JP4132278B2 - 誘導炉ラミング材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、鋳鋼や鋳鉄を溶解するのに用いる誘導炉用ラミング材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高温で溶解が行われる鋳鋼溶解誘導炉用ラミング材としては、高融点でスラグや溶湯成分に対して化学的に安定なマグネシア・スピネル質、アルミナ・マグネシア質、アルミナ・スピネル質などが使用されている。また、比較的低温で溶解が行われる鋳鉄溶解誘導炉用ラミング材には、耐熱性は若干低下するが耐熱衝撃性の優れている溶融シリカと天然珪石を混合したラミング材や天然珪石ラミング材が使用されている。ところが最近、溶解材質の多様化から鋳鋼も鋳鉄も内張材を変えることなく、同一の誘導炉で溶解することが要望されている。
【0003】
誘導炉の操業は短時間で溶解、出湯、冷材投入などが繰り返され、誘導炉の炉壁内面は急激な温度変化に曝される。また、誘導炉の炉壁の非稼動面側(誘導コイル側)は水冷されており、内張り材の稼動面との間で極めて大きな温度勾配となっている。こうしたことから、誘導炉の内壁面には亀裂が発生しやすく、また発生した亀裂からは湯差しが起こりやすく、この傾向は大型炉になるほど強く現れていた。
【0004】
マグネシア・スピネル質、アルミナ・マグネシア質、アルミナ・スピネル質などのラミング材は、高融点を有しスラグや溶湯成分に対して化学的に安定で高耐蝕性を有するが、熱膨張率が大きく炉壁に亀裂が発生しやすい。しかしながら、鋳鋼溶解は高温操業が必要条件であり、また鋳鋼の溶湯は比較的粘性が大きいので、小さい亀裂であれば湯差しの程度も小さいことから、従来からマグネシア・スピネル質、アルミナ・マグネシア質、アルミナ・スピネル質などのラミング材が使用されている。
【0005】
ところが、これと同じラミング材を内張りした誘導炉を、低融点で溶湯の粘性が小さい鋳鉄の溶解に用いた場合には、炉壁に発生した僅かの亀裂からも溶湯が進入し、亀裂の深部まで湯差しが行われる恐れがあり、これを鋳鉄の溶解に使用することが出来なかった。そこで比較的低温で溶解が行われる鋳鉄溶解誘導炉では、耐熱性は若干低下するが耐熱衝撃性の優れた溶融シリカと天然珪石を混合したラミング材や天然珪石質ラミング材を使用して、溶湯の粘性が小さい鋳鉄でも湯差しが抑制できるようにしていた。
即ち、従来は鋳鋼溶解誘導炉と鋳鉄溶解誘導炉の各ラミング材は、それぞれ別個のものを選択して使用しなければならなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、耐熱性、耐スラグ性、化学的安定性などとともに、耐熱衝撃性もあって、高温で溶解が行われる鋳鋼溶解の誘導炉とともに比較的低温で溶解が行われる鋳鉄溶解誘導炉にも共通して使用できるような誘導炉用ラミング材を得ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、粒径が0.125〜5.000mmのアンダルサイトを5〜23重量%、Al2 O3 純度98%以上で粒径が0.0007〜0.015 mmのアルミナ微粉1〜12重量%、残部がAl2O3 純度95%以上で粒径が0.02〜8.00 mmのアルミナからなることを特徴とする誘導炉用ラミング材である。
【0008】
【発明の実施の態様】
この発明の誘導炉用ラミング材は、アンダルサイトと純度98%以上のアルミナを主成分とし、残部を純度95%以上のアルミナとする。
【0009】
主成分中のアンダルサイトは、高温で加熱されると冷却されても残存膨張性を示し、これを誘導炉内張り材に含む場合は、この残存膨張性により誘導炉炉壁の亀裂発生を低減することができる。ここに用いるアンダルサイトの粒径は0.125〜5.000mmとする。粒径が0.125mm未満では高温加熱によって急激な残存膨張性を示して、目的とする長期間の使用中に徐々に残存膨張することで誘導炉炉壁の亀裂発生の抑制や亀裂拡大の抑制を図ることができない。
【0010】
また、アンダルサイトの粒径が5.0mmを超えると高温加熱による残存膨張が緩慢であり、目的とする適正な誘導炉炉壁の亀裂発生の抑制や亀裂拡大の抑制を図ることができないばかりか、誘導炉炉壁の均質な組織も得られない。アンダルサイトのさらに好ましい粒径は0.200〜4.500mmである。
【0011】
