JPH10130815A - 蒸着薄膜形成装置 - Google Patents

蒸着薄膜形成装置

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JPH10130815A
JPH10130815A JP28522996A JP28522996A JPH10130815A JP H10130815 A JPH10130815 A JP H10130815A JP 28522996 A JP28522996 A JP 28522996A JP 28522996 A JP28522996 A JP 28522996A JP H10130815 A JPH10130815 A JP H10130815A
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JP
Japan
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cooling
substrate
deposited
base
vapor
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JP28522996A
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Takashi Chiba
隆嗣 千葉
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト高とならず、かつ基板が切れ易くなる
ことがなく、熱負けを抑えて、歩留まりを向上させるこ
とのできる蒸着薄膜形成装置を提供すること。 【解決手段】 ベース2が蒸着される成膜室32を区画
している真空槽20の内部に、一方向に移動するベース
2を巻装し成膜室32に一部が臨む冷却キャン12を配
設し、この冷却キャン12の下方に位置する成膜室32
に、ルツボ14に内設され電子線Rによって蒸発させら
れる蒸発物質13を設ける。更に、蒸発物質13の蒸着
を抑止する遮蔽マスク15、16を冷却キャン12の近
傍に設け、成膜室32の上流に、すなわち遮蔽マスク1
5の近傍に、表面を被覆しているゴム部17bの弾力に
よりベース2を冷却キャン12側に押圧し、中空部18
に冷媒が流れることによりベース2の熱い蒸発物質13
が蒸着される面を冷却する冷却タッチロール17を設け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸着により薄膜を
形成する装置に関し、特に磁気テープなどの製造時にお
いて、一方向に移動する基板に、蒸着によって薄膜を形
成する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸着テープは、蒸着によって金属磁性材
料を基板上に付着、堆積させて磁性層を形成したテープ
である。従って、接着剤などの余分な塗布剤が不要であ
るので、高域特性の改善とテープの薄膜化が期待でき
る。しかしながら、この蒸着テープは、基板すなわち、
ベース上に金属磁性材料でなる蒸発物質が蒸着するとき
にこの蒸発物質の熱がベースに伝達されるため、その一
部が溶ける(場合によってはベースに穴が開き、ベース
が切れる)という現象、所謂、熱負けが生じる。この熱
負けは、蒸着テープの製造において、歩留まりを低下さ
せる原因の一つとなっている。
【0003】そこで、通常、蒸着が行われる際には、ベ
ースは冷却効果を持つ冷却支持体に当接されている。す
なわち、蒸発物質の熱を受ける面の冷却という点では効
果的ではないが、ベースの蒸着される面とは反対側の面
が冷却された状態で蒸着が行われる。しかしながら、何
らかの原因(例えばベースの表面の凹凸形状など)によ
り、冷却支持体とベースとの間に隙間ができると、熱負
けが発生しやすくなる。そこで、熱負けが発生しないよ
うに、冷却支持体の温度を更に下げたり、ベース張力を
強めて冷却支持体への密着性を上げたりする方法が行わ
れていた。しかしながら、冷却支持体の温度を下げると
いうのは、機械的に限界があり、またコスト高となる。
なおまた、ベース張力を強めると、ベースが切れ易くな
るという問題が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題に
鑑みてなされ、ベースが切れ易くコスト高となるという
問題を生ぜずに、薄膜が蒸着される基板の熱負けの発生
