JPH093478A - Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品または化粧品 - Google Patents

Pov上昇抑制剤及びそれを含有する油脂、食品または化粧品

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JPH093478A
JPH093478A JP7152840A JP15284095A JPH093478A JP H093478 A JPH093478 A JP H093478A JP 7152840 A JP7152840 A JP 7152840A JP 15284095 A JP15284095 A JP 15284095A JP H093478 A JPH093478 A JP H093478A
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JP
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oil
pov
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fat
bran
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JP7152840A
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English (en)
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Rumiko Miyashita
留美子 宮下
Takashi Mizuno
隆志 水野
Keijiro Uchino
敬二郎 内野
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NIPPN Corp
Original Assignee
Nippon Flour Mills Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒による抽出
物を有効成分とするPOV上昇抑制剤;油脂中に、フス
マ又は胚芽を浸漬し、加熱後、固型分を除去して得られ
る油脂;上記POV上昇抑制剤を配合した油脂;上記P
OV上昇抑制剤または上記油脂を配合した食品;上記P
OV上昇抑制剤または上記油脂を配合した化粧品。 【効果】 安全性が高く、油脂において優れたPOV上
昇抑制効果を発揮し、油脂の変臭、変色を抑制すること
ができる。食品や化粧品に配合することにより、製品中
の油脂の劣化を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は過酸化物価(peroxide v
alue, POV)上昇抑制剤に関し、より詳しくは、油
脂、油脂を含む食品や化粧品に利用される過酸化物価上
昇抑制剤に関する。以下、本明細書中で過酸化物価をP
OVと称し、過酸化物価上昇抑制剤をPOV上昇抑制剤
と称す。
【0002】
【従来技術】油脂は一般に酸化を受けやすい物質であ
る。従ってオリーブ油、リノール酸、サラダ油、ラード
など種々の油脂、またこれらを使用して製造する各種食
品や化粧品は、その保存中に油脂の酸化が起こり、過酸
化物が生じる。すなわち過酸化物価(POV)が上昇
し、変色や変臭といった不都合が発生することが問題と
なっている。このPOV上昇を抑制するために、ビタミ
ンEや、アスコルビン酸パルミテートなどを使用するこ
とが知られている。ビタミンEは、天然由来の油脂にも
含まれているが、十分な効果が得られていない。アスコ
ルビン酸パルミテートは、パルミチン酸アスコルビルと
も呼ばれ、化粧品原料として知られていて、よく用いら
れている。しかしながら本物質は合成品であり、その効
果は必ずしも満足できるものではなかった。従来、例え
ば酸化した食用油とフスマを接触後、フスマを分離する
と、食用油の色・香味が回復し、過酸化物価が低下する
という、食用油の再生方法が知られている(特開昭63
−207898号公報)。また、特開平2−3495号
公報は、焙煎食物繊維物質の熱水抽出エキスの有機溶媒
抽出物が抗酸化作用を示すことを報告している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、安全
性が高く、且つ優れたPOV上昇抑制活性を有するPO
V上昇抑制剤を提供することである。本発明の目的はま
