JPH10130480A - ポリエステル樹脂組成物及び減圧採血管 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及び減圧採血管

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JPH10130480A
JPH10130480A JP8301185A JP30118596A JPH10130480A JP H10130480 A JPH10130480 A JP H10130480A JP 8301185 A JP8301185 A JP 8301185A JP 30118596 A JP30118596 A JP 30118596A JP H10130480 A JPH10130480 A JP H10130480A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガスバリヤ性、機械的強度、透明性に優れ
たポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレート単位が100〜
75モル%であるポリエチレンテレフタレート系重合体
(A)10〜90重量部と、エチレンイソフタレート単
位が50〜92モル%、エチレンテレフタレート単位が
5〜47モル%及びエチレンー2,6−ナフタレート単
位が3〜45モル%であり、酸素透過係数が3.0cc
・mm/m2・day・atm以下である共重合ポリエ
ステル(B)90〜10重量部とを含有することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は透明性、ガスバリヤ
性、紫外線遮断性等に優れたポリエステル樹脂組成物及
びポリエステル樹脂組成物を用いて成形された有底管体
からなる減圧採血管に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、エチレンテレフタレート単位
を主構成単位とするポリエチレンテレフタレート系重合
体(以下PETと記す)は、機械的強度、透明性、ガス
バリヤ性、衛生性等に優れた特性を有することから、包
材、容器等の成形品等として広く使用されている。
【0003】しかしながら、かかるPET包材や容器は
酸素等に対するガスバリヤ性が必ずしも十分ではなく、
保存が長期に及んだり、容器が小さい場合、さらに高ガ
スバリヤ性が要求される場合等には、内容物が変質する
等満足出来るものではなかった。また、内容物が観察出
来るためには包材、容器が透明であることが必須であ
り、このような場合には紫外線による内容物の劣化、変
色等の防止も要求されている。
【0004】PET包材や容器等のガスバリヤ性を改良
する方法としては、PETよりガスバリヤ性に優れたエ
チレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂等
を積層する方法が考えられているが、これらの樹脂はP
ETとの接着性が悪いのでPETとの多層構造体を延伸
した場合、層間剥離が起こりガスバリヤ性が低下する可
能性がある。また、PETとこれらの樹脂は相溶性が悪
く、成形不良の多層成形品をバージン原料に混合して透
明な成形体を得るために再使用することが出来ない。
【0005】また、PETにポリエチレンイソフタレー
ト又はその共重合体等を混合使用する方法(特開昭59
一64624号公報、特開昭59−64658号公報、
特開平1−315457号公報等)が提案されている。
しかし、これらの混合ポリエステルではガスバリヤ性が
十分ではなく、また耐熱性も不十分である。
【0006】従来から、高ガス遮断性容器特に減圧採血
管としては減圧度を長期間にわたって維持出来るので、
ガラス製のものが使用されていたが、破損しやすいこ
と、重量が重いので取り扱いにくいこと等の理由より、
最近ではプラスチック製に切り替わりつつある。減圧採
血管の有底管体を構成するプラスチックとしては、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等が挙げられる。ポリエチレンは透明性、ガスバリヤ
性が悪く特に減圧採血管の有底管体を構成するプラスチ
ックとしては満足のいくものではない。ポリプロピレン
は透明性が良いが、ポリエチレンと同様にガスバリヤ性
が悪くやはり減圧採血管の有底管体を構成するプラスチ
ックとしては満足の行くものではない。ポリエチレンテ
レフタレートは成形性、透明性に優れるが、ガスバリヤ
性が十分でなく、このため種々の改良がなされている。
【0007】特開平2−45040号公報にはポリエチ
レンテレフタレートとポリエチレンイソフタレート共重
合体との重合体組成物からの減圧採血管が提案されてい
る。しかし、この共重合体のモノマー成分の1つである
1、3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンは高
価なため得られた共重合体も高くつくこと、また、この
共重合体は耐衝撃特性が悪いため、ポリエチレンテレフ
