JP2010184277A - 圧延機での振動防止方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】圧延機100は、帯板1を巻き取り、巻き戻しする巻回リール6と、デフレクタロール4を経た帯板1を圧延するワークロール2と、ワークロール2をバックアップするバックアップロール3と、ロールを駆動するモータMと、圧延速度を制御する速度制御装置8と、速度制御装置8に入力される目標速度を繰り返し増減させるための変動速度生成装置10とを備え、圧延機100の異常振動が検出されると、又は異常振動の発生を未然に防ぐべく、圧延速度を所定の振幅で増減させる。
【選択図】図1
Description
その際、圧延材の前後方向の張力と潤滑状態によっては、チャタリングと呼ばれる異常振動が発生し、圧延材の長手方向に一定周期の変動が生じる場合がある。チャタリングが生ずる原因としては、前後の張力のアンバランスや潤滑不良等が考えられ、チャタリングが生じた場合には、圧延機のオペレータは圧延張力を変化させたり、圧延速度を変化させたりしてチャタリングを収束させる対策をとっている。
このような問題に対して、特開平6−71320号公報(特許文献1)は、帯板の圧延において、圧延機の振動を検出し、その信号に基づいて帯板の圧延張力を閉ループ制御によって変化させることを特徴とする帯板の圧延方法を開示する。さらに、この特許文献1は、圧延張力を変化させた後に、圧延速度を閉ループ制御によって変化させることを特徴とする帯板の圧延方法も開示する。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、圧延機での振動防止方法であって、生産性を低下させることを回避して、チャタリング等の異常振動が発生するのを抑制することができる圧延機での振動防止方法を提供することを目的とする。
本発明にかかる圧延機での振動防止方法は、圧延材を通板中の圧延機で発生する異常振動を抑えるべく、前記圧延材の圧延速度を、圧延速度目標値を基にして繰り返し増減させることを特徴とする。
この振動防止方法によると、圧延速度を増加させても、圧延機の異常振動である自励振動現象が発生する不安定領域から一旦離脱させて振動を収束させることができる。しかしながら、圧延速度を増加させて一旦振動が小さなレベルに収束しても、条件が不安定な領域にある以上、振動はまた増加し始めるので、次に圧延速度を減少させて、振動を小さくする。これを繰返し実行する。これにより、総合的に振動レベルを問題とならないレベルに抑えることができる。圧延速度を一方的に下げるだけでなく、圧延速度の増減を交互に行なうことにより、目標圧延速度を満足させ、生産性を低下させないようにすることが可能となる。
好ましくは、前記圧延速度を増減するに際しては、圧延速度の増減をステップ状に与え、その増減量を、圧延機の仕様及び圧延材の板厚精度に収まる範囲で与えるとよい。
自励振動である異常振動を一旦減少させるためには、条件の変化が急峻であるほど効果が発現し易いため、圧延速度の変化はステップ状(階段状)に与えつつ、速度の増減量は、圧延機の仕様及び圧延材の仕上精度に収まる範囲で与えるとよい。こうすることで、製品の生産性及び品質を確保することができる。
このようにすると、異常振動が問題となるレベルまで増加する前に、再び圧延速度を変化させるので、自励的な異常振動を確実に抑えることができる。
また、前記圧延機の異常振動が検出された時点で、前記圧延速度の増速又は減速を行ってもよい。
このようにすると、速度変動の回数を少なくしつつも自励的な異常振動を確実に抑えることができる。
なお、以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称及び機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。また、以下の説明では圧延材を帯板とするがそれに限定はされない。棒材又は線材であっても構わない。
図1に、本実施形態に係る圧延方法が行なわれる圧延機100の構成の一例として、リバース式の圧延機の概略を示す。帯状の圧延材1(帯板)は両方向(紙面の左から右、右から左)に走行可能であり、所定の板厚になるまで、走行方向を変えながら繰り返し圧延される。なお、本実施形態に係る圧延方法が行なわれる圧延機100は、圧延機が複数並ぶタンデム型圧延機であっても構わない。
