JP3039797B2 - 延伸フィルム - Google Patents

延伸フィルム

Info

Publication number
JP3039797B2
JP3039797B2 JP26802590A JP26802590A JP3039797B2 JP 3039797 B2 JP3039797 B2 JP 3039797B2 JP 26802590 A JP26802590 A JP 26802590A JP 26802590 A JP26802590 A JP 26802590A JP 3039797 B2 JP3039797 B2 JP 3039797B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mol
polyester resin
stretched film
film
stretched
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26802590A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04145137A (ja
Inventor
一人 山本
宏二 新美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Chemicals Inc filed Critical Mitsui Chemicals Inc
Priority to JP26802590A priority Critical patent/JP3039797B2/ja
Publication of JPH04145137A publication Critical patent/JPH04145137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3039797B2 publication Critical patent/JP3039797B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、延伸フィルムに関し、さらに詳しくはガス
バリア性、水蒸気透過性、衝撃強度などの特性に優れた
延伸フィルムに関する。
発明の技術的背景 包装材料、特に食品包装用材料においては、食品の保
存期間を延長したり、食品の鮮度を長時間保つ必要があ
るため、ガスバリヤー性の良好な材料が要求される。た
とえば、油成分を含む食品を包装する場合には、酸素の
透過による油脂酸化を防止する必要があるため酸素に対
するバリヤー性に優れた包装材料が要求される。また、
炭酸飲料等の容器においては、清涼性を維持する必要が
あるため炭酸ガスに対するバリヤー性に優れた容器材料
が要求される。
このような要求を満たすために各種の材料が開発され
てきており、このような材料として、たとえばポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、エチレン−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレー
トなどが挙げられる。このようなポリマーからなるフィ
ルムは、ガスバリヤー性だけでなく、他の要求(たとえ
ば強度、透湿性、耐候性)をも満たすため、他の種類の
ポリマーからなるフィルムと積層したり、あるいはその
フィルム表面を他種材料でコーティングするなど、いわ
ゆる多層化することによりさらに実用的価値を与えられ
ることが多い。
上記のような材料のうち、例えばポリ塩化ビニル、塩
化ビニリデン等の塩ビ系樹脂は、耐水性、無毒、難燃性
などの特性に優れているため、単独で、あるいは他種材
料例えば二軸配向ポリプロピレン(OPP)フィルムと積
層され農業シート、食品包装用フィルムなどとして広く
用いられている。
しかしながら、かかる素材からなるフィルムには、塩
素が含まれているため焼却時に有毒な塩化水素ガスを発
生し大気を汚染するという問題がある。そこで焼却にこ
のような有毒ガスなどを発生しないようなフィルムの開
発が望まれている。
このような樹脂としては、ポリエステル樹脂組成物が
挙げられ、具体的には、たとえばPET(ポリエチレンテ
レフタレート)樹脂が知られている。
PET樹脂は一般に機械的強度および透明性に優れ、か
つ溶融成形性、延伸性といった成形加工性も良好であ
り、さらに軽量でもある。そのため、PET樹脂製各種成
形体は、たとえば炭酸飲料用あるいはビールなどのスパ
ークリング飲料用の容器、または調味料、洗剤、化粧品
用の容器などとして広く利用されている。
また、ポリエチレンテレフタレート樹脂に種々の改良
を施したポリエチレンテレフタレート樹脂組成物も提案
されている。
特開昭61−72051号公報には、透明性に優れたPET樹脂
