JP3775537B2 - 共重合ポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂組成物及び多層成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガスバリヤ−性、透明性、UVカット性等の特性を要求される包装用成形品に適した共重合ポリエステル樹脂、本発明の共重合ポリエステル樹脂からの組成物およびこのポリエステル樹脂組成物を用いた多層成形品に関する。更に詳しくは、多層成形品としては、延伸ブロ−、ダイレクトブロ−などのブロ−成形品、フイルム、シ−トなどの押出成形品等を含むものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりポリエチレンテレフタレ−ト樹脂(以下PETと記す)は、機械的強度、透明性、ガスバリヤー性に優れた特性を有することから、包材、容器、例えば、延伸ブロ−成形品やカップ状容器として広く使用されている。
しかしながら、かかるPET成形品においても酸素等にたいするガスバリヤ−性が十分ではなく、保存が長期におよんだり、容器が小さい場合、さらに高ガスバリヤ−性が要求される場合等には、内容物の商品価値を低めるという欠点を有する。また、近年、内容物が入った容器を店頭に陳列する場合、外観上包材や容器が透明であることが必須であり、紫外線による内容物の劣化変色等の防止も要求されている。また、近年、特に、環境廃棄物の問題から塩化ビニル樹脂(以下、PVC)系の樹脂使用成形品の焼却時の有害ガスの発生が大きくクロ−ズアップされている。従って、ガスバリヤ−性、透明性、UVカット性に優れ、また、PVCのような焼却時有害ガスの発生のないポリエステル系の樹脂および成形品が望まれている。
かかる欠点を改良するための公知の方法として、ガスバリヤ−性の優れたエチレンビニルアルコ−ル重合体(以下、EVOHと記す)を用いる方法、ポリエチレン−2,6−ナフタレ−ト樹脂(以下、PENと記す)を用いる方法、さらに、ポリエチレンイソフタレート(以下、PEIと記す)を用いる方法(特開昭61−43561号、特開昭61−258751号)があげられる。しかし、このような成形品において、EVOHを用いる場合は高湿度下ではバリヤ−性が低下したり、PETと積層する場合は成形品にコゲが発生したり、さらに、再利用の場合にこのようなEVOHの分離の問題の発生等の欠点を有する。次に、PENを用いる場合はPENの分子構造から典型的な結晶性ポリマ−で、かつその溶融温度も270℃と高温であるため、溶融押し出し時の温度を高温にしないと結晶核を完全に溶融出来ないので、成形品に白濁が発生し易く、また成形温度が高温のため成形時のアセトアルデヒドの発生量が多くなるといった欠点を有する。また、PENとPETを溶融混合する場合は、PETとの相溶性が悪く、溶融押し出し時の成形温度を高温にしないと非相溶のため生じるパ−ル調の白濁が発生し、かつPETが分解され強度等の物性が著しく低下するといった欠点を有する。次に、PEIを用いる場合、PEIそのものは脆く衝撃強度が低いため実用に供しえず、上記の特開昭61−43561号、特開昭−258751号の様に内層がPETとPEIとの混合が考えられる。しかし、かかる方法では、PETとPEIの相溶性が悪いため溶融温度を高温にしないと容器成形時の延伸の際にパ−ル調の白濁が発生する。また、PEIの紫外線吸収波長はPETと同等でUVカット性は有しておらず、紫外線による内容物の商品価値を低めるという欠点を有し、その改良が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、優れたガスバリヤ−性、透明性等の特性及びUVカット性を要求される包装用成形品に適した共重合ポリエステル樹脂、本発明の共重合ポリエステル樹脂を用いたガスバリヤ−性、透明性及びUVカット性に優れた包装用成形品に適した組成物及び多層成形品を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる問題点に着目し、前記の如き欠点のない包装用成形品に適した共重合ポリエステル樹脂に関して鋭意研究の結果、ガスバリヤ−性、透明性、UVカット性に優れ、前記欠点を改善しうる共重合ポリエステル樹脂を見い出し本発明に到達した。
即ち、本発明は、ジカルボン酸成分とジオ−ル成分とからなる共重合ポリエステル樹脂において、該共重合ポリエステル樹脂をジカルボン酸成分全量に対して、イソフタル酸成分単位60〜96モル%、テレフタル酸成分単位2〜25モル%及び2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位2〜15モル%とを含み、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸成分単位とテレフタル酸成分単位の合計量が85〜98モル%であり、かつ、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジオ−ル成分全量に対してエチレングリコ−ル成分単位が98.5〜80モル%、ジエチレングリコ−ル成分単位が1.5〜20モル%であり、酸素透過係数が3.0cc・mm/m2・day ・atm 以下、紫外線吸収波長が330nm以下である特性を有するガスバリヤ−性、透明性、UVカット性に優れた共重合ポリエステル樹脂である。
【0005】
また、本発明の樹脂組成物は、ジカルボン酸成分とジオ−ル成分とからなる共重合ポリエステル樹脂において、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分全量に対して、イソフタル酸成分単位60〜96モル%、テレフタル酸成分単位2〜25モル%及び2,6−ナフタレンジカジカルボン酸成分単位2〜15モル%とを含み、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸成分単位とテレフタル酸成分単位の合計量が85〜98モル%であり、かつ、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジオ−ル成分全量に対してエチレングリコ−ルが98.5〜80モル%、ジエチレングリコ−ル成分単位が1.5〜20モル%であり、酸素透過係数が3.0cc・mm/m2・day ・atm 以下、紫外線吸収波長が330nm以下である共重合ポリエステル樹脂10〜90重量部とエチレンテレフタレ−ト単位を主成分とするポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂90〜10重量部を含むポリエステル樹脂組成物である。
【0006】
また、本発明の多層成形品は、本発明のポリエステル樹脂組成物からなる中間層及び/又は最内層とエチレンテレフタレ−ト単位を主成分とするポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂からなる最外層及び/又は最内層とを有し、酸素透過係数が3.0cc・mm/m2・day ・atm 以下、光線透過率が85%以上、紫外線吸収波長が330nm以下である特性を有するポリエステル多層成形品である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分全量に対して、イソフタル酸成分単位が60〜96モル%、好ましくは70〜96モル%、テレフタル酸成分単位が2〜25モル%、好ましくは2〜15モル%、2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位が2〜15モル%、好ましくは3〜15モル%とを含み、該構成酸成分中のイソフタル酸成分単位とテレフタル酸成分単位の合計量が85〜98モル%であり、かつ、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジオ−ル成分全量に対してエチレングリコ−ル成分単位が98.5〜80モル%、好ましくは98〜85モル%、ジエチレングリコ−ル成分単位が1.5〜20モル%、好ましくは2〜15モル%である共重合ポリエステル樹脂である。イソフタル酸成分単位が60モル%より少ない場合は、ガスバリヤ−性の効果が得られず、テレフタル酸成分単位が2モル%より少ない場合は、PETとの溶融混合時の相溶性向上の効果がなくなり、また、2,6−ナフタレンジカルボン酸単位が2モル%より少ない場合はUVカット性の効果がなくなる。また、ジエチレングリコ−ル含量が1.5モル%以下の場合は得られた多層成形体の耐衝撃性が悪くなる。
【0008】
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、例えば酸成分として、イソフタル酸もしくは、そのエステル形成誘導体とテレフタ−ル酸もしくは、そのエステル形成誘導体と2,6−ナフタレンジカルボン酸もしくは、そのエステル形成性誘導、グリコ−ル成分として、エチレングリコ−ルまたはエチレングリコ−ルとジエチレングリコ−ルとを触媒の存在下適当な反応条件のもとでエステル化またはエステル交換し、ひきつづき重縮合せしめることによって製造される。
【0009】
本発明の共重合ポリエステル樹脂においては、該構成成分単位が前記の範囲を満たしている限りにおいて、前記の酸成分の一部を少量のヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヒドロキシ安息香酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエ−テルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、フェノキシエタンジカルボン酸、3,5−ジカルボキシベンゼンスルホン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、セバシン酸、2,2’−オキシジ酢酸、グリコ−ル酸等及びそれらのエステル形成誘導体の一種または二種以上と置き換えてもよい。
【0010】
また、エチレングリコ−ルの一部を少量のシクロヘキサンジメタノ−ル、1,2−プロピレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ペンタメチレングリコ−ル、ヘキサメチレグリコ−ル、ネオペンチレングリコ−ル、ポリアルキレングリコ−ル、例えばポリエチレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル等の一種または二種以上と置き換えてもよい。さらに、多官能化合物からなるその他の共重合成分、例えば酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸を挙げることができ、グリコ−ル成分としてグリセリン、ペンタエリスリト−ルを挙げることが出来る。以上の共重合成分の使用量は、共重合ポリエステル樹脂が実質的に線状を維持する程度でなければならない。
【0011】
かかる共重合ポリエステル樹脂の極限粘度(IV)は、溶融押出しが可能な範囲で、得られた成形品の機械的特性等より、IV=0.4〜1.0dl/g、好ましくは、0.6〜0.9dl/gの範囲である。
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、高重合度化や低アセトアルデヒド化等の目的のために、必要に応じて加熱処理を行なっても良い。また、この処理はポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂との組成物の状態で実施しても良い。
【0012】
本発明において、ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂とは、エチレンテレフタレ−ト単位を100〜75モル%含む熱可塑性ポリエステル樹脂であって、好ましくは、エチレンテレフタレ−ト単位を100〜80モル%、更に好ましくはエチレンテレフタレ−ト単位を100〜85モル%含むポリエステル樹脂である。
【0013】
共重合に用いられるジカルボン酸としては、、イソフタル酸、ジフェニ−ル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸等の脂肪族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸及びこれらのエステル形成性誘導体、p−オキシ安息香酸、オキシカプロン酸等のオキシ酸及びこれらのエステル形成性誘導体などが挙げられる。
【0014】
共重合に使用されるグリコ−ルとしては、ジエチレングリコ−ル、トリメチレングリコ−ル、テトラメチレングリコ−ル、ネオペンチルグリコ−ル等の脂肪族グリコ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル等の脂環族グリコ−ル、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族グリコ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等が挙げられる。
【0015】
さらに、前記ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂中の多官能化合物からなるその他の共重合成分としては酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸を挙げることができ、グリコ−ル成分としてグリセリン、ペンタエリスリト−ルを挙げることが出来る。以上の共重合成分の使用量は、ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂が実質的に線状を維持する程度でなければならない。
【0016】
上記のポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂は、従来公知の製造方法によって製造することが出来る。即ち、テレフタ−ル酸とエチレングリコ−ル及び/又は、第三成分を直接反応させて水を留去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、または、テレフタル酸ジメチルとエチレングリコ−ル及び/又は、第三成分を反応させてメチルアルコ−ルを留去しエステル交換させた後、減圧下に重縮合を行うエステル交換法により製造される。更に極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含量を低下させるために固相重合を行ってもよい。
【0017】
本発明で使用されるポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂の極限粘度は0.55〜1.2dl/g、好ましくは、0.60〜1.0dl/g、より好ましくは0.65〜0.9dl/gの範囲である。
【0018】
上記のエステル交換反応、或は、エステル化反応、および、重縮合反応時には、触媒および安定剤を使用することが好ましい。
また本発明の共重合ポリエステル樹脂およびポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂には熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、耐候性安定剤、滑剤、顔料、染料、あるいは顔料分散剤などを本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0019】
本発明のポリエステル樹脂組成物は、前記のポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂90〜10重量%と前記の共重合ポリエステル樹脂10〜90重量%、好ましくは、ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂90〜30重量%と共重合ポリエステル樹脂10〜70重量%とから構成される。
共重合ポリエステル樹脂が10重量%以下の場合は、バリヤ−性が改良されず、また、90重量%以上では成形体の耐熱性、機械的強度等が低下し問題となる。
【0020】
本発明のポリエステル樹脂組成物を得るためには、ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂と共重合ポリエステル樹脂を均一に混合することが出来る公知の種々の方法を用いることが出来るが、例えばダブルコ−ンブレンダ−、リボンブレンダ−等で混合する方法、また、このような方法で混合した両樹脂を一軸押出機、二軸押出機、ベント式押出機等により溶融混練し造粒する方法を採用する事も可能である。
【0021】
また本発明のポリエステル樹脂組成物には、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂、熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、耐候性安定剤、滑剤、顔料、染料、コバルト等の遷移金属の塩あるいは顔料分散剤などを、前記組成物の構成成分の各樹脂に添加するのとは別に、本発明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0022】
本発明の多層成形品は、前記の特定の共重合ポリエステル樹脂10〜90重量部とポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂90〜10重量部を含むポリエステル樹脂組成物からなる中間層及び/又は最内層と、ポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂からなる最外層及び/又は最内層とを有する多層成形品であり、最外層と中間層と最内層との厚み比は0.5〜3:4〜9:0.5〜3が好ましい。
【0023】
本発明の多層成形品は、多層押出成形、多層射出成形、多層ダイレクトブロ−成形法等の従来から公知の方法によって製造する事が出来る。得られた多層シ−トを従来から公知の一軸延伸法、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等によって延伸し、多層延伸フイルム等の多層延伸成形品とすることが可能である。また、多層シ−トを圧空成形法、真空成形法等によってカップ状物やトレ−状物に成形する事も可能である。また、多層成形品であるプリフォ−ムを延伸ブロ−成形することによって多層延伸中空成形品とすることが可能であるが、これらに特に限定されるのもではない。
【0024】
【実施例】
以下、実施例及び比較例によって本発明を更に詳述するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、主な物性値の測定法は次の通りである。
(1)固有粘度(IV)
フェノ−ル/テトラクロルエタンの混合溶媒で温度30℃にて測定した。
(2)酸素透過率
OX−TRAN100型酸素透過率測定機(MOCON社製)により、温度25℃、湿度50%にて測定した。
【0025】
(3)UVカット性
分光光度計UV−210A(島津製作所社製)により測定した。なお、本発明の共重合ポリエステル樹脂の紫外線吸収波長は300μのシ−トで測定した。
(4)耐衝撃性
デュポン式落錘衝撃試験機にて常温で、n=5で測定した。
【0026】
また、使用したPET樹脂、共重合ポリエステル樹脂は次の通りである。
(イ)PET樹脂
東洋紡績社製IV=0.75のPET樹脂(a−1)
(ロ)共重合ポリエステル樹脂
本発明の共重合ポリエステル樹脂は、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル及び2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチルとエチレングリコ−ル及び/又はジエチレングリコ−ルとのエステル交換反応を触媒の存在下で行う通常のエステル交換法により初期縮合物を製造し、この初期縮合物を通常の重縮合方法により重縮合することにより得られた。得られた共重合ポリエステル樹脂の組成を表1に示す。なお、各樹脂のIVは、ほぼ0.80である。
【0027】
実施例1〜3及び比較例1
上記の各樹脂を用いて、SHINTO社製プレスシ−ト成形機にて、厚み0.1mmの未延伸シ−トを得た。該シ−トの酸素透過係数、紫外線吸収波長の評価結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
表1より明らかな如く、本発明の共重合ポリエステル樹脂は、優れたガスバリヤ−性、UVカット性を示し、また、透明性も良好である。
【0030】
実施例4
実施例1の共重合ポリエステル樹脂(a−1)20重量部とPET樹脂80重量部をドライブレンドし、SHINTO社製プレスシ−ト成形機にて、厚み0.1mmの未延伸シ−トを得た。該シ−トの酸素透過係数、紫外線吸収波長の評価結果を表2に示す。
【0031】
実施例5〜6
実施例4と同様にして未延伸シ−トを作成し、特性値を評価した。表2に結果を示す。
【0032】
【表2】
【0033】
実施例7及び比較例3
日精ASB社製多層ブロ−成形機、ASB−50THを用いて、外層と中間層と内層との厚み比が1:8:1であり、共重合ポリエステル樹脂(b−2)60重量部とPET樹脂40重量部からなる組成物を中間層としPET樹脂を外層及び内層とする多層延伸ブロ−成形品(容量500cc)を得た。該多層延伸ブロ−成形品の酸素透過係数は1.5cc・mm/m2・day ・atm 、紫外線吸収波長は356nm以下であった。
また、比較例3としたPET樹脂単独で製造した同一容量の成形品の酸素透過係数は4.1cc・mm/m2・day ・atm 、紫外線吸収波長は310nmであった。
【0034】
実施例8
自家製ダイレクトブロ−成形機にて、外層と中間層と内層の厚み比が1:8:1であり、共重合ポリエステル樹脂(b−2)60重量部とPET樹脂40重量部からの組成物を中間層とし、PET樹脂を外層及び内層とする多層ダイレクトブロ−成形品(容量270cc)を得た。該容器の酸素透過係数は1.5cc・mm/m2・day ・atm 、紫外線吸収波長は355nm以下であった。
【0035】
実施例9
自家製多層シ−ト成形機にて、外層と中間層と内層の厚み比が1:8:1であり、共重合ポリエステル樹脂(b−2)60重量部とPET樹脂40重量部からの組成物を中間層とし、PET樹脂を外層及び内層とする多層シ−ト成形品(厚み0.3mm)を得た。この多層シ−トを東洋精機製フイルム延伸機にて、3×3倍に延伸したフイルムを得た。この多層延伸フイルムは、酸素透過係数が1.3cc・mm/m2・day ・atm 以下、紫外線吸収波長は355nm以下であり、優れたガスバリヤ−性、UVカット性を示した。
【0036】
実施例10及び比較例4
実施例2の共重合ポリエステル樹脂(b−2)及びPET樹脂を用いて、自家製多層シ−ティング機にて外層と中間層と内層の厚み比が1:8:1であり、共重合ポリエステル樹脂(b−2)40重量部とPET樹脂60重量部からなる組成物を中間層、PET樹脂を外層及び内層とする、厚み1.0mmの3層シ−トを得た。また、比較のために共重合ポリエステル樹脂(b−4)を用い、実施例8と同様の3層シ−トを得た(比較例4)。これらのシ−トについてデュポン式落錘衝撃試験機で常温での耐衝撃性を測定した。実施例8のシ−トは3mの高さから重りを落下させても割れなかったのに、比較例4のシ−トは全て割れた。本発明の共重合ポリエステル樹脂組成物を用いた多層成形品は優れた耐衝撃強度を示した。
【0037】
【発明の効果】
本発明の共重合ポリエステル樹脂は透明性、ガスバリヤ−性、紫外線吸収性に優れている。また、本発明の共重合ポリエステル樹脂とPET樹脂とからなる樹脂組成物は同様に透明性、ガスバリヤ−性、紫外線吸収性にすぐれている。従って、包装材料として有用であり、容器、シ−ト、フイルム等に広く利用することが出来る。さらに、本発明の多層成形品は優れた透明性、ガスバリヤ−性、紫外線吸収性及び耐衝撃性を備えている。
Claims (3)
- ジカルボン酸成分とジオ−ル成分とからなる共重合ポリエステル樹脂において、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分全量に対して、イソフタル酸成分単位60〜96モル%、テレフタル酸成分単位2〜25モル%及び2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位2〜15モル%とを含み、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸成分単位とテレフタル酸成分単位の合計量が85〜98モル%であり、かつ、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジオ−ル成分全量に対してエチレングリコ−ル成分単位が98.5〜80モル%、ジエチレングリコ−ル成分単位が1.5〜20モル%であり、酸素透過係数が3.0cc・mm/m2・day ・atm 以下、紫外線吸収波長が330nm以下であることを特徴とする共重合ポリエステル樹脂。
- ジカルボン酸成分とジオ−ル成分とからなる共重合ポリエステル樹脂において、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸成分全量に対して、イソフタル酸成分単位60〜96モル%、テレフタル酸成分単位2〜25モル%及び2,6−ナフタレンジカルボン酸成分単位2〜15モル%とを含み、ジカルボン酸成分中のイソフタル酸成分単位とテレフタル酸成分単位の合計量が85〜98モル%であり、かつ、該共重合ポリエステル樹脂を構成するジオ−ル成分全量に対してエチレングリコ−ル成分単位が98.5〜80モル%、ジエチレングリコ−ル成分単位が1.5〜20モル%であり、酸素透過係数が3.0cc・mm/m2・day ・atm 以下、紫外線吸収波長が330nm以下である共重合ポリエステル樹脂10〜90重量部とエチレンテレフタレ−ト単位を主成分とするポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂90〜10重量部とを含むポリエステル樹脂組成物。
- 請求項2のポリエステル樹脂組成物からなる中間層及び/又は最内層とエチレンテレフタレ−ト単位を主成分とするポリエチレンテレフタレ−ト系樹脂からなる最外層及び/又は最内層とを有し、酸素透過係数が3.0cc・mm/m2・day ・atm 以下、光線透過率が85%以上、紫外線吸収波長が330nm以下である特性を有する多層成形品。
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