JPH10330607A - 熱可塑性ポリエステル成形体およびその製造方法 - Google Patents
熱可塑性ポリエステル成形体およびその製造方法Info
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- JPH10330607A JPH10330607A JP13898297A JP13898297A JPH10330607A JP H10330607 A JPH10330607 A JP H10330607A JP 13898297 A JP13898297 A JP 13898297A JP 13898297 A JP13898297 A JP 13898297A JP H10330607 A JPH10330607 A JP H10330607A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐熱性、紫外線遮光性、ガスバリア性および
透明性に優れ、長期にわたり使用しても内容物の変性及
び、容器自体の外観変化を生じることのない成形体を提
供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)
5〜60重量%とポリエチレンナフタレート樹脂(B)
40〜95重量%を含有する樹脂組成物からなり、38
0nm以下での光線透過率が10%以下であり、80℃
で24時間放置した後の容量変化率が5%以下であり、
かつヘイズが8%以下である熱可塑性ポリエステル成形
体である。
透明性に優れ、長期にわたり使用しても内容物の変性及
び、容器自体の外観変化を生じることのない成形体を提
供する。 【解決手段】 ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)
5〜60重量%とポリエチレンナフタレート樹脂(B)
40〜95重量%を含有する樹脂組成物からなり、38
0nm以下での光線透過率が10%以下であり、80℃
で24時間放置した後の容量変化率が5%以下であり、
かつヘイズが8%以下である熱可塑性ポリエステル成形
体である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性ポリエス
テル成形体およびその製造方法に関し、より詳しくは、
透明性、紫外線遮蔽性、ガスバリア性および耐熱性に優
れ、芳香消臭剤、化粧品、目薬、医薬品及び食品用容器
や包装体として利用でき、実用的に長期にわたり使用し
ても内容物の変性及び、容器自体の外観変化を生じるこ
とのない熱可塑性ポリエステル成形体およびその製造方
法に関する。
テル成形体およびその製造方法に関し、より詳しくは、
透明性、紫外線遮蔽性、ガスバリア性および耐熱性に優
れ、芳香消臭剤、化粧品、目薬、医薬品及び食品用容器
や包装体として利用でき、実用的に長期にわたり使用し
ても内容物の変性及び、容器自体の外観変化を生じるこ
とのない熱可塑性ポリエステル成形体およびその製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年になり、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等の材料からなる容
器が使用されている。しかし、これらの材料は紫外線遮
蔽能力が不十分なために、使用環境下での紫外線の暴露
により内容物の変性、退色が生じ商品価値が低下するこ
とがある。例えば、目薬の有効成分には視覚、粘膜など
の正常維持機能を有するビタミンAなどが含まれている
が、ビタミンAは紫外線により分解するため、容器に紫
外線遮蔽性が要求されている。そこで、有機系や無機系
の紫外線吸収剤を樹脂材料に含有させることが試みられ
ている。しかしながら、紫外線吸収剤を大量に入れる
と、紫外線吸収剤の熱安定性が悪いために樹脂材料が着
色して容器の透明性が低下し、商品価値を損なうだけで
なく、内容物が外部から見えず、その変質の度合い等を
判別することが困難となる場合が生じるなどの問題があ
る。
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等の材料からなる容
器が使用されている。しかし、これらの材料は紫外線遮
蔽能力が不十分なために、使用環境下での紫外線の暴露
により内容物の変性、退色が生じ商品価値が低下するこ
とがある。例えば、目薬の有効成分には視覚、粘膜など
の正常維持機能を有するビタミンAなどが含まれている
が、ビタミンAは紫外線により分解するため、容器に紫
外線遮蔽性が要求されている。そこで、有機系や無機系
の紫外線吸収剤を樹脂材料に含有させることが試みられ
ている。しかしながら、紫外線吸収剤を大量に入れる
と、紫外線吸収剤の熱安定性が悪いために樹脂材料が着
色して容器の透明性が低下し、商品価値を損なうだけで
なく、内容物が外部から見えず、その変質の度合い等を
判別することが困難となる場合が生じるなどの問題があ
る。
【0003】また、芳香消臭剤については、使用前の内
容物の揮発を防ぐために、その容器にガスバリヤー性が
要求される。また使用時には芳香消臭剤の使用場所によ
っては高温にさらされることもあり、特に夏場の自動車
内のダッシュボードでは80℃位に達することもあり、
容器に耐熱性が要求されている。
容物の揮発を防ぐために、その容器にガスバリヤー性が
要求される。また使用時には芳香消臭剤の使用場所によ
っては高温にさらされることもあり、特に夏場の自動車
内のダッシュボードでは80℃位に達することもあり、
容器に耐熱性が要求されている。
【0004】このような要求に対応するためにポリエチ
レンテレフタレート樹脂より紫外線遮蔽性に優れたポリ
エチレンナフタレート樹脂を使用して、紫外線遮蔽性お
よび耐熱性に優れた容器を得ることが検討されている。
例えば、特公平7−10926号公報には、エチレンテ
レフタレート単位99.8重量%〜60重量%とエチレ
ンナフタレンジカルボキシレート単位0.2〜40重量
%とからなる共重合ポリエステルあるいは溶融混合物か
らなる紫外線遮断能の優れたポリエステル中空成形体が
開示されている。しかしこの中空成形体は80℃以上の
耐熱性を有しない。
レンテレフタレート樹脂より紫外線遮蔽性に優れたポリ
エチレンナフタレート樹脂を使用して、紫外線遮蔽性お
よび耐熱性に優れた容器を得ることが検討されている。
例えば、特公平7−10926号公報には、エチレンテ
レフタレート単位99.8重量%〜60重量%とエチレ
ンナフタレンジカルボキシレート単位0.2〜40重量
%とからなる共重合ポリエステルあるいは溶融混合物か
らなる紫外線遮断能の優れたポリエステル中空成形体が
開示されている。しかしこの中空成形体は80℃以上の
耐熱性を有しない。
【0005】また特開昭64−85732号公報には、
2,6−ナフタレンジカルボン酸成分65〜98.5モ
ル%及び他のジカルボン酸成分(テレフタル酸、イソフ