さらに、本発明の圧延機100には、巻回リール6、ワークロール2,2の回転数を連動して制御する速度制御装置8が備えられ、この速度制御装置8には、速度指令値を繰り返し変動させるための変動速度生成装置10が備えられている。
ところで、圧延機100の異常振動(チャタリングと表現することもある)は、一般的に自励振動現象である。自励振動は、振動的な外力がなくても、自らの固有振動により外部のエネルギを振動外力に変換して、除々に振動が大きく成長する現象である。このことを鑑み、本発明者らは、数々の実験や過去の操業実績の検証した。その結果、圧延機100においてチャタリングが起こった際に、圧延速度を下げることでチャタリングを抑制できることを知見した。さらに、圧延速度を上げても、チャタリングが一旦収束する場合があることを見出した。
ところが、圧延速度を上げて一旦振動が小さなレベルに収束しても、条件が不安定な領域にある以上、振動はまた増加し始める。その場合、振動が大きくなるまでに圧延速度を変化させて(圧延速度を下げて)、振動を小さくすることにより、総合的に振動レベルを問題とならないレベルに抑えることができる。つまり、圧延速度を上げる又は下げるの一方だけでなく、圧延速度の増減を交互に行なうことにより、目標圧延速度を満足させ、生産性を低下させないようにすることが可能となる。
図2から明らかなように、最初、一定速度で圧延中に、急激に圧延機100の振動が増大した場合、圧延速度を下げることにより振動が一旦収まっている様子が確認できる。しかし、その後、振動が大きくなりだしている。圧延速度を下げても振動が収まらなかったことから、途中から圧延速度を上げ、手動で圧延速度の目標値を増減させながら運転を行なった。この圧延速度を上げるという操作により、圧延機100の振動が小さく抑えられることが確認された。
なお、圧延速度の増減量は、圧延機の仕様及び圧延後の板厚精度(仕上板厚の製品仕様)に収まる範囲とすることが好ましく、目標速度の約5%の大きさはそれを満たすものとなっている。
さらには、自励振動であるチャタリングを一旦減少させるためには、条件の変化が急峻であるほど効果的である。緩やかな変化では、圧延機100の振動状態が圧延条件の変化に追従し、振動があまり小さくならないことが確認されている。そのため、圧延速度の変化をステップ状に与えることは好ましい。
図4には、本発明の実施形態の変形例が示されている。本変形例では、圧延機100の異常振動を振動センサ9により計測し、その振動情報を変動速度生成装置10に与える構成となっている。そうすることで、振動センサ9で計測したチャタリングが問題となるレベルに達した時又は達する直前に、圧延速度を増減させることができる。この方法により、板厚精度に少なからず影響を与える圧延速度変動の回数を少なくすることができる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
2 ワークロール
3 バックアップロール
4 デフレクタロール
6 巻回リール
8 速度制御装置
9 振動センサ
10 変動速度生成装置
100 圧延機
Claims (4)
- 圧延材を通板中の圧延機で発生する異常振動を抑えるべく、前記圧延材の圧延速度を、圧延速度目標値を基にして繰り返し増減させることを特徴とする圧延機での振動防止方法。
- 前記圧延速度を増減するに際しては、圧延速度の増減をステップ状に与え、その増減量を、圧延機の仕様及び圧延材の板厚精度に収まる範囲で与えることを特徴とする請求項1に記載の圧延機での振動防止方法。
- 前記圧延速度の増減周期を、前記圧延機に発生する異常振動自体の周期よりは長く、前記異常振動の振幅が許容値を超える周期よりは短くすることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延機での振動防止方法。
- 前記圧延機の異常振動が検出された時点で、前記圧延速度の増速又は減速を行なうことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延機での振動防止方法。
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JP2019077543A (ja) * | 2017-10-25 | 2019-05-23 | 株式会社ヒラノテクシード | ロールの回転装置 |
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