JPH10147779A - Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品、ペットフード及び化粧品 - Google Patents

Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品、ペットフード及び化粧品

Info

Publication number
JPH10147779A
JPH10147779A JP8311972A JP31197296A JPH10147779A JP H10147779 A JPH10147779 A JP H10147779A JP 8311972 A JP8311972 A JP 8311972A JP 31197296 A JP31197296 A JP 31197296A JP H10147779 A JPH10147779 A JP H10147779A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
extract
pov
oil
inhibitor
antioxidant
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8311972A
Other languages
English (en)
Inventor
Rumiko Miyashita
留美子 宮下
Kazuhiko Hazama
和彦 間
Keijiro Uchino
敬二郎 内野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPN Corp
Original Assignee
Nippon Flour Mills Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Flour Mills Co Ltd filed Critical Nippon Flour Mills Co Ltd
Priority to JP8311972A priority Critical patent/JPH10147779A/ja
Publication of JPH10147779A publication Critical patent/JPH10147779A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/80Food processing, e.g. use of renewable energies or variable speed drives in handling, conveying or stacking
    • Y02P60/87Re-use of by-products of food processing for fodder production

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Fats And Perfumes (AREA)
  • Feed For Specific Animals (AREA)
  • Fodder In General (AREA)
  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Edible Oils And Fats (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安全性が高く、油脂において優れたPOV上
昇抑制効果を発揮し、油脂の変臭、変色を抑制すること
ができるPOV上昇抑制剤を提供する。食品やペットフ
ード、化粧品に配合することにより、製品中の油脂の劣
化を抑制することができるPOV上昇抑制剤を提供す
る。 【解決手段】 フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒による
抽出物及び抗酸化物質を有効成分として含有するPOV
上昇抑制剤;上記POV上昇抑制剤を含有する油脂;上
記POV上昇抑制剤又は上記油脂を含有する食品;上記
POV上昇抑制剤又は上記油脂を含有するペットフー
ド;及び上記POV上昇抑制剤又は上記油脂を含有する
化粧品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は過酸化物価(peroxide v
alue, POV)上昇抑制剤に関し、より詳しくは、油
脂、油脂を含む食品やペットフード、化粧品等に利用さ
れる過酸化物価上昇抑制剤に関する。以下、本明細書中
で過酸化物価をPOVと称し、過酸化物価上昇抑制剤を
POV上昇抑制剤と称す。
【0002】
【従来の技術】油脂は一般に酸化を受けやすい物質であ
る。従ってオリーブ油、リノール酸、サラダ油、ラード
など種々の油脂、またこれらを使用して製造する各種食
品やペットフード、化粧品において、その保存中に油脂
の酸化が起こり、過酸化物が生じる。すなわち過酸化物
価(POV)が上昇し、変色や変臭といった不都合が発
生することが問題となっている。このPOV上昇を抑制
するために、ビタミンEをはじめ、ビタミンCやその誘
導体、あるいはジブチルヒドロキシトルエン(BHT)
