JP4140991B2 - ポリエステル樹脂製ボトル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエステル樹脂を延伸ブロー成形することによって得られるボトルに関する。より詳しくは、特定のポリエステル樹脂組成物からなり、ボトルのヘーズが小さく、アセトアルデヒド含有量が少ないポリエステル樹脂製ボトルに関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエチレンテレフタレートを延伸ブロー成形して得られる中空容器は、成形が容易であり、透明性、機械的強度に優れており、ジュース、清涼飲料、炭酸飲料などの飲料充填用容器として広く用いられている。
【0003】
しかしながら、近年、高温殺菌下で内容物の充填が行われることや、内容物の保存期間の長期化に対応するため、従来より優れた耐熱性、ガスバリア性、透明性等の品質が要求されている。
【0004】
一方、ポリエチレンテレフタレートより優れた耐熱性、ガスバリア性を有する材料としてポリエチレンナフタレートが注目されている。しかし、ポリエチレンナフタレートはポリエチレンテレフタレートより価格が高い。そこで、充填内容物に応じた品質を与えるのに十分な最小量のエチレンナフタレート単位を有するような、ポリエチレンテレフタレートとのブレンドやエチレンナフタレートテレフタレートコポリマーが提案されている。例えば、RESEARCH DISCLOSURE,29410,714 〜719(1988)、RESEARCH DISCLOSURE,29484,807 〜814(1988)、特開平3−43425号公報にそれらの材料が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートは、両者の相溶性が劣るため、通常それらのブレンド物は乳白色を呈し、透明性に劣る。そのため、透明なブレンド物を得るためには溶融混合を行いエステル交換反応を起こさせ、分子構造をランダム共重合体構造に近付ける必要があり、十分な透明性を得るためには樹脂の融点以上の温度で長い反応時間が必要となる。特に、エチレンナフタレート単位がポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートの合計量に対して10モル%程度においては、透明性を得るためにはエステル交換反応が相当程度促進されることが必要であると考えられており、このことは例えば特開平9−52277号公報に記載されている。
【0006】
直接、射出成形機でポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートを溶融混合し、成形して透明なブレンド物が得られる条件を検討したところ、小規模の生産機においては生産速度を遅くし、樹脂滞留時間を長く採れるので、透明なブレンド物が得られるが、近年開発されているアウトプット量が単位時間あたり300kgを越えるような高速ボトル生産設備においては、反応時間が短いため透明な成形品は得られないという結論を得た。又、混練押出機でポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートを溶融混合する従来からの方法においても、高速生産設備では反応時間を長く採れないため、透明な成形品を得ることは困難であった。ここで、反応時間を長くしたり、反応を促進するために溶融樹脂温度を高温にすることは、樹脂の劣化や熱分解物、特にアセトアルデヒドの生成等の問題を生じるので、味や香りの保存性を重要視する飲料用ボトル用途には好ましくない。
【0007】
本発明は、以上の問題を解決し、透明性を備え且つアセトアルデヒドの含有量の低いポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートブレンドボトルを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題に対し鋭意検討を重ねた結果、特定量のエチレンナフタレート単位を含有するところの、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートの混合物を所定の方法で成形することにより、透明性が良好で且つアセトアルデヒド含有量が少ないボトルが得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明は、(A)ポリエチレンテレフタレートと、(B)ポリエチレンナフタレートを、(A)と(B)の合計に対してエチレンナフタレート成分比率を5〜15モル%として、混練押出機にて押出量対スクリュウ回転数比率を0.1〜1.4kg/hr・rpmにして溶融混合して得られる樹脂組成物を射出成形して作られるプリフォームを延伸ブロー成形して作られ、ボトル胴部のヘーズが3%以下であり且つアセトアルデヒド含有量が20ppm未満であることを特徴とするポリエステル樹脂製ボトルである。
【0010】
又、本発明のポリエステル樹脂製ボトルは、そのポリエステル樹脂のエステル交換率が27%以下であることを特徴とする。
【0011】