組成物として、PET樹脂に共重合ポリエステル樹脂を混
合した樹脂組成物が本願出願人により提案されている。
また特開昭58−167617号公報には、(A)イソフタル
酸、テレフタル酸およびこれ等のC1のアルキルエス
テル、およびこれ等のあらゆる割合の混合物から選ばれ
る反応体、(B)1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキ
シ)ベンゼンおよびエチレングリコール、そして任意成
分として1種類以上の他のエステル形成性のジヒドロキ
シ有機炭化水素反応体からなる反応体、および任意成分
として(C)ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニ
ル)スルホンである反応体からなり、これらの反応体が
特定の割合で配合されてなるコポリエステルが開示され
ている。そしてこのコポリエステルはフィルム等の製造
用として適していると記載されている。しかしながらこ
の公報ではフィルムに関しては、(無配向)プレス成形
フィルムのガスバリアー性などについて記載されている
にすぎない。
このように、上記のような提案に限らず、PET樹脂組
成物の透明性およびガスバリア性の向上に関する従来の
研究は、PET樹脂組成物の組成物に重点が置かれ、延伸
フィルムを製造する際における延伸倍率については注目
されていなかった。
発明の目的 本発明は、ポリエステル樹脂が有するガスバリア性を
向上させた延伸フィルムを提供することを目的としてい
る。さらに詳しくは、本発明は、ポリエチレンテレフタ
レートが有する透明性および機械的物性を損なうことな
くガスバリア性を向上させた延伸フィルムを提供するこ
とを目的としている。
発明の概要 本発明に係る延伸フィルムは、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂80〜95重量%、下記のような共重合ポリエス
テル樹脂5〜20重量%とを含むポリエステル樹脂組成物
からなり、 該共重合ポリエステル樹脂は、50〜100モル%のイソ
フタル酸成分単位および0〜50モル%のテレフタル酸成
分単位からなるジカルボン酸構成単位と、5〜90モル%
のジヒドロキシエトキシレゾルシノール成分単位および
10〜95モル%のエチレングリコール成分単位からなるジ
ヒドロキシ化合物構成単位とからなり、 縦方向の延伸倍率が2.8倍以上好ましくは3.0倍以上、
特に好ましくは3.3〜3.8倍であり、横方向の延伸倍率が
2.8倍以上、好ましくは3.0倍以上、特に好ましくは3.2
〜3.5倍であり、かつ、縦方向の延伸倍率と横方向の延
伸倍率との積である面積延伸倍率が9.0倍以上、特に好
ましくは10.6〜13.3倍となるように延伸されていること
を特徴としている。
本発明に係る延伸フィルムは上記のような特定の樹脂
組成物からなり、しかも上記のような量で延伸されてい
るので、特にガスバリアー性に優れ、水蒸気透過性、衝
撃強度にも優れている。
本発明においてフィルムなる用語は、シートを含んだ
意味で用いられる。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る延伸フィルムについて具体的に説
明する。
本発明に係る延伸フィルムは、ポリエチレンテレフタ
レートと共重合ポリエステル樹脂とを含むポリエステル
樹脂組成物からなっている。
ポリエチレンテレフタレート樹脂 本発明で用いられるポリエチレンテレフタレート樹脂
は、エチレンテレフタレート単位を主構成単位とするポ
リエステルである。
ポリエチレンテレフタレート樹脂中におけるエチレン
テレフタレート構成単位の含有率は、通常、80モル%以
上、好ましくは90モル%以上の範囲内であることが望ま
しい。このようなエチレンテレフタレート構成単位を含
むポリエチレンテレフタレート樹脂は、ジオール成分単
位とジカルボン酸成分単位とから構成されている。この
ポリエチレンテレフタレート樹脂を構成するジカルボン
酸成分単位としては、テレフタル酸成分単位以外に他の
芳香族系ジカルボン酸成分単位を少量含有していてもよ
い。このような芳香族系ジカルボン酸成分単位として
は、たとえば、イソフタル酸、フタル酸、ナフタリンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4ナフタ
レンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、シュウ酸、
セバシン酸などから誘導される成分単位を挙げることが
できる。
ポリエチレンテレフタレート樹脂中には、該樹脂を構
成するテレフタル酸成分単位は、通常、80〜100モル
%、好ましくは90〜100モル%の量で、テレフタル酸成
分単位以外の芳香族系ジカルボン酸成分単位は、通常、