などが知られている。ビタミンEは、天然由来の油脂に
も含まれているが、十分な効果が得られていない。ビタ
ミンC誘導体として知られているアスコルビン酸パルミ
テートは、パルミチン酸アスコルビルとも呼ばれ、化粧
品原料として知られていて、よく用いられている。しか
しながら本物質は合成品であり、その効果は必ずしも満
足できるものではなかった。従来、例えば酸化した食用
油とフスマを接触後、フスマを分離すると、食用油の色
・香味が回復し、過酸化物価が低下するという、食用油
の再生方法が知られている(特開昭63−207898
号公報)。また、特開平2−3495号公報は、焙煎食
物繊維物質の熱水抽出エキスの有機溶媒抽出物が抗酸化
作用を示すことを報告している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
性が高く、且つ優れたPOV上昇抑制活性を有するPO
V上昇抑制剤を提供することである。本発明の目的はま
た、上記POV上昇抑制剤を含み、保存中の劣化が抑制
された油脂、食品、ペットフード、化粧品を提供するこ
とである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、優れたP
OV上昇抑制活性を有する天然由来の物質を得るべく、
鋭意検索したところ、フスマ、胚芽又は穀粉を有機溶媒
により抽出すると、その抽出物に強いPOV上昇抑制効
果が存在することを既に見いだし、さらにその抽出物と
抗酸化物質を併用することにより、優れた相乗効果が発
揮されることを見出し本発明を完成させるに至った。従
って本発明は、フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒による
抽出物及び抗酸化物質を有効成分として含有するPOV
上昇抑制剤である。本発明のPOV上昇抑制剤の好まし
い実施態様としては、抗酸化物質としてビタミンEを使
用すること、POV上昇抑制剤において抗酸化物質と上
記抽出物の重量比が、抗酸化物質:抽出物=100:1
〜1:5の範囲にあることが挙げられる。本発明はま
た、上記POV上昇抑制剤を含有する油脂に関し、さら
に上記POV上昇抑制剤又は上記油脂を含有する食品、
ペットフードあるいは化粧品に関する。本明細書中でフ
スマとは、例えば小麦を製粉する時に得られる小麦粉並
びに胚芽以外の部分を称するものである。本発明で使用
するフスマ、胚芽及び穀粉は、小麦に限らず、大麦、コ
ーン、ライ麦、オーツ麦といった穀類のフスマ、胚芽、
穀粉を包含する。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で使用するフスマ、胚芽、
穀粉として、穀類の製粉時に派生するフスマ画分、胚芽
画分、穀粉をそのまま生の状態で使用することができ
る。また加熱処理や焙煎処理をしたフスマ、胚芽、穀粉
を使用することもできる。加熱処理や焙煎処理には、公
知のパドルドライヤーなどの乾燥加熱機や、一軸、二軸
エクルトルーダーなどによる加圧加熱装置を用いて、常
法に従った処理を行うことができる。加熱処理や焙煎処
理を施したフスマ、胚芽及び穀粉は、市場で入手するこ
とができ、本発明ではこれらの市販品を使用してもよ
い。フスマ、胚芽あるいは穀粉から有効成分を抽出する
のに用いる有機溶媒としては、疎水性溶媒、親水性溶媒
のいずれでもよく、具体的にはエタノール、n−ヘキサ
ン、クロロホルム、メタノール、ブタノールなどが挙げ
られ、さらにオリーブ油、リノール油、サラダ油、胚芽
油といった天然油脂、食用油及び加工油脂でもよい。と
りわけ疎水性溶媒が好ましく、中でも好ましくはn−ヘ
キサンが挙げられる。また、各溶媒2種以上の任意の混
合溶媒を用いることができ、例えば、クロロホルムとメ
タノールの任意の混合物、特にクロロホルム:メタノー
ル=2:1を用いることができる。また、エタノールや
メタノールのように含水させることができるものでは、
抽出効率にもよるが50%程度まで水を含ませることが
できる。
【0006】抽出の際に使用する溶媒の量は、特に限定
されるものではないが、一般に使用するフスマ、胚芽、
穀粉の重量に対して1〜10倍量程度が適当である。抽
出操作は繰り返して行うこともできる。抽出手順として
は、各溶媒の沸騰下で、窒素気流中還流抽出することが
好ましく、抽出時間はほぼ30分〜5時間程度である。
室温ないし沸騰温度以下で抽出することもでき、その場
合は、沸騰下での抽出よりも一般に長い抽出時間で適宜
抽出すればよい。続いて周知の方法で固液分離する。こ
のようにして得た抽出液は、適当な濃縮装置、例えば、
エバポレーターのような減圧濃縮装置で濃縮し溶媒をと
ばして、有効物質を得る。こうして得られる本発明のP
OV上昇抑制剤の有効成分は油状物質であって、この有
効成分における脂肪含量は一般に80重量%以上であ
る。溶媒として例えばオリーブ油といった油脂を用いた
場合は、抽出後、得られる抽出液をそのまま適当な用途
に使用してもよい。その際、該抽出液は、好ましくは固
型分を除去して使用する。そのような抽出液に抗酸化物
質を添加することにより、本発明のPOV上昇抑制剤を
含有する油脂とすることができる。さらにこの油脂を食
