JPH10130189A - 多価フェノール化合物、およびそれを用いた樹脂組成物 - Google Patents

多価フェノール化合物、およびそれを用いた樹脂組成物

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JPH10130189A
JPH10130189A JP28409096A JP28409096A JPH10130189A JP H10130189 A JPH10130189 A JP H10130189A JP 28409096 A JP28409096 A JP 28409096A JP 28409096 A JP28409096 A JP 28409096A JP H10130189 A JPH10130189 A JP H10130189A
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JP
Japan
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resin
compound
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polyhydric phenol
phenol compound
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Application number
JP28409096A
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Yasuhiro Endo
康博 遠藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K1/00Printed circuits
    • H05K1/02Details
    • H05K1/03Use of materials for the substrate
    • H05K1/0313Organic insulating material
    • H05K1/032Organic insulating material consisting of one material
    • H05K1/0326Organic insulating material consisting of one material containing O

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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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  • Epoxy Resins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の樹脂、例えば、エポキシ樹脂、の接着
性、加工性を損なうことなく、低誘電率、低誘電正接か
つ蛍光性のある硬化物を与える樹脂硬化剤として主に用
いることができる多価フェノール化合物、およびその組
成物を提供すること。 【解決手段】下記一般式(1) 【化1】 (nは平均繰り返し単位数を表し、0.1 以上20以下の値
を取る。R1 は、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
5〜7のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール
基、あるいは炭素数7〜20のアラルキル基を表す。R
2 、R3 は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4
のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
あるいはN,N-ジメチルアミノ基を表す。iは0以上4以
下の整数値を表し、jは0以上5以下の整数値を表
す。)で表される多価フェノール化合物、および樹脂と
前記の多価フェノール化合物を必須成分とする樹脂組成
物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、それ自身が可視〜
紫外光で蛍光を発し、低誘電性でありかつ蛍光性の硬化
物を与える樹脂硬化剤として主に用いることができる多
価フェノール化合物と、それを用いた樹脂組成物に関す
る。これらは、電気・電子用途、例えば、積層板用樹脂
やIC封止用樹脂に適するが、成形用材料、塗料用材
料、接着用材料、土木・建築用材料、光電材料などにも
用いることができる。また、本発明の多価フェノール化
合物は、フェノール性OH基を反応させることによりエポ
キシ樹脂、シアネート樹脂、不飽和エステル樹脂、ビニ
ルエーテル樹脂、ビニルベンジル樹脂、あるいはアリル
樹脂を得るための原料としても使用することができる。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途に用いられるエポキシ樹
脂のうちプリント配線基板の材料としては、従来主とし
てビスフェノール型エポキシ樹脂とジシアンジアミドの
組み合わせが用いられている。近年、プリント配線基板
の薄型化、多層化に伴い、信号速度向上と回路のインピ
ーダンス整合の目的から樹脂の低誘電率性が、また信号
の高周波化に伴い、信号の伝送損失低減の目的から樹脂
の低誘電正接性が要求されてきている。それに対して従
来のエポキシ樹脂に低誘電率、低誘電正接の熱可塑性樹
脂を組み合わせる方法が考案されている。例えば、反応
性ポリブタジエン樹脂で変性する方法、ポリテトラフル
オロエチレン樹脂の粉末を分散させる方法等である。ま
た、プリント配線板のパターン検査に自動外観検査機が
使用される場合に基材の蛍光を検知する方法があるが、
従来のエポキシは蛍光がほとんどなかっために蛍光剤を
添加している。しかし、これら従来の技術においては、
基本となるエポキシ樹脂の誘電率が高いため望ましい誘
電率を達成するには組み合わせる熱可塑性樹脂の占める
割合が大きくなり、エポキシ樹脂の特長である接着性、
寸法安定性、耐薬品性等が損なわれてしまう。さらに蛍
光剤を添加するという工程が必要になるために効率性、
経済性に問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の樹脂、例えば、エポキシ樹脂、の接着性、加工性を損
なう事無く低誘電率、低誘電正接かつ蛍光性のある硬化
物を与える樹脂硬化剤として主に用いることができる多
価フェノール化合物、およびその組成物を提供すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、多価フェ
ノール化合物の官能基構造、骨格構造について鋭意研究
を続けた結果、特定の官能基構造、骨格構造を持つ化合
物、およびそれを用いた樹脂組成物が前記目的を満足す
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。すなわ
ち、本発明は下記一般式(1)
【0005】
【化3】 (式中、nは平均繰り返し単位数を表し、0.1 以上20以
下の値を取る。R1 は、それぞれ独立に、炭素数1〜1
0のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭
素数6〜20のアリール基、あるいは炭素数7〜20の
アラルキル基を表す。R2 、R3 は、それぞれ独立に、
炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、あるいはN,N-
ジメチルアミノ基を表す。iは0以上4以下の整数値を
表し、jは0以上5以下の整数値を表す。)で表される
多価フェノール化合物、および樹脂と前記の多価フェノ
ール化合物を必須成分とする樹脂組成物に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の多価フェノール化合物と
してより好ましいものは、下記一般式(2)
【0007】
【化4】 (式中、n、R1 は、一般式(1)と同様に定義され
る。)で表される多価フェノール化合物である。本発明
の多価フェノール化合物は、下記一般式(3)
【0008】
【化5】 (式中、R1 は、一般式(1)と同様に定義される。)
で表されるフェノール類と、下記一般式(4)
【0009】
【化6】 (式中、R2 、R3 、i,jは、一般式(1)と同様に
定義される。)で表されるアルデヒド類、あるいはその
アセタールもしくはチオアセタールとを、酸触媒にて脱
水縮合して得ることができる。この場合の原料のフェノ
ール類とは、フェノール性水酸基を1個有し、4位に置
換基を有する化合物が該当し、例示すると、p-クレゾー
ル、4−エチルフェノール、4−ブチルフェノール、4
−アミルフェノール、4−ヘキシルフェノール、4−オ
クチルフェノール、4−ノニルフェノール、4−デシル
フェノール、4−シクロペンチルフェノール、4−シク
ロヘキシルフェノール、4−シクロヘプチルフェノー
ル、4−フェニルフェノール、4−ナフチルフェノー
ル、4−アントリルフェノール、4−ベンジルフェノー
ル、4−フェネチルフェノール、4−ナフチルメチルフ
ェノール、4−(2−ナフチルエチル)フェノール、4
−アントリルメチルフェノールおよびこれらの化合物の
アルキル基の異性体等が挙げられる。該フェノール類の
なかでも、より好ましいものとして、p-クレゾール、4-
t-ブチルフェノール、4-t-アミルフェノール、4-t-オク
チルフェノール、4- シ クロヘキシルフェノール、4-
フェニルフェノール、4-ベンジルフェノールを例示する
ことができる。
【0010】原料のアルデヒド類とは、フェノキシベン
ズアルデヒドおよびその芳香環に置換基を有するものが
該当し、例示すると、3-フェノキシベンズアルデヒド、
4-フェノキシベンズアルデヒド、3-(4-メチルフェノキ
シ)ベンズアルデヒド、4-メチル-3- フェノキシベンズ
アルデヒド、3-(4-ブチルフェノキシ)ベン ズアルデ
ヒド、4-ブチル-3- フェノキシベンズアルデヒド、3-
(4-メトキシフ ェノキシ)ベンズアルデヒド、4-メト
キシ-3- フェノキシベンズアルデヒド、3-(4-ブトキシ
フェノキシ)ベンズアルデヒド、4-ブトキシ-3- フェノ
キシベンズアルデヒド、3-(4-クロルフェノキシ)ベン
ズアルデヒド、4-クロル-3- フ ェノキシベンズアルデ
ヒド、3-(4-ブロモフェノキシ)ベンズアルデヒド、4-
ブロモ-3-フェノキシベンズアルデヒド、3-(4-シアノ
フェノキシ)ベンズア ルデヒド、4-(4-シアノフェノ
キシ)ベンズアルデヒド、3-(4-ニトロフェノキシ)ベ
ンズアルデヒド、4-(4-ニトロフェノキシ)ベンズアル
デヒド、3-(4-N,N-ジメチルアミノフェノキシ)ベンズ
アルデヒド、4-(4-N,N-ジメチルアミノフェノキシ)ベ
ンズアルデヒドが挙げられる。該アルデヒド類のなかで
も、より好ましいものとして、3-フェノキシベンズアル
デヒド、4-フェノキシベンズアルデヒド、3-(4-メトキ
シフェノキシ)ベンズアルデヒド、4-メトキシ-3- フェ
ノキシベンズアルデヒド、3-(4-ブトキ シフェノキ
シ)ベンズアルデヒド、4-ブトキシ-3- フェノキシベン
ズアルデヒ ド、3-(4-N,N-ジメチルアミノフェノキ
シ)ベンズアルデヒド、4-(4-N,N-ジメチルアミノフェ
ノキシ)ベンズアルデヒドを例示することができる。ま
た、上記アルデヒド類の代わりに、アセタールあるいは
チオアセタールを用いることも可能である。
【0011】本発明の多価フェノール化合物を得るため
に使用する酸触媒は、公知のものを用いることができる
が、例示すれば、塩酸、硫酸などの鉱酸、p-トルエンス
ルホン酸、シュウ酸などの有機酸、イオン交換樹脂、酸
性白土、シリカアルミナなどを挙げることができる。反
応の際には、基質と反応性を有しない公知の溶媒を用い
てもよく、例示すれば、トルエン、キシレン、メチルイ
ソブチルケトン、ジオキサンなどを挙げることができ
る。反応を促進させるために、適切な器具を用いて脱水
しながら反応しても良い。また前記一般式(1)におい
て、平均繰り返し数nは0.1 以上20以下の任意の値を
とりえるが、操作性を損なわないために、nは、1以上
10以下であることが好ましい。本発明の化合物の蛍光
性の特徴は、フェノールの4位のみに置換基を有するも
のを用いてアルデヒドによる連結をフェノールの2位と
5位に限定することに因り、構造規制されて連結部側鎖
のフェノキシフェニル置換体のπ電子雲の重なりが大き
くなり、電子の非局在化効果が大きくなることから発現
するものである。従って、フェノールの置換基が他の位
置にある場合は構造規制が不十分であるために蛍光は非
常に弱くなるか、全くみられなくなる。
【0012】本発明の樹脂組成物を構成する樹脂とは、
公知の熱可塑性樹脂、公知の熱硬化性樹脂、あるいはそ
れらの混合物が該当する。例示すれば、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリスチレン、ポリ
メタクリル酸メチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリセルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリベ
ンズイミダゾール、ポリイミドアミド、ポリキノリン、
ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポ
リフェニレンオキシド、ポリスルホン、フッ素樹脂、天
然ゴム、あるいはポリイソプレンのような熱可塑性樹脂
あるいはこれらの混合物、フェノール樹脂、ユリア樹
脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート
樹脂、不飽和ポリエステル、飽和アルキド樹脂、エポキ
シ樹脂、シアネート樹脂、マレイミド樹脂、アニリン樹
脂、フラン樹脂、ポリウレタン、アルキルベンゼン樹
脂、あるいはグアナミン樹脂のような熱硬化性樹脂ある
いはこれらの混合物、またはこれらの熱可塑性樹脂と熱
硬化性樹脂の混合物が挙げられるが、エポキシ樹脂を含
むものがより好ましい。
【0013】本発明樹脂組成物で使用することが好まし
いエポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキシ基を
含む公知の化合物のことであり、特にその化学構造を限
定するものではない。例示すれば、ビスフェノールAの
ジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールA
のジグリシジルエーテルのような2官能型エポキシ、あ
るいは、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのグ
リシジルエーテル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタンのグリシジルエーテルのような3官
能型エポキシ、あるいは、フェノールノボラックのグリ
シジルエーテル、クレゾールノボラックのグリシジルエ
ーテル、フェノール類とヒドロキシアリールアルデヒド
類との脱水縮合によって得られるノボラックのグリシジ
ルエーテル、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)のグリシ
ジルエーテル、フェノール変性ポリブタジエンのグリシ
ジルエーテル、フェノール−ジシクロペンタジエン付加
物のグリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラック
のグリシジルエーテルのような多官能型エポキシ、エポ
キシ樹脂とビスフェノールA、レゾルシノール、テトラ
ブロモビスフェノールAあるいはテトラクロロビスフェ
ノールA等のフェノール化合物を予め反応させて得られ
た生成物、2種以上のエポキシ樹脂の混合物などが挙げ
られる。さらに本発明の目的とする低誘電性を与えるの
には、置換基として、少なくとも1分子中に1つ炭素数
4以上のアルキル基を芳香核に有するエポキシ樹脂がよ
り好ましく、例示すれば、2−t−ブチル−5−メチル
フェノールのノボラックのグリシジルエーテル、シクロ
ヘキシルフェノールノボラックのグリシジルエーテル、
オクチルフェノールノボラックのグリシジルエーテル、
1,1−(4−ヒドロキシ−5−t−ブチル−2−メチ
ルフェニル)ブタンのジグリシジルエーテル、リモネン
ビス(2−sec−ブチルフェノール)のジグリシジル
エーテルなどが挙げられる。
【0014】本発明の樹脂組成物において、樹脂と多価
フェノール化合物の配合割合は、一般に重量比で5.0/9
5.0〜99.9/0.1(wt%/wt%) であるが、水酸基と反応しう
る官能基を有する樹脂の場合には、その当量と多価フェ
ノール化合物の水酸基当量との比で0.5/1.0 〜1.5/1.0
(moleq. /moleq. )が望ましい。本発明では、目的に応
じて組成物中に硬化促進剤、難燃剤、表面処理剤、シリ
カ、アルミナ、金属塩などの無機粒子、離型剤、金属繊
維、有機繊維、パルプ等の公知の材料を併用しても良
い。また、本発明の多価フェノール化合物は、フェノー
ル性OH基を反応させることにより熱硬化性あるいは光硬
化性の化合物に変換することもできる。例えば、エピク
ロルヒドリンと反応させてエポキシ樹脂を、ハロゲン化
シアンと反応させてシアネート樹脂を、(メタ)アクリ
ル酸あるいはその誘導体と反応させて不飽和エステル樹
脂を、クロロエチルビニルエーテルと反応させてビニル
エーテル樹脂を、クロロメチルスチレンと反応させてビ
ニルベンジル樹脂を、あるいはハロゲン化アリルと反応
させてアリル樹脂を得ることができる。
【0015】本発明の多価フェノール化合物は、それ自
身が可視〜紫外光で蛍光を発し、低誘電性でありかつ蛍
光性の硬化物を与える樹脂硬化剤として主に用いること
ができる。該多価フェノール化合物を樹脂に配合して得
られる樹脂組成物は、電気・電子用途、例えば、積層板
用樹脂やIC封止用樹脂に適するが、成形用材料、塗料
用材料、接着用材料、土木・建築用材料、光電材料など
にも用いることができる。また、本発明の多価フェノー
ル化合物は、フェノール性OH基を反応させることにより
エポキシ樹脂、シアネート樹脂、不飽和エステル樹脂、
ビニルエーテル樹脂、ビニルベンジル樹脂、あるいはア
リル樹脂を得るための原料としても使用することができ
る。
【0016】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義され、OH当量とはOH基1個あたりのポリフェノール化
合物の分子量で定義される。 合成例1 本合成例は、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポ
キシ樹脂の原料である、2−t−ブチル−5−メチルフ
ェノールのノボラックのグリシジルエーテルの製法に関
するものである。2−t−ブチル−5−メチルフェノー
ル 2231.0g(13.58 OHmoleq.)、p−トルエンスルホン酸
12.9g(0.068mol)、イオン交換水 223.2g を温度計、攪
拌装置、冷却管、滴下管を付けた5リットル4つ口丸底
フラスコに仕込み、100 ℃ に昇温する。37%ホルマ
リン 218.4g(2.715mol) を2時間かけて滴下した後、10
0℃で2時間保温して反応を行った。その後 80 ℃まで
冷却し、10%NaOH水溶液 27.7g(0.069mol)で中和した。
分液後の有機層を700gのイオン交換水で2回洗浄した。
洗浄後の有機層を減圧濃縮 (180 ℃/10mmHg/1 時間) し
て樹脂状物857.2gを得た。得られた樹脂状物の OH 当量
は176.0 g/eq. であった。上記のように得られた反応生
成物 246.4g(1.4 OHmoleq.) 、エピクロロヒドリン 90
6.5g(9.8 mol)、ジメチルスルホキシド 453.3g 、イオ
ン交換水 14.0gを、温度計、攪拌装置、分離管付き冷却
管を付けた2リットル4つ口丸底フラスコに仕込み、49
℃ 42torr の条件下で48.6%苛性ソーダ水溶液 108.31g
(1.316mol) を5 時間かけて滴下する。この間、温度
は49℃に保ちながら、共沸す るエピクロロヒドリンと
水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻しながら反応さ
せた。反応終了後は、未反応のエピクロロヒドリンを減
圧濃縮により除去し、副生塩とジメチルスルホキシドを
含むエポキシ化物をメチルイソブチルケトンに溶解さ
せ、副生塩とジメチルスルホキシドを温水洗浄により除
去した。減圧下で溶媒を除くことによりにより、エポキ
シ樹脂 304.9g を得た。このようにして得られたエポキ
シ樹脂のエポキシ当量は256 g/eq. であった。赤外吸収