0〜20モル%、好ましくは0〜10モル%の範囲の量で、
一方ジオール成分単位であるエチレングリコール成分単
位は、通常、80〜100モル%、好ましくは90〜100モル%
の量で、エチレングリコール成分単位以外のジオール成
分単位は、通常、0〜20モル%、好ましくは0〜10モル
%の量で、そして多官能性化合物成分単位は、通常、1
〜2モル%以下、好ましくは0〜1モル%の量で存在し
ている。他のグリコール成分としては、1,4ブタソジオ
ール、シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリ
コール、プロピレングリコール等がある。
また、前記ポリエチレンテレフタレート樹脂の極限粘
度[η](オルトクロロフェノール中、25℃で測定した
値)は、通常、0.5〜1.5dl/g、好ましくは0.6〜1.2dl/g
の範囲にあり、融点は、通常、210〜265℃、好ましくは
220〜260℃の範囲にあり、ガラス転移温度は、通常、50
〜100℃、好ましくは60〜90℃の範囲にあることが望ま
しい。
共重合ポリエステル樹脂 本発明で用いられる共重合体ポリエステル樹脂は、ジ
カルボン酸構成単位と、ジヒドロキシ化合物構成単位と
から構成されている。
また本発明の好ましい態様においては、ヒドロキシ化
合物構成単位としてジヒドロキシ化合物構成単位に加え
て、後述するような少なくとも3つのヒドロキシ基を有
する多官能ヒドロキシ化合物構成単位が含まれている。
本発明で用いられる共重合ポリエステル樹脂では、ジ
カルボン酸構成単位のうち、イソフタル酸成分単位は20
〜100モル%、好ましくは50〜98モル%の量で、また、
テレフタル酸成分単位は0〜80モル%、好ましくは0.5
〜50モル%の量で存在していることが望ましい。
ジカルボン酸構成単位中におけるイソフタル酸成分単
位の量が上記範囲内の量であると、得られる延伸フィル
ムのガスバリア性が特に優れている。
また、本発明で用いられる共重合ポリエステル樹脂で
は、ジヒドロキシ化合物構成単位のうち、ジヒドロキシ
エトキシレゾルシノール成分単位は5〜90モル%、好ま
しくは10〜85モル%の量で、またエチレングリコール成
分単位は10〜95モル%、好ましくは15〜90モル%の量で
存在していることが望ましい。
ジヒドロキシ化合物構成単位中におけるジヒドロキシ
エトキシレゾルシノール成分単位の量が5モル%未満で
あると、オリゴマーの発生を抑制できなくなる傾向が生
じ、一方90モル%を超えると重縮合の速度が低下してく
る傾向が生じる。
この共重合ポリエステル樹脂には、少なくとも3個の
ヒドロキシル基を有する多官能ヒドロキシ化合物構成単
位が存在していることが好ましい。このように多官能ヒ
ドロキシ化合物構成単位が含まれる場合には多官能ヒド
ロキシ化合物構成単位は、ジカルボン酸成分単位100モ
ル部に対して0.05〜1.0モル部、好ましくは0.1〜0.5モ
ル部の量で存在していることが望ましい。多官能ヒドロ
キシ化合物構成単位の量が0.05モル部未満であると、ポ
リエステル樹脂組成物からなる延伸フィルムなどの成形
体の厚さむらが充分に改良されない傾向が生じ、また1.
0モル部を超えると、得られるポリエステル樹脂組成物
がゲル化し、不溶化してしまう傾向が生ずる。したがっ
て、この樹脂組成物を用いて二軸延伸フィルムを製造す
るに際して、予め、このポリエステル樹脂組成物から未
延伸フィルムを成形しようとしても、成形困難となった
り、あるいは、得られた延伸フィルムの収縮率が著しく
大きくなるため好ましくない。
このような多官能ヒドロキシ化合物構成単位は、たと
えばトリメチロールエタン、トリメチロールプロパンお
よびトリメチロールメタンなどの化合物から誘導され
る。このうちトリメチロールプロパンが好ましい。
本発明で用いられる共重合ポリエステル樹脂の分子量
は、得られるポリエステル樹脂組成物から延伸フィルム
を製造することができる範囲にあれば、特に限定されな
いが、通常、オルトクロロフェノール溶媒中、25℃にお
けるポリエステル樹脂の相対粘度(IV)が0.6dl/g以
上、好ましくは0.8〜90dl/gの範囲内であることが望ま
しい。
本発明で用いられるポリエステル樹脂組成物では、組
成物の全重量100%中に、前記ポリエチレンテレフタレ
ート樹脂は80〜95重量%、好ましくは85〜95重量%の量
で存在し、前記共重合ポリエステル樹脂は、5〜20重量
%、好ましくは5〜15重量%の量で存在している。
ポリエチレンテレフタレート樹脂および共重合ポリエ
ステル樹脂の配合量を上記のような範囲内の量にするこ
とによって、ポリエチレンテレフタレートが有する透明
性および機械的物性を損なうことなくガスバリア性を向
上させた延伸フィルムが得られる。
本発明で用いられるポリエステル樹脂組成物を製造す