タル酸等)35〜1.5モル%とエチレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエチレンナフタレート
系コポリマーからなる耐熱ボトルが開示されている。し
かしながら、他のジカルボン酸成分が10モル%以上に
なると、溶融重合樹脂の結晶化速度が極端に遅くなり、
実用的な条件下では結晶化が不可能となり、非晶の材料
しか得られない。このため、成形のための乾燥処理は低
温で長時間の乾燥が必要となる。また、樹脂材料の分子
量(極限粘度)の上昇およびアセトアルデヒド(AA)
含有量の低下を目的とした固相重合処理の前処理である
結晶化が不可能となるため、固相重合処理もできない。
2,6−ナフタレンジカルボン酸成分65〜98.5モ
ル%及び他のジカルボン酸成分(テレフタル酸、イソフ
タル酸等)35〜1.5モル%とエチレングリコールを
主たるグリコール成分とするポリエチレンナフタレート
系コポリマーからなる耐熱ボトルが開示されている。し
かしながら、他のジカルボン酸成分が10モル%以上に
なると、溶融重合樹脂の結晶化速度が極端に遅くなり、
実用的な条件下では結晶化が不可能となり、非晶の材料
しか得られない。このため、成形のための乾燥処理は低
温で長時間の乾燥が必要となる。また、樹脂材料の分子
量(極限粘度)の上昇およびアセトアルデヒド(AA)
含有量の低下を目的とした固相重合処理の前処理である
結晶化が不可能となるため、固相重合処理もできない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の欠点を
解決しようとするものであり、その目的は、耐熱性、紫
外線遮光性、ガスバリア性および透明性に優れ、長期に
わたり使用しても内容物の変性及び、容器自体の外観変
化を生じることのない成形体およびその製造方法を提供
することである。
解決しようとするものであり、その目的は、耐熱性、紫
外線遮光性、ガスバリア性および透明性に優れ、長期に
わたり使用しても内容物の変性及び、容器自体の外観変
化を生じることのない成形体およびその製造方法を提供
することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下の通りで
ある。 (1) ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)5〜60重
量%とポリエチレンナフタレート樹脂(B)40〜95
重量%を含有する樹脂組成物からなり、380nm以下
での光線透過率が10%以下であり、80℃で24時間
放置した後の容量変化率が5%以下であり、かつヘイズ
が8%以下であることを特徴とする熱可塑性ポリエステ
ル成形体。 (2) 成形体が未延伸の非晶部と延伸された晶質部とから
なる成形体であって、当該未延伸の非晶部について、示
差走査熱量計(DSC)により1℃/分の昇温速度で測
定した熱的特性が下記のイ)〜ハ)のすべての条件を満
足する上記 (1)に記載の熱可塑性ポリエステル成形体。 イ)結晶化ピーク温度(TC1)と成形体中のポリエチ
レンナフタレート樹脂(B)の重量百分率X(重量%)
との関係が、 0.786X+100.0≦ TC1 ≦0.786X
+145.0 で表される。 ロ)昇温時結晶化発熱量(Qc)が15mj/mg以上
である。 ハ)結晶融解熱量(Qm)が20mj/mg以上であ
る。 (3) ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチ
レンナフタレート樹脂(B)の290℃における溶融粘
度差が4000ポイズ以下である上記 (1)または(2)に
記載の熱可塑性ポリエステル成形体。 (4) ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチ
レンナフタレート樹脂(B)の290℃における溶融粘
度が、それぞれ10000ポイズ以下である上記(1)ま
たは (2)に記載の熱可塑性ポリエステル成形体。 (5) 芳香消臭剤用、化粧品用、目薬用、医薬品用または
食料品用の中空成形体である上記 (1)〜 (4)のいずれか
に記載の熱可塑性ポリエステル成形体。 (6) ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)5〜60重
量%とポリエチレンナフタレート樹脂(B)40〜95
重量%を含有する樹脂組成物を予備成形し、次いで延伸
ブロー成形してなることを特徴とする熱可塑性ポリエス
テル中空成形体の製造方法。
ある。 (1) ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)5〜60重
量%とポリエチレンナフタレート樹脂(B)40〜95
重量%を含有する樹脂組成物からなり、380nm以下
での光線透過率が10%以下であり、80℃で24時間
放置した後の容量変化率が5%以下であり、かつヘイズ
が8%以下であることを特徴とする熱可塑性ポリエステ
ル成形体。 (2) 成形体が未延伸の非晶部と延伸された晶質部とから
なる成形体であって、当該未延伸の非晶部について、示
差走査熱量計(DSC)により1℃/分の昇温速度で測
定した熱的特性が下記のイ)〜ハ)のすべての条件を満
足する上記 (1)に記載の熱可塑性ポリエステル成形体。 イ)結晶化ピーク温度(TC1)と成形体中のポリエチ
レンナフタレート樹脂(B)の重量百分率X(重量%)
との関係が、 0.786X+100.0≦ TC1 ≦0.786X
+145.0 で表される。 ロ)昇温時結晶化発熱量(Qc)が15mj/mg以上
である。 ハ)結晶融解熱量(Qm)が20mj/mg以上であ
る。 (3) ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチ
レンナフタレート樹脂(B)の290℃における溶融粘
度差が4000ポイズ以下である上記 (1)または(2)に
記載の熱可塑性ポリエステル成形体。 (4) ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチ
レンナフタレート樹脂(B)の290℃における溶融粘
度が、それぞれ10000ポイズ以下である上記(1)ま
たは (2)に記載の熱可塑性ポリエステル成形体。 (5) 芳香消臭剤用、化粧品用、目薬用、医薬品用または
食料品用の中空成形体である上記 (1)〜 (4)のいずれか
に記載の熱可塑性ポリエステル成形体。 (6) ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)5〜60重
量%とポリエチレンナフタレート樹脂(B)40〜95
重量%を含有する樹脂組成物を予備成形し、次いで延伸
ブロー成形してなることを特徴とする熱可塑性ポリエス
テル中空成形体の製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の成形体は、ポリエチレンテレフタレート
