JP6110761B2 - 重荷重用タイヤの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、インナ−ライナゴムやカーカスプライなどの共通化を図りながら、重なり部分の巾をコントロールでき、カーカスコードの破断損傷やインナ−ライナゴム内端での剥離損傷を抑制しうる重荷重用タイヤの製造方法に関する。
図7(A)に、トラック・バス用などの重荷重用タイヤにおける、従来的なビード構造が示される。図中の符号aは、リムずれ防止用のチェーファゴムであり、ビード部bの底面をなすベース部a1と、このベース部a1に連なる内外の立上げ部a2、a3とを具える。内の立上げ部a2は、ビードトウ部分btからタイヤ内腔面tsに沿って半径方向外側にのびる。外の立上げ部a3は、ビードヒール部分bhからビード外表面bsに沿って半径方向外側にのびる。
符号cは、空気不透過性のインナーライナゴムであって、タイヤ内腔面tsに沿って延在し、タイヤ内腔内の充填空気を気密に保持する。インナーライナゴムcの半径方向内端部c1は、チェーファゴムaによって被覆保護されている。
このときインナーライナゴムcの内端部c1とチェーファゴムaとの重なり部分dの巾が過小な場合、前記重なり部分dから充填空気やそれに含まれる水分が内部に浸透し、ビードコアeに錆を発生させる。その結果、錆びたビードコアeがカーカスプライfのコードと接触して擦れ、カーカスコードが早期に破断損傷し易くなる。
逆に、重なり部分dの巾が過大な場合、図7(B)に示すように、インナーライナゴムcの内端部c1が、リムとの嵌合圧が高いコア下領域y(ビードコアeの半径方向内側の領域)内に入ってしまう。しかし、インナーライナゴムcをなす空気不透過性ゴムは、チェーファゴムaなどの他のゴムとの接着性に劣る。そのため前記高い嵌合圧により、内端部c1を起点とした剥離損傷が発生しやすくなる。
従って、このような破断損傷や剥離損傷を防止するためには、前記重なり部分dの巾を精度良く管理することが必要である。
しかし重荷重用タイヤでは、市場からの性能要求の違いや使用リムの違いなどの理由から、同サイズのタイヤでもその輪郭形状(プロファイル)は多岐に亘っている。従って、生産性の観点から、タイヤを形成する構成部材をできる限り共通化することが望まれており、通常は、カーカスコードパスの差が比較的小さい(例えば10mm程度以下。)タイヤにおいては、インナ−ライナゴム、カーカスプライなどは共通使用し、ビードコアのセット位置を調整することで対応されている。
そのため、共通材料であるインナ−ライナゴムの端部のビードベースラインからの高さ位置はプロファイル毎に異なる。これに対して、チェーファゴムaの位置はビードコアeのセット位置に合わせて調整されるため、前記内の立上げ部a2の高さ位置は、プロファイルが異なってもほぼ一定となる。従って、必然的に前記重なり部分dの巾が、プロファイル毎に相違してしまい、前記破断損傷や剥離損傷を抑制することが難しくなる。
特開2012−140095号公報
そこで発明は、インナ−ライナゴムやカーカスプライの共通化を図りながら、重なり部分の巾をコントロールでき、カーカスコードの破断損傷やインナ−ライナゴムの内端での剥離損傷を抑制しうる重荷重用タイヤの製造方法を提供することを課題としている。
本発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスプライからなるカーカス、
前記サイドウォール部の外表面をなすサイドウォールゴム、
前記ビード部の底面をなすベース部と、このベース部に連なりビードヒール部分からビード外表面に沿って半径方向外側にのびる外の立上げ部と、前記ベース部に連なりビードトウ部分からタイヤ内腔面に沿って半径方向外側にのびる内の立上げ部とを有するリムズレ防止用のチェーファゴム、
及び前記タイヤ内腔面に沿ってのび、かつ半径方向内端部が前記内の立上げ部に被覆される空気不透過性のインナーライナゴムを具える重荷重用タイヤのタイヤ製造方法であって、
タイヤ形成ドラム上かつタイヤ軸方向両側に、サイドウォールゴムとチェーファゴムとが一体となった一対の円筒状のサイドゴムを形成するサイドゴム形成工程、