るには、ポリエチレンテレフタレート樹脂と共重合ポリ
エステル樹脂とを、たとえばヘンシュルミキサー、Vブ
レンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダーな
どで混合する方法、さらには混合後一軸押出機、二軸押
出機、ニーダー、バンバリーミキサーなどで溶融混合
し、あるいは粉砕する方法を採用することができる。
本発明で用いられるポリエステル樹脂組成物には、耐
熱安定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、滑剤、離型剤、顔
料分散剤、顔料あるいは染料など、通常、ポリエステル
に添加して用いられる各種配合剤を、本発明の目的を損
なわない範囲で添加することができる。
延伸フィルム 本発明に係る延伸フィルムは、上記のようなポリエス
テル樹脂組成物からなり、縦方向の延伸倍率は2.8倍以
上、好ましくは3.0倍以上さらに好ましくは3.3〜3.8倍
であり、横方向の延伸倍率は2.8倍以上、好ましくは3.0
倍以上さらに好ましくは3.2〜3.5倍である。しかも、こ
の延伸フィルムは、縦方向の延伸倍率と横方向の延伸倍
率との積である面積延伸倍率が7.84倍以上、好ましくは
9倍以上、さらに好ましくは10.6〜13.3倍となるように
延伸されている。
このような倍率でポリエステル樹脂組成物からなる未
延伸フィルムを延伸すると、得られる延伸フィルムはガ
スバリアー性に優れ、水蒸気透過性、衝撃強度等にも優
れる傾向がある。なお面積延伸倍率が7.84倍未満では十
分な厚薄精度が得られなくなる傾向がみられ、また13倍
を超えると二軸延伸フィルムが切断し易くなる傾向がみ
られる。
このような本発明に係る延伸フィルムでは、肉厚は、
従来公知の延伸フィルムと同様であり、通常5μm〜20
0μm好ましくは10μm〜120μm程度である。
延伸フィルムの製造 このような延伸フィルムを製造するには、テンター法
(縦横延伸、横縦延伸)、同時二軸延伸法、ブロー成形
法(チューブラー法)、など従来より公知の種々の方法
を採用することができる。
例えば、テンター法では、まず初めに前述したような
方法で得られたポリエステル樹脂組成物を、押出機を用
いて、280〜290℃で溶融後、Tダイより押し出し、キャ
ステングドラム上で冷却固化することにより、未延伸シ
ートが得られる。なおこのような未延伸シートを得るに
は、キャスティング法(溶液流延法)、カレンダー法等
を採用することもできる。
上記のようにして得られた未延伸シートを、縦方向の
延伸手段である、遅(前)駆動ロールと、速(後)駆動
ロールとの間の加熱ロールで80〜110℃程度、好ましく
は80〜100℃の温度で加熱しながら縦方向(機械方向、
フィルムの搬送方向)に2.8倍以上、好ましくは3.0倍以
上特に好ましくは3.3〜3.8倍に延伸すると、1軸配向フ
ィルムが得られる。次いで該1軸配向フィルムを、横方
向の延伸手段であるテンター内に導入し、フィルム両端
を保持したまま80〜110℃程度、好ましくは80〜100℃の
温度で加熱しながらフィルムの横方向(フィルムの搬送
方向と直行するフィルム面方向)に2.8倍以上、好まし
くは3.0倍以上特に好ましくは3.2〜3.5倍に延伸する
と、縦横両方向に高延伸された面配向フィルム(二軸延
伸フィルム)が得られる。本発明ではこのようにして得
られた二軸延伸フィルムの面積延伸倍率は7.84倍以上好
ましくは9倍以上さらに好ましくは10.6〜13.3倍であ
る。なお、本発明において縦横両方向の延伸順序は上記
に限定されず、横方向に延伸した後、縦方向に延伸して
もよく、縦横同時に延伸してもよい。また縦横それぞれ
の延伸操作は1段で行なってもよく、多段で行なっても
よい。さらにまた、上記のように二軸延伸して得られた
延伸フィルムを、200〜240℃、好ましくは230〜240℃程
度の温度でヒートセット(熱固定)してもよく、このよ
うにヒートセットすると得られる延伸フィルムの耐熱
性、ガスバリアー性、機械的性質等が向上する傾向があ
る。
また、本発明では、ブロー成形することによって、前
述したような未延伸フィルムから延伸フィルムを製造す
ることもできる。
ブロー成形法では、通常、まず初めに、押出機の先端
に取り付けられたリングダイから溶融状ポリエステル樹
脂組成物をチューブ状に押し出し、得られた未延伸チュ
ーブを冷却槽で急冷した後、赤外線等の加熱手段を用い
て加熱する。次いでこのように加熱された未延伸チュー
ブ内に空気等のガスをいれて該チューブに内圧を加える
か、あるいは未延伸チューブの外部を経圧状態にするこ
とにより前記と同様な倍率で横方向に延伸する。また、
この横方向の延伸操作を行う際に、縦方向に張力を加え
て前記と同様な延伸倍率となるように縦方向に延伸する
と、二軸延伸フィルムが得られる。なお、縦横両方向の