樹脂(A)とポリエチレンナフタレート樹脂(B)を含
有する樹脂組成物からなる。
する。本発明の成形体は、ポリエチレンテレフタレート
樹脂(A)とポリエチレンナフタレート樹脂(B)を含
有する樹脂組成物からなる。
【0009】本発明で用いられるポリエチレンテレフタ
レート樹脂(A)は、エチレンテレフタレート単位を好
ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以
上含む線状ポリエステル樹脂である。共重合に使用され
るテレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えば、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキジエタン
ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘
導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸
及びその機能的誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸等
の脂肪族カルボン酸及び機能的誘導体などが挙げられ
る。
レート樹脂(A)は、エチレンテレフタレート単位を好
ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以
上含む線状ポリエステル樹脂である。共重合に使用され
るテレフタル酸以外のジカルボン酸としては、例えば、
イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフ
ェニル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェノキジエタン
ジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘
導体、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルタル酸
及びその機能的誘導体、シクロヘキサンジカルボン酸等
の脂肪族カルボン酸及び機能的誘導体などが挙げられ
る。
【0010】共重合に使用されるエチレングリコール以
外のグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シ
クロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビス
フェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイ
ド付加物等の芳香族グリコールなどが挙げられる。
外のグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シ
クロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビス
フェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイ
ド付加物等の芳香族グリコールなどが挙げられる。
【0011】また、p−オキシ安息香酸、オキシカプロ
ン酸等のオキシ酸およびその機能的誘導体も使用可能で
ある。
ン酸等のオキシ酸およびその機能的誘導体も使用可能で
ある。
【0012】上記ポリエチレンテレフタレート樹脂
(A)は、従来公知の製造方法によって製造することが
できる。即ち、テレフタル酸とエチレングリコール及び
/又は第三成分を直接反応させて水を留去しエステル化
した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、また
はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び/又
は第三成分を反応させてメチルアルコールを留去しエス
テル交換させた後、減圧下に縮重合を行うエステル交換
法により製造される。更に極限粘度を増大させ、アセト
アルデヒド含有量を低下させるために固相重合を行って
も良い。
(A)は、従来公知の製造方法によって製造することが
できる。即ち、テレフタル酸とエチレングリコール及び
/又は第三成分を直接反応させて水を留去しエステル化
した後、減圧下に重縮合を行う直接エステル化法、また
はテレフタル酸ジメチルとエチレングリコール及び/又
は第三成分を反応させてメチルアルコールを留去しエス
テル交換させた後、減圧下に縮重合を行うエステル交換
法により製造される。更に極限粘度を増大させ、アセト
アルデヒド含有量を低下させるために固相重合を行って
も良い。
【0013】このようなポリエチレンテレフタレート樹
脂(A)の極限粘度は、後述するポリエチレンナフタレ
ート樹脂(B)との相溶性、および成形性等の点から、
好ましくは0.65〜1.20dl/g、より好ましく
は0.70〜1.00dl/gである。
脂(A)の極限粘度は、後述するポリエチレンナフタレ
ート樹脂(B)との相溶性、および成形性等の点から、
好ましくは0.65〜1.20dl/g、より好ましく
は0.70〜1.00dl/gである。
【0014】本発明で用いられるポリエチレンナフタレ
ート樹脂(B)はエチレンナフタレート単位を好ましく
は80モル%以上、より好ましくは85モル%以上含む
線状ポリエステル樹脂である。共重合に用いられるナフ
タレンジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニル−4,
4’−ジカルボン酸、ジフェノキジエタンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸等の脂肪族
ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサンジ
カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族カル
ボン酸及び機能的誘導体などが挙げられる。
ート樹脂(B)はエチレンナフタレート単位を好ましく
は80モル%以上、より好ましくは85モル%以上含む
線状ポリエステル樹脂である。共重合に用いられるナフ
タレンジカルボン酸以外のジカルボン酸としては、例え
ば、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニル−4,
4’−ジカルボン酸、ジフェノキジエタンジカルボン酸
等の芳香族ジカルボン酸及びその機能的誘導体、アジピ
ン酸、セバシン酸、アゼライン酸、コハク酸等の脂肪族
ジカルボン酸及びその機能的誘導体、シクロヘキサンジ
カルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸等の脂環族カル
ボン酸及び機能的誘導体などが挙げられる。
【0015】共重合に使用されるエチレングリコール以
外のグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シ
クロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビス
フェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイ
ド付加物等の芳香族グリコールなどが挙げられる。
外のグリコールとしては、例えば、ジエチレングリコー
ル、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリコール、シ
クロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ビス
フェノールA、ビスフェノールAのアルキレンオキサイ
ド付加物等の芳香族グリコールなどが挙げられる。
【0016】また、p−オキシ安息香酸、オキシカプロ
ン酸等のオキシ酸およびその機能的誘導体も使用可能で
ある。
ン酸等のオキシ酸およびその機能的誘導体も使用可能で
ある。
【0017】上記ポリエチレンナフタレート樹脂(B)
は、従来公知の製造方法によって製造することができ
る。即ち、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレン
グリコール及び/又は第三成分を直接反応させて水を留
去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エス
テル化法、またはジメチル2,6−ナフタレンジカルボ
キシレートとエチレングリコール及び/又は第三成分を
反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させ
た後、減圧下に縮重合を行うエステル交換法により製造
される。更に極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含
有量を低下させるために固相重合を行っても良い。
は、従来公知の製造方法によって製造することができ
る。即ち、2,6−ナフタレンジカルボン酸とエチレン
グリコール及び/又は第三成分を直接反応させて水を留
去しエステル化した後、減圧下に重縮合を行う直接エス
テル化法、またはジメチル2,6−ナフタレンジカルボ
キシレートとエチレングリコール及び/又は第三成分を
反応させてメチルアルコールを留去しエステル交換させ
た後、減圧下に縮重合を行うエステル交換法により製造
される。更に極限粘度を増大させ、アセトアルデヒド含
有量を低下させるために固相重合を行っても良い。
【0018】このようなポリエチレンナフタレート樹脂
(B)の極限粘度は、ポリエチレンテレフタレート樹脂
(A)との相溶性、および成形性等の点から、好ましく
は0.50〜1.10dl/g、より好ましくは0.5
0〜0.90dl/gである。
(B)の極限粘度は、ポリエチレンテレフタレート樹脂
(A)との相溶性、および成形性等の点から、好ましく
は0.50〜1.10dl/g、より好ましくは0.5
0〜0.90dl/gである。
【0019】上記樹脂(A)および(B)の組成物中の
含有量は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は6
0〜5重量%、好ましくは50〜10重量%であり、一
方、ポリエチレンナフタレート樹脂(B)は40〜95
重量%、好ましくは50〜90重量%である。ポリエチ
レンテレフタレート樹脂(A)の含有量が60重量%を
超える場合、得られる成形体の耐熱性、紫外線遮蔽性、
ガスバリア性が劣る傾向にある。逆に5重量%未満の場
合、成形体の成形性や延伸性が劣り、また得られる成形
体の透明性が劣る傾向にある。
含有量は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)は6
0〜5重量%、好ましくは50〜10重量%であり、一
方、ポリエチレンナフタレート樹脂(B)は40〜95
重量%、好ましくは50〜90重量%である。ポリエチ
レンテレフタレート樹脂(A)の含有量が60重量%を
超える場合、得られる成形体の耐熱性、紫外線遮蔽性、
ガスバリア性が劣る傾向にある。逆に5重量%未満の場
合、成形体の成形性や延伸性が劣り、また得られる成形
体の透明性が劣る傾向にある。
【0020】ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)お
よびポリエチレンナフタレート樹脂(B)の290℃で
の溶融粘度はそれぞれ好ましくは10000ポイズ以
下、より好ましくは8000ポイズである。これらの溶
融粘度が10000ポイズを超える場合、得られた成形
体の透明性が劣るので、透明な成形体を得るために高温
で溶融成形を行うと、樹脂の熱分解により樹脂中のアセ
トアルデヒド(AA)生成量の増加や極限粘度(IV)
の低下等の物性低下を引き起こす傾向にある。
よびポリエチレンナフタレート樹脂(B)の290℃で
の溶融粘度はそれぞれ好ましくは10000ポイズ以
下、より好ましくは8000ポイズである。これらの溶
融粘度が10000ポイズを超える場合、得られた成形
体の透明性が劣るので、透明な成形体を得るために高温
で溶融成形を行うと、樹脂の熱分解により樹脂中のアセ
トアルデヒド(AA)生成量の増加や極限粘度(IV)
の低下等の物性低下を引き起こす傾向にある。
【0021】またこれらの樹脂の溶融粘度差は好ましく
は4000ポイズ以下、より好ましくは3000ポイズ
以下である。溶融粘度差が4000ポイズを超える場
合、得られた成形体の透明性が劣るので、透明な成形体
を得るために高温での溶融成形が必要となり、そのため
熱分解によるアセトアルデヒド生成量の増加や極限粘度
(IV)の低下等の物性低下を引き起こす傾向にある。
は4000ポイズ以下、より好ましくは3000ポイズ
以下である。溶融粘度差が4000ポイズを超える場
合、得られた成形体の透明性が劣るので、透明な成形体
を得るために高温での溶融成形が必要となり、そのため
熱分解によるアセトアルデヒド生成量の増加や極限粘度
(IV)の低下等の物性低下を引き起こす傾向にある。
【0022】本発明の成形体は、例えば以下の方法によ
り製造される。まずポリエチレンテレフタレート樹脂
(A)5〜60重量%とポリエチレンナフタレート樹脂
(B)40〜95重量%を混合する。この混合方法とし
ては、公知の種々方法を用いることができるが、例え
ば、ダブルコーンブレンダー、リボンシャフトブレンダ
ー等による方法が適用できる。また、このような方法で
混合した両樹脂を一軸押出機、二軸押出機、ベント式押
出機等により溶融混練し造粒することもできる。この
時、熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、耐候性安定
剤、滑剤、顔料、染料、あるいは顔料分散剤などを本発
明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
り製造される。まずポリエチレンテレフタレート樹脂
(A)5〜60重量%とポリエチレンナフタレート樹脂
(B)40〜95重量%を混合する。この混合方法とし
ては、公知の種々方法を用いることができるが、例え
ば、ダブルコーンブレンダー、リボンシャフトブレンダ
ー等による方法が適用できる。また、このような方法で
混合した両樹脂を一軸押出機、二軸押出機、ベント式押
出機等により溶融混練し造粒することもできる。この
時、熱安定剤、熱酸化安定剤、帯電防止剤、耐候性安定
剤、滑剤、顔料、染料、あるいは顔料分散剤などを本発
明の目的を損なわない範囲で添加することができる。
【0023】次いで、この混合物を成形する。また中空
成形体等を得るために予め予備成形してから成形しても
よい。この予備成形の方法としては、例えば直接射出成
形法や押出成形法等が採用される。中空成形体を製造す
る場合には、公知の射出成形機等によりパリソン(有底
の予備成形体)に成形し、次いで延伸ブロー成形機によ
り延伸ブロー成形する二段階方式(コールドパリソン
法)、あるいは予備成形体の成形と延伸ブロー成形を同
一の機械で行う一段方式(ホットパリソン法)の延伸ブ
ロー成形法、ダイレクトブロー成形法、押出ブロー成形
法により製造することができる。また、成形体のアセト
アルデヒド含有量を低下させたい場合にはベント式射出
成形機を用いるのがよい。予備成形の条件は、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂(A)、及びポリエチレンナフ
タレート樹脂(B)の溶融粘度、両樹脂の溶融粘度差に
より、適宜、射出成形や押出成形時の温度、溶融時間、
背圧、及びスクリュー回転数等が選択されるが、好まし
くは温度が280〜300℃、時間が15〜120秒、
背圧が5〜20kgf/cm2 であり、このような条件
により、予備成形体および成形体が透明となる。予備成
形体は、中空成形体用のパリソンに限らず、ダイレクト
ブロー成形用の押出成形したパイプ状体、筒状体または
押出成形したシート状物であってもよい。
成形体等を得るために予め予備成形してから成形しても
よい。この予備成形の方法としては、例えば直接射出成
形法や押出成形法等が採用される。中空成形体を製造す
る場合には、公知の射出成形機等によりパリソン(有底
の予備成形体)に成形し、次いで延伸ブロー成形機によ
り延伸ブロー成形する二段階方式(コールドパリソン
法)、あるいは予備成形体の成形と延伸ブロー成形を同
一の機械で行う一段方式(ホットパリソン法)の延伸ブ
ロー成形法、ダイレクトブロー成形法、押出ブロー成形
法により製造することができる。また、成形体のアセト
アルデヒド含有量を低下させたい場合にはベント式射出
成形機を用いるのがよい。予備成形の条件は、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂(A)、及びポリエチレンナフ
タレート樹脂(B)の溶融粘度、両樹脂の溶融粘度差に
より、適宜、射出成形や押出成形時の温度、溶融時間、
背圧、及びスクリュー回転数等が選択されるが、好まし
くは温度が280〜300℃、時間が15〜120秒、
背圧が5〜20kgf/cm2 であり、このような条件
により、予備成形体および成形体が透明となる。予備成
形体は、中空成形体用のパリソンに限らず、ダイレクト
ブロー成形用の押出成形したパイプ状体、筒状体または
押出成形したシート状物であってもよい。
【0024】本発明の成形体は透明性に優れ、ヘイズが
8%以下、好ましくは5%以下である。このヘイズが8
%を超える場合、得られる成形体の透明性が劣り、内容
物が外部から見えず、その容量や変質の度合い等を判別
することができない。このヘイズを8%以下とするに
は、ポリエチレンナフタレート樹脂(A)の含有量を上
記範囲とする方法、樹脂(A)、(B)の溶融粘度をそ
れぞれ上記範囲とし、その差を4000ポイズとする方
法、予備成形時に上記の条件を採用する方法等が採用さ
れる。
8%以下、好ましくは5%以下である。このヘイズが8
%を超える場合、得られる成形体の透明性が劣り、内容
物が外部から見えず、その容量や変質の度合い等を判別
することができない。このヘイズを8%以下とするに
は、ポリエチレンナフタレート樹脂(A)の含有量を上
記範囲とする方法、樹脂(A)、(B)の溶融粘度をそ
れぞれ上記範囲とし、その差を4000ポイズとする方
法、予備成形時に上記の条件を採用する方法等が採用さ
れる。
【0025】本発明の成形体は紫外線遮光性に優れ、3
80nm以下の波長を有する光の透過率が10%以下、
好ましくは5%以下である。この透過率が10%を超え
る場合、得られる成形体の紫外線遮光性が劣り、内容物
の変性、退色を防止することができない。この透過率を
10%以下とするには、ポリエチレンナフタレート樹脂
(B)の含有量を上記範囲とする方法、成形体の肉厚を
厚くする方法等が採用される。
80nm以下の波長を有する光の透過率が10%以下、
好ましくは5%以下である。この透過率が10%を超え
る場合、得られる成形体の紫外線遮光性が劣り、内容物
の変性、退色を防止することができない。この透過率を
10%以下とするには、ポリエチレンナフタレート樹脂
(B)の含有量を上記範囲とする方法、成形体の肉厚を
厚くする方法等が採用される。
【0026】本発明の成形体は耐熱性に優れ、80℃で
24時間放置した後の容量変化率が5%以下、好ましく
は3%以下である。この容量変化率が5%を超える場
合、得られる成形体の耐熱性が劣り、高温に晒されるよ
うな環境下ではできない。この容量変化率を5%以下と
するには、ポリエチレンナフタレート樹脂(B)の含有
量を上記範囲とする方法、予備成形時に上記の条件を採
用する方法、予備成形体を延伸ブローした後に成形体を
高温(80〜180℃)の金型で熱固定する方法等が採
用される。
24時間放置した後の容量変化率が5%以下、好ましく
は3%以下である。この容量変化率が5%を超える場
合、得られる成形体の耐熱性が劣り、高温に晒されるよ
うな環境下ではできない。この容量変化率を5%以下と
するには、ポリエチレンナフタレート樹脂(B)の含有
量を上記範囲とする方法、予備成形時に上記の条件を採
用する方法、予備成形体を延伸ブローした後に成形体を
高温(80〜180℃)の金型で熱固定する方法等が採
用される。
【0027】本発明の成形体の未延伸の非晶部につい
て、示差走査熱量計(DSC)(1℃/分の昇温速度で
の)により測定した熱特性と成形体の透明性、耐熱性、
機械的特性等の性質について更に検討を加えた結果、以
下のイ)〜ハ)の3条件のすべてを満足すると、成形体
の透明性、耐熱性、機械的特性等の特性がさらに良好と
なることがわかった。ここで成形体の「未延伸の非晶
部」とは、延伸されていない非結晶部分であり、具体的
には、中空成形容器の場合には口栓部天面の部分をい
