JPH10130872A - プラズマ処理方法 - Google Patents

プラズマ処理方法

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JPH10130872A
JPH10130872A JP28647496A JP28647496A JPH10130872A JP H10130872 A JPH10130872 A JP H10130872A JP 28647496 A JP28647496 A JP 28647496A JP 28647496 A JP28647496 A JP 28647496A JP H10130872 A JPH10130872 A JP H10130872A
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JP
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plasma
gas
sample
inner tube
oxygen
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JP28647496A
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Masahiro Hisada
正浩 久田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】反応容器内に配設された内筒管への反応生成物
の初期付着を抑え、しかも内筒管を昇温する時間を短縮
して、スループットを向上させることができるプラズマ
処理方法を提供する。 【解決手段】反応容器内に設けられた内筒管内でプラズ
マを発生させ、このプラズマにより試料を処理するプラ
ズマ処理方法であって、処理前に酸素と不活性ガスの混
合ガスを導入しプラズマ放電させることにより前記内筒
管を加熱するプラズマ処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマ処理方法
に関し、より詳細には、シリコン酸化膜をエッチングす
る場合のプラズマ処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プラズマ処理、特にエッチングにおいて
は、装置内壁の温度が処理特性に影響を及ぼすことが知
られている。なかでも、デポジション性の高いガス、例
えばC26、C38、C48などのフッ化炭素系ガスを
用いたエッチングにおいては、装置内壁の温度の影響が
処理特性に顕著に現れることが知られている。
【0003】例えば、シリコン酸化膜のエッチングにお
いては、シリコン酸化膜と下地膜であるシリコン膜との
選択比を向上する目的で、C48ガスなどの炭素比率の
高いフッ化炭素系ガスが用いられる。
【0004】これらのフッ化炭素系ガスは、プラズマ中
で解離してイオンやラジカルのプラズマ活性種を発生
し、このプラズマ活性種がシリコン酸化膜のエッチング
反応に寄与する。このとき、エッチング反応に使われな
かったプラズマ活性種は、排気装置により排気される一
方、その一部は、炭素比率が高く蒸気圧が低いため装置
内壁に付着して重合物を形成する。
【0005】装置内壁への付着速度は、装置内壁温度に
より異なり、また内壁が高温になると、装置内壁に付着
していた重合物が逆に脱離または気化してプラズマ中に
戻る。そのため、装置内壁の温度が変化すると、プラズ
マ活性種の密度等が変化し、シリコン酸化膜のエッチン
グ速度や選択比が顕著に変化するのである。
【0006】そのため、デポジション性の高いガス、す
なわちプラズマによる反応生成物の蒸気圧が低いガスを
用いる場合、装置内壁を高温に保持する必要がある。例
えば、上記のシリコン酸化膜のエッチングにおいては、
装置内壁を200℃程度の高温に保持することが必要に
なる。装置内壁の温度が十分に高くない場合、装置内壁
への重合物の堆積が進み、エッチング反応へ寄与するプ
ラズマ活性種の量が低下し、シリコン膜に対する選択比
が低下する。
【0007】装置内壁を高温に保持する方法として、反
応容器の内側にインナーベルジャー(内筒管)を設け、
プラズマ放電によりこの内筒管を加熱する方法を本発明
者らは提案している(特開平7−273086号公
報)。
【0008】この方法は、内筒管を加熱し高温に保持す
れば良いので、装置内壁を加熱することにくらべると実
施するのが容易である。また、比熱が小さくしかも薄肉
化が可能なアルミニウムなどで内筒管を作製すれば、内
筒管の熱容量を小さくすることができる。その結果、プ