前記タイヤ形成ドラム上かつ前記サイドゴム間に、シート状のインナーライナゴムシートを巻き付けて円筒状のインナーライナゴム本体を形成するインナーライナ形成工程、
前記円筒状のインナーライナゴム本体の半径方向外側に、シート状のカーカスプライシートを巻き付けて円筒状のカーカスプライを形成するカーカス形成工程、
及び前記円筒状のカーカスプライの半径方向外側に、ビードコアをセットするビードコアセット工程を含むとともに、
前記インナーライナ形成工程に先駆けて、前記円筒状のサイドゴムのタイヤ軸方向内端部には、前記円筒状のインナーライナゴム本体のタイヤ軸方向外端部と連結することによりインナーライナゴムを形成する連結層が配されるとともに、
前記連結層は、前記サイドゴムのタイヤ軸方向内端部に沿って貼着される空気不透過性のインナーライナテープにより形成されることを特徴としている。
本発明に係る前記重荷重用タイヤの製造方では、前記サイドゴムは、ゴム押出し機によりサイドウォールゴムとチェーファゴムとが一体に押し出された帯状の積層押出しゴムを、タイヤ形成ドラム上で一周巻きすることにより形成されるとともに、
前記一周巻に先駆けて、前記帯状の積層押出しゴムのチェーファゴム側の側端部に、前記インナーライナテープが長さ方向に貼り付けられることにより、前記連結層が形成されることが好ましい。
本発明に係る前記重荷重用タイヤの製造方法では、前記連結層のタイヤ軸方向外端位置は、ビードコアセット工程におけるビードコアのタイヤ軸方向内端位置と、該内端位置からタイヤ軸方向内側に5mm離れた位置との間に位置することが好ましい。
本発明に係る前記重荷重用タイヤの製造方法では、前記インナーライナテープは、予め電子線照射によって半加硫されるのが好ましい。
本発明に係る前記重荷重用タイヤの製造方法では、前記電子線照射は、加圧電圧200〜500V、線量80〜150Kgyであるのが好ましい。
本発明は叙上の如く、インナーライナ形成工程に先駆けて、円筒状のサイドゴムのタイヤ軸方向内端部に、円筒状のインナーライナゴム本体のタイヤ軸方向外端部と連結するための連結層が配される。この連結層は、空気不透過性のインナーライナテープを、円筒状のサイドゴムのタイヤ軸方向内端部に沿って貼着することにより形成される。従って、インナーライナテープの貼付位置を調整することで、インナーライナテープとチェーファゴムとの重なり部分の巾を一定にコントロールできる。
他方、インナーライナ形成工程時、インナーライナゴム本体のタイヤ軸方向外端部が、連結層のタイヤ軸方向内端部と重なり合うことで、互いに連結された1つのインナーライナゴムを形成する。このとき、ビードコアのセット位置の違い、即ちカーカスコードパスの違いを、インナーライナゴム本体と連結層との重なり巾で吸収することができる。
従って、インナ−ライナゴムシートとカーカスプライシートとを共通使用し、ビードコアのセット位置を調整することでカーカスコードパスの差が比較的小さい異種プロファイルのタイヤを形成する場合にも、インナーライナテープとチェーファゴムとの重なり部分の巾を一定にコントロールすることができる。その結果、カーカスコードの破断損傷やインナ−ライナゴム内端での剥離損傷を抑制しうる。
なおインナーライナゴム本体とインナーライナテープとは同種のゴムからなるため、一体に連結される。そのため、その連結部分からの充填空気や水分などの浸透は抑制される。
本発明の製造方法によって形成された重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。 そのビード部を拡大して示す断面図である。 (A)、(B)はサイドゴム形成工程とインナーライナ形成工程とを説明する断面図である。 (A)は連結層とインナーライナゴム本体との連結状態を拡大して示す断面図、(B)は連結層の形成方法を示す斜視図である。 (A)〜(C)は本発明の効果を示す断面図である。 (A)、(B)はカーカス形成工程とビードコアセット工程とを説明する断面図である。 (A)は従来の重荷重用タイヤのビード構造を示す断面図、(B)はその問題点の1つを説明する断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態の重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6を具えるチューブレスタイヤであって、カーカス6の外側にはサイドウォール部3の外表面をなすサイドウォールゴム3Gが配される。又、カーカス6の内側にはタイヤ内腔面Tsをなすインナーライナゴム10が配される。