スペクトル測定の結果、フェノール性OHの吸収3200-360
0cm -1は消失し、エポキシドの吸収1240、910cm -1の吸
収を有することが確認された。
【0017】合成例2 本合成例は、合成例1で得られたエポキシ樹脂とテトラ
ブロモビスフェノールA のジグリシジルエーテル、およ
びテトラブロモビスフェノールA との付加反応により、
末端エポキシ樹脂を得る方法に関するものである。合成
例1で得られたエポキシ樹脂 83.8 g 、テトラブロモ
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル(住友化学工
業(株)製、商品名スミエポキシESB-400、エポキシ当
量403 g/eq. )75.5 g、テトラブロモビスフェノールA
17.5 g、メチルエチルケトン 15.9 g を、温度計、冷却
管および攪拌装置を付けた300 ml4つ口丸底フラスコに
仕込み、110 ℃で加熱溶融させた。その後、トリフェニ
ルホスフィンの10%メチルエチルケトン溶液 0.71 g
( トリフェニルホスフィンの対樹脂重量比 4 ×10-4)
を加え、110 ℃で4時間保持しエポキシ基とフェノール
性水酸基の付加反応を行った。反応後、溶媒を減圧下留
去して樹脂175 g を得た。得られた樹脂付加物のエポキ
シ当量は、固形分換算で390.0 g/eq. であった。
【0018】実施例1 本実施例は、本発明の多価フェノール化合物の合成に関
するものである。冷却管、温度計、撹拌装置、滴下装置
を付けた300ml 4つ口フラスコに、4-t-オクチルフェノ
ール41.3 g (0.2mol) 、トルエン 50g、p-トルエンスル
ホン酸1.43 g (0.0075mol)、水 5g を仕込み、80℃に昇
温して溶解する。3-フェノキシベンズアルデヒド 29.73
g (0.15 mol) を30分で滴下した後、90℃で4時間 保
温する。さらに共沸脱水して反応を完結させた後、中
和、水洗して油層を濃縮して溶媒除去することにより、
蛍光性の黄緑色樹脂 64.9 g を得る。紫外光(254nm)に
より青色の蛍光がみられる。 赤外吸収スペクトル:3600-3200, 2950, 2900, 1580, 1
480, 1440, 1360, 1240, 880, 820, 750, 690 cm-1 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーより平均繰り
返し数nは3.4 であった。
【0019】実施例2 本実施例は、本発明の多価フェノール化合物の合成に関
するものである。冷却管、温度計、撹拌装置、滴下装置
を付けた300ml 4つ口フラスコに、4-フェニルフェノー
ル34.0 g (0.2mol) 、トルエン 100g 、p-トルエンスル
ホン酸1.43 g (0.0075mol)、水 5g を仕込み、80℃に昇
温して溶解する。3-フェノキシベンズアルデヒド 29.73
g (0.15 mol)を30分で滴下した後、95℃で4時間 保温
する。さらに共沸脱水して反応を完結させた後、中和、
水洗して油層を濃縮して溶媒除去することにより、蛍光
性の赤紫色樹脂 60.7 g を得る。紫外光(254nm) により
橙から黄色の蛍光がみられる。 赤外吸収スペクトル:3600-3200, 3060, 3030, 1580, 1
480, 1455, 1240, 1220, 1160, 830, 760, 695 cm -1 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーより平均繰り
返し数nは2.9 であった。
【0020】実施例3 本実施例は、本発明の多価フェノール化合物の合成に関
するものである。冷却管、温度計、撹拌装置、滴下装置
を付けた300ml 4つ口フラスコに、p-クレゾール21.6 g
(0.2mol) 、トルエン 50g、p-トルエンスルホン酸1.43
g (0.0075mol)、水 5g を仕込み、80℃に昇温して溶解
する。3-フェノキシベンズアルデヒド 29.73g (0.15 mo
l) を30分で滴下した後、95℃で4時間保温する。さら
に共沸脱水して反応を完結させた後、中和、水洗して油
層を濃縮して溶媒除去することにより、蛍光性の濃緑色
樹脂 47.1 g を得る。紫外光(254nm) により青緑色の蛍
光がみられる。 赤外吸収スペクトル:3700-3100, 3040, 2920, 2860, 1
580, 1480, 1435, 1305, 1240, 1160, 1090, 1020, 96
0, 880, 810, 750, 735, 690 cm-1 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーより平均繰り
返し数nは3.8 であった。
【0021】比較例1 本比較例は、本発明とは異なり、o-クレゾールからの多
価フェノール化合物の合成に関するものである。冷却
管、温度計、撹拌装置、滴下装置を付けた300ml 4つ口
フラスコに、o-クレゾール21.6 g (0.2mol) 、トルエン
50g、p-トルエンスルホン酸1.43 g (0.0075mol)、水 5
g を仕込み、80℃に昇温して溶解する。3-フェノキシベ
ンズアルデヒド 29.73g (0.15 mol)を30分で滴下した
後、95℃で4時間保温する。さらに共沸脱水して反応を
完結させた後、中和、水洗して油層を濃縮して溶媒除去
することにより、蛍光性のない赤褐色樹脂 45.9 g を得
る。紫外光(254nm) により蛍光はみられない。 赤外吸収スペクトル:3600-3200, 3050, 3030, 1580, 1
480, 1440, 1365, 1240, 1210, 1170, 750, 690 cm-1 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーより平均繰り
返し数nは3.6 であった。
【0022】実施例4〜9 エポキシ樹脂として、合成例1および2で得られたエポ
キシ樹脂を用い、これらと実施例1〜3で得られた化合
物、および硬化促進剤の2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール(四国化成工業(株)、商品名キュアゾール2E4M
Z )とを表1に示す割合で配合し溶剤に溶解して均一な
樹脂ワニスとした。樹脂ワニスから溶媒を加熱留去して
得られる樹脂混合物をプレス成形して厚さが一定の樹脂
硬化板を得た。樹脂硬化板の1MHzでの誘電率、誘電正接
は硬化物の両面に金属塗料により電極を作成して、日本
ヒューレットパッカード(株)製 4275A Multi-Frequen
cy LCRMeterにより得た静電容量より算出した。蛍光性
は254nmの紫外光照射時に目視観察した。配合と結果
を表1に示す。
【0023】比較例2〜6 エポキシ樹脂として合成例1、合成例2のエポキシ、o-
クレゾールノボラックのグリシジルエーテル(住友化学
工業(株)製、商品名スミエポキシ ESCN-195)、ある
いは、ビスフェノールAのジグリシジルエーテルとテト
ラブロモビスフェノールAとを付加反応させて得られる
末端エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、商品名スミ
エポキシ ESB-500)を、硬化剤に比較例1の多価フェノ
ール、あるいはフェノールノボラック樹脂(荒川化学工
業(株)、商品名タマノル758 )あるいはジシアンジア
ミドを用い、硬化促進剤に2−エチル−4−メチルイミ
ダゾール(キュアゾール2E4MZ )を用いて実施例4〜9
と同様に樹脂硬化板を作成し、 1MHz での誘電率、誘電
正接を測定し、蛍光を観察した。配合と結果を表1に示
す。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】本発明の多価フェノール化合物は、それ
自身が可視〜紫外光で蛍光を発し、低誘電性でありかつ
蛍光性の硬化物を与える樹脂硬化剤として主に用いるこ
とができる。該多価フェノール化合物を樹脂、例えば、
エポキシ樹脂、に硬化剤として配合して得られる樹脂組
成物は従来のものに比べ低誘電率、低誘電正接、かつ蛍
光性のある硬化物を与える。これらの組成物は、特に高
速演算処理用あるいは高周波通信用の多層プリント配線
板用樹脂に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08G 8/10 C08G 8/10 59/62 59/62

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (式中、nは平均繰り返し単位数を表し、0.1 以上20以
    下の値を取る。R1 は、それぞれ独立に、炭素数1〜1
    0のアルキル基、炭素数5〜7のシクロアルキル基、炭
    素数6〜20のアリール基、あるいは炭素数7〜20の
    アラルキル基を表す。R2 、R3 は、それぞれ独立に、
    炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ
    基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、あるいはN,N-
    ジメチルアミノ基を表す。iは0以上4以下の整数値を
    表し、jは、0以上5以下の整数値を表す。)で表され
    る多価フェノール化合物。
  2. 【請求項2】下記一般式(2) 【化2】 (式中、n、R1 は、一般式(1)と同様に定義され
    る。)で表される請求項1記載の多価フェノール化合
    物。
  3. 【請求項3】(1)樹脂と、(2)請求項1あるいは2
    記載の多価フェノール化合物を必須成分とする樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】樹脂がエポキシ樹脂である、請求項3記載
    の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載の樹脂組成物の硬化物。
JP28409096A 1996-10-25 1996-10-25 多価フェノール化合物、およびそれを用いた樹脂組成物 Withdrawn JPH10130189A (ja)

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