ラズマにより内筒管を所定の温度まで昇温する時間、例
えば後述するならし放電の時間をある程度短くすること
ができる。
【0009】ならし放電とは、試料を実際にプラズマ処
理する前に行われる放電である。反応容器の温度を複数
枚の試料を連続して処理したときの反応容器の温度とほ
ぼ同等の温度になるまで高め、プラズマ処理特性を安定
させる目的で行われる。このならし放電に用いるガスと
して、通常は試料のエッチングガスや不活性ガスが用い
られる。例えば、本発明者らが提案した前述のエッチン
グ方法(特開平7−273086号公報)では、ならし
放電に酸素が用いられている。
【0010】このならし放電に関して、試料のエッチン
グガス以外にエッチング室の内壁に付着しない性質を有
するガスを導入してならし放電を行う方法が提案されて
いる(特開平4−87329号公報)。この方法によれ
ば、試料のエッチングガス以外のガスがエッチング室の
内壁に付着しないため、試料のエッチング速度の再現性
をさらに向上させることができる。そして、内壁に付着
しない性質を有するガスとして、フッ素(F2)、フッ
化水素(HF)、フッ化窒素(NF3)、塩素(C
2)、塩化水素(HCl)、臭素(Br)、臭化水素
(HBr)、酸素(O2)、窒素(N2)、ヘリウム(H
e)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、キセノン
(Xe)などが挙げられている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らが提案した
特開平7−273086号公報に記載されている方法で
は、フッ化炭素系ガスのプラズマにさらされる部分を温
度管理の容易な内筒管で被覆するようにしたので、温度
管理が容易である。
【0012】しかしながら、ならし放電の際に次の問題
があった。
【0013】エッチングガスと同じガス、すなわち炭素
比率の高いフッ化炭素系のガスを使用した場合、内筒管
が冷えた状態で放電を起こさせると内筒管への重合物の
初期付着が生じ、エッチング時に内筒管からこの重合物
が剥離するため、試料上にパーティクルが付着する割合
が高くなる。また、昇温時間は抑制されてはいるもの
の、内筒管を200℃以上に昇温するのに数十分程度の
時間を要し、スループットの低下の要因となる。
【0014】Ar等の不活性ガスや酸素などの単体ガス
を使用した場合、内筒管への反応生成物の初期付着は防
止される。しかし、やはり内筒管を昇温するには数十分
程度の時間を要する。
【0015】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたものであり、低温の内筒管への反応生成物の初期
付着を抑え、しかも内筒管を昇温する時間を短縮して、
スループットを向上させることができるプラズマ処理方
法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明のプラズマ処理方
法は、反応容器内に設けられた内筒管内でプラズマを発
生させ、このプラズマにより試料を処理するプラズマ処
理方法であって、処理前に酸素と不活性ガスの混合ガス
を導入しプラズマ放電させることにより前記内筒管を加
熱することを特徴としている。
【0017】なお、本発明のプラズマ処理方法で用いる
不活性ガスとして、ヘリウム(He)、アルゴン(A
r)、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)などが挙げら
れる。
【0018】本発明のプラズマ処理方法によれば、デポ
ジション性のほとんどない酸素と不活性ガスの混合ガス
のプラズマを用いるので、プラズマ放電時に内筒管が冷
えた状態でも内筒管への重合物などの付着がない。その
ため、初期付着に起因するパーティクルの問題は発生し
ない。
【0019】また、プラズマ照射による内筒管の加熱
は、イオンやラジカル等のプラズマ中に存在する粒子が
内筒管表面に衝突した際に粒子のもつエネルギが熱エネ
ルギとして内筒管に伝達されることにより生じる。した
がって、内筒管表面に衝突するプラズマ中の粒子の種類
や状態によってエネルギ伝達(加熱)が変化する。例え
ば、同種のガスであっても、圧力やマイクロ波パワーに
よって分解効率が変化し粒子のエネルギ状態も変化する
ので、エネルギ伝達(加熱)が変化する。
【0020】不活性ガスは、プラズマ中で電離してそれ
自体が活性なイオンやラジカルに変化するばかりでな
く、他のガスと混合した場合、そのガスのプラズマ中で
の分解を促進させたり、高いエネルギー状態へ移行させ
る傾向を持っている。
【0021】本発明のプラズマ処理方法によれば、プラ
ズマ中で高活性なイオンやラジカルに変化しやすい特性
を備える酸素と不活性ガスとの混合ガスを用いるので、
それぞれを単体として用いるのにくらべて、効率良く内
筒管を加熱することができる。
【0022】不活性ガスとしてヘリウムを用いる場合、
特にプラズマ中の酸素を活性化させやすい特性を備えて
いるので、プラズマ照射による内筒管の昇温効果が特に
大きい。また、ヘリウムを用いる場合の昇温効果は、混
合ガス中の酸素の体積比率10〜50%の範囲内にある
とき高く、また20〜40%の範囲内でより高くなる。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
に基づき説明する。
【0024】図4は、内筒管を備えるプラズマ処理装置
を示す模式的縦断面図である。
【0025】この装置は、マイクロ波と磁場との相互作
用による電子サイクロトロン共鳴(ECR:Electron C
yclotron Resonance)を利用してプラズマを生成し、シ
リコン酸化膜をエッチングする装置である。
【0026】反応容器は、プラズマ生成室11と試料室
14とからなり、プラズマ生成室11内部にこの側壁部
を覆う態様で内筒管21が配設されている。
【0027】内筒管21は、例えば高純度アルミニウム
(純度99%以上)などにより、略円筒形状などに形成
される。内筒管21を高純度アルミニウム製とする理由
は、前述した熱容量を小さくでき加熱が容易であるとい
う理由以外に、次の理由に基づいている。すなわち、ア
ルミニウムは石英などに比べフッ化炭素系活性種との反
応が少ないため、活性種は内筒管とほとんど反応しな
い。その結果、高純度アルミニウム製の内筒管であれ
ば、内筒管を設けたとしてもシリコン酸化膜のエッチン
グ速度が低下することがないためである。内筒管21は
ブラケット21aなどにより支持され、内筒管21とプ
ラズマ生成室11側壁とは所定の距離dpだけ離され
る。
【0028】また、この例では、プラズマ生成室の内壁
にプラズマが触れることを防ぎ、かつ、内筒管21内に
マイクロ波を導入できるようにするため、内筒管21上
部には窒化珪素(Si34)製などのマイクロ波透過上
板22が載置されている。マイクロ波透過上板22に窒
化珪素が用いられる理由は、窒化珪素も石英などに比べ
フッ化炭素系活性種との反応が少なく、シリコン酸化膜
のエッチング速度に与える影響が少ないためである。こ
のマイクロ波透過上板22は、プラズマ生成室11上部
壁と所定の距離djだけ離して設けられる。
【0029】プラズマ生成室11の上部にはマイクロ波
導入孔11aが開孔されており、マイクロ波導入孔11
aは石英製などのマイクロ波導入窓11bで封止されて
いる。マイクロ波導入窓11bには導波管12の一端部
が接続されており、導波管12の他端部はマイクロ波発
振器(図示せず)に接続されている。また、プラズマ生
成室11の周囲にはこれと同心状に磁場発生コイル13
が配設されている。
【0030】試料室14側壁にはガス導入管14aおよ
び14bが設けられ。試料室14下部壁には排気口14
cが形成されている。マイクロ波導入窓11bと対向す
る位置には試料台15が配設されている。試料台15
は、冷却機構(図示せず)と高周波電極(図示せず)を
備えている。冷却機構により試料を冷却し、また高周波
電極に高周波電源15aから高周波を印加することによ
り、試料に入射するイオンのエネルギーを制御できる。
【0031】試料室14の右には、試料カセット60が
搬入されるカセット室17が設けられている。試料カセ
ット60内の試料は、ゲートバルブ16aの開閉動作と
搬送ロボット16bの動作により試料室14に搬送さ
れ、プラズマ処理を施され、その後試料カセット60に
戻される。カセット室17は排気口17aから排気さ
れ、試料を試料室14に搬入および搬出する際、カセッ
ト室17の圧力は試料室14の圧力とほぼ同じにされ
る。
【0032】上述のプラズマ処理装置を用いて、シリコ
ン酸化膜をエッチングする場合を例にとり、本発明のプ
ラズマ処理方法について説明する。なお、試料カセット
60は、1枚目にシリコンウエハなどのダミー試料61
aが入っており、残りの24枚がシリコン酸化膜が成膜
されたシリコンウエハなどの通常試料61b、61c、
61d、61eとなっている。
【0033】プラズマ生成室11および試料室14を
所定圧力まで排気する。
【0034】ダミー試料61aをカセット室17から
搬送して試料台15上に載置する。なお、試料台15は
あらかじめ所定の温度に冷却される。
【0035】ガス導入管14aから試料室14に酸素
と不活性ガスの混合ガスを導入し、所定の圧力とする。
導入された混合ガスは内筒管21内に拡散する。
【0036】磁場発生コイル13に直流電流を通流し
て、プラズマ生成室11内にECR励起に必要な磁場を
発生させる。マイクロ波発振器からマイクロ波を導波管
12を介してプラズマ生成室11に導入する。マイクロ
波と磁場の相互作用によるECR励起により、内筒管2
1内で酸素と不活性ガス、例えばヘリウムの混合ガスが
プラズマ化される。このプラズマにより、内筒管21が
加熱される(ならし放電)。
【0037】所定時間経過後、マイクロ波の供給およ
び磁場の発生を停止し、プラズマの発生を止める。
【0038】搬送ロボット16bにより試料台15か
らダミー試料61aを取り外し、通常試料61bを試料
台15に載置する。
【0039】例えばC48などのフッ化炭素系ガスと
酸素をガス導入管14bから試料室14に供給し、所定
の圧力とする。導入されたフッ化炭素系ガスおよび酸素
は内筒管21内に拡散する。
【0040】磁場発生コイル13に直流電流を通流し
て、プラズマ生成室11内にECR励起に必要な磁場を
発生させる。マイクロ波発振器からマイクロ波を導波管
12を介してプラズマ生成室11に導入する。マイクロ
波と磁場の相互作用によるECR励起により、内筒管2
1内でフッ化炭素系ガスがプラズマ化される。プラズマ
発生後に高周波電源15aにより試料台15に高周波電
力を印加する。
【0041】プラズマ中のイオンやラジカルなどの活性
種が試料61b上に導かれ、試料61b上のシリコン酸
化膜がエッチングされる(エッチング)。
【0042】エッチング処理終了後、マイクロ波発振
器等の作動を停止する。
【0043】その後、試料を順次交換し同様のエッチン
グ処理(〜)を繰り返す。
【0044】上記の方法によれば、ならし放電を酸素と
不活性ガスの混合ガスのプラズマで行うので、従来に比
べて急速に内筒管を加熱できる。その結果、内筒管を昇
温する時間を短縮し、スループットを向上させることが
できる。また、初期付着に起因するパーティクルの問題
も発生しない。
【0045】なお、ならし放電および試料をエッチング
しているときは、内筒管はプラズマで加熱される。一
方、ならし放電後にダミー試料と試料を交換していると
きや、エッチングの際に試料と試料を交換しているとき
は、内筒管の温度は低下する。したがって、ならし放電
およびエッチングのプラズマ発生の時間間隔を所定のも
のとすることにより、内筒管の温度変化を所定の範囲に
抑えて、エッチング処理を安定させることができる。
【0046】図1は、本発明のプラズマ処理方法による
内筒管の温度変化を示すものである。まず、ならし放電
により、内筒管の温度を急速に昇温する。その後、エッ
チング時に、エッチングのプラズマ発生の時間間隔を適
切に決めることにより、内筒管の温度を200℃以上
で、しかも所定の温度幅に制御するのである。
【0047】なお、本発明のプラズマ処理方法では、不
活性ガスとして、ヘリウム(He)、アルゴン(A
r)、ネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを用いる
ことができる。なかでも、ヘリウムは、プラズマ中の酸
素を活性化させやすいガスであるので、プラズマ照射に
よる内筒管の昇温効果が特に大きい。また、ヘリウムを
用いる場合は、混合ガス中の酸素の体積比率10〜50
%の範囲内とすることが好ましく、また20〜40%の
範囲内とすることがより好ましい。これらの範囲内とす
ることにより、昇温効果がより高まるからである。
【0048】なお、本発明のプラズマ処理方法は、上述
の例であるフッ化炭素系ガスを用いたシリコン酸化膜の
エッチング方法以外に適用することができる。ただし、
上記の説明からわかるように、内筒管内でフッ化炭素系
ガスを含むガスをプラズマ化し、このプラズマによりシ
リコン酸化膜をエッチングする方法に特に好適であるこ
とは言うまでもない。なお、シリコン酸化膜をエッチン
グする際に用いるフッ化炭素系ガスとしては、CF4
26、C38、C48などを用いれば良い。
【0049】また、この例は、ECRプラズマによるエ
ッチング方法の例であるが、内筒管内にプラズマを発生
させて、このプラズマを用いて試料を処理する方法であ
れば、本発明方法を適用できることはいうまでもない。
【0050】
【実施例】以下、本発明のプラズマ処理方法の実施例に
ついて説明する。なお、この実施例で用いた装置は、図
4に示したプラズマ処理装置である。
【0051】本実施例の装置では、プラズマ生成室の内
径は270mmである。内筒管21は高純度アルミニウ
ム(純度99%以上)製であり、肉厚が約8mmの略円
筒形状に形成されている。内筒管21とプラズマ生成室
11側壁との距離dpは約1mmである。内筒管21上
部のマイクロ波透過円板22は窒化珪素製であり、その
板厚は5mmである。マイクロ波透過円板22とプラズ
マ生成室11上部壁との距離djは約3mmである。マ
イクロ波の周波数は、2.45GHzであり、試料台1
5に印加する高周波の周波数は、400kHzである。
【0052】ならし放電として、酸素とヘリウムの混合
ガスを用いてプラズマを発生させて、内筒管の温度変化
を内筒管内に埋め込んだ熱電対を用いて測定した。プラ
ズマ発生の条件は次の通りである。各ガスの流量は、酸
素:10sccm、ヘリウム:40sccmとし、圧力
は、1mTorrとした。マイクロ波パワーは、1.5
kWとした。
【0053】比較例として、酸素単体でプラズマを発生
させて、内筒管の温度変化を同様に測定した。プラズマ
発生の条件は次の通りである。酸素ガスの流量は、50
sccmとし、圧力は、1mTorrとした。マイクロ
波パワーは、1.5kWとした。
【0054】図2は、内筒管の温度の時間変化を示すグ
ラフである。内筒管を200℃に昇温するのに要する時
間は、比較例では20分であるのに対し、本発明例では
7分と大幅に短縮された。
【0055】次に、酸素とヘリウムの混合ガスの酸素ガ
ス比率を変えて、内筒管を200℃まで昇温するのに要
する時間(昇温時間)を測定した。プラズマ発生の条件
は次の通りである。酸素とヘリウムのトータル流量は5
0sccmとし、圧力は、1mTorrとした。マイク
ロ波パワーは、1.5kWとした。
【0056】図3は、混合ガス中の酸素ガス比率に対す
る内筒管の昇温時間の変化を示すグラフである。ヘリウ
ムガス単体の場合(酸素ガス比率:0%)のとき、昇温
時間は約25分であり、酸素ガス100%の場合よりも
少し長い。酸素ガス比率を徐々に増加するにつれて昇温
時間は急激に短縮され、酸素ガス比率が10%を超える
と10分以下となり、従来の半分以下に短縮される。し
かし、酸素ガス比率が50%を超えると、昇温時間短縮
の効果が小さくなる。したがって、混合ガス中の酸素ガ
ス比率を10%から50%の範囲内にすることにより、
プラズマ放電による内筒管の昇温時間を大幅に短縮でき
る。特に、混合ガス中の酸素ガス比率を20%から40
%の範囲内にすることにより、昇温時間を特に短縮でき
ることが確認できた。
【0057】また、ならし放電として、酸素とヘリウム
の混合ガスのプラズマを用いて、内筒管を加熱した場
合、フッ化炭素系ガスのプラズマを用いたときのような
パーティクル数の増加の現象は見られなかった。
【0058】
【発明の効果】本発明のプラズマ処理方法は、低温の内
筒管への反応生成物の初期付着を抑え、しかも内筒管を
昇温する時間を短縮することができる。その結果、例え
ば炭素比率が大きいフッ化炭素系ガスを用いるエッチン
グなどにおいても、短時間でならし放電を行うことがで
き、プラズマ処理のスループットを向上させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプラズマ処理方法による内筒管の温度
変化を示すグラフである。
【図2】内筒管の温度の時間変化を示すグラフである。
【図3】混合ガス中の酸素ガス比率に対する内筒管の昇
温時間の変化を示すグラフである。
【図4】内筒管を備えるプラズマ処理装置を示す模式的
縦断面図である。
【符号の説明】
11 プラズマ生成室 11a 上部壁 11b マイクロ波導入窓 12 導波管 13 磁場発生コイル 14 試料室 14a ガス導入管 14b ガス導入管 14c 排気口 15 試料台 15a 高周波電源 16a ゲートバルブ 16b 搬送ロボット 17 カセット室 21 内筒管 22 マイクロ波導入上板 60 試料カセット 61a ダミー試料 61b、61c、61d、61e 試料

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応容器内に設けられた内筒管内でプラズ
    マを発生させ、このプラズマにより試料を処理するプラ
    ズマ処理方法であって、処理前に酸素と不活性ガスの混
    合ガスを導入しプラズマ放電させることにより前記内筒
    管を加熱することを特徴とするプラズマ処理方法。
JP28647496A 1996-10-29 1996-10-29 プラズマ処理方法 Pending JPH10130872A (ja)

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