品、ペットフードあるいは化粧品に配合することができ
る。
【0007】本発明のPOV上昇抑制剤のもう一方の有
効成分である抗酸化物質としては、公知の抗酸化物質が
挙げられる。具体的には、ビタミンE、ビタミンC及び
その誘導体、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)な
どが挙げられる。中でもビタミンEが広く使用される。
本発明のPOV上昇抑制剤において抗酸化物質を1種、
あるいは2種以上使用することもできる。これらの抗酸
化物質は市場で一般に入手でき、本発明では市場品を使
用することができる。本発明のPOV上昇抑制剤におけ
る抗酸化物質:上記フスマ等の有機溶媒による抽出物の
重量比は、一般に100:1〜1:5が適当であって、
好ましくは50:1〜1:3である。ビタミンEには通
常α、β、γなどのタイプが混在しており、その中でγ
タイプが最も抗酸化力が強いといわれている。抗酸化物
質としてビタミンEを使用する場合、本発明のPOV上
昇抑制剤において、γタイプの含有量がフスマ等の有機
溶媒による抽出物の重量に対して0.1〜500重量%程
度であることが好ましい。本発明のPOV上昇抑制剤
は、上述のようにして得たフスマ、胚芽又は穀粉の有機
溶媒による抽出物及び抗酸化物質を混合して得ることが
できる。
【0008】本発明のPOV上昇抑制剤を含有する油脂
としては、オリーブ油、リノール油、サラダ油、胚芽
油、ラード、バター、マーガリン、ショートニング、ホ
ホバ油、椿油といった天然油脂、食用油脂、加工油脂が
挙げられる。本POV上昇抑制剤を油脂に配合する場
合、その配合量は、対象とする油脂の酸化されやすさ、
すなわちPOVの上昇しやすさによって異なるが、目安
として油脂に対して、一般に0.0001〜20重量%程
度が適当であり、好ましくは0.01〜10重量%であ
る。このような本発明のPOV上昇抑制剤を含有した油
脂を、各種食品の製造、ペットフードの製造あるいは化
粧品の製造に使用することができる。こうして本発明の
POV上昇抑制剤を食品、ペットフード、化粧品に含ま
せることができる。また、本発明のPOV上昇抑制剤
を、食品やペットフード、化粧品の製造過程で、油脂と
は別個に適宜単独で添加することも可能である。その
際、フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒による抽出物と抗
酸化物質を予め混合した状態で添加することもできる
し、それぞれを別個に添加してもよい。
【0009】本発明のPOV上昇抑制剤を含有させる食
品としては、特に限定されるものではないが、フライ食
品、ドレッシング、クリーム、洋菓子、パン類、麺類な
どが挙げられる。例えばフライ時の揚げ油として、また
食品素材に油をスプレーする調理法や、素材の混合時に
油脂を混ぜ込む場合に、本発明のPOV上昇抑制剤を含
有した食用油を使用することができる。また食品の製造
過程で本発明のPOV上昇抑制剤を単独で配合する場合
としては、例えばバッターに本POV上昇抑制剤を添加
したり、製菓、製パン、フライ等のミックス粉に添加混
合してもよい。その際の本POV上昇抑制剤の添加量は
適宜選択すればよい。てんぷらやフライ用の揚げ油とし
て利用した場合には、揚げ油はもちろんのこと、その油
で揚げることにより食品に付着した油のPOV上昇も抑
制することができる。
【0010】本明細書中で、ペットフードとは、犬、
猫、ハムスター、リス等の哺乳類の愛玩動物用の食餌を
いう。本発明のペットフードの形態は特に限定されるも
のではなく、例えばドライタイプ、ウェットタイプ、セ
ミモイストタイプ、ビスケットタイプ、ソーセージタイ
プ、ジャーキータイプ、粉末、顆粒、カプセルなどが挙
げられる。本発明のペートフードは、各種形態に応じて
常法に従って製造することができ、製造過程で適宜PO
V上昇抑制剤を添加すればよい。本発明のPOV上昇抑
制剤を配合する化粧品としては、例えばハンドクリー
ム、ヘアクリーム、栄養クリームといった各種クリーム
類、乳液などが挙げられる。本発明のPOV上昇抑制剤
を単独で食品やペットフード、化粧品に配合する場合、
その配合量は食品やペットフード、化粧品に配合する油
脂の量に応じて適宜変動させることができ、目安として
は、油脂に対して、0.0001〜20重量%程度が適当
であり、さらに0.01〜10重量%が好ましい。本発明
のPOV上昇抑制物質は、必要に応じアスコルビン酸エ
ステルなどの公知の酸化防止剤と併用して用いることが
できる。
【0011】本発明のPOV上昇抑制剤を含有した油脂
を得る方法として、油脂中に、フスマ、胚芽又は穀粉を
浸漬し、加熱後、固型分を除去して得られる油脂に抗酸
化物質を加えることも提案される。ここで使用するフス
マ、胚芽及び穀粉は生の状態で使用してもよく、あるい
は加熱処理や焙煎処理を施したものを使用してもよい。
ここで使用される油脂としては、例えばオリーブ油、リ
ノール油、サラダ油、胚芽油、ラード、ホホバ油といっ
た天然油脂、食用油脂及び加工油脂が挙げられる。油脂
中に浸漬するフスマ又は胚芽の量は、油脂に対して1〜
50重量%程度が適当であり、好ましくは5〜30重量