タレートとの重合体組成物からの有底管体の耐衝撃強度
や落下強度が悪くなり発明としては不完全である。ま
た、特開平3−22294号公報にはポリエチレンテレ
フタレートとイソフタル酸、テレフタル酸、1,3−ビ
ス(2一ヒドロキシエトキシ)ベンゼン及びエチレング
リコールからのポリエステルとの重合体組成物からの真
空採血管が提案されているが、上記の特許と同様に得ら
れた有底管体の耐衝撃性等が悪く満足できるものではな
い。
【0008】前記の、有底管体がプラスチック製の減圧
採血管はガラス製の減圧採血管に比べてガスバリヤ性が
不十分なため採血管内部の減圧度が経時とともに低下
し、採血量が少なくなるという問題点を有している。こ
のため減圧採血管をガスバリヤ性が優れた包装材料によ
り真空包装して長期間保管しておく方法が採られる場合
があるが、新たな工程が必要になり、好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決し、ガスバリヤ性、機械的強度、透明性に
優れたポリエステル樹脂組成物を提供し、また製造して
からの経時的な採血量の変化が少なく、ガスバリヤ性と
優れた透明性を有する減圧採血管を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のポリエステル樹脂組成物は、エチレンテレフタ
レート単位が100〜75モル%であるポリエチレンテ
レフタレート系重合体(A)10〜90重量部と、エチ
レンイソフタレート単位が50〜92モル%、エチレン
テレフタレート単位が5〜47モル%及びエチレンー
2,6−ナフタレート単位が3〜45モル%であり、酸
素透過係数が3.0cc・mm/m2・day・atm
以下である共重合ポリエステル(B)90〜10重量部
とを含有することを特徴とする。
【0011】上記の構成からなるポリエステル樹脂組成
物は、ガスバリヤ性、機械的強度、透明性の優れたポリ
エステル樹脂組成物である。
【0012】また、本発明の減圧採血管は、密封部材を
開口部に有する有底管体からなる減圧採血管において、
有底管体が前記のポリエステル樹脂組成物からなること
を特徴とする。
【0013】上記の構成からなる減圧採血管は、経時的
な採血量の変化が少ないガスバリヤ性と優れた透明性を
有する減圧採血管である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のポリエステル樹脂
組成物及び減圧採血管の実施の形態を説明する。
【0015】本発明において、エチレンテレフタレート
単位が100〜75モル%であるポリエチレンテレフタ
レート系重合体(A)は、エチレンテレフタレート単位
を100〜75モル%含む熱可塑性ポリエステル樹脂で
あって、好ましくは、エチレンテレフタレート単位を1
00〜80モル%、更に好ましくはエチレンテレフタレ
ート単位を100〜85モル%含むポリエステルがよ
い。
【0016】前記ポリエチレンテレフタレート系重合体
(A)中のエチレンテレフタレート単位以外の単位を含
む場合に、形成する共重合成分としてのジカルボン酸成
分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6ーナ
フタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ビフ
ェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸又はこれら
のエステル形成性誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバ
チン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれ
らのエステル形成性誘導体、シクロヘキサンジカルボン
酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタ
ル酸等の脂環族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成
性誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等の
オキシ酸叉はこれらのエステル形成性誘導体が例示で
き、好ましいジカルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、又はヘキサヒドロテレフタル酸等を挙げる
ことができる。
【0017】また、前記ポリエチレンテレフタレート系
重合体(A)中のエチレンテレフタレート単位以外の単
位を含む場合に、形成する共重合成分としてのグリコー
ル成分としては、プロピレングリコール、トリメチレン
グリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレ
ングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族グリコ
ール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族
グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのア
ルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコール等のポリグリコール等が例示
でき、好ましいグリコールとしては、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、1,3−プロピレングリコールま
たはテトラメチレングリコールを挙げることができる。
【0018】さらに、前記ポリエチレンテレフタレート
系重合体(A)中のエチレンテレフタレート単位以外の
単位を含む場合に、形成する共重合成分としての多官能
化合物成分としては、酸成分としてトリメリット酸、ピ
ロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分と
してグリセリン、ペンタエリスリトール等を挙げること
ができる。以上の共重合成分を用いる場合の使用量は、
ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)が実質的に
線状を維持する程度であればよい。
【0019】前記ポリエチレンテレフタレート系重合体
(A)は、従来公知の製造方法によって製造することが
できる。即ち、テレフタール酸とエチレングリコール及
び/又は他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエ
ステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化
法又はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び
/又は他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを
留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエ
ステル交換法により製造される。更に極限粘度を増大さ
せ、アセトアルデヒド(AA)含量を低下させるため固
相重合を行ってもよい。
【0020】前記ポリエチレンテレフタレート系重合体
(A)の極限粘度(IV)は通常0.4〜1.2デシリ
ットル/g、好ましくは0.50〜1.0デシリットル
/g、より好ましくは0.52〜0.90デシリットル
/gの範囲である。
【0021】上記のエステル交換反応叉はエステル化反
応及び重縮合反応時には、触媒および安定剤を使用する
ことが好ましい。
【0022】エステル交換触媒としては、Mg化合物、
Mn化合物、Ca化合物、Zn化合物等が使用され、例
えばこれらの酢酸塩、モノカルボン酸塩、アルコラー
ト、酸化物等が挙げられる。また、エステル化反応は触
媒を添加せずに、テレフタール酸、エチレングリコール
及び/又は他の共重合成分のみで実施することが可能で
あるが、後述の重縮合触媒の存在下に実施することも出
来る。
【0023】重縮合触媒としては、Ge化合物、Ti化
合物、Sb化合物等が使用可能であり、例えば、二酸化
ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアル
コラート、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライ
ソプロポキサイド、蓚酸チタン等が挙げられる。また、
安定剤としては、リン化合物を用いることが好ましい。
好ましいリン化合物としては、リン酸およびそのエステ
ル、亜燐酸およびそのエステル、次亜燐酸およびそのエ
ステル等が挙げられる。また、エステル化反応時には、
ジエチレングリコールの副生を抑制する為にトリエチル
アミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニ
ウム等の水酸化第4級アンモニウム、炭酸ナトリウム等
の塩基性化合物を添加することも出来る。
【0024】また、前記ポリエチレンテレフタレート系
重合体(A)には熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止
剤、耐候性安定剤、滑剤、染料、顔料、分散剤等を本発
明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0025】本発明において、エチレンイソフタレート
単位が50〜92モル%、エチレンテレフタレート単位
が5〜47モル%及びエチレンー2,6−ナフタレート
単位が3〜45モル%であり、酸素透過係数が3.0c
c・mm/m2・day・atm以下である共重合ポリ
エステル(B)は、エチレンイソフタレート単位が50
〜92モル%、好ましくは70〜90モル%、さらに好
ましくは72〜90モル%、エチレンテレフタレート単
位が5〜47モル%、好ましくは5〜30モル%、さら
に好ましくは5〜20モル%、エチレン−2,6−ナフ
タレート単位が3〜45モル%、好ましくは3〜30モ
