JPH10127740A - 滅菌装置 - Google Patents

滅菌装置

Info

Publication number
JPH10127740A
JPH10127740A JP8303908A JP30390896A JPH10127740A JP H10127740 A JPH10127740 A JP H10127740A JP 8303908 A JP8303908 A JP 8303908A JP 30390896 A JP30390896 A JP 30390896A JP H10127740 A JPH10127740 A JP H10127740A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sterilization tank
steam
warm
sterilization
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8303908A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3414167B2 (ja
Inventor
Takehiko Maki
岳彦 牧
Tetsuji Namoto
哲二 名本
Katsutoshi Matsunaga
勝利 松永
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
MIURA KENKYUSHO KK
Miura Co Ltd
Original Assignee
MIURA KENKYUSHO KK
Miura Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by MIURA KENKYUSHO KK, Miura Co Ltd filed Critical MIURA KENKYUSHO KK
Priority to JP30390896A priority Critical patent/JP3414167B2/ja
Publication of JPH10127740A publication Critical patent/JPH10127740A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3414167B2 publication Critical patent/JP3414167B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 滅菌槽の予熱、洗浄工程の時間を短縮するこ
と及び必要に応じて滅菌完了を早めること。 【解決手段】 滅菌槽1と、滅菌槽1を加熱する滅菌槽
加熱手段2と、滅菌槽1内の被滅菌物を滅菌する通常運
転を実行する制御手段とを備えた滅菌装置において、制
御手段は、滅菌槽1の温度低下を判定する判定手段と、
この判定手段が温度低下を判定した時に、滅菌槽加熱手
段2に蒸気を供給すると同時に、滅菌槽1内に蒸気を導
入、滅菌槽1内の蒸気を排出する暖気運転を通常運転の
前に実行する暖気運転実行手段とを備えたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、医療用品等を殺
菌する滅菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の蒸気滅菌装置は、滅菌槽を加熱す
るための滅菌槽加熱手段として、滅菌槽の外周に、これ
を取り囲むように蒸気ジャケットを設けている。そし
て、電源スイッチをONすると、蒸気ジャケットに蒸気
を送り込むことで滅菌槽の予熱を行う。その後、通常運
転、即ち、滅菌槽内に被滅菌物を入れて、扉を閉じた状
態でスタートスイッチをONすると前処理工程、滅菌槽
内に蒸気を供給して被滅菌物を滅菌する滅菌工程が順次
実行される。前処理工程とは、滅菌槽、及び滅菌槽内に
収容した被滅菌物を所定の温度に昇温すると共に滅菌槽
内の空気を排除する工程であり、滅菌工程の前に実施さ
れる。又、前処理工程は、蒸気ジャケットによる加熱と
滅菌槽内の真空引により行うものが一般的であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】こうした滅菌装置にお
いては、滅菌槽の予熱はジャケットに蒸気を導入するだ
けで行うものや、ジャケットに蒸気を導入して滅菌槽を
予熱した後、更に滅菌槽内の洗浄の為に空運転(被滅菌
物を滅菌槽内に入れないで蒸気を導入する)を行うもの
であった。前者の方式では、滅菌槽加熱手段を熱容量の
大きいジャケットではなく、比較的熱容量の小さいもの
とした場合には、滅菌槽の予熱に長時間を要してしまう
と共に、滅菌槽内の洗浄を行えない。
【0004】又、後者の方式では、予熱と洗浄を別に行
う為に、2度手間となり、長時間を要してしまうという
課題があった。更に、短時間に滅菌作業を完了しなけれ
ばならない要求に答えることができないものであった。
本発明は、これらの課題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、滅菌槽と、滅
菌槽を加熱する滅菌槽加熱手段と、滅菌槽内の被滅菌物
を滅菌する通常運転を実行する制御手段とを備えた滅菌
装置において、前記制御手段は、前記滅菌槽の温度低下
を判定する判定手段と、この判定手段が温度低下を判定
した時に前記滅菌槽加熱手段に蒸気を供給すると同時
に、滅菌槽内に蒸気を導入、滅菌槽内の蒸気を排出する
暖気運転を前記通常運転の前に実行する暖気運転実行手
段とを備えたことを第一の特徴とする。
【0006】この特徴によれば、長時間の滅菌装置の運
転停止により、滅菌槽温度が低下したことが判定される
と、通常運転の前に暖気運転が実施される。これによ
り、滅菌槽加熱手段に蒸気が供給されると同時に滅菌槽
内に蒸気が導入されるので、蒸気の導入により滅菌槽の
予熱が効果的に行われると共に、滅菌槽内に蒸気が導
入、排出されることで滅菌槽内が洗浄される。
【0007】又、本発明は、滅菌槽と、滅菌槽を加熱す
る滅菌槽加熱手段と、電源の投入を制御する第1制御ス
イッチと、通常運転の開始を制御する第2制御スイッチ
と、前記第1制御スイッチ及び第2制御スイッチON時
に滅菌槽内の被滅菌物を滅菌する通常運転を実行する制
御手段とを備えた蒸気滅菌装置において、前記制御手段
は、前記第1制御スイッチON時に前記滅菌槽の温度低
下を判定する判定手段と、この判定手段が温度低下を判
定した時に滅菌槽内に蒸気を導入し、滅菌槽内の蒸気を
排出する暖気運転が必要であることを報知する暖気運転
要報知手段と、暖気運転選択手段と、この暖気運転選択
手段により暖気運転が選択された時に前記通常運転の前
に前記暖気運転を実行する暖気運転実行手段とを備えた
ことを第二の特徴とする。
【0008】この特徴によれば、第1制御スイッチが長
時間OFFの後、再度ONされた時、滅菌槽温度の低下