本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートは実質的に線状であり、テレフタル酸又はそのエステル誘導体と、エチレングリコール又はそのエステル誘導体とから導かれる単位を主成分とする。該ポリエチレンテレフタレートは、他のジカルボン酸及び/又は他のジヒドロキシ化合物から導かれる単位を、10モル%以下の量で含有してもよい。テレフタル酸以外の他のジカルボン酸類としては、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸及びこれらのエステル誘導体が挙げられる。
【0012】
エチレングリコール以外の他のジヒドロキシ化合物としては、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類、及びこれらのエステル誘導体が挙げられる。 本発明で用いられるポリエチレンテレフタレートの、フェノールとテトラクロロエタンとの体積比1:1の混合溶媒中において30℃で測定される固有粘度[η]は好ましくは0.6〜1.2(dl/g)、より好ましくは0.7〜0.9(dl/g)である。
【0013】
本発明で用いられるポリエチレンナフタレートは、ナフタレンジカルボン酸とエチレングリコールとから導かれるエチレンナフタレート単位を主成分とする。ナフタレンジカルボン酸としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等があるが、特に2,6−ナフタレンジカルボン酸が好ましい。又、このポリエチレンナフタレートは、エチレンナフタレート単位を85モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは92モル%以上の量で含有している。さらに、ポリエチレンナフタレートは、ナフタレンジカルボン酸以外の他のジカルボン酸及び/又はエチレングリコール以外の他のジヒドロキシ化合物から導かれるエステル単位を15モル%以下の量で含有してもよい。
【0014】
他のジカルボン酸類としては、テレフタル酸、イソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、及びこれらのエステル誘導体が挙げられる。
【0015】
他のジヒドロキシ化合物としては、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ドデカメチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール、ビスフェノール類、ハイドロキノン、2,2−ビス(4−β−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパンなどの芳香族ジオール類、及びこれらのエステル誘導体が挙げられる。
【0016】
特に本発明で用いるポリエチレンナフタレートとしては、上記テレフタル酸等の共重合成分から導かれる、他の、すなわちエチレンナフタレート成分以外の、エステル成分を含有するナフタレートコポリエステルポリマーが好ましい。これは、そのようなコポリエステルポリマーはポリエチレンナフタレートホモポリマーに比べ、ポリエチレンテレフタレートと融点がより近いため、ポリエチレンテレフタレートとの溶融混合がより容易となるからである。他のエステル成分の含有量は、15モル%以下、好ましくは10モル%以下、より好ましくは8モル%以下である。
【0017】
本発明で用いられるポリエチレンナフタレートの、フェノールとテトラクロロエタンとの体積比1:1の混合溶媒中において30℃で測定される固有粘度[η]は、好ましくは0.4〜1.0(dl/g)、より好ましくは0.5〜0.8(dl/g)である。
【0018】
本発明で用いられる(A)ポリエチレンテレフタレートと(B)ポリエチレンナフタレートとの混合比率は、(A)と(B)の合計量に対してエチレンナフタレート単位が5〜15モル%の範囲、好ましくは7〜13モル%である。エチレンナフタレート単位が5モル%より少ないとボトルの耐熱圧性が不十分である。又、15モル%より多いとブレンド樹脂組成物の結晶化特性が失われて本発明の混練ペレットを2次溶融成形する前の除湿乾燥時にペレット同志が融着するので好ましくない。さらに、飲料用ボトルとして要求される耐熱圧性を付与するためには、15モル%のエチレンナフタレート単位が含まれていれば十分である。
【0019】
エチレンナフタレート単位が上記の範囲内であれば、本発明のポリエステルボトルの製造に際し、同一形状のプリフォームを用い、且つ同一の延伸ブロー成形条件が適用できるという利点がある。
【0020】
本発明のボトル製造用の樹脂組成物の製造は、(A)ポリエチレンテレフタレートと(B)ポリエチレンナフタレートを、例えばそれぞれのペレットで計量したのち、混練押出機にて樹脂混合物の融点以上の温度で溶融混合することにより行う。混練押出機は脱気式、例えばベント付き2軸押出機等であることが望ましい。溶融混合の温度は、樹脂混合物の融点以上、例えば溶融樹脂温度で290〜330℃に設定する。押出条件としては、押出量と押出機スクリュウ回転数の比率を0.1〜1.4kg/hr・rpmの範囲で、好ましくは0.4〜1.2kg/hr・rpmの範囲で混練押出する。該比率が0.1より小さい場合は押出機の高い剪断力によって、樹脂における発熱が大きくなり樹脂劣化等が起きので好ましくない。さらに、押出量が低下するために量産性が損なわれる。一方、この比率が1.4より大きい場合は、樹脂分散性が不均一であり透明性が悪くなる。ここで分散性を上昇させるために押出量を減らして樹脂平均滞留時間を長くすると、量産性が低下する等の問題が生じる。溶融樹脂組成物は、ペレット形状等に成形する。
