JP2003292593A - ポリエステル樹脂 - Google Patents
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Abstract
性、透明性に優れ、且つ耐衝撃性に優れるポリエステル
樹脂を提供する。 【解決手段】 環状アセタール骨格を有するポリエステ
ル樹脂であって、下記(1)ないし(3)の性状を有す
るポリエステル樹脂。 (1)示差走査型熱量計で測定されるガラス転移温度が
95℃以上である。 (2)示差走査型熱量計で測定される降温時結晶化ピー
クの熱量が5J/g以下である。 (3)直径100mm、厚さ3.2mmの円盤を直径2
cmの半球形状の錘で、衝撃エネルギー470Jで5回
測定した落錘衝撃破断強度の平均が30kJ/m以上で
あり、且つ破壊形式が5回の測定のうち4回以上延性破
壊である。
Description
位とジオール構成単位とを有するポリエステル樹脂であ
って、ジオール構成単位に環状骨格を有する、耐熱性、
透明性、及び耐衝撃性に優れたポリエステル樹脂に関す
る。
リエチレンテレフタレート(以下「PET」ということ
がある)は機械的性能、耐溶剤性、保香性、耐候性、リ
サイクル性等にバランスのとれた樹脂であり、ボトルや
フィルムなどの用途を中心に大量に用いられている。し
かしながらPETには結晶性、耐熱性に関して欠点が存
在する。すなわち、結晶性に関してはPETは結晶性が
高いため、厚みのある成形体やシートを製造しようとす
ると、結晶化により白化し、透明性が損なわれてしま
う。また、耐熱性に関してはPETのガラス転移温度は
80℃程度であるため、自動車内で使用する製品、輸出
入用の包装材、レトルト処理や電子レンジ加熱を行う食
品包装材等高い耐熱性、透明性が要求される用途には利
用できなかった。
には1,4−シクロヘキサンジメタノールで一部共重合
された変性PETやイソフタル酸で一部変性された変性
PETといった低結晶性ポリエステル樹脂が用いられて
きた。しかし、1,4−シクロヘキサンジメタノールで
一部共重合された変性PETやイソフタル酸で一部変性
された変性PETはそれぞれ透明性はPETに対して改
善されるものの、これらの樹脂のガラス転移温度は80
℃前後であり、耐熱性に劣る。
ガラス転移温度の高い、ポリエチレン2,6−ナフタレ
ートやポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフ
タレート)等のポリエステル樹脂が用いられてきた。し
かしながら、ポリエチレンナフタレートやポリ(1,4
−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)も耐熱性
は改善されるものの、結晶性が高く透明性に劣る。
では、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキ
シエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカンを重合したポリエステル樹脂が開
示されている。当該変性PETは、ガラス転移温度が高
く、また結晶性が低いため、耐熱性、透明性を同時に満
たすポリエステル樹脂であるが、特に変性率が50モル
%を越えるような変性率の高い領域では脆く、耐衝撃性
が著しく劣り、用途が制限されていた。
(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウンデカ
ンと重合可能な種々のジカルボン酸、並びにグリコール
が例示されているが、耐衝撃性に優れたポリエステル樹
脂は知られていない。
如き状況に鑑み、ガラス転移温度が高く、結晶性が低
く、すなわち、耐熱性、透明性に優れ、且つ耐衝撃性に
優れたポリエステル樹脂を提供することにある。
した結果、ジカルボン酸構成単位とジオール構成単位と
を有するポリエステル樹脂であって、ジオール構成単位
の15〜80モル%が環状アセタール骨格を有するジオ
ール単位で、2〜85モル%が脂環式ジオール単位であ
るポリエステル樹脂がガラス転移温度が高く、結晶性が
低く、耐熱性、透明性に優れ、且つ耐衝撃性に優れるこ
とを見出し、本発明に到達した。
位とジオール構成単位とを有するポリエステル樹脂であ
って、ジオール構成単位の15〜80モル%が環状アセ
タール骨格を有するジオール単位で、2〜85モルモル
%が脂環式ジオール単位であり、かつ下記(1)ないし
