JPH10128421A - 冷間タンデム圧延機の稼働停止および再起動時の張力制御方法 - Google Patents

冷間タンデム圧延機の稼働停止および再起動時の張力制御方法

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JPH10128421A
JPH10128421A JP8287085A JP28708596A JPH10128421A JP H10128421 A JPH10128421 A JP H10128421A JP 8287085 A JP8287085 A JP 8287085A JP 28708596 A JP28708596 A JP 28708596A JP H10128421 A JPH10128421 A JP H10128421A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋼板の通板を一時的に停止させたのち再起動
させた際に、鋼板に張力アンバランスが生じたり、鋼板
に破断が生じることがなく、鋼板の品質および生産性の
維持を図ることができる冷間タンデム圧延機の稼働停止
および再起動時の張力制御方法を提供すること。 【解決手段】 鋼板の通板を停止させる際には、各ミル
スタンドの交流モータの垂下率を調整することにより、
各ミルスタンド間の鋼板の張力が通板時における定常時
の張力となるように調整し、鋼板の通板が停止している
間には、各ミルスタンドの交流モータで零速度制御を行
なうことにより、各ミルスタンド間の鋼板の張力が鋼板
の通板が停止たときの各ミルスタンド間の鋼板の張力と
なるように調整し、鋼板の通板を再起動させる際には、
各ミルスタンドの交流モータの垂下率を調整することに
より、各ミルスタンド間の鋼板の張力が通板時における
定常時の張力となるように調整することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間タンデム圧延
機の稼働停止および再起動時の張力制御方法に関する。
さらに詳しくは、冷間タンデム圧延機を稼働させている
ときに鋼板の通板を停止させる際に、該鋼板が張力を保
持した状態で停止させ、該鋼板の板厚精度を乱すことな
く再起動させることができる冷間タンデム圧延機の稼働
停止および再起動時の張力制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複数のミルスタンドを有する冷間
タンデム圧延機を用いた鋼板の圧延方法においては、鋼
板の通板を一時的に停止させたのち再起動させるばあい
には、いったん該冷間タンデム圧延機のすべてのミルス
タンドの圧下を解除し、すべてのワークロールを開放し
たのち、鋼板を通板させながら順次前段のミルスタンド
から圧下を行ない、最終段のミルスタンドの圧下を終え
ることにより、正常の圧延操作を行なうという操作が採
られている(特開平5−131206号公報)。
【0003】しかしながら、冷間タンデム圧延機を再起
動させるために、鋼板を通板させながら順次前段のミル
スタンドから圧下を行なったばあい、その圧下時に瞬間
的に鋼板の張力アンバランスが生じ、板厚精度が乱れて
オフゲージとなったり、ときには鋼板に破断が生じるた
め、鋼板の品質および生産性が低下することが懸念され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、鋼板の通板を一時的に
停止させたのち再起動させた際に、鋼板に張力アンバラ
ンスが生じたり、鋼板に破断が生じることがなく、鋼板
の品質および生産性の維持を図ることができる冷間タン
デム圧延機の稼働停止および再起動時の張力制御方法を
提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数のミルス
タンドを有する冷間タンデム圧延機の稼働を停止し、つ
いで該冷間タンデム圧延機を再起動させるときの鋼板の
張力を制御する方法であって、各ミルスタンドの駆動用
モータに交流モータを用い、(A)鋼板の通板を停止さ
せる際には、各ミルスタンドの交流モータの垂下率を調
整することにより、各ミルスタンド間の鋼板の張力が通
板時における定常時の張力となるように調整しながら鋼
板の通板を停止させ、(B)鋼板の通板が停止している
間には、各ミルスタンドの交流モータで零速度制御を行
なうことにより、各ミルスタンド間の鋼板の張力が鋼板
の通板時における定常時の各ミルスタンド間の鋼板の張
力となるように調整し、(C)鋼板の通板を再起動させ