を抑えて、歩留まりを向上させ、そして生産性を向上さ
せることのできる蒸着薄膜形成装置を提供することを課
題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】以上の課題は、非磁性材
料で成り一方向に移動する基板(例えば、実施例の2:
以下、同様)と、該基板(2)に当接して、該基板
(2)を冷却する冷却支持体(12)と、該冷却支持体
(12)の下方に位置し、金属磁性材料でなる蒸発物質
(13)と、該蒸発物質(13)を蒸発させる蒸発源
(14、34、35)と、前記蒸発物質(13)の蒸着
を抑止するために前記冷却支持体(12)の近傍に配設
される遮蔽マスク(15、16)と、前記基板(2)、
前記冷却支持体(12)、前記蒸発物質(13)、前記
蒸発源(14、34、35)及び前記遮蔽マスク(1
5、16)を内設している真空槽(20)とを少なくと
も具備している蒸着薄膜形成装置において、前記基板が
蒸着される位置(32)のすぐ上流に、前記基板(2)
を前記冷却支持体(12)側に押圧し、前記基板(2)
の前記蒸発物質(13)が蒸着される面を冷却する冷却
装置(17)を設けることを特徴とする蒸着薄膜形成装
置(10)、によって解決される。
【0006】すなわち、冷却装置が、基板を冷却支持体
側に押圧するので、基板の張力を強くせずとも、基板の
冷却支持体への密着性が向上する。従って、基板が切れ
易くなるという問題を生ぜずに、基板の蒸着される面と
反対側の面の冷却効果を高くすることができる。また、
冷却装置が、基板が蒸着される位置のすぐ上流に配設さ
れて、基板の蒸発物質が蒸着される面を冷却するので、
すなわち金属磁性材料で成る熱い蒸発物質の熱を受ける
直前に、その熱を受ける側の面を直接、冷却することが
できるので、蒸着される面が低い温度を保ったまま、熱
を受ける。従って、ベースが切れ易くコスト高となると
いう問題を生ぜずに、熱負けの発生を低く抑えることが
でき、歩留まりを向上させることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】真空槽の内部に、非磁性材料で成
り一方向に移動する基板と、この基板に当接して、基板
を冷却する冷却支持体と、冷却支持体の下方に位置し、
金属磁性材料でなる蒸発物質と、蒸発物質を蒸発させる
蒸発源(物質に熱エネルギーを与えて、蒸発させるため
の機構)と、蒸発物質の蒸着を抑止するために冷却支持
体の近傍に配設される遮蔽マスクとを配設し、更に、基
板が蒸着される位置のすぐ上流に、基板を冷却支持体側
に押圧し、基板の蒸発物質が蒸着される面を冷却する冷
却装置を設ける。この冷却装置によって、基板の冷却支
持体への密着度が向上し、蒸着される面と反対側の面か
らの冷却効果を高めることができ、それと同時に、蒸着
される直前で、基板の蒸発物質の熱の伝達を受ける表面
が直接、冷却されるので、蒸着される面は一層、冷却さ
れる。従って、熱負けを抑えることができ、歩留まりを
向上させることができる。なお、この冷却装置の配設す
る位置を、基板が蒸着される位置の近くにすればする
程、電子線により加熱、蒸発された熱い蒸発物質の熱の
伝達を受ける基板の冷却効果は高くなり、効果的に熱負
けを抑制することができる。
【0008】また、冷却装置が中空のローラであり、ロ
ーラを支持するアームに、ローラの中空部と連通する空
間が形成され、空間を介して中空部に冷媒が流れるよう
にすれば、簡単な構造で、基板の蒸着される面を冷却す
ることができる。また、冷却装置が中空のローラである
ので、すなわち基板と当接する面が回転するので、一方
向に移動する基板と冷却装置との間の摩擦が生じにく
く、基板が摩擦によるダメージをほとんど受けない。ま
た、ローラの基板を圧接する表面が、薄いゴムで被覆さ
れているようにすれば、摩擦の影響を一層、小さくしな
がら、冷却効果を低下させることがない。また、この場
合には、外周を被覆するゴムの弾性力によって、基板が
押圧されるので、すなわち簡単な構成で、基板を冷却支
持体側に押圧させることもできる。なおまた、中空部に
流れる冷媒の温度が低い程、その熱負けの数は小さくな
るが、冷媒の温度をマイナス10℃以下とすれば、熱負
けを充分に抑制することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図1乃至図
3を参照して説明する。
【0010】図1は、本発明の蒸着薄膜形成装置を示す
が、これは連続巻き取り式の蒸着装置であり、全体とし
て10で示されている。この蒸着薄膜形成装置10は真
空槽20で覆われており、この真空槽20は、バルブ2
1、36を介して図示しない真空ポンプに接続されてい
る。真空槽20の内部は、隔壁20a、20b、20c
によって、供給・巻取室31と、成膜室32と、電子線
通過室33とに区画されており、成膜室32は供給・巻
取室31と電子線通過室33とに連通している。
【0011】供給・巻取室31には、巻装しているベー
ス2を冷却する冷却キャン12が設けられている。この
冷却キャン12は、直径が約0.9m〜1.5m程度の
ローラであり、内部は公知の構造をし、すなわち(図示
しないが)冷媒が流れて、例えば−20℃に冷却されて
いる。なお、冷却キャン12に冷却されるベース2は、
供給ローラ23から引き出された後、ローラ29を介し
て冷却キャン12に巻装され、冷却キャン12に当接し
たまま蒸着室32を通過し、更にローラ28を介して巻
取りローラ22に巻き取られる。
【0012】冷却キャン12は、巻装されているベース
2の一部が成膜室32に臨むように設けられているが、
この冷却キャン12の左側下方、すなわち成膜室32
は、ルツボ14が配設されている。このルツボ14に
は、金属磁性材料(例えばコバルト100%)で成る蒸
発物質13が内設されており、電子線Rが照射されるこ
とによって、すなわち公知の電子線蒸着法により加熱さ
れ、本実施例では100m/minの蒸着速度で蒸発さ
せられる。なお、この電子線Rは、真空槽20に設けら
れた電子銃34から発射され、電子線通過室33に配設
されている磁石35で曲げられて、蒸発物質13に照射
される。
【0013】更に、冷却キャン12の近傍には、遮蔽マ
スク15、16が設けられている。遮蔽マスク15は、
隔壁20bに一体的に設けられ、供給・巻取室31と成
膜室32とを区画している壁の一部であり、後述する冷
却タッチロール17に蒸発物質13が蒸着しないように
している。一方、遮蔽マスク16も真空槽20に設けら
れた壁であり、冷却キャン12に巻装されたベース2に
蒸発物質13が蒸着しないように、すなわちベース2に
蒸着される範囲を定めるために設けられている。遮蔽マ
スク16は、その傾斜角度ψを変えることで、蒸着の終
わりの入射角度θ2 を可変とし、本実施例では、その入
射角度θ2 が45度となるように固設されている。な
お、このときのベース2に蒸着される初めの入射角度θ
1 は90度であるので、ベース2は、入射角度θ1 の位
置Pから入射角度θ2 の位置P’までの間で蒸発物質1
3が蒸着される。更に、遮蔽マスク16と冷却キャン1
2との間には、バルブ24を介して図示しない02 ボン
ベに接続する酸素導入管27が配設され、その酸素噴出
口27aは、ベース2に蒸発物質13が蒸着される位置
の方向に向いている。
【0014】供給・巻取室31の遮蔽マスク15の近傍
には、すなわち冷却キャン12に巻装されたベース2が
蒸着される成膜室32の上流には、冷却タッチロール1
7が配設されている。この冷却タッチロール17は、両
端部がアーム19に支持された中空のローラであり、そ
の詳細は図2及び図3に示されている。冷却タッチロー
ル17は、図2に示すように、中空部18を有し、外径
φS が例えば98mmで厚みts が5mm程度のSUS
製の本体部17aでなり、その外周は厚みtgが1mm
程度のゴム部17bで被覆されている。従って、本実施
例の冷却タッチロールの外径φは100mmであり、中
空部18の外径は88mmである。
【0015】また、冷却タッチロール17の両端を支持
するアーム19は、L字形の管形状をしており、その一
端部19bは径が大きくなって、冷却タッチロール17
の中空部18に、ベアリング37及び図示しないシール
リングを介して、挿入されている。また、アーム19の
空間19aは、図3で示すように、中空部18と連通
し、空間19a及び中空部18には、例えばフロンなど
の冷媒が真空槽20の外方から一方向(例えば矢印Bで
示す方向)に流れており、圧接するベース2を冷却す
る。
【0016】更に、図1で示されるように、供給・巻取
31内の冷却キャン12と巻取りローラ22との途中
には、蛍光灯25が配設されている。この蛍光灯25
は、蒸発物質13が蒸着されたベース2を、ベース2側
から照射するものである。そして、光を照射されてい
る、蒸着されたベース2が目視できるように、真空槽2
0にはガラス窓30が設けられている。すなわち、矢印
Cの方向から、照射された(蒸着後の)ベース2を目視
すると、熱負けした箇所は他の部分より色が薄く見える
ため、熱負けを観測できる。従って、蛍光灯25は、熱
負けしている箇所を観測するために配設されている。
【0017】以上、本発明の蒸着薄膜形成装置10の構
造について説明したが、次にその作用について説明す
る。
【0018】まず、供給ローラ23に、例えば幅30c
m、厚さ5μmのPET(ポリエチレンテレフタレー
ト)でなるベース2のロールがセットされた後、ベース
2はローラ29、冷却キャン12、ローラ28に巻装し
て、供給ローラ23から巻取りローラ22に張設され
る。そして、冷却タッチロール17をベース2に圧接さ
せると、冷却タッチロール17のゴム部17bの弾性力
で、ベース2は冷却キャン12側に押圧される。この
後、バルブ21、36を開いて、図示しない真空ポンプ
で真空槽20の内部を1×10-2Pa以下に真空引きす
る。ただし、成膜室32は供給・巻取室31よりもやや
高い真空度にする。そして、冷却タッチロール17に冷
媒を流し(場合によっては、もっと早くから冷媒を流
す)、酸素導入管27から、例えば500cc/min
の流量で酸素を供給する。更に、電子銃34から発射さ
れる電子線Rは磁石35で曲げられて、ルツボ14に収
容されている金属磁性材料で成る蒸発物質13に照射
し、蒸発物質13を加熱して蒸発させる。そして、ベー
ス2を、3kg/120mmの張力を保ったまま、矢印
Aで示される方向に約50m/minの速度で移動させ
る。
【0019】供給ローラ23から引き出されたベース2
は、ローラ29を通過した後、冷却キャン12に至り、
冷却キャン12に、その蒸着される面と反対側の面が当
接して、冷却される。その後、ベース2は、成膜室32
のすぐ上流に至り、冷却タッチロール17と冷却キャン
12との間で挟圧される。すなわち、冷却タッチロール
17によって、ベース2は蒸着される面と反対側の面を
冷却する冷却キャン12側にゴム部17bの弾性力で押
圧され、同時に、蒸着される面も冷却される。その直後
に、ベース2は、冷却キャン12に当接されながら、ベ
ース2の成膜室32に至り、入射角度θ1 (本実施例で
は90度)から入射角度θ2 (本実施例では45度)ま
での角度で斜め蒸着される。これによりベース2には、
蒸発物質13が100nm程度の膜厚で成膜されて磁性
層を有する蒸着磁気テープとなり、ローラ28を通過し
て巻取りローラ22に巻き取られる。
【0020】このとき、本発明の蒸着薄膜形成装置10
を用いて生成された蒸着磁気テープに発生する熱負けの
数を、ガラス窓30から1分間観察して熱負けの数をカ
ウントした。すなわち、ベース2の幅は30cmであ
り、その送り速度は50m/minであるので、1.5
2 の面積に対しての熱負けの数をカウントした。ま
た、従来のように冷却装置を設けないとき、すなわち冷
却タッチロール17の中空部18を流れる冷媒を常温
(ここでは23℃とする)としたときに発生する熱負け
の数も併せて表1に示す。なお、これらの測定は、それ
ぞれ5回ずつ行った。なおまた、熱負けしている部分の
大きさは、大きくとも2〜3mm程度である(これ以上
大きい場合には、磁気テープ1が切れる)。
【0021】
【表1】
【0022】また、表1から求められた平均値を図4に
示す。この図4から明らかなように、従来、10個程
度、発生していた熱負けは、冷却タッチロール17を流
れる冷媒の温度が低くなる程、その発生が抑えられてい
る。すなわち、本発明を用いた蒸着薄膜形成装置10で
は、確実に、熱負けを抑制できる。また、冷却タッチロ
ール17の中空部18を流れる冷媒の温度をマイナス1
0℃以下とすると、熱負けの数は平均で2個程度とな
り、熱負けが充分に抑制される。
【0023】本発明は、べース2が蒸着される蒸着室
のすぐ上流に、ベース2を冷却キャン12側に押圧
し、ベース2の蒸発物質13が蒸着される面を冷却する
冷却タッチロール17を設けたので、熱い蒸発物質13
が蒸着される直前に、ベース2の蒸着される面を充分に
冷却することができる。従って、熱負けの発生を抑制す
ることができる。また、本実施例では、冷却装置である
冷却タッチロール17は、中空のローラでなり、このロ
ーラを支持するアームの、中空部18と連通する空間
9aを介して、冷媒が流れるので、簡単な構造で、ベー
ス2を冷却することができる。更に、本実施例では、中
空のローラの外周が薄いゴムで覆われているので、冷却
タッチロール17とベース2との間の摩擦を少なくでき
るとともに、これにより冷却キャン12側に基板を押圧
しており、そのためベース2の蒸着される面とは反対側
の面からの冷却効果を高めることができる。
【0024】以上、本発明の実施例について説明した
が、勿論、本発明は、これに限定されることなく、本発
明の技術的思想に基づいて、種々の変形が可能である。
【0025】例えば、上記実施例では、蒸着時にベース
2を支持する冷却キャン17が矢印Aの方向に回転する
ので、ベース2が蒸着される上流、すなわち遮蔽マスク
15の近傍に設けたが、矢印Aで示される方向と反対に
回転するような冷却支持体の場合には、すなわちベース
2が逆方向に移動する場合には、ベース2が蒸着される
位置のすぐ上流、すなわち酸素供給管27と冷却キャン
12との間の隙間を大きくし、この隙間に冷却装置
を設けるようにすればよい。また、この場合に、酸素供
給管27は、その酸素噴出口27aがベース2に蒸発物
質13が蒸着される位置(すなわち成膜室32)の方向
に向けば、例えば遮蔽マスク15の近傍に設けるように
してもよい。更に、上記実施例では、冷却装置である冷
却タッチロール17は1つだけしか設けなかったが、複
数設けてもよい。なお、この際には、なるべく蒸着がさ
れる位置に近いところに、すなわち成膜室32直前に冷
却タッチロール17を配設させれば、冷却された表面の
温度上昇が少ない状態で、ベース2の蒸着面に蒸発物質
13が蒸着されることになるので、冷却効果が高くな
る。
【0026】また、連続巻取り式は、図1に示した方法
以外のものでもよく、例えば図5又は図6に示すような
斜め蒸着を行う蒸着薄膜形成装置40、50としてもよ
い。すなわち、図5に示される蒸着薄膜形成装置40
は、供給ローラ及び巻取りローラとなるローラ41、4
2を有し、ローラ41、42の間に、非磁性材料でなり
矢印Dで示される方向に移動する基板2’の上面に当接
して、基板2’を冷却する冷却支持体52が配設されて
いる。この冷却支持体52の下方には、ルツボ14’に
内設された蒸発物質13’が設けられており、公知の方
法で蒸発させられている。また、冷却支持体52の近傍
には、蒸発物質13’の蒸着を抑止するために、すなわ
ち基板2’に蒸着される範囲(大きい入射角度θ’と小
さい入射角度θ”)を定める遮蔽マスク53、54が配
設されている。更に、基板2’が蒸着される位置(位置
1 から位置P2 までにあるときに蒸着される)のすぐ
上流に、冷却装置17’が配設されている。このような
蒸着薄膜形成装置40としても、本発明の効果は得られ
る。なお、基板2’が矢印Dで示される方向と反対の方
向(一点鎖線の矢印Eで示される方向)に基板2’が移
動する場合には、基板2’に蒸着される位置のすぐ上流
に、すなわち一点鎖線で示されるように冷却装置17’
を配設すればよい。また、図6に示される蒸着薄膜形成
装置50では、例えば矢印Fで示される方向に移動する
基板を当接した冷却支持体52’がローラ41、42の
間に配設され、その冷却支持体52’の近傍に遮蔽マス
ク55、56、57が配設されて、更に基板2’が蒸着
される位置(位置P3 から位置P4 まで、位置P5 から
位置P6 までに蒸着される)のすぐ上流に、冷却装置1
7”が配設されるようにしてもよい。また、遮蔽マスク
57と冷却支持体52’との間S’に、すなわち位置P
5 から位置P6 までに行われる蒸着のすぐ上流に、冷却
装置17”を配設するようにしてもよい。なお、遮蔽マ
スク53、54、55、56、57は、基板への蒸着を
抑止する、すなわち蒸着する範囲を定めるだけではな
く、冷却装置17’、17”への蒸着も抑止する。ま
た、蒸着は斜め蒸着を対象に説明したが、一方向に移動
する基板に蒸着薄膜を形成するための装置であれば、他
の蒸着装置に冷却装置を設けても、本発明の蒸着薄膜形
成装置は得られる。
【0027】更に、本実施例の冷却装置である冷却タッ
チロール17は、両端部をアーム19に支持された中空
のローラであり、アーム19の空間19aとローラの中
空部18とを連通させて、ここに冷媒が流れるような構
造とし、またベース2と当接する表面がゴム部17bで
成るようにしたが、基板を冷却支持体側に押圧し、かつ
基板の蒸発物質が蒸着される面を、その面側から冷却す
る構造をもつ冷却装置であれば、例えば、基板と当接す
る面がゴムでなるがローラでない冷却装置であってもよ
い。なおまた、蒸発源側に面している外面に蒸発物質が
蒸着しても問題が生じないような冷却装置であれば、そ
の外面が蒸着物質の蒸着を抑止するための遮蔽マスクと
して働くので、冷却装置側に別個に遮蔽マスクを設けず
ともよい。更に、上記実施例では、冷却タッチロール1
7は、ゴム部17bの弾性力により基板を冷却支持体で
ある冷却キャン12に押圧したが、他の方法、例えば、
ばねを有した冷却装置として、ばねの弾性力により基板
を押圧するようにしてもよい。
【0028】また、上記実施例では、基板であるベース
2はPETでなるが、非磁性材料であれば、他の材質で
もよく、また蒸着させる蒸発物質の金属磁性材料として
コバルトを使用したが、これも他の金属磁性材料を用い
てもよい。なお上記実施例では、電子ビームを用いた方
法で蒸発物質を加熱し蒸発させたが、他の方法、例えば
高周波誘導加熱や抵抗加熱を用いてもよい。
【0029】
【発明の効果】以上、述べたように、本発明の蒸着薄膜
形成装置は、基板に蒸発物質が蒸着される位置のすぐ上
流で、電子線により加熱、蒸発させられた熱い蒸発物質
の熱の伝達を受ける基板の蒸着面が、その蒸着される面
側から冷却され、それと同時に(基板が冷却支持体側に
押圧されるので)この蒸着される面とは反対側の面から
の冷却効果を高めることができる。従って、基板に蒸発
物質が蒸着される際に発生する熱負けを抑えることがで
きるので、歩留まりが向上し、生産性を向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着薄膜形成装置の正面図である。
【図2】本発明における要部の拡大部分断面図である。
【図3】本発明における冷却装置の斜視図である。
【図4】本発明における冷却装置に流れる冷媒の温度と
発生した熱負けの数との関係を示す図である。
【図5】本発明の第1変形例を示す図である。
【図6】本発明の第2変形例を示す図である。
【符号の説明】
2……ベース、2’……基板、10……蒸着薄膜形成装
置、12……冷却キャン、13、13’……蒸発物質、
14、14’……ルツボ、15、16……遮蔽マスク、
17……冷却タッチロール、17a……本体部、17b
……ゴム部、17’、17”……冷却装置、18……中
空部、19……アーム、19a……空間、20……真空
槽、32……成膜室、34……電子銃、35……磁石、
52、52’……冷却支持体、53、54、55、5
6、57……遮蔽マスク、R……電子線。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性材料で成り一方向に移動する基板
    と、 該基板に当接して、該基板を冷却する冷却支持体と、 該冷却支持体の下方に位置し、金属磁性材料で成る蒸発
    物質と、 該蒸発物質を蒸発させる蒸発源と、 前記蒸発物質の蒸着を抑止するために前記冷却支持体の
    近傍に配設される遮蔽マスクと、 前記基板、前記冷却支持体、前記蒸発物質、前記蒸発源
    及び前記遮蔽マスクを内設している真空槽とを少なくと
    も具備している蒸着薄膜形成装置において、 前記基板が蒸着される位置のすぐ上流に、 前記基板を前記冷却支持体側に押圧し、前記基板の前記
    蒸発物質が蒸着される面を冷却する冷却装置を設けるこ
    とを特徴とする蒸着薄膜形成装置。
  2. 【請求項2】 前記冷却装置が中空のローラであり、 該ローラを支持するアームに、前記ローラの中空部と連
    通する空間が形成され、 該空間を介して前記中空部に冷媒が流れるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載の蒸着薄膜形成装置。
  3. 【請求項3】 前記ローラの前記基板を圧接する表面
    が、薄いゴムで被覆されていることを特徴とする請求項
    2に記載の蒸着薄膜形成装置。
  4. 【請求項4】 前記冷媒の温度が、マイナス10℃以下
    であることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の
    蒸着薄膜形成装置。
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