JPH1112267A - 多価フェノール化合物の製造法、エポキシ樹脂組成物、ならびに該組成物を用いた製品 - Google Patents

多価フェノール化合物の製造法、エポキシ樹脂組成物、ならびに該組成物を用いた製品

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JPH1112267A
JPH1112267A JP9161092A JP16109297A JPH1112267A JP H1112267 A JPH1112267 A JP H1112267A JP 9161092 A JP9161092 A JP 9161092A JP 16109297 A JP16109297 A JP 16109297A JP H1112267 A JPH1112267 A JP H1112267A
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JP
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epoxy resin
resin composition
mol
carbon atoms
resorcinol
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Yasuhiro Endo
康博 遠藤
Toshiaki Hayashi
利明 林
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のエポキシ樹脂組成物のもつ耐熱性を損な
う事無く、低粘度である硬化物が得られるような、エポ
キシ樹脂用硬化剤として主に用いることができる低粘度
の多価フェノール化合物の製造法、その多価フェノール
化合物を用いたエポキシ樹脂組成物、ならびに該組成物
を用いた樹脂封止型半導体装置を提供すること。 【解決手段】特定のレゾルシノール類と、特定の(3−
アルキロキシ)フェノール類とを、90:10〜40:
60(mol:mol)の比で混合したものと、特定の
カルボニル化合物とを、酸触媒により縮合させることを
特徴とする多価フェノール化合物の製造法その多価フェ
ノール化合物を用いたエポキシ樹脂組成物、ならびに該
組成物を用いた樹脂封止型半導体装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂硬化
剤として主に用いることができる低粘度の多価フェノー
ル化合物およびその製造法、、それを用いたエポキシ樹
脂組成物、ならびに該組成物を用いた製品に関する。こ
れらのエポキシ樹脂組成物は、特に電気・電子用途、例
えば、IC封止用樹脂や積層板用樹脂に適するが、成形
用材料、塗料用材料、接着用材料、土木・建築用材料な
どにも用いることができる。
【0002】
【従来の技術】電気・電子用途に用いられるエポキシ樹
脂のうちLSI、IC、トランジスタ等、半導体の封止
材料には、近年は経済的に有用なエポキシ樹脂組成物の
トランスファーモールドが行われている。特に、最近で
はLSIチップサイズの増大、発熱量の増大により薄型
で耐熱性を必要とされる実装が行われている。その際、
樹脂封止材には、耐熱性と低粘度を両立し、フィラーの
高充填が可能なものが求められる。現状では、エポキシ
樹脂としてo −クレゾールノボラックのグリシジルエ
ーテルを用い、硬化剤としてはフェノールノボラックを
用いた封止材が主流であるが、フィラーの充填量は限界
に来ており、さらなる低粘度が必要とされた。そこで、
ビフェニル型二官能エポキシとアラルキル骨格フェノー
ルとの組合せが開発された。しかし、これらの方法で
は、低粘度ではあるが耐熱性が従来のものに劣るもので
あった。また多官能化した硬化剤を用いた組成物が開発
されてきているが、そのほとんどが剛直な構造のため高
粘度であり、要請に答えていない。例えば、レゾルシノ
ールとアセトンとの2対2縮合物である、2,4,4−
トリメチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−
7−ヒドロキシクロマンは、特開昭55−139375号あるい
は特開昭56−5476号公報などに開示されている多官能フ
ェノール化合物であるが、そのままでは融点が200℃以
上であることとエポキシ化合物との相溶性が低いため、
通常のエポキシ樹脂組成物の硬化条件では硬化が困難で
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のエポキシ樹脂組成物のもつ耐熱性を損なう事無く、低
粘度である硬化物が得られるような、エポキシ樹脂用硬
化剤として主に用いることができる低粘度の多価フェノ
ール化合物の製造法、その多価フェノール化合物を用い
たエポキシ樹脂組成物、ならびに該組成物を用いた製品
を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、エポキシ
樹脂用硬化剤として主に用いることができる化合物の官
能基構造、骨格構造について鋭意研究を続けた結果、あ
る種の多価フェノール化合物が前記目的を満足すること
を見出した。すなわち、本発明は次のとおりである。 [1]下記一般式(1)
【0005】
【化4】 (1)(式中、Pは、それぞれ独立に、炭素数1〜10
のアルキル基あるいはハロゲン原子を表す。iは、0以
上2以下の整数値を表す。)で表されるレゾルシノール
類と、下記一般式(2)
【0006】
【化5】 (2)(式中、Qは、それぞれ独立に、炭素数1〜10
のアルキル基あるいはハロゲン原子を表す。Yは、炭素
数1〜10のアルキル基を表す。jは、0以上2以下の
整数値を表す。)で表される(3−アルキロキシ)フェ
ノール類とを、90:10〜40:60(mol:mo
l)の比で混合したものと、下記一般式(3)
【0007】
【化6】 (3)(式中、X、X'は、それぞれ独立に、水素原子あ
るいは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10の
シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ある
いは炭素数7〜20のアラルキル基を表し、 XとX'は
環を形成していてもよい。)で表されるカルボニル化合
物とを、酸触媒により縮合させることを特徴とする多価
フェノール化合物の製造法。 [2]レゾルシノール類と、(3−アルキロキシ)フェ
ノール類との混合比が80:20〜60:40(mo
l:mol)である、上記[1]記載の多価フェノール
化合物の製造法。 [3](A)エポキシ樹脂と、(B)上記[1]または
[2]記載の製造方法によって得られる多価フェノール
化合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。 [4]上記[3]記載のエポキシ樹脂組成物を樹脂成分
の必須成分として用いて得られる積層板。 [5]上記[3]記載の(A)成分および(B)成分に
加えて(C)無機充填剤を含んでなるエポキシ樹脂組成
物。 [6]上記[3]または[5]記載のエポキシ樹脂組成
物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とする
樹脂封止型半導体装置。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で目的とする多価フェノー
ル化合物は、一般式(1)で表されるレゾルシノール類
と一般式(2)で表される(3−アルキロキシ)フェノ
ール類と、一般式(3)で表されるカルボニル化合物と
の、縮合反応によって得ることができる。ここでレゾル
シノール類としては、4位と6位に置換基を有しないも
のであり、レゾルシノール、2−メチルレゾルシノー
ル、5−メチルレゾルシノール、2−プロピルレゾルシ
ノール、2−n−ブチルレゾルシノール、5−イソブチ
ルレゾルシノール、5−t−ブチルレゾルシノール、5
−オクチルレゾルシノール、5−ノニルレゾルシノー
ル、2,5−ジメチルレゾルシノール、2,5−ジエチ
ルレゾルシノール、2,5−ジイソプロピルレゾルシノ
ール、2−メチル−5−ブチルレゾルシノール、2−メ
チル−5−ノニルレゾルシノール等を代表とするアルキ
ルレゾルシノール類、あるいは、2−シクロぺンチルレ
ゾルシノール、2−シクロヘキシルレゾルシノール、2
−シクロヘプチルクレゾール等を代表とするシクロアル
キルレゾルシノール類、あるいは、5−フェニルレゾル
シノール、5−ナフチルレゾルシノール等のアリールレ
ゾルシノール類、あるいは、5−ベンジルレゾルシノー
ル、5−フェネチルレゾルシノール等のアラルキルレゾ
ルシノール類、2−クロロレゾルシノール、5−クロロ
レゾルシノール、2,5−ジクロロレゾルシノール、2
−ブロモレゾルシノール、5−ブロモレゾルシノール、
2,5−ジブロモレゾルシノール、2−ヨードレゾルシ
ノール、5−ヨードレゾルシノール、2,5−ジヨード
レゾルシノール等のハロゲン化レゾルシノール類が例示
される。
【0009】ここで(3−アルキロキシ)フェノール類
としては、4位と6位に置換基を有しないものであり、
3―メトキシフェノール、3−エトキシフェノール、3
−プロポキシフェノール、3−ブトキシフェノール、3
−ヘキシロキシフェノール、3−オクチロキシフェノー
ル、3−デコキシフェノール、2−メチル−3−メトキ
シフェノール、5−メチル−3―メトキシフェノール、
2−プロピル−3−メトキシフェノール、2−n−ブチ
ル−3−メトキシフェノール、5−イソブチル−3−メ
トキシフェノール、5−t−ブチル−3−メトキシフェ
ノール、5−オクチル−3−メトキシフェノール、5−
ノニル−3−メトキシフェノール、2,5−ジメチル−
3−メトキシフェノール、2,5−ジエチル−3−メト
キシフェノール、2,5−ジイソプロピル−3−メトキ
シフェノール、2−メチル−5−ブチル−3−メトキシ
フェノール、2−メチル−5−ノニル−3−メトキシフ
ェノール、2−メチル−3−エトキシフェノール、5−
メチル−3―エトキシフェノール、2−プロピル−3−
エトキシフェノール、2−n−ブチル−3−エトキシフ
ェノール、5−イソブチル−3−エトキシフェノール、
5−t−ブチル−3−エトキシフェノール、5−オクチ
ル−3−エトキシフェノール、5−ノニル−3−エトキ
シフェノール、2,5−ジメチル−3−エトキシフェノ
ール、2,5−ジエチル−3−エトキシフェノール、
2,5−ジイソプロピル−3−エトキシフェノール、2
−メチル−5−ブチル−3−エトキシフェノール、2−
メチル−5−ノニル−3−エトキシフェノール、2−メ
チル−3−ブトキシフェノール、5−メチル−3―ブト
キシフェノール、2−プロピル−3−ブトキシフェノー
ル、2−n−ブチル−3−ブトキシフェノール、5−イ
ソブチル−3−ブトキシフェノール、5−t−ブチル−
3−ブトキシフェノール、5−オクチル−3−ブトキシ
フェノール、5−ノニル−3−ブトキシフェノール、
2,5−ジメチル−3−ブトキシフェノール、2,5−
ジエチル−3−ブトキシフェノール、2,5−ジイソプ
ロピル−3−ブトキシフェノール、2−メチル−5−ブ
チル−3−ブトキシフェノール、2−メチル−5−ノニ
ル−3−ブトキシフェノール、2−メチル−3−オクチ
ロキシフェノール、5−メチル−3―オクチロキシフェ
ノール、2−プロピル−3−オクチロキシフェノール、
2−n−ブチル−3−オクチロキシフェノール、5−イ
ソブチル−3−オクチロキシフェノール、5−t−ブチ
ル−3−オクチロキシフェノール、5−オクチル−3−
オクチロキシフェノール、5−ノニル−3−オクチロキ
シフェノール、2,5−ジメチル−3−オクチロキシフ
ェノール、2,5−ジエチル−3−オクチロキシフェノ
ール、2,5−ジイソプロピル−3−オクチロキシフェ
