JPH10141869A - 誘導加熱装置のライニング構造 - Google Patents

誘導加熱装置のライニング構造

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JPH10141869A
JPH10141869A JP8296442A JP29644296A JPH10141869A JP H10141869 A JPH10141869 A JP H10141869A JP 8296442 A JP8296442 A JP 8296442A JP 29644296 A JP29644296 A JP 29644296A JP H10141869 A JPH10141869 A JP H10141869A
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JP
Japan
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induction heating
molten
ceramics
lining structure
ceramic
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JP8296442A
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English (en)
Inventor
Koji Doura
晃司 堂裏
Takeya Kawamoto
雄也 川本
Yasuo Tsujimoto
康男 辻本
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 溶融Zn-Al による侵食を可能な限り抑制する
こと。 【解決手段】 溶融Zn-Al 合金めっき浴槽に設ける誘導
加熱装置11の誘導磁界内を流れる溶融Zn-Al の対流流
路をSi3N4 系セラミックスで形成し、このSi3N4系セラ
ミックス流路16の周囲を不定形耐火物15で構成した
ものである。 【効果】 溶融Zn-Al と接触する部分をSi3N4 系セラミ
ックスで被覆することにより、Zn-Al が断熱レンガや不
定形耐火物へ浸潤するのを抑制でき、飛躍的な延命が期
待できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Zn-Al 溶融炉等の
溶融Zn-Al 合金めっき浴槽に設ける誘導加熱装置のライ
ニング構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】薄板鋼板の腐食防止として、亜鉛めっき
鋼板が一般的に広く採用されているが、最近では、さら
に耐食性を向上させるため、Zn-Al 合金のめっきが普及
しつつある。
【0003】溶融Zn-Al めっき浴槽は、図4に示すよう
に、例えば溶融Zn-Al めっき浴槽1の外周4か所に設置
した誘導加熱装置2によって、その内部に満たした溶融
Zn-Al 合金を融点以上の一定温度に加熱保持するもので
あり、この溶融Zn-Al 浴中に鋼板を浸漬し、その表面に
Zn-Al 合金を被覆する溶融Zn-Al めっき装置等に使用さ
れている。
【0004】この溶融Zn-Al を加熱する手段として多く
採用されている誘導加熱方式は、溶融Zn-Al を誘導磁界
内で直接加熱するものであり、溶融Zn-Al 自身が発熱す
るので、加熱体等と直接接触する必要がない。従って、
槽壁に断熱性が良く、耐食性の高い耐火材料を使用でき
るので、熱損失が低減でき、めっき被覆品質も良好にな
る。
【0005】この誘導加熱装置は、一般的には浴槽の外
壁にW又はU字状の流路を突設し、この流路の一部に誘
導加熱コイルを巻回したり、又は誘導加熱コイルを巻回
した鉄芯を設けることによって、通常は600〜650
℃程度である溶融Zn-Al を、W又はU字状流路内の加熱
部分で700〜800℃程度まで加熱昇温することによ
る自然対流により、流路内と溶融Zn-Al 槽との間を流動
させるものである。
【0006】ところで、従来の亜鉛めっきの場合は、溶
融亜鉛に対する耐食性が良く、誘導磁界の影響(磁界損
失)を受けない材質であれば良いので、従来は緻密質の
高アルミナ質キャスタブルや、実開平3−6299号公
報で開示された黒鉛を主体とした無機材、特開平5−2
12266号公報で開示されたチタン酸アルミ、特開平
7−41922号公報で開示されたコージライト質、等
で前記W又はU字状流路を構成し、寿命延長を図ること
が講じられていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た構成の流路は、溶融亜鉛に対しては有効であるが、溶
融Zn-Al に対してはあまり効果はない。特に、最近のZn
-Al めっき鋼板はより耐食性を向上させるため、Alの含
有率が50重量%以上もあり、操業温度も600〜65
0℃と高く、浸透性も高いため、炉材は非常に過酷な条
件にさらされる。また、対流流路はAlの還元作用(4Al
+3SiO2→3Si+2Al2O3 )により、対流流路炉材に溶
融Zn-Al が侵入して変質層を生成し、いわゆる構造的ス
ポーリングにより、亀裂が生じて溶融Zn-Al がリークす
る原因となっていた。
【0008】本発明は、上記した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、溶融Zn-Al による侵食を可能な限
り抑制できる誘導加熱装置のライニング構造を提供する
ことを特徴としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の誘導加熱装置のライニング構造では、
溶融Zn-Al と接触する部分をSi3N4 系セラミックスで被
覆することとしている。そして、このようにすること
で、Zn-Al の断熱レンガや不定形耐火物への浸潤が抑制
できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の第1の誘導加熱装置のラ
イニング構造は、溶融Zn-Al 合金めっき浴槽に設ける誘
導加熱装置における溶融Zn-Al と接触する内面をSi3N4
系セラミックスで被覆しているのである。
【0011】また、本発明の第2の誘導加熱装置のライ
ニング構造は、溶融Zn-Al 合金めっき浴槽に設ける誘導
加熱装置の誘導磁界内を流れる溶融Zn-Al の対流流路を
Si3N 4 系セラミックスで形成しているのである。
【0012】また、本発明の第3の誘導加熱装置のライ
ニング構造は、前記した第1又は第2の本発明におい
て、Si3N4 系セラミックスの裏面側あるいはSi3N4 系セ
ラミックスで形成した溶融Zn-Al の対流流路の周囲に不
定形耐火物を設けているのである。
【0013】また、本発明の第4の誘導加熱装置のライ
ニング構造は、前記した第1、第2又は第3の本発明に
おけるSi3N4 系セラミックスと断熱レンガ又は不定形耐
火物の間にセラミックファイバー製ペーパーを介設して
いるのである。
【0014】本発明において、使用する不定形耐火物の
種類は特に問わないが、Si3N4 系セラミックスに微小亀
裂が発生し、この微小亀裂からZn-Al が侵入した場合の
ことを考慮すると、例えば高アルミナ質キャスタブル等
を採用することが好ましい。また、第1、第2又は第4
の本発明においては、Si3N4 系セラミックスと断熱レン
ガの間には若干の目地材が介在していることは言うまで
もない。なお、本発明の第2、第3の誘導加熱装置のラ
イニング構造における溶融Zn-Al 対流流路とは、溶融Zn
-Al が加熱のために通過する流路をいう。
【0015】
【実施例】以下、本発明の誘導加熱装置のライニング構
造を図1〜図3に示す実施例に基づいて説明する。図1
は本発明に係るライニング構造の第1実施例を有するW
型Zn-Al 用誘導加熱装置の縦断面図、図2は本発明に係
るライニング構造の第2実施例を有するW型Zn-Al 用誘
導加熱装置の縦断面図、図3は本発明に係るライニング
構造の第2実施例に使用する対流流路の組立て図で、
(a)は平面図、(b)は中央縦断面正面図である。
【0016】図1〜図3において、11は浴槽の外壁に
例えばW字状の流路12を突設し、この流路12の一部
に誘導加熱コイルを巻回した鉄芯13を設けたW型のZn
-Al用誘導加熱装置であり、本発明の第1実施例では、
この誘導加熱装置11における溶融Zn-Al と接触する内
面を、図1に示すように、Si3N4 系セラミックスで被覆
し(以下、「Si3N4 系セラミックス被覆層14」とい
う)、このSi3N4 系セラミックス被覆層14の裏面側に
例えば高アルミナ質キャスタブルのような不定形耐火物
15を設けているのである。
【0017】上記したように、誘導加熱装置11におけ
る溶融Zn-Al と接触する内面をSi3N 4 系セラミックス被
覆層14で被覆すれば、このSi3N4 系セラミックス被覆
層14がAlやZnに侵食されにくく、強度もあり、熱衝撃
に強いことから、不定形耐火物15中にZn-Al が侵入せ
ず、Alの還元作用によってSiが溶出しメタルが侵入する
ことがなくなる。
【0018】また、本発明の第2実施例では、誘導加熱
装置11の誘導磁界内を流れる溶融Zn-Al の対流流路1
2のみを、図2に示すように、Si3N4 系セラミックス
(以下、「Si3N4 系セラミックス流路16」という)で
形成し、このSi3N4 系セラミックス流路16の周囲を不
定形耐火物15で構成しているのである。すなわち、本
発明の第2実施例では、誘導加熱装置11における溶融
Zn-Al と接触する内面のうち、特に温度が700〜80
0℃と高く、浴槽内との温度差により溶融Zn-Alが良く
流れる溶融Zn-Al の対流流路12のみをSi3N4 系セラミ
ックス流路16と成しているのである。
【0019】この第2実施例の場合には、浴槽内との温
度差により溶融Zn-Al が良く流れて、不定形耐火物15
中にZn-Al が侵食されやすい対流流路12のみをSi3N4
系セラミックス流路16と成しているのである。従っ
て、この第2実施例の場合には、前記した第1実施例よ
りもSi3N4 系セラミックスの使用量は少なくてすむ。
【0020】ところで、Si3N4 系セラミックスで対流流
路12のような大型品を製造することは困難であるが、
パイプ16a、エルボ16b、ティー16c等を個別に
製作し、これらを図3に示すように接合すれば、Si3N4
系セラミックス流路16が製造できる。これらパイプ1
6a、エルボ16b、ティー16c等の接合は、無機質
のモルタル等の接着剤を使用したり、ねじ嵌合とした
り、また、個々の部品を組み立てた後、再焼成してもよ
い。
【0021】また、図1,図2に示す実施例では、Si3N
4 系セラミックス被覆層14やSi3N 4 系セラミックス流
路16と、不定形耐火物15との間にセラミックファイ
バー製ペーパー17を緩衝層として介設し、Si3N4 系セ
ラミックス被覆層14やSi3N 4 系セラミックス流路16
に直接加熱振動が伝わらないようにしたものを開示して
いる。
【0022】なお、図1及び図2中の18は誘導加熱装
置11のケーシング、19は前記ケーシング18の内側
に張られた断熱レンガ、20は鉄心13の外周に設けら
れた冷却ボックス、21は前記冷却ボックス20の外周
に設けられた断熱ボードである。
【0023】本実施例では、断熱レンガ19とSi3N4
セラミックス被覆層14やSi3N4 系セラミックス流路1
6の間に不定形耐火物15を介在させたものを開示した
が、断熱レンガ19の表面に直接Si3N4 系セラミックス
を設けたものでもよい。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の誘導加熱
装置のライニング構造は、誘導加熱装置における溶融Zn
-Al と接触する内面をSi3N4 系セラミックスで被覆した
り、誘導加熱装置の誘導磁界内を流れる溶融Zn-Al 対流
流路をSi3N4 系セラミックスで形成したり、また、これ
らのSi3N4 系セラミックスの裏面側または周囲に不定形
耐火物を設けているので、断熱レンガや不定形耐火物中
にZn-Al が侵入しにくく、飛躍的な延命が期待できる。
この時、Si3N4 系セラミックスと断熱レンガあるいは不
定形耐火物の間にセラミックファイバー製ペーパーを介
設すれば、Si3N4系セラミックスに直接加熱振動が伝わ
らないので、Si3N4 系セラミックスに微小亀裂が発生し
にくく、さらなる延命が図れる。
【0025】ちなみに、誘導加熱装置における溶融Zn-A
l と接触する内面を、Si3N4 系セラミックスで被覆せず
緻密質の高アルミナ質キャスタブルでライニングしただ
けの従来の構造の場合に1.5年であった寿命が、本発
明のライニング構造(図2に示す第2実施例)を採用す
ることで、5年以上となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るライニング構造の第1実施例を有
するW型Zn-Al 用誘導加熱装置の縦断面図である。
【図2】本発明に係るライニング構造の第2実施例を有
するW型Zn-Al 用誘導加熱装置の縦断面図である。
【図3】本発明に係るライニング構造の第2実施例に使
用する対流流路の組立て図で、(a)は平面図、(b)
は中央縦断面正面図である。
【図4】誘導加熱装置を備えた溶融Zn-Al 合金めっき浴
槽の概略構成図である。
【符号の説明】
11 誘導加熱装置 14 Si3N4 系セラミックス被覆層 15 不定形耐火物 16 Si3N4 系セラミックス流路 17 セラミックファイバー製ペーパー 19 断熱レンガ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融Zn-Al 合金めっき浴槽に設ける誘導
    加熱装置における溶融Zn-Al と接触する内面をSi3N4
    セラミックスで被覆したことを特徴とする誘導加熱装置
    のライニング構造。
  2. 【請求項2】 溶融Zn-Al 合金めっき浴槽に設ける誘導
    加熱装置の誘導磁界内を流れる溶融Zn-Al の対流流路を
    Si3N4 系セラミックスで形成したことを特徴とする誘導
    加熱装置のライニング構造。
  3. 【請求項3】 Si3N4 系セラミックスの裏面側あるいは
    Si3N4 系セラミックスで形成した溶融Zn-Al の対流流路
    の周囲に不定形耐火物を設けたことを特徴とする請求項
    1又は2記載の誘導加熱装置のライニング構造。
  4. 【請求項4】 Si3N4 系セラミックスと断熱レンガ又は
    不定形耐火物の間にセラミックファイバー製ペーパーを
    介設したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の誘
    導加熱装置のライニング構造。
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