た、上記POV上昇抑制剤を含み、保存中の劣化が抑制
された油脂、食品、化粧品を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、優れたP
OV上昇抑制活性を有する天然由来の物質を得るべく、
鋭意検索したところ、フスマ、胚芽又は穀粉を有機溶媒
により抽出すると、その抽出物に強いPOV上昇抑制効
果が存在することを見いだし、本発明を完成するに至っ
た。従って本発明は、フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒
による抽出物を有効成分とするPOV上昇抑制剤であ
る。本発明はまた、上記POV上昇抑制剤を配合した油
脂、食品あるいは化粧品に関する。本明細書中でフスマ
とは、例えば小麦を製粉する時に得られる小麦粉並びに
胚芽以外の部分を称するものである。本発明で使用する
フスマ、胚芽及び穀粉は、小麦に限らず、大麦、コー
ン、ライ麦、オーツ麦といった穀類のフスマ、胚芽、穀
粉を包含する。
【0005】本発明で使用するフスマ、胚芽、穀粉とし
て、穀類の製粉時に派生するフスマ画分、胚芽画分、穀
粉をそのまま生の状態で使用することができる。また加
熱処理や焙煎処理をしたフスマ、胚芽、穀粉を使用する
こともできる。加熱処理や焙煎処理には、公知のパドル
ドライヤーなどの乾燥加熱機や、一軸、二軸エクルトル
ーダーなどによる加圧加熱装置を用いて、常法に従った
処理を行うことができる。加熱処理や焙煎処理を施した
フスマ、胚芽及び穀粉は、市場で入手することができ、
本発明ではこれらの市販品を使用してもよい。フスマ、
胚芽あるいは穀粉から有効成分を抽出するのに用いる有
機溶媒としては、疎水性溶媒、親水性溶媒のいずれでも
よく、具体的にはエタノール、n−ヘキサン、クロロホ
ルム、メタノール、ブタノールなどが挙げられ、さらに
オリーブ油、リノール油、サラダ油といった天然油脂、
食用油及び加工油脂でもよい。とりわけ疎水性溶媒が好
ましく、中でも好ましくはn−ヘキサンが挙げられる。
また、各溶媒2種以上の任意の混合溶媒を用いることが
でき、例えば、クロロホルムとメタノールの任意の混合
物、特にクロロホルム:メタノール=2:1を用いるこ
とができる。また、エタノールやメタノールのように含
水させることができるものでは、抽出効率にもよるが5
0%程度まで水を含ませることができる。
【0006】抽出の際に使用する溶媒の量は、特に限定
されるものではないが、一般に使用するフスマ、胚芽、
穀粉の重量に対して1〜10倍量程度が適当である。抽
出操作は繰り返して行うこともできる。抽出手順として
は、各溶媒の沸騰下で、窒素気流中還流抽出することが
好ましく、抽出時間はほぼ30分〜5時間程度である。
室温ないし沸騰温度以下で抽出することもでき、その場
合は、沸騰下での抽出よりも一般に長い抽出時間で適宜
抽出すればよい。続いて周知の方法で固液分離する。こ
のようにして得た抽出液は、適当な濃縮装置、例えば、
エバポレーターのような減圧濃縮装置で濃縮し溶媒をと
ばして、有効物質を得る。こうして得られる本発明のP
OV上昇抑制剤の有効成分は油状物質であって、この有
効成分における脂肪含量は一般に80重量%以上であ
る。溶媒として例えばオリーブ油といった油脂を用いた
場合は、抽出後、得られる抽出液をそのまま適当な用途
に使用してもよい。その際、該抽出液は、好ましくは固
型分を除去して使用する。
【0007】本発明のPOV上昇抑制剤を配合する油脂
としては、オリーブ油、リノール油、サラダ油、ラー
ド、バター、マーガリン、ショートニング、ホホバ油、
椿油といった天然油脂、食用油脂、加工油脂が挙げられ
る。本POV上昇抑制剤を油脂に配合する場合、有効成
分の添加量は、対象とする油脂の酸化されやすさ、すな
わちPOVの上昇しやすさによって異なるが、目安とし
て油脂に対して、0.001〜20重量%程度が適当であ
り、さらに0.1〜10重量%が好ましい。このような本
発明のPOV上昇抑制剤を配合した油脂を、各種食品の
製造、あるいは化粧品の製造に使用することができる。
こうして本発明のPOV上昇抑制剤を食品や化粧品に含
ませることができる。また、本発明のPOV上昇抑制剤
を、食品や化粧品の製造過程で、適宜単独で添加するこ
とも可能である。
【0008】本発明のPOV上昇抑制剤を配合する食品
としては、特に限定されるものではないが、フライ食
品、ドレッシング、クリーム、洋菓子などが挙げられ
る。例えばフライ時の揚げ油として、また食品素材に油