ノール、2−メチル−5−ブチル−3−オクチロキシフ
ェノール、2−メチル−5−ノニル−3−オクチロキシ
フェノール、2−クロロ−3−メトキシフェノール、5
−クロロ−3−メトキシフェノール、2,5−ジクロロ
−3−メトキシフェノール、2−ブロモ−3−メトキシ
フェノール、5−ブロモ−3−メトキシフェノール、
2,5−ジブロモ−3−メトキシフェノール、2−ヨー
ド−3−メトキシフェノール、5−ヨード−3−メトキ
シフェノール、2,5−ジヨード−3−メトキシフェノ
ール、2−クロロ−3−エトキシフェノール、5−クロ
ロ−3−エトキシフェノール、2,5−ジクロロ−3−
エトキシフェノール、2−ブロモ−3−エトキシフェノ
ール、5−ブロモ−3−エトキシフェノール、2,5−
ジブロモ−3−エトキシフェノール、2−ヨード−3−
エトキシフェノール、5−ヨード−3−エトキシフェノ
ール、2,5−ジヨード−3−エトキシフェノール、2
−クロロ−3−ブトキシフェノール、5−クロロ−3−
ブトキシフェノール、2,5−ジクロロ−3−ブトキシ
フェノール、2−ブロモ−3−ブトキシフェノール、5
−ブロモ−3−ブトキシフェノール、2,5−ジブロモ
−3−ブトキシフェノール、2−ヨード−3−ブトキシ
フェノール、5−ヨード−3−ブトキシフェノール、
2,5−ジヨード−3−ブトキシフェノール、2−クロ
ロ−3−オクチロキシフェノール、5−クロロ−3−オ
クチロキシフェノール、2,5−ジクロロ−3−オクチ
ロキシフェノール、2−ブロモ−3−オクチロキシフェ
ノール、5−ブロモ−3−オクチロキシフェノール、
2,5−ジブロモ−3−オクチロキシフェノール、2−
ヨード−3−オクチロキシフェノール、5−ヨード−3
−オクチロキシフェノール、2,5−ジヨード−3−オ
クチロキシフェノールが例示される。
【0010】カルボニル化合物の例としては、アセトア
ルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、
ペンチルアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、シク
ロヘキシルアセトアルデヒド等に代表されるアルデヒド
類、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、
メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シク
ロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、シクロヘプタ
ノン、ベンジルフェニルケトン、ベンジルメチルケト
ン、メチルフェネチルケトン、アセトフェノン、アセト
ナフテノン、インダン−1−オン等のケトン類が挙げら
れる。
【0011】レゾルシノール類、(3−アルコキシ)フ
ェノールと、カルボニル化合物との縮合反応において、
レゾルシノール類と(3−アルコキシ)フェノールは反
応の仕込みの際に前後しても構わないが、同時に反応さ
せることが最もよい結果を与える。
【0012】上記反応に用いる酸触媒としては、塩酸、
硫酸などの無機酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸およびメタンスルホン酸などの有機酸、酸性
白土、活性アルミナ、ゼオライトなどの固体酸、酸性イ
オン交換樹脂などが挙げられる。これらの酸触媒の量
は、原料として仕込むレゾルシノール類とカルボニル化
合物の重量の和に対して、0.01〜50重量%を用いるが、
より好ましくは、0.5〜20重量%である。縮合反応にお
いては、公知の非反応性有機溶媒を用いてもよく、トル
エン、キシレン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、メタノール、エタノールなどが例示される
が、これらに限定されない。縮合反応の際のレゾルシノ
ール類と(3−アルコキシ)フェノール類との合計のモ
ル数の、カルボニル化合物類に対するモル比は、0.1〜
5.0で行うが、より好ましくは、0.3〜3.0である。この
範囲を超えると、過剰のレゾルシノールと(3−アルコ
キシ)フェノール類との残存あるいは生成物のOH残基が
少なくなる問題が生じる。また反応温度は、0〜200
℃で行うが、より好ましくは、20〜160℃である。
この範囲を超えると、温度の低い場合は転化率が下が
り、温度が高い場合は副生成物が多量に生じる。反応時
間は1〜100時間、より好ましくは2〜80時間であ
る。この範囲を超えると、時間が短い場合は、反応が不
完全になり、これ以上長時間行っても収率は変化しない
ため、経済的でない。縮合反応の際には、反応により生
じる水を、系から除いても除かなくても構わない。除く
場合は、トルエン、キシレン、ジブチルエーテルなどの
共沸脱水可能な溶媒を用いて、系内の水分を除きながら
反応させることの出来るディーンスターク管のような装
置を使って反応させれば良い。また、脱水を促進させる
ために減圧下で反応させてもよい。本発明の製造法によ
って得られる多価フェノール化合物は下記一般式(4)
【0013】
【化7】 (4)(式中、nは、平均繰り返し数であり、1以上2
0以下である。Aは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、
炭素数1〜10のアルキル基を表す。kは、0以上2以
下の整数値を表す。R1、R2、R3、R4、R5は、それ
ぞれ独立に、水素原子あるいは炭素数1〜10のアルキ
ル基、炭素数5〜10のシクロアルキル基、炭素数6〜
20のアリール基、あるいは炭素数7〜20のアラルキ
ル基を表すが、R 1とR2、およびR4とR5は、それぞれ
独立に、環を形成していてもよい。Zは、水素原子ある
いは炭素数1〜10のアルキル基を表すが、その平均比
は(水素原子):(炭素数1〜4のアルキル基)=9
5:5〜60:40の範囲にある。)で表される。一般
式(4)において、nは、平均繰り返し数を表し、1以
上20以下の値を取り得るが、操作性の点からは、1以
上10以下が好ましい。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物で使用するエ
ポキシ樹脂とは、分子内に2個以上のエポキシ基を含む
公知の化合物のことであり、特にその化学構造を限定す
るものではない。例示すれば、ビスフェノールAのジグ
リシジルエーテル、テトラブロモビスフェノールAのジ
グリシジルエーテルのような2官能型エポキシ、あるい
は、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのグリシ
ジルエーテル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンのグリシジルエーテルのような3官能型
エポキシ、あるいは、フェノールノボラックのグリシジ
ルエーテル、クレゾールノボラックのグリシジルエーテ
ル、フェノール類とヒドロキシアリールアルデヒド類と
の脱水縮合によって得られるノボラックのグリシジルエ
ーテル、ポリ(4−ヒドロキシスチレン)のグリシジル
エーテル、フェノール変性ポリブタジエンのグリシジル
エーテル、フェノール−ジシクロペンタジエン付加物の
グリシジルエーテル、ビスフェノールAノボラックのグ
リシジルエーテルのような多官能型エポキシ、エポキシ
樹脂とビスフェノールA、レゾルシノール、テトラブロ
モビスフェノールAあるいはテトラクロロビスフェノー
ルA等のフェノール化合物を予め反応させて得られた生
成物、2種以上のエポキシ樹脂の混合物などが挙げられ
るが、さらに本発明の目的に関して好ましい結果を与え
るには、リモネンビスフェノールのジグリシジルエーテ
ル、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンのグリシ
ジルエーテル、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタンのグリシジルエーテル、フェノールノボ
ラックのグリシジルエーテル、クレゾールノボラックの
グリシジルエーテル、フェノール類とヒドロキシアリー
ルアルデヒド類との脱水縮合によって得られるノボラッ
クのグリシジルエーテル、フェノール−ジシクロペンタ
ジエン付加物のグリシジルエーテル、ビスフェノールA
ノボラックのグリシジルエーテルなどが特に挙げられ
る。
【0015】本発明のエポキシ樹脂組成物におけるエポ
キシ樹脂と多価フェノール化合物との量的割合は、エポ
キシ樹脂中のエポキシ基のモル数と多価フェノール化合
物中のOH基のモル数との比率が1対0.5〜1対1.5
になるように配合することが好ましく、さらに好ましく
は1対0.8〜1対1.2の範囲である。この範囲を外
れると硬化不良が起こり、良好な硬化物が得られない。
本発明のエポキシ樹脂組成物においては、必要に応じて
硬化促進剤を使用することができる。硬化促進剤とはエ
ポキシ樹脂と硬化剤の硬化反応を促進させる通常の化合
物のことであり、例示すると2−エチル−4−メチルイ
ミダゾール、4−メチルイミダゾールの様なイミダゾー
ル類、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、1,
4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、1,8-ジアザビシク
ロ[5.4.0]-7-ウンデセンの様な3級アミン類、臭化テト
ラn−ブチルアンモニウム、臭化テトラn−アミルアン
モニウムの様な4級アンモニウム塩類、トリフェニルホ
スフィンの様なリン系化合物等が挙げられる。またその
量的割合は全樹脂中に0.01〜10.00重量%になるように
添加することが望ましい。また、本発明の効果を損なわ
ない程度に、熱可塑性樹脂あるいは、エポキシ樹脂以外
の他の熱硬化性樹脂を併用することも可能である。具体
的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエ
ン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ塩化
ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリセルロース、ポリアミ
ド、ポリイミド、シリコーン樹脂、ポリベンズイミダゾ
ール、ポリイミドアミド、ポリキノリン、ポリアセター
ル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリフェニレン
オキシド、ポリスルホン、フッ素樹脂、天然ゴム、ある
いはポリイソプレンのような熱可塑性樹脂あるいはこれ
らの混合物、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹
脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、不飽和ポ
リエステル、飽和アルキド樹脂、シアネート樹脂、マレ
イミド樹脂、ビニルベンジル樹脂、アニリン樹脂、フラ
ン樹脂、ポリウレタン、アルキルベンゼン樹脂、あるい
はグアナミン樹脂のような熱硬化性樹脂あるいはこれら
の混合物、またはこれらの熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂
の混合物が挙げられる。
【0016】本発明のエポキシ樹脂組成物中には、目的
に応じて難燃剤、充填材、表面処理剤等の公知の添加剤
を加えても良い。難燃剤は、有機化合物や無機化合物に
かかわらず、公知のものを任意に用いることができる。
その中でも特に入手の容易さ等から、酸化アンチモン、
テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテルや
ブロモ含有フェノールノボラックのグリシジルエーテル
が好ましいが、これらに限定されるものではない。これ
らの難燃剤は、任意の割合で樹脂組成物中に配合するこ
とができるが、難燃性の指針であるUL規格V−0を達
成できる程度まで加えるのが好ましい。必要以上に加え
ると、多くの物性の低下をまねく。表面処理剤としては
シランカップリング剤を挙げることができる。本発明の
エポキシ樹脂組成物における(C)成分である無機充填
材としては、シリカ、アルミナ、チタンホワイト、水酸
化アルミニウム、タルク、クレー、ガラス繊維等が挙げ
られ、特にシリカ及びアルミナが好ましい。これらは、
その形状(球状あるいは破砕型)、または大きさの異な
るものを混合して充填量を増して使用することもでき
る。無機充填材の配合割合は、樹脂組成物全量中の25〜
97重量%であることが必要であり、好ましくは40〜9
0重量%である。本発明で使用する充填材は予め十分混
合しておくことが好ましい。具体的には回転翼や空気を
利用するミキサーやコニーダー等の装置、容器を振動、
震盪、回転させる装置等を用いて混合することができ
る。充填材が十分混練されているかどうかの判定には異
なる場所でのサンプルの粒度分布を測定し、それらが実
質的に同一であるかどうかを調べると良い。また、必要
に応じて充填材をカップリング剤や樹脂で予め処理して
用いても良い。処理の方法としては溶媒を用いて混合し
た後に溶媒を留去する方法や、直接充填材に配合し、混
合機を用いて処理する方法がある。本発明において、そ
の他必要に応じて天然ワックス、合成ワックス、高級脂
肪酸及びその金属塩類、若しくはパラフィン等の離型剤
あるいはカーボンブラックのような着色剤、さらに、シ
ランカップリング剤等の表面処理剤等を添加してもよ
い。また、三酸化アンチモン、リン化合物、ブロム化エ
ポキシ樹脂等の難燃剤を加えてもよい。難燃効果を出す
ためには、ブロム化エポキシ樹脂が特に好ましい。ま
た、低応力化するには、各種エラストマーを添加または
あらかじめ反応して用いてもよい。具体的には、ポリブ
タジエン、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、シ
リコーンゴム、シリコーンオイル等の添加型あるいは反
応型のエラストマー等があげられる。本発明による樹脂
組成物を用いて半導体等、電子部品を封止し、樹脂封止
型半導体装置を製作するには、トランスファーモール
ド、コンプレッションモールド、インジェクションモー
ルド、ポッティング、ディッピング、流動浸漬等の従来
から公知の成形法により硬化成形すればよい。
【0017】本発明の積層板の製造は、通常の方法を用
いて行うことができる。一般的な製法としては、エポキ
シ樹脂組成物を有機溶媒に溶解した溶液である樹脂ワニ
スを基材に含浸させ、熱処理してプリプレグとした後
に、プリプレグと銅箔とを積層、加熱成形して銅張り積
層板とする方法や、ベースとなる基板にプリプレグや樹
脂を塗布した銅箔などを用いてめっきを行ないながら一
層ずつ導体層を積み上げて多層プリント配線板を作成す
るビルドアップ法であるが、これに限定されるものでは
ない。使用される有機溶媒としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリ
コールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジメ
チルエーテル、トルエン、キシレン、1,4-ジオキサン、
テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等
の単独または二種以上の混合物があげられる。樹脂ワニ
スを含浸させる基材としては、ガラス繊維、アルミナ繊
維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等の無機または
有機繊維からなる織布、不織布、マット、紙あるいはこ
れらの組み合わせがあげられる。プリプレグの熱処理条
件は、使用する溶媒、添加触媒、その他の各種添加剤の
種類や使用量に応じて適宜選択されるが、通常100℃
〜200℃の温度で3分〜30分の条件で行われる。プ
リプレグと銅箔との積層、加熱成形方法としては、15
0℃〜300℃の温度で、10kg/cm2〜100k
g/cm2の成形圧で、20分〜300分の時間で熱プ
レス成形する方法が例示される。本発明のエポキシ樹脂
組成物は、特に電気・電子用途、例えば、IC封止用樹
脂や積層板用樹脂に適するが、成形用材料、塗料用材
料、接着用材料、土木・建築用材料などにも用いること
ができる。
【0018】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこ
れに限定されるものではない。例中、エポキシ当量と
は、エポキシ基1個あたりのエポキシ樹脂の分子量で定
義され、OH当量とはOH基1個あたりのポリフェノール化
合物の分子量で定義される。 合成例1 本合成例は、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポ
キシ樹脂である、2−t−ブチル−5−メチルフェノー
ルのノボラックのグリシジルエーテルの製法に関するも
のである。2−t−ブチル−5−メチルフェノール 22
31.0g(13.58 OHmol eq.)、p−トルエンスルホン酸
12.9g(0.068mol)、イオン交換水 223.2g を温度計、
攪拌装置、冷却管、滴下管を付けた5リットル4つ口丸底フ
ラスコに仕込み、100℃に昇温する。37%ホルマリン
218.4g(2.715mol)を2時間かけて滴下した後、100℃
で2時間保温して反応を行った。その後 80℃まで冷却
し、10%NaOH水溶液27.7g(0.069mol)で中和した。分液
後の有機層を700gのイオン交換水で2回洗浄した。洗浄
後の有機層を減圧濃縮 (180℃/10mmHg/1時間)して樹脂
状物857.2gを得た。得られた樹脂状物の OH当量は176.
0 g/eqであった。上記のように得られた反応生成物 2
46.4g(1.4 OHmol eq.)、エピクロロヒドリン 906.5g
(9.8 mol)、ジメチルスルホキシド 453.3g、イオン交
換水 14.0gを、温度計、攪拌装置、分離管付き冷却管
を付けた2リットル4つ口丸底フラスコに仕込み、49℃ 42
torrの条件下で48.6%苛性ソーダ水溶液 108.31g
(1.316mol) を5時間かけて滴下する。この間、温度は
49℃に保ちながら、共沸するエピクロロヒドリンと水を
冷却液化し、有機層を反応系内に戻しながら反応させ
た。反応終了後は、未反応のエピクロロヒドリンを減圧
濃縮により除去し、副生塩とジメチルスルホキシドを含
むエポキシ化物をメチルイソブチルケトンに溶解させ、
副生塩とジメチルスルホキシドを温水洗浄により除去し
た。減圧下で溶媒を除くことによりにより、エポキシ樹
脂 304.9g を得た。このようにして得られたエポキシ
樹脂のエポキシ当量は256 g/eqであった。赤外吸収ス
ペクトル測定の結果、フェノール性OHの吸収3200-3600c
m-1は消失し、エポキシドの吸収1240、910cm-1の吸収を
有することが確認された。
【0019】合成例2 本合成例は、合成例1で得られたエポキシ樹脂とテトラ
ブロモビスフェノールAのジグリシジルエーテル、およ
びテトラブロモビスフェノールAとの付加反応により、
末端エポキシ樹脂を得る方法に関するものである。合成
例1で得られたエポキシ樹脂 83.8 g 、テトラブロ
モビスフェノールAのジグリシジルエーテル(住友化学
工業(株)製、商品名スミエホ゜キシESB-400、エホ゜キシ当量403g/
eq)75.5 g、テトラブロモビスフェノールA 17.5
g、メチルエチルケトン 15.9 gを、温度計、冷却管お
よび攪拌装置を付けた300 ml4つ口丸底フラスコに仕
込み、110℃で加熱溶融させた。その後、トリフェニル
ホスフィンの10%メチルエチルケトン溶液 0.71 g
(トリフェニルホスフィンの対樹脂重量比 4×10-4)
を加え、110℃で4時間保持しエポキシ基とフェノール
性水酸基の付加反応を行った。反応後、系内を90℃まで
冷却しプロピレングリコールモノメチルエーテル63.5g
を滴下しながら加えて樹脂固形分70wt%の樹脂溶液250g
を得た。得られた樹脂付加物のエポキシ当量は、固形分
換算で390.0 g/eq.であった。
【0020】合成例3 本合成例は、本発明のエポキシ樹脂組成物に用いるエポ
キシ樹脂である、2−t−ブチル−5−メチルフェノー
ルとp-ヒドロキシベンズアルデヒドとの反応で得られる
多価フェノールのグリシジルエーテルの製法に関するも
のである。2−t−ブチル−5−メチルフェノール 29
5.6g(1.80 OHmol eq.)、p−トルエンスルホン酸 0.
95 g(0.005 mol)、p-ヒドロキシベンズアルデヒド 1
22.1 g (1.00 mol)、トルエン 417.7 gを温度計、
攪拌装置、冷却管、ディーンスターク管を付けた反応フ
ラスコに仕込み、115℃にて脱水しつつ還流させながら
5時間縮合反応する。70℃まで降温してから苛性ソーダ
で中和した。ヘキサン417.7g を加えて再沈殿を行い、
室温まで冷却してから溶媒をろ過して減圧乾燥し、多価
フェノール 372gを得る。 OH当量は140 g/eqであっ
た。上記のように得られた多価フェノール 294.0 g
(2.1 OHmol eq.)、エピクロロヒドリン 971.6 g(1
0.5 mol)、ジメチルスルホキシド 245.6gを、温度
計、攪拌装置、分離管付き冷却管を付けた反応フラスコ
に仕込み、48℃ 62torrの条件下で48%苛性ソーダ水溶
液 164.5g (1.974 mol) を5時間かけて滴下する。
この間、温度は48℃に保ちながら、共沸するエピクロロ
ヒドリンと水を冷却液化し、有機層を反応系内に戻しな
がら反応させた。反応終了後は、未反応のエピクロロヒ
ドリンを減圧濃縮により除去し、副生塩とジメチルスル
ホキシドを含むエポキシ化物をメチルイソブチルケトン
に溶解させ、副生塩とジメチルスルホキシドを温水洗浄
により除去した。減圧下で溶媒を除くことによりによ
り、エポキシ樹脂 380g を得た。このようにして得ら
れたエポキシ樹脂のエポキシ当量は210 g/eqであっ
た。
【0021】合成例4 本合成例は、比較例としての多価フェノールである、
2,4,4−トリメチル−2−(2,4−ジヒドロキシ
フェニル)−7−ヒドロキシクロマン(CAS No.26505-
28-2)の製法に関するものである。レゾルシノール 10
00.0g(9.1 mol)、p−トルエンスルホン酸 6.9g(0.03
6mol)、メタノール 330.0g、アセトン 176.0g(3.0 m
ol)を温度計、攪拌装置、冷却管、滴下漏斗を付けた5リッ
トル4つ口丸底フラスコに仕込み、65℃に昇温した。9時
間65℃に保持した後、イオン交換水750gを仕込み、40℃
で3時間保持した後、析出した結晶を濾過、洗浄した。
得られた粗結晶は、メタノールに溶解した後、イオン交
換水を滴下して再結晶を行った。濾過、減圧乾燥後の得
量は 265gであった。示差熱分析測定により融点は230
℃であった。
【0022】合成例5 本合成例は、比較例としての多価フェノールである、レ
ゾルシノールとアセトンの縮合生成物の製法に関するも
のである。レゾルシノール 220.2g(2.0 mol)、トルエ
ン 200.0g、アセトン 232.3g(4.0 mol)を温度計、攪
拌装置、冷却管、滴下漏斗を付けた2リットル4つ口丸底フ
ラスコに仕込み、30℃に昇温した。p−トルエンスルホ
ン酸 76.1g(0.40 mol)を水100gに溶かしたものを加え
て、さらに50℃に昇温して、40時間保持した。中和
後、メチルイソブチルケトンで希釈し、水洗後、減圧下
で溶媒を留去して樹脂状物344gを得た。1H-NMR、IR、GP
Cにより目的物であることを確認した。 実施例1 本実施例は、本発明の多価フェノール化合物の合成に関
するものである。冷却管、温度計、撹拌装置、滴下装置
を付けた10L4つ口フラスコに、レゾルシノール101
6.4 g(9.24 mol)、3−メトキシフェノール491.0g(3.
96 mol)、p-トルエンスルホン酸41.8g (0.22 mol)、
メタノール480gを仕込み、60℃で溶解する。アセトン
255.2g (4.40mol)を1時間かけて滴下した後、18時
間保温し、100℃に昇温して2時間保温した。苛性ソ
ーダで中和した後、メチルイソブチルケトン1000g、水1
000gを加えて、分液して水層を除いた後、さらに水洗し
て溶媒を減圧留去することにより樹脂状固体465.1 gを
得る。軟化点は87℃、150℃での溶融粘度は0.6Poise
であった。
【0023】実施例2 本実施例は、本発明の多価フェノール化合物の合成に関
するものである。実施例1と同様の反応を行なって溶媒
を減圧留去した後、さらにトルエン1000g、水1000gを加
えてリフラックスし、水層の液相を除いて、減圧濃縮し
て樹脂状固体430.1gを得る。軟化点は99℃、150℃で
の溶融粘度は1.6Poiseであった。
【0024】実施例4〜9 エポキシ樹脂としてo-クレゾールノボラックのグリシジ
ルエーテル(住友化学工業(株)商品 ESCN-195、エホ゜キ
シ当量 195g/eq)、合成例1および3で得られたエポキ
シ樹脂を用い、これらと実施例1〜2で得られた化合
物、および硬化促進剤の2−エチル−4−メチルイミダ
ゾール(四国化成工業(株)商品、キュアソ゛ール2E4MZ)とを
表1〜3に示す割合で配合し溶剤に溶解して均一な樹脂
ワニスとした。樹脂ワニスから溶媒を加熱留去して得ら
れる樹脂混合物をプレス成形して厚さが一定の樹脂硬化
板を得た。硬化前の溶融粘度は、Research equipment
(LONDON) Ltd.のI.C.I. CONE&PLATE VISCOMETERを用
いて150℃、50Hzの条件下で測定した。ガラス転移温度
は、セイコー電子工業製熱機械分析装置TMA-120を用い
て熱膨張曲線の変曲点から求めた。配合と結果を表1〜
3に示す。
【0025】比較例1〜9 エポキシ樹脂としてo-クレゾールノボラックのグリシジ
ルエーテル(住友化学工業(株)製、商品名スミエポキ
シESCN-195、エホ゜キシ当量 195g/eq)、合成例1および3
で得られたエポキシ樹脂を用い、硬化剤として合成例
4、5で得られた化合物、タマノル758(荒川化学工
業(株)製、商品名 タマノル758)を用い、硬化促
進剤にトリフェニルホスフィンを用いて実施例4〜9と
同様に樹脂硬化板を作成し、硬化前の溶融粘度およびガ
ラス転移温度を測定した。配合と結果を表1〜3に示
す。
【0026】実施例10〜13 本実施例は、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた半導
体封止装置の作製例に関するものである。エポキシ樹脂
としてo-クレゾールノボラックのグリシジルエーテル
(住友化学工業(株)製、商品名スミエポキシESCN-19
5、エホ゜キシ当量 195g/eq)、硬化剤として実施例1〜2
で得られた化合物、 硬化促進剤としてトリフェニルホ
スフィン(TPP)、充填材として溶融シリカ FB−
74およびFS−891(いずれも電気化学工業
(株)) 、離型剤としてカルナバワックス、カップリ
ング剤(商品名SH-6040 、東レダウコーニングシリコ
ーン製)を表4、5に示した量で配合し、ロールで加熱
混練後トランスファー成形を行った。さらに、180 ℃
オーブン中で、5 時間ポストキュアーを行い、硬化成
形物を得た。この硬化成形物の物性を測定した。その結
果も表4、5に示す。
【0027】比較例10〜15 エポキシ樹脂としてo-クレゾールノボラックのグリシジ
ルエーテル(住友化学工業(株)製、商品名スミエポキ
シESCN-195、エホ゜キシ当量 195g/eq)、硬化剤として、合
成例4、5で得られた化合物、フェノールノボラック
(荒川化学工業(株)製、商品名 タマノル758)、
硬化促進剤として、TPP(トリフェニルホスフィン)、
充填材として溶融シリカ FB−74およびFS−89
1(いずれも電気化学工業(株))、離型剤としてカル
ナバワックス、カップリング剤(商品名SH-6040 、東
レダウコーニングシリコーン製)を表4、5に示した量
で配合し、実施例10〜13と同様にして、硬化成形物
を得た。この硬化成形物の物性を測定した。その結果も
表4、5に示す。なお、表4、5における硬化成型物の
評価方法は、以下のとおりである。 ・スパイラルフロー:EMMI-1-66に準じて175℃/70kg/cm
2の条件で測定した。 ・ガラス転移温度:セイコー電子工業製熱機械分析装置
TMA-120を用いて熱膨張曲線の変曲点から求めた。 ・吸水率:恒温恒湿槽(アドバンテック東洋 AGX-32
6)を用い、85℃/85%RHの条件下72時間での重量変化
から測定した。
【0028】実施例14〜17 本実施例は、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた銅張
り積層板の作製例に関するものである。表6中に記載の
配合割合で配合したエポキシ樹脂組成物ワニスをガラス
クロス(商品名KS−1600S962LP、鐘紡
(株)製)に含浸し、160℃の熱風乾燥器で6分処理
してプリプレグを得た。プリプレグ5枚と銅箔(TST
O処理、35μm厚さ、古河サーキットホイル(株)
製)を重ね合わせ、170℃で2時間熱プレスを行ない、
1mm厚さの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層
板の物性を表6に示す。
【0029】比較例16〜22 表7中に記載の配合割合で配合したエポキシ樹脂組成物
ワニスを用いて実施例14〜17と同様の方法で、1m
m厚さの銅張り積層板を得た。得られた銅張り積層板の
物性を表7に示す。なお、表6、7において、物性は次
の方法で測定した。 ・ガラス転移温度:セイコー電子工業製熱機械分析装置
TMA-120を用いて熱膨張曲線の変曲点から求めた ・吸水率:サンプルを煮沸水中に48時間浸漬させた
後、その重量変化から算出した。 銅箔剥離強度は、JIS−C−6481に準じて測定し
た。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【発明の効果】本発明の製造法によって得られる多価フ
ェノール化合物は、エポキシ樹脂の硬化剤として従来の
ものに比べ低粘度であり、耐熱性も大きく損なわない硬
化物を与える。これらの組成物は、特に半導体封止用樹
脂あるいは積層板(プリント配線板)用樹脂に好適であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1) 【化1】 (1)(式中、Pは、それぞれ独立に、炭素数1〜10
    のアルキル基あるいはハロゲン原子を表す。iは、0以
    上2以下の整数値を表す。)で表されるレゾルシノール
    類と、下記一般式(2) 【化2】 (2)(式中、Qは、それぞれ独立に、炭素数1〜10
    のアルキル基あるいはハロゲン原子を表す。Yは、炭素
    数1〜10のアルキル基を表す。jは、0以上2以下の
    整数値を表す。)で表される(3−アルキロキシ)フェ
    ノール類とを、90:10〜40:60(mol:mo
    l)の比で混合したものと、下記一般式(3) 【化3】 (3)(式中、X、X'は、それぞれ独立に、水素原子あ
    るいは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数5〜10の
    シクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、ある
    いは炭素数7〜20のアラルキル基を表し、 XとX'は
    環を形成していてもよい。)で表されるカルボニル化合
    物とを、酸触媒により縮合させることを特徴とする多価
    フェノール化合物の製造法。
  2. 【請求項2】レゾルシノール類と、(3−アルキロキ
    シ)フェノール類との混合比が80:20〜60:40
    (mol:mol)である、請求項1記載の多価フェノ
    ール化合物の製造法。
  3. 【請求項3】(A)エポキシ樹脂と、(B)請求項1ま
    たは2記載の製造方法によって得られる多価フェノール
    化合物を必須成分とするエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】請求項3記載のエポキシ樹脂組成物を樹脂
    成分の必須成分として用いて得られる積層板。
  5. 【請求項5】請求項3記載の(A)成分および(B)成
    分に加えて(C)無機充填剤を含んでなるエポキシ樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】請求項3あるいは5記載のエポキシ樹脂組
    成物を用いて半導体素子を封止してなることを特徴とす
    る樹脂封止型半導体装置。
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