カーカス6は、スチール製のカーカスコードをタイヤ周方向に対して例えば70〜90°の角度で配列した1枚以上、本例では1枚のカーカスプライ6Aから形成される。カーカスプライ6Aは、ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aの両側に、ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bを一連に具える。プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間には、ビードコア5から半径方向外側にのびる断面三角形状をなすビード補強用のビードエーペックスゴム8が配される。
カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部には、トレッド補強用のベルト層7が配される。ベルト層7は、スチール製のベルトコードを用いた2枚以上、通常3〜4枚のベルトプライから形成される。本例では、ベルト層7が、ベルトコードをタイヤ周方向に対して例えば60±15°の角度で配列した半径方向最内側の第1のベルトプライ7Aと、タイヤ周方向に対して例えば10〜35°の小角度で配列した第2〜4のベルトプライ7B〜7Dとからなる4枚構造の場合が示される。
ビードコア5は、図2に示すように、例えばスチール製のビードワイヤを多列多段に巻回した断面多角形状をなし、その周囲は、バラケ防止用のラッピング層により被覆される。本例のビードコア5は、その半径方向内周面及び外周面が、15°テーパーリムのリムシートJsと略平行に傾斜した偏平な断面六角形状に形成される。
ビード部4には、本例では、ビード補強プライ11を介して、ビード外皮をなすリムズレ防止用のチェーファゴム12が配される。
ビード補強プライ11は、スチール製の補強コードを周方向に対して例えば20〜70°の角度で配列させたコードプライからなる。本例のビード補強プライ11は、ビードコア5の半径方向内側を通る基部11aの両側に、プライ折返し部6bに沿う外折り曲げ部11oと、プライ本体部6aに沿う内折り曲げ部11iとを設けた断面U字状をなす。ビード補強プライ11としては、内折り曲げ部11iを除去した断面L字状、或いは内折り曲げ部11iと基部11aとを除去した断面I字状のものも採用でき、又要求により、ビード補強プライ11自体を除去することもできる。
チェーファゴム12は、ビード部4の底面をなすベース部12aと、このベース部12aに連なりビードヒール部分4hからビード外表面に沿って半径方向外側にのびる外の立上げ部12oと、ベース部12aに連なりビードトウ部分4tからタイヤ内腔面Tsに沿って半径方向外側にのびる内の立上げ部12iとを具える。外の立上げ部12oの半径方向外端部は、サイドウォールゴム3Gの半径方向内端部と連設される。
内の立上げ部12iの半径方向外端12ieは、ビードコア5の横基準線Xよりも半径方向外側に位置する。本例では、外端12ieは、リムフランジJfの半径方向外端とほぼ同高さ位置で終端する。前記ビードコア5の横基準線Xとは、ビードコア5のタイヤ軸方向の最内点Piと最外点Poとを通る直線を意味する。チェーファゴム12には、従来と同様、ゴム硬度(デュロメータA硬さ)が例えば65〜80°の比較的硬質のゴムが好適に採用される。
インナーライナゴム10は、空気不透過性のゴムからなり、タイヤ内腔面Tsに沿ってビード部4、4間を連続してのびる。空気不透過性のゴムとしては、ゴム成分100質量部中に、ブチルゴム(又はその誘導体)を例えば80質量部以上配合させたブチル系ゴムが、従来と同様、好適に採用される。
インナーライナゴム10は、横基準線Xを越えて半径方向内側に延在し、その半径方向内端部10eは、チェーファゴム12の内の立上げ部12iによって被覆される。このときの内端部10eと内の立上げ部12iとの重なり部分Dの巾Wdは5.0mm以上が好ましい。又、重なり部分Dからの充填空気やそれに含まれる水分の浸透を抑えて、ビードコア5の錆の発生、さらにはそれに起因するカーカスコードの破断損傷を抑制するためには、前記横基準線X上におけるインナーライナゴム10の厚さtが1.0mm以上であることも好ましい。インナーライナゴム10の内端部10eは、ビードコア5の最内点Piを通る半径方向線Yをタイヤ軸方向外側に越えない位置で終端する。これにより、リムとの嵌合圧に起因する内端部10eからの剥離損傷を抑制しうる。
本例では、インナーライナゴム10と、カーカス6及びビード補強プライ11との間には、接着力を高めるためのインスレーションゴム13が配される。このインスレーションゴム13としては、ゴム成分100質量部中に、天然ゴム(NR)を例えば80質量部以上配合させた接着性に優れるNR系ゴムが、従来と同様、好適に採用される。
次に、前記重荷重用タイヤの製造方法を、以下に説明する。
前記製造方法は、従来と同様、生タイヤを形成する生タイヤ形成段階と、形成された生タイヤを金型内で加硫する加硫段階とを具える。
そして前記生タイヤ形成段階には、サイドゴム形成工程S1(図3(A))と、インナーライナ形成工程S2(図3(B))と、カーカス形成工程S3(図5(A))と、ビードコアセット工程S4(図5(B))とが含まれる。
図3(A)に示すように、前記サイドゴム形成工程S1では、円筒状のタイヤ形成ドラム30上かつタイヤ軸方向両側に、サイドウォールゴム3Gとチェーファゴム12とが一体となった一対の円筒状のサイドゴム20を形成する。又図3(B)に示すように、前記インナーライナ形成工程S2では、タイヤ形成ドラム30上かつ前記サイドゴム20、20間に、シート状のインナーライナゴムシート21を巻き付けて円筒状のインナーライナゴム本体10Aを形成する。
そして本発明では、図4(A)に拡大して示すように、前記インナーライナ形成工程S2に先駆け、サイドゴム20のタイヤ軸方向内端部20Eiには、連結層22が配されている。この連結層22は、サイドゴム20のタイヤ軸方向内端部20Eiに沿って空気不透過性のインナーライナテープ22Aが貼着されることにより形成される。この連結層22は、インナーライナ形成工程S2によって形成される円筒状のインナーライナゴム本体10Aのタイヤ軸方向外端部と連結する。これにより連結層22とインナーライナゴム本体10Aとが協働して、一体のインナーライナゴム10を形成する。
本例のサイドゴム20は、図4(B)に概念的に示すように、ゴム押出し機によりサイドウォールゴム3Gとチェーファゴム12とが積層状態で一体に押し出された帯状の積層押出しゴム20Nを、タイヤ形成ドラム30上で一周巻きすることにより形成される。又この一周巻きに先駆けて、本例の連結層22が形成される。具体的には、連結層22は、帯状の積層押出しゴム20Nの段階で、この積層押出しゴム20Nのチェーファゴム12側の側端部に、インナーライナテープ22Aを長さ方向に貼り付けることにより形成される。図中の符号25は、押付けローラであり、符号26は、積層押出しゴム20Nをタイヤ1本分の長さに切断するカッターである。
ここで、連結層22とサイドゴム20(積層押出しゴム20N)との重なり巾W1が、重荷重用タイヤ1におけるインナーライナゴム10とチェーファゴム12との前記重なり部分Dの巾Wd(図2に示す)に相当する。従って、帯状の積層押出しゴム20Nの段階で、インナーライナテープ22Aを積層押出しゴム20Nに貼り付けることが、前記重なり巾W1(巾Wd)を高精度で得るために好ましい。
前記インナーライナテープ22Aの貼り付けは、本例の如く前記一周巻の直前に行うことが好ましい。しかし、予め積層押出しゴム20Nにインナーライナテープ22Aを貼り付けたものを、ロール状に巻き付けて保管しておくこともできる。又積層押出しゴム20Nを一周巻して円筒状のサイドゴム20を先に形成し、しかる後、タイヤ形成ドラム30上にて、円筒状のサイドゴム20の内端部20Eiに、インナーライナテープ22Aを貼り付けて連結層22を形成することもできる。しかしこの場合、重なり巾W1の精度確保が難しく、又タイヤ形成ドラム30の占有時間が長くなるため、生タイヤ形成効率に不利を招く。
前記インナーライナテープ22Aは、前記インナーライナゴムシート21と同組成のブチル系ゴムから形成される。又インナーライナテープ22Aは、前記貼り付け前の段階で、予め電子線照射によって半加硫されるのが好ましい。これにより、加硫金型内でのゴム流れに原因して、前記重なり部分Dにおけるインナーライナゴム10の厚さ、特に横基準線X上におけるインナーライナゴム10の厚さtが減少するのを抑制できる。その結果、充填空気や水分などの浸透を抑える効果をより高めることができる。
前記電子線照射としては、加圧電圧200〜500V、線量80〜150Kgyであるのが好ましい。加圧電圧が200Vを下回る、又は線量が80Kgyを下回る場合には、電子線照射が不十分となって前記効果が十分に得られなくなる。逆に、加圧電圧が500Vを越える、又は線量が150Kgyを越える場合には、インナーライナテープ22Aの加硫が進み過ぎ、サイドゴム20或いは積層押出しゴム20Nへの貼り付けが難しくなる。なお電子線照射を行う場合、ブロモブチルは電子線照射によって崩壊する傾向が強いため、ブチルゴムとしてクロロブチルゴムを用いるのが好ましい。
又図4(A)に示すように、連結層22の形成位置は、ビードコアセット位置STに応じて設定される。具体的には、連結層22のタイヤ軸方向外端位置Q22が、後述するビードコアセット工程S4にてセットされるビードコア5のタイヤ軸方向内端位置Qa(カーカスコードパスCPが決まる位置)と、該内端位置Qaからタイヤ軸方向内側に5mm離れた位置Qbとの間の範囲Z内に位置するように、連結層22が配される。
ここで、ビードコア5のコア下領域では、リムとの嵌合圧が高くなる。そのため、他のゴムとの接着力に劣るインナーライナゴム10の内端部10eがコア下領域に位置した場合には、高い嵌合圧に起因して、前記内端部10eから剥離損傷が発生しやすくなる。そのため、インナーライナゴム10の内端位置に相当する連結層22のタイヤ軸方向外端位置Q22を、コア下領域外である前記範囲Z内に位置させることで、内端部10eからの剥離損傷を抑制することができる。又外端位置Q22が前記範囲Z内に位置することで、横基準線X上におけるインナーライナゴム10の厚さtの確保にも有利となる。
而して、図5(A)、(B)に示すように、カーカスコードパスCPの差が比較的小さいタイヤの形成に際しては、連結層22とサイドゴム20との重なり巾W1を維持しながら、カーカスコードパスCPの違いを、インナーライナゴム本体10Aと連結層22との重なり巾W2によって吸収することが可能となる。従って、カーカスコードの破断損傷やインナ−ライナゴム10の内端での剥離損傷を抑制しながら、カーカスコードパスCPの差が比較的小さいタイヤにおける、インナ−ライナゴムシート21とカーカスプライシート23との共通使用を達成することができる。なお図5(C)に示すように、カーカスコードパスCPの差が比較的大きいタイヤの形成に際しては、巾広のインナーライナテープ22A1を用いることで、カーカスコードパスCPの違いを吸収することができる。
なおインナーライナテープ22Aの厚さは0.5〜2.0mmの範囲、巾は10〜25mmの範囲が好ましい。厚さが0.5mmを下回ると、貼付途中で破断の発生を招く他、重なり部分Dからの水分などの浸透を十分抑制できなくなる。逆に厚さが2.0mmを越えると、インナーライナテープ22Aの表面とサイドゴム20の表面との段差が大きくなり、そこにエアー溜まりを招くなど工程不良の増加原因となる。又巾が10mm以下では、吸収可能なカーカスコードパスCPの差の範囲が狭くなる。逆に25mmを越えると、厚さに対して巾が広くなり、剥離用シート(ポリエチレンシートなど)からインナーライナテープ22Aをはがしにくくなるなど、サイドゴム20への貼付不良の増加を招く。
次に、前記カーカス形成工程S3では、図6(A)に示すように、前記円筒状のインナーライナゴム本体10Aの半径方向外側に、シート状のカーカスプライシート23を巻き付けて円筒状のカーカスプライ6Aを形成する。本例では前記カーカス形成工程S3に先駆け、シート状のインスレーションゴムシート24、及びビード補強プライシート25を巻き付け、これによって円筒状のインスレーションゴム13、及びビード補強プライ11を形成している。しかし、インスレーションゴムシート24は、予めインナーライナゴムシート21に一体に貼付け、これによって複合インナーライナゴムシートを形成することもできる。この場合には、インナーライナ形成工程S2において、複合インナーライナゴムシートをタイヤ形成ドラム30上で巻き付けることにより、インナーライナゴム本体10Aとインスレーションゴム13とを同時に形成できる。
又図6(B)に示すように、前記ビードコアセット工程S4では、前記円筒状のカーカスプライ6Aの半径方向外側、かつ前記所定のセット位置STに、ビードコア5がセットされる。ビードコア5は、従来と同様、ビードコアホルダ31にてセット位置まで搬送されるとともに、タイヤ形成ドラム30内のビードロックリング(図示しない。)が拡径することにより、ビードコア5がセット位置STにて固定される。本例のビードコアセット工程S4では、ビードコア5のセット時、連結層22のタイヤ軸方向外端位置Q22が、前記範囲Z内に位置するかどうかを検出し、外端位置Q22が範囲Z外の時、そのことを知らせる検査ステップを含む。
なおビードコアセット工程S4以後は、従来と同様の工程が行われ、生タイヤが形成される。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
本発明の効果を確認するため、本発明の製造方法を用い、図1に示す内部構造の重荷重用タイヤ(11R22.5)を試作した。そして、その時のインナーライナゴム10とチェーファゴム12との重なり部分Dの巾Wd、横基準線X上におけるインナーライナゴム10の厚さt、工程不良の発生状況、及び耐久性(破断損傷、剥離損傷)を評価した。表1に記載以外は実質的に同仕様である。
なおインナーライナテープ22Aは、図4(B)に示すように、一体押し出し成形され、かつタイヤ1本分の長さに切断された帯状の積層押出しゴム20Nの側縁に貼り付けられた。表1のインナライナ巾L1は、図4(B)に示すように、連結層22のタイヤ軸方向外端位置Q22、Q22間のタイヤ軸方向距離を意味し、ビードセット巾L2は、ビードコア5のタイヤ軸方向内端位置Qa、Qa間のタイヤ軸方向距離(カーカスコードパスCPに相当)を意味する。
(1)破断損傷:
タイヤを正規リム(22.5×8.25の15°深底リム)、正規内圧(800kPa)、荷重(66.8kN=正規荷重の250%)の条件にて、ドラム上を20km/hの速度で600時間走行させた。そして損傷なして600時間走行した場合を100とし、カーカスコードに破断損傷が発生するまでの走行時間を指数化して評価した。数値が小なほど耐久性が悪い。
(2)剥離損傷:
上記と同様のテストを行い、インナ−ライナゴムの先端に剥離損傷が発生するまでの走行時間を指数化して評価した。数値が小なほど耐久性が悪い。
(3)工程不良(ベアビート、エアービード)
タイヤを1000本生産した時、ベアビート、エアービードが発生したタイヤの本数(発生率)の逆数を比較例1を100とする指数で表している。数値が大なほど工程不良が少なく優れている。
(ア)ベアビート:ビード周りに発生する不良であって、線状もしくは筋状の傷がタイヤ周方向に発生する。発生原因として、ゴム流れ不良が考えられる。
(イ)エアービード:ビード周りに発生する不良であって、米粒大のエアー溜まりがタイヤ周方向に発生する。発生原因として、インナーライナテープによる段差が考えられる。
Figure 0006110761
Figure 0006110761
実施例は、インナ−ライナゴムやカーカスプライの共通化を図りながら、カーカスコードの破断損傷やインナ−ライナゴムの剥離損傷を抑制しうるのが確認できる。