%である。浸漬後、室温から200℃、好ましくは50
〜100℃程度で、窒素気流中で、数時間から10日間
程度、好ましくは5〜24時間浸漬し抽出することがで
きる。抽出後、固型分を、適当な固液分離装置により分
離し、フスマ、胚芽または穀粉の抽出物を含んだ油脂を
得ることができる。このようにして得られた油脂に抗酸
化物質を添加し、上述と同様に食品やペットフードの製
造に、また化粧品の製造に使用することができる。
【0012】
【参考例1】 〔小麦の生フスマからの有効成分の抽出〕フスマ1kg
にn−ヘキサン3リットルを加え、窒素気流下で環流抽
出を5時間行った。抽出液を分離後、残渣に再度n−ヘ
キサン3リットルを加え、同様に5時間抽出した。抽出
液を、エバポレーターにて濃縮し溶媒をとばし、フスマ
ヘキサン抽出物を得た。このようにして得た抽出物は次
の性状、性質を有した。 外観 うすい褐色〜褐色のオイル 水分 1.0 重量% 灰分 0.78 〃 蛋白 0.6 〃 脂肪 88.7 〃 溶解性 i)水及び熱水 不溶 ii)エタノール 均一に分散。静置すると沈殿を生じ
る。 iii)オリーブ油 可溶 iv)エーテル 可溶 v)n−ヘキサン 可溶 なお、上記水分は常圧加熱乾燥法により、灰分は直接灰
化法により、蛋白はケルダール法により、脂肪は酸分解
法により測定した。この抽出物を再度n−ヘキサンに溶
解後、水を加え分配させると該物質は、n−ヘキサン層
に存在する。
【0013】
【参考例2】 〔小麦生フスマからの有効成分の抽出〕フスマ1kgに
75%エタノール3リットルを加え、沸騰下で5時間、
2回抽出した。抽出液を、濃縮し溶媒をとばし、フスマ
の抽出物を得た。
【参考例3】 〔加熱処理したフスマからの有効成分の抽出〕小麦生フ
スマを加熱しローストした、ローストフスマ(商品名:
ローストブラン 日本製粉(株)製)を用いた。このフ
スマ1kgにエタノール3リットルを加え、沸騰下で5
時間、2回抽出した。抽出液を、濃縮し溶媒をとばし、
フスマの抽出物を得た。この抽出物は好ましい風味を有
した。
【0014】
【参考例4】 〔小麦の生胚芽からの有効成分の抽出〕小麦生胚芽1kg
にn−ヘキサン3リットルを加え、窒素気流下で還流抽
出を5時間行った。抽出液を分離後、残渣に再度n−ヘ
キサン3リットルを加え、同様に5時間抽出した。抽出
液を、エバポレーターにて濃縮し溶媒を飛ばし、胚芽ヘ
キサン抽出物を得た。
【参考例5】オリーブ油1kgに、小麦生フスマ100
gを加え、80℃で7時間加熱した。ガーゼにてフスマ
を分離し、油脂を得た。
【参考例6】 〔小麦粉からの有効成分の抽出〕小麦粉1kgにn−ヘキ
サン3リットルを加え、窒素気流下で還流抽出を5時間
行った。抽出液を分離後、残渣に再度n−ヘキサン3リ
ットルを加え、同様に5時間抽出した。抽出液をエバポ
レーターにて濃縮し溶媒をとばし、小麦粉ヘキサン抽出
物を得た。
【0015】
【試験例1】フスマの有機溶媒抽出物とビタミンEを併
用したときのPOV上昇抑制活性における相乗効果を試
験した。胚芽油に、ビタミンEと上記参考例1より得ら
れたフスマヘキサン抽出物をそれらの総量が胚芽油の重
量に対して4重量%となるように配合し、各種胚芽油
(試験例1は無添加の胚芽油、試験例2〜6はビタミン
E及び/又はフスマヘキサン抽出物を添加した胚芽油)
について110℃で72時間連続加熱した。一定時間毎
に各種胚芽油をサンプリングし、POVを測定した(単
位:mgeq/kg)。POVの測定は、基準油脂分析
試験法に準じて実施した。その結果を下記表1に示す。
【0016】
【表1】 ──────────────────────────────────── ビタミンE: 加 熱 時 間 (時) 試験例 フスマヘキサン抽出物 0 4 8 24 33 48 56 72 ──────────────────────────────────── 1 無添加の胚芽油 3.5 7.8 13.0 24.5 27.6 32.1 38.3 52.4 ──────────────────────────────────── 2 4%:0% 3.1 7.0 12.3 23.3 25.1 29.2 35.7 49.0 ──────────────────────────────────── 3 3%:1% 3.1 5.8 10.5 16.9 18.2 19.8 20.9 24.3 ──────────────────────────────────── 4 2%:2% 2.5 6.3 9.2 13.9 15.1 17.3 18.1 21.8 ──────────────────────────────────── 5 1%:3% 2.8 5.9 8.2 11.8 13.9 15.8 16.2 19.8 ──────────────────────────────────── 6 0%:4% 3.0 6.9 11.3 17.5 18.2 19.2 21.9 26.8 ────────────────────────────────────
【0017】上記の結果より明らかなように、ビタミン
E、フスマヘキサン抽出物を各々単独で使用した場合と
比較して、両者を併用した場合の方がPOV上昇抑制効
果が高くなっている。
【0018】以下、実施例により本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらの記載に限定されるものではな
い。
【実施例1】 ポテトチップの製造 ビタミンEを5%含ませたサラダ油に、上記参考例1で
得られたフスマヘキサン抽出物を3%添加し、この油で
ポテトチップを揚げた。
【実施例2】 胚芽油カプセルの製造 重量比でビタミンE:フスマヘキサン抽出物=5:3か
らなる組成物を、胚芽油に5%加え、常法によりカプセ
ル化して胚芽油カプセルとした。
【0019】
【実施例3】 パン(クロワッサン)の製造 以下の組成(単位:重量部)により常法に従って、クロ
ワッサンを製造した。 強力粉 100.0 無塩バター 80.0 ドライイースト 2.0 塩 3.0 小麦フスマヘキサン抽出物 0.3 (参考例1で得られたもの) ビタミンE 0.1 水 56.0
【0020】
【実施例4】 スナック状ペットフードの製造 以下の組成(単位:重量%)により、スナック状ペット
フードを製造した。 小麦粉 60.0 脱脂大豆 10.0 牛脂 5.0 ミートミール 3.6 ビタミン・ミネラルミックス 1.0 重炭酸水素ナトリウム 0.2 重炭酸アンモニウム 0.2 小麦フスマヘキサン抽出物 1.0 (参考例1で得られたもの) ビタミンE 0.5 上記からなる組成物に対し、20重量%の水を加え、常
法によりドウを作成し、成形後、焙焼してビスケットタ
イプスナック状のペットフードを得た。
【0021】
【実施例5】 化粧品(ハンドクリーム)の製造 以下の組成(単位:重量%)により常法に従って、ハン
ドクリームを製造した。 イソステアリン酸イソプロピル 8.0 ホホバ油 6.0 セタノール 8.0 ステアリルアルコール 2.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1.5 プロピレングリコール 6.0 ソルビトール 1.0 パラベン 0.4 小麦フスマヘキサン抽出物 0.5 (参考例1で得られたもの) ビタミンE 0.5 香料 適量 滅菌イオン水で 100.0とする。
【0022】
【発明の効果】本発明のPOV上昇抑制剤は、安全性が
高く、油脂において優れたPOV上昇抑制効果を発揮
し、油脂の変臭、変色を抑制することができる。このP
OV上昇抑制剤を食品やペットフード、化粧品に含有さ
せることにより、製品中の油脂の劣化を抑制することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 3/3472 A23L 3/3472 3/3544 3/3544 A61K 7/00 A61K 7/00 H C11B 5/00 C11B 5/00 // A23L 1/03 A23L 1/03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒による
    抽出物及び抗酸化物質を有効成分として含有するPOV
    上昇抑制剤。
  2. 【請求項2】 抗酸化物質がビタミンEであることを特
    徴とする請求項1記載のPOV上昇抑制剤。
  3. 【請求項3】 抗酸化物質と該抽出物を重量比で、抗酸
    化物質:該抽出物=100:1〜1:5で含有する請求
    項1又は2記載のPOV上昇抑制剤。
  4. 【請求項4】 有機溶媒が疎水性溶媒であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項記載のPOV上昇抑
    制剤。
  5. 【請求項5】 有機溶媒がn−ヘキサンであることを特
    徴とする請求項4記載のPOV上昇抑制剤。
  6. 【請求項6】 該抽出物の脂肪含量が80重量%以上で
    ある請求項1〜5のいずれか1項記載のPOV上昇抑制
    剤。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項記載のPO
    V上昇抑制剤を含有する油脂。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項記載のPO
    V上昇抑制剤または請求項7記載の油脂を含有する食
    品。
  9. 【請求項9】 請求項1〜6のいずれか1項記載のPO
    V上昇抑制剤または請求項7記載の油脂を含有するペッ
    トフード。
  10. 【請求項10】 請求項1〜6のいずれか1項記載のP
    OV上昇抑制剤または請求項7記載の油脂を含有する化
    粧品。
JP8311972A 1996-09-19 1996-11-22 Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品、ペットフード及び化粧品 Pending JPH10147779A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8311972A JPH10147779A (ja) 1996-09-19 1996-11-22 Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品、ペットフード及び化粧品