延伸操作は通常このように同時に行われるが、これに限
定されない。
また上記のように二軸延伸した後に、得られたチュー
ブ状延伸フィルム(延伸チューブ)は、通常ニップロー
ルで折り畳んで巻き取るかあるいは該チューブを切り開
き巻き取られる。また、上記のように二軸延伸した後、
得られた延伸チューブを加熱しながら該チューブ内に圧
縮ガスをいれて延伸チューブを再膨張させるなどの方法
により延伸させ、その後、赤外線等で熱処理して結晶化
させることにより延伸フィルムの分子配向を安定化させ
てもよい。
また、未延伸フィルムからブロー成形によって延伸フ
ィルムを形成する際の温度は、80〜110℃好ましくは80
〜100℃であることが望ましい。延伸温度が80℃未満で
は延伸加工性が低下する傾向が生じ、110℃を超えると
チューブが不安定となる傾向が生じる。
このようにして得られる延伸フィルムの厚さは、用い
られる用途等にもよるが、通常、100μm〜200μm程度
である。
上記のようにして得られる延伸フィルムをそのまま食
品などの包装用等に用いることもできるが、該フィルム
を同種あるいは異種樹脂、金属等からなるフィルムと積
層し多層フィルムとして用いてもよい。同種あるいは異
種樹脂(フィルム)としては、例えば芳香族ポリアミ
ド、脂肪族ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート等があげられ、金
属としてはアルミニウム等があげられる。
このような積層フィルムを製造する際には、本発明で
用いられるポリエステル樹脂組成物からなるフィルムと
被着される相手樹脂等の種類に応じて必要により接着
剤、有機溶媒等を用いて、従来より公知の方法にて積層
すればよい。
このようにして得られた本発明に係る延伸フィルムあ
るいは該フィルム層が含まれてなる積層フィルムは、食
品包装、工業用等の用途に用いられる。
発明の効果 本発明に係る延伸フィルムは、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂と特定の共重合ポリエステル樹脂とが特定の
割合で含まれるポリエステル樹脂組成物からなる未延伸
フィルムが特定の(面積)延伸倍率で延伸されて形成さ
れているので、ガスバリア性に優れ、水蒸気透過性、衝
撃強度にも優れている。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこ
れら実施例に限定されるものではない。
[実施例] 実施例1 本発明で用いられるポリエステル樹脂組成物の製造に
あたっては、以下の樹脂を使用した。
[ポリエチレンテレフタレート樹脂]: 三井ペット樹脂(株) J 125、 (o−クロロフェノール中25℃で測定した相対粘度(I
V)は、0.79dl/gである。) [共重合ポリエステル樹脂]: ジカルボン酸構成単位中イソフタル酸成分単位が90モ
ル%およびテレフタル酸成分単位が10モル%であり、ジ
ヒドロキシ化合物構成単位中ジヒドロキシエトキシレゾ
ルシノール成分単位が15モル%およびエチレングリコー
ル成分単位が85モル%であり、さらにジカルボン酸構成
単位100モル部に対して、トリメチロールプロパン構成
単位0.3モル部を含有する共重合ポリエステル樹脂であ
る。o−クロロフェノール中25℃で測定した相対粘度
(IV)は、0.85dl/gである。
上記、共重合ポリエステル樹脂10重量%およびポリエ
チレンテレフタレート樹脂90重量%を混合した後、得ら
れたポリエステル樹脂組成物(I)を三菱重工業(株)
製押出成形機で成形し、未延伸シートを得た。この時の
成形温度は290〜300℃であった。
次に上記のようにして得られた未延伸シートを三菱重
工業(株)製逐時二軸延伸成形機を用いて面積延伸倍率
で10.4倍[縦方向3.6倍×横方向2.9倍]に延伸して二軸
延伸フィルムを得た。この時の延伸温度は90℃であっ
た。
未延伸シートの厚さは840μmであり、得られた延伸
フィルムの厚さは70μmであった。
ガスバリア性 ガスバリア性は、炭酸ガス透過係数および酸素ガス透
過係数により評価することとし、MODERN CONTROL社製
(米国)炭酸ガス透過試験器PERMATRARN−IV型を用い
て、PERMATRAN法により温度23℃、関係湿度0%の条件
で、厚さ70μmの(延伸)フィルムの切片からなるサン
プルの炭酸ガス透過係数を測定し、またMODERN CONTROL
社製(米国)OXTRAN 100型を用いて、OXTRAN法により、
温度23℃、関係湿度0%の条件で、厚さ70μmのフィル
ムの切片からなるサンプルの酸素ガス透過係数を測定し
た。
透湿係数 また透湿係数は、JIS 0280に準ずる方法にて延伸フィ
ルムを透過する水分の重量を測り測定した。