が判定され、暖気運転選択手段により暖気運転が選択さ
れると、通常運転の前に暖気運転が実施される。これに
より、滅菌槽加熱手段に蒸気が供給されると同時に滅菌
槽内に蒸気が導入されるので、蒸気の導入により滅菌槽
の予熱が効果的に行われると共に、滅菌槽内に蒸気が導
入、排出されることで滅菌槽内が洗浄される。又、オペ
レーターが暖気運転を必要としないと判断したときに
は、暖気運転は行うことなく、通常運転へ移行する。
【0009】又、本発明は、請求項1乃至2において、
判定手段が、第1制御スイッチのOFFからON迄の時
間が所定時間以上であるかどうかを判定して滅菌槽の温
度低下を判定することを第三の特徴とする。
【0010】この特徴によれば、滅菌槽の温度低下は、
第1制御スイッチのOFFからON迄の時間長さにより
判定される。
【0011】又、本発明は、請求項1乃至3において、
滅菌槽加熱手段が、滅菌槽1の周壁に設けた加熱用の管
状蒸気流路からなることを第四の特徴とする。
【0012】この特徴によれば、暖気運転時には管状蒸
気流路に蒸気が供給され、滅菌槽内に直接供給される蒸
気と管状蒸気流路とにより、滅菌槽が加熱され、効果的
に予熱が実行される。
【0013】又、本発明は、請求項1乃至4において、
制御手段が、暖気運転及び通常運転時における滅菌装置
の構成要素の駆動停止、開閉手順と異なる駆動停止、開
閉手順により前記構成要素が正常かどうかを判定する自
己診断を暖気運転時に実施することを第五の特徴とす
る。
【0014】この特徴によれば、暖気運転時には暖気運
転及び通常運転時における滅菌装置の構成要素の駆動、
開閉手順と異なる手順による比較的時間を要する自己診
断が実施されるの。これにより、自己診断により安全性
を確認した上で、通常運転に移行するので、安全性が向
上する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態は、滅菌槽と、
滅菌槽を加熱する滅菌槽加熱手段と、滅菌槽内の被滅菌
物を滅菌する通常運転を実行する制御手段とを備えた滅
菌装置において、前記制御手段は、前記滅菌槽の温度低
下を判定する判定手段と、この判定手段が温度低下を判
定した時に、前記滅菌槽加熱手段に蒸気を供給すると同
時に、滅菌槽内に蒸気を導入、滅菌槽内の蒸気を排出す
る暖気運転を前記通常運転の前に実行する暖気運転実行
手段とを備えたものである。以下に、これを詳述する。
【0016】滅菌装置は、滅菌槽の少なくとも一面に被
滅菌物を搬入、搬出する開口部を有し、この開口部を密
閉できる開閉自在の扉を有する。前記開口部の周辺又は
扉の前記開口部の周辺と対向する部分の一方にパッキン
溝を形成し、このパッキン溝内にパッキン部材を出没自
在とし、このパッキン部材を加圧空気で他方に押しつけ
るシール手段が採用される。そして、滅菌槽(扉を含
む)自体の加熱の為に滅菌槽加熱手段を有する。この滅
菌槽加熱手段としては、滅菌槽の外周周壁に設けた管状
蒸気流路とし、これに高温蒸気を供給するものとする。
しかしながら、本発明は、滅菌槽(内壁)の外周にこれ
と間隔を存して外壁をなす外槽を設けて滅菌槽と外槽と
で二重缶状の蒸気ジャケットを構成し、このジャケット
内に蒸気を供給するものにも適用できる。
【0017】通常運転(通常滅菌運転と称してもよい)
は、滅菌槽内に被滅菌物を入れ、この被滅菌物を滅菌す
るための運転である。この通常運転は、好ましくは前処
理工程とその後の滅菌工程、後処理工程を含み、これら
の工程は、マイクロコンピュータ等の制御手段により制
御される。前処理行程はその実行時に、る滅菌槽加熱手
段に蒸気を供給し、好ましくは、前処理工程実行時滅菌
槽内に加圧状態の蒸気を導入する。これにより、滅菌槽
の内外から、滅菌槽、及びこの滅菌槽に収容した被滅菌
物を加熱し被滅菌物を所定温度に昇温すると共に滅菌槽
内の空気の排出を行う。この蒸気導入、排出の方式は、
蒸気の導入と滅菌槽から蒸気の排出とを交互に行う方式
か、蒸気の導入と同時に滅菌槽から蒸気を排出する方式
が採用される。
【0018】滅菌工程は、蒸気滅菌装置においてはその
実行時に滅菌槽内に蒸気が導入されるが、ガス滅菌装置
においては滅菌ガスが導入される。この滅菌工程時も滅
菌槽加熱手段に蒸気が導入される。滅菌工程の後には、
通常後処理工程が実行される。後処理工程は、通常は滅
菌槽内の排気と被滅菌物の乾燥の工程を含む。
【0019】通常運転の前に実行される暖気運転は、滅
菌槽加熱手段に高温蒸気を供給すると同時に、滅菌槽内
に高温蒸気を導入、排出することで行われる。この暖気
運転における蒸気導入、排出は、滅菌槽の予熱と滅菌槽
内の洗浄の為に必要なものである。その方式は、通常運
転の前処理工程と同様に行えるが、滅菌槽内に所定圧ま
で蒸気を導入した後、蒸気を排出するようにして、滅菌
槽内に正圧のパルスを加えるのが、予熱と洗浄を効果的
に行う上で好ましい。この正圧パルスの印加は複数回行
うことが望ましい。又、蒸気の滅菌槽内への導入を、滅
菌槽の上部から、蒸気排出を滅菌槽の底部から行うこと
が好ましいが、これに限定されない。
【0020】本発明の実施形態においては、滅菌槽の温
度低下を判定する判定手段を備える。この判定手段は、
運転停止の時間、又は滅菌槽内の温度により判定され
る。前者の運転停止の時間で判定する場合は、第1制御
スイッチ(電源スイッチ)の直前のOFFからON迄の
時間が所定時間以上かどうかで判定する。所定時間以上
の時は滅菌槽の温度低下と判定する。本滅菌装置におい
ては、第1制御スイッチをONすると、滅菌槽加熱手段
に蒸気が供給され、これをOFFするとその蒸気供給が
停止され、滅菌槽温度は時間の経過とともに低下する。
このような滅菌装置における運転停止の時間は、第1制
御スイッチのOFFからON迄の時間で計算する。
【0021】後者の滅菌槽内の温度低下で判定する場合
は、例えば滅菌槽内の上部等適所に設けた温度検出器に
より検出される温度が、所定時間以上扉が閉じていると
いう条件下で所定値以下となると、判定手段により滅菌
槽の温度低下として判定する。判定手段による判定のタ
イミングは、好ましくは運転開始のために、第1制御ス
イッチをONした時とする。こうすることで、不要な暖
気運転を実行するのを防止できる。しかしながら、判定
のタイミングを第1制御スイッチのON時とするという
条件を外しても良く、それ以外のタイミング例えば、第
1制御スイッチをONする時刻が、略決まっている時に
は、第1制御スイッチのON時刻前の所定範囲内で、判
定手段による判定のタイミングを設定できる。
【0022】この判定手段が温度低下を判定した時に
は、暖気運転実行手段により滅菌槽内に蒸気を導入し、
滅菌槽内の蒸気を排出する暖気運転(予熱運転)が通常
運転の前に実行される。この暖気運転は、滅菌槽の温度
低下が判定されない時は、実行しない。温度低下が判定
された時は、暖気運転を自動的に行うようにするか、若
