JP3769844B2 - ポリエステル樹脂組成物及び減圧採血管 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物及び減圧採血管 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は透明性、ガスバリヤ性、紫外線遮断性等に優れたポリエステル樹脂組成物及びポリエステル樹脂組成物を用いて成形された有底管体からなる減圧採血管に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、エチレンテレフタレート単位を主構成単位とするポリエチレンテレフタレート系重合体(以下PETと記す)は、機械的強度、透明性、ガスバリヤ性、衛生性等に優れた特性を有することから、包材、容器等の成形品等として広く使用されている。
【0003】
しかしながら、かかるPET包材や容器は酸素等に対するガスバリヤ性が必ずしも十分ではなく、保存が長期に及んだり、容器が小さい場合、さらに高ガスバリヤ性が要求される場合等には、内容物が変質する等満足出来るものではなかった。また、内容物が観察出来るためには包材、容器が透明であることが必須であり、このような場合には紫外線による内容物の劣化、変色等の防止も要求されている。
【0004】
PET包材や容器等のガスバリヤ性を改良する方法としては、PETよりガスバリヤ性に優れたエチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂等を積層する方法が考えられているが、これらの樹脂はPETとの接着性が悪いのでPETとの多層構造体を延伸した場合、層間剥離が起こりガスバリヤ性が低下する可能性がある。また、PETとこれらの樹脂は相溶性が悪く、成形不良の多層成形品をバージン原料に混合して透明な成形体を得るために再使用することが出来ない。
【0005】
また、PETにポリエチレンイソフタレート又はその共重合体等を混合使用する方法(特開昭59一64624号公報、特開昭59−64658号公報、特開平1−315457号公報等)が提案されている。しかし、これらの混合ポリエステルではガスバリヤ性が十分ではなく、また耐熱性も不十分である。
【0006】
従来から、高ガス遮断性容器特に減圧採血管としては減圧度を長期間にわたって維持出来るので、ガラス製のものが使用されていたが、破損しやすいこと、重量が重いので取り扱いにくいこと等の理由より、最近ではプラスチック製に切り替わりつつある。減圧採血管の有底管体を構成するプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられる。ポリエチレンは透明性、ガスバリヤ性が悪く特に減圧採血管の有底管体を構成するプラスチックとしては満足のいくものではない。ポリプロピレンは透明性が良いが、ポリエチレンと同様にガスバリヤ性が悪くやはり減圧採血管の有底管体を構成するプラスチックとしては満足の行くものではない。ポリエチレンテレフタレートは成形性、透明性に優れるが、ガスバリヤ性が十分でなく、このため種々の改良がなされている。
【0007】
特開平2−45040号公報にはポリエチレンテレフタレートとポリエチレンイソフタレート共重合体との重合体組成物からの減圧採血管が提案されている。しかし、この共重合体のモノマー成分の1つである1、3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンは高価なため得られた共重合体も高くつくこと、また、この共重合体は耐衝撃特性が悪いため、ポリエチレンテレフタレートとの重合体組成物からの有底管体の耐衝撃強度や落下強度が悪くなり発明としては不完全である。また、特開平3−22294号公報にはポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸、テレフタル酸、1,3−ビス(2一ヒドロキシエトキシ)ベンゼン及びエチレングリコールからのポリエステルとの重合体組成物からの真空採血管が提案されているが、上記の特許と同様に得られた有底管体の耐衝撃性等が悪く満足できるものではない。
【0008】
前記の、有底管体がプラスチック製の減圧採血管はガラス製の減圧採血管に比べてガスバリヤ性が不十分なため採血管内部の減圧度が経時とともに低下し、採血量が少なくなるという問題点を有している。このため減圧採血管をガスバリヤ性が優れた包装材料により真空包装して長期間保管しておく方法が採られる場合があるが、新たな工程が必要になり、好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来の問題点を解決し、ガスバリヤ性、機械的強度、透明性に優れたポリエステル樹脂組成物を提供し、また製造してからの経時的な採血量の変化が少なく、ガスバリヤ性と優れた透明性を有する減圧採血管を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のポリエステル樹脂組成物は、エチレンテレフタレート単位が100〜75モル%であるポリエチレンテレフタレート系重合体(A)10〜90重量部と、エチレンイソフタレート単位が7290モル%、エチレンテレフタレート単位が5〜20モル%及びエチレン−2,6−ナフタレート単位が3〜14モル%であり、酸素透過係数が3.0cc・mm/m・day・atm以下である共重合ポリエステル(B)90〜10重量部とを含有することを特徴とする。
【0011】
上記の構成からなるポリエステル樹脂組成物は、ガスバリヤ性、機械的強度、透明性の優れたポリエステル樹脂組成物である。
【0012】
また、本発明の減圧採血管は、密封部材を開口部に有する有底管体からなる減圧採血管において、有底管体が前記のポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする。
【0013】
上記の構成からなる減圧採血管は、経時的な採血量の変化が少ないガスバリヤ性と優れた透明性を有する減圧採血管である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のポリエステル樹脂組成物及び減圧採血管の実施の形態を説明する。
【0015】
本発明において、エチレンテレフタレート単位が100〜75モル%であるポリエチレンテレフタレート系重合体(A)は、エチレンテレフタレート単位を100〜75モル%含む熱可塑性ポリエステル樹脂であって、好ましくは、エチレンテレフタレート単位を100〜80モル%、更に好ましくはエチレンテレフタレート単位を100〜85モル%含むポリエステルがよい。
【0016】
前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)中のエチレンテレフタレート単位以外の単位を含む場合に、形成する共重合成分としてのジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6ーナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸等の脂肪族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸等の脂環族ジカルボン酸又はこれらのエステル形成性誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸叉はこれらのエステル形成性誘導体が例示でき、好ましいジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、又はヘキサヒドロテレフタル酸等を挙げることができる。
【0017】
また、前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)中のエチレンテレフタレート単位以外の単位を含む場合に、形成する共重合成分としてのグリコール成分としては、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール等の脂肪族グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビスフェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリグリコール等が例示でき、好ましいグリコールとしては、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−プロピレングリコールまたはテトラメチレングリコールを挙げることができる。
【0018】
さらに、前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)中のエチレンテレフタレート単位以外の単位を含む場合に、形成する共重合成分としての多官能化合物成分としては、酸成分としてトリメリット酸、ピロメリット酸等を挙げることができ、グリコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。以上の共重合成分を用いる場合の使用量は、ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)が実質的に線状を維持する程度であればよい。
【0019】
前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)は、従来公知の製造方法によって製造することができる。即ち、テレフタール酸とエチレングリコール及び/又は他の共重合成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法又はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び/又は他の共重合成分を反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。更に極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド(AA)含量を低下させるため固相重合を行ってもよい。
【0020】
前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)の極限粘度(IV)は通常0.4〜1.2デシリットル/g、好ましくは0.50〜1.0デシリットル/g、より好ましくは0.52〜0.90デシリットル/gの範囲である。
【0021】
上記のエステル交換反応叉はエステル化反応及び重縮合反応時には、触媒および安定剤を使用することが好ましい。
【0022】
エステル交換触媒としては、Mg化合物、Mn化合物、Ca化合物、Zn化合物等が使用され、例えばこれらの酢酸塩、モノカルボン酸塩、アルコラート、酸化物等が挙げられる。また、エステル化反応は触媒を添加せずに、テレフタール酸、エチレングリコール及び/又は他の共重合成分のみで実施することが可能であるが、後述の重縮合触媒の存在下に実施することも出来る。
【0023】
重縮合触媒としては、Ge化合物、Ti化合物、Sb化合物等が使用可能であり、例えば、二酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、ゲルマニウムアルコラート、チタンテトラブトキサイド、チタンテトライソプロポキサイド、蓚酸チタン等が挙げられる。また、安定剤としては、リン化合物を用いることが好ましい。好ましいリン化合物としては、リン酸およびそのエステル、亜燐酸およびそのエステル、次亜燐酸およびそのエステル等が挙げられる。また、エステル化反応時には、ジエチレングリコールの副生を抑制する為にトリエチルアミン等の第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウム、炭酸ナトリウム等の塩基性化合物を添加することも出来る。
【0024】
また、前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)には熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、耐候性安定剤、滑剤、染料、顔料、分散剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0025】
本発明において、エチレンイソフタレート単位が50〜92モル%、エチレンテレフタレート単位が5〜47モル%及びエチレン−2,6−ナフタレート単位が3〜45モル%であり、酸素透過係数が3.0cc・mm/m・day・atm以下である共重合ポリエステル(B)は、エチレンイソフタレート単位が72〜90モル%、エチレンテレフタレート単位が〜20モル%、エチレン−2,6−ナフタレート単位が〜14モル%を共重合したポリエステル樹脂であって、シート状に成形して測定した酸素透過係数が3.0cc・mm/m・day・atm以下である。エチレンイソフタレート単位が50モル%より少ない場合はガスバリヤの効果が得られず、本発明のガスバリヤ性の優れたポリエステル樹脂組成物が得られない。また、エチレンテレフタレート単位が5モル%より少ない場合は、前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)と押し出し機で溶融混合させる場合に、前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)との相溶性が悪いため成形品が白濁し、透明性の優れた成形品等が得られず、またエチレン−2,6−ナフタレート単位が3モル%より少ない場合は、紫外線遮断性の効果が得られない。
【0026】
また、エチレンイソフタレート単位とエチレンテレフタレート単位の合計が85〜97モル%で、エチレン−2,6−ナフタレート単位が3〜14モル%を共重合したポリエステル樹脂で、上記の特性を持つポリエステル樹脂が減圧採血管として最適である。
【0027】
本発明において用いる前記共重合ポリエステル(B)は、該構成成分が前記の範囲を満たしている限りにおいて、前記ポリエチレンテレフタレート系共重合体(A)の共重合成分として例示した化合物を使用することができ、特に酸成分の一部を少量のへキサヒドロテレフタル酸、へキサヒドロイソフタル酸、ヒドロキシ安息香酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、フェノキシエタンジカルボン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、セバシン酸等及びそれらのエステル形成誘導体の一種又は二種以上と置き換えることもできる。
【0028】
また、エチレグリコールの一部を少量のジエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、へキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール、例えぱポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の一種又は二種以上と置き換えてもよい。さらに、多官能化合物からなるその他の共重合成分、例えば酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸を挙げることが出来る。以上の共重合成分の使用量は、共重合ポリエステル樹脂(B)が実質的に線状を維持する程度でなければならない。
【0029】
本発明において用いる、前記共重合ポリエステル(B)は、例えばイソフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体、テレフタル酸もしくはそのエステル形成性誘導体、2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくはそのエステル形成性誘導体及びエチレングリコールを用いて触媒の存在下でエステル交換反応又はエステル化反応を行なわせ、次いで減圧下において重縮合反応を行なわせることにより製造することが出来る。
【0030】
本発明において用いる共重合ポリエステル樹脂(B)の極限粘度(IV)は、溶融押し出しが可能な範囲で、本発明において用いられる前記ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)との溶融混合性、得られる成形品の要求機械的特性等により適宜定めるが、通常IV=0.4〜1.0デシリットル/g、好ましくは、0.5〜0.85デシリットル/gの範囲である。
【0031】
上記のエステル交換反応又はエステル化反応及び重縮合反応時には、前記ポリエチレンテレフタレート重合体(A)の製造に用いるために例示した触媒および安定剤を使用することができる。
【0032】
本発明において用いる共重合ポリエステル(B)は、高重合度化や低アセトアルデヒド化等の目的のために、必要に応じて加熱処理を行なっても良い。また、この処理はポリエチレンテレフタレート系重合体(A)との組成物の状態で実施しても良い。
【0033】
また本発明において用いる共重合ポリエステル(B)には熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、耐候性安定剤、滑剤、顔料、染料、あるいは顔料分散剤等を本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0034】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、前記のポリエチレンテレフタレート系重合体(A)90〜l0重量%と前記の共重合ポリエステル(B)10〜90重量%、好ましくは、ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)90〜40重量%と共重合ポリエステル(B)10〜60重量%とから構成される。
【0035】
共重合ポリエステル樹脂(B)がl0重量%未満の楊合は、ガスバリヤ性が十分でなく、また、90重量%を越えると成形品の耐熱性、機械的強度等が低下し間題となる。
【0036】
本発明のポリエステル樹脂組成物を得るためには、ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)と共重合ポリエステル(B)を均一に混合することが出来る公知の種々の方法を用いることが出来るが、例えぱダブルコーンブレンダー、リボンブレンダー等で混合する方法、また、このような方法で混合した両樹脂を一軸押出機、二軸押出機、ベント式押出機等により溶融混練し造粒する方法を採用する事も可能である。
【0037】
また本発明のポリエステル樹脂組成物には、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、耐候性安定剤、滑剤、顔料、染料、コバルト等の遷移金属の塩、あるいは顔料分散剤等を、前記組成物の構成成分のポリエチレンテレフタレート系重合体(A)、共重合ポリエステル(B)に添加するのとは別に、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0038】
本発明のポリエステル樹脂組成物は延伸又は未延伸フイルム、シート、トレイ、延伸中空容器、ダイレクトブロー容器、その他の包装材料、減圧採血管の有底管体等に成形して使用することができる。
【0039】
本発明のポリエステル樹脂組成物は十分なガスバリヤ性を有するが、酸素透過係数が3.0cc・mm/m2・day・atm以下であるのが好ましい。
【0040】
本発明のポリエステル樹脂組成物は特に有底管体として成形して減圧採血管に使用するときに、そのガスバリヤ性、透明性の性質を生かせることができ、有用である。減圧採血管は密封部材を開口部に有する有底管体からなるが、さらに詳しくは、一端が開口し他端が閉塞した有底管体と、該有底管体の開口部を密封するとともに採血器具の穿刺針により刺通可能な密封部材とからなり、管内部が減圧されている。この有底管体は、例えば、管外直径が10〜20mmφ、管長が60〜170mm、肉厚が約1〜2mmのものである。
【0041】
有底管体は、前記のポリエステル樹脂組成物を射出成形、押出成形、二軸延伸成形、真空成形、圧縮成形、パイプ押出成形、共射出成形等を行って得ることができる。
【0042】
このようにして得られた有底管体を用いた減圧採血管は生化学検査、血清学検査、血液学検査、血糖測定等の臨床検査において有用に用いる事ができる。また、有底管体の内面に、親水性物質をコーテイングする親水化処理、血液坑凝固剤や血液凝固促進剤を付着させる処理等を行なっても良い。
【0043】
以下に、本明細書中に用いる物性値の測定法を説明する。
【0044】
(1)極限粘度(IV)
フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(3/2重量比)混合溶媒で温度30℃にて測定した。
【0045】
(2)酸素透過係数
OX−TRANl00型酸素透過率測定機(MOCON社製)により、温度25℃、相対湿度50%にて測定した。
【0046】
(3)吸水量の経時変化
1)減圧採血管
射出成形により作成した有底管体(肉厚1.5mm、容量10cc)を合成ゴム製の密封部材で密栓する。
【0047】
2)吸水量の経時変化測定
上記の減圧採血管の内部減圧度は吸水量が6ccになるように設定した。この減圧採血管を室温に保管し所定期間保管後の吸水量の変化を測定した。
【0048】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0049】
使用したポリエチレンテレフタレート系重合体(A)及び共重合ポリエステル(B)は次の通りである。
【0050】
(イ)ポリエチレンテレフタレート系重合体(A)
日本ユニペット(株)製ポリエチレンテレフタレート樹脂(RT543:IV=O.75)(a−1)
【0051】
(ロ)共重合ポリエステル(B)
オートクレーブにてイソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、2,6一ナフタレンジカルボン酸ジメチル及びエチレングリコールを触媒の存在下でエステル交換反応を行うことにより初期縮合物を製造し、この初期縮合物を重縮合触媒の存在下において重縮合せしめることにより得た。得られた共重合ポリエステル(b−1)、(b−2)の組成を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003769844
【0053】
上記の重合体(a−1)、(bー1)、(b−2)をSHINTO社製プレスシート成形機にて成形し、厚さ0.1mmの未延伸シートを得た。これらのシートの酸素透過係数の評価結果を表1に示す。
【0054】
(実施例1)
ポリエチレンテレフタレート系重合体(a−1)60重量部と共重合ポリエステル(b−1)40重量部とをドライブレンドし、SHINTO社製プレスシート成形機にて成形し、厚さ0.1mmの未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評価結果を表2に示す。
【0055】
(実施例2)
ポリエチレンテレフタレート系重合体(a−1)80重量部と共重合ポリエステル(b−1)20重量部とをドライブレンドし、SHINTO社製プレスシート成形機にて成形し、厚さ0.1mmの未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評価結果を表2に示す。
【0056】
(実施例3)
ポリエチレンテレフタレート系重合体(a−1)70重量部と共重合ポリエステル(b−2)30重量部をドライブレンドし、SHINTO社製プレスシート成形機にて成形し、厚さ0.1mmの未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評価結果を表2に示す。
【0057】
(参考例)
ポリエチレンテレフタレート系重合体(a−1)80重量部と共重合ポリエステル(b−3)20重量部をドライブレンドし、SHINTO社製プレスシート成形機にて成形し、厚み0.1mmの未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評価結果を表2に示す。
【0058】
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート系重合体(a−1)100重量部をSHINTO社製プレスシート成形機にて成形し、厚さ0.1mmの未延伸シートを得た。該シートの酸素透過係数の評価結果を表2に示す。
【0059】
【表2】
Figure 0003769844
【0060】
(実施例
ポリエチレンテレフタレート系重合体(a−1)60重量部と共重合ポリエステル(b−1)40重量部をドライブレンドし、東芝機械(株)製の射出成形機にて10ccの有底管体を成形した。得られた有底管体を用いた減圧採血管を用いて吸水量の経時変化を測定した。表3に結果を示す。なお、初期における吸水量は6ccである。
【0061】
(実施例
ポリエチレンテレフタレート系重合体(a−1)80重量部と共重合ポリエステル(b−1)20重量部をドライブレンドし、東芝機械(株)製の射出成形機にて10ccの有底管体を成形した。得られた有底管体を用いた減圧採血管を用いて吸水量の経時変化を測定した。表3に結果を示す。なお、初期における吸水量は6ccである。
【0062】
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレート系重合体(a−1)100重量部を使用し、東芝機械(株)製の射出成形機にて10ccの有底管体を成形した。得られた有底管体を用いた減圧採血管を用いて吸水量の経時変化を測定した。表3に結果を示す。なお、初期における吸水量は6ccである。
【0063】
【表3】
Figure 0003769844
【0064】
【発明の効果】
請求項1記載の発明のポリエステル樹脂組成物は、透明性、ガスバリヤ性、紫外線遮断性に優れている。
【0065】
請求項2記載の発明の減圧採血管は、経時的な採血量の変化が少なくガスバリヤ性が優れ、かつ透明性も優れている。

Claims (2)

  1. エチレンテレフタレート単位が100〜75モル%であるポリエチレンテレフタレート系重合体(A)10〜90重量部と、エチレンイソフタレート単位が7290モル%、エチレンテレフタレート単位が5〜20モル%及びエチレン−2,6−ナフタレート単位が3〜14モル%であり、酸素透過係数が3.0cc・mm/m・day・atm以下である共重合ポリエステル(B)90〜10重量部とを含有することを特徴とするポリエステル樹脂組成物。
  2. 密封部材を開口部に有する有底管体からなる減圧採血管において、有底管体が請求項1記載のポリエステル樹脂組成物からなることを特徴とする減圧採血管。
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