JPH10129208A - 空気入りタイヤ及びその製造方法 - Google Patents
空気入りタイヤ及びその製造方法Info
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Abstract
く、インナーライナー層の接合部にクラックが発生する
のを抑える。 【解決手段】 カーカス層4の内周側にタイゴム層7を
介してインナーライナー層8を設けた空気入りタイヤで
あり、そのインナーライナー層8を、そのタイヤ周方向
の一端8aをその他端部8B側に接続してタイヤ周方向
に連続する層に形成する。タイゴム層7もそのタイヤ周
方向の他端7bをその一端部7A側に接続して連続した
層になっている。
Description
ナーライナー層を設けた空気入りタイヤ及びその製造方
法に関わり、更に詳しくは、クラック防止用テープを用
いることなく、インナーライナー層の接合部に発生する
クラックを防ぐようにした空気入りタイヤ及びその製造
方法に関する。
保持するため、タイヤ内周面に気密性の高いブチルゴム
を主体とする非透過性のゴムからなるインナーライナー
層を設けるようにしている。しかし、インナーライナー
層を構成するブチルゴムが、カーカス層の補強コードと
接触すると、その間に剥離を招く原因となる。そこで、
インナーライナー層とカーカス層との間には両者を確実
に離れた状態にするため、一般にカーカス層と同じゴム
からなるタイゴム層が設けられている。
図7に示すように、未加硫のインナーライナー層11と
タイゴム層12とは予め貼り合わされた合わせシート1
3にされ、この合わせシート13のタイヤ周方向両端部
13a,13bを重ね合わせて接合するようにしてい
た。しかし、このように異なる種類のゴム層同志を接続
した状態にすると、ゴム物性の相違により、走行時にタ
イヤに大きな繰り返し変形が作用した際に、その接続さ
れたインナーライナー層11とタイゴム層12との間に
クラックが発生するという問題があった。特に、ライト
トラックやそれ以上の重量を有する車両に装着される重
荷重用空気入りタイヤにおいて、この傾向が顕著であ
る。
で示すように、伸縮性を有する布にゴムをコーティング
したテープ14を接合部に貼り付けることで、クラック
の発生を抑えるようにした提案がある。しかし、テープ
14を新たに用いることにより、部品点数が増加するた
め、コスト高になると共に、テープ14の貼り付け工程
に時間がかかるという問題があった。
ック防止用のテープを使用することなく、インナーライ
ナー層の接合部にクラックが発生するのを防ぐことがで
きる空気入りタイヤ及びその製造方法を提供することに
ある。
明の空気入りタイヤは、カーカス層の内周側にタイゴム
層を介してインナーライナー層を設けた空気入りタイヤ
において、前記インナーライナー層を、そのタイヤ周方
向の一端をその他端部側に接続してタイヤ周方向に連続
する層に形成する一方、前記タイゴム層を、そのタイヤ
周方向の他端をその一端部側に接続して連続する層に形
成したことを特徴とする。
は、未加硫のインナーライナー層とタイゴム層とを予め
貼り合わせた合わせシートを用いて空気入りタイヤを製
造する際に、前記合わせシートのタイヤ周方向両端面を
15〜30°の範囲で同方向に傾斜した傾斜面に形成
し、その合わせシートの両端部をインナーライナー層を
内周側にして重ね合わせにより接合する時に、前記傾斜
面の鋭角部側を対面外側に位置させて接合した後、両傾
斜面を対面する合わせシート表面に圧着することを特徴
とする。
層とタイゴム層をそれぞれタイヤ周方向に連続して延在
する接続した層に形成し、従来のような不連続部を設け
ないようにしたので、走行時に大きな変形を繰り返しタ
イヤが受けても、その接合部にクラックが発生するのを
抑えることができる。その上、従来用いたようなクラッ
ク防止用テープが不要であるため、部品点数の増加によ
るコスト増等を招くこともない。
の図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
空気入りタイヤの一例として、ライトトラックに用いら
れる空気入りタイヤの一例を示す。1はトレッド部、2
はビード部、3はサイドウォール部である。左右のビー
ド部2に連接してタイヤ径方向外側に左右のサイドウォ
ール部3が延設され、この左右のサイドウォール部3間
にタイヤ周方向に延在するトレッド部1が設けられてい
る。
れている。このカーカス層4は、ライトトラック用の空
気入りタイヤでは、1〜3層配置することができ、少な
くとも1層設ければよい。左右のビード部2にはビート
コア5がそれぞれ配置され、そのビートコア5の外周に
はビードフィラー6が設けられている。内側のカーカス
層4Aの両端部4aがビードフィラー6を包み込むよう
にしてビートコア5の周りにタイヤ内側から外側に折り
返されている。外側のカーカス層4Bの両端部4bは、
ビートコア5の外側に巻き下ろされている。
を介してインナーライナー層8が設けられている。トレ
ッド部1のカーカス層4外周側には、補強コードを配列
した複数のベルト層9が埋設されている。本発明では、
上記のような構成の空気入りタイヤにおいて、図2に示
すように、インナーライナー層8のタイヤ周方向の一端
8aをその他端部8B側に接続し、インナーライナー層
8をタイヤ周方向に連続する層に形成してある。タイゴ
ム層7も、そのタイヤ周方向の他端7bをその一端部7
A側に接続し、タイヤ周方向に連続する層になってい
る。
8aが接続した箇所よりエッジ側)は、タイゴム層7の
一端部7Aと他端部7Bの間に介在している。タイゴム
層7の一端部7A(他端7bが接続した箇所よりエッジ
側)は、インナーライナー層8の一端部8Aと他端部8
Bの間に位置している。このようにインナーライナー層
8及びタイゴム層7をそれぞれ接続してタイヤ周方向に
連続する層に形成するため、走行時にタイヤに大きな繰
り返し変形が作用しても、接合部において同じゴム物性
を有するゴム層同志が接続した状態になっているので、
クラックが発生することがない。しかも、従来のような
クラック防止用のテープを使用することなく、クラック
を抑えることができるので、部品点数の増加によるコス
トアップなどを来すこともない。
ーライナー層とタイゴム層とを予め貼り合わせた合わせ
シートを用いて製造される。その合わせシートXはその
タイヤ周方向両端面がシート長手方向に対する傾斜角度
αを15〜30°の範囲で同方向に揃って傾斜させた傾
斜面X1,X2に形成されている。その合わせシートX
を未加硫のインナーライナー層8’を内周側にして成形
ドラム上に巻き付け、その両端部X3,X4を重ね合わ
せにより接合する時に、図3に示すように、傾斜面X
1,X2の鋭角部X5側を対面外側に位置させて接合す
る。
1,X2を対面する合わせシート表面X6に、図5のよ
うな圧着ローラRを用いて圧着する。これにより、未加
硫のインナーライナー層8’のタイヤ周方向の一端8'a
が他端部8'B側に接続される。また、未加硫のタイゴム
層7’のタイヤ周方向の他端7'bがその一端部7'A側に
接続され、未加硫のインナーライナー層8’とタイゴム
層7’はそれぞれタイヤ周方向に連続する層になる。こ
の圧着は、合わせシートXを図3のように接合した後、
未加硫のカーカス層をその上に巻き付けてから行うよう
にしてもよい。
両傾斜面X1,X2を圧着状態にした後は、通常の公知
の工程で行うことができる。例えば、カーカス層の両端
部上に未加硫のビードフィラーを外周に取付けたビード
コアをセットし、両端部をビードコアの周りに折り返し
た後、成形ドラムを拡張(リフト)させ、その拡張した
カーカス層上に補強コードをタイヤ周方向に対して傾斜
させた未加硫のベルト層をその補強コードが交差するよ
うに貼り合わせる。トレッドゴム(クラウン部、ショル
ダー部、及びバットレス部に配置)とサイドゴム(サイ
ドウォール部及びビード部に配置)を順次貼着し、その
成型されたグリーンタイヤを加硫成形することにより、
図1に示す本発明の空気入りタイヤを得ることができ
る。
合わせシートXの両端面をその傾斜角度に切断するがで
きない。逆に30°を越えるとクラックの発生を抑える
ことが困難になる。傾斜角度αは、合わせシートXにお
ける切断を容易にするため、21〜30°が好ましい。
図6に合わせシートXの両端面を傾斜面に切断するカッ
ターの一例を示す。このカッターKは、横向きにしたV
字の刃部K1を有している。V字の対面する両刃K2
は、カッターKの長手方向(水平方向)に対してそれぞ
れ約8°の角度に形成され、小角度の鋭角状になってい
る。このようなカッターを用いることにより、合わせシ
ートXの両端面を上記角度を有する傾斜面X1,X2に
容易に形成することができる。
それ以上の重量を有する車両に装着される重荷重用空気
入りタイヤに好ましく用いることができる。
にし、図1に示す構成の空気入りタイヤにおいて、表1
のように合わせシートの傾斜角度αを変えた本発明タイ
ヤ1,2,3と比較タイヤ、傾斜角度αを90°にした
従来タイヤ1、及びその従来タイヤ1において、合わせ
シートの接合部にクラック防止用テープを設けた従来タ
イヤ2とをそれぞれ各3本作製した。
/2Kのリムに装着し、空気(60%酸素、40%空
気)圧を450kPa にし、以下に示す測定条件により、
接合部に発生するクラックの評価試験を行ったところ、
表1に示す結果を得た。 クラック評価試験 各試験タイヤをドラム径1707mmのドラム試験機に取
り付け、負荷荷重13kN、時速50km/h、周囲温度38
±3℃の条件下で、12000km走行させた後、インナ
ーライナー層の接合部でのクラックトータル長さを測定
し、各3本の平均結果を4段階評価した。Aはクラック
トータル長さLが0mm、Bは0mm<L≦5mm、Cは5mm
<L≦50mm、Dは50mm<Lを示す。
は、クラック防止用テープを設けることなく、そのテー
プを設けた従来タイヤ2以上にクラックの発生を抑える
ことができるのが判る。なお、傾斜角度を15°よりも
小さくした(10°)傾斜面を有する合わせシートを形
成しようとしたが、不可能であった。
ナー層のタイヤ周方向の一端をその他端部側に接続する
一方、タイゴム層のタイヤ周方向の他端をその一端部側
に接続し、インナーライナー層及びタイゴム層をタイヤ
周方向に連続する層にそれぞれ形成するため、クラック
防止用のテープを用いることなく、インナーライナー層
の接合部に発生するクラックを抑制することができる。
午線半断面図である。
ける加硫後タイヤの接合状態を示す断面図である。
合わせシートの端末部を接合した状態を示す断面図であ
る。
断面図である。
使用することができる圧着ローラの一例を示す要部正面
図である。
好ましく使用できるカッターの一例を示す要部正面図で
ある。
部における接合状態を示す断面図である。
ーライナー層 X 合わせシート X1,X2 傾斜面 X3,X4 両端部 X5 鋭角部 X6 合わせシート表面 α 傾斜角度
Claims (2)
- 【請求項1】 カーカス層の内周側にタイゴム層を介し
てインナーライナー層を設けた空気入りタイヤにおい
て、前記インナーライナー層を、そのタイヤ周方向の一
端をその他端部側に接続してタイヤ周方向に連続する層
に形成する一方、前記タイゴム層を、そのタイヤ周方向
の他端をその一端部側に接続して連続する層に形成した
空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 未加硫のインナーライナー層とタイゴム
層とを予め貼り合わせた合わせシートを用いて空気入り
タイヤを製造する際に、前記合わせシートのタイヤ周方
向両端面を15〜30°の範囲で同方向に傾斜した傾斜
面に形成し、その合わせシートの両端部をインナーライ
ナー層を内周側にして重ね合わせにより接合する時に、
前記傾斜面の鋭角部側を対面外側に位置させて接合した
後、両傾斜面を対面する合わせシート表面に圧着する空
気入りタイヤの製造方法。
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- 1996-10-31 JP JP29062696A patent/JP3568334B2/ja not_active Expired - Fee Related
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