えば、図2、3に示
したように、鉄板からなる電極本体211、並びに電極
本体211の片面に、エポキシ系接着剤で固着されたメ
ッシュ状の塩化ビニル網あるいはカーボン不織布からな
る保持部材212とを有してなるものである。電極本体
211は電源214の(+)側に接続されている。ま
た、保持部材212は支持金具213に取付けられてお
り、この支持金具213によって電解槽2において位置
決めされている。
【0035】以上の構成である実施例のシステムにおい
て、実験的に、電源電圧を12Vとし、また電極本体2
11を構成する鉄板を厚さ1.2mmで面積が14cm
2 のものを用いると ともに、(+)側電極211と
(−)側電極212との電極間隔を15cmとし、また
最終処理槽3における滞留時間を15分とした条件で本
システムを作動させた所、得られた処理水7中のリン酸
イオンの濃度は0ppmであった。ここで、汚水5の水
質にもよるが、上記滞留時間を2〜30分程度に設定す
ることで、処理水7中のリン酸イオンを自然界の基底濃
度である0.02ppm以下ないし0まで除去すること
ができた。
【0036】また、実施例のシステムにより種々の汚水
(原水)を処理した処理水におけるpHの変化、大腸菌
群数やリン酸イオンあるいはCODの除去率などを表1
〜表3にそれぞれ示した。ここで、表1は河川水を生物
処理した親水公園用水を、表2はA建物浄化槽処理水
を、また表3はB建物浄化槽未消毒処理水を、それぞれ
原水とした場合の結果である。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
【表3】 図4、5に、(+)電極21の他の構成例を示した。こ
の例では、電極本体211は、2枚の板状の保持部材2
12と電解槽底部との間に形成される空間に鉄の切粉
(鉄屑)を充填して構成される。また電極本体211の
底部には、カーボン丸棒電極215とこれに接続された
端子電極216とから構成される一次側電極が設けられ
ている。ここで、カーボン丸棒電極215と端子電極2
16とは、例えば、図6に示したように、カーボン丸棒
電極215の端部に設けた突起215aを端子電極21
6に形成した凹部216aに嵌合することで接続され
る。また、カーボン丸棒電極215は、図6のように、
複数のものを上記同様に突起215aと凹部215bの
嵌合により接続する構成とすることもできる。 一次側
電極には、図示しない電源の(+)側が接続されてい
る。そして、電源の(+)側は、一次側電極を構成する
カーボン丸棒電極215を経て、この上部に接触して設
けられる二次側電極である電極本体211に接続され
る。
【0040】また、図4、5の構成例では、電極本体2
11の下側に永久磁石217が設けられている。この永
久磁石217は、その磁力により電極本体211を構成
する鉄屑を下側に引き付けるように機能するものであ
る。これにより、これら鉄屑が浮上するのが防止される
ともに、電極本体211とカーボン丸棒電極215との
密着性が保持される。
【0041】
【発明の効果】請求項1によれば、汚水中ににがりを添
加することで、直流電流の電導性が高まって、電解槽に
おける鉄イオンや銅イオンの溶出を、従来に比べて、低
電圧、低電流で行うことができるため、経済性に優れ、
またメンテナンスや取扱いを容易とできる。
【0042】請求項2と8によれば汚水中のリンを除去
して汚水の清浄化が図れ、請求項3と9によれば処理水
中に銅イオンを効率良く溶出できて防藻が図れ、また請
求項4と10によればこれら両方の効果が得られる。
【0043】請求項5によれば、(+)電極における鉄
材や銅材の溶出進行に伴う割れ落ちを防止することがで
きる。
【0044】請求項6、7、11、12によれば、汚水
の電導性を不都合なく高めることができて本発明のシス
テムや方法を好適に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のシステムの概要を示した説明
図である。
【図2】図1の電解槽に用いる実施例の(+)電極の説
明図である。
【図3】図2の(+)電極の斜視図である。
【図4】図1の電解槽に用いる他の実施例の(+)電極
の説明図である。
【図5】図5の(+)電極の斜視図である。
【図6】図5の(+)電極の構造の説明図である。
【符号の説明】
1 混合槽 2 処理槽(電解槽) 3 最終処理槽 4 汚泥貯留槽 21 (+)電極 22 (−)電極 211 電極本体 212 保持部材 215 カーボン丸棒電極 217 永久磁石

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理槽と、前記処理槽に設けられた
    (+)電極と(−)電極を有し、前記(+)電極と前記
    (−)電極との間に直流電流を流すことで、前記(+)
    電極から溶出した金属イオンにより汚水を処理する汚水
    処理システムにおいて、前記汚水がにがりを添加させた
    ものであることを特徴とする汚水処理システム。
  2. 【請求項2】 前記(+)電極が鉄材からなり、前記
    (+)電極から溶出した鉄イオンを前記汚水中のリン酸
    イオンとを反応させ不溶性のリン酸鉄塩を析出させて前
    記汚水中のリンを除去することを特徴とする請求項1記
    載の汚水処理システム。
  3. 【請求項3】 前記(+)電極が銅材からなり、前記
    (+)電極から銅イオンが前記汚水中に溶出することを
    特徴とする請求項1記載の汚水処理システム。
  4. 【請求項4】 前記(+)電極が、鉄材と銅材との混合
    材あるいは鉄と銅との合金からなり、前記(+)電極か
    ら溶出した鉄イオンを前記汚水中のリン酸イオンとを反
    応させ不溶性のリン酸鉄塩を析出させて前記汚水中のリ
    ンを除去するとともに、前記(+)電極から銅イオンを
    溶出させることを特徴とする請求項1記載の汚水処理シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 前記(+)電極は、少なくとも縦方向全
    体にわたり保持部材に固着していることを特徴とする請
    求項1から4項のいずれか1項に記載の汚水処理システ
    ム。
  6. 【請求項6】 前記保持部材は、カーボン不織布からな
    ることを特徴とする請求項5記載の汚水処理システム。
  7. 【請求項7】 前記汚水中における前記にがりの濃度が
    20〜500ppmとなるように前記にがりが添加され
    ることを特徴とする請求項1から6項のいずれか1項に
    記載の汚水処理システム。
  8. 【請求項8】 前記汚水中における前記にがりの濃度が
    50〜300ppmとなるように前記にがりが添加され
    ることを特徴とする請求項1から6項のいずれか1項に
    記載の汚水処理システム。
  9. 【請求項9】 汚水ににがりを添加し、処理槽内におい
    て、(−)電極と鉄を含む(+)電極とを用いて、該汚
    水に、直流電圧を印加することを特徴とする汚水処理方
    法。
  10. 【請求項10】 汚水ににがりを添加し、処理槽内にお
    いて、(−)電極と銅を含む(+)電極とを用いて、該
    汚水に、直流電圧を印加することを特徴とする汚水処理
    方法。
  11. 【請求項11】 汚水ににがりを添加し、処理槽内にお
    いて、(−)電極と鉄と銅とを含む(+)電極とを用い
    て、該汚水に、直流電圧を印加することを特徴とする汚
    水処理方法。
  12. 【請求項12】 前記汚水中における前記にがりの濃度
    が20〜500ppmとなるように前記にがりが添加さ
    れることを特徴とする請求項8から11項のいずれか1
    項に記載の汚水処理方法。
  13. 【請求項13】 前記汚水中における前記にがりの濃度
    が50〜300ppmとなるように前記にがりが添加さ
    れることを特徴とする請求項8から11項のいずれか1
    項に記載の汚水処理方法。
  14. 【請求項14】 電解槽自体が、(−)電極と(+)電
    極とのいずれか一方の電極を構成することを特徴とする
    請求項8から13項のいずれか1項に記載の汚水処理方
    法。
  15. 【請求項15】 汚水を処理するための処理槽と、該処
    理槽内の汚水に電圧を印加するための(+)電極と
    (−)電極とを有する汚水処理装置において、該(+)
    電極と(−)電極のうち、少なくとも溶出する側の電極
    は、少なくともその縦方向全体にわたり保持部材に固着
    していることを特徴とする汚水処理装置。
  16. 【請求項16】 前記保持部材は、カーボン不織布から
    なることを特徴とする請求項15記載の汚水処理装置。
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