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-248171 1996-09-19
JP24817196 1996-09-19
JP8311972A JPH10147779A (ja) 1996-09-19 1996-11-22 Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品、ペットフード及び化粧品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10147779A true JPH10147779A (ja) 1998-06-02

Family

ID=26538637

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8311972A Pending JPH10147779A (ja) 1996-09-19 1996-11-22 Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品、ペットフード及び化粧品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10147779A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09118611A (ja) * 1995-10-25 1997-05-06 Nippon Flour Mills Co Ltd 化粧料
JP2001029022A (ja) * 1999-07-16 2001-02-06 Taiyo Kagaku Co Ltd 嗜好性向上ペットフード用組成物
JP2009057481A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Nisshin Pharma Inc 抗酸化組成物
JP2016136909A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 株式会社日清製粉グループ本社 食用油脂の製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09118611A (ja) * 1995-10-25 1997-05-06 Nippon Flour Mills Co Ltd 化粧料
JP2001029022A (ja) * 1999-07-16 2001-02-06 Taiyo Kagaku Co Ltd 嗜好性向上ペットフード用組成物
JP2009057481A (ja) * 2007-08-31 2009-03-19 Nisshin Pharma Inc 抗酸化組成物
JP2016136909A (ja) * 2015-01-29 2016-08-04 株式会社日清製粉グループ本社 食用油脂の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Navarro et al. Macadamia oil extraction methods and uses for the defatted meal byproduct
KR20040036941A (ko) 유지 조성물
CN1293543A (zh) 脂肪混合物的生产方法
Izzreen et al. Evaluation of the antioxidant potential of some Malaysian herbal aqueous extracts as compared with synthetic antioxidants and ascorbic acid in cakes.
JP4358957B2 (ja) フリーラジカル又は活性酸素を消去もしくは低減する剤
AU763067B2 (en) Fortification of food products with olive fruit ingredients
JP4648641B2 (ja) 茸類から脂質を抽出する方法、食品及び化粧料
JPH10147779A (ja) Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品、ペットフード及び化粧品
JP3695767B2 (ja) 酸化防止剤
Kalin Wheat gluten applications in food products
JP2001224308A (ja) シュー用乳化油脂組成物およびこれを用いたシューケース
KR102369767B1 (ko) 고단백질 두부과자의 제조방법과 이를 이용한 두부과자
KR102296932B1 (ko) 산패 억제능이 향상된 유지 조성물 및 이를 이용한 토르티야
JP3318399B2 (ja) 食品用乳化剤
US5997935A (en) Crisp fried in grapeseed oil
KR20200038930A (ko) 가열조리용 유지 조성물의 가열취 억제제, 가열조리용 유지 조성물의 가열취 억제방법, 및 가열조리용 유지 조성물의 제조방법
JP2547573B2 (ja) 飲食品の製造方法
JPH093478A (ja) Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品または化粧品
JP2002058427A (ja) 油脂含有食品の風味劣化防止剤
KR0131040B1 (ko) 식물성 단백질을 함유하는 식용 조성물 및 그것으로 제조되는 식품
JPS638490A (ja) 天然抗酸化剤
JPS6097916A (ja) コレステロ−ル低下又は上昇抑制作用を有する組成物
FI120573B (fi) Elintarvike ja menetelmä sen valmistamiseksi
JP2004059848A (ja) 大豆単細胞が分散されてなる加工大豆と改質不飽和脂肪酸含有油脂との混合物、および同加工大豆と改質不飽和脂肪酸含有油脂とを使用して製造される食品
RU2760433C1 (ru) Экструдированный продукт питания на основе жмыха масличных культур и способ его изготовления

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051003

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051202

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060508