JPH08238038A - 金属製養殖用生け簀 - Google Patents

金属製養殖用生け簀

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JPH08238038A
JPH08238038A JP7068956A JP6895695A JPH08238038A JP H08238038 A JPH08238038 A JP H08238038A JP 7068956 A JP7068956 A JP 7068956A JP 6895695 A JP6895695 A JP 6895695A JP H08238038 A JPH08238038 A JP H08238038A
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JP
Japan
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net
cage
metal
screen
wear
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7068956A
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English (en)
Inventor
Hideo Takatori
英男 高取
Takao Sakazume
孝郎 坂爪
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Nikko Kinzoku KK
Original Assignee
Nikko Kinzoku KK
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Publication of JPH08238038A publication Critical patent/JPH08238038A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 摩耗問題を解決し、金属製生け簀網の寿命を
伸ばすこと。 【構成】 金属製線材を目合いを形成するよう編み上げ
て構成した養殖用生け簀網1において、網の中央部の目
合い数が、上側及び下側の目合い数と比べ少ないことを
特徴とする。この場合、金属製線材をチタンまたはチタ
ン合金とすることが推奨される。網の重さから発する張
力が垂直方向から傾き、水平方向の分力を生じ、網に横
方向の張力を与える。これにより、網は、編み上げ部で
折れることが妨げられ、摩耗の原因となる線材同士の相
対運動が抑えられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海水、淡水を問わず、
水産物を養殖するときに用いる養殖用の生け簀に関する
ものであり、水の流れにより生け簀網を構成する金属線
同志のこすれによる摩耗を原因とする損傷を防ぎ、生け
簀の寿命を長くすることを可能とする養殖用生け簀に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】漁業の安定化、効率化のために、水産物
の養殖は広く行われている。この養殖に際しては、新鮮
な水を養殖用生け簀中の養殖物に供給することが肝要で
あり、このため、生け簀の外周を構成するには網を用い
ることがほとんどである。
【0003】この網には、現在、天然繊維、合成繊維、
プラスチック等製の繊維系のものと金属線材系のものが
ある。繊維系の網は、強度や耐摩耗性という点で優れて
おり、広く用いられているが、藻が付着し易い。藻が過
剰に付着すると、網の目が塞がれてしまい、生け簀中の
酸素が欠乏し養殖物が死滅することがあるため、これは
除去する必要がある。この除去作業は、水中に人が入り
ジェット水流を吹き付けることが多いが、繊維系ではこ
の時間がかかり、このためメインテナンスコストが繊維
系の生け簀では高くなる。金属製の網を用いた生け簀で
は、このメインテナンスコストが低く、その点では有利
である。一方で、金属製の網を用いた生け簀では、海水
による腐食を防止することが必要である。そのため、銅
合金を生け簀に使用することが提唱されている。特開昭
61−223148号にそうした銅合金例が開示されて
いる。更に、耐食性に加えて、強度の点をも考慮して、
特開昭64−27424号は、TiまたはTi合金を使
用したことを特徴とする生け簀を提唱している。チタニ
ウム協会創立30周年記念国際シンボジウムプロシーデ
ィングス(昭和58年8月発行)39〜46頁には「海
とチタン」と題する論文において海洋におけるチタンの
利用分野を紹介し、ハマチの養殖用のチタン金網を示し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図2は、現行の生け簀
の例を示す。金属製網1は、上枠2と下枠3とにより円
筒状形態に保持されている。しかしながら、こうした円
筒状の金属製の網を用いた生け簀では、金属線材特有の
問題がある。通常、水中では絶えず水の流れがあり、養
殖用生け簀はその流れの中で力をうけている。このた
め、生け簀網は、その力を吸収する動きをすることとな
る。この時、網が全体で揺れ、変位が全面積に分散され
るような場合には、各部所での変位は小さく問題はない
が、変位が局所的に大きい場合には編み上げ部や結束部
でゆるみが生じ、そこに変位が集中する場合には金属線
同士が激しくこすれ合うことになる。金属は、こすれ合
ったときに摩耗を生じる。特に、金属の中でもチタン、
チタン合金の線材は摩耗に弱いと言われている。
【0005】この摩耗は、材質、応力、温度、水質等に
依存し、互いにこすれ合う距離が長くなればなるほど摩
耗量が多くなる。絶えず与えられる力に応じて運動する
網の摩耗は深刻な問題で、この摩耗が生け簀網の寿命を
大きく左右しているといって過言ではない。破断のよう
な事態が起きると生け簀の寿命は設計値の数分の1に減
少してしまい、使用可能年月が短くなるだけでなく、最
悪の場合には、魚が逃げるなどの事故にもつながってし
まう。このため、金属製網では、定期的な監視作業と点
検、交換が必要であり、このコストは生け簀事業の大き
な負担となっている。
【0006】本発明は、この摩耗問題を解決し、金属製
生け簀網の寿命を伸ばすことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】金属製の網はいくつかの
編み上げ方法があるが、原則的に、線材を互いに絡ませ
ることにより固定するものである。この網が水平方向に
十分な張力により張られているときには、この編み上げ
部は固定されており線材は相対的な位置が変化しない。
しかし、張力が不足で編み上げ部がゆるんだときには、
編み上げている2本の線材が互いにズレを起こし、相対
的に摩擦を生じる。この摩擦により互いに擦れ合う表面
は、もう片方の線材の表面から金属を削り取り、金属線
は摩耗を起こす。摩耗は、相互運動の距離にほぼ比例し
て進行する。このため、長時間使用していると、編み上
げ部の線の径は徐々に小さくなり、最終的には負荷荷重
に耐えきれなくなり、破断に至る。
【0008】本発明者らは、金属製網の水中における流
れにより起きる動きにより生ずる摩耗という難点を解決
すべく鋭意研究を行った結果、この摩耗は、張力が編み
上げ部に対し、網を張る方向にかかっており、金属線同
士が動きを生じないときには大幅に軽減されることを見
いだした。この知見を元に実験を重ねた結果、網の高さ
方向の中央部を細くして、キャンバーを付けた網が張力
を横方向に与えるのに簡便で効果の高いことを見いだし
た。この知見に基づいて、本発明は、金属製線材を目合
いを形成するよう編み上げて構成した網を使用する養殖
用生け簀において、前記網の中央部の目合い数が、上側
及び下側の目合い数と比べ少ないことを特徴とする金属
製養殖用生け簀を提供する。この場合、金属製線材をチ
タンまたはチタン合金とすることが推奨される。
【0009】
【作用】従来の網の張り方では、横方向から流れを受け
たときに、網に緩みを生じ、金属線に摩耗が生じるのに
対し、本発明品では、編み上げ部は横からの張力を受け
ているため、編み上げ部に緩みが生じにくく、金属線の
摩耗量が大幅に軽減される。こうして金属製網の形状を
工夫することにより、金属製網の編み上げ部の張力を上
げ、金属線の摩耗を防ぐ。本発明は、摩耗のコントロー
ルを網の構造で行うもので、経済的にも、施工難度にお
いても簡便であり、また、金属製網の寿命がかなり改善
されると言う意味で、産業的な意味は大きい。
【0010】本発明の対象とする養殖用生け簀網は、網
が金属線により構成されているものである。枠は、特に
材料を特定しない。本発明は、金属線を用いた生け簀網
に関するものであり、図1に示すように、金属製網1の
中央部の目合い数が、上部、下部の目合い数と比べると
少ない中央部がくびれた鼓状の形態で上枠2と下枠3と
により保持されていることを特徴とする。これに対し
て、先に図2で示したように、現行の生け簀金属製網1
は、上枠2と下枠3とにより円筒状形態に保持されてい
る。
【0011】このような構造にすることにより、網の重
さから発する張力が垂直方向から傾き、図3に示すよう
に水平方向の分力を生ずる。この水平方向の分力は、網
に横方向の張力を与える。これにより、網は、編み上げ
部で折れることが妨げられ、摩耗の原因となる線材同士
の相対運動が抑えられる。
【0012】くびれた中央部は縦方向の張力の水平方向
の張力を発生せしめるに十分であればよく、あまりくび
れを大きくし過ぎると網が不均一に引っ張られまた中間
部が小さくなるので、例えば中央部の目合い数または直
径が上面及び下面の直径の80〜97%程度とするのが
よい。中央部とは、上面と下面との間の距離の中央を挟
んで20%範囲内を云う。
【0013】本発明は、金属線を用いた網には全て当て
はまるが、特に、金属の中でも摩耗に弱いと言われてい
るチタン、チタン合金の線材からできている生け簀網に
は、効果が大きい。チタン、チタン合金の線材は防藻
性、耐食性に優れ、高い強度を兼備している。本発明の
生け簀にチタン、チタン合金の線材を使用することによ
り構造面から摩耗が低減されるから、チタン、チタン合
金の線材を使用する本発明生け簀は総合的観点から優れ
ている。
【0014】
【実施例】試験として、実際に生け簀網を作り、半年の
実地試験を行った。半年の試験後、網から線材を切りと
り、編み上げ部の摩耗量を比較した。本発明品として
は、図4に示すような寸法の網を用いた。また、比較品
としては、図5に示すような寸法の網を用いた。網の編
み上げ方は、亀甲網を用い、素材は純チタンのJIS2
種の線材を用いた。線材の直径は2mmで、焼鈍品であ
る。
【0015】網は、上枠に浮き袋をつけて湾の中の養殖
場に浮かせた。上枠、下枠は鉄製のパイプから作製し
た。腐食防止のため、鉄製の枠とチタン製の網の間は絶
縁を施した。摩耗の評価は、網から10ケ所サンプルを
採取し編み上げ部(図6)の線径を測定した。これは、
編み上げ部が線材同士で擦れ合い、摩耗が集中する箇所
であるという知見に基づいている。結果を表1に示す。
【0016】
【表1】
【0017】表1から、比較品の摩耗率は最小1.5%
そして最大28.0%と大きくばらつき、それに比較し
て本発明品は摩耗率が最大でも5.0%と小さく、安定
していることがわかる。この結果より理解できること
は、従来法で作られた比較品では、摩耗量が大きいのみ
ならず、場所により大きく異なっていることである。こ
れは、網に折れが発生しており、その部分に摩耗が集中
しているためである。これに対し、本発明品は、調査し
た範囲内のどの部分でも摩耗は少量にとどまっている。
これは、網に対し横方向の張力がかかるため、網に折れ
が生じなかったためと思われる。
【0018】
【発明の効果】水産物を養殖するときに用いる養殖用の
金属線製生け簀網の摩耗による損傷を生け簀網の中央部
に横方向の張力をかけることにより、網に折れを生じさ
せることを防ぎ、摩耗の集中を防ぐことにより軽減し、
網の延命化を可ならしめる生け簀の製法を確立すること
に成功した。本発明は、摩耗のコントロールを網の構造
で行うもので、経済的にも、施工難度においても簡便で
あり、また、金属製網の寿命がかなり改善されると言う
意味で、産業的な意味は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の養殖用生け簀網の概念図である。
【図2】現行の養殖用生け簀網の概念図である。
【図3】本発明生け簀において水平方向の張力が発生す
る機構を示す説明図である。
【図4】実施例で用いた網の寸法形状を示す説明図であ
る。
【図5】比較例で用いた網の寸法形状を示す説明図であ
る。
【図6】実施例及び比較例において、摩耗の評価のた
め、網からサンプル採取した編み上げ部を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 金属製網 2 上枠 3 下枠

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製線材を目合いを形成するよう編み
    上げて構成した網を使用する養殖用生け簀において、前
    記網の中央部の目合い数が、上側及び下側の目合い数と
    比べ少ないことを特徴とする金属製養殖用生け簀。
  2. 【請求項2】 金属製線材をチタンまたはチタン合金と
    することを特徴とする請求項1の金属製養殖用生け簀。
JP7068956A 1995-03-03 1995-03-03 金属製養殖用生け簀 Withdrawn JPH08238038A (ja)

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JP7068956A JPH08238038A (ja) 1995-03-03 1995-03-03 金属製養殖用生け簀

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JP7068956A JPH08238038A (ja) 1995-03-03 1995-03-03 金属製養殖用生け簀

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Publication Number Publication Date
JPH08238038A true JPH08238038A (ja) 1996-09-17

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ID=13388639

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JP7068956A Withdrawn JPH08238038A (ja) 1995-03-03 1995-03-03 金属製養殖用生け簀

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JP (1) JPH08238038A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103461228A (zh) * 2013-08-05 2013-12-25 中国水产科学研究院东海水产研究所 一种大型复合网围

Cited By (1)

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Effective date: 20020507