う。
て、示差走査熱量計(DSC)(1℃/分の昇温速度で
の)により測定した熱特性と成形体の透明性、耐熱性、
機械的特性等の性質について更に検討を加えた結果、以
下のイ)〜ハ)の3条件のすべてを満足すると、成形体
の透明性、耐熱性、機械的特性等の特性がさらに良好と
なることがわかった。ここで成形体の「未延伸の非晶
部」とは、延伸されていない非結晶部分であり、具体的
には、中空成形容器の場合には口栓部天面の部分をい
う。
【0028】イ)本発明の成形体の未延伸部(中空成形
体の場合は口栓部等)の示差走査熱量計(DSC)で1
℃/分の昇温速度で測定した昇温時結晶化ピーク温度
(TC1)と、成形体中のポリエチレンナフタレート樹
脂の重量百分率X(重量%)との関係が下記式 0.786X+100.0≦ TC1 ≦0.786X
+145.0 で表される。上記式において、TC1が、上記式の上限
を超える場合は、得られた成形体は肉厚ムラが大きくな
ったり、望ましい肉厚分布で中空成形体を成形できず、
機械的特性等も劣り、逆にTC1が上記式の下限未満の
場合は、得られた成形体の透明性が極端に低下する傾向
にある。
体の場合は口栓部等)の示差走査熱量計(DSC)で1
℃/分の昇温速度で測定した昇温時結晶化ピーク温度
(TC1)と、成形体中のポリエチレンナフタレート樹
脂の重量百分率X(重量%)との関係が下記式 0.786X+100.0≦ TC1 ≦0.786X
+145.0 で表される。上記式において、TC1が、上記式の上限
を超える場合は、得られた成形体は肉厚ムラが大きくな
ったり、望ましい肉厚分布で中空成形体を成形できず、
機械的特性等も劣り、逆にTC1が上記式の下限未満の
場合は、得られた成形体の透明性が極端に低下する傾向
にある。
【0029】ロ)本発明の成形体の未延伸部(中空成形
体の場合は口栓部等)の示差走査熱量計(DSC)で1
℃/分の昇温速度で測定した昇温時結晶化発熱量(Q
c)は好ましくは15mj/mg以上、より好ましくは
17mj/mg以上である。Qcが15mj/mg未満
の場合、得られた成形体は肉厚ムラが大きくなったり、
望ましい肉厚分布で中空成形体を成形できず、耐熱性、
機械的特性等も悪くなる傾向にある。
体の場合は口栓部等)の示差走査熱量計(DSC)で1
℃/分の昇温速度で測定した昇温時結晶化発熱量(Q
c)は好ましくは15mj/mg以上、より好ましくは
17mj/mg以上である。Qcが15mj/mg未満
の場合、得られた成形体は肉厚ムラが大きくなったり、
望ましい肉厚分布で中空成形体を成形できず、耐熱性、
機械的特性等も悪くなる傾向にある。
【0030】ハ)本発明の成形体の未延伸部(中空成形
体の場合は口栓部等)の示差走査熱量計(DSC)で1
℃/分の昇温速度で測定した結晶融解熱量(Qm)は好
ましくは20mj/mg以上、より好ましくは22mj
/mg以上である。Qmが20mj/mg未満の場合、
得られた成形体は肉厚ムラが大きくなったり、望ましい
肉厚分布で中空成形体を成形できず、耐熱性、機械的特
性等も悪くなる傾向にある。
体の場合は口栓部等)の示差走査熱量計(DSC)で1
℃/分の昇温速度で測定した結晶融解熱量(Qm)は好
ましくは20mj/mg以上、より好ましくは22mj
/mg以上である。Qmが20mj/mg未満の場合、
得られた成形体は肉厚ムラが大きくなったり、望ましい
肉厚分布で中空成形体を成形できず、耐熱性、機械的特
性等も悪くなる傾向にある。
【0031】TC1、Qc、Qmを上記範囲とするため
には、樹脂(A)、樹脂(B)の溶融粘度を10000
ポイズ以下、その差を4000ポイズ以下とする方法、
成形温度を280〜300℃とする方法等が採用され
る。
には、樹脂(A)、樹脂(B)の溶融粘度を10000
ポイズ以下、その差を4000ポイズ以下とする方法、
成形温度を280〜300℃とする方法等が採用され
る。
【0032】このような成形体は、透明性、耐熱性、紫
外線遮蔽性、及び機械的特性に優れ、特に中空成形体
は、飲料、芳香消臭剤、化粧品、目薬、医薬品用容器と
して適している。
外線遮蔽性、及び機械的特性に優れ、特に中空成形体
は、飲料、芳香消臭剤、化粧品、目薬、医薬品用容器と
して適している。
【0033】
【実施例】以下本発明を具体的な実施例により説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。な
お主な特性値の測定法を以下に説明する。 (1)ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の極
限粘度(IV) ウベローデ粘度管を用い、1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30
℃での溶液粘度から求めた。 (2)ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂の極限
粘度(IV) ウベローデ粘度管を用い、1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン/p−クロルフェノール(1:3重量比)混合
溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。 (3)PET樹脂及びPEN樹脂の溶融粘度(MV) 東洋精機製作所社製のキャピログラフ1B(キャピラリ
ーL/D=10mm/1.0mm)を使用し、290
℃、剪断速度=608sec-1で測定した。 (4)アセトアルデヒド含有量(AA) 中空容器の口栓部より試料を2〜3mm角に切り取り、
試料/蒸留水=1g/2mlを窒素置換したガラスアン
プル中に溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷
却溶液中のAAを高感度ガスクロマトグラフィーで測定
し、AA濃度をppmで表示した。AA濃度が高いと、
特に食品用途では内容物のフレーバー性が損なわれる。 (5)ヘイズ(霞度) 中空容器の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切り出
し、東洋精機製作所社製ヘイズメーターでヘイズ(%)
を測定した。 (6)紫外線遮断性 中空容器の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切り出
し、紫外可視分光光度計(日立製作所(株)社製U−3
210)を用いて380nmの波長における透過率を測
定した。 (7)示差走査熱量(DSC)測定 成形した中空容器の口栓部天面からの測定試料につい
て、セイコー電子工業(株)社製の示差走査熱量計RD
C−220で測定した。試料量4.0mg、昇温速度は
1℃/分で測定した。 (8)耐熱性 中空容器を4500ppmの含水率まで調湿し、これに
市販の芳香消臭剤内容物を入れ、80℃の温度に保った
恒温槽内に24時間放置した後、容量変化率を評価した
(容量変化率≦±5%のものを○、容量変化率>±5%
のものを×と判定した。)。 (9)酸素透過度 中空容器について、MODERN CONTROL社製
のOX−TRAN TWIN型を用いて、温度20℃、
相対湿度60%の条件下で測定した。 (10)耐候試験 成形した中空容器を4500ppmの含水率まで調湿
し、これに市販の芳香消臭剤内容物を入れ、白色蛍光灯
(1000LX)下に2週間暴露させ、内容物の変化を
調べた。目視により内容物の変色が認められないものを
○、内容物の変色が認められるものを×と評価した。
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。な
お主な特性値の測定法を以下に説明する。 (1)ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂の極
限粘度(IV) ウベローデ粘度管を用い、1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン/フェノール(2:3重量比)混合溶媒中30
℃での溶液粘度から求めた。 (2)ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂の極限
粘度(IV) ウベローデ粘度管を用い、1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン/p−クロルフェノール(1:3重量比)混合
溶媒中30℃での溶液粘度から求めた。 (3)PET樹脂及びPEN樹脂の溶融粘度(MV) 東洋精機製作所社製のキャピログラフ1B(キャピラリ
ーL/D=10mm/1.0mm)を使用し、290
℃、剪断速度=608sec-1で測定した。 (4)アセトアルデヒド含有量(AA) 中空容器の口栓部より試料を2〜3mm角に切り取り、
試料/蒸留水=1g/2mlを窒素置換したガラスアン
プル中に溶封し、160℃で2時間抽出処理を行い、冷
却溶液中のAAを高感度ガスクロマトグラフィーで測定
し、AA濃度をppmで表示した。AA濃度が高いと、
特に食品用途では内容物のフレーバー性が損なわれる。 (5)ヘイズ(霞度) 中空容器の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切り出
し、東洋精機製作所社製ヘイズメーターでヘイズ(%)
を測定した。 (6)紫外線遮断性 中空容器の胴部(肉厚約0.4mm)より試料を切り出
し、紫外可視分光光度計(日立製作所(株)社製U−3
210)を用いて380nmの波長における透過率を測
定した。 (7)示差走査熱量(DSC)測定 成形した中空容器の口栓部天面からの測定試料につい
て、セイコー電子工業(株)社製の示差走査熱量計RD
C−220で測定した。試料量4.0mg、昇温速度は
1℃/分で測定した。 (8)耐熱性 中空容器を4500ppmの含水率まで調湿し、これに
市販の芳香消臭剤内容物を入れ、80℃の温度に保った
恒温槽内に24時間放置した後、容量変化率を評価した
(容量変化率≦±5%のものを○、容量変化率>±5%
のものを×と判定した。)。 (9)酸素透過度 中空容器について、MODERN CONTROL社製
のOX−TRAN TWIN型を用いて、温度20℃、
相対湿度60%の条件下で測定した。 (10)耐候試験 成形した中空容器を4500ppmの含水率まで調湿
し、これに市販の芳香消臭剤内容物を入れ、白色蛍光灯
(1000LX)下に2週間暴露させ、内容物の変化を
調べた。目視により内容物の変色が認められないものを
○、内容物の変色が認められるものを×と評価した。
【0034】実施例1〜3及び、比較例1〜3、5 日本ユニペット(株)社製のポリエチレンテレフタレー
ト(PET)樹脂(A)(IV=0.84、MV=40
00ポイズ)と、ジメチル2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート、テルフタル酸ジメチル及びエチレングリコ
ールから常法により製造したポリエチレンナフタレート
(PEN)樹脂(B)(エチレン−2,6−ナフタレー
ト単位:エチレンテレフタレート単位=92:8、IV
=0.62、MV=4400ポイズ)を用いた。上記の
ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレン
ナフタレート樹脂(B)を常法により表2の重量比で混
合した後、日精エーエスビー(株)社製ブロー成形機A
SB−50THを用いホットパリソン法で表1の成形条
件により二軸延伸ブロー成形し330mlの中空容器を
得た。
ト(PET)樹脂(A)(IV=0.84、MV=40
00ポイズ)と、ジメチル2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート、テルフタル酸ジメチル及びエチレングリコ
ールから常法により製造したポリエチレンナフタレート
(PEN)樹脂(B)(エチレン−2,6−ナフタレー
ト単位:エチレンテレフタレート単位=92:8、IV
=0.62、MV=4400ポイズ)を用いた。上記の
ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレン
ナフタレート樹脂(B)を常法により表2の重量比で混
合した後、日精エーエスビー(株)社製ブロー成形機A
SB−50THを用いホットパリソン法で表1の成形条
件により二軸延伸ブロー成形し330mlの中空容器を
得た。
【0035】比較例4 日本ユニペット(株)社製のポリエチレンテレフタレー
ト(PET)樹脂(A)(IV=0.84、MV=40
00ポイズ)と、ジメチル2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート、テルフタル酸ジメチル及びエチレングリコ
ールから常法により製造したポリエチレンナフタレート
(PEN)樹脂(B)(エチレン−2,6−ナフタレー
ト単位:エチレンテレフタレート単位=92:8、IV
=0.93、MV=9500ポイズ)を用いた。上記の
ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレン
ナフタレート樹脂(B)を常法により所定の重量比で混
合した後、日精エーエスビー(株)社製ブロー成形機A
SB−50THを用いホットパリソン法により330m
lの容器を表1の成形条件により二軸延伸ブロー成形し
た。
ト(PET)樹脂(A)(IV=0.84、MV=40
00ポイズ)と、ジメチル2,6−ナフタレンジカルボ
キシレート、テルフタル酸ジメチル及びエチレングリコ
ールから常法により製造したポリエチレンナフタレート
(PEN)樹脂(B)(エチレン−2,6−ナフタレー
ト単位:エチレンテレフタレート単位=92:8、IV
=0.93、MV=9500ポイズ)を用いた。上記の
ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)とポリエチレン
ナフタレート樹脂(B)を常法により所定の重量比で混
合した後、日精エーエスビー(株)社製ブロー成形機A
SB−50THを用いホットパリソン法により330m
lの容器を表1の成形条件により二軸延伸ブロー成形し
た。
【0036】実施例1〜3および比較例1〜5で得られ
た中空容器について表2に示す評価を行った。その結果
を表2に示す。また、実施例2および比較例1で得られ
た中空容器について、紫外線遮蔽試験の評価を行った。
その結果を表3に示す。
た中空容器について表2に示す評価を行った。その結果
を表2に示す。また、実施例2および比較例1で得られ
た中空容器について、紫外線遮蔽試験の評価を行った。
その結果を表3に示す。
【0037】表2の結果より明らかな如く、本発明中の
熱可塑性ポリエステル製中空成形容器は優れた透明性、
耐熱性、紫外線遮断性を示し、またAAも低い。また表
3の結果より本発明中の熱可塑性ポリエステル中空成形
容器は内容物の保護性能が高い。
熱可塑性ポリエステル製中空成形容器は優れた透明性、
耐熱性、紫外線遮断性を示し、またAAも低い。また表
3の結果より本発明中の熱可塑性ポリエステル中空成形
容器は内容物の保護性能が高い。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、耐熱性、紫外線遮光性、ガスバリア性および透
明性に優れ、さらには耐光性にも優れ、アセトアルデヒ
ドの分解がなく、長期にわたり使用しても内容物の変性
及び、容器自体の外観変化を生じることのない成形体を
提供することができる。
よれば、耐熱性、紫外線遮光性、ガスバリア性および透
明性に優れ、さらには耐光性にも優れ、アセトアルデヒ
ドの分解がなく、長期にわたり使用しても内容物の変性
及び、容器自体の外観変化を生じることのない成形体を
提供することができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)
5〜60重量%とポリエチレンナフタレート樹脂(B)
40〜95重量%を含有する樹脂組成物からなり、38
0nm以下での光線透過率が10%以下であり、80℃
で24時間放置した後の容量変化率が5%以下であり、
かつヘイズが8%以下であることを特徴とする熱可塑性
ポリエステル成形体。 - 【請求項2】 成形体が未延伸の非晶部と延伸された晶
質部とからなる成形体であって、当該未延伸の非晶部に
ついて、示差走査熱量計(DSC)により1℃/分の昇
温速度で測定した熱的特性が下記のイ)〜ハ)のすべて
の条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の熱
可塑性ポリエステル成形体。 イ)結晶化ピーク温度(TC1)と成形体中のポリエチ
レンナフタレート樹脂(B)の重量百分率X(重量%)
との関係が、 0.786X+100.0≦ TC1 ≦0.786X
+145.0 で表される。 ロ)昇温時結晶化発熱量(Qc)が15mj/mg以上
である。 ハ)結晶融解熱量(Qm)が20mj/mg以上であ
る。 - 【請求項3】 ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)
とポリエチレンナフタレート樹脂(B)の290℃にお
ける溶融粘度差が4000ポイズ以下であることを特徴
とする請求項1または2に記載の熱可塑性ポリエステル
成形体。 - 【請求項4】 ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)
とポリエチレンナフタレート樹脂(B)の290℃にお
ける溶融粘度が、それぞれ10000ポイズ以下である
ことを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性ポ
リエステル成形体。 - 【請求項5】 芳香消臭剤用、化粧品用、目薬用、医薬
品用または食料品用の中空成形体であることを特徴とす
る請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性ポリエステ
ル成形体。 - 【請求項6】 ポリエチレンテレフタレート樹脂(A)
5〜60重量%とポリエチレンナフタレート樹脂(B)
40〜95重量%を含有する樹脂組成物を予備成形し、
次いで延伸ブロー成形してなることを特徴とする熱可塑
性ポリエステル中空成形体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13898297A JPH10330607A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 熱可塑性ポリエステル成形体およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13898297A JPH10330607A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 熱可塑性ポリエステル成形体およびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10330607A true JPH10330607A (ja) | 1998-12-15 |
Family
ID=15234720
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13898297A Pending JPH10330607A (ja) | 1997-05-28 | 1997-05-28 | 熱可塑性ポリエステル成形体およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10330607A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000059197A (ko) * | 2000-07-21 | 2000-10-05 | 구광시 | 폴리에틸렌나프탈레이트계 유아용 수유병 및 그의 제조방법 |
KR20030057797A (ko) * | 2001-12-29 | 2003-07-07 | 주식회사 효성 | 자외선 차단성이 우수한 폴리에스테르 수지 조성물 및그를 이용하여 제조된 폴리에스테르 2축연신 병 |
-
1997
- 1997-05-28 JP JP13898297A patent/JPH10330607A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20000059197A (ko) * | 2000-07-21 | 2000-10-05 | 구광시 | 폴리에틸렌나프탈레이트계 유아용 수유병 및 그의 제조방법 |
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