フィルム衝撃強度 フィルム・インパクト・テスター(東洋精機(株)
製)を用いて100mm×100mmの試験片の衝撃破壊エネルギ
ーを23℃で測定し、厚みで割って衝撃強度とした。衝撃
頭球面は1/2インチ径(12.7mm径)のものを使用した。
結果を表1に示す。
実施例2 実施例1において、共重合ポリエステル樹脂として、
下記の樹脂を使用し、共重合ポリエステル樹脂10重量%
およびポリエチレンテレフタレート樹脂90重量%を使用
した以外は、実施例1と同様にして、未延伸フィルムを
製造し、さらに、この未延伸フィルムを用いて二軸延伸
フィルムを製造した。なおフィルムの面積延伸倍率は1
0.4倍[縦方向3.6倍×横方向2.9倍]であり、この時の
延伸温度は90℃であった。
未延伸フィルムの厚さは850μmであり、得られた延
伸フィルムの厚さは70μmであった。
[共重合ポリエステル樹脂]: ジカルボン酸構成単位中イソフタル酸成分単位が90モ
ル%およびテレフタル酸成分単位が10モル%であり、ジ
ヒドロキシ化合物構成単位中ジヒドロキシエトキシレゾ
ルシノール成分単位が7.5モル%およびエチレングリコ
ール成分単位が92.5モル%であり、さらにジカルボン酸
構成単位100モル部に対して、トリメチロールプロパン
構成単位0.3モル部を有する共重合ポリエステル樹脂で
ある。o−クロロフェノール中25℃で測定した相対粘度
(IV)は、0.85dl/gである。
得られた二軸延伸フィルムについて、実施例1と同様
にして、ガスバリア性、透湿係数および衝撃強度を求め
評価した。
結果を表1に示す。
実施例3 実施例1において、面積延伸倍率を9.9倍[縦3.4倍×
横2.9倍]とした以外は、実施例1と同様にして、二軸
延伸フィルムを製造し、ガスバリア性、透湿係数および
衝撃強度を求め評価した。
結果を表1に示す。
比較例1 実施例1において、面積延伸倍率を8.7倍[縦3.0倍×
横2.9倍]とした以外は、実施例1と同様にして、二軸
延伸フィルムを製造し、ガスバリア性、透湿係数および
衝撃強度を求め評価した。
結果を表1に示す。
比較例2 比較例1において、共重合ポリエステル樹脂を用いず
にポリエチレンフタレート樹脂のみを用い、面積延伸倍
率を9.9倍[縦3.4倍×横2.9倍]とした以外は、実施例
1と同様にして、二軸延伸フィルムを製造し、フィルム
の透明性およびガスバリア性、透湿係数および衝撃強度
を求め評価した。
結果を表1に示す。
比較例3 実施例1において、共重合ポリエステル樹脂を用いず
にポリエチレンフタレート樹脂のみを用いた以外は、実
施例1と同様にして、二軸延伸フィルムを製造し、ガス
バリア性、透湿係数および衝撃強度を求め評価した。
結果を表1に示す。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−279918(JP,A) 特開 昭57−159618(JP,A) 特開 昭63−13746(JP,A) 特開 平2−185533(JP,A) 特開 昭63−265638(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 5/18 B29C 55/12 C08L 67/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリエチレンテレフタレート樹脂80〜95重
    量%と、共重合ポリエステル樹脂5〜20重量%とを含む
    ポリエステル樹脂組成物からなり、 該共重合ポリエステル樹脂は、50〜100モル%のイソフ
    タル酸成分単位および0〜50モル%のテレフタル酸成分
    単位からなるジカルボン酸構成単位と、5〜90モル%の
    ジヒドロキシエトキシレゾルシノール成分単位および10
    〜95モル%のエチレングリコール成分単位からなるジヒ
    ドロキシ化合物構成単位とからなり、 縦方向の延伸倍率が2.8倍以上であり、横方向の延伸倍
    率が2.8倍以上であり、かつ、縦方向の延伸倍率と横方
    向の延伸倍率との積である面積延伸倍率が9.0倍以上と
    なるように延伸されていることを特徴とする延伸フィル
    ム。
  2. 【請求項2】ジカルボン酸構成単位100モル部に対して
    少なくとも3つのヒドロキシ基を有する多官能ヒドロキ
    シ化合物構成単位0.05〜1.0モル部を含むポリエステル
    樹脂組成物からなることを特徴とする請求項第1項に記
    載の延伸フィルム。