る際には、各ミルスタンドの交流モータの垂下率を調整
することにより、各ミルスタンド間の鋼板の張力が通板
時における定常時の張力となるように調整することを特
徴とする冷間タンデム圧延機の稼働停止および再起動時
の張力制御方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の張力制御方法によれば、
複数のミルスタンドを有する冷間タンデム圧延機の稼働
を停止させ、ついで該冷間タンデム圧延機を再起動させ
るときに、(A)鋼板の通板を停止させる際には、各ミ
ルスタンドの交流モータの垂下率を調整することによ
り、各ミルスタンド間の鋼板の張力が通板時における定
常時の張力となるように調整しながら鋼板の通板を停止
させ、、(B)鋼板の通板が停止している間には、各ミ
ルスタンドの交流モータに零速度制御を行なうことによ
り、各ミルスタンド間の鋼板の張力が鋼板の通板時にお
ける定常時の各ミルスタンド間の鋼板の張力となるよう
に調整し、(C)鋼板の通板を再起動させる際には、各
ミルスタンドの交流モータの垂下率を調整することによ
り、各ミルスタンド間の鋼板の張力が通板時における定
常時の張力となるように調整することにより、冷間タン
デム圧延機の稼働停止およびその再起動を行なうことが
できる。
【0007】本発明の張力制御方法によれば、鋼板の通
板を一時的に停止させたのち再起動させた際に、鋼板に
張力アンバランスが生じたり、鋼板に破断が生じること
がないので、鋼板の品質および生産性の維持を図ること
ができる。このように、鋼板に張力アンバランスが発生
することを防止することができ、また鋼板に破断が生じ
ることを防止することができるのは、本発明において
は、圧延機の停止後、再起動までの間の制御として、停
止する前、すなわち稼働時の鋼板の張力が保持されてい
る状態で冷間タンデム圧延機の稼働が停止され、また稼
働の停止中には各ミルスタンドの交流モータに零速度制
御を行なうことにより、稼働時の鋼板の張力が保持さ
れ、また再起動時にも、各ミルスタンド間の鋼板の張力
が稼働時の鋼板の張力に保持されているため、鋼板の過
張力および張力ドロップが発生しないことにもとづくも
のと考えられる。換言すれば、本発明においては、停止
するまでの速度制御、停止中の零速度制御および再起動
時の速度制御において、鋼板の張力が一定に保持されて
いることにより、鋼板に過張力および張力ドロップが発
生することがないように制御されるものと考えられる。
【0008】ところで、本発明においては、各ミルスタ
ンドの駆動用モータとして交流モータが用いられている
点にも、1つの大きな特徴がある。
【0009】従来の冷間タンデム圧延機のミルスタンド
の駆動用モータには、速度の制御性およびトルクの制御
性が良好であることから、直流モータが用いられてい
た。しかしながら、該直流モータの特性上、稼働の停止
中にはトルクをかけることができない。
【0010】これに対して、本発明においては、冷間タ
ンデム圧延機のミルスタンドの駆動用モータには、交流
モータが用いられていることにより、稼働が停止してい
る間においてもワークロールにトルクをかけ続けること
ができるため、鋼板の張力が一定に保たれるように零速
度制御を行なうことができる。
【0011】以下に、本発明の冷間タンデム圧延機の稼
働停止および再起動時の張力制御方法を図1にもとづい
て説明する。
【0012】図1は、本発明の冷間タンデム圧延機の稼
働停止および再起動時の張力制御方法の概略説明図であ
る。
【0013】図1において、1〜5は、それぞれ順に第
1〜第5ミルスタンドを示す。各ミルスタンドは、鋼板
7を圧延するための上ワークロール9aおよび下ワーク
ロール9bを有し、上ワークロール9aおよび下ワーク
ロール9bには、鋼板7に圧下をかけるために、上バッ
クアップロール11aおよび下バックロール11bがそ
れぞれ接触して配設されている。
【0014】鋼板7の通板が正常に稼働されているとき
には、図1に示されるように、第1〜第5ミルスタンド
の上ワークロール9aおよび下ワークロール9bがいず
れも圧下され、ペイオフリール6から払い出された鋼板
7は、第1ミルスタンド1から第5ミルスタンド5へ矢
印A方向に通板されている間に圧延され、テンションリ
ール8に巻き取られる。
【0015】まず、鋼板7の通板を停止させる際には、
第1ミルスタンド1〜第5ミルスタンド5の上ワークロ
ール9aおよび下ワークロール9bがいずれも圧下され
ている状態で、鋼板7の通板速度を低下させる。このと
き、各ミルスタンド間の鋼板7の張力が通板時における
定常時の張力とならないような変動が生じたばあいに
は、鋼板7の板厚精度が乱れるようになる。したがっ
て、本発明においては、各ミルスタンド間の鋼板7の張
力が通板時における定常時の張力となるように調整す
る。
【0016】各ミルスタンド間の鋼板7の張力は、各ミ
ルスタンドの間に設けられた張力測定用ロール(図示せ
ず)を介して張力計(図示せず)により、検出すること
ができる。各ミルスタンド間で検出した張力が、通板時
における定常時の張力と一致せずに変動が生じたばあい
には、その検出された張力にもとづいて、たとえば張力
が大きいばあいには、前方スタンドの交流モータ10の
垂下率を大きくし、また後方スタンドの交流モータ10
の垂下率を小さくするように、速度制御装置13からイ
ンバーター12を介して交流モータ10の垂下率を調節
する。インバーター12としては、たとえばベクトル制
御入りインバーターなどがあげられ、また速度制御装置
13としては、たとえば張力保持停止制御入り速度制御
装置などがあげられる。
【0017】本発明においては、前記したように、交流
モータ10を用いた点に1つの大きな特徴がある。従来
のように直流モータを用いたばあいには、該直流モータ
は、その特性上、極低速度領域では、駆動トルクを発生
せず、速度制御を切らざるをえないため、各ミルスタン
ド間の鋼板7の張力を正確に制御することができないの
に対して、本発明においては、交流モータ10が用いら
れており、該交流モータ10は、直流モータのように極
低速度領域で速度制御を切らざるをえないようなことが
なく、しかもその垂下率を調整することにより、該交流
モータ10を介して各ミルスタンド間の鋼板7の張力を
速やかに所定値、すなわち通板時における定常時の張力
に一致するように正確に調節することができる。
【0018】したがって、本発明においては、通板速度
の調整手段として、交流モータ10の垂下率を調節する
という手段が採られている点に、大きな特徴の1つがあ
るということができる。なお、交流モータ10の垂下率
を大きくしたばあいには、交流モータ10の回転速度が
低下し、またその垂下率を小さくしたばあいには、その
回転速度が上昇する。
【0019】つぎに、交流モータ10の垂下率を調節す
ることにより、各ミルスタンド間の鋼板7の張力が通板
時における定常時の張力となるように調整し、各交流モ
ータ10の回転速度を低下させて鋼板7の通板を停止さ
せる。
【0020】ここで、本発明においては、鋼板7の通板
を停止させたときに、各交流モータ10の速度制御を切
るのではなく、通電を行なって交流モータ10の零速度
制御を行なう点にも、1つの大きな特徴がある。
【0021】従来、各ミルスタンドの駆動用モータに
は、直流モータが用いられており、かかる直流モータを
用いたばあいには、その特性上、停止直前の約1秒間お
よび停止後は、ノーコントロール、すなわち制御するこ
とができなくなる。
【0022】これに対して、本発明においては、駆動用
モータとして交流モータ10が用いられており、該交流
モータ10は、停止中においても通電し、第1ミルスタ
ンド1〜第5ミルスタンド5の上ワークロール9aおよ
び下ワークロール9bがいずれも圧下されている状態
で、トルクをかけ、上ワークロール9aおよび下ワーク
ロール9bが回転しないように制御することができる。
このように、交流モータ10を回転させずにその停止状
態を保持させることを零速度制御という。本発明では、
零速度制御を用い、各ミルスタンド間の鋼板7の張力が
変化しないように固定する。
【0023】前記交流モータ10としては、零速度制御
を行なうことができ、ミルスタンドの稼働が可能であれ
ば、とくに制限なく用いることができる。
【0024】なお、鋼板7の通板の停止中に、各ミルス
タンド間の鋼板7の張力が定常時の張力となるようにす
るための方法は、停止直前までに張力を決定しておけ
ば、停止中にはロールの回転を止めておくことにより、
停止直前の張力状態を保持することにより、行なうこと
ができる。
【0025】つぎに、鋼板7の通板を再起動させる際に
は、各ミルスタンドの交流モータ10の垂下率を調整す
ることにより、各ミルスタンド間の鋼板7の張力が通板
時における定常時の張力となるように調整しながら交流
モータ10を起動させる。
【0026】まず、鋼板7の通板を再起動させる際に
は、第1ミルスタンド1〜第5ミルスタンド5の上ワー
クロール9aおよび下ワークロール9bがいずれも圧下
されている状態で、鋼板7の通板速度を上昇させる。こ
のとき、各ミルスタンド間の鋼板7の張力が通板時にお
ける定常時の張力とならないような変動が生じたばあい
には、鋼板7の板厚精度が乱れるようになる。したがっ
て、本発明においては、再起動時における各ミルスタン
ド間の鋼板7の張力が通板時における定常時の張力とな
るように調整する。
【0027】各ミルスタンド間で検出した張力が、通板
時における定常時の張力と一致せずに変動が生じたばあ
いには、その検出された張力にもとづいて、たとえば張
力が大きいばあいには、前方スタンドの交流モータ10
の垂下率が小さくなるように速度制御装置13からイン
バーター12を介して交流モータ10の垂下率を調節す
る。
【0028】本発明の冷間タンデム圧延機の稼働停止お
よび再起動時の張力制御方法によれば、鋼板7の通板を
停止させる際、鋼板7の通板が停止している間および鋼
板7の通板を再起動させる際のいずれの段階において
も、各ミルスタンド間の鋼板7の張力が通板時における
定常時の張力となるように調整されるので、鋼板7に加
わる張力が稼働時から停止、再起動時にいたるまで一定
に保持される。したがって、鋼板7の張力変動によって
板厚精度が乱れてオフゲージとなったり、鋼板7に破断
が生じることを防止することができ、ひいては鋼板7の
品質および生産性の向上が図られる。
【0029】
【実施例】つぎに、本発明の冷間タンデム圧延機の稼働
停止および再起動時の張力制御方法を実施例にもとづい
てさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみ
に限定されるものではない。
【0030】実施例1 図1に示されるような冷間タンデム圧延機を用いた。
【0031】板厚3mm、板幅1000mmの帯状鋼板
をペイオフリール6から払い出し、第1ミルスタンド1
に通板速度100m/minで通板させて帯状鋼板の圧
延を行なっているときに、各ミルスタンド間の帯状鋼板
の張力が通板時における定常時の張力となるように、各
ミルスタンドの交流モータ10の垂下率を調整しなが
ら、帯状鋼板の通板を停止させた。かかる帯状鋼板の通
板を停止させると同時に、各ミルスタンドの交流モータ
10で零速度制御を行なった。しばらく、帯状鋼板の通
板を停止させたのち、各ミルスタンドの交流モータ10
の垂下率を調整することにより、各ミルスタンド間の帯
状鋼板の張力が通板時の張力となるように調整しながら
通板速度を上げ、定常状態の通板速度に調整した。その
結果を図2に示す。
【0032】図2において、点Aの時点で帯状鋼板の通
板を停止し、点Bの時点で通板を再起動させた。点Aと
点Bとの間では、帯状鋼板の通板が停止されている。
【0033】図2(a)は、最高ライン速度を100%
としたときのライン速度の変化を示すグラフである。ま
た、図2(b)は、第5ミルスタンド5の出側における
帯状鋼板の板厚偏差の変化を示すグラフである。圧延後
の帯状鋼板の板厚は初期では約800μmであり、オフ
ゲージ(板厚偏差±5%の範囲外)長さXが約8mであ
る。
【0034】図2(c)は、第1ミルスタンド1と第2
ミルスタンド2との間の帯状鋼板の張力の変化を示すグ
ラフである。帯状鋼板の通板の停止時(点A)、帯状鋼
板の通板の停止中(点A〜B間)および帯状鋼板の通板
の再起動時(点B)のいずれにおいても、帯状鋼板の張
力の変化が小さく、安定した通板が行なわれていること
がわかる。
【0035】比較例1 実施例1で用いた図1に示される冷間タンデム圧延機に
おいて、交流モータ10のかわりに従来から用いられて
いる直流モータを用いた。
【0036】つぎに、実施例1と同様に、板厚3mm、
板幅1000mmの帯状鋼板をペイオフリール6から払
い出し、第1ミルスタンド1に通板速度100m/mi
nで通板させて帯状鋼板の圧延を行なったのち、該帯状
鋼板の通板を停止させた。しばらく帯状鋼板の通板を停
止させたのち、再度通板速度を上げ、定常状態の通板速
度に調整した。その結果を図3に示す。
【0037】図3において、点Aの時点で帯状鋼板の通
板を停止し、点Bの時点で通板を再起動させた。点Aと
点Bとの間では、帯状鋼板の通板が停止されている。
【0038】図3(a)は、最高ライン速度を100%
としたときのライン速度の変化を示すグラフである。ま
た、図3(b)は、第5ミルスタンド5の出側における
帯状鋼板の板厚偏差の変化を示すグラフである。圧延後
の帯状鋼板の板厚は初期では約800μmであり、オフ
ゲージ(板厚偏差±5%の範囲外)長さYが約15mで
ある。また、図3(b)からは、いったんオンゲージに
入ったあとに、点Pで表わされるジャンピングオフゲー
ジが2回発生していることが認められ、この部分が再起
動時にミルの直下にあった板であることがわかってお
り、図2にジャンピングオフゲージが発生していないこ
とから、実施例1の方法が効果的であることがわかる。
【0039】図3(c)は、第1ミルスタンド1と第2
ミルスタンド2との間の帯状鋼板の張力の変化を示すグ
ラフである。帯状鋼板の通板の停止時(点A)において
張力が大幅に低下し、低下しているときに、いったん急
上昇し、帯状鋼板の通板の停止中(点A〜B間)で張力
が低く、帯状鋼板の通板の再起動時(点B)に、再度、
帯状鋼板の張力が増大していることがわかる。このこと
から、停止および再起動時に発生する張力変動が最終製
品の板厚に変動を及ぼしていることがわかる。
【0040】また、実施例1と比較例1とを対比して、
実施例1ではオフゲージ長さXが約8mであるのに対し
て、比較例1ではオフゲージ長さYが約15mであるこ
とから、実施例1の方法によれば、オフゲージ長さを約
7m短くすることができることがわかる。
【0041】また、比較例1の方法では、図3(a)〜
(b)に示された結果から、ライン速度が上昇したのち
にオフゲージが消失しているため、かなり無駄となる帯
状鋼板の通板が行なわれているのに対して、実施例1の
方法では、図2(a)〜(b)に示された結果から、ラ
イン速度の上昇時付近でオフゲージが消失しているの
で、無駄となった帯状鋼板の通板量が少ないことがわか
る。
【0042】
【発明の効果】本発明の冷間タンデム圧延機の稼働停止
および再起動時の張力制御方法によれば、鋼板の通板を
一時的に停止させたのち再起動させた際に、鋼板に張力
アンバランスが生じたり、鋼板に破断が生じることがな
いという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷間タンデム圧延機の稼働停止および
再起動時の張力制御方法の概略説明図である。
【図2】本発明の実施例1における冷間タンデム圧延機
を稼働させた結果を示すグラフである。
【図3】従来技術を示す比較例1における冷間タンデム
圧延機を稼働させた結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 第1ミルスタンド 2 第2ミルスタンド 3 第3ミルスタンド 4 第4ミルスタンド 5 第5ミルスタンド 7 鋼板 10 交流モータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のミルスタンドを有する冷間タンデ
    ム圧延機の稼働を停止し、ついで該冷間タンデム圧延機
    を再起動させるときの鋼板の張力を制御する方法であっ
    て、各ミルスタンドの駆動用モータに交流モータを用
    い、(A)鋼板の通板を停止させる際には、各ミルスタ
    ンドの交流モータの垂下率を調整することにより、各ミ
    ルスタンド間の鋼板の張力が通板時における定常時の張
    力となるように調整しながら鋼板の通板を停止させ、
    (B)鋼板の通板が停止している間には、各ミルスタン
    ドの交流モータで零速度制御を行なうことにより、各ミ
    ルスタンド間の鋼板の張力が鋼板の通板時における定常
    時の各ミルスタンド間の鋼板の張力となるように調整
    し、(C)鋼板の通板を再起動させる際には、各ミルス
    タンドの交流モータの垂下率を調整することにより、各
    ミルスタンド間の鋼板の張力が通板時における定常時の
    張力となるように調整することを特徴とする冷間タンデ
    ム圧延機の稼働停止および再起動時の張力制御方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20010060856A (ko) * 1999-12-28 2001-07-07 이구택 초극박 냉간압연 설비의 통판속도 제어방법
KR100870766B1 (ko) * 2002-09-13 2008-11-26 주식회사 포스코 건조로 양방향 에어작동형 통판장치
CN101885003A (zh) * 2009-05-14 2010-11-17 株式会社日立制作所 轧制设备的控制装置及控制方法
CN111556797A (zh) * 2018-12-12 2020-08-18 东芝三菱电机产业系统株式会社 连轧机的控制装置

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