【0021】
次いで、このペレットを110〜130℃で2〜4時間空気中で加熱して、少なくとも表層を結晶化した後、140〜160℃で3〜6時間除湿乾燥するとペレット中の水分を50ppm以下とすることができる。
【0022】
上記ポリエステル樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候安定剤、顔料や染料などの各種配合剤を含有してもよい。
【0023】
乾燥後のペレットを、通常の射出成形機に供給して溶融射出成形することによってプリフォームを成形する。溶融樹脂温度は樹脂の融点+5〜40℃、好ましくは+10〜20℃とする。溶融樹脂温度が樹脂の融点+5℃より低い場合は、溶融粘度が高過ぎて射出成形が困難である。一方、融点+40℃より高い場合は、アセトアルデヒド等の熱分解物の生成がより多くなり、飲料用ボトルとしての品質低下を来し得る。
【0024】
射出成形機としては、混練効果が高く、且つ溶融過程で生成するアセトアルデヒド等の熱分解物等を減圧または真空吸引して系外に除去できるベント式が好ましいが、通常の射出成形機でもよい。平均樹脂滞留時間としては、例えばL/Dが20〜25程度の場合、40〜240秒、好ましくは90〜180秒であれば透明度が良好で且つアセトアルデヒド含有量が20ppm以下のプリフォームを得ることができる。
【0025】
このように、例えば混練押出成形と射出成形との2段階の適性な溶融混合条件を設定することによって成形されたプリフォームは、通常の延伸ブロー成形方法を用いることによってボトルに成形することができる。延伸ブロー成形は、プリフォームが延伸適温であれば、溶融温度から冷却する過程で行っても、または一旦室温付近に冷却してから再加熱した後に行ってもよい。
【0026】
このようにして得られる本発明のポリエステル製ボトルは、胴部のヘーズが3%以下であり、透明度に優れるという特徴を有する。本発明における、「ヘーズ」とは、ASTM D 1003に従い測定した値をいい、詳細については後述する。
【0027】
又、本発明のポリエステル製ボトルは、アセトアルデヒド含有量が20ppm以下であるという特徴を有する。従って、ボトルに充填された飲料等の成分のアセトアルデヒドによる変質の問題が無く、味や香りの保存性に優れる。本発明におけるアセトアルデヒド含有量とは、所定量のボトル細断片から蒸留水で抽出してガスクロマトグラフ法で定量して求めた量をいい、詳細については後述する。
【0028】
本発明においてエステル交換率とは、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートとのエステル相互交換を意味し、その測定方法については後述する。本発明のボトルにおけるポリエステル樹脂組成物のエステル交換率は27%以下、好ましくは25%以下である。このエステル交換率は、従来透明になるために必要であると考えられていた値よりも低い交換率であるが、該樹脂組成物は優れた透明度を呈する。エステル交換率が27%を越える樹脂組成物であっても透明なボトルとなり得るが、高いエステル交換率を達成するためには溶融温度がより高く又は溶融時間がより長くなるため、量産性、樹脂劣化等の問題が生じ得る。
【0029】
従来のポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートのブレンドによっては、上記の特性を有する樹脂組成物は得ることができなかった。特に、それを構成する樹脂組成物のエステル交換率が27%以下であっても透明性を備えていることは、本発明のポリエステル製ボトルの技術的特徴の1つである。
【0030】
【実施例】
以下、実施例によって本発明のポリエステル製ボトルをさらに具体的に説明する。
【0031】
なお、樹脂の固有粘度、エステル交換率、ボトルヘーズ、耐熱圧性、アセトアルデヒド量は以下に示す方法により測定した。
(1)固有粘度
フェノール、1,1,2,2−テトラクロロエタンの体積比1:1混合溶液100ccに0.5gのポリエステル樹脂を溶かして、30℃にて、ウベローデ粘度計を用いて測定した。
(2)エステル交換率
FT−NMR(日本電子製)を用いて、トリフルオロ酢酸とクロロホルムの体積比1:1混合溶液にボトル樹脂試料を適当量溶解し、テトラメチルシランを標品として混合し、プロトンNMRスペクトルを測定し、ナフタレート−エチレン−テレフタレート結合、ナフタレート−エチレン−ナフタレート結合、テレフタレート−エチレン−テレフタレート結合の各結合に由来するプロトン特性吸収スペクトルの積分値を求め各結合の存在比率を求める。その各結合比率から下記に示す式によりエステル交換率を算出した。
【0032】
【数1】
【0033】
(3)ボトルヘーズ
ボトルの胴部(肉厚0.3mm)を3cmX3cmでサンプリングし、日本電色工業社製Σ80色差計を用いて、ASTM D 1003に準拠し、測定した。
(4)耐熱圧性
ボトルに5℃、2.5ガスボリュームの炭酸水を満たしてキャップを締め、66℃の温水シャワーを22分間かけ、シャワー前後のボトルの満注容量変化率を求めて評価した。ここで、ガスボリュームとは、溶解させた炭酸ガスの20℃、1気圧下における体積の、水の体積に対する倍率である。
満注容量変化率は下式より求めた。
【0034】
【数2】
【0035】
(5)アセトアルデヒド量
ボトルから試料5.0gを切り出して細断した後、10mlの蒸留水で160℃、2時間抽出後、エタノール約1mlを加え、ガスクロマトグラフにてアセトアルデヒド量を測定した。
分析条件は以下の通りである。
【0036】
装置・・・・・・・・・島津製ガスクロマトグラフ GC7A
カラム・・・・・・・・PEG−6000(3.2mm×1.6m)
カラム温度・・・・105℃
注入温度・・・・・220℃
検出器温度・・・・220℃
キャリアガス条件(窒素ガス、200kPa、スプリットレス)
注入量・・・・・・2μl
【0037】
【実施例1〜3】
ポリエチレンテレフタレート(固有粘度0.83(dl/g))とポリエチレンナフタレートとしてエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート単位92モル%とエチレンテレフタレート単位8モル%からなるコポリマー(固有粘度0.62(dl/g))の各ペレットを、表1に示す所定の割合で、日本製鋼所社製無乾燥式2軸押出機TEX−65α(L/D=42、3ベント)に定重量供給して、押出量と押出機スクリュウ回転数の比率を1.0kg/hr・rpmとして溶融押出を行い、エチレン−2,6−ナフタレート単位が7.6〜13.8モル%の樹脂ペレットを得た。溶融樹脂温度は300℃、溶融樹脂滞留時間は1.5分であった。
【0038】
このペレットを住友重機械工業製SH150A(L/D=25)を用いて、最大肉厚4.0mm、重量31gのプリフォームへと成形した。溶融樹脂温度は実施例1、2が270℃、実施例3が290℃、溶融樹脂滞留時間は実施例1〜3とも3.5分であった。
【0039】
これらのプリフォームを、クルップコーポプラスト社製ブロー成形機LB01Eで延伸ブロー成形し、容量500mlのボトルを得た。
【0040】
【比較例1】
エチレン−2,6−ナフタレート単位が3.7モル%となるように配合したことを除き、実施例1、2と同様の方法で容量500mlのボトルを得た。
【0041】
【比較例2〜4】
前記ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンナフタレートの各ペレットを、混合物のエチレン−2,6−ナフタレート単位が7.6モル%となるように均一に混合し、除湿乾燥後、溶融混合を行うことなく直接、住友重機械工業製SH150Aに供給し、最大肉厚4.0mm、重量31gのプリフォームを得た。溶融樹脂滞留時間は、比較例2が3.8分、比較例3が10.7分、比較例4が13.0分であり、溶融樹脂温度は総て280℃であった。これらのプリフォームを、クルップコーポプラスト社製ブロー成形機LB01Eで延伸ブロー成形し、容量500mlのボトルを得た。
【0042】
【表1】
【0043】
得られたボトルのエステル交換率、アセトアルデヒド量、ヘーズ、及び耐熱圧性の評価結果を表1に示す。実施例1〜3は、いずれもエステル交換率が11〜24%と低いにもかかわらず、ヘーズが0.6〜0.7%と透明性に優れる。又、アセトアルデヒド量も少なく、満注容量変化も2.9〜3.1%と低く、飲料用ボトルとしても好適である。一方、比較例1は、エチレンナフタレート単位が低いため、満注容量変化が6.5%と大きく、耐熱圧性に劣る。比較例2〜4はいずれも溶融混合を行うことなく直接射出成形して得たプリフォームからブロー成形したボトルである。比較例2は透明性が不良であり、溶融が不足していたものと考えられる。比較例3、4では溶融樹脂滞留時間を比較例2より長くしたため、透明性は向上したものの、アセトアルデヒド量が多くなり、飲料用ボトルには不適切である。
【0044】
さらに実施例1と比較例2とを比べると分かるように、本発明のボトルの樹脂は、低いエステル交換率でも透明であるという特徴を有する。
【0045】
【発明の効果】
この様に、本発明のポリエステル製ボトルは透明性、耐熱圧性に優れ、且つアセトアルデヒド量が低く、飲料用などの容器として好ましく使用することができる。また、そのポリエステル樹脂組成物のエステル交換率が低いにもかかわらず、透明性に優れる。
Claims (3)
- (A)ポリエチレンテレフタレートと、(B)ポリエチレンナフタレートを、(A)と(B)の合計に対してエチレンナフタレート成分比率を5〜15モル%として、混練押出機にて押出量対スクリュウ回転数比率を0.1〜1.4kg/hr・rpmにして溶融混合して得られる樹脂組成物を射出成形して作られるプリフォームを延伸ブロー成形して作られ、ボトル胴部のヘーズが3%以下であり且つアセトアルデヒド含有量が20ppm未満であることを特徴とするポリエステル樹脂製ボトル。
- ポリエステル樹脂のエステル交換率が27%〜11%であることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂製ボトル。
- (A)ポリエチレンテレフタレートと、(B)ポリエチレンナフタレートを、(A)と(B)の合計に対してエチレンナフタレート成分比率を5〜15モル%として、混練押出機にて押出量対スクリュウ回転数比率を0.1〜1.4kg/hr・rpmにして溶融混合することを特徴とするポリエステル樹脂組成物の製造方法。
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