(3)の性状を有するポリエステル樹脂に関する発明で
ある。 (1)示差走査型熱量計で測定されるガラス転移温度が
95℃以上である。 (2)示差走査型熱量計で測定される降温時結晶化ピー
クの熱量が5J/g以下である。 (3)直径100mm、厚さ3.2mmの円盤を直径2
cmの半球形状の錘で、衝撃エネルギー470Jで5回
測定した落錘衝撃破断強度の平均が30kJ/m以上で
あり、且つ破壊形式が5回の測定のうち4回以上延性破
壊である。
発明のポリエステル樹脂のジオール構成単位中の環状ア
セタール骨格を有するジオール単位は一般式(1)また
は一般式(2)で表される化合物に由来する単位が好ま
しい。
びR2はそれぞれ独立して、炭素数が1〜10の脂肪族
基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が6〜1
0の芳香族基からなる群から選ばれる有機基、好ましく
は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン
基又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピレン
基、イソブチレン基を表す。R3は炭素数が1〜10の
脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素数が
6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基、好
ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、又はこれらの構造異性体、例えば、イソプロピル
基、イソブチル基を表す。一般式(1)及び(2)の化
合物としては、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−
ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサ
スピロ〔5.5〕ウンデカン、5−メチロール−5−エ
チル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチ
ル)−1,3−ジオキサン等が特に好ましい。
単位中の脂環式ジオール単位は特に限定されるものでは
ないが、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4
−シクロヘキサンジメタノール、1,2−デカヒドロナ
フタレンジメタノール、1,3−デカヒドロナフタレン
ジメタノール、1,4−デカヒドロナフタレンジメタノ
ール、1,5−デカヒドロナフタレンジメタノール、
1,6−デカヒドロナフタレンジメタノール、2,7−
デカヒドロナフタレンジメタノール、テトラリンジメタ
ノール、ノルボルネンジメタノール、トリシクロデカン
ジメタノール、ペンタシクロドデカンジメタノール等の
ジオール単位が挙げられ、1,4−シクロヘキサンジメ
タノール単位、ノルボルネンジメタノール単位、トリシ
クロデカンジメタノール単位、2,6−デカヒドロナフ
タレンジメタノール単位が好ましく、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール単位が特に好ましい。
ル単位、脂環式ジオール単位以外のジオール構成単位と
しては、特に制限はされないが、エチレングリコール、
トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネ
オペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチ
レングリコール等のポリエーテル化合物類;4,4’−
(1−メチルエチリデン)ビスフェノール、メチレンビ
スフェノール(ビスフェノールF)、4,4’−シクロ
ヘキシリデンビスフェノール(ビスフェノールZ)、
4,4’−スルホニルビスフェノール(ビスフェノール
S)等のビスフェノール類;前記ビスフェノール類のア
ルキレンオキシド付加物;ヒドロキノン、レゾルシン、
4,4’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシジ
フェニルベンゾフェノン等の芳香族ジヒドロキシ化合
物;及び前記芳香族ジヒドロキシ化合物のアルキレンオ
キシド付加物等のジオール単位が例示できる。ポリエス
テル樹脂の機械強度、耐熱性、入手の容易さを考慮する