1 重荷重用タイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
3G サイドウォールゴム
4 ビード部
4h ビードヒール部分
4t ビードトウ部分
5 ビードコア
6 カーカス
6A カーカスプライ
10 インナーライナゴム
10e 内端部
10A インナーライナゴム本体
10Eo タイヤ軸方向外端部
12 チェーファゴム
12a ベース部
12i 立上げ部
12o 立上げ部
20 サイドゴム
20Ei 内端部
20N 積層押出しゴム
21 インナーライナゴムシート
22 連結層
22A インナーライナテープ
23 カーカスプライシート
24 インスレーションゴムシート
30 タイヤ形成ドラム

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスプライからなるカーカス、
    前記サイドウォール部の外表面をなすサイドウォールゴム、
    前記ビード部の底面をなすベース部と、このベース部に連なりビードヒール部分からビード外表面に沿って半径方向外側にのびる外の立上げ部と、前記ベース部に連なりビードトウ部分からタイヤ内腔面に沿って半径方向外側にのびる内の立上げ部とを有するリムズレ防止用のチェーファゴム、
    及び前記タイヤ内腔面に沿ってのび、かつ半径方向内端部が前記内の立上げ部に被覆される空気不透過性のインナーライナゴムを具える重荷重用タイヤのタイヤ製造方法であって、
    タイヤ形成ドラム上かつタイヤ軸方向両側に、サイドウォールゴムとチェーファゴムとが一体となった一対の円筒状のサイドゴムを形成するサイドゴム形成工程、
    前記タイヤ形成ドラム上かつ前記サイドゴム間に、シート状のインナーライナゴムシートを巻き付けて円筒状のインナーライナゴム本体を形成するインナーライナ形成工程、
    前記円筒状のインナーライナゴム本体の半径方向外側に、シート状のカーカスプライシートを巻き付けて円筒状のカーカスプライを形成するカーカス形成工程、
    及び前記円筒状のカーカスプライの半径方向外側に、ビードコアをセットするビードコアセット工程を含むとともに、
    前記インナーライナ形成工程に先駆けて、前記円筒状のサイドゴムのタイヤ軸方向内端部には、前記円筒状のインナーライナゴム本体のタイヤ軸方向外端部と連結することによりインナーライナゴムを形成する連結層が配されるとともに、
    前記連結層は、前記サイドゴムのタイヤ軸方向内端部に沿って貼着される空気不透過性のインナーライナテープにより形成されることを特徴とする重荷重用タイヤの製造方法。
  2. 前記サイドゴムは、ゴム押出し機によりサイドウォールゴムとチェーファゴムとが一体に押し出された帯状の積層押出しゴムを、タイヤ形成ドラム上で一周巻きすることにより形成されるとともに、
    前記一周巻に先駆けて、前記帯状の積層押出しゴムのチェーファゴム側の側端部に、前記インナーライナテープが長さ方向に貼り付けられることにより、前記連結層が形成されることを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤの製造方法。
  3. 前記連結層のタイヤ軸方向外端位置は、ビードコアセット工程におけるビードコアのタイヤ軸方向内端位置と、該内端位置からタイヤ軸方向内側に5mm離れた位置との間に位置することを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤの製造方法。
  4. 前記インナーライナテープは、予め電子線照射によって半加硫されたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の重荷重用タイヤの製造方法。
  5. 前記電子線照射は、加圧電圧200〜500V、線量80〜150Kgyであることを特徴とする請求項4記載の重荷重用タイヤの製造方法。
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