をスプレーする調理法や、素材の混合時に油脂を混ぜ込
む場合に、本発明のPOV上昇抑制剤を配合した食用油
を使用することができる。また食品の製造過程で本発明
のPOV上昇抑制剤を単独で配合する場合としては、例
えばバッターに本POV上昇抑制剤を添加したり、製
菓、製パン、フライ等のミックス粉に添加混合してもよ
い。その際の本POV上昇抑制剤の添加量は適宜選択す
ればよい。てんぷらやフライ用の揚げ油として利用した
場合には、揚げ油はもちろんのこと、その油で揚げるこ
とにより食品に付着した油のPOV上昇も抑制すること
ができる。本発明のPOV上昇抑制剤を配合する化粧品
としては、例えばハンドクリーム、ヘアクリーム、栄養
クリームといった各種クリーム類、乳液などが挙げられ
る。本発明のPOV上昇抑制剤を単独で食品や化粧品に
配合する場合、その配合量は食品や化粧品に使用される
油脂の量に応じて適宜変動させることができ、目安とし
ては、有効成分として油脂に対して、0.001〜20重
量%程度が適当であり、さらに0.1〜10重量%が好ま
しい。本発明のPOV上昇抑制物質は、必要に応じアス
コルビン酸エステルなどの公知の酸化防止剤と併用して
用いることができる。
【0009】本発明はまた、油脂中に、フスマ、胚芽又
は穀粉を浸漬し、加熱後、固型分を除去して得られる油
脂に関する。ここで使用するフスマ、胚芽及び穀粉は生
の状態で使用してもよく、あるいは加熱処理や焙煎処理
を施したものを使用してもよい。ここで使用される油脂
としては、例えばオリーブ油、リノール油、サラダ油、
ラード、ホホバ油といった天然油脂、食用油脂及び加工
油脂が挙げられる。油脂中に浸漬するフスマ又は胚芽の
量は、油脂に対して1〜50重量%程度が適当であり、
好ましくは5〜30重量%である。浸漬後、室温から2
00℃、好ましくは50〜100℃程度で、窒素気流中
で、数時間から10日間程度、好ましくは5〜24時間
浸漬し抽出することができる。抽出後、固型分を、適当
な固液分離装置により分離し、フスマ、胚芽または穀粉
の抽出物を含んだ油脂を得ることができる。このように
して得られた油脂を、上述と同様に食品の製造に、また
化粧品の製造に使用することができる。以下、実施例に
より本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの記載
に限定されるものではない。
【0010】
【実施例1】 〔小麦の生フスマからの有効成分の抽出〕フスマ1kg
にn−ヘキサン3リットルを加え、窒素気流下で環流抽
出を5時間行った。抽出液を分離後、残渣に再度n−ヘ
キサン3リットルを加え、同様に5時間抽出した。抽出
液を、エバポレーターにて濃縮し溶媒をとばし、フスマ
ヘキサン抽出物を得た。このようにして得た抽出物は次
の性状、性質を有した。 外観 うすい褐色〜褐色のオイル 水分 1.0 重量% 灰分 0.78 〃 蛋白 0.6 〃 脂肪 88.7 〃 溶解性 i)水及び熱水 不溶 ii)エタノール 均一に分散。静置すると沈殿を生じる。 iii)オリーブ油 可溶 iv)エーテル 可溶 v)n−ヘキサン 可溶 なお、上記水分は常圧加熱乾燥法により、灰分は直接灰
化法により、蛋白はケルダール法により、脂肪は酸分解
法により測定した。この抽出物を再度n−ヘキサンに溶
解後、水を加え分配させると該物質は、n−ヘキサン層
に存在する。
【0011】ここで得られた油状物質を、ラード及びオ
リーブ油を使用して、POV上昇抑制効果を検討した。
方法としては、ラードまたはオリーブ油に、0%、1
%,5%の上記物質を加え、110℃で加熱し一定時間
毎にサンプリングし、POVを測定した。POVの測定
は、基準油脂分析試験法に準じて実施した。また比較物
質としてアスコルビン酸パルミテートを使用して同様に
測定した。その結果を下記表1及び表2に示す。以下の
結果から明らかなように、無添加の油脂に比べ、フスマ
からの抽出物を添加した油脂はPOVの明らかな上昇抑
制を示した。
【0012】
【表1】 (単位:mgeq/kg) ──────────────────────────────────── 加 熱 時 間 (時) 0 2 6 10 24 30 48 56 72 ──────────────────────────────────── ラード(無添加) 0 2.1 3.9 7.7 17.7 19.2 24.1 25.8 39.4 ──────────────────────────────────── フスマヘキサン抽出物 1% 添加 0 0.6 1.4 2.1 5.9 7.3 12.4 14.6 22.2 ──────────────────────────────────── フスマヘキサン抽出物 5% 添加 0 0.7 1.4 2.1 2.9 3.1 7.3 8.7 16.6 ──────────────────────────────────── アスコルビン酸 パルミテート0.5%添加 0 0 0 0 1.9 2.6 5.6 7.4 17.9 ────────────────────────────────────
【0013】
【表2】 (単位:mgeq/kg) ──────────────────────────────────── 加 熱 時 間 (時) 0 2 6 10 24 30 48 56 72 ──────────────────────────────────── オリーブ油(無添加) 0 5.8 11.8 15.9 49.1 59.6 83.0 85.9 102.9 ──────────────────────────────────── フスマヘキサン抽出物 1% 添加 0 5.0 7.6 9.6 19.4 19.9 22.0 22.6 34.4 ──────────────────────────────────── フスマヘキサン抽出物 5% 添加 0 4.0 4.8 6.6 11.1 12.9 14.2 14.5 18.1 ──────────────────────────────────── アスコルビン酸 パルミテート0.5%添加 0 0 0 0 0.9 1.0 1.5 1.6 14.7 ────────────────────────────────────
【0014】
【実施例2】 〔小麦生フスマからの有効成分の抽出〕フスマ1kgに
75%エタノール3リットルを加え、沸騰下で5時間、
2回抽出した。抽出液を、濃縮し溶媒をとばし、フスマ
の抽出物を得た。
【実施例3】 〔加熱処理したフスマからの有効成分の抽出〕小麦生フ
スマを加熱しローストした、ローストフスマ(商品名:
ローストブラン 日本製粉(株)製)を用いた。このフ
スマ1kgにエタノール3リットルを加え、沸騰下で5
時間、2回抽出した。抽出液を、濃縮し溶媒をとばし、
フスマの抽出物を得た。この抽出物は好ましい風味を有
した。
【0015】
【実施例4】 〔小麦の生胚芽からの有効成分の抽出〕小麦生胚芽1kg
にn−ヘキサン3リットルを加え、窒素気流下で還流抽
出を5時間行った。抽出液を分離後、残渣に再度n−ヘ
キサン3リットルを加え、同様に5時間抽出した。抽出
液を、エバポレーターにて濃縮し溶媒を飛ばし、胚芽ヘ
キサン抽出物を得た。
【実施例5】オリーブ油1kgに、小麦生フスマ100
gを加え、80℃で7時間加熱した。ガーゼにてフスマ
を分離し、油脂を得た。
【0016】
【実施例6】実施例1で製造したフスマヘキサン抽出物
を3%含んだサラダ油にてポテトチップを揚げた。方法
としては、上記油を160℃で1時間加熱し、あらかじ
めスライスし水にさらしておいたジャガイモを揚げた
(第1日)。油は外気にふれる状態でそのまま室温で放
置し、翌日、160℃で1時間加熱した後、スライスし
たジャガイモを揚げた(第2日)。さらに翌日、第2日
と同様にして、スライスしたジャガイモを揚げた(第3
日)。比較のために無添加のサラダ油を同様に使用し
た。加熱前、及び第1日、第2日、第3日においてポテ
トチップを揚げた後の油をサンプルとして、実施例1と
同様にしてPOVを測定し、油の匂い、油の色を観察
し、及びポテトチップが揚がるまでの状況と風味、食味
を観察した。その結果を下記表3に示す。これらの結果
から、フスマヘキサン抽出物を配合したサラダ油では、
POVの上昇が抑制されていることが明らかであった。
またこのようなサラダ油では、ポテトチップの仕上がり
も良好であった。このようにして揚げたポテトチップス
に付着した油のPOVの上昇も抑制することができた。
【0017】
【表3】 ──────────────────────────────────── サラダ油(無添加) フスマヘキサン抽出物 3% 添加サラダ油 加熱前 1日 2日 3日 加熱前 1日 2日 3日 ──────────────────────────────────── 油の匂い 異常 油臭 酸化臭 酸化臭 異常 異常 弱い 弱い なし なし なし 油臭 油臭 ──────────────────────────────────── 油の色 淡黄色 黄色 濃黄色 濃黄色 淡褐色 変化 変化 変化 透明 透明 透明 半透明 半透明 なし なし なし ──────────────────────────────────── ポテトチップ 異常 揚がり時 揚がり時 の状態 − なし 間が遅い 間が遅い − 良好 良好 良好 ──────────────────────────────────── POV(mgeq/kg) 0 1.7 2.4 3.4 0 0.8 1.1 1.1 ────────────────────────────────────
【0018】
【実施例7】 〔小麦粉からの有効成分の抽出〕小麦粉1kgにn−ヘキ
サン3リットルを加え、窒素気流下で還流抽出を5時間
行った。抽出液を分離後、残渣に再度n−ヘキサン3リ
ットルを加え、同様に5時間抽出した。抽出液をエバポ
レーターにて濃縮し溶媒をとばし、小麦粉ヘキサン抽出
物を得た。
【0019】
【実施例8】実施例4及び実施例7で得た、胚芽ヘキサ
ン抽出物並びに小麦粉ヘキサン抽出物について、ラード
及びオリーブ油を使用して、POV上昇抑制効果を検討
した。方法は実施例1に準じた。その結果をラードにつ
いて表4に、オリーブ油について表5に示した。以下の
結果より、無添加の油脂に比べ、胚芽並びに小麦粉由来
の抽出物を添加した油脂はPOVの明らかな上昇抑制を
示すことが判る。
【0020】
【表4】 (単位:mgeq/kg) ──────────────────────────────────── 加 熱 時 間 (時) 0 2 6 10 24 30 48 56 72 ──────────────────────────────────── ラード(無添加) 0 2.5 4.4 8.7 20.9 21.2 27.5 29.8 42.7 ──────────────────────────────────── 胚芽ヘキサン抽出物 1% 添加 0 1.2 2.8 4.1 8.9 11.0 15.8 19.6 30.2 ──────────────────────────────────── 胚芽ヘキサン抽出物 5% 添加 0 0.7 1.2 3.0 5.9 9.1 11.1 13.7 22.6 ──────────────────────────────────── 小麦粉ヘキサン抽出物 1% 添加 0 0.7 1.1 1.7 3.8 6.2 9.0 11.7 19.4 ──────────────────────────────────── 小麦粉ヘキサン抽出物 5% 添加 0 0.2 0.9 1.3 2.1 2.8 6.4 7.9 17.1 ──────────────────────────────────── アスコルビン酸 パルミテート0.5%添加 0 0 0 1.1 2.2 2.7 6.7 8.1 20.8 ────────────────────────────────────
【0021】
【表5】 (単位:mgeq/kg) ──────────────────────────────────── 加 熱 時 間 (時) 0 2 6 10 24 30 48 56 72 ──────────────────────────────────── オリーブ油(無添加) 0 7.8 13.5 18.9 51.9 59.7 88.0 91.9 115.9 ──────────────────────────────────── 胚芽ヘキサン抽出物 1% 添加 0 5.0 8.6 10.9 27.3 29.1 38.0 42.7 50.4 ──────────────────────────────────── 胚芽ヘキサン抽出物 5% 添加 0 2.2 5.8 8.8 17.1 20.6 26.5 30.1 34.7 ──────────────────────────────────── 小麦粉ヘキサン抽出物 1% 添加 0 2.7 3.5 5.0 8.8 15.6 20.8 25.0 30.1 ──────────────────────────────────── 小麦粉ヘキサン抽出物 5% 添加 0 0 0.5 0.7 1.8 2.1 2.5 2.6 10.2 ──────────────────────────────────── アスコルビン酸 パルミテート0.5%添加 0 0 0.5 0.7 2.0 1.9 2.4 2.9 18.9 ────────────────────────────────────
【0022】
【実施例9】実施例1で得たフスマヘキサン抽出物を3
%添加した小麦粉を調製し、それを用いたフリッター用
バッターにて揚げ物を行った。方法としては160℃で
1時間加熱したサラダ油で、上記バッターを用いたイカ
のフリッターを揚げた(第1日)。油は外気にふれる状
態でそのまま室温で放置し、翌日、160℃で1時間加
熱した後、イカのフリッターを揚げた(第2日)。さら
に翌日、第2日と同様にしてイカのフリッターを揚げた
(第3日)。比較のために無添加のバッターで同様の揚
げ物を行った。加熱前、及び第1日、第2日、第3日に
おいてイカフリッターを揚げた後の油をサンプルとし
て、実施例1と同様にしてPOVを測定し、油の匂い、
油の色を観察し、及びイカフリッターが揚がるまでの状
況と風味、食味を観察した。その結果を下記表6に示
す。下記結果より、フスマヘキサン抽出物を添加して調
製したバッターを用いて揚げ物を行った揚げ油は、PO
Vの上昇が抑制されていることが明らかであった。
【0023】
【表6】 ──────────────────────────────────── 無添加バッターを揚げた油 フスマヘキサン抽出物 5% 添加バッター を揚げた油 加熱前 1日 2日 3日 加熱前 1日 2日 3日 ──────────────────────────────────── 油の匂い 異常 油臭 酸化臭 酸化臭 異常 異常 弱い 弱い なし なし なし 油臭 油臭 ──────────────────────────────────── 油の色 淡黄色 黄色 濃黄色 濃黄色 淡黄色 黄色 黄色 濃黄色 透明 透明 透明 半透明 透明 透明 透明 透明 ────────────────────────────────────イカフリッター 異常 異常 揚がり時 の状態 − なし なし 間が遅い − 良好 良好 良好 ──────────────────────────────────── POV(mgeq/kg) 0 3.8 3.3 3.9 0 2.6 2.7 2.7 ────────────────────────────────────
【0024】
【実施例10】 化粧品の調製 下記配合(単位:重量%)によりハンドクリームを常法
に従って製造した。 イソステアリン酸イソプロピル 8.0 ホホバ油 6.0 セタノール 8.0 ステアリルアルコール 2.0 ポリオキシエチレンラウリルエーテル 1.5 プロピレングリコール 6.0 ソルビトール 1.0 パラベン 0.4 小麦フスマヘキサン抽出物 0.5 (実施例1で製造したもの) 香料 適量 滅菌イオン水で 100.0とする。
【0025】
【発明の効果】本発明のPOV上昇抑制剤は、安全性が
高く、油脂において優れたPOV上昇抑制効果を発揮
し、油脂の変臭、変色を抑制することができる。このP
OV上昇抑制剤を食品や化粧品に配合することにより、
製品中の油脂の劣化を抑制することができる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フスマ、胚芽又は穀粉の有機溶媒による
    抽出物を有効成分とするPOV上昇抑制剤。
  2. 【請求項2】 有機溶媒が疎水性溶媒であることを特徴
    とする請求項1記載のPOV上昇抑制剤。
  3. 【請求項3】 有機溶媒がn−ヘキサンであることを特
    徴とする請求項2記載のPOV上昇抑制剤。
  4. 【請求項4】 該有効成分の脂肪含量が80重量%以上
    である請求項1〜3のいずれか1項記載のPOV上昇抑
    制剤。
  5. 【請求項5】 油脂中に、フスマ、胚芽又は穀粉を浸漬
    し、加熱後、固型分を除去して得られる油脂。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか1項記載のPO
    V上昇抑制剤を配合した油脂。
  7. 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項記載のPO
    V上昇抑制剤または請求項5記載の油脂を含有する食
    品。
  8. 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項記載のPO
    V上昇抑制剤または請求項5記載の油脂を配合した化粧
    品。
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JPH09118611A (ja) * 1995-10-25 1997-05-06 Nippon Flour Mills Co Ltd 化粧料
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