とエチレングリコール単位が特に好ましい。
構成単位としては、特に制限はされないが、コハク酸、
グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、ドデカ
ンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、デカリ
ンジカルボン酸、ノルボルナンジカルボン酸、トリシク
ロデカンジカルボン酸、ペンタシクロドデカンジカルボ
ン酸、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−カルボキ
シエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン、5−カルボキシ−5−エチル−
2−(1,1−ジメチル−2−カルボキシエチル)−
1,3−ジオキサン等の脂肪族ジカルボン酸単位;テレ
フタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2−メチルテレフ
タル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナ
フタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ビフェニルジカ
ルボン酸、テトラリンジカルボン酸等の芳香族ジカルボ
ン酸単位が例示できる。ポリエステル樹脂の機械強度、
耐熱性、入手の容易さを考慮するとテレフタル酸単位、
イソフタル酸単位、2,6−ナフタレンジカルボン酸単
位が特に好ましい。
アセタール骨格を有するジオール単位を15〜80モル
%、好ましくは20〜80モル%、特に好ましくは25
〜70モル%の割合で有する。環状アセタール骨格を有
するジオール単位の割合が上記範囲の場合には、ポリエ
ステル樹脂は結晶性が低下し、ガラス転移温度が高くな
るため、高い透明性と耐熱性を有する樹脂となる。
の脂環族ジオール単位を2〜85モル%、好ましくは5
〜80モル%、特に好ましくは5〜60モル%の割合で
有する。脂環族ジオール単位の割合が上記範囲の場合に
は、ポリエステル樹脂は耐衝撃性に優れた樹脂となる。
に優れたポリエステル樹脂としては、ジオール構成単位
の15〜50モル%が環状アセタール骨格を有するジオ
ール単位であり、15〜85モル%が脂環式ジオール単
位であるポリエステル樹脂が挙げられる。
耐熱性、耐衝撃性、機械強度などを考慮するとジカルボ
ン酸構成単位及びジオール構成単位が、ジカルボン酸構
成単位がテレフタル酸単位及び/又は2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸であり、ジオール構成単位の15〜80
モル%が3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロ
キシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン単位であり、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール単位が2〜85モル%であり、エチレ
ングリコール単位が0〜83モル%であるポリエステル
樹脂が好ましい。更には、ジカルボン酸構成単位がテレ
フタル酸単位及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン
酸単位であり、かつジオール構成単位の15〜50モル
%が3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシ
エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン単位であり、15〜85モル%が
1,4−シクロヘキサンジメタノール単位であり、及び
0〜70モル%がエチレングリコール単位である請求項
2に記載のポリエステル樹脂が特に好ましい。
なわない範囲でブチルアルコール、ヘキシルアルコー
ル、オクチルアルコールなどのモノアルコール単位やト
リメチロールプロパン、グリセリン、1,3,5−ペン
タントリオール、ペンタエリスリトールなどの3価以上
の多価アルコール単位、安息香酸、プロピオン酸、酪酸
などのモノカルボン酸単位、トリメリット酸、ピロメリ
ット酸など多価カルボン酸単位、グリコール酸、乳酸、
ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、ヒドロキシ
安息香酸などのオキシ酸単位を含んでもよい。
は特に制限はなく、従来公知の方法を適用することがで
きる。例えばエステル交換法、直接エステル化法等の溶
融重合法、又は溶液重合法等を挙げることができる。エ
ステル交換触媒、エステル化触媒、エーテル化防止剤、
熱安定剤、光安定剤等の各種安定剤、重合調整剤等も従
来既知のものを用いることが出来る。
化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、増量剤、
艶消し剤、乾燥調節剤、帯電防止剤、沈降防止剤、界面
活性剤、流れ改良剤、乾燥油、ワックス類、フィラー、
着色剤、補強剤、表面平滑剤、レベリング剤、硬化反応
促進剤などの各種添加剤、成形助剤を添加することがで
きる。また、ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリロニト
リル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリアク
リル酸樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリスチレン、A
BS樹脂、ポリイミド樹脂、AS樹脂等の樹脂、オリゴ
マーを添加することもできる。
度は95℃以上であることが好ましく、より好ましくは
100℃以上である。ガラス転移温度が上記範囲内にあ
る場合、本発明のポリエステル樹脂は耐熱性に優れる。
これは、従来PETや1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、イソフタル酸で一部共重合された変性PETの耐
熱性では使用できなかった、自動車内や赤道を通過する
船倉(70〜80℃に達するといわれる)での使用が可
能となり、自動車の内装、自動車内で使用する芳香剤、
目薬などの容器、ブリスターパックなど輸出入に用いる
包装材、電子レンジ加熱やレトルト処理を行う食品包装
材等高い耐熱性が要求される用途の好適に用いることが
できる。
結晶化ピークの熱量は5J/g以下であることが好まし
く、より好ましくは3J/g以下である。降温時結晶化
ピークが上記範囲内にある場合、本発明のポリエステル
樹脂は結晶性が低く、高い透明性が要求される用途の好
適に用いることができる。
得られる厚さ3.2mmの試験片のヘイズは4%以下で
あることが好ましく、より好ましくは3%以下である。
ヘイズが上記範囲にある場合、本発明のポリエステル樹
脂は、高い透明性を示す。
強度は、直径100mm、厚さ3.2mmの円盤を用
い、直径2cmの半球形状の錘で、衝撃エネルギー47
0Jで5回測定した平均が30kJ/m以上であること
が好ましく、より好ましくは35kJ/m以上である。
また破壊形式は5回の測定のうち4回以上が延性破壊と
なることが好ましく、より好ましくは5回全てで延性破
壊する。本発明において、延性破壊とは、最大応力まで
のエネルギー(WM)を全貫通エネルギー(WT)で除し
た値(WM/WT)が0.7未満となる破壊形式をいう。
落錘衝撃破断強度が上記範囲にある場合、本発明のポリ
エステル樹脂は多くの用途で実用上十分な耐衝撃性を示
す。
オール構成単位中の環状アセタール骨格を有するジオー
ル単位と脂環式ジオール単位とをより適当な割合とする
ことにより、特に耐衝撃性に優れたポリエステル樹脂と
なる。具体的には、ジオール構成単位の15〜50モル
%が環状アセタール骨格を有するジオール単位であり、
15〜85モル%が脂環式ジオール単位である場合、耐
衝撃性が特に優れ、ASTM D265に準じて測定さ
れるアイゾット衝撃強度(ノッチ付き)が、好ましくは
30J/m以上となり、より好ましくは35J/m以上
となる。アイゾット衝撃強度(ノッチ付き)が上記範囲
にある場合、本発明のポリエステル樹脂は特に良好な耐
衝撃性を示す。
度(フェノールと1,1,2,2−テトラクロロエタン
との質量比6:4の混合溶媒を用いた25℃での測定
値)は用途に応じて適宜選択することができるが、0.
5〜1.5dl/gの範囲であることが好ましく、より
好ましくは0.6〜1.2dl/gであり、更に好まし
くは0.7〜1.0dl/gである。極限粘度がこの範
囲にある場合、ポリエステル樹脂の成形性及び機械的性
能が優れる。
に用いることができる。例えば、射出成形体、シート、
フィルム、パイプ等の押し出し成形体、ボトル、発泡
体、粘着材、接着剤、塗料等に用いることができる。更
に詳しく述べるとすれば、シートは単層でも多層でもよ
く、フィルムも単層でも多層でもよく、また未延伸のも
のでも、一方向、又は二方向に延伸されたものでもよ
く、鋼板などに積層してもよい。ボトルはダイレクトブ
ローボトルでもインジェクションブローボトルでもよ
く、射出成型されたものでもよい。発泡体は、ビーズ発
泡体でも押し出し発泡体でもよい。特に自動車内で使用
する製品、輸出入用の包装材、レトルト処理や電子レン
ジ加熱を行う食品包装材等高い耐熱性が要求される用途
に好適に用いることができる。
説明するが、本発明はこれらの実施例によりその範囲を
限定されるものではない。
エステル樹脂の評価方法は以下の通りである。 (1)環状アセタール骨格を有するジオール単位、脂環
式ジオール単位の割合 ポリエステル樹脂中の環状アセタール骨格を有するジオ
ール単位並びに脂環式ジオールの割合は、1H−NMR
測定にて算出した。測定装置は日本電子(株)製、核磁
気共鳴分光装置(型式:JNM−AL400)を使用し
て、400MHzで測定した。溶媒には重クロロホルム
を用いた。
ピーク ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tgm)は、
(株)島津製作所製、示査走査型熱量計(型式:DSC
/TA−50WS)を使用し、試料約10mgをアルミ
ニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス(30ml/mi
n)気流中昇温速度20℃/minで測定し、DSC曲
線の転移前後における基線の差の1/2だけ変化した温
度をガラス転移温度とした。降温時結晶化発熱ピークは
上記ガラス転移温度を測定後、280℃で1分間保持し
た後、10℃/分間の降温速度で降温した際に現れる発
熱ピークの面積から測定した。
3に準じて測定した。ポリエステル樹脂の射出成形で得
られた直径50mm、厚さ3.2mmの円盤を48時間
調湿後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定し
た。使用した測定装置は、日本電色工業社製の曇価測定
装置(型式:COH−300A)である。
円盤を測定試料とした。測定装置は、パーカーコーポレ
ーション社製、落錘衝撃測定試験機を用い、錘の形状は
直径2cmの半球、衝撃エネルギーは470Jで落錘衝
撃破断強度の測定を行った。また、1つのサンプルにつ
き5回の測定を行い、延性破壊と脆性破壊の回数の割合
で脆さを評価した。本発明において、延性破壊とは、最
大応力までのエネルギー(WM)を全貫通エネルギー
(WT)で除した値(WM/WT)が0.7未満となる破
壊形式である。
料とし、ASTM D265に準じて測定した。測定装
置は、上島製作所製、衝撃強度測定装置(U−F IM
PACT TESTER)を用いた。
ノールと1,1,2,2−テトラクロロエタンの混合溶
媒(質量比=6:4)120gに加熱溶解し、濾過後、
25℃まで冷却して調製した。装置は(株)柴山科学機
械製作所製、毛細管粘度計自動測定装置(型式:SS−
300−L1)を用い、温度25℃で測定を行った。
下に記す。 (1)ポリエチレンテレフタレート(PET):日本ユ
ニペット(株)製、商品名:UNIPET RT553
C (2)1,4−シクロヘキサンジメタノール変性ポリエ
チレンテレフタレート(PETG): イーストマン社
製、商品名:Eastar PETG 6763 (3)ポリエチレンナフタレート(PEN):東洋紡績
(株)製、商品名:PN−510
全縮器、コールドトラップ、撹拌機、加熱装置、窒素導
入管を備えた150リットル(L)ポリエステル製造装
置に表1〜3及び5に記載の原料モノマーを仕込み、ジ
カルボン酸成分に対し酢酸マンガン四水和物0.03モ
ル%の存在下、窒素雰囲気下で200℃迄昇温してエス
テル交換反応を行った。ジカルボン酸成分の反応転化率
を90%以上とした後、ジカルボン酸成分に対して、酸
化アンチモン(III)0.02モル%とトリフェニルホス
フェート0.06モル%を加え、昇温と減圧を徐々に行
い、最終的に280℃、0.1kPa以下で重縮合を行
った。適度な溶融粘度になった時点で反応を終了し、ポ
リエステル樹脂を得た。
る。 DMT:ジメチルテレフタレート NDCM:2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル DMI:ジメチルイソフタレート EG:エチレングリコール SPG:3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロ
キシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン DOG:5−メチロール−5−エチル−2−(1,1−
ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−1,3−ジオキサ
ン CHDM:1,4−シクロヘキサンジメタノール tDDM:トランス−2,6−デカヒドロナフタレンジ
メタノール
落錘衝撃破断強度及びアイゾット衝撃強度(ノッチ付
き)の測定のため、各ポリエステル樹脂を射出成形し
た。射出成形にはファナック(株)製、射出成形機(型
式:ファナックAS100B)を用い、シリンダー温度
240〜280℃、金型温度35℃の条件で成形した。
ュー径:20mmφ、L/D:25)を用い、ポリエス
テル樹脂から、Tダイ法によりシリンダー温度245〜
265℃、Tダイ温度240〜260℃、スクリュー回
転数50rpm、冷却ロール温度70〜80℃の作製条
件で、厚さ0.8mmのシートを作製した。各種評価は
以下に示す方法により行った。
1003に準じて0.8mm厚のシートを測定した。使
用した測定装置は、日本電色工業社製の曇価測定装置
(型式:COH−300A)である。
型式:トルク−バックプレス、打ち抜き穴:19mm
φ、刃:トムソン刃)を使用して評価を行った。打ち抜
き性に関する評価は以下に示す基準で行った。A:完全
に抜き打ち出来、かつ、破断面にひげ(削りかす)がな
い。B:打ち抜きできるものの、ひげが生じている。
C:抜き打ち困難
以下の条件により接着した。 接着剤:THF、塩化メチレン 接着時間:10秒 接着加工性に関する評価は以下に示す基準で行った。 A:完全に接着 B:接着したものの、接着面が白化 C:接着性不良、かつ白化
2のトレイと絞り比3.8のカップを成形した。成形加
工性に関する評価は以下に示す基準で行った。 ○:白化も割れも生じない。 △:割れは無いが、白化が生じた。 ×:割れが生じた。
で3時間放置後の99%以上の容積を保持する温度で評
価した。
mφ、L/D:25)を用い、ポリエステル樹脂を、T
ダイ法によりシリンダー温度240〜260℃、Tダイ
温度280℃、スクリュー回転数50rpm、冷却ロー
ル温度70〜80℃の条件下で成膜し、幅120mm、
厚さ約0.3mmの未延伸フィルムを得た。次いで東洋
精機社製の二軸延伸機を用いて、上記の未延伸フィルム
を90〜110℃で10〜30秒間予備加熱した後、線
延伸速度30〜90%/秒、縦、横方向の延伸倍率がそ
れぞれ4.0倍の条件で、縦及び横方向に同時に延伸し
た。比較例8では次いで、延伸したフィルムを緊張状態
に保ったまま235〜240℃の雰囲気中で20秒間熱
処理を行い、厚さ20μmの延伸フィルムを得た。各種
評価は以下に示す方法により行った。
3に準じて測定した。フィルムを48時間調湿後、23
℃、相対湿度50%の雰囲気下で測定した。使用した測
定装置は、日本電色工業社製の曇価測定装置(型式:C
OH−300A)である。
た。測定機器は、東洋精機製(パンクチャー テスタ
ー)を使用した。測定条件は、温度23℃、相対湿度5
0%である。尚、測定値の単位はkJ/mである。
スターを使用した。ゲルボーフレックスの軸方向(延伸
方向)を測定方向とした。ピンホールの測定は、ピンホ
ールテスター(微弱電流放電法)を用いて行った。測定
環境は温度23℃、相対湿度50%である。
作所製、射出成形機(型式:M200)を使用し、ポリ
エステル樹脂を原料として、重量30gのプリフォーム
を成形した。次に、クルップ コーポプラスト社(ドイ
ツ)製、ブロー成形機(型式:LB−01)を使用し、
ブロー成形により容積330mLのボトル(耐圧仕様、
ペタロイド底型)を成形した。
法〕 (1)熱水充填試験 85℃、95℃(±1℃)の熱水をボトルに充填後、1
2時間放置し、高さ、容積の保持率により耐熱性を評価
した。評価はそれぞれ5本のサンプルについて行った。
測定試料とした。48時間調湿後、23℃、相対湿度5
0%の雰囲気下で測定した。測定は、日本電色工業社製
の曇価測定装置(型式:COH−300A)を使用し
て、ASTM D1003に準じて行った。
の高さからボトルの底を下にして、それぞれ15本のサ
ンプルを自由落下(垂直落下)させた。目視で外観変化
のないものを良好、割れもしくは漏れのあるものを不良
とし、良好であったものの個数で評価した。
10mm毎に厚みを11点測定し、その標準偏差(厚み
むら)で成形性を評価した。
シリンダー温度が240〜270℃に設定された押し出
し機から押し出し、溶融状態のパリソンを作成し、これ
をブロー金型冷却温度15℃の条件でダイレクトブロー
成形し、容積300mLのボトルを得た。ブロー成形時
にドローダウンは無く、得られたボトルは透明性が良好
で、厚みむらも小さかった。
を次の3段階で評価した。 ○:ドローダウンが無く、厚みむらも小さい △:ドローダウンがある、又は、厚みむらが大きい ×:ドローダウンがある、かつ、厚みむらが大きい
の高さからボトルの底を下にして、それぞれ15本のサ
ンプルを自由落下(垂直落下)させた。目視で外観変化
のないものを良好、割れもしくは漏れのあるものを不良
とし、良好であったものの個数で評価した。
1.5質量部を加え、このものを原料樹脂として、第一
押出機(溶融混練用)に供給した。加熱、溶融、混練し
た後、発泡剤としてイソブタンをポリエステル樹脂10
0質量部当たり1.7質量部を押出機内に圧入して溶融
混練した。次いで当該溶融混練物を第二押出機に供給
し、押出機先端の環状ダイスよりチューブ状の発泡体と
して押出した。チューブ状の発泡体の内面側をマンドレ
ル(円柱状冷却ドラム)表面に接触させると共に発泡体
外面に空気を吹き付けながら内外面を冷却しつつ引き取
り、次いで押出方向に沿って切り開き、発泡シートを得
た。
らその密度を求め、かかる密度と用いた未発泡の原料樹
脂の密度の比として算出した。
0に記載されている手順Cに従って、東芝ベックマン
(株)の空気比較式比重計930型を使用して測定(発
泡シートから縦25mm、横25mmに切り出し(厚み
はそのまま)、複数枚を重ねたときに最も25mm厚み
に近づく枚数をサンプルカップ内に収容して測定)され
た発泡シート(複数枚のカットサンプル)の真の体積V
xを用い、次式により独立気泡率S(%)を計算し、N
=3の平均値で求めた。 S(%)=(Vx−W/ρ)×100/(Va−W/
ρ) Vx:上記方法で測定された複数枚の発泡シートの真の
体積(cm3)であり、発泡シートを構成する樹脂の容
積と、発泡シート内の独立気泡部分の気泡全容積との和
に相当する。 Va:測定に使用されたカットサンプルの外寸から計算
されたカットサンプルの見掛け上の体積(cm3)。 W:測定に使用されたカットサンプル全重量(g)。 ρ:発泡シートを構成する樹脂の密度(g/cm3)
を用い、単発成形機にて発泡シートを熱成形した。熱成
形性に関する評価は以下に示す基準で行った。 ○:賦形性も良好で、ナキ〔表面の亀裂〕、割れの発生
が無い事。 △:賦形性はあるが、所々ナキ等の発生が見られる。 ×:原反自体に伸びが無く、賦形性が無い。
縦、横100mmの正方形試験片を切り出し、この試験
片を5℃刻みのオーブン内で30分加熱し、加熱後の縦
及び横方向の収縮率が10%を越えない最高温度を測定
した。
透明性、耐衝撃性に優れ、自動車内で使用する製品、輸
出入用の包装材、レトルト処理や電子レンジ加熱を行う
食品包装材等高い耐熱性が要求される用途に好適に用い
ることができ、本発明の工業的意義は大きい。
Claims (12)
- 【請求項1】 ジカルボン酸構成単位とジオール構成単
位とを有するポリエステル樹脂であって、ジオール構成
単位の15〜80モル%が環状アセタール骨格を有する
ジオール単位で、2〜85モルモル%が脂環式ジオール
単位であり、かつ下記(1)ないし(3)の性状を有す
るポリエステル樹脂。 (1)示差走査型熱量計で測定されるガラス転移温度が
95℃以上である。 (2)示差走査型熱量計で測定される降温時結晶化ピー
クの熱量が5J/g以下である。 (3)直径100mm、厚さ3.2mmの円盤を直径2
cmの半球形状の錘で、衝撃エネルギー470Jで5回
測定した落錘衝撃破断強度の平均が30kJ/m以上で
あり、且つ破壊形式が5回の測定のうち4回以上延性破
壊である。 - 【請求項2】 ジオール構成単位の15〜50モル%が
環状アセタール骨格を有するジオール単位で、15〜8
5モル%が脂環式ジオール単位であるポリエステル樹脂
であり、かつ下記(1)ないし(4)の性状を有する請
求項1に記載のポリエステル樹脂。 (1)示差走査型熱量計で測定されるガラス転移温度が
95℃以上である。 (2)示差走査型熱量計で測定される降温時結晶化ピー
クの熱量が5J/g以下である。 (3)直径100mm、厚さ3.2mmの円盤を直径2
cmの半球形状の錘で、衝撃エネルギー470Jで5回
測定した落錘衝撃破断強度の平均が30kJ/m以上で
あり、且つ破壊形式が5回の測定のうち4回以上延性破
壊である。 (4)ASTM D265に準じて測定されるアイゾッ
ト衝撃強度(ノッチ付き)が30J/m以上である。 - 【請求項3】 環状アセタール骨格を有するジオール単
位が一般式(1)または一般式(2)で表されるジオー
ルに由来するジオール単位である請求項1又は2に記載
のポリエステル樹脂。 【化1】 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素数が1
〜10の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び
炭素数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有
機基を表す。) 【化2】 (式中、R1は前記と同様であり、R3は炭素数が1〜1
0の脂肪族基、炭素数が3〜10の脂環式基、及び炭素
数が6〜10の芳香族基からなる群から選ばれる有機基
を表す。) - 【請求項4】 環状アセタール骨格を有するジオール単
位が3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシ
エチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
〔5.5〕ウンデカン単位、または5−メチロール−5
−エチル−2−(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエ
チル)−1,3−ジオキサンに由来する構成単位から選
ばれる一つ以上の単位である請求項1ないし3のいずれ
かに記載のポリエステル樹脂。 - 【請求項5】 脂環式ジオール単位が1,4−シクロヘ
キサンジメタノール単位、ノルボルネンジメタノール単
位、トリシクロデカンジメタノール単位、2,6−デカ
ヒドロナフタレンジメタノールに由来する構成単位から
選ばれる一つ以上の単位である請求項1又は2に記載の
ポリエステル樹脂。 - 【請求項6】 ジカルボン酸構成単位がテレフタル酸単
位、イソフタル酸単位、2,6−ナフタレンジカルボン
酸単位から選ばれる一つ以上の単位である請求項1又は
2に記載のポリエステル樹脂。 - 【請求項7】 ジカルボン酸構成単位がテレフタル酸単
位及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸単位であ
り、かつジオール構成単位の15〜80モル%が3,9
−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウン
デカン単位であり、2〜85モル%が1,4−シクロヘ
キサンジメタノール単位であり、及び0〜83モル%が
エチレングリコール単位がである請求項1に記載のポリ
エステル樹脂。 - 【請求項8】 ジカルボン酸構成単位がテレフタル酸単
位及び/又は2,6−ナフタレンジカルボン酸単位であ
り、かつジオール構成単位の15〜50モル%が3,9
−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−
2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5.5〕ウン
デカン単位であり、15〜85モル%が1,4−シクロ
ヘキサンジメタノール単位であり、及び0〜70モル%
がエチレングリコール単位である請求項2に記載のポリ
エステル樹脂。 - 【請求項9】 請求項1ないし8に記載のポリエステル
樹脂を用いたポリエステル系射出成形体。 - 【請求項10】 請求項1ないし8に記載のポリエステ
ル樹脂を用いたポリエステル系押し出し成形体。 - 【請求項11】 請求項1ないし8に記載のポリエステ
ル樹脂を用いたポリエステル系ボトル。 - 【請求項12】 請求項1ないし8に記載のポリエステ
ル樹脂を用いたポリエステル系発泡体。
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