ル%、さらに好ましくは3〜14モル%を共重合したポ
リエステル樹脂であって、シート状に成形して測定した
酸素透過係数が3.0cc・mm/m2・day・at
m以下である。エチレンイソフタレート単位が50モル
%より少ない場合はガスバリヤの効果が得られず、本発
明のガスバリヤ性の優れたポリエステル樹脂組成物が得
られない。また、エチレンテレフタレート単位が5モル
%より少ない場合は、前記ポリエチレンテレフタレート
系重合体(A)と押し出し機で溶融混合させる場合に、
前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)との相
溶性が悪いため成形品が白濁し、透明性の優れた成形品
等が得られず、またエチレン−2,6−ナフタレート単
位が3モル%より少ない場合は、紫外線遮断性の効果が
得られない。
【0026】また、エチレンイソフタレート単位とエチ
レンテレフタレート単位の合計が85〜97モル%で、
エチレン−2,6−ナフタレート単位が3〜14モル%
を共重合したポリエステル樹脂で、上記の特性を持つポ
リエステル樹脂が減圧採血管として最適である。
【0027】本発明において用いる前記共重合ポリエス
テル(B)は、該構成成分が前記の範囲を満たしている
限りにおいて、前記ポリエチレンテレフタレート系共重
合体(A)の共重合成分として例示した化合物を使用す
ることができ、特に酸成分の一部を少量のへキサヒドロ
テレフタル酸、へキサヒドロイソフタル酸、ヒドロキシ
安息香酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテ
ルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、フ
ェノキシエタンジカルボン酸、3,5−ジカルボキシベ
ンゼンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、
セバシン酸等及びそれらのエステル形成誘導体の一種又
は二種以上と置き換えることもできる。
【0028】また、エチレグリコールの一部を少量のジ
エチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、プ
ロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラ
メチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキ
サメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリ
アルキレングリコール、例えぱポリエチレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等の一種又は二種以上と置き換えてもよい。さ
らに、多官能化合物からなるその他の共重合成分、例え
ば酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸を挙
げることが出来る。以上の共重合成分の使用量は、共重
合ポリエステル樹脂(B)が実質的に線状を維持する程
度でなければならない。
【0029】本発明において用いる、前記共重合ポリエ
ステル(B)は、例えばイソフタル酸もしくはそのエス
テル形成性誘導体、テレフタル酸もしくはそのエステル
形成性誘導体、2,6−ナフタレンジカルボン酸もしく
はそのエステル形成性誘導体及びエチレングリコールを
用いて触媒の存在下でエステル交換反応又はエステル化
反応を行なわせ、次いで減圧下において重縮合反応を行
なわせることにより製造することが出来る。
【0030】本発明において用いる共重合ポリエステル
樹脂(B)の極限粘度(IV)は、溶融押し出しが可能
な範囲で、本発明において用いられる前記ポリエチレン
テレフタレート系重合体(A)との溶融混合性、得られ
る成形品の要求機械的特性等により適宜定めるが、通常
IV=0.4〜1.0デシリットル/g、好ましくは、
0.5〜0.85デシリットル/gの範囲である。
【0031】上記のエステル交換反応又はエステル化反
応及び重縮合反応時には、前記ポリエチレンテレフタレ
ート重合体(A)の製造に用いるために例示した触媒お
よび安定剤を使用することができる。
【0032】本発明において用いる共重合ポリエステル
(B)は、高重合度化や低アセトアルデヒド化等の目的
のために、必要に応じて加熱処理を行なっても良い。ま
た、この処理はポリエチレンテレフタレート系重合体
(A)との組成物の状態で実施しても良い。
【0033】また本発明において用いる共重合ポリエス
テル(B)には熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、
耐候性安定剤、滑剤、顔料、染料、あるいは顔料分散剤
等を本発明の目的を損なわない範囲で添加することがで
きる。
【0034】本発明のポリエステル樹脂組成物は、前記
のポリエチレンテレフタレート系重合体(A)90〜l
0重量%と前記の共重合ポリエステル(B)10〜90
重量%、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート系重
合体(A)90〜40重量%と共重合ポリエステル
(B)10〜60重量%とから構成される。
【0035】共重合ポリエステル樹脂(B)がl0重量
%未満の楊合は、ガスバリヤ性が十分でなく、また、9
0重量%を越えると成形品の耐熱性、機械的強度等が低
下し間題となる。
【0036】本発明のポリエステル樹脂組成物を得るた
めには、ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)と
共重合ポリエステル(B)を均一に混合することが出来
る公知の種々の方法を用いることが出来るが、例えぱダ
ブルコーンブレンダー、リボンブレンダー等で混合する
方法、また、このような方法で混合した両樹脂を一軸押
出機、二軸押出機、ベント式押出機等により溶融混練し
造粒する方法を採用する事も可能である。
【0037】また本発明のポリエステル樹脂組成物に
は、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性
樹脂、熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、耐候性安
定剤、滑剤、顔料、染料、コバルト等の遷移金属の塩、
あるいは顔料分散剤等を、前記組成物の構成成分のポリ
エチレンテレフタレート系重合体(A)、共重合ポリエ
ステル(B)に添加するのとは別に、本発明の目的を損
なわない範囲で添加することができる。
【0038】本発明のポリエステル樹脂組成物は延伸又
は未延伸フイルム、シート、トレイ、延伸中空容器、ダ
イレクトブロー容器、その他の包装材料、減圧採血管の
有底管体等に成形して使用することができる。
【0039】本発明のポリエステル樹脂組成物は十分な
ガスバリヤ性を有するが、酸素透過係数が3.0cc・
mm/m2・day・atm以下であるのが好ましい。
【0040】本発明のポリエステル樹脂組成物は特に有
底管体として成形して減圧採血管に使用するときに、そ
のガスバリヤ性、透明性の性質を生かせることができ、
有用である。減圧採血管は密封部材を開口部に有する有
底管体からなるが、さらに詳しくは、一端が開口し他端
が閉塞した有底管体と、該有底管体の開口部を密封する
とともに採血器具の穿刺針により刺通可能な密封部材と
からなり、管内部が減圧されている。この有底管体は、
例えば、管外直径が10〜20mmφ、管長が60〜1
70mm、肉厚が約1〜2mmのものである。
【0041】有底管体は、前記のポリエステル樹脂組成
物を射出成形、押出成形、二軸延伸成形、真空成形、圧
縮成形、パイプ押出成形、共射出成形等を行って得るこ
とができる。
【0042】このようにして得られた有底管体を用いた
減圧採血管は生化学検査、血清学検査、血液学検査、血
糖測定等の臨床検査において有用に用いる事ができる。
また、有底管体の内面に、親水性物質をコーテイングす
る親水化処理、血液坑凝固剤や血液凝固促進剤を付着さ
せる処理等を行なっても良い。
【0043】以下に、本明細書中に用いる物性値の測定
法を説明する。
【0044】(1)極限粘度(IV) フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(3
/2重量比)混合溶媒で温度30℃にて測定した。
【0045】(2)酸素透過係数 OX−TRANl00型酸素透過率測定機(MOCON
社製)により、温度25℃、相対湿度50%にて測定し
た。
【0046】(3)吸水量の経時変化 1)減圧採血管 射出成形により作成した有底管体(肉厚1.5mm、容
量10cc)を合成ゴム製の密封部材で密栓する。
【0047】2)吸水量の経時変化測定 上記の減圧採血管の内部減圧度は吸水量が6ccになる
ように設定した。この減圧採血管を室温に保管し所定期
間保管後の吸水量の変化を測定した。
【0048】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を更
に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0049】使用したポリエチレンテレフタレート系重
合体(A)及び共重合ポリエステル(B)は次の通りで
ある。
【0050】(イ)ポリエチレンテレフタレート系重合
体(A) 日本ユニペット(株)製ポリエチレンテレフタレート樹
脂(RT543:IV=O.75)(a−1)
【0051】(ロ)共重合ポリエステル(B) オートクレーブにてイソフタル酸ジメチル、テレフタル
酸ジメチル、2,6一ナフタレンジカルボン酸ジメチル
及びエチレングリコールを触媒の存在下でエステル交換
反応を行うことにより初期縮合物を製造し、この初期縮
合物を重縮合触媒の存在下において重縮合せしめること
により得た。得られた共重合ポリエステル(b−1)、
(b−2)の組成を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】上記の重合体(a−1)、(bー1)、
(b−2)をSHINTO社製プレスシート成形機にて
成形し、厚さ0.1mmの未延伸シートを得た。これら
のシートの酸素透過係数の評価結果を表1に示す。
【0054】(実施例1)ポリエチレンテレフタレート
系重合体(a−1)60重量部と共重合ポリエステル
(b−1)40重量部とをドライブレンドし、SHIN
TO社製プレスシート成形機にて成形し、厚さ0.1m
mの未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評
価結果を表2に示す。
【0055】(実施例2)ポリエチレンテレフタレート
系重合体(a−1)80重量部と共重合ポリエステル
(b−1)20重量部とをドライブレンドし、SHIN
TO社製プレスシート成形機にて成形し、厚さ0.1m
mの未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評
価結果を表2に示す。
【0056】(実施例3)ポリエチレンテレフタレート
系重合体(a−1)70重量部と共重合ポリエステル
(b−2)30重量部をドライブレンドし、SHINT
O社製プレスシート成形機にて成形し、厚さ0.1mm
の未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評価
結果を表2に示す。
【0057】(実施例4)ポリエチレンテレフタレート
系重合体(a−1)80重量部と共重合ポリエステル
(b−3)20重量部をドライブレンドし、SHINT
O社製プレスシート成形機にて成形し、厚み0.1mm
の未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評価
結果を表2に示す。
【0058】(比較例1)ポリエチレンテレフタレート
系重合体(a−1)100重量部をSHINTO社製プ
レスシート成形機にて成形し、厚さ0.1mmの未延伸
シートを得た。該シートの酸素透過係数の評価結果を表
2に示す。
【0059】
【表2】
【0060】(実施例5)ポリエチレンテレフタレート
系重合体(a−1)60重量部と共重合ポリエステル
(b−1)40重量部をドライブレンドし、東芝機械
(株)製の射出成形機にて10ccの有底管体を成形し
た。得られた有底管体を用いた減圧採血管を用いて吸水
量の経時変化を測定した。表3に結果を示す。なお、初
期における吸水量は6ccである。
【0061】(実施例6)ポリエチレンテレフタレート
系重合体(a−1)80重量部と共重合ポリエステル
(b−1)20重量部をドライブレンドし、東芝機械
(株)製の射出成形機にて10ccの有底管体を成形し
た。得られた有底管体を用いた減圧採血管を用いて吸水
量の経時変化を測定した。表3に結果を示す。なお、初
期における吸水量は6ccである。
【0062】(比較例2)ポリエチレンテレフタレート
系重合体(a−1)100重量部を使用し、東芝機械
(株)製の射出成形機にて10ccの有底管体を成形し
た。得られた有底管体を用いた減圧採血管を用いて吸水
量の経時変化を測定した。表3に結果を示す。なお、初
期における吸水量は6ccである。
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】請求項1記載の発明のポリエステル樹脂
組成物は、透明性、ガスバリヤ性、紫外線遮断性に優れ
ている。
【0065】請求項2記載の発明の減圧採血管は、経時
的な採血量の変化が少なくガスバリヤ性が優れ、かつ透
明性も優れている。
フロントページの続き (72)発明者 衛藤 嘉孝 滋賀県滋賀郡志賀町高城248番地の20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位が100〜
    75モル%であるポリエチレンテレフタレート系重合体
    (A)10〜90重量部と、エチレンイソフタレート単
    位が50〜92モル%、エチレンテレフタレート単位が
    5〜47モル%及びエチレンー2,6−ナフタレート単
    位が3〜45モル%であり、酸素透過係数が3.0cc
    ・mm/m2・day・atm以下である共重合ポリエ
    ステル(B)90〜10重量部とを含有することを特徴
    とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 密封部材を開口部に有する有底管体から
    なる減圧採血管において、有底管体が請求項1記載のポ
    リエステル樹脂組成物からなることを特徴とする減圧採
    血管。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6329031B1 (en) 1999-03-02 2001-12-11 Toyo Boseki Kabushiki Kaisha Polyester resin composition and reduced pressure blood-collecting tube

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