しくは、次に説明するように暖気運転の要否をオペレー
タが選択できるようにする。
【0022】即ち、後者の暖気運転の選択を行う為に、
滅菌槽の温度低下判定時に暖気運転が必要であることを
報知する暖気運転要報知手段と、暖気運転を省略して次
の前処理工程へ移行できるようにする暖気運転選択手段
を設ける。これは、どうしても滅菌完了を早めたいとい
う要求に答えることができるようするものである。こう
して暖気運転要報知手段と暖気運転選択手段を設けるこ
とにより、暖気運転を常に実行することがなくなり、通
常運転の前に所定の時間を使用することによる滅菌運転
終了の遅延が防止される。暖気運転要報知手段として
は、視覚的な報知による表示手段を用いるが、聴覚な報
知によるものであっても良い。暖気運転選択手段は、暖
気運転を省略するかどうかを選択する選択手段と暖気運
転を実行を指示する暖気運転指示手段とを含むものであ
り、両手段を別に設けても良いし、選択手段により暖気
運転を省略しない方を選択した時に自動的に暖気運転を
実行するような構成としても良い。
【0023】暖気運転の後では、扉を開いて被滅菌物を
滅菌槽内に搬入し、扉を閉じる。その後、第2制御スイ
ッチ(通常運転スタートスイッチ)をONすると、前処
理工程、滅菌工程、後処理工程が自動的に順次実行され
る。
【0024】暖気運転が実行される時には、暖気運転及
び通常運転時における滅菌装置の構成要素の駆動停止、
開閉手順と異なる駆動停止、開閉手順により前記構成要
素が正常かどうかの判定を行う自己診断(詳細自己診
断)を暖気運転時に実施することが望ましい。これは、
滅菌槽の温度低下が判断され、暖気運転が実行されるの
は、通常朝1番の1日で最初の滅菌作業時となることが
多い。この最初の滅菌作業時に、比較的時間を要する詳
細自己診断のための時間を使用するのは、ユーザーにと
っても許容され易く、且つ1日の最初に自己診断を行う
ことで安全性が確保される。このためこの自己診断は、
暖気運転の回数と無関係に1日に実施する回数を(例え
ば1回)に限定する。自己診断としては、詳細自己診断
の他に暖気運転及び通常運転における滅菌装置の開閉弁
等の構成要素に対して行う駆動停止、開閉制御手順以外
に余分な駆動停止、開閉手順を追加することなく行える
自己診断(簡易自己診断)があり、この簡易自己診断は
各通常運転毎に行われる。尚、圧力等の検出手段による
検出、検出結果による異常判定は、ここでいう余分な手
順に含まない。暖気運転時の自己診断を行うタイミング
は、好ましくは暖気運転の前とする。
【0025】
【実施例】以下、この発明の具体的実施例を図面を参照
しながら説明する。尚、図1は、同実施例の概略的な平
面形状、配管系統の構成を説明するための図面,図2
は、同実施例の空気系統の構成を説明する図面、図3
は、図1に示す実施例における要部を拡大して説明する
図面、図4〜7は同実施例の制御手順を示すフローチャ
ート図、図8は、同実施例における蒸気の導入と排出の
パターンの一例を説明する図面である。
【0026】図1において、滅菌槽1は、その周面の一
つに扉4を設けた被滅菌物の出入口用の開口部1Aを設
けている。この扉4を閉じ、かつ後述の開口部1A周辺
のシール手段によりシールすることで滅菌槽1内を完全
に密閉することができるように構成する。この扉4は、
図示する実施例においては、スライド式のもので、滅菌
槽1の両側に設けたガイド兼支持部材5によって案内さ
れ、図1の紙面に対して垂直方向に移動し開口部1Aを
開閉するように構成している。
【0027】滅菌槽1の外周壁には、滅菌槽加熱手段と
しての管状蒸気流路2を形成している。この蒸気流路2
は、図示する実施例では、管を屈曲させて蛇行する流路
を形成したものとする。蒸気流路2の一端は、蒸気発生
装置3から延びる給蒸用第1配管6に接続しており、他
端をドレン用第2配管7を介して後述の第3配管11に
接続している。この第2配管7にはその途中に第1スチ
ームトラップ8、第1逆止弁(符号省略)を接続してい
る。
【0028】前記蒸気流路2について、更に説明する
と、この蒸気流路2は、滅菌槽1の周壁のうち、扉4を
設けた面に隣り合う周壁について、その各表面(即ち、
4面)に沿わせ、且つ接触状態に配置している。蒸気流
路2を構成する管は図3に示すように溶接によって固定
することが望ましい。又、蒸気流路2は、扉4を設けた
面に隣り合う4つの周壁について設けてあるが、扉1を
設けた面に対向する側の周壁の表面にも設けても良い。
また、滅菌槽1の周壁の少なくとも一面に設けてあれば
よく、また、蒸気流路2は、周壁の各面において必ずし
も完全に均一に配置する必要はなく、加熱を充分行い得
る状態にあればよい。
【0029】滅菌槽1には、更に、蒸気発生装置3から
延び、滅菌槽1内に連通する第4配管10を接続してお
り、更に、滅菌槽1内に連通する第3配管11、給気用
第5配管12を接続している。第1配管6には、給蒸用
第1開閉弁13と第1蒸気圧調節弁14とを接続してお
り、第4配管10には、給蒸用第2開閉弁15と第2蒸
気圧調節弁16とを接続している。第5配管12の一端
には、空気フィルタ17を接続しており、この第5配管
12の途中には第2逆止弁(符号省略),給気用第3開
閉弁18を接続している。
【0030】滅菌槽1に接続した第3配管11は、途中
で真空排気用第6配管19、排気用第7配管20及びド
レン用第8配管21の3系統に分岐する。この第6配管
19には第4開閉弁22、、第3逆止弁(符号省略)、
凝縮用熱交換器30、真空ポンプ23及び第4逆止弁
(符号省略)を、第7配管20には排気用第5開閉弁2
4及び第5逆止弁(符号省略)を、第8配管21には第
6開閉弁25、第2スチームトラップ26、第6逆止弁
(符号省略)を挿入している。蒸気流路2の下流側に接
続した第2配管7と第3配管11との接続個所は、前記
第8配管21の後流(出口)側としている。尚、図1に
おける各逆止弁は、矢示の方向の流れを許容し逆の流れ
を阻止する。
【0031】更に、以上の構成の滅菌装置においては、
従来同様にその滅菌槽1の周壁外側を周知の断熱材27
によって覆ってあり、これによって放熱を防止し、熱的
なロスを防止し、保温性を高めている。
【0032】28は、滅菌装置の暖気運転及び通常運転
等を制御する制御装置で、詳細は後述する。SW1,S
W2,SW3は、それぞれ制御装置28に接続される電
源スイッチ(第1制御スイッチ)、スタートスイッチ
(第2制御スイッチ)、キャンセルスイッチ(第3制御
スイッチ)、HSは制御装置28から出力される表示制
御信号により種々の表示を行う表示器である。勿論、こ
の表示器HSの替わりに、音声を加えた、或いは音声の
みとした報知器を用いることができる。
【0033】次に、滅菌槽1の開口部1Aの周辺のエア
ーシールに関する構成を図2に従い説明する。滅菌槽1
には、開口部1Aを取り囲むようにその周辺に環状をな
す所定深さのパッキン溝31を形成し、このパッキン溝
31内に同様に環状をなすパッキン部材32を出没自在
に嵌め込んでいる。パッキン部材32の扉4と当接する
面と逆の面(反当接側面)と、パッキン溝31内周面と
で形成されるパッキン溝31の空間に連通するように加
圧気体供給用第9配管33を接続している。
【0034】この第9配管33には、その上流端に気体
(この実施例においては、空気)を加圧する加圧装置
(コンプレッサー)34を接続している。又、第9配管
33には、加圧装置34とパッキン溝31との間に位置
するように、上流側から、加圧気体タンク35,加圧空
気用第7開閉弁36,第7逆止弁37を接続している。
【0035】更に、第9配管33には、パッキン溝31
と第7逆止弁37との間に、パッキン溝31内排気用の
第10配管38の上流端を接続している。この第10配
管38は、途中に第8開閉弁39、第8逆止弁40を、
この順に接続してあり、下流端は真空ポンプ23に接続
している。この真空ポンプ23は、後述するように滅菌
槽1内を真空排気すると共にパッキン溝内の空気の排出
のために用いられるもので、前記第10配管38とは、
別系統の前述の第6配管19によって滅菌槽1内と接続
している。第6配管19には、その途中に第4開閉弁2
2を接続して、第4開閉弁22と第8開閉弁39との開
閉を切り換えることでパッキン溝31内の吸引と滅菌槽
1内の吸引とを切り替えるように構成している。
【0036】前記パッキン溝31には、第1圧力検出器
44を接続しており、前記加圧気体タンク35には、第
2圧力検出器45を接続している。前記第1圧力検出器
44はパッキン溝31内の圧力を監視するものであるか
ら、パッキン溝31、又はこれに連通する配管の何れか
に接続してあれば良く、この実施例ではパッキン溝31
に直接接続している。第1圧力検出器44は、第7開閉
弁36を開閉することでパッキン溝31内の圧力を所定
範囲内に保持し、第2圧力検出器45は、加圧装置34
をON,OFF制御することでタンク35内の圧力を所
定範囲内に保持するために設けている。
【0037】ここで、前記第1,第2圧力検出器44,
45は、この実施例においては、圧力スイッチを用いて
いる。この圧力スイッチは、圧力が上昇して第1設定値
に達するとON状態に切り替わり、圧力が低下して前記
設定値より低い第2設定値に達するとOFF状態に切り
替わるものとしている。尚、この第1,第2圧力検出器
44,45は圧力スイッチでなく、圧力センサを用い
て、制御装置28にて設定値かどうかを判定するように
構成できることは言うまでもない。この実施例におい
て、第1圧力検出器44の第1設定値は、滅菌槽の気密
保持をおこなうためにパッキン部材32を蓋4に確実に
押し付け得る加圧空気の供給圧力、或はそれより若干高
い圧力とする。
【0038】46は滅菌槽1内の圧力を検出する第3圧
力検出器で、この実施例では圧力スイッチではなく、圧
力センサとして構成される。この第3圧力検出器46
は、滅菌槽1内の圧力を監視すると共に、第1開閉弁1
3の制御のための圧力を検出するためのものである。4
7は滅菌槽1内上部の温度を監視する温度検出器であ
る。これらの加圧装置34,第7開閉弁36,第8開閉
弁39,真空ポンプ23,第1圧力検出器44,第2圧
力検出器45,第3圧力検出器46,温度検出器47
は、制御装置28に接続されている。この制御装置28
は、図4〜図7に示すような処理手順を記憶させた記憶
装置、この処理手順を実行する演算処理装置を含み、第
1圧力検出器44,第2圧力検出器45等からの検出信
号を入力し、加圧装置34,第7開閉弁36,第8開閉
弁39,真空ポンプ23等の制御信号を出力すると共に
表示器HSに対して警報信号等の各種表示信号を出力す
る。
【0039】以上のような構成の実施例の動作を主に図
4〜図7に従い説明する。尚、以下の説明において、各
開閉弁はその動作を明記してなければ基本的に閉じてい
るものとする。
【0040】図4のステップS1(以下SNはステップ
SNを意味する)において、電源スイッチSW1がON
かどうかを判定する。NOの場合はS1に留まる。YE
Sの場合は、S2へ移行し、電源スイッチSW1が前回
OFFしてから今回ONする迄の時間が、所定の設定時
間T0(例えば、3時間)以上かどうかを判定する。
【0041】YESの場合は、S4へ移行し、暖気(予
熱)運転が必要であることの表示、例えば「暖気運転
要」の表示を表示器HSにて行い、S5へ移行する。S
5では、キャンセルSW3が操作(ON)されたかどう
かを判定する。キャンセルスイッチSW3がONでない
場合は、S6へ移行し、スタートスイッチSW2がON
かどうかを判定する。キャンセルスイッチSW3はオペ
レータが暖気運転を省略して通常運転に移行する場合に
ONするスイッチである。今、キャンセルスイッチSW
3をONせずに、スタートスイッチSW2をONしたと
すると、S6でYESが判定され、S7へ移行する。S
7では、図5に示すような滅菌装置の詳細自己診断が実
施される。尚、自己診断は、滅菌槽1の扉4の閉鎖が条
件となるので、S6では滅菌槽1の扉4の閉鎖の確認も
行う。尚、S6におけるスタートスイッチSW2のON
操作は暖気運転実行の指示を意味する。
【0042】本実施例の滅菌装置が行う自己診断として
は、詳細自己診断と簡易自己診断とが存在する。詳細自
己診断は、暖気運転及び通常運転における滅菌装置の開
閉弁等の構成要素に対して行う駆動停止、開閉手順以外
に特別な制御を追加して行う自己診断である。この詳細
自己診断は、1日に実施される回数を1回とするもので
あり、例えば、暖気運転が2回行われても、1日で最初
の暖気運転時のみ実施する。この詳細自己診断の手順の
一例は、図5及び図6に示すようなものである。又、簡
易自己診断は、暖気運転及び通常運転における滅菌装置
の開閉弁等の構成要素に対して行う駆動停止、開閉手順
以外に特別な制御を追加することなく行える自己診断で
ある。この手順の一例は、図7に示すようなものであ
る。
【0043】図5において、詳細自己診断は、給蒸ライ
ンチェックS20、パッキンライン詳細チェックS30、槽
内気密リークチェックS40を順次行うものである。尚、
図8のパッキンラインチェックの工程において、S20,
S30の処理を行い、リークチェックの工程にて、S40の
処理を行う。
【0044】給蒸ラインチェックS20は、第2開閉弁1
5の異常チェック等を含み、次のようにして行われる。 (1) 先ず、電源スイッチSW1をONし、第2開閉弁
15及びその上流側の元蒸気弁(図示しない)を閉じた
状態で、第2開閉弁15の上流側に設けた元蒸気温度セ
ンサ(図示しない)の温度が所定値(例えば118度
C)以上かどうかを判定し、NOであれば元蒸気異常と
判定し、表示器HSに表示する。 (1) この(1) における判定がYESの場合、第2開閉
弁15及び前記元蒸気弁を開き、第3圧力検出器46に
よる滅菌槽1内の検出圧力が所定時間内に所定値迄上昇
するかどうかを判定する。 (3) この判定がNOの場合、前記元蒸気温度センサの
温度が前記所定値以上かどうかを判定し、YESの場合
は、第2開閉弁15異常の表示を行い、NOの場合は、
元蒸気異常の表示を行う。 (4) (2) の検出圧力上昇の判定で、YESとなると、
前記元蒸気温度センサの温度が前記所定値以上かどうか
を判定し、YESであれば全て正常として処理を終え、
NOの場合は、元蒸気温度センサの不良と判断し、表示
する。
【0045】次に、パッキンライン詳細チェックS30
は、圧力検出器44,45が不良かどうかの判定、開閉
弁36,39の固着、パッキン32の劣化、パッキン3
2の汚れの判定等を行うものである。パッキン32の劣
化及び汚れの判定は、例えば図6のような手順にて行わ
れる。これを以下に説明する。
【0046】加圧装置34を停止して初期の状態とし
(S51)、第7開閉弁36及び第8開閉弁39を開くこ
とにより(S52)、パッキン溝31、加圧気体タンク3
5を第10配管38を介して大気と連通させ、加圧空気
用タンク35内の圧力を大気と同一としておく。このと
き、真空ポンプ23は、停止状態では吸気口と排出口と
が大気と連通状態にあるものとする。次に、第7開閉弁
36を閉じ、加圧装置34を起動する(S53)ことによ
り、第2圧力検出器45の圧力検出信号に変化が有るか
どうかを検出する(S54)。
【0047】そして、第7開閉弁36を開くとともに第
8開閉弁39を短時間閉じ(S55)、第1圧力検出器4
4の圧力検出信号に変化を検出する(S56)。この実施
例では、各圧力検出器44,45における圧力が第1設
定値以上に上昇すればON状態の信号が出力され、それ
以下であればOFF状態の信号が出力される。次に、S
57の判断Aにおいて、第1,第2圧力検出器44,45
の出力信号が変化した場合には、加圧装置34,第7開
閉弁36,第1,第2圧力検出器44,45は正常と判
断し、パッキン部材32の異常を検出するステップS60
に移行する。
【0048】S57の判断Aにおいて、第1,第2圧力検
出器44,45の全ての出力信号が変化しない場合に
は、加圧装置34の不良,或は第7開閉弁36の不良と
判断し、表示器HSに警報信号を出力表示して待機状態
に入る(S58)。又、どれか1つの圧力検出器44,4
5の出力信号が変化した場合には、変化しない圧力検出
器の不良と判断し、警報信号を出力して待機状態に入る
(ステップS58)が、第1圧力検出器44の出力信号の
みが変化した場合には、第2圧力検出器45が不良と判
断し、滅菌装置の全作業終了後に警報信号を出力するよ
うに記憶し(S59)、S60に移行する。以上の処理手順
は、パッキン部材32の異常の検出に先立って、他の機
器が正常かどうかを判断するためのものである。
【0049】前述の処理により、加圧装置34,第7開
閉弁36,第1圧力検出器44,第2圧力検出器45等
の他の機器が正常であることを確認した後、加圧装置3
4を作動させ、第7開閉弁36を閉じる(S60)。この
状態では、第8開閉弁39は、前記S55で閉じた状態と
なっているため、パッキン溝31は空気加圧源及び排気
口(大気中)から遮断状態となる。
【0050】この後は、第1圧力検出器44によって、
パッキン溝31内の圧力の変化を監視し、この圧力が第
1設定値から第2設定値に達するまでの時間を計測する
(S61)。次のS62の判断Bにおいては、パッキン溝3
1内の圧力が予め設定した設定時間内に第2設定値に低
下した場合、パッキン部材32の異常と判断し、それ以
外の場合には、パッキン部材32に異常はないものと判
断し、S64に移行する。パッキン部材32の異常が検出
された場合には、その旨の警報信号を表示装置HSに出
力する(S63)。
【0051】ここで、前記S62の判断Bの基準となる所
要時間はT01,T02(0<T01<T02)の2つの値に設
定し、前記第2設定値まで変化する所要時間が、短い方
の所要時間T01よりも短ければ、パッキン部材32の劣
化が激しいものとして、「パッキン交換」等の警告を出
力し、長い方の所要時間T02より短く、短い方の所要時
間T01よりも長い場合には、パッキン部材32の汚れに
よるものと判断し、「掃除」等の警告を出力する。所要
時間T02以上の場合にはパッキン部材32は正常なもの
と判断する。
【0052】次のS64において、第7開閉弁36を開
き、第9配管33を通してタンク35とパッキン溝31
とを連通させる。これにより、加圧空気によりパッキン
部材32が押し出されて扉4に圧接し、滅菌槽1と蓋4
との間の気密封止を行なう。
【0053】ここで、詳細自己診断との対比のために、
S10の通常運転毎に行なう簡易自己診断について、図7
に従い説明する。この簡易自己診断の一例としては、第
7開閉弁36を開いてパッキン溝31に加圧空気を供給
する度に、又第8開閉弁39を開き、第7開閉弁36を
閉じてパッキン溝31の加圧空気を排出する度に、圧力
検出器44及び加圧装置34の異常をチェックするもの
である。
【0054】この簡易自己診断においては、圧力検出と
異常判定の処理手順は付加されるが、開閉弁の開閉、真
空ポンプ及び加圧装置の駆動、停止の操作は、自己診断
のために変更、追加されておらず、自己診断のために要
する時間は殆どかからない。即ち、S71にて開閉弁36
を開き、タンク35からパッキン溝31に加圧空気を供
給する。
【0055】次いで、S72にて、第1圧力検出器44が
OFFからONに変化したかどうかを判定する。NOの
場合は、S73へ移行し、第2圧力検出器45が、ONか
OFFかを判定し、ONの場合はS75にて第1圧力検出
器44不良を表示する。OFFの場合は、S74にて加圧
装置34の異常を表示する。S72にてYESが判定され
ると、圧力検出器44及び加圧装置34は正常と判断す
る。次に、S81にて第7開閉弁36を閉じ、第8開閉弁
39を開き、真空ポンプ23をONする。次いで、S82
にて、第1圧力検出器44がONからOFFに変化した
かどうかを判定する。NOの場合は、S83へ移行し、第
1圧力検出器44の異常を報知し、YESの場合は第1
圧力検出器44は正常と判定する。
【0056】次に、図 5の槽内気密リークチェックS30
は、滅菌槽1のリークチェックと第3圧力検出器47の
チェックを含む。
【0057】具体的には、滅菌槽1のリークチェックは
次のようにして行う。即ち、パッキン部材32と扉4と
密着状態を含め、滅菌槽1が気密に保たれているかどう
かを判断する。扉4を閉じ、第8開閉弁39を閉じ、第
4開閉弁22を開いた状態で一定時間真空ポンプ23を
運転し、滅菌槽1内部が所定の負圧状態に到達するかを
検出する。次いで、第4開閉弁22を閉じ、真空ポンプ
23を停止して滅菌槽1内の圧力の変化を第3圧力検出
器47にて検出することによって行なう。即ち、滅菌槽
1内が一定時間内に所定の負圧状態に達した場合、第4
開閉弁22を閉鎖し、真空ポンプ23停止後に圧力に変
化が無ければ、正常と判断する。この圧力に変化が有れ
ば、滅菌槽1に漏れが生じていることになり、パッキン
部材32と扉4との密着状態に異常が有るか、第4開閉
弁22やその他の開閉開閉弁に不具合が発生しているも
のと判断する。一方、密閉容器1内が一定時間内に所定
の負圧状態に達しなかった場合、第4開閉弁22を閉鎖
し、真空ポンプ23停止後に圧力に変化が所定の値以下
であれば、真空ポンプ23の能力低下などの異常と判断
し、圧力変化が所定値以上であれば、上述同様にパッキ
ン部材32と扉4との密着状態に異常が有るか、第4開
閉弁22やその他の弁に不具合が発生しているものと判
断する。
【0058】又、第3圧力検出器47のチェックは、次
のようにして行う。滅菌槽1内のリークチェック時、検
出圧力の変動が所定値(例えば、0.2Kg/cm2 )以上ある
かどうかを判定し、YESの場合正常、NOの場合異常
と判定する。
【0059】図4において、自己診断を終えると、S8
へ移行して、暖気運転が行われる。この暖気運転は次の
ようにして行われる。前記蒸気発生装置3からの蒸気を
第1配管6を介して前記蒸気流路2内に供給するととも
に、第4配管10を介して滅菌槽1内に供給する。滅菌
槽1内への給蒸は、図8に示すように、第2開閉弁15
を開いて滅菌槽1内へ蒸気を導入し、所定の圧力(約2
乃至3気圧)まで蒸気を供給した後第5開閉弁24を開
き蒸気を滅菌槽1外へ排出する。こうした正圧パルス状
の蒸気圧力制御により、滅菌槽1の予熱と槽1内の洗浄
が行われる。次いで、第5開閉弁24を閉じ、第2開閉
弁15を開いて滅菌槽1内へ蒸気を所定圧迄再度導入
し、この所定圧を一定時間保持する。この所定圧の保持
は、第2開閉弁15のON,OFF制御により達成され
る。これにより、滅菌槽1の予熱が一層効果的となる。
尚、暖気運転は、通常運転の1時間に対して約20分間
底の割合で実施される。又、滅菌槽1内への蒸気の導
入、排出は、種々の方式を取り得る。
【0060】このように滅菌槽1、並びに蒸気流路2に
蒸気を供給することにより、滅菌槽1は、周壁の内外側
から加熱されるとともに、前記扉4は、内面側から加熱
される。そして滅菌槽1及び扉4の温度が上昇した状態
で、第2開閉15を閉じ、滅菌槽1への給蒸を停止した
後、真空ポンプ23を起動させるとともに第4開閉弁2
2を開く。これにより、滅菌槽1内の蒸気を排出ライン
11から排出し、第3開閉弁18を開いて第5配管12
より空気フィルタ17を介して滅菌槽1内に空気を導入
する。その結果、滅菌槽1内の蒸気排出と槽1内の真空
乾燥が行われる。この際、第1開閉弁13はそのままの
状態とし、蒸気流路2への蒸気の導入を継続することに
より、滅菌槽1は前記の設定温度で保温される。
【0061】こうした暖気運転の実施により、次のよう
な作用効果を発揮する。滅菌槽1の予熱と滅菌槽1内の
洗浄が同時に行われ、結果として通常運転を早く終了で
きる。槽内の洗浄について説明するに、長時間電源スイ
ッチSW1がOFF状態とされ、滅菌装置が使用されず
におかれた場合に生じる滅菌槽1内の汚染が、滅菌槽1
内への蒸気導入と、滅菌槽1からの蒸気排出により除去
され、槽内をクリーンな状態にすることができる。
【0062】この暖気運転が終了すると、S9へ移行す
る。尚、S9の前にオペレータは扉4を開いて、被滅菌
物を滅菌槽1内へ搬入し、再び扉4を閉める。S8で
は、扉4が閉鎖という条件下で、スタートスイッチSW
2がONかどうかを判定する。NOの場合は、S9に留
まり、YESの場合は、S10へ移行し、通常運転が実施
される。
【0063】通常運転は、図8に示すように、前処理工
程、滅菌工程、後処理工程の順で行う。先ず、前処理行
程においては、第2開閉弁15を開いて第4配管10か
ら滅菌槽1内に蒸気の導入を行う。この状態では、前記
蒸気流路2内には蒸気が導入されているため、前記滅菌
槽1の内側壁からの輻射熱によっても、滅菌槽1内の被
滅菌物が予熱される。この前処理行程の際、初期の段階
では、図8に示すように、第5開閉弁24を一定の時
間、開いておいてもよい。即ち、蒸気を滅菌槽1内に導
入し、そのまま排出する(所謂パージ操作)ことによ
り、比重の大きい空気は、比重の小さい蒸気によって上
方から下方に押し込まれるようにして、排出ライン11
に向かい、排気ライン20を経て排出される。
【0064】前記空気と蒸気の比重差を効果的に利用す
るには、蒸気を滅菌槽1の上方から導入し、滅菌槽の下
方から排出する構成とするのが望ましい。更に、蒸気の
導入に際して、ディフューザ等の拡散手段を用いて、滅
菌槽1全体に蒸気を分散してまんべんなく供給すること
により、空気を均一に押し出し、所要時間の短縮を図る
ことができる。
【0065】以上のパージ操作を一定時間行なった後、
第5開閉弁24を閉じると、滅菌槽1内の圧力は、導入
される蒸気により、時間の経過とともに図8に示すよう
に上昇する。この蒸気の供給は、滅菌槽1内が所定の圧
力(2乃至3気圧)となるまで継続して行い、この圧力
に到達した時点で、第2開閉弁15を閉じ、第5開閉弁
24を開放し、蒸気を排出する。この排出の際には、滅
菌槽1に残留する空気が再び蒸気によって押し出される
ようにして排除される。そして、滅菌槽1内部の蒸気が
略排出され、滅菌槽1内の圧力が略大気圧となった時点
で、第5開閉弁24を閉じ、前述と同様の手順で蒸気の
導入,並びに排出を行う。この蒸気の導入と排出の繰返
しにより、滅菌槽1内、更に被滅菌物内に取込まれてい
る空気の排除を行う。この蒸気の排気,並びに蒸気導入
を交互に数回繰り返し行うことで、被滅菌物中に含まれ
る空気まで十分に排出し、後の滅菌行程における蒸気の
加熱むら等を軽減する。
【0066】このように蒸気の導入,及び排出は、第2
開閉弁15,並びに第5開閉弁24の開閉操作のみによ
って行なうことができるため、従来のように空気を排出
するための真空吸引手段を必ずしも必要としない。尚、
真空ポンプ23を使用する場合には、滅菌槽1からの排
気の際に、滅菌槽1内が大気圧となる前に、第4開閉弁
22を開放し、真空ポンプ23を作動させることによ
り、この排出の時間を短縮することができる。
【0067】次の滅菌行程においては、第5開閉弁24
を閉じ、第2開閉弁15を開くことにより、第4配管1
0を通して、滅菌槽1内に高温高圧の蒸気を充満させ
る。この後、滅菌槽1内が設定滅菌温度(圧力)になっ
た時点で滅菌行程に入る。
【0068】所定の滅菌時間後、第2開閉弁15を閉じ
て滅菌槽1内への給蒸を停止し、排気弁24を開いて第
7配管20より滅菌槽1内の蒸気を排出する。そして、
滅菌槽1内の圧力を大気圧近くまで下げた後、被滅菌物
の乾燥を行う後処理行程に入る。
【0069】後処理工程について、第4開閉弁22を開
いて真空ポンプ23を駆動することにより、第5配管1
9を通して滅菌槽1内を減圧し、被滅菌物の湿気を排除
する(真空乾燥)。次いで第3開閉弁18を開き、空気
フィルタ17を通して清浄な空気を滅菌槽1内に導入す
る。
【0070】後処理行程終了後は、第3開閉弁18を開
いて滅菌槽1を空気フィルタ17を介して外部と通じさ
せ、大気圧と同圧にする。以後、蒸気流路2への給蒸
は、継続して行って滅菌槽1を所定の温度に保温するこ
とによって、再度の滅菌作業時に滅菌槽の予熱時間を省
略することができる。この後、滅菌槽1の扉を開いて被
滅菌物を取り出し、通常運転を終了する。
【0071】図4のS5において、キャンセルスイッチ
SW3のONが判定されると、S11へ移行し、スタート
スイッチSW2がONかどうかを判定する。スタートス
イッチSW3のONが判定されると、S12へ移行し、S
7と同じ自己診断を実施した後、暖気運転をすることな
く、前述のS10の通常運転へ移行してこれを実施す
る。このように暖気運転の省略により、通常運転の完了
を早めることができ、急ぎの滅菌作業を必要とする時有
効となる。
【0072】前記S3において、電源スイッチSW1の
OFFからON迄の時間が設定時間以内の時は、S3へ
移行して、加熱管給蒸の処理へ移行する。ここでは、蒸
気発生装置3から、第1配管6を通して蒸気流路2に給
蒸(蒸気を供給)し、滅菌槽1の槽璧を加熱する。次い
で、S9を経てS10へ移行して通常運転を実施する。
【0073】以上の説明においては、滅菌槽1内への蒸
気の導入は、所定の圧力に到達した時点で終了後、排気
に移っているが、図8に二点鎖線で示すように、蒸気を
所定圧力まで導入した後、この圧力を一定時間保持する
ように供給してもよい。又、図4において、加熱管給蒸
処理ステップS3を省略し、その代わりにS1とS2と
の間に加熱管給蒸ステップを設けても良く、加熱管給蒸
の処理をS5とS11との間に設けても良い。
【0074】
【発明の効果】上記の如く構成される請求項1の発明に
よれば、滅菌槽の温度低下が判定された時通常運転の前
に暖気運転が実施されるので、滅菌槽1の予熱が効果的
に短時間で行えると共に、滅菌槽内の洗浄が同時に行
え、結果として通常運転の終了を早めることができる。
滅菌槽の温度低下が判定されない時には、暖気運転は行
われないので、不必要な暖気運転を防止できる。
【0075】又、請求項2の発明によれば、オペレータ
ーが暖気運転を必要としないと判断したときには、暖気
運転を行わず、通常運転へ移行でき、滅菌完了迄の時間
を短縮できる。
【0076】又、請求項3の発明によれば、滅菌槽の温
度低下を、運転スイッチのOFFからON迄の時間長さ
により判定でき、滅菌槽の温度低下検出のための素子を
別個に設ける必要がない。
【0077】又、請求項4の発明によれば、滅菌槽加熱
手段を管状蒸気流路としており、比較的熱容量が小さく
なっても、滅菌槽内へ蒸気を直接導入するようにしてい
るので、滅菌槽の予熱を効果的に行えると共に、滅菌槽
の構成を軽量、小型化できる。
【0078】又、請求項5の発明によれば、暖気運転及
び通常運転時における滅菌装置の構成要素の駆動、開閉
手順と異なる手順により前記構成要素が正常かどうかの
判定を行う自己診断を暖気運転時に実施するものである
から、自己診断により安全性を確認した上で、通常運転
に移行するので、安全性の高い滅菌装置の運転を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る滅菌装置の一実施例の概略的な
平面形状、配管系統を説明するための図面である。
【図2】この発明に係る滅菌装置の一実施例の概略的な
空気系統の構成を説明するための断面図である。
【図3】図1に示す実施例における要部を拡大して説明
するための図面である。
【図4】この発明に係る滅菌装置における処理手順を説
明するためのフローチャート図である。
【図5】図4の要部の詳細を示すフローチャート図であ
る。
【図6】図5の要部の詳細を示すフローチャート図であ
る。
【図7】同実施例の他の処理手順を示すフローチャート
図である。
【図8】この発明に係る滅菌装置における蒸気の導入と
排出のパターンの一例を説明するための図面である。
【符号の説明】
1 滅菌槽 1A 開口部 2 蒸気流路 3 蒸気発生装置 4 扉 28 制御装置 31 パッキン溝 32 パッキン部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松永 勝利 愛媛県松山市堀江町7番地 三浦工業株式 会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 滅菌槽と、滅菌槽を加熱する滅菌槽加熱
    手段と、滅菌槽内の被滅菌物を滅菌する通常運転を実行
    する制御手段とを備えた滅菌装置において、前記制御手
    段は、前記滅菌槽の温度低下を判定する判定手段と、こ
    の判定手段が温度低下を判定した時に、前記滅菌槽加熱
    手段に蒸気を供給すると同時に、滅菌槽内に蒸気を導
    入、滅菌槽内の蒸気を排出する暖気運転を前記通常運転
    の前に実行する暖気運転実行手段とを備えたことを特徴
    とする滅菌装置。
  2. 【請求項2】 滅菌槽と、滅菌槽を加熱する滅菌槽加熱
    手段と、電源の投入を制御する第1制御スイッチと、通
    常運転の開始を制御する第2制御スイッチと、前記第1
    制御スイッチ及び第2制御スイッチON時に滅菌槽内の
    被滅菌物を滅菌する通常運転を実行する制御手段とを備
    えた蒸気滅菌装置において、前記制御手段は、前記第1
    制御スイッチON時に前記滅菌槽の温度低下を判定する
    判定手段と、この判定手段が温度低下を判定した時に滅
    菌槽内に蒸気を導入し、滅菌槽内の蒸気を排出する暖気
    運転が必要であることを報知する暖気運転要報知手段
    と、暖気運転選択手段と、この暖気運転選択手段により
    暖気運転が選択された時に前記通常運転の前に前記暖気
    運転を実行する暖気運転実行手段とを備えたことを特徴
    とする滅菌装置。
  3. 【請求項3】 判定手段が、第1制御スイッチのOFF
    からON迄の時間が所定時間以上であるかどうかを判定
    して滅菌槽の温度低下を判定することを特徴とする請求
    項1乃至2に記載の滅菌装置。
  4. 【請求項4】 滅菌槽加熱手段が、滅菌槽1の周壁に設
    けた加熱用の管状蒸気流路2からなることを特徴とする
    請求項1乃至3に記載の滅菌装置。
  5. 【請求項5】 制御手段が、暖気運転及び通常運転時に
    おける滅菌装置の構成要素の駆動停止、開閉手順と異な
    る駆動停止、開閉手順により前記構成要素が正常かどう
    かの判定を行う自己診断を暖気運転時に実施することを
    特徴とする請求項1乃至4に記載の滅菌装置。