アンダルサイトの含有率は、5〜23重量%とする。アンダルサイトの含有率が5重量%未満では、目的とする長期間の使用中にラミング材が徐々に残存膨張して誘導炉炉壁の亀裂発生の抑制や亀裂拡大の抑制を図ることができない。また、アンダルサイトが23重量%を超えると、誘導炉炉壁の融点低下による耐熱性低下とともに、高温加熱により残存膨張が大きくなり過ぎ、炉壁の迫り出しによる剥離現象が発生する恐れがある。
【0012】
いま一方の主原料は、アルミナ微粉である。ここに用いるアルミナ微粉は、Al2 O3 純度98%以上で粒径が0.0007〜0.015 mmのアルミナである。アルミナ微粉は高純度でないと耐蝕性が低下するので好ましくない。粒径は0.0007 mm 未満では過焼結しやすく、また0.015 mmを超えると適正な加熱後の強度が得られない。アルミナ微粉の含有率は1〜12重量%である。アルミナ微粉の含有率が1重量%未満では適正な焼結層、焼固層が得られない。また、アルミナ微粉が12重量%を超えると、焼結層や焼固層は得られても築炉時の充填性が低下して良好な施工体を得ることができない。
【0013】
上記の二種の主原料の外は、Al2 O3 純度95%以上で粒径が0.02〜8.00 mmのアルミナである。耐熱性及び耐蝕性を維持するとともに、築炉時のラミング材の粒度偏析を抑えて均質な炉壁をつくるためには、Al2 O3 純度が95%以上で粒径は0.02〜8.00 mmとすることが必要である。
【0014】
【実施例】
表1に示す各種配合比の内張り材原料を用意した。図1に示すように、誘導コイル1の内側に設けたコイル保護用耐火物2の内側に断熱シート3をセットした。この断熱シート3の内側の炉床部に用意した内張り材原料を所定量挿入してエアーランマーで充填した。その後、炉床部を平滑に仕上げ、築炉シリンダー5を炉床の中心にセットした。次いで内張り材原料を炉壁部に充填してエアーランマーで突き固める作業を繰り返し炉頂部まで原料充填施工を行って内張り材4を形成した。一回の施工高さは60〜70mmとした。その結果、300kg高周波誘導炉を築炉した。これを用いて鋳鋼及び銑鉄の溶解試験を行った。
【0015】
鋳鋼及び銑鉄の溶解試験は、鋳鋼及び銑鉄の各200kgをこの誘導炉を用いて交互に溶解し、1650〜1670℃で一時間保持し、その後出湯して冷却する試験を各種原料を用いた誘導炉について各2回、合計4回の試験を行った。その結果を表1及び2に示す。なお、表1及び表2に示す比較例は、この発明で規定した範囲から外れた原料を用いたものである。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
表1に示すように、実施例1乃至3は、築炉時の施工性(充填性)は良好で、溶損量及び浸潤量は比較的小さい。また、適正焼結層厚み、焼固層厚み、粉体層厚み、炉壁稼動面の表面亀裂最大幅、炉壁稼動面の表面剥離といった全ての面で満足した値を示している。
【0019】
これに対して、比較例1は、浸潤深さがやや大きく、炉壁稼動面の亀裂幅がやや大きい。また、比較例2及び3は、侵蝕量がやや大きく、炉壁稼動面において表面剥離傾向が認められる。さらに、比較例4は、浸潤深さがやや大きく、また焼結層厚みが小さい。
【0020】
表2には、比較例5〜11を示した。比較例5は、築炉時の充填性が悪く、また浸潤深さ及び焼結層厚みがやや大きく非稼動面側の粉体層厚みが小さい。比較例6、7及び8のアルミナ・マグネシア系原料を用いたものは、炉壁稼動面の亀裂が大きい。また、比較例9、10及び11のシリカ系原料を用いたものは、侵蝕量が大きい。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、この発明のラミング材を用いた誘導炉によれば、鋳鋼と鋳鉄を繰り返し溶解しても、炉壁稼動面に亀裂を発生することが回避される。その結果、従来のように鋳鋼には鋳鋼向けラミング材の誘導炉、また鋳鉄には鋳鉄用のラミング材の誘導炉といったものを準備する必要がなくコストの低減に極めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明一実施例になるラミング材を用いた誘導炉の断面図。
【図2】図1に示す誘導炉の平面図。
【符号の説明】
1…誘導コイル、2…コイル保護用耐火物、3…断熱シート、4…内張り材、5…築炉シリンダー。
Claims (1)
- 粒径が0.125〜5.000mmのアンダルサイトを5〜23重量%、Al2 O3 純度98%以上で粒径が0.0007〜0.015 mmのアルミナ微粉1〜12重量%、残部がAl2 O3 純度95%以上で粒径が0.02〜8.00 mmのアルミナからなることを特徴とする誘導炉用ラミング材。
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