JP2014167338A - 電磁弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】フラットな磁気吸引力特性が確実に得られるようにする。
【解決手段】非磁性材よりなる第1ロッド42と、磁性材よりなるとともに、プランジャ41がステータコア40側に向かって移動するのに伴ってガイド穴401に進入する第2ロッド45とを一体化する。そして、第2ロッド45を第1ロッド42よりも小径にして、第2ロッド45とガイド穴401の周壁面との接触を回避する。
【選択図】図1

Description

本発明は、弁体が弁座に接離することにより流路を開閉する電磁弁に関するものである。
従来、弁体が弁座に接離して流路を開閉する電磁弁として、磁気吸引力によりプランジャが駆動され、弁体を有するロッドがプランジャの移動に伴って往復動するように構成され、ロッドがステータコアのガイド孔内に挿入されて摺動自在に保持されるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、この電磁弁では、プランジャの移動位置に拘わらず磁気吸引力をなるべく一定(すなわち、フラットな磁気吸引力特性)にするために、プランジャの一端面に凸部を設け、ステータコアの一端面に凹部を設け、プランジャがステータコア側に移動するのに伴って凸部が凹部に進入するようになっている。
特開平10−122412号公報
しかしながら、プランジャはその径方向(すなわち、プランジャの移動方向に対して直交方向)に移動可能であるため、プランジャの凸部の外周面がステータコアの凹部の周壁面に接触する虞がある。そして、プランジャの凸部の外周面がステータコアの凹部の周壁面に接触した場合、磁気吸引力のプランジャ軸線方向成分が大幅に減少するため、フラットな磁気吸引力特性が得られなくなる。
本発明は上記点に鑑みて、フラットな磁気吸引力特性が確実に得られるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、通電時に磁界を形成するコイル(49)と、磁性材よりなり、一端側にプランジャ吸引面(410)が形成され、コイルへの通電により発生する磁気吸引力により駆動されるプランジャ(41)と、一端側がプランジャ吸引面に当接し、プランジャに追従作動する円柱状のロッド(42、45)と、ロッドとともに移動して主流路(430)を開閉する弁体(44)と、磁性材よりなり、プランジャ吸引面に対向するステータコア吸引面(400)およびロッドが摺動自在に挿入されるガイド穴(401)が形成されたステータコア(40)とを備え、ロッドは、非磁性材よりなり、ガイド穴に摺動自在に挿入される第1ロッド(42)と、磁性材よりなり、第1ロッドよりも小径で、第1ロッドにおけるプランジャ吸引面側の端部に配置されるとともに第1ロッドに対して同軸に配置されて第1ロッドと接合され、一端側がプランジャ吸引面に当接し、プランジャがステータコア側に向かって移動するのに伴ってガイド穴に進入する第2ロッド(45)とを備えることを特徴とする。
これによると、磁性材よりなる第2ロッドが、従来の電磁弁におけるプランジャの凸部と同様の機能を発揮する。そして、その第2ロッドは、第1ロッドよりも小径で第1ロッドに対して同軸に配置されるため、第2ロッドとステータコアの接触が確実に回避され、フラットな磁気吸引力特性を確実に得ることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の一実施形態に係る電磁弁がアクチュエータのハウジングに組み付けられた状態を示す断面図である。 図1の電磁弁の要部を拡大して示す断面図である。 一実施形態に係る電磁弁の第1変形例の要部を示す断面図である。 一実施形態に係る電磁弁の第2変形例の要部を示す断面図である。
本発明の一実施形態について説明する。
図1、図2に示すように、車両のマスタシリンダ(以下、M/Cという)2とホイールシリンダ(以下、W/Cという)1との間に、ブレーキ液圧を制御する液圧制御用アクチュエータ3が配設されている。液圧制御用アクチュエータ3は、アルミニウム合金製のハウジング3aを備え、このハウジング3aには、電磁弁4が挿入される段付円柱状の凹部3b、M/C2とW/C1との間でブレーキ液を流通させるための流路3cが形成されている。また、W/C1側の流路3cには、凹部3bとW/C1との間においてポンプ6の吐出口が接続されている。
