JPH10139886A - 常温で固体のエポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

常温で固体のエポキシ樹脂組成物の製造方法

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JPH10139886A
JPH10139886A JP30860196A JP30860196A JPH10139886A JP H10139886 A JPH10139886 A JP H10139886A JP 30860196 A JP30860196 A JP 30860196A JP 30860196 A JP30860196 A JP 30860196A JP H10139886 A JPH10139886 A JP H10139886A
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JP
Japan
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epoxy resin
solid
temperature
resin composition
filler
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JP30860196A
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English (en)
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Mutsuo Sawara
睦夫 佐原
Kenichi Hasegawa
賢一 長谷川
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NIPPON GOSEI KAKO KK
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NIPPON GOSEI KAKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温で固体であるため取扱いが容易であり、
且つ、溶融状態において極めて低粘度であるためコイル
やプリプレグなどへの含浸用樹脂として有用なエポキシ
樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 室温において液体と固体との臨界状態に
ある分子量分布の小さい非結晶性エポキシ樹脂を加温液
化し、硬化剤並びに必要に応じて硬化促進剤、充填材、
慣用の添加剤などを添加し、35〜50℃の温度で撹拌
混合したのち、20℃以下の温度に冷却して結晶固化さ
せ、得られた固化物を粉砕することによって、粉粒体状
のエポキシ樹脂組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、常温で固体の保存安定
性に優れたエポキシ樹脂組成物の製造方法に関するもの
である。更に詳しくいえば、本発明は、溶融状態におけ
る粘度が極めて低くて優れた間隙充填性を有するため、
コイル、プリプレグなどの含浸用樹脂として、或いは、
粉体接着剤として、有用性の高い常温で固体のエポキシ
樹脂組成物の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コイル、プリプレグなどの含浸に使用さ
れるエポキシ樹脂組成物には、常温で液体のものと固体
のものとがあるが、取扱い上の便宜から、固体のものが
多く使用されている。
【0003】常温で固体のエポキシ樹脂としては、一般
に、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ノボラ
ック型などが知られているが、これらのうちでも結晶性
エポキシ樹脂が、溶融時の粘度が低いことから、コイ
ル、プリプレグなどの含浸に使用されている。しかし、
結晶性エポキシ樹脂を使用してエポキシ樹脂組成物を製
造する場合には、該樹脂の融点が高いため、該樹脂と硬
化剤、並びに、必要に応じて硬化促進剤、充填材、慣用
の添加剤など、とを溶融混合するときに硬化反応が進ん
でしまうという不都合があった。
【0004】この不都合は、結晶性エポキシ樹脂と共に
非結晶性エポキシ樹脂を併用して融点を下げることによ
って、避けることができるが、そのような方法を採った
場合でも、溶融混合の際に100℃以上の温度に加熱し
なければならないので、加熱中の硬化反応を抑制するた
めに、短時間での混合及び急激な冷却を必要とした。ま
た、このような方法では、混合の順序として、結晶性エ
ポキシ樹脂と非結晶性エポキシ樹脂との混合を、硬化
剤、並びに必要に応じて硬化促進剤、充填材、慣用の添
加剤など、との混合の前に、ヘンシエルミキサーなどを
用いて行なうことや、特開平6−198644号の方法
で行なわれているように樹脂のみを加熱溶融して冷却し
たのちに硬化剤並びに必要に応じて硬化促進剤、充填
材、慣用の添加剤などを溶融混合することを必要とし、
いずれも煩雑さを免かれない。
【0005】このような欠点に加えて、結晶性エポキシ
樹脂を使用する方法は、いずれも、高いコストを必要と
する点にも問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、結晶性エポ
キシ樹脂を使用する際の上記のような問題点を解決する
ことを目的としている。この目的を達成するためには、
例えば溶融混合の簡素化については、エポキシ樹脂と硬
化剤、並びに、必要に応じて硬化促進剤、充填材、慣用
の添加剤など、とを低温で同時に溶融混合することが可
能な手段を見い出すこと、また例えば低コスト化につい
ては、分子量分布の小さい非結晶性エポキシ樹脂を単独
で使用することが可能な手段を見い出すこと、が望まれ
た。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明によれば、上記
のような目的を達成することが可能な方法として、室温
において液体と固体との臨界状態にある分子量分布の小
さい非結晶性エポキシ樹脂を加温液化し、硬化剤並び
に、必要に応じて硬化促進剤、充填剤、慣用の添加剤な
どを添加し、35〜50℃の温度で撹拌混合したのち、
20℃以下の温度に冷却して結晶化現象によって結晶固
化させ、得られた固化物を粉砕して粉粒体とすることを
特徴とする常温で固体のエポキシ樹脂組成物の製造方法
が提供される。
【0008】本発明の方法においては、具体的には、非
結晶性エポキシ樹脂及び硬化剤、並びに必要に応じて硬
化促進剤及び充填材さらには慣用の添加剤などが、所望
の割合で、35〜50℃の温度で撹拌下に溶融混合され
る。この場合、35℃より低い温度では、結晶化現象が
発生し易く、十分な溶融混合ができない。上記の温度に
おける溶融混合を少なくとも約10分間続けたのち、混
合物を20℃以下、好ましくは約10℃、の温度に冷却
すると、結晶化現象によって、比較的短時間内に結晶固
化したエポキシ樹脂組成物が形成される。次いで、この
固化結晶物を慣用手段を用いて粉砕することにより、本
発明が目的とする常温で固体のエポキシ樹脂組成物が得
られる。
【0009】本発明で使用される室温において液体と固
体との臨界状態にある分子量分布の小さい非結晶性エポ
キシ樹脂の好ましい例は、下記の式で表わされるビスフ
ェノール型のエポキシ樹脂である。
【0010】
【化2】
【0011】(式中、RはHまたはCH3であり、nは
0〜0.05である。) 硬化剤としては、常温で粉体の慣用の潜在硬化剤が使用
される。ジシアンジアミド、二塩基性ヒドラジド類、イ
ミダゾール類、イミダゾールエポキシ付加物、三弗化硼
素アミン錯体などが、その好ましい例である。これら硬
化剤の添加量は、非結晶性エポキシ樹脂に対して、通常
3〜30重量%、好ましくは5〜15重量%である。
【0012】硬化促進剤としては、慣用のもの、例えば
3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルユ
リア、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン
などのようなユリア系促進剤が使用される。その添加量
は、非結晶性エポキシ樹脂に対して、通常0〜10重量
%、好ましくは0.5〜3重量%である。
【0013】充填材としては、常温で粉末状の慣用充填
材が使用される。好ましい例は、シリカ、クレーなどの
ような無機充填材、粉末状ゴムなどのようなエラストマ
ー、ナイロン繊維などのような有機繊維である。その添
加量は、非結晶性エポキシ樹脂に対して、通常0〜40
0重量%、好ましくは0〜200重量%である。
【0014】
【実施例】次に、実施例及び比較例によって、本発明を
更に具体的に説明する。
【0015】実施例1 非結晶性エポキシ樹脂としてのエピコート825(油化
シエル株式会社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂;
n=0.01)並びに表1に示す硬化剤、硬化促進剤及
び充填材を、表1に示す割合で配合し、ミキサーで35
〜45℃の温度に保ちながら60分間溶融混合し、次い
でバットの中に流して、表1の結晶化条件に示す冷却温
度(10℃)に設定された恒温槽に入れ、表1の結晶化
条件に示す時間(60分間)冷却した。
【0016】表1に示すとおり、結晶固化した固形の生
成物が得られ、このものを粉砕することによって、本発
明の粉粒体状エポキシ樹脂組成物が得られた。
【0017】実施例2 非結晶性エポキシ樹脂をエピコートYL−6042(油
化シエル株式会社製のビスフェノールF型エポキシ樹
脂;n=0.03)に変更したこと以外は実施例1の方
法に従い、実施例1と同様の結果が得られた。
【0018】実施例3 冷却温度を20℃に変更したこと以外は実施例1の方法
に従い、実施例1と同様の結果が得られた。
【0019】比較例1 非結晶性エポキシ樹脂をエピコート828(油化シエル
株式会社製のビスフェノールA型エポキシ樹脂;n=
0.14)に変更したこと以外は実施例1の方法に従っ
た。
【0020】表1に示すとおり、生成物は60分の冷却
時間では結晶固化せず粘体状であり、冷却時間を180
分に延長しても変りがなく、粉粒化することができなか
った。
【0021】比較例2 非結晶性エポキシ樹脂をエピコート807(油化シエル
株式会社製のビスフェノールF型エポキシ樹脂;n=
0.11)に変更したこと以外は比較例1の方法に従
い、比較例1と同様の結果が得られた。
【0022】比較例3 冷却温度を30℃に変更したこと以外は実施例1の方法
に従った。
【0023】表1に示すとおり、生成物は60分の冷却
時間では結晶固化せず粘体状であり、冷却時間を180
分に延長しても変りがなく、粉粒化することができなか
った。
【0024】
【表1】
【0025】[脚註] エポキシ樹脂A:ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、n=0.01 エポキシ樹脂B:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、n
=0.03 エポキシ樹脂C:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、n
=0.14 エポキシ樹脂D:ビスフェノールF型エポキシ樹脂、n
=0.11 ジシアンジアミド:ACIジャパン・リミテッド製の硬
化剤 DCMU99:保土ケ谷化学株式会社製の硬化促進剤 クリスタライトAA:タツモリ株式会社製のシリカ粉末 総括すると、本発明に従う実施例1〜3のように、分子
量分布の小さいビスフェノールA型又はビスフェノール
F型の非結晶性エポキシ樹脂を使用した場合には、10
℃又は20℃における60分間の冷却によって粉砕可能
な固化結晶物が形成されるのに対して、比較例1及び2
のように、通常のビスフェノールA型又はビスフェノー
ルF型の非結晶性エポキシ樹脂を使用した場合には、1
0℃における180分間の冷却によっても結晶化せず、
また、比較例3のように、実施例1と同じ非結晶性エポ
キシ樹脂を使用したときでも、冷却温度を高く(30
℃)に設定した場合には、やはり180分間の冷却によ
っても結晶化しない。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、エポキシ樹脂として分
子量分布の小さい非結晶性エポキシ樹脂のみを使用する
ので、該樹脂と硬化剤、必要に応じて硬化促進剤、充填
材、慣用の添加剤など、との溶融混合を低温且つ短時間
で行なうことができて、製造工程が簡略化され、しか
も、高価な結晶性エポキシ樹脂を使用しないので、コス
トの低下をもたらすことができる。このように有利な方
法で製造される本発明のエポキシ樹脂組成物は溶融粘度
が低くて間隙充填性に優れているので、コイル、プリプ
レグなどの含浸用樹脂として、また、粉体接着剤とし
て、有用性が高い。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温において液体と固体との臨界状態に
    ある分子量分布の小さい非結晶性エポキシ樹脂を加温液
    化し、硬化剤並びに必要に応じて硬化促進剤、充填材、
    慣用の添加剤などを添加し、35〜50℃の温度で撹拌
    混合したのち、20℃以下の温度に冷却して結晶化現象
    によって結晶固化させ、得られた固化物を粉砕して粉粒
    体とすることを特徴とする常温で固体のエポキシ樹脂組
    成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 非結晶性エポキシ樹脂が式 【化1】 (式中、RはHまたはCH3であり、nは0〜0.05で
    ある。)で表わされるものである請求項1に記載の方
    法。
JP30860196A 1996-11-06 1996-11-06 常温で固体のエポキシ樹脂組成物の製造方法 Pending JPH10139886A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015032654A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 日本合成化工株式会社 電子部品の樹脂封止方法、およびこの樹脂封止方法で電子部品を封止して成る樹脂封止電子部品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015032654A (ja) * 2013-08-01 2015-02-16 日本合成化工株式会社 電子部品の樹脂封止方法、およびこの樹脂封止方法で電子部品を封止して成る樹脂封止電子部品

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