JP26802590A 1990-10-05 1990-10-05 延伸フィルム Expired - Fee Related JP3039797B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26802590A JP3039797B2 (ja) 1990-10-05 1990-10-05 延伸フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26802590A JP3039797B2 (ja) 1990-10-05 1990-10-05 延伸フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04145137A JPH04145137A (ja) 1992-05-19
JP3039797B2 true JP3039797B2 (ja) 2000-05-08

Family

ID=17452851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26802590A Expired - Fee Related JP3039797B2 (ja) 1990-10-05 1990-10-05 延伸フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3039797B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04145137A (ja) 1992-05-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1340785B1 (en) Heat-shrinkable polyester films
US8986591B2 (en) Void-containing polyester shrink film with improved density retention
JP4925555B2 (ja) ポリグリコール酸系樹脂組成物およびその成形物
US6254950B1 (en) Polyester phenylenedi (oxyacetic acid) copolyester blends having improved gas barrier properties
EP0368278A2 (en) Copolyester, polyester composition containing the copolyester, and polyester laminated structure having layer composed of the copolyester or the polyester composition
JP4405120B2 (ja) ヒートシール性を有するポリ乳酸系二軸延伸積層フィルム
JP4949604B2 (ja) 熱収縮性ポリ乳酸系積層フィルム
US20050287381A1 (en) Polyester film comprising poly(-xyleneadipamide)
JP2003268131A (ja) ポリエステルフィルム
JPH11314332A (ja) 高酸素ガス遮断性ポリエステルフィルム及びその使用ならびに製造方法
JP2004224048A (ja) ポリエステルフィルム及びその製造方法
KR101705243B1 (ko) 백색 열수축성 적층 필름 및 이를 포함하는 라벨
JP4563090B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物、該樹脂組成物からなる熱収縮性ポリエステル系フィルム、成形品および容器
JP3039797B2 (ja) 延伸フィルム
JPS6172051A (ja) ポリエステル組成物
JP4568043B2 (ja) ポリエステル系樹脂組成物、該樹脂組成物からなる熱収縮性ポリエステル系フィルム、成形品および容器
JP2009293044A (ja) ポリグリコール酸系樹脂組成物およびその成形物
US20070160818A1 (en) Biaxially stretched polyester film
JPH0952338A (ja) 耐衝撃性に優れるポリエステルシート及び容器
JP3150441B2 (ja) 延伸安定性に優れたチューブラ二軸延伸フィルム用ポリブチレンテレフタレート系樹脂組成物
JP2004051888A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2006077253A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP3775537B2 (ja) 共重合ポリエステル樹脂、共重合ポリエステル樹脂組成物及び多層成形品
JP2005068392A (ja) 熱収縮性ポリエステル系フィルム
JP2703256B2 (ja) 芳香族ポリエステル組成物

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees