JPH10122412A - リニアソレノイド - Google Patents

リニアソレノイド

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Publication number
JPH10122412A
JPH10122412A JP27939296A JP27939296A JPH10122412A JP H10122412 A JPH10122412 A JP H10122412A JP 27939296 A JP27939296 A JP 27939296A JP 27939296 A JP27939296 A JP 27939296A JP H10122412 A JPH10122412 A JP H10122412A
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JP
Japan
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iron core
core
movable
movable iron
coil
Prior art date
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Application number
JP27939296A
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English (en)
Inventor
Kenichi Kanatsu
謙一 金津
Motoyoshi Ando
元良 安藤
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラットな吸引力特性を維持しながら、吸引
力を大きくする。 【解決手段】 固定鉄心13の可動鉄心16側の端面に
円形の凹部23を同心状に形成し、その外周部全周に同
一幅で環状吸引面24を形成する。可動鉄心16のうち
の固定鉄心13側の部分に、凹部23に出入り可能なテ
ーパ吸引面25を形成し、この可動鉄心16の外周部全
周に、環状吸引面24に対向する段差面26を形成す
る。更に、可動鉄心16の固定鉄心13側の端面には、
非磁性スペーサ27を固着し、環状吸引面24と段差面
26との間のギャップを非磁性スペーサ27と凹部23
の底面との間のギャップよりも大きく設定し、最大吸引
時に可動鉄心16の段差面26が環状吸引面24に当接
することを防止する。コイル15への通電時には、環状
吸引面24とテーパ吸引面25との間、及び、環状吸引
面24と段差面26との間に磁束が通り、それらの間に
吸引力が働く。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可動鉄心と固定鉄
心との吸引面の形状を改良したリニアソレノイドに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的なソレノイドは、図6に示
す従来品(1)のように、固定鉄心61の軸方向端面に
可動鉄心62を対向させ、可動鉄心61の端面全体をフ
ラット(平坦)な吸引面として可動鉄心62を吸引する
ようになっている。この構成では、可動鉄心62に作用
する吸引力Fは、固定鉄心61と可動鉄心62との間の
ギャップに反比例するため、図5に−線で示すよう
に、ギャップが小さくなるに従って吸引力Fが急激に大
きくなる。このような特性のソレノイドは、コイルへの
通電制御により可動鉄心62の位置を微調整するには不
向きであり、可動鉄心62の位置を吸着位置(コイル通
電時の位置)と非吸着位置(コイル非通電時の位置)と
の2つの位置に単純に制御する場合に用いられることが
多い。
【0003】一方、例えばスプール弁型油圧制御弁の駆
動源としてリニアソレノイドを用いる場合には、スプー
ル(弁体)の位置をリニアソレノイドの通電制御により
微調整する必要があり、そのためには、図5に−線
又は−線で示すように、両鉄心間のギャップと軸方
向の吸引力Fとの関係をフラットにすることが好まし
い。
【0004】このようなフラットな吸引力特性を実現す
るため、図7に示す従来品(2)のように、固定鉄心6
3の可動鉄心64側の端面に円形の凹部65を同心状に
形成して、その外周部に環状吸引面66を形成し、可動
鉄心64のうちの固定鉄心63側の部分に、前記凹部6
5に出入り可能なテーパ吸引面66を形成したものがあ
る。このものでは、固定鉄心63の外周部に装着したコ
イル(図示せず)によって発生した磁束が主として環状
吸引面66とテーパ吸引面66との間を通過して、両者
間に吸引力Bが働き、その軸方向の分力B’が可動鉄心
64を軸方向に駆動する吸引力F(=B’)となる。こ
の場合、可動鉄心64が固定鉄心63側に吸引されるに
従って、環状吸引面66とテーパ吸引面66との間のギ
ャップが小さくなり、両者間に働く吸引力Bが大きくな
るが、それに伴って吸引力Bの傾斜角度θが大きくなる
ため、その吸引力Bの軸方向の分力B’(=F)が一定
に保たれ、図5に−線で示すようなフラットな吸引
力特性が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、制御の信頼
性を高めるには、吸引力Fを大きくすることが有効であ
る。吸引力Fを大きくするために、コイルの巻数を多く
することが考えられるが、これではコイルの体格ひいて
はリニアソレノイドの体格が大きくなってしまい、小型
化の要求を満たすことができない。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たものであり、その目的は、フラットな吸引力特性を維
持しながら、コイルの巻数を多くすることなく、吸引力
を大きくできて、信頼性の高い制御を実現できるリニア
ソレノイドを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1のリニアソレノイドは、固定鉄心
の可動鉄心側の端面に同心状に凹部を形成して、その外
周部に環状吸引面を形成し、それに対応して、可動鉄心
のうちの固定鉄心側の部分に、前記凹部に出入り可能な
テーパ吸引面を形成すると共に、該可動鉄心の外周部
に、前記環状吸引面に対向する段差面をフラット吸引面
として形成し、これら環状吸引面と段差面との間に吸引
力を発生させるようにしたものである。
【0008】この構成では、固定鉄心の環状吸引面と可
動鉄心のテーパ吸引面との間、及び固定鉄心の環状吸引
面と可動鉄心の段差面(フラット吸引面)との間の双方
に吸引力が働く。これにより、コイルの巻数を多くする
ことなく、吸引力を大きくでき、信頼性の高い制御を実
現できると共に、リニアソレノイドの小型化も可能であ
る。この場合、可動鉄心が固定鉄心側に吸引されるに従
って、固定鉄心の環状吸引面と可動鉄心の段差面との間
のギャップが小さくなり、それに応じて環状吸引面と段
差面との間の吸引力が増加するが、環状吸引面を通る磁
束が飽和することで、環状吸引面から段差面とテーパ吸
引面に作用する吸引力の増加が適度に抑えられ、図5に
−線で示すようなフラットな吸引力特性が得られ
る。
【0009】ここで、可動鉄心の外周部に形成する段差
面(フラット吸引面)は、請求項2のように可動鉄心の
外周部全周に同一幅で形成することが好ましい。このよ
うにすれば、可動鉄心の外周部全周に均等に軸方向の吸
引力を作用させることができて、可動鉄心の軸方向への
摺動を円滑にすることができ、信頼性向上につながる。
但し、本発明は、この段差面を可動鉄心の外周部に間欠
的に形成しても良く、この場合でも、同一形状の段差面
を等ピッチで形成すれば、可動鉄心の外周部に作用させ
る吸引力を均等化できる。
【0010】また、本発明のリニアソレノイドを油圧制
御弁の駆動源として用いる場合には、請求項3のよう
に、コイルを樹脂でモールドすると共に、可動鉄心の外
周面を前記コイルのモールド樹脂の内周面に微小隙間を
介して対向させ、前記コイルのモールド樹脂の内周面に
軸方向に延びる油溝を形成すると良い。つまり、リニア
ソレノイドを油圧制御弁の駆動源として用いる場合に
は、リニアソレノイドの内部にも油が満たされるため、
コイルを樹脂でモールドすることで、コイルを保護する
と共に、可動鉄心の外周面をコイルのモールド樹脂の内
周面に微小隙間を介して対向させる構成とすることで、
可動鉄心の外径寸法を拡大できて、その外周部に形成す
る段差面(フラット吸引面)の面積を十分に確保するこ
とができ、吸引力増大につながる。
【0011】この場合、可動鉄心の外周面とコイルのモ
ールド樹脂の内周面との間に軸方向に延びる油溝を形成
すると、可動鉄心の摺動抵抗を低減できるが、従来構造
のものは、可動鉄心の外周面に油溝を切削加工で形成し
ていたため、加工工数が増加して加工性が悪いという欠
点があった。この点、上記請求項3では、コイルのモー
ルド樹脂の内周面に油溝を形成するので、コイルモール
ド成形工程で、同時に油溝を成形することができ、油溝
を切削加工する工程が不要になって、加工性を向上する
ことができる。
【0012】更に、請求項4のように、前記可動鉄心の
前記固定鉄心側の端面に、非磁性スペーサを固着し、前
記環状吸引面と前記段差面との間のギャップを前記非磁
性スペーサと前記凹部の底面との間のギャップよりも大
きく設定すると良い。このようにすれば、非磁性スペー
サが可動鉄心と固定鉄心との吸着を防ぐストッパーとし
て機能し、可動鉄心の全摺動ストロークにわたってフラ
ットな吸引力特性を実現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明をスプール弁型油圧
制御弁に適用した一実施形態を図1乃至図5に基づいて
説明する。まず、スプール弁型油圧制御弁の駆動源とな
るリニアソレノイド11全体の構成を図1に基づいて説
明する。リニアソレノイド11のハウジング12は、ヨ
ークを兼ねるように磁性材料により円筒形に形成され、
その内側には、円筒形の固定鉄心13が同心状に配置さ
れ、この固定鉄心13の左端部に一体に形成された鍔状
のフランジ部13aがハウジング12の左端部にかしめ
付けられている。この固定鉄心13の外周には、樹脂1
4で円筒状にモールド成形されたコイル15が嵌合装着
され、該固定鉄心13の長さは、コイル15の左半分以
上を嵌合する長さに形成されている。
【0014】そして、コイル15の内径空洞部の右側部
分には、円柱ブロック状の可動鉄心16が固定鉄心13
に対向して軸方向に摺動自在に収容され、この可動鉄心
16の外周面がコイル15のモールド樹脂14の内周面
に微小隙間を介して対向している。モールド樹脂14の
内周面には、軸方向に延びる複数本の油溝28(図3参
照)がモールド成形時に同時に形成され、リニアソレノ
イド11の内部に充填された油が可動鉄心16の摺動時
に各油溝28を自由に流動できるようになっている。
【0015】また、可動鉄心16の外周面のうちのモー
ルド樹脂14から右側に突出する部分の外周面は、ハウ
ジング12の右端部内周に一体に形成された厚肉円環状
のサイドギャップ形成部17の内周面に微小隙間を介し
て対向している。これにより、コイル15への通電時に
磁気回路がハウジング12→サイドギャップ形成部17
→可動鉄心16→固定鉄心13→フランジ部13a→ハ
ウジング12の経路で構成され、後述するように可動鉄
心16と固定鉄心13との間に磁気吸引力が発生する。
【0016】上記可動鉄心16の右端部は、板ばね18
の中心に固定され、この板ばね18の外周部がハウジン
グ12の右端縁とカバー19との間に挟み付けられた状
態でハウジング12の右端部にかしめ付けられている。
この可動鉄心16の左側面中心部に形成された穴部20
にシャフト21が圧入固定され、このシャフト21が固
定鉄心13の中空部に軸受部材22を介して軸方向(左
右方向)にスライド自在に挿通され、プランジャ21の
先端が固定鉄心13から左側に少量突出している。
【0017】次に、図2に基づいて、固定鉄心13と可
動鉄心16との吸引面の形状を説明する。固定鉄心13
の可動鉄心16側の端面に円形の凹部23が同心状に形
成され、この凹部23を取り囲む円環状凸部の端面に環
状吸引面24が形成されている。この環状吸引面24
は、固定鉄心13の端面外周部全周に同一幅で形成され
ている。
【0018】これに対応して、可動鉄心16のうちの固
定鉄心13側の部分に、凹部23に出入り可能なテーパ
吸引面25が該凹部23と同心状に形成されている。こ
の可動鉄心16の外周部には、テーパ吸引面25の最大
径の位置に段差面26(フラット吸引面に相当)が形成
され、この段差面26が環状吸引面24に対向してい
る。この段差面26は、可動鉄心16の外周部全周に同
一幅で形成されている。更に、可動鉄心16の固定鉄心
13側の端面には、真鍮等の非磁性材料で形成された非
磁性スペーサ27が固着されている。
【0019】この場合、環状吸引面24と段差面26と
の間のギャップが非磁性スペーサ27と凹部23の底面
との間のギャップよりも大きくなるように設定されてい
る。これにより、非磁性スペーサ27は、可動鉄心16
の左方向への移動を規制するストッパとして機能すると
共に、最大吸引時に可動鉄心16の段差面26やテーパ
吸引面25が環状吸引面24に当接することを防ぎ、可
動鉄心16が固定鉄心13に吸着保持されることを防止
する役割も果たす。
【0020】尚、コイル15のモールド樹脂14には、
コネクタハウジング29が一体成形され、このコネクタ
ハウジング29にインサート成形されたターミナル52
とコイル15とが電気的に接続されている。
【0021】以上のように構成されたリニアソレノイド
11の左端面には、スプール弁30が組み付けられてい
る。以下、このスプール弁30の構成を説明する。スプ
ール弁30は、アルミダイキャストにより円筒状に形成
されたスリーブ31内にスプール32を摺動可能に収納
して構成したものである。そして、スリーブ31の右端
部がハウジング12の左端部にかしめ付けられ、スプー
ル32の右端がリニアソレノイド11のシャフト21の
左端に当接している。スリーブ31には、右側から順番
にフィードバックポート33、入力ポート34、出力ポ
ート35、ドレンポート36、エア抜きポート37が形
成されている。
【0022】一方、スプール32には、第1乃至第3の
各大径部38,39,40が形成され、各大径部38,
39,40の外周面とスリーブ31の内周面との間に微
小の環状隙間(クリアランス)が形成されている。そし
て、第1の大径部38と第2の大径部39との間には、
フィードバックポート33に連通するフィードバック室
41が形成され、出力ポート35から流出する作動油の
出力圧Pout がフィードバック室41内にも導かれる。
このフィードバック室41内に導入された出力圧Pout
(フィードバック圧力)は、第1の大径部38と第2の
大径部39の双方の側面(受圧面)に作用するが、この
場合、第2の大径部39の受圧面積が第1の大径部38
の受圧面積よりも大きく形成されているため、フィード
バック圧力Pout によってスプール32が左方向(後述
するリターンスプリング51側)に付勢される。
【0023】また、第2の大径部39と第3の大径部4
0との間には、油圧源(図示せず)から入力ポート34
に供給される作動油を出力ポート35とドレンポート3
6とに分配するための分配室42が形成されている。そ
して、スプール32が軸方向に移動すると、油圧源から
供給される作動油が入力ポート34から出力ポート35
へ流れる環状隙間の長さ(ラップA)と、出力ポート3
5からドレンポート36へ流れる環状隙間の長さ(ラッ
プB)との比率が変化し、その結果、出力ポート35か
ら流出する作動油の出力圧Pout が変化する。
【0024】一方、スリーブ31の左端部には、リター
ンスプリング51を収納するスプリング収納室43が左
端面を開口するように形成され、このスプリング収納室
43の開口側の内周面に形成した雌ねじ44に調整ねじ
45を螺合することで、スプリング収納室43の左端面
開口が封止されている。この調整ねじ45とスプール3
2との間には、リターンスプリング51が装着され、こ
のリターンスプリング51の弾発力によってスプール3
2がリニアソレノイド11側(右側)に付勢され、それ
によって該スプール32の右端がシャフト21の左端に
当接した状態に保持されている。尚、調整ねじ45の右
側部とスプール32の左端部には、それぞれリターンス
プリング51の両端を嵌合保持するばね装着溝46と凸
部47が形成されている。
【0025】また、調整ねじ45の外側面には、プラス
ドライバ等の工具(図示せず)を嵌合する十字溝48が
形成され、この十字溝48に工具を嵌合して調整ねじ4
5の締め込み量を調整することで、リターンスプリング
51の圧縮量を調整して、スプール32に付与するリタ
ーンスプリング51のばね力を調整する。尚、ばね力の
調整後は、かしめ付け等の手段により調整ねじ45を回
り止め固定する。
【0026】更に、調整ねじ45の軸心部には、スプー
ル32の振動(油圧振動)を抑制するための制振オリフ
ィス49が形成されている。この場合、制振オリフィス
49の厚みを薄くするために、調整ねじ45の軸心部に
は、制振オリフィス49よりも径の大きい穴部50が制
振オリフィス49の左側に形成されている。このような
形状の調整ねじ45は、アルミニウム等の金属材料を鍛
造して形成され、該調整ねじ45を鍛造する工程で、該
調整ねじ45に、十字溝48、穴部50、制振オリフィ
ス49及びばね装着溝46が同時に鍛造により形成され
る。
【0027】前述したスプリング収納室43内には、オ
イルパン(図示せず)内に貯留された作動油が制振オリ
フィス49から流入し、スプリング収納室43全体が作
動油で満たされている。このスプリング収納室43内に
溜まったエアは、スプリング収納室43の外周壁に形成
されたエア抜きポート37からオイルパン側へ排出され
る。このエア抜きポート37は、微小な隙間を介してシ
ール壁(図示せず)に対向し、上記微小な隙間を通して
エアのみを排出し、スプリング収納室43からの作動油
の漏れを防ぐようになっている。これにより、スプリン
グ収納室43内には、制振オリフィス49による制振効
果を働かせるのに必要な作動油(非圧縮性流体)のみが
満たされ、制振効果を低下させるエア(圧縮性流体)が
排除されるようになっている。
【0028】以上のように構成されたスプール弁型油圧
制御弁は、リニアソレノイド11のコイル15に通電す
る電流値を制御することで、シャフト21でスプール3
2を左方向に押す電磁吸引力を調整し、この電磁吸引力
と、フィードバック室41内に導入された出力圧Pout
でスプール32を左方向に押す力と、リターンスプリン
グ51がスプール32を右方向に押すばね力との3つの
力が釣り合う位置まで、スプール32を軸方向に移動さ
せ、それによって、出力ポート35の出力圧Pout を調
整する。この結果、リニアソレノイド11のコイル15
に通電する電流値に比例した出力圧Pout が得られる。
【0029】この場合、リニアソレノイド11は、固定
鉄心13の端面の凹部23と環状吸引面24に対応し
て、可動鉄心16にテーパ吸引面25と段差面26が形
成されているので、コイル15への通電時には、環状吸
引面24とテーパ吸引面25との間、及び、環状吸引面
24と段差面26との間に磁束が通り、図4に示すよう
に、環状吸引面24とテーパ吸引面25との間に吸引力
Bが作用するだけでなく、環状吸引面24と段差面26
との間にも吸引力Cが作用するようになる。この結果、
可動鉄心16を軸方向に駆動する吸引力Fは、テーパ吸
引面25による吸引力Bの軸方向の分力B’(B’=B
・cos θ、但しθはBの傾斜角度)と段差面26による
吸引力Cとを合計した力(F=B’+C)となり、図7
に示す従来品(2)のように、段差面が無い構造のもの
と比較して、軸方向吸引力Fを段差面26による吸引力
Cによって増加させることができる。これにより、コイ
ル15の巻数を多くすることなく、軸方向吸引力Fを大
きくでき、信頼性の高い制御を実現できると共に、リニ
アソレノイド11の小型化も可能である。
【0030】吸引時には、可動鉄心16が固定鉄心13
側に吸引されるに従って、固定鉄心13の環状吸引面2
4と可動鉄心16の段差面26との間のギャップが小さ
くなり、それに応じて環状吸引面24と段差面26との
間の吸引力Cが増加するが、環状吸引面24を通る磁束
が飽和することで、環状吸引面24から段差面26とテ
ーパ吸引面25に作用する吸引力C,Bの増加が適度に
抑えられ、図5に−線で示すようなフラットな吸引
力特性が得られる。これにより、スプール弁30のスプ
ール32の位置をリニアソレノイド11の通電制御によ
り微調整することができ、高精度な油圧制御が可能とな
る。
【0031】更に、上記実施形態では、可動鉄心16の
外周部全周に段差面26を同一幅で形成したので、可動
鉄心16の外周部全周に均等に軸方向の吸引力Fを作用
させることができ、可動鉄心16に作用する吸引力Fが
偏荷重にならず、可動鉄心16の摺動抵抗を小さくでき
て、可動鉄心16の軸方向への摺動を円滑にすることが
でき、これも信頼性向上につながる。
【0032】但し、本発明は、可動鉄心16の外周部に
間欠的に段差面を形成しても良く、この場合でも、同一
形状の段差面を等ピッチで形成すれば、可動鉄心16の
外周部に作用させる吸引力を均等化でき、吸引力が偏荷
重になることを防ぐことができる。
【0033】また、上記実施形態では、可動鉄心16の
外周面をコイル15のモールド樹脂14の内周面に微小
隙間を介して対向させるようにしたので、可動鉄心16
の外径寸法を拡大できて、その外周部に形成する段差面
26の面積を十分に確保することができ、これも吸引力
増大につながる。
【0034】この場合、可動鉄心16の外周面とコイル
15のモールド樹脂14の内周面との間に軸方向に延び
る油溝28を形成し、油の流通性を良くすると、可動鉄
心16の摺動抵抗を低減できるが、従来構造のものは、
可動鉄心の外周面に油溝を切削加工で形成していたた
め、加工工数が増加して加工性が悪いという欠点があっ
た。
【0035】この点、上記実施形態では、コイル15の
モールド樹脂14の内周面に油溝28を形成するので、
コイル15のモールド成形工程で、同時に油溝28を成
形することができ、油溝28を切削加工する工程が不要
になって、加工性を向上することができる。
【0036】更に、上記実施形態では、可動鉄心16の
固定鉄心13側の端面に、非磁性スペーサ27を固着
し、環状吸引面24と段差面26との間のギャップを非
磁性スペーサ27と凹部23の底面との間のギャップよ
りも大きく設定しているので、最大吸引時に可動鉄心1
6の段差面26が環状吸引面24に当接することを非磁
性スペーサ27で防ぐことができて、可動鉄心16が固
定鉄心13に吸着保持されることを防止することができ
る。これにより、可動鉄心16の全摺動ストロークにわ
たってフラットな吸引力特性を実現することができ、こ
れも制御精度向上につながる。
【0037】尚、本発明のリニアソレノイドは、油圧制
御弁の駆動源として用いる場合に限定されず、軸方向位
置の微調整を必要とする種々の装置の駆動源として利用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すスプール弁型油圧制
御弁の縦断正面図
【図2】固定鉄心と可動鉄心との吸引部の構成を示す拡
大縦断正面図
【図3】図2のIII −III 線に沿って示す縦断側面図
【図4】吸引力の働き具合を説明する図
【図5】両鉄心間のギャップと軸方向吸引力Fとの関係
を示す特性図
【図6】従来品(1)の吸引力の働き具合を説明する図
【図7】従来品(2)の吸引力の働き具合を説明する図
【符号の説明】
11…リニアソレノイド、12…ハウジング、13…固
定鉄心、13a…フランジ部、14…モールド樹脂、1
5…コイル、16…可動鉄心、17…サイドギャップ形
成部、18…板ばね、21…シャフト、23…凹部、2
4…環状吸引面、25…テーパ吸引面、26…段差面、
27…非磁性スペーサ、28…油溝、29…コネクタハ
ウジング、30…スプール弁、31…スリーブ、32…
スプール、33…フィードバックポート、34…入力ポ
ート、35…出力ポート、36…ドレンポート、37…
エア抜きポート、38…第1の大径部、39…第2の大
径部、40…第3の大径部、41…フィードバック室、
42…分配室、43…スプリング収納室、44…雌ね
じ、45…調整ねじ、48…十字溝、49…制振オリフ
ィス、50…穴部、51…リターンスプリング。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを装着した固定鉄心の軸方向端面
    に可動鉄心を対向させて成るリニアソレノイドにおい
    て、 前記固定鉄心の前記可動鉄心側の端面に同心状に凹部を
    形成して、その外周部に環状吸引面を形成し、 前記可動鉄心のうちの前記固定鉄心側の部分に、前記凹
    部に出入り可能なテーパ吸引面を形成すると共に、該可
    動鉄心の外周部に、前記環状吸引面に対向する段差面を
    形成し、これら環状吸引面と段差面との間に吸引力を発
    生させることを特徴とするリニアソレノイド。
  2. 【請求項2】 前記段差面は、前記可動鉄心の外周部全
    周に同一幅で形成されていることを特徴とする請求項1
    に記載のリニアソレノイド。
  3. 【請求項3】 油圧制御弁の駆動源として用いられるリ
    ニアソレノイドであって、前記コイルを樹脂でモールド
    すると共に、前記可動鉄心の外周面を前記コイルのモー
    ルド樹脂の内周面に微小隙間を介して対向させ、前記コ
    イルのモールド樹脂の内周面に軸方向に延びる油溝を形
    成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のリニア
    ソレノイド。
  4. 【請求項4】 前記可動鉄心の前記固定鉄心側の端面
    に、非磁性スペーサを固着し、前記環状吸引面と前記段
    差面との間のギャップを前記非磁性スペーサと前記凹部
    の底面との間のギャップよりも大きく設定したことを特
    徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のリニアソレ
    ノイド。
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