電磁弁4は、磁性体金属にて形成された段付円筒状のステータコア40を備えている。このステータコア40は、一端側がハウジング3aの凹部3b内に挿入され、他端はハウジング3aの外に突出している。そして、凹部3bの開口端部をかしめることにより、ステータコア40がハウジング3aに液密に固定されている。
また、ステータコア40には、後述するプランジャ41のプランジャ吸引面410に対向するステータコア吸引面400が形成されている。このステータコア吸引面400は、プランジャ42の移動方向に対して垂直な平面になっている。
さらに、ステータコア40には、後述する第1ロッド42が摺動自在に挿入されるガイド穴401、後述するシート43が圧入されるシート挿入穴402、および、シート挿入穴402の一部である空間403をM/C2側の流路3cに連通させる連通穴404が形成されている。より詳細には、空間403は、シート挿入穴402のうち、ステータコア40、ロッド402およびシート43によって区画された空間である。
棒状の第1ロッド42は、非磁性体の樹脂よりなり、ガイド穴401に摺動自在に挿入されてガイド穴401の軸線方向に沿って往復動可能になっている。第1ロッド42は、シート43側の部分がガイド穴401から突き出て空間403に延びており、その先端に球面の主弁体44が一体に形成されている。第1ロッド42のうちガイド穴401の周壁面に保持されて摺動する部分であるロッド摺動部420は、平面視において略十字状になっている。
また、第1ロッド42は、プランジャ41側の部分がガイド穴401から突き出ており、プランジャ41側の端部で且つ径方向中心部に、後述する第2ロッド45が挿入される挿入孔421が形成されている。この挿入孔421は、第1ロッド42におけるプランジャ41側の端面に開口している。
第2ロッド45は、磁性体金属よりなり、第1ロッド42よりも小径で、円柱状に形成されている。そして、第2ロッド45は、挿入孔421に圧入されることにより、第1ロッド42に対して同軸に配置されて第1ロッド42と一体化されている。
また、第2ロッド45は、プランジャ41側の部分が挿入孔421から突き出ており、プランジャ41側の端面がプランジャ吸引面410に当接するようになっている。この第2ロッド45におけるプランジャ吸引面410に当接する面は、プランジャ41の移動方向に対して垂直な平面になっている。
そして、第1ロッド42および第2ロッド45がプランジャ41に追従して一体的に移動し、プランジャ41がステータコア40から最も離れた位置にあるときには、第2ロッド45の一部がガイド穴401に進入しており、プランジャ41がステータコア40側に向かって移動するのに伴って、第2ロッド45の他の部位もガイド穴401に進入するようになっている。
また、第1ロッド42および第2ロッド45は、全体として円柱状になっており、本発明のロッドを構成している。
金属製の円筒状のシート43には、ステータコア40内の空間403とW/C1側の流路3cとを連通させる主流路430が、その径方向中心部に形成されている。この主流路430における空間403側の端部に、主弁体44が接離するテーパ状の主弁座431が形成されている。そして、主弁体44は、主弁座431に接離することにより、ステータコア40内の空間403と主流路430との間を開閉する。
また、シート43における径方向中心からずれた位置には、ステータコア40内の空間403とW/C1側の流路3cとを連通させる副流路432が、主流路430に対して並列に形成されている。換言すると、副流路432は、主流路430をバイパスして、W/C1側の流路3cとM/C2側の流路3cに接続されている。
この副流路432の途中に、テーパ状の副弁座433が形成されている。副流路432内において、副弁座433よりもW/C1側の流路3cに近い側に、金属製の球状の副弁体434が移動可能に挿入されている。そして、副弁体434は、圧力差によって移動して副弁座433と接離することにより、副流路432とW/C1側の流路3cとの間を開閉する。
ステータコア40におけるシート挿入穴402の開口端部側には、異物流入防止用のフィルタ46が挿入されている。そして、フィルタ46によって、副弁体434の開弁時の位置が決定されるようになっている。また、ステータコア40の外周にも、連通穴404を囲むようにして、異物流入防止用のフィルタ47が配置されている。
ステータコア40の他端の外周側にはスリーブ48が嵌入されており、このスリーブ48は、非磁性体金属(例えばステンレス)で形成され、一端が開口した有底円筒状を成しており、底面が略球形状を成している。
そして、スリーブ48とステータコア40とによって区画形成された空間(以下、スリーブ内空間という)に磁性体金属製の略円柱状のプランジャ41が配置され、このプランジャ41はスリーブ48内を摺動可能になっている。なお、プランジャ41がスリーブ48の底面に接することにより、プランジャ41の紙面上向きへの移動が規制される。
プランジャ41の外周面には、プランジャ41の一端から他端まで連続して延びるプランジャ溝411が形成されている。そして、スリーブ内空間におけるスリーブ48の底面側の空間と、スリーブ内空間におけるプランジャ41とステータコア40との対向面間の空間とが、プランジャ溝411により連通されている。
プランジャ41のプランジャ吸引面410は、ステータコア吸引面400に対向しており、プランジャ42の移動方向に対して垂直な平面になっている。
スリーブ48の周囲には、通電時に磁界を形成するコイル49が巻回されたスプール50が配置されている。スプール50の外周には、磁性体金属製のヨーク51が配置されている。そして、コイル49への通電により発生する磁気吸引力により、プランジャ41が駆動される。
なお、ステータコア40、プランジャ41、第2ロッド45、およびヨーク51は、磁気回路を構成している。また、コイル49へ通電している際には、図1、図2に二点鎖線で示す磁気回路が形成され、ステータコア吸引面400とプランジャ吸引面410との間で磁束が通るとともに、ステータコア40から第2ロッド45を介してプランジャ41へ磁束が通るようになっている。
第1ロッド42とシート43とに挟持されたスプリング52によって、第1ロッド42および第2ロッド45がプランジャ41側に付勢されており、第1ロッド42および第2ロッド45はプランジャ41と一体的に作動するようになっている。
スプリング52は、圧縮コイルスプリングであり、主弁体44が主弁座431から離れる向きに、すなわち開弁向きに、プランジャ41、第1ロッド42および第2ロッド45を付勢している。また、コイル49への通電により発生する磁気吸引力により、主弁体44が主弁座431に近づく向きに、すなわち閉弁向きに、プランジャ41、第1ロッド42および第2ロッド45が付勢される。
次に、上記構成を備えた電磁弁4の基本的な作動について説明する。この電磁弁4は、通常時はコイル49へ通電されない状態、すなわち非通電状態になっており、非通電時においては、スプリング52によりプランジャ41、第1ロッド42および第2ロッド45がスリーブ48の底面側に向かって付勢され、プランジャ41がスリーブ48の底面に接している。そして、第1ロッド42の主弁体44がシート43の主弁座431から離れた状態となり、W/C1側の流路3cとM/C2側の流路3c間は、シート43の主流路430、ステータコア40内の空間403、およびステータコア40の連通穴404を介して連通状態となる。
この状態でポンプ6が作動すると、W/C1側とM/C2側との圧力差により副弁体434がシート43の副弁座433側に向かって移動され、副弁体434が副弁座433に当接してシート43の副流路432が閉じられる。したがって、ポンプ6が作動した際には、シート43の主流路430および副流路432のうち主流路430のみを介してW/C1側からM/C2側へブレーキ液が流動される。
そして、ポンプ6の作動が中止されると、副弁体434は、W/C1側とM/C2側との圧力差により移動して、シート43の副弁座433から離れた状態となり、W/C1側の流路3cとM/C2側の流路3c間は、シート43の副流路432、ステータコア40内の空間403、およびステータコア40の連通穴404を介して連通状態となる。また、ポンプ6が作動中にW/C1側の圧力よりもM/C2側の圧力が高くなった際には、シート43の副流路432を介して、M/C2側からW/C1側へブレーキ液が供給される。
ポンプ6の作動によるW/C1の増圧が必要になると、ポンプ6を作動させると共に、コイル49へ通電することで主流路430を閉じる。これにより、W/C圧が上昇する。そして、コイル49への通電量に応じて電磁弁の上下流間に発生させられる差圧量がリニアに調整される。これにより、コイル49への通電量に応じてW/C圧が制御される。
本実施形態では、ステータコア40から第2ロッド45を介してプランジャ41へ磁束が通るようになっていて、第2ロッド45が、特許文献1に開示された電磁弁におけるプランジャの凸部と同様の機能を発揮するため、フラットな磁気吸引力特性が得られる。
しかも、その第2ロッド45は、第1ロッド42よりも小径で第1ロッド42に対して同軸に配置されるため、第2ロッド45とステータコア40のガイド穴401の周壁面との間には、径方向の隙間が確保される。したがって、第2ロッド45とガイド穴401の周壁面との接触が確実に回避され、フラットな磁気吸引力特性が確実に得られる。
なお、上記実施形態においては、第2ロッド45は外径が一定の円柱状であるが、図3に示す第1変形例のように、第2ロッド45は、第1円柱部450と、第1ロッド42よりも小径で且つ第1円柱部450よりも大径の第2円柱部451とを備える段付き円柱状にしてもよい。
これに伴い、第1ロッド42には、第1円柱部450が挿入される第1挿入孔421と、第2円柱部451が挿入される第2挿入孔422を形成する。
そして、第2円柱部451におけるプランジャ41側の部分を第2挿入孔422から突き出させ、第2円柱部451におけるプランジャ41側の端面をプランジャ吸引面410に当接させる。
また、図4に示す第2変形例のように、第2ロッド45を、第1円柱部450と、第1ロッド42よりも小径で且つ第1円柱部450よりも大径の第2円柱部451とを備える段付き円柱状にし、第1円柱部450を第1ロッド42の挿入孔421に挿入し、第2円柱部451全体を第1ロッド42から突出させてもよい。そして、第2円柱部451におけるプランジャ41側の端面をプランジャ吸引面410に当接させる。
(他の実施形態)
上記実施形態では、電磁弁をW/C1とM/C2との間においてブレーキ液に差圧を発生させるシステムに適用する例を示したが、本発明の電磁弁は他のシステムにも適用することができる。
また、上記実施形態および変形例においては、第1ロッド42に第2ロッド45を圧入して両者を一体化したが、第1ロッド42をインサート物として第2ロッド45をインサート成形することにより、両者を一体化してもよい。
また、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。
また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。
また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない。
40 ステータコア
41 プランジャ
42 第1ロッド
44 弁体
45 第2ロッド
49 コイル
3c 流路
400 ステータコア吸引面
401 ガイド穴
410 プランジャ吸引面

Claims (4)

  1. 通電時に磁界を形成するコイル(49)と、
    磁性材よりなり、一端側にプランジャ吸引面(410)が形成され、前記コイルへの通電により発生する磁気吸引力により駆動されるプランジャ(41)と、
    一端側が前記プランジャ吸引面に当接し、前記プランジャに追従作動する円柱状のロッド(42、45)と、
    前記ロッドとともに移動して主流路(430)を開閉する弁体(44)と、
    磁性材よりなり、前記プランジャ吸引面に対向するステータコア吸引面(400)および前記ロッドが摺動自在に挿入されるガイド穴(401)が形成されたステータコア(40)とを備え、
    前記ロッドは、
    非磁性材よりなり、前記ガイド穴に摺動自在に挿入される第1ロッド(42)と、
    磁性材よりなり、前記第1ロッドよりも小径で、前記第1ロッドにおける前記プランジャ吸引面側の端部に配置されるとともに前記第1ロッドに対して同軸に配置されて前記第1ロッドと接合され、一端側が前記プランジャ吸引面に当接し、前記プランジャが前記ステータコア側に向かって移動するのに伴って前記ガイド穴に進入する第2ロッド(45)とを備えることを特徴とする電磁弁。
  2. 前記プランジャ吸引面は、前記プランジャの移動方向に対して垂直な平面であり、
    前記第2ロッドにおける前記プランジャ吸引面に当接する面は、前記プランジャの移動方向に対して垂直な平面であることを特徴とする請求項1に記載の電磁弁。
  3. 前記第1ロッドは前記第2ロッドが挿入される挿入孔(421、422)を備え、前記第2ロッドは前記挿入孔に圧入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電磁弁。
  4. 前記第1ロッドは樹脂よりなり、前記第1ロッドがインサート成形により形成されて前記第1ロッドと前記第2ロッドが一体化されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の電磁弁。
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