JP30390896A 1996-10-29 1996-10-29 滅菌装置 Expired - Fee Related JP3414167B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30390896A JP3414167B2 (ja) 1996-10-29 1996-10-29 滅菌装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30390896A JP3414167B2 (ja) 1996-10-29 1996-10-29 滅菌装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10127740A true JPH10127740A (ja) 1998-05-19
JP3414167B2 JP3414167B2 (ja) 2003-06-09

Family

ID=17926722

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30390896A Expired - Fee Related JP3414167B2 (ja) 1996-10-29 1996-10-29 滅菌装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3414167B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002119579A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Miura Co Ltd 蒸気滅菌装置における滅菌判定方法
JP2010005231A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Sanyo Electric Co Ltd 高圧蒸気滅菌器
JP2010227485A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Miura Co Ltd 蒸気滅菌器およびその空気排除方法
KR101036110B1 (ko) 2009-05-20 2011-05-20 (주)수정테크원 분수형 압력수탱크의 살균 방법
JP2011245220A (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 Miura Co Ltd 蒸気滅菌装置およびその運転制御方法
WO2014163049A1 (ja) * 2013-04-04 2014-10-09 株式会社湯山製作所 滅菌装置および滅菌方法
JP2015083037A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 株式会社ウドノ医機 滅菌装置

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002119579A (ja) * 2000-10-17 2002-04-23 Miura Co Ltd 蒸気滅菌装置における滅菌判定方法
JP2010005231A (ja) * 2008-06-30 2010-01-14 Sanyo Electric Co Ltd 高圧蒸気滅菌器
JP2010227485A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Miura Co Ltd 蒸気滅菌器およびその空気排除方法
KR101036110B1 (ko) 2009-05-20 2011-05-20 (주)수정테크원 분수형 압력수탱크의 살균 방법
JP2011245220A (ja) * 2010-05-31 2011-12-08 Miura Co Ltd 蒸気滅菌装置およびその運転制御方法
WO2014163049A1 (ja) * 2013-04-04 2014-10-09 株式会社湯山製作所 滅菌装置および滅菌方法
JPWO2014163049A1 (ja) * 2013-04-04 2017-02-16 株式会社湯山製作所 滅菌装置および滅菌方法
JP2015083037A (ja) * 2013-10-25 2015-04-30 株式会社ウドノ医機 滅菌装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3414167B2 (ja) 2003-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5678268B2 (ja) 蒸気滅菌器および蒸気滅菌器の制御方法
US20140241942A1 (en) Intracavity Ultrasound Probe Disinfectant System
JPH10127740A (ja) 滅菌装置
JPH10127736A (ja) 滅菌装置
JP2020075042A (ja) 滅菌器
US4921675A (en) Biocidal gas sterilizer
JP3482878B2 (ja) 蒸気滅菌器の運転方法
JPH0670877A (ja) 内視鏡漏洩検知装置
JPH11206859A (ja) 蒸気滅菌装置の運転制御方法およびその装置
CN113613685A (zh) 用于灭菌装置的负载体积确定方法
JP5100506B2 (ja) 高圧蒸気滅菌器
JP4399097B2 (ja) 酸化エチレンガス滅菌装置
JP2002113074A (ja) 蒸気滅菌装置の運転制御方法
JP2005143998A (ja) 高圧蒸気滅菌器
JP4962677B2 (ja) 蒸気滅菌装置における滅菌判定方法
JPH10137325A (ja) 蒸気滅菌装置の連続運転方法を持った滅菌装置。
JP3959963B2 (ja) 殺菌方法
JPH10314114A (ja) 内視鏡洗滌消毒装置
JP3643723B2 (ja) 蒸気滅菌器
JP3663005B2 (ja) 蒸気滅菌器
JP3596248B2 (ja) 蒸気滅菌装置の運転制御方法およびその装置
KR960011877B1 (ko) 전자동 고압멸균 소독기의 멸균 제어방법
JP2001321422A (ja) 滅菌システム
JP2000225179A (ja) 滅菌装置の運転制御方法
KR20190034152A (ko) 에어리크 감지장치 및 이를 구비한 증기멸균장치

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090404

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100404

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees