JPH10122114A - グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法 - Google Patents

グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法

Info

Publication number
JPH10122114A
JPH10122114A JP5624197A JP5624197A JPH10122114A JP H10122114 A JPH10122114 A JP H10122114A JP 5624197 A JP5624197 A JP 5624197A JP 5624197 A JP5624197 A JP 5624197A JP H10122114 A JPH10122114 A JP H10122114A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heating element
ion
glow plug
heat
detection electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP5624197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3704869B2 (ja
Inventor
Masamichi Shibata
正道 柴田
Hiroyuki Murai
博之 村井
Atsushi Kurano
敦 倉野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP05624197A priority Critical patent/JP3704869B2/ja
Priority to US08/973,799 priority patent/US6483079B2/en
Priority to EP97915709A priority patent/EP0834652B1/en
Priority to PCT/JP1997/001254 priority patent/WO1997038223A1/ja
Publication of JPH10122114A publication Critical patent/JPH10122114A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3704869B2 publication Critical patent/JP3704869B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F23COMBUSTION APPARATUS; COMBUSTION PROCESSES
    • F23QIGNITION; EXTINGUISHING-DEVICES
    • F23Q7/00Incandescent ignition; Igniters using electrically-produced heat, e.g. lighters for cigarettes; Electrically-heated glowing plugs
    • F23Q7/001Glowing plugs for internal-combustion engines
    • F23Q2007/002Glowing plugs for internal-combustion engines with sensing means

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Combustion (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な構成で且つ精度良くイオン電流を検出す
る。 【解決手段】グロープラグ1は、ディーゼルエンジンの
燃焼室内に一部が晒されたセラミック発熱部6を有す
る。セラミック発熱部6は、U字状をなし一対のリード
線9a,9b,11a,11bによって通電加熱される
発熱体7と、該発熱体7を埋設する耐熱性絶縁体8と、
前記発熱体7に一体形成されたイオン検出用電極14と
を有する。つまり、発熱体7とイオン検出用電極14と
は、電気的に接続されている。イオン検出用電極14
は、その一部が燃焼室内で発生する火炎に晒され、その
火炎中のイオン化の状態(イオン電流)を検出する。な
お、イオン検出用電極14はその大部分が耐熱性絶縁体
8に埋設されているため、ハウジング側(アース側)に
対して導通される可能性は少ない。また、発熱体7はそ
の全体が耐熱性絶縁体8に埋設されているため、燃焼時
の酸化消耗によって発熱特性が変化することはない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料の着火・燃焼
を促進するためのグロープラグ、そのグロープラグを用
いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ガソリンエンジンのみならずディ
ーゼルエンジンにおいても環境保護の面から、機関から
排出される排気ガスや排気煙をより一層低減させること
が要望されている。そして、こうした要望に応えるべ
く、各種のエンジン改良や後処理(触媒等)による排出
ガス低減、燃料・潤滑油性状の改善、各種のエンジン燃
焼制御システムの改善などが検討されている。
【0003】また、上記検討事項に関連して、最近のエ
ンジン燃焼制御システムにおいてはエンジン運転中の燃
焼状態を検出することが要請されており、筒内圧、燃焼
光、イオン電流等を検出することによってエンジン燃焼
状態を検出することが検討されている。特に、イオン電
流によりエンジン燃焼状態を検出することは、燃焼に伴
う化学反応を直接的に観察できることから極めて有用と
考えられており、種々のイオン電流検出方法が提案され
ている。
【0004】特開平7−259597号公報には、燃料
噴射ノズルの取り付け座部において、当該噴射ノズル及
びエンジンのシリンダヘツドから絶縁されたスリーブ状
の電極を装着し、その電極を外部の検出回路に接続する
ことにより燃料の燃焼に伴うイオン電流を検出する方法
が開示されている。
【0005】また、米国特許第4,739,731号で
は、セラミックグロープラグを用いたイオン電流検出用
センサが開示されている。つまり、かかる技術では、セ
ラミックグロープラグのヒータ(発熱体)表面に白金製
の導電層を取着すると共に、この導電層を燃焼室及びグ
ロープラグ取付金具から絶縁している。そして、導電層
に外部からのイオン電流測定用電源(直流250V)を
印加して燃料燃焼に伴うイオン電流を検出するようにし
ている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術においては、いずれも以下に示す問題を招来する。つ
まり、前者の技術(特開平7−259597号公報)で
は、イオン検出のために他の部位より絶縁されたスリー
ブ状の電極を設置しなくてはならず、同電極の材料の用
意及びその加工において煩雑な作業が強いられる。その
ため、イオン電流検出用の電極が非常に高価な構成とな
るという問題があった。さらに、燃料噴射ノズルと電極
との間、及び電極とシリンダヘツドとの間が燃焼室内に
て発生するカーボンにより短絡し、早期に使用不能とな
るという欠点があった。
【0007】また、後者の技術(米国特許第4,73
9,731号)では、イオン電流を検出する電極を発熱
体とは別に発熱体上に設けると共に、当該電極及び発熱
体を別々の電源に接続していたために構造が複雑になる
という欠点があった。それに加えて、電極の耐熱性及び
耐消耗性を確保するために白金など高価な貴金属を多量
に必要とすることから、グロープラグ自体が非常に高価
なものとなる欠点があった。さらに、上記センサの場合
には、電極の略全体が燃焼室内に晒され、且つ、ハウジ
ングと電極との間隔が狭い。そのため、電極へのカーボ
ンの付着により当該電極とハウジングとの間が導通(短
絡)され、結果としてイオン電流の誤検出を招くという
問題を生じる。
【0008】本発明は、上記の状況を鑑みてなされたも
のであって、その目的とするところは、簡単な構成で且
つ精度良くイオン電流が検出できるグロープラグ、グロ
ープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラ
グの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、上記課題を解決
するために、請求項1に記載のグロープラグは、耐熱性
絶縁体と、前記耐熱性絶縁体に埋設され、一対のリード
線によって通電加熱される発熱体と、同じく前記耐熱性
絶縁体に埋設されると共に、一部が前記燃焼室内で発生
する火炎に晒され、その火炎中のイオン化の状態を検出
するためのイオン検出用電極とを備えることを特徴とし
ている。
【0010】この場合、グロープラグの発熱体は、当該
発熱体の加熱時において、その加熱作用により燃焼室で
の燃料の着火及び燃焼を促進させる役割をなす。また、
耐熱性絶縁体に埋設されたイオン検出用電極は、燃焼火
炎中のイオン化の状態を検出する。即ち、イオン電流の
検出時において、イオン検出用電極とそれに近接する燃
焼室の内壁とは、両者間に存在する燃料燃焼時のプラス
及びマイナスイオンを捕獲するための2電極を形成す
る。上記構成によれば、非常に簡単な構成であるにもか
かわらず、精度良くイオン電流を検出することができ、
その情報を燃焼制御に有用に活用することが可能とな
る。また、グロープラグにイオン電流検出機能を付与す
ることにより、安価なイオン電流検出用センサを提供す
ることができる。
【0011】また、本グロープラグでは、イオン検出用
電極の大部分が耐熱性絶縁体に埋設され、その一部のみ
が外部に露出しているため、グロープラグ外周に若干量
のカーボンが付着したとしても従来技術(米国特許第
4,739,731号)のように電極とハウジング(燃
焼室の内壁側)との間が導通されてイオン電流が誤検出
されるといった不具合が生じにくくなる。なおより望ま
しくは、イオン検出用電極の露出部をグロープラグ先端
に設けて、当該露出部とハウジング(燃焼室の内壁側)
とをできるだけ離間させるとよい。
【0012】なお、グロープラグの外周にはその使用に
伴って多少のカーボンが付着すると考えられるが、その
付着カーボンは発熱体の加熱動作(例えば、エンジンの
低温始動時におけるグロー動作)によって焼き切られ
る。その結果、イオン電流の検出に際しても長期にわた
ってその検出性能を維持することができる。
【0013】さらに、発熱体自体は、耐熱性絶縁体の内
部に埋設されているため、抵抗値の低下等による発熱特
性の変化を招くことはなく、長期にわたって高い発熱性
能を維持することができる。つまり、発熱体が酸化によ
り消耗することがないため、その断面積が一定に保持さ
れると共に、その抵抗値の変化を生ずることもない。さ
らに、燃焼室内での熱的衝撃等に起因して発熱体が破損
する等の不具合も回避できる。
【0014】本発明のグロープラグにおいて、発熱体と
イオン検出用電極とは次のように構成される。請求項2
に記載の発明では、前記発熱体と前記イオン検出用電極
とを電気的に接続させて構成している。さらにより具体
的には、請求項3に記載の発明では、前記発熱体と前記
イオン検出用電極とを一体成形するのに対し、請求項4
に記載の発明では、前記発熱体と前記イオン検出用電極
との間に、リード線を介在させている。請求項2〜4の
いずれの場合においても、既述の通り発熱体の発熱性能
を長期にわたって維持すると共に、イオン電流検出性能
を維持することができる。なお、製造工程上の観点から
見れば、請求項3に記載の構成が最も簡便にグロープラ
グを製造することができると言える。
【0015】また、請求項5に記載のグロープラグで
は、前記発熱体と前記イオン検出用電極とを絶縁させて
構成している。この場合、発熱体とイオン検出用電極と
は別々の電源経路にて通電されることになるため、発熱
体を加熱させながらそれと同時にイオン検出用電極によ
りイオン電流を検出することができる(即ち、常に燃焼
状態を把握することができる)。
【0016】請求項6に記載の発明では、前記イオン検
出用電極の少なくとも前記火炎に晒される箇所を導電性
セラミック材料により構成している。この場合、イオン
検出用電極が高温な燃焼ガスに晒されても、当該電極の
酸化消耗が最小限に抑えられる。そのため、グロープラ
グによるイオン電流検出性能の耐久性がより一層向上す
る。
【0017】請求項7に記載の発明では、発熱体とイオ
ン検出用電極とを、異なる組成の混合物、或いは異なる
粒径の粉体からなる混合物を用いて作り分けている。か
かる場合、上記の如く作り分けを行うことによって、発
熱体とイオン検出用電極との抵抗値が相違することとな
り、用途に応じたグロープラグ(イオン電流検出用セン
サ)を提供することができる。つまり、イオン電流の検
出結果を例えば失火検出に用いるのであれば、イオン電
流の有無だけを判定すればよいため、イオン検出用電極
の抵抗値は比較的大きくすることができ例えば約5MΩ
以下であればよい(但し、発熱体は1Ω程度)。また、
イオン電流の検出結果を例えば着火時期検出に用いるの
であれば、イオン電流の立ち上がりを瞬時に検出する必
要があるのでイオン検出用電極の抵抗はなるべく小さい
方が望ましい(500kΩ以下が望ましい)。
【0018】他方、上記のグロープラグはそれ自体、若
干量のカーボンが付着してもイオン検出用電極とハウジ
ング(燃焼室の内壁側)とが導通しにくい構成である旨
を記載したが、長期の使用に際してはカーボンの付着及
び堆積が生じ、それが問題となりうる。そこで、請求項
8のイオン電流検出装置では、発熱体による加熱動作と
イオン検出用電極によるイオン電流検出動作とが同時に
実施できる請求項5のグロープラグを用い、イオン電流
検出状態を継続したまま、付着カーボンを除去する構成
を提案している。詳細には、発熱体への通電状態をオン
・オフするスイッチング手段と、燃料燃焼前の所定時期
にイオン検出用電極より流れる漏洩電流を検出する漏洩
電流検出手段と、該検出された漏洩電流が所定のしきい
値よりも大きければ、一時的に前記発熱体を通電させる
ようスイッチング手段を操作する操作手段とを備える。
【0019】要するに、燃焼室内においてグロープラグ
外周部にカーボンが付着すると、イオン検出用電極の露
出部とハウジング側との導通により絶縁抵抗が低下して
漏洩電流が流れ、所望のイオン電流波形が得られない。
即ち、図24の(b)に示すように、本来のイオン電流
波形に先立って漏洩電流が流れる(図24のA点以
前)。これに対し、本発明では、所定時期において漏洩
電流を検出し(図24では、燃料噴射のタイミング)、
この漏洩電流に基づいてグロープラグ外周のカーボン付
着状態を推定する。そして、こうしたカーボン付着状態
であれば、発熱体を加熱させて付着カーボンを焼き切る
ようにしている。以上の構成により、常に所望のイオン
電流波形(例えば、図24の(a)に示す波形)が検出
できることとなり、その検出結果を用いた着火時期検出
や失火検出等の処理を精度良く実施することができる。
【0020】因みに、グロープラグ外周にカーボンが付
着した場合、イオン検出用電極とハウジング側との間の
絶縁抵抗は燃焼室内での圧力に依存し、圧力上昇時に絶
縁抵抗が低下して漏洩電流が流れ易くなる。そこで、請
求項9に記載した発明では、燃焼室内の圧力上昇時に漏
洩電流を検出するようにしている。この場合、漏洩電流
の有無を確実に検出することができる。この圧力上昇時
とは、例えばディーゼルエンジンにおける圧縮行程時に
相当する。なお、かかるタイミングとして、燃焼室内へ
の燃料噴射のタイミングに対応して漏洩電流を検出する
ようにしてもよい。つまり、燃料噴射のタイミングと
は、例えばディーゼルエンジンにおいては燃焼室圧力が
上昇し、且つ燃料の燃焼直前の時期に相当する。従っ
て、上記の如くカーボンが付着した状況下では、より一
層確実に漏洩電流を検出することができる。
【0021】請求項10に記載の発明はグロープラグの
製造方法に関するものであって、その製造時には、先ず
発熱体及びイオン検出用電極を生成し、次に、発熱体及
びイオン検出用電極を耐熱性絶縁体にて包囲すると共
に、それを所定温度にてホットプレスする。さらに、前
記耐熱性絶縁体の一部を切削加工し、前記イオン検出用
電極を外部に露出させる。上記製造方法によれば、特に
煩雑な製造工程を要することもなく上記特有な構成を有
するグロープラグが作製でき、既述の優れたイオン電流
検出機能を備えたグロープラグが簡便な製造方法にて提
供できるようになる。
【0022】また、グロープラグの製造方法にかかる発
明は、次の請求項11及び請求項12に記載するように
してもよい。これら請求項の製造方法によっても、既述
した特有な構成を有し且つ優れたイオン電流検出機能を
備えたグロープラグを製造することができ、その製造過
程において煩雑な工程が強いられることもない。
【0023】つまり、請求項11に記載の発明では、発
熱体及びイオン検出用電極を薄板状の耐熱性絶縁シート
材に設け、そのシート材を棒状の耐熱性絶縁中軸部に巻
き付ける。そして、耐熱性絶縁シート材及び耐熱性中軸
部を加熱処理した後、耐熱性絶縁シート材及び耐熱性中
軸部の一部を切削加工してイオン検出用電極を外部に露
出させるようにしている。
【0024】一方、請求項12に記載の発明では、耐熱
性絶縁材料からなる複数の積層材を用意し、そのうち特
定の積層体に発熱体及びイオン検出用電極を設ける。そ
して、発熱体及びイオン検出用電極を設けた積層材がほ
ぼ中央になるように、複数の積層材を重ね合わせ、その
重ね合わせた複数の積層材を加熱処理する。さらに、前
記重ね合わせた複数の積層材の一部を切削加工し、イオ
ン検出用電極を外部に露出させるようにしている。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、ディーゼルエンジンの始動
補助装置として用いられるセラミックグロープラグ(以
下、単にグロープラグという)に本発明を具体化した第
1の実施の形態を図面に従って説明する。つまり、本実
施の形態のグロープラグは、ディーゼルエンジンのシリ
ンダヘッドに形成された燃焼室(渦流室)に設けられる
ものであって、その一部が燃焼室内に晒されるようにな
っている。そして、同グロープラグは、エンジンの低温
始動時において、燃料噴射ノズルより噴射される燃料の
着火及び燃焼を促進させる役割をなす。また、本実施の
形態におけるグロープラグは、上記の始動補助機能に加
えて、燃料燃焼時の燃焼火炎帯に存在する活性イオンを
検出する役割をもなす。
【0026】ここで、図1には、本実施の形態における
グロープラグ1の全体構成を示す。同図において、グロ
ープラグ1は略円筒状をなす金属製のハウジング2を有
しており、このハウジング2の外周面には当該グロープ
ラグ1を後述するシリンダヘッドに取り付けるための雄
ねじ部3及び六角部4が形成されている。ハウジング2
の上部には、管状のプロテクションチューブ5が溶着さ
れている。
【0027】また、前記ハウジング2にはセラミック発
熱部6が保持されており、このセラミック発熱部6は、
導電性を有するU字状の発熱体7と、絶縁性を有する耐
熱性絶縁体8と、前記発熱体7に一体成形されたイオン
検出用電極14と、前記発熱体7の両端に接続されると
共に前記絶縁体8に埋設された2本のタングステンリー
ド線9a,9bとから構成されている。
【0028】詳しくは、前記発熱体7はその大部分が耐
熱性絶縁体8内に埋設され、強固に保持されるものであ
るが、図2の要部拡大図に示すように、発熱体7先端に
形成されたイオン検出用電極14の端面は、耐熱性絶縁
体8の外周面と同一面上に設けられている。この場合、
発熱体7とイオン検出用電極14とは一体的に成形され
ているため、両部材7,14は常に電気的に接続された
状態となっている。かかる構成において、発熱体7の露
出部と後述するディーゼルエンジンの渦流室17(破線
部)の内壁とは、イオン電流を検出するための対向電極
を形成する。
【0029】また、図1において、前記各タングステン
リード線9a,9bの上端には、耐熱性絶縁体8内に埋
め込まれた導電性チップ10a,10bが接続されてお
り、導電性チップ10a,10bには各々にリード線1
1a,11bが接続されている。これら2本のリード線
11a,11bがグロープラグ1の外部信号入力線とな
っている。なお、前記ハウジング2及びプロテクション
チューブ5と、リード線11a,11bとの間は、絶縁
チューブ12及びゴムブッシュ13により電気的に絶縁
されている。リード線11a,11bは、ゴムブッシュ
13と共にプロテクションチューブ5のカシメ締め付け
力により固定されている。
【0030】以下に、セラミック発熱部6の詳細な構成
について説明する。つまり、セラミック発熱部6の発熱
体7、イオン検出用電極14及び耐熱性絶縁体8は、い
ずれも導電性セラミック粉末(本実施の形態では、珪化
モリブデンMoSi2 粉末)と絶縁性セラミック粉末
(本実施の形態では、窒化珪素Si3 N4 粉末)との混
合物よりなる焼結体にて構成されている。但し、発熱体
7及びイオン検出用電極14ではMoSi2 粉末の平均
粒径がSi3 N4 粉末のそれよりも小さく、耐熱性絶縁
体8ではMoSi2 粉末の平均粒径がSi3 N4 粉末の
それと同じ若しくはそれよりも大きくしてある。即ち、
各粉体の粒径を変更することにより発熱体7及びイオン
検出用電極14と、耐熱性絶縁体8とを作り分けるよう
にしている。また、発熱体7及びイオン検出用電極14
と、耐熱性絶縁体8とについて、MoSi2 粉末とSi
3 N4 粉末との配合割合が変えられている。
【0031】より具体的な数値を示せば、発熱体7及び
イオン検出用電極14ではMoSi2 粉末の平均粒径が
1〜3μm、Si3 N4 粉末の平均粒径が10〜20μ
mであり、耐熱性絶縁体8ではMoSi2 粉末の平均粒
径が約1.1μm、Si3 N4 粉末の平均粒径が約0.
7μmとなっている。また、発熱体7及びイオン検出用
電極14と耐熱性絶縁体8とについて、MoSi2 粉末
とSi3 N4 粉末との配合割合を示せば、前者(発熱体
7及びイオン検出用電極14)はMoSi2 粉末を60
〜70wt%、Si3 N4 粉末を40〜30wt%と
し、後者(耐熱性絶縁体8)はMoSi2 粉末を20〜
30wt%、Si3 N4 粉末を80〜70wt%として
いる。また、両者とも、助材としてY2 O3 とAl2 O
3 とを合計10wt%程度添加している。
【0032】上記構成を有するセラミック発熱部6にお
いて、発熱体7及びイオン検出用電極14では、小径の
MoSi2 粉末(導電性セラミック粉末)が大径のSi
3 N4 粉末(絶縁性セラミック粉末)を取り囲んで互い
に連なっており、それにより発熱体7及びイオン検出用
電極14に電流が流れ、発熱体7が発熱される。一方、
耐熱性絶縁体8では、大径のMoSi2 粉末(導電性セ
ラミック粉末)間に小径のSi3 N4 粉末(絶縁性セラ
ミック粉末)が介在するため、両者は直列に並んだ状態
となり発熱体7に比べて抵抗が大きく絶縁層を形成す
る。
【0033】ここで、セラミック発熱部6の製造方法を
図3〜図6を用いて説明する。先ずMoSi2 粉末、S
i3 N4 粉末、及び助剤としてのY2 O3 粉末,Al2
O3 粉末の混合物にバインダーを混練してペースト化
し、発熱体7、イオン検出用電極14、耐熱性絶縁体8
を所望の形状に射出成形する。このとき、図3に示すよ
うに、複数個の発熱体7及びイオン検出用電極14は連
結バー28を介して連結状態で、且つタングステンリー
ド線9a,9bが接続された状態で成形される。そし
て、各々の発熱体7及びイオン検出用電極14を、イオ
ン検出用電極14の途中部(図3の一点鎖線部)にて切
断する。
【0034】一方、図4に示すように、耐熱性絶縁体8
を形成するための絶縁部8a,8bは、2つ一組の半円
柱状に形成され、それら絶縁部8a,8bの対向面には
それぞれに、前記発熱体7,リード線9a,9b,イオ
ン検出用電極14を所定部位に収容するための溝部29
が形成されている。
【0035】そして、図5に示すように、前記絶縁部8
a及び8bで包囲するように、前記溝部29に発熱体7
及びイオン検出用電極14の一体物を配置し、1700
〜1800℃にてホットプレスする。その後、図6の破
線に沿うようにして、セラミック発熱部6の外周部を切
削加工すると、先端が球状で且つ円柱状のセラミック発
熱部6が得られる。このとき、発熱体7はその全体が耐
熱性絶縁体8に埋設されるのに対し、イオン検出用電極
14の端面はセラミック発熱部6の先端部において露出
することとなる。
【0036】次に、上記の如く構成されるグロープラグ
1を用いたイオン電流検出システムを図7,図8を用い
て説明する。なお、図7,図8は共に、本実施の形態に
おけるイオン電流検出システムの概要を示す構成図であ
る。このうち図7は、グロープラグ1(発熱体7)の加
熱状態、即ちエンジン始動時における燃料の着火及び燃
焼を促進するための状態を示し、図8は、燃料燃焼に伴
うイオン電流をグロープラグ1により検出する状態を示
す。
【0037】各図において、ディーゼルエンジンのシリ
ンダヘッド15にはねじ孔16が形成されており、この
ねじ孔16に前記グロープラグ1が螺着されている。即
ち、グロープラグ1をシリンダヘッド15に螺着する際
には、前記六角部4を所定の工具で挟み、同プラグ1の
雄ねじ部3をねじ孔16にねじ入れるようにする。
【0038】グロープラグ1のセラミック発熱部6の先
端部は、シリンダヘッド15に形成された渦流室17に
突出配置されている。この渦流室17にはピストン18
上部に設けられた主燃焼室19が連通されており、渦流
室17は燃焼室の一部をなす。渦流室17には燃料噴射
ノズル20の先端部が配設されており、この燃料噴射ノ
ズル20から渦流室17内に燃料が噴射されるようにな
っている。
【0039】また、12V(ボルト)の直流電源からな
るバッテリ21とグロープラグ1との間にはスイッチ回
路25が配設されており、このスイッチ回路25は、2
つの2位置切替スイッチ23,24の操作状態に応じて
バッテリ21とグロープラグ1との間の電気経路を切り
換える。スイッチ回路25は、電子制御装置(以下、E
CUという)30からの指令信号が入力されない通常時
には発熱体加熱状態(図7の状態)を保持し、ECU3
0からの指令信号が入力されると、前記発熱体加熱状態
からイオン電流検出状態(図8の状態)に移行する。こ
のとき、2つの切替スイッチ23,24は同時に動作す
る。
【0040】つまり、切替スイッチ23,24の端子2
3a,24aには前記グロープラグ1のリード線11
a,11bがそれぞれに接続されている。また、切替ス
イッチ23,24は、前記端子23a及び24aに対し
て選択的に接続される各々2つずつの接点23b,23
c及び24b,24cを有する。
【0041】かかる場合において、発熱体加熱状態で
は、図7に示すように、端子23aと接点23bとの間
が閉路されると共に、端子24aと接点24bとの間が
閉路されている。このとき、グロープラグ1の一方のリ
ード線11aには端子23a及び接点23bを介してバ
ッテリ21のプラス側が接続されると共に、他方のリー
ド線11bには端子24a及び接点24bを介してバッ
テリ21のマイナス側が接続されている。即ち、発熱体
7は加熱状態に保持される(このとき、図7中の2点鎖
線で示す経路を電流が流れる)。なお、接点24bは、
シリンダヘッド15の一部にも接続されている。
【0042】また、イオン電流検出状態では、図8に示
すように、端子23aと接点23cとの間が閉路される
と共に、端子24aと接点24cとの間が閉路される。
即ち、切替スイッチ23,24は共にオープン状態とな
る。この場合、切替スイッチ23に並列に設けられた電
気経路(図8の2点鎖線で示す経路)のイオン電流検出
用抵抗26を介して、バッテリ電圧がリード線11aに
印加される。つまり、セラミック発熱部6の先端に形成
されたイオン検出用電極14とシリンダヘッド15との
間にバッテリ電圧が印加されることとなり、燃焼火炎帯
の活性イオンの発生に伴い図8中に2点鎖線で示す経路
でイオン電流が流れる。
【0043】なお、イオン電流検出用抵抗26の抵抗値
は500kΩ程度であって、このイオン電流検出用抵抗
26を流れるイオン電流は、当該抵抗26の両端の電位
差として電位差計27により検出される。
【0044】ここで、イオン電流の検出原理を略述す
る。燃料噴射ノズル20による噴射燃料が渦流室17で
燃焼に供されると、その燃焼火炎帯ではイオン化された
プラスイオンとマイナスイオンが大量に発生する。この
とき、イオン検出用電極14とそれに対面するシリンダ
ヘッド15との間にバッテリ電圧が印加されることによ
り、イオン検出用電極14にはマイナスイオンが捕獲さ
れると共に、シリンダヘッド15にはプラスイオンが捕
獲される。その結果、図8に示す電流経路が形成され、
この電流経路を流れるイオン電流がイオン電流検出用抵
抗26両端の電位差として検出される。
【0045】一方、ECU30は、CPU,ROM,R
AM,入出力回路等からなる周知のマイクロコンピュー
タやA/D変換器(共に図示略)を中心に構成され、前
記電位差計27により検出された検出信号を入力する。
また、ECU30には、エンジン冷却水の温度を検出す
るための水温センサ31の検出信号や、エンジンクラン
ク角に応じてエンジン回転数を検出するための回転数セ
ンサ32の検出信号が入力され、ECU30は各センサ
31,32の検出信号に基づいて水温Tw,エンジン回
転数Neを検知する。
【0046】上記ECU30は、ディーゼルエンジンの
低温始動時において、グロープラグ1の発熱体7を加熱
させて燃料の着火及び燃焼を促進させる。また、ディー
ゼルエンジンの暖機完了時において、前記スイッチ回路
25に切り替え指令信号を出力し、本システムの回路を
イオン電流検出状態として燃焼イオン電流を検出する。
なお、エンジン始動当初においては、スイッチ回路25
は発熱体加熱状態に保持されるようになっている。以
下、図9のフローチャートを用いて、前記スイッチ回路
25の切り替え処理を説明する。図9は、所定の時間の
割り込み処理により実行される。
【0047】さて、図9の処理がスタートすると、EC
U30は、先ずステップ110でエンジン暖機完了後で
あり、且つスイッチ回路25がイオン電流検出状態にあ
るか否かを判別する。エンジン始動当初においては、ス
テップ110が否定判別され、ECU30は続くステッ
プ120で水温Tw及びエンジン回転数Neを読み込
む。
【0048】その後、ECU30は、ステップ130で
水温Twが所定の暖機完了温度(本実施の形態では、6
0℃)以上であるか否かを判別すると共に、ステップ1
40でエンジン回転数Neが所定回転数(本実施の形態
では、2000rpm)以上に達しているか否かを判別
する。かかる場合、ステップ130,140が共に否定
判別されれば、ECU30は、エンジンの暖機が完了し
ておらず、グロープラグ1(発熱体7)による加熱が必
要であるとみなし、ステップ150に進む。また、ステ
ップ130,140のいずれかが肯定判別されれば、E
CU30は、エンジンの暖機が完了した、或いはグロー
プラグ1(発熱体7)による加熱が不要であるとみな
し、ステップ160に進む。
【0049】ステップ150に進んだ場合、ECU30
は、スイッチ回路25を発熱体加熱状態(図7の状態)
に保持し、その後本処理を終了する。この状態では、グ
ロープラグ1の発熱作用によって燃料の着火及び燃焼が
促進される。
【0050】また、ステップ160に進んだ場合、EC
U30は、スイッチ回路25を発熱体加熱状態からイオ
ン電流検出状態(図8の状態)に移行させ、その後本ル
ーチンを終了する。この状態では、イオン電流検出用抵
抗26により燃料燃焼時に生じるイオン電流が検出され
る。
【0051】なお、前記ステップ140が肯定判別され
てステップ160に進む場合とは、例えばレーシング状
態で一時的にエンジン回転数Neが上昇する場合が考え
られ、この場合にはエンジン暖機が未だ完了していな
い。従って、スイッチ回路25が一旦イオン電流検出状
態に移行したとしても、ECU30は、次回処理時のス
テップ110を否定判別し、ステップ130,140の
判別処理を再び実施する。そして、一時的なエンジン回
転数Neの上昇が収まり、同回転数Neが低下すると
(Ne<2000rpm)、スイッチ回路25を再度、
発熱体加熱状態に復帰させる(ステップ150)。
【0052】その後、水温Tw≧60℃となりエンジン
暖機が完了すると、ECU30はステップ110を肯定
判別する。そして、エンジン暖機が完了し、且つスイッ
チ回路25がイオン電流検出状態に移行した後には、E
CU30はステップ110を毎回肯定判別する。これに
より、当該スイッチ回路25がイオン電流検出状態(図
8の状態)のままで保持されることとなる。
【0053】図10は、オシロスコープを用いて燃料燃
焼時に発生するイオン電流を観察した際の電流波形図で
ある。同図において、燃料噴射開始の直後に電圧が急上
昇している波形が燃料の燃焼によるイオン電流波形であ
り、A点が燃焼の開始位置、即ち着火時期に相当する。
また、このイオン電流波形には、2つの山が観測され
る。つまり、燃焼初期には、拡散火炎帯の活性イオンに
より第1の山B1が観測され、燃焼中後期には筒内圧上
昇による再イオン化により第2の山B2が観測される。
【0054】この場合、ECU30は、イオン電流波形
の第1の山B1から実際の着火時期を検出すると共に、
該検出された実際の着火時期と目標着火時期との差をな
くすべく着火時期のフィードバック制御を実施する。ま
た、ECU30は、イオン電流波形の第2の山B2から
異常燃焼、失火等の燃焼状態を検出し、その検出結果を
燃料噴射制御に反映させる。こうしてイオン電流をエン
ジンの燃料噴射制御に反映させることにより、きめ細か
くエンジンの運転状態を制御することが可能となる。
【0055】次に、本実施の形態における効果を説明す
る。 (a)要するに、本実施の形態のグロープラグ1は、耐
熱性絶縁体8と、耐熱性絶縁体8に埋設され、一対のリ
ード線9a,9b(11a,11b)によって通電加熱
される発熱体7と、発熱体7に一体的に形成され、燃焼
火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用
電極14とを備える。つまり、イオン検出用電極14
は、その一部(端面)が渦流室17内で発生する火炎に
晒されるように構成した。かかる構成によれば、イオン
電流の検出時において、イオン検出用電極14とそれに
近接する渦流室17の内壁とは、燃料燃焼時に発生する
燃焼イオン(プラス及びマイナスイオン)を捕獲するた
めの2電極を形成する。その結果、非常に簡単な構成で
あるにもかかわらず、精度良くイオン電流を検出するこ
とができ、安価なイオン電流検出用センサとしてのグロ
ープラグ1を提供することができる。
【0056】(b)また、本グロープラグ1では、イオ
ン検出用電極14の大部分が耐熱性絶縁体8に埋設さ
れ、その一部のみが外部に露出しているため、グロープ
ラグ1外周に若干量のカーボンが付着したとしても従来
技術(米国特許第4,739,731号)のように電極
とハウジング(アース側)との間が導通されてイオン電
流が誤検出されるといった不具合が生じにくくなる。特
に本実施の形態の構成では、イオン検出用電極14の露
出部がグロープラグ1の先端部に設けられているため、
当該露出部と渦流室17とが十分に離間しており、上記
のような不具合をより好適に解消することができる。
【0057】なお、グロープラグ1の使用に伴ってその
外周に付着する若干量のカーボンは発熱体7の加熱動作
(例えば、エンジンの低温始動時におけるグロー動作)
によって焼き切られる。その結果、イオン電流の検出に
際しても長期にわたってその検出性能を保持することが
できる。
【0058】(c)さらに、かかる構成において、発熱
体7自体は、耐熱性絶縁体8の内部に埋設されているた
め、酸化消耗による発熱特性の変化を招くことはなく、
長期にわたって高い発熱性能を維持することができる。
また、渦流室17内での熱的衝撃等に起因して発熱体7
が破損する等の不具合も回避できる。図面にて説明すれ
ば、発熱体7が酸化消耗するとその抵抗値が変化し、図
11に示すように発熱性能が低下する(図に破線で示
す)。しかし、本実施の形態では、かかる不具合が回避
できる(図の実線の特性が維持される)。
【0059】(d)さらに、本実施の形態のグロープラ
グ1においては、イオン検出用電極14(及び発熱部
7)を導電性セラミック材料により成形した。それによ
り、高温な燃焼ガスに晒されてもイオン検出用電極14
の酸化消耗が最小限に抑えられ、グロープラグ1による
イオン電流検出性能の耐久性をより一層向上させること
ができる。
【0060】(e)また、グロープラグ1のセラミック
発熱部6(発熱体7,イオン検出用電極14,耐熱性絶
縁体8)を、導電性セラミック粉末(MoSi2 粉末)
と絶縁性セラミック粉末(Si3 N4 粉末)との混合物
により形成した。そのため、耐熱性及び耐消耗性に優れ
たセラミック発熱部6を提供することができる。また、
本セラミック発熱部6は、エンジンの低温始動時におい
て良好なる始動補助機能を維持することができる。
【0061】(f)上記グロープラグ1の製作に際して
は、導電性セラミック粉末と絶縁性セラミック粉末との
混合物からセラミック発熱部6(発熱体7,イオン検出
用電極14,耐熱性絶縁体8)を成形すると共に、耐熱
性絶縁体8の外周面を切削加工してイオン検出用電極1
4を外部に露出させるようにした。かかる工程によれ
ば、特に煩雑な製造工程を要することもなく、簡便な方
法にて上記の優れたイオン電流検出機能を兼ね備えたグ
ロープラグ1を製作することができる。
【0062】(g)一方、本実施の形態のイオン電流検
出装置ではスイッチ回路25を設け、同スイッチ回路2
5により、発熱体加熱状態とイオン電流検出状態とを切
り替えるようにした。即ち、上記2つの状態の電圧印加
は共通のリード線11a,11bを用いて行われ、両状
態の切替えはスイッチ回路25により選択的に実施され
る。従って、本イオン電流検出装置において、その発熱
体7に接続されるリード線11a,11bの配線構成
や、その他イオン電流の検出に関する構成が簡素化で
き、安価なイオン電流検出装置を提供することができ
る。
【0063】(h)併せて、本実施の形態では、ディー
ゼルエンジンに本イオン電流検出装置を適用することと
し、バッテリ21の一端に前記発熱体7に接続された片
方のリード線11aを接続すると共に、他端にシリンダ
ヘッド15を接続するようにした。この場合、イオン電
流を検出するために必要な対向電極(イオン検出用電極
14及び渦流室17の壁部)の構成が簡素化できる。
【0064】(i)特に、本実施の形態のイオン電流検
出装置は、ディーゼルエンジンの燃焼室内での燃焼火炎
帯の活性イオンを検出するものであるため、燃焼イオン
密度が高い状態でイオン電流を検出することができ、そ
の検出精度を高めることができる。従って、ディーゼル
エンジンの燃焼状態を精度良く検出し、その検出結果を
燃料噴射制御に反映させることも可能となる。
【0065】(j)本実施の形態では、スイッチ回路2
5(接点23c)を介することなく、直接、イオン検出
用電極14とシリンダブロック15との間にバッテリ2
1による供給電源を印加するように構成したため、スイ
ッチ回路25の切替え動作によるノイズ等の悪影響を排
除することができる。即ち、スイッチ回路25の各接点
は酸化によって抵抗値が上昇し、このような接点抵抗の
上昇時には元々微弱なイオン電流の検出が困難になるお
それがある。しかし、本実施の形態では、上記のような
不具合を解消することができる。
【0066】(k)また、本実施の形態では、通常の車
載バッテリ21によりイオン電流を検出するようにした
ため、イオン電流検出用の電源として車載バッテリ以外
の電源が不要となり、構成の複雑化を招くことなくイオ
ン電流検出装置を実現することができる。
【0067】次に、本発明の第2〜第7の実施の形態に
おけるグロープラグの構成を図12〜図25を用いて説
明する。但し、各実施の形態の構成において、上述した
第1の実施の形態と同等であるものについては図面に同
一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。そして、
以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明す
る。
【0068】(第2の実施の形態)図12は、第2の実
施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図であ
る。上記第1の実施の形態では、耐熱性絶縁体8の先端
部(球状部)にイオン検出用電極14を設けていたが、
本実施の形態では、耐熱性絶縁体8の側面部にイオン検
出用電極41を設けている。つまり、イオン検出用電極
41の端面は、耐熱性絶縁体8の側面において同一面で
露出している。この場合にも、上記第1の実施の形態と
同様に、本発明の目的を達成することができる。なお、
イオン検出用電極41は発熱体7に一体成形され、両部
材41,7は電気的に接続された状態となっている。ま
た、発熱体7自体は耐熱性絶縁体8によって保護されて
いるため、その発熱特性が損なわれることもない。
【0069】(第3の実施の形態)図13は、第3の実
施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図であ
る。図13のグロープラグでは、耐熱性絶縁体8の先端
部においてリード線43を介してイオン検出用電極42
が発熱体7に電気的に接続されている。このとき、発熱
体7とイオン検出用電極42との組成は同じになってい
る。かかる構成においても、本発明の目的を達成するこ
とができる。
【0070】(第4の実施の形態)図14は、第4の実
施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図であ
る。本実施の形態のグロープラグでは、図14に示すよ
うに、耐熱性絶縁体8の先端部においてイオン検出用電
極44の端面が比較的広い面積を有することを特徴とし
ている。なお、このイオン検出用電極44は、グロープ
ラグを下方から見て略楕円状をなす(図示は省略す
る)。かかる構成においても、本発明の目的を達成する
ことができる。特に本構成では、イオン検出用電極44
が燃焼火炎に晒される面積が広いため、イオン電流をよ
り一層精度良く検出することが可能となる。
【0071】ここで、前記図14のグロープラグの製造
方法の特徴部分について図15,図16を用いて説明す
る。つまり、製造当初において、発熱体7及びイオン検
出用電極44は、MoSi2 粉末とSi3 N4 粉末との
混合物を射出成形することにより図15の形状に成形さ
れる。このとき、図15に示すように、複数個の発熱体
7及びイオン検出用電極44が連結バー28を介して連
結状態で成形される。そして、各々の発熱体7及びイオ
ン検出用電極44を、連結バー28の途中部(図15の
一点鎖線部)にて切断する。
【0072】その後、発熱体7及びイオン検出用電極4
4等を耐熱性絶縁体8にて包囲して1700〜1800
℃にてホットプレスする。そして図16の破線に沿うよ
うにして、セラミック発熱部6の外周部を切削加工する
と、先端が球状で且つ円柱状のセラミック発熱部6が得
られる。このとき、発熱体7はその全体が耐熱性絶縁体
8に埋設されるが、イオン検出用電極44の端面はセラ
ミック発熱部6の先端部において略楕円状に露出するこ
ととなる。
【0073】(第5の実施の形態)図17は、第5の実
施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図であ
る。つまり、上記各実施の形態では、耐熱性絶縁体8の
外周面とイオン検出用電極の露出端面とを同一面として
いたが、本実施の形態では、図17に示すように、イオ
ン検出用電極45を耐熱性絶縁体8の外周面よりも突出
させている。この場合にも、上記各実施の形態と同様
に、本発明の目的を達成することができる。また、かか
る構成によれば、イオン検出用電極45の露出面積が大
きくなるため、イオン電流の検出精度が向上する。な
お、イオン検出用電極45の突出部の形状は、円錐状、
角錐状、円柱状、J字状、逆T字状にする等、任意でよ
く、さらにはその突出電極を複数個設けてもよい。
【0074】(第6の実施の形態)図18,図19は、
第6の実施の形態におけるグロープラグの要部を示す断
面図である。つまり、上記各実施の形態では、発熱体と
イオン検出用電極とを一体成形して電気的に接続するか
(第3の実施の形態以外)、又は共通のリード線を介し
て電気的に接続していた(第3の実施の形態)。これに
対して、本実施の形態では、発熱体とイオン検出用電極
とを別体に形成すると共に、これら両部材(発熱体及び
イオン検出用電極)からそれぞれ別のリード線を取り出
して当該両部材を電気的に接続している。
【0075】図18(a),(b)のグロープラグは、
耐熱性絶縁体8の先端部(球状部)にイオン検出用電極
51を設けた事例を示す。詳細には、図18(a)で
は、U字状の発熱体7の両端からリード線52,53を
取り出すと共に、そのうちの一方のリード線53と前記
イオン検出用電極51から取り出されたリード線54と
を、耐熱性絶縁体8内部にて接続させている。
【0076】また、図18(b)では、発熱体7及びイ
オン検出用電極51と、リード線52〜54との構造は
前記図18(a)と略同様であるが、外部からの信号入
力部が異なる構成となっている。つまり、リード線52
は耐熱性絶縁体8の側面に露出しており、この露出部は
環状の導電体55を介して外部リード線56に接続され
ている。また、リード線53,54は耐熱性絶縁体8端
面に設けられた導電層57により電気的に接続されてい
る。
【0077】一方、図19(a),(b)のグロープラ
グは、耐熱性絶縁体8の側面に環状のイオン検出用電極
61を設けた事例を示す。詳細には、図19(a)で
は、U字状の発熱体7の両端からリード線62,63を
取り出すと共に、そのうちの一方のリード線63と前記
イオン検出用電極61から取り出されたリード線64と
を、耐熱性絶縁体8内部にて接続させている。
【0078】また、図19(b)では、発熱体7及びイ
オン検出用電極61と、リード線62〜64との構造は
前記図19(a)と略同様であるが、外部からの信号入
力部が異なる構成となっている。つまり、リード線62
は耐熱性絶縁体8の側面に露出しており、この露出部は
環状の導電体65を介して外部リード線66に接続され
ている。また、リード線63,64は耐熱性絶縁体8端
面に設けられた導電体67により電気的に接続されてい
る。
【0079】上記図18、図19のいずれの場合にも、
上記各実施の形態と同様に、簡単な構成で且つ精度良く
イオン電流を検出することができると共に、発熱体7の
発熱性能を長期にわたって維持することができ、本発明
における所望の効果を得ることができる。
【0080】(第7の実施の形態)次に、請求項5、8
及び9に記載の発明にかかる第7の実施の形態を説明す
る。つまり、上記第1〜第6の各実施の形態ではいずれ
も、発熱体とイオン検出用電極とを電気的に接続して構
成していたが、本実施の形態では発熱体とイオン検出用
電極とを電気的に絶縁して構成することを特徴とし、こ
うして構成されるグロープラグを用いたイオン電流検出
装置を具体化するものである。
【0081】図20は、本実施の形態におけるグロープ
ラグ1の要部を示す断面図である。同図において、セラ
ミック発熱部6の耐熱性絶縁体8には、発熱体7とイオ
ン検出用電極71とが別体として埋設され、当該発熱部
6の先端にはイオン検出用電極71の一部(先端面)が
露出している。発熱体7の両端に接続された一対のリー
ド線72,73のうち、一方のリード線72は耐熱性絶
縁体8の側面から取り出されてハウジング2に電気的に
接続され、他方のリード線73はハウジング2とは絶縁
されつつ耐熱性絶縁体8の外部に導かれている。また、
イオン検出用電極71に接続されたリード線74は、発
熱体7側のリード線73並びにハウジング2に対して絶
縁されつつ耐熱性絶縁体8の外部に導かれている。
【0082】ここで、上記構成のセラミック発熱部6の
製造過程を図21を用いて簡単に説明する。先ずは前記
各実施の形態と同様にMoSi2 粉末とSi3 N4 粉末
との混合物にバインダーを混練してペースト化し、発熱
体7、イオン検出用電極71、耐熱性絶縁体8を各々に
所望の形状に射出成形する。このとき、耐熱性絶縁体8
は半円柱状に分割形成されており、その間に、前記発熱
体7、発熱体7に接続されたリード線72,73、イオ
ン検出用電極71及びそれに接続されたリード線74が
所定位置、即ち、耐熱性絶縁体8に形成された溝部75
に収容配置される。そして、発熱体7及びイオン検出用
電極71等を耐熱性絶縁体8にて包囲しながら各部材を
組み付けた後に、その一体物を1700〜1800℃に
てホットプレスする。さらにその後、セラミック発熱部
6の外周部を切削加工すると、先端が球状で且つ円柱状
のセラミック発熱部6が得られる。このとき、前記図2
0に示すように、発熱体7はその全体が耐熱性絶縁体8
に埋設されるのに対し、イオン検出用電極71の端面は
セラミック発熱部6の先端部において露出することとな
る。
【0083】次に、上記の如く構成されるグロープラグ
1を用いたイオン電流検出システムを図22を用いて説
明する。同図において、グロープラグ1のハウジング2
はエンジンのシリンダヘッド15に螺着され、同プラグ
1のセラミック発熱部6の先端部は、シリンダヘッド1
5に形成された渦流室17に突出配置されている。渦流
室17には、同室内17に燃料を噴射する燃料噴射ノズ
ル20の先端部が配設されている。
【0084】発熱体7の一方のリード線72は、ハウジ
ング2を介してアースされ、他方のリード線73は、グ
ローリレー76を介して定格12V(ボルト)のバッテ
リ21のプラス側に接続されている。グローリレー76
はECU30からの指令信号に応じてON/OFFさ
れ、通常時はOFF状態に保持されている。つまり、E
CU30からの指令に従いグローリレー76がONされ
ると、発熱体7はバッテリ21からの電力供給により加
熱され、同リレー76がOFFされると、当該加熱状態
が停止されることとなる。
【0085】また、イオン検出用電極71に接続された
リード線74は、イオン電流検出用抵抗26を介して前
記バッテリ21のプラス側に常時接続されている。従っ
て、上記構成によれば、燃料噴射ノズル20による燃料
噴射に伴なう燃料の燃焼毎に、その都度、イオン電流が
検出されることとなる。なお、イオン電流検出用抵抗2
6の抵抗値は500kΩ程度であって、このイオン電流
検出用抵抗26を流れるイオン電流は、当該抵抗26の
両端の電位差として電位差計27により検出されECU
30に入力される。
【0086】以下、図23のフローチャートを用いて、
前記グローリレー76の切り替え処理を説明する。図2
3は、イグニションキーのON操作に伴う電源投入に従
いECU30により実行される。
【0087】さて、図23の処理がスタートすると、E
CU30は、先ずステップ201でエンジン暖機完了後
であるか否かを判別する。エンジン始動当初において
は、ステップ201が否定判別され、ECU30は続く
ステップ202で水温Tw及びエンジン回転数Neを読
み込む。
【0088】その後、ECU30は、ステップ203で
水温Twが所定の暖機完了温度(本実施の形態では、6
0℃)以上であるか否かを判別すると共に、ステップ2
04でエンジン回転数Neが所定回転数(本実施の形態
では、2000rpm)以上に達しているか否かを判別
する。かかる場合、ステップ203,204が共に否定
判別されれば、ECU30は、エンジンの暖機が完了し
ておらず、グロープラグ1(発熱体7)による加熱が必
要であるとみなし、ステップ205に進む。また、ステ
ップ203,204のいずれかが肯定判別されれば、E
CU30は、エンジンの暖機が完了した、或いはグロー
プラグ1(発熱体7)による加熱が不要であるとみな
し、ステップ206に進む。
【0089】ステップ205に進んだ場合、ECU30
は、グローリレー76をON状態とし、その後ステップ
201に戻る。この状態では、グロープラグ1の発熱作
用によって燃料の着火及び燃焼が促進される。また、ス
テップ206に進んだ場合、ECU30は、グローリレ
ー76をON状態からOFF状態に移行させ、その後ス
テップ201に戻る。なお、前記ステップ204が肯定
判別されてステップ206に進む場合とは、例えばレー
シング状態で一時的にエンジン回転数Neが上昇する場
合が考えられ、この場合には、一時的なエンジン回転数
Neの上昇が収まり次第、グローリレー76が再度、O
N状態(発熱体加熱状態)に復帰させられる(ステップ
205)。
【0090】その後、水温Tw≧60℃となりエンジン
暖機が完了するとグローリレー76がOFFされ(ステ
ップ206)、それと共にECU30は、ステップ20
1を肯定判別してステップ207に進む。そして、EC
U30は、ステップ207で、燃料噴射ノズル20によ
る燃料噴射開始のタイミングにおいてイオン電流検出用
抵抗26により検出された電流値Ipを読み込み、続く
ステップ208で当該電流値Ipが所定のしきい値It
h以上であるか否かを判別する。この電流値Ipは、セ
ラミック発熱部6外周に付着したカーボンにより流れる
漏洩電流の値に相当する。
【0091】ステップ208が否定判別された場合(I
p<Ithの場合)、ECU30はステップ201に戻
る。かかる場合、セラミック発熱部6外周にカーボンが
付着していない、又は付着カーボンが許容量以下である
として、グローリレー76がOFF状態のままで保持さ
れる。
【0092】一方、ステップ208が肯定判別されると
(Ip≧Ithの場合)、ECU30はステップ209
に進み、グローリレー76をそれまでのOFF状態から
ON状態(発熱体加熱状態)に移行させる。つまり、ス
テップ208が肯定判別された場合には、セラミック発
熱部6外周に許容量を超えるカーボンが付着していると
考えられる。この場合、付着カーボンに起因してイオン
検出用電極71とアース側(ハウジング2及びシリンダ
ヘッド15側)との間の絶縁抵抗が低下し、漏洩電流が
流れる(Ip≧Ithとなる)。よって、前記付着カー
ボンを焼き切るべく、グローリレー76をONさせて発
熱体7を加熱させる。
【0093】その後、ECU30は、ステップ210で
グローリレー76のON状態を所定時間(本実施の形態
では、2秒間)だけ保持し、続くステップ211でグロ
ーリレー76をOFF状態に復帰させる。そして、再び
ステップ201に戻る。それ以降、ECU30は、ステ
ップ207で漏洩電流を監視しつつ、グローリレー76
を最適状態でON/OFF制御する。
【0094】なお、本実施の形態では、グローリレー7
6により請求項記載のスイッチング手段が構成されてい
る。また、図23のステップ207が請求項記載の漏洩
電流検出手段に相当し、ステップ208〜211が請求
項記載の操作手段に相当する。
【0095】図24は、オシロスコープを用いて燃料燃
焼時に発生するイオン電流を観察した際の電流波形図で
ある。但し、図24の(a)は、セラミック発熱部6外
周にカーボンが付着していない状態について示し、同図
の(b)は、セラミック発熱部6外周にカーボンが付着
した状態について示す。
【0096】図24の(a)において、燃料噴射開始
(同図では、噴射開始に伴う立ち上がりエッジ)の直後
に電圧が急上昇している波形が燃料の燃焼によるイオン
電流波形であり、A点が燃焼の開始位置、即ち着火時期
に相当する。このとき、燃料噴射開始時には、電流値は
略「0」に保持されている。また、このイオン電流波形
には、2つの山が観測される。つまり、燃焼初期には、
拡散火炎帯の活性イオンにより第1の山B11が観測さ
れ、燃焼中後期には筒内圧上昇による再イオン化により
第2の山B12が観測される。
【0097】この場合、ECU30は、イオン電流波形
の第1の山B11から実際の着火時期を検出すると共
に、該検出された実際の着火時期と目標着火時期との差
をなくすべく着火時期のフィードバック制御を実施す
る。また、ECU30は、イオン電流波形の第2の山B
12から異常燃焼、失火等の燃焼状態を検出し、その検
出結果を燃料噴射制御に反映させる。こうしてイオン電
流をエンジンの燃料噴射制御に反映させることにより、
きめ細かくエンジンの運転状態を制御することが可能と
なる。
【0098】一方、図24の(b)においては、燃料噴
射開始のタイミングで許容レベル(しきい値Ith)を
超える漏洩電流が観測される。従って、当該状態では、
発熱体7の発熱作用により付着カーボンの除去が実施さ
れる(前記図23のステップ209〜211が実施され
る)。かかるカーボンの付着状態において、その状態を
放置しておくと、漏洩電流値が次第に大きくなり、やが
て第1の山B11との区別が困難になるおそれがある
が、そのような不都合も回避される。
【0099】ここで、本実施の形態のイオン電流検出シ
ステムは、図25に示すように構成してもよい。図25
の構成では2つの直流電源が設けられており、その一方
は前記発熱体7を加熱するための発熱体加熱用電源77
であり、他方はイオン電流を検出するためのイオン電流
検出用電源78である。この場合、発熱体7の一方のリ
ード線73と発熱体加熱用電源77との間には、グロー
プラグ1の発熱動作をON/OFFするためのグローリ
レー76が配設され、イオン検出用電極71のリード線
74とイオン電流検出用電源78との間には、イオン電
流検出用抵抗26が配設されている。かかる場合にも、
常時、イオン電流が検出されつつ発熱体7の加熱動作が
操作できる。なお、発熱体加熱用電源77としては例え
ば12V(ボルト)の直流電源(一般的な車載バッテ
リ)を用い、イオン電流検出用電源78としては例えば
50V(ボルト)の直流電源を用いている。
【0100】以上、第7の実施の形態によれば、上記各
実施の形態と同様に、非常に簡単な構成であるにもかか
わらず、精度良くイオン電流を検出することができるな
どの効果が得られるのは勿論のこと、その他にも以下に
示す効果が得られる。
【0101】(イ)本実施の形態のグロープラグ1で
は、発熱体7とイオン検出用電極71とを絶縁させて構
成した。この場合、発熱体7とイオン検出用電極71と
は別々の電源経路にて通電されることになるため、発熱
体7を加熱させながらそれと同時にイオン検出用電極7
1によりイオン電流を検出することができる(即ち、燃
焼状態を把握することができる)。
【0102】(ロ)また、本実施の形態では、燃料噴射
開始のタイミングにて漏洩電流としての電流値Ipを検
出し、その電流値Ipが所定のしきい値Ith以上であ
れば一時的に発熱体7を加熱させるようグローリレー7
6を操作するようにした(前記図23のステップ209
〜211)。つまり、漏洩電流としての電流値Ipに基
づいてセラミック発熱部6外周のカーボン付着状態を推
定し、カーボン付着量が許容値を超えるとみなされる状
態であれば、グロープラグ1の発熱作用により付着カー
ボンを焼き切るようにした。その結果、常に所望のイオ
ン電流波形が検出できることとなり、その検出結果を用
いた着火時期検出や失火検出等の処理を精度良く実施す
ることができる。因みにかかる場合にも、イオン電流の
検出動作を中断することなく、カーボンの除去処理を実
施することができるという有利な効果が得られる。
【0103】(ハ)特に本実施の形態では、燃料噴射開
始のタイミングにて漏洩電流(電流値Ip)を検出する
ようにした。つまり、燃料噴射開始のタイミングとは、
ディーゼルエンジンの燃焼室圧力が上昇し、且つ燃料の
燃焼直前の時期に相当する。従って、上記の如くカーボ
ンが付着した状況下では、確実に漏洩電流を検出するこ
とができる。
【0104】なお、本発明は、上記各実施の形態の他に
次の形態にて実現できる。 (1)上記各実施の形態では、発熱体とイオン検出用電
極とを同一組成(同一粒径)の混合物(小径のMoSi
2 粉末と、大径のSi3 N4 粉末との混合物)にて構成
したが、これを変更し、発熱体とイオン検出用電極とを
異なる組成の混合物により構成してもよい。かかる場
合、両部材の組成を変えることにより、発熱体の抵抗値
とイオン検出用電極の抵抗値とが異なる値となる。例え
ばイオン検出用電極に対しては、導電性セラミック粉末
としてのMoSi2 粉末の径を発熱体よりも大きくし
(又は、絶縁性セラミック粉末としてのSi3 N4 粉末
の径を小さくし)、その抵抗値を大きくする。このよう
な作り分けはグロープラグの用途に応じて行われる。
【0105】つまり、イオン電流の検出結果を例えば失
火検出に用いるのであれば、イオン電流の有無だけを判
定すればよいため、イオン検出用電極の抵抗値は比較的
大きくすることができ例えば約5MΩ以下であればよい
(但し、発熱体は1Ω程度)。また、イオン電流の検出
結果を例えば着火時期検出に用いるのであれば、イオン
電流の立ち上がりを瞬時に検出する必要があるのでイオ
ン検出用電極の抵抗はなるべく小さい方が望ましい(5
00kΩ以下が望ましい)。図面で説明すれば、図26
に示すように、イオン検出用電極の抵抗値が大きくなる
ほど、イオン電流の立ち上がりが鈍くなる。
【0106】(2)また、上記各実施の形態では、導電
性セラミック粉末としてのMoSi2 粉末と、絶縁性セ
ラミック粉末としてのSi3 N4 粉末との粒径及び配合
割合を変えることにより、発熱体、イオン検出用電極及
び耐熱性絶縁体を作り分けていたが、これを変更しても
よい。例えば、MoSi2 粉末とSi3 N4 粉末との粒
径だけを変えて前記各部材を作り分けたり、或いはMo
Si2 粉末とSi3 N4 粉末との配合割合だけを変えて
前記各部材を作り分けたりしてもよい。この場合、「M
oSi2 粉末の粒径<Si3 N4 粉末の粒径」とすれば
抵抗値が小さくなって導通部材としての発熱体及びイオ
ン検出用電極が成形でき、「MoSi2粉末の粒径>S
i3 N4 粉末の粒径」とすれば抵抗値が大きくなって絶
縁部材としての耐熱性絶縁体が成形できる。また、各粉
末の配合割合を変更することについて述べれば、MoS
i2 粉末の配合割合が多くなるほど抵抗値が小さくな
り、Si3 N4 粉末の配合割合が多くなるほど抵抗値が
大きくなる。
【0107】(3)上記各実施の形態において、前記グ
ロープラグ1の一端に2つの端子を設け、これにより2
線式のグロープラグを構成してもよい。この場合、導電
線としてのリード線11a,11bは、前記2つの端子
に電気的に接続されることとなる。
【0108】(4)上記第1の実施の形態では、イオン
電流検出システム(図7,8)において発熱体加熱状態
とイオン電流検出状態とを切替えるために2つの2位置
切替スイッチ23,24からなるスイッチ回路25を用
いたが、これを変更してもよい。例えば、大電流を制御
可能な半導体スイッチ(トランジスタ、サイリスタ等)
に変更してもよく、要するに上記2つの状態を切替え可
能な手段であればよい。また、第7の実施の形態におけ
るイオン電流検出システム(図22,25)についても
同様に、スイッチング手段としてのグローリレー76を
半導体スイッチ等にに変更してもよい。
【0109】(5)上記第1の実施の形態では、発熱体
加熱状態とイオン電流検出状態とにおいて共通の直流電
源(車載バッテリ21)を用いたが、2つの直流電源を
用いる構成としてもよい。具体的には、発熱体7を加熱
するための発熱体加熱用電源と、イオン電流を検出する
ためのイオン電流検出用電源とを用意し、例えば発熱体
加熱用電源として12V(ボルト)の直流電源(車載バ
ッテリ)を用い、イオン電流検出用電源として50V
(ボルト)の直流電源を用いる。
【0110】(6)上記第1の実施の形態では、ECU
30が実行する制御プログラム(図9のルーチン)によ
ってスイッチ回路25を動作させ、それにより発熱体加
熱状態とイオン電流検出状態とを切替えるように構成し
ていたが、これを変更してもよい。例えば、エンジン始
動から所定時間(1〜2分程度)だけ発熱体加熱状態と
し、所定時間経過後は、自動的に発熱体加熱状態からイ
オン電流検出状態に切替えるようにしてもよい。また、
上記2つの状態の切替え動作を機械的に行わせるように
してもよい。具体的には、バイメタルとその変形により
動作する切替えスイッチとを採用し、同スイッチの動作
により前記2つの状態を切り替えるように構成してもよ
い。
【0111】(7)上記第6及び第7の実施の形態で記
載したように、発熱体とイオン検出用電極とが別体にて
構成される場合において、イオン検出用電極を下記の
(7−1)〜(7−5)に示す材料にて構成してもよ
い。
【0112】(7−1)高融点金属にてイオン検出用電
極を構成する。因みに、発熱体の加熱温度が1000〜
1200℃であることから、1300℃以上の高融点材
料が望ましい。その具体例としては、 ・Ir,Rh,Ru,Os,Pt等の貴金属、及びその
合金材料を用いる。この場合、前記貴金属が絶縁性セラ
ミック材としての窒化珪素に対し、窒化物や珪化物を生
成しないので、焼結性が良好で、且つ耐久性に優れたイ
オン検出用電極が得られる。 ・貴金属と卑金属との合金を用いる。この場合、イオン
検出用電極の熱膨張係数を容易に調整することができ
る。 ・融点1300℃以上の金属、又はその合金(Ni,C
o,W,Mo,Ti等)を用いる。この場合、イオン検
出用電極を安価に製作できる。また、上記と同様に、焼
結性及び耐久性に優れ、さらに熱膨張係数が容易に調整
可能なイオン検出用電極が得られる。 ・融点1300℃以上の金属、又はその合金(Ni,C
o,W,Mo,Ti等)の粉末と絶縁性セラミック材と
の混合物を用いる。この場合、絶縁体との接合性が良好
なイオン検出用電極が得られる。
【0113】(7−2)導電性セラミック材料にてイオ
ン検出用電極を構成する。その具体例としては、金属の
珪化物、ホウ化物、炭化物、窒化物又はその混合物を使
用する。かかる場合、絶縁性セラミック材とイオン検出
用電極とを同時に焼成できるため、その作業性が向上す
る。併せて、上記導電性セラミック材料と、Al2 O3
,サイアロン(Si3 N4 、Al2 O3 等の化合
物),BN等の絶縁性セラミック材料との混合物を使用
することも可能である。
【0114】(7−3)導電性ガラスにてイオン検出用
電極を構成する。 (7−4)半導体材料(例えば、SiC+Si3 N4 )
にてイオン検出用電極を構成する。この場合、常温では
絶縁体として機能し、高温ではイオン検出用電極として
機能する。
【0115】(7−5)Na,Ca,K,Mgといった
不純物が所定値以下(例えば、0.5%以下)のセラミ
ック材料にてイオン検出用電極を構成する。この場合、
イオン検出用電極の高温強度が増し、熱衝撃等の性能が
向上する。ここで、不純物の含有量と曲げ強度との関連
を示す実験結果を図27〜図29に示す。つまり、図2
7は、温度=1200℃の高温条件下で、Ca,K,N
aの不純物量(%)と曲げ強度(MPa)との関係を示
すグラフであって、同グラフによれば、各々の不純物量
が0.5%以下の場合に十分な曲げ強度(約700MP
a)が得られることが分かる。また、図28は、温度=
1200℃の高温条件下で、Na+Ca+Kの不純物混
合量(%)と曲げ強度(MPa)との関係を示すグラフ
であって、同グラフによれば、不純物混合量が0.5%
以下の場合に十分な曲げ強度(約700MPa)が得ら
れることが分かる。さらに、図29は、不純物量が各
0.1%以下、Ca量が1%、K量が1%、Na量が1
%のそれぞれについて、温度(℃)と曲げ強度(MP
a)との関係を示すグラフであって、同グラフによれ
ば、不純物量を各0.1%以下にした場合が最も曲げ強
度(高温強度)が高く、不純物量を少なくした方が高温
強度が高いことが分かる。
【0116】(8)前記各実施の形態では、イオン検出
用電極を射出成形法にて成形する旨を記載したが、印刷
法にてイオン検出用電極を成形してもよい(発熱部7も
同様に印刷法にて成形してもよい)。また、焼結体とし
て成形された当該電極を耐熱性絶縁体に組み込むように
してもよい。さらに、グロープラグ1の製造方法とし
て、下記の(8−1),(8−2),(8−3)に示す
ような方法を適用してもよい。
【0117】(8−1)図30は、耐熱性絶縁シートを
円柱状に巻回してセラミック発熱部6を作製するように
した製造方法を示す。先ずセラミック材料、樹脂バイン
ダー等からなる原料を混合し、薄板状のシート91を作
製する(図30(a))。次いで、図30(b)に示す
ように、シート91の表面側に、通電性ペーストを用い
たスクリーン印刷により発熱体部92とイオン検出用電
極部93とを成形する。このとき、イオン検出用電極部
93は、U字状をなす発熱体部92の先端より幾分突出
した形状に設けられる。また同様にして、リード線部9
4a,94bを印刷成形する。さらに、図30(b)の
状態において、シート91の表面側に、セラミック材料
と樹脂バインダーとからなるコーティング材料をコート
印刷する。これは、上記発熱体部92やイオン検出用電
極部93等の印刷形成部分とシート表面との間の段差を
なくして平坦化し、後述のシート巻回時にシート91と
中軸部との密着性を向上させるために実施される。な
お、シート91の裏面には、前記リード線部94a,9
4bと導通するように端子部95a,95bを導電性ペ
ーストにより印刷形成しておく。
【0118】その後、前記シート91と同様の材料(セ
ラミック材料、樹脂バインダー等からなる混合材)にて
作製した円柱状の中軸部96を用意し、図30(c)に
示すように、中軸部96をシート91にて巻回する。こ
のとき、前記発熱体部92及びイオン検出用電極部93
が印刷されたシート表面が内側になるようにシート91
が中軸部96に巻き付けられる。この図30(c)の状
態では、シート91の巻回方向の両端面97,98の間
に、軸方向に延びる溝部99が形成される。この溝部9
9は、シート91の巻回方向の幅寸法を中軸部96の外
径寸法よりも小さくすることで形成される。なお、シー
ト91の両端面97,98を接触させた後に、重なり合
った一方の端面を軸方向に沿って切除し、両者間に溝部
99を形成するようにしてもよい。
【0119】その後、図30(d)に示すように、前記
溝部99内にセラミック材料からなる絶縁被覆材100
を充填する。さらに、予備加熱により脱脂処置を施した
後、本加熱を実施してシート91と中軸部96とを一体
的に焼成する。このとき、シート91と中軸部96と
は、焼成収縮のために密着接合されると共に、前記溝部
99の間隙が狭められることになる。そして、前記リー
ド線部94a,94bに接続された端子部95a,95
bにCuメッキ及びNiメッキを施す。最後に、図30
(d)に示す円柱体の先端部を球面状態に研削加工する
と、例えば図2等に示すようなセラミック発熱部6が得
られる。このとき、発熱体7(発熱体部92)はその全
体が耐熱性絶縁体8(シート91及び中軸部96)に埋
設されるのに対し、イオン検出用電極14(イオン検出
用電極部93)の端面はセラミック発熱部6の先端部に
おいて露出することとなる。
【0120】(8−2)図31及び図32は、複数の耐
熱性絶縁材料を積層してセラミック発熱部6を作製する
ようにした製造方法を示す。図31に示すように、本実
施の形態では先ず、薄板状をなす第1の積層材101
と、ほぼ半円柱状をなす第2及び第3の積層材102,
103とが用意される。これら第1〜第3の積層材10
1〜103は、いずれも電気絶縁性のセラミック材料の
生成形体(グリーンシート)であり、セラミック材料、
樹脂バインダー等からなる原料を混合してプレス成形さ
れている。第1の積層材101にはその表面側に、通電
性ペーストを用いたスクリーン印刷により発熱体部10
4とイオン検出用電極部105とが成形されている。こ
のとき、イオン検出用電極部105は、U字状をなす発
熱体部104の先端より幾分突出した形状に設けられて
いる。また同様にして、リード線部106a,106b
が導電性ペーストにより印刷成形されている。
【0121】そして、図32(a)に示すように、上記
第1の積層材101を中央にしてその両面に第2,第3
の積層材102,103を重ね合わせ、これらを予備加
熱により脱脂処置を施した後、本加熱を実施して第1〜
第3の積層材101〜103を一体的に焼成する。その
後、図32(b)に示すように、前記(a)の一体物を
円柱状に研削加工すると共に、図32(c)に示すよう
に、前記リード線部106a,106bの端部にCuメ
ッキ及びNiメッキを施して端子部107とする。最後
に、円柱体の先端部を球面状態に研削加工すると、例え
ば図2等に示すようなセラミック発熱部6が得られる。
このとき、発熱体7(発熱体部104)はその全体が耐
熱性絶縁体8(第1〜第3の積層材101〜103)に
埋設されるのに対し、イオン検出用電極14(イオン検
出用電極部105)の端面はセラミック発熱部6の先端
部において露出することとなる。
【0122】(8−3)図33では、いずれも薄板状を
なす同様の耐熱性絶縁材料(セラミック材料、樹脂バイ
ンダー等の混合材)からなる第1〜第5の積層材111
〜115が用意され、そのうち、中央に配置される第3
の積層材113の表面には、通電性ペーストを用いたス
クリーン印刷により発熱体部116とイオン検出用電極
部117とが成形されている。このとき、イオン検出用
電極部117は、U字状をなす発熱体部116の先端よ
り幾分突出した形状に設けられている。また同様にし
て、リード線部118a,118bが導電性ペーストに
より印刷成形されている。
【0123】そして、第1〜第5の積層材111〜11
5を重ね合わせ、これらを予備加熱により脱脂処置を施
した後、本加熱を実施して第1〜第5の積層材111〜
115を一体的に焼成する。その後、上記積層材の一体
物を円柱状に研削加工すると共に、その先端部を球面状
態に研削加工すると、例えば図2等に示すようなセラミ
ック発熱部6が得られる。このとき、発熱体7(発熱体
部116)はその全体が耐熱性絶縁体8(第1〜第5の
積層材111〜115)に埋設されるのに対し、イオン
検出用電極14(イオン検出用電極部117)の端面は
セラミック発熱部6の先端部において露出することとな
る。かかる(8−3)の実施の形態によれば、最初に用
意する複数の耐熱性絶縁材がいずれも同様のシート材で
よいため、例えば前記(8−2)の実施の形態に比べて
予め用意しておく耐熱性絶縁材料の汎用性が向上するこ
とになる。
【0124】これら(8−1),(8−2),(8−
3)の製造方法によっても、既述した特有な構成を有し
且つ優れたイオン電流検出機能を備えたグロープラグ1
を製造することができ、その製造過程において煩雑な工
程が強いられるといった不都合が回避できる。
【0125】なお因みに、既述したセラミック発熱体6
の製造過程において、最初に略円柱状の部材を作製し、
その部材の先端を球面状態に研削加工するようにしてい
たものに対しても、最初に直方体やその他の立方体を作
製した後に、先端が球面で且つ円柱状のセラミック発熱
体6を研削加工するようにその製造方法を変更してもよ
い。また、上記(8−2),(8−3)の製造方法にお
いて、耐熱性絶縁材料からなる積層材の枚数は任意でよ
く、これら複数の積層材のうちほぼ中央に配置される積
層材に発熱体及びイオン検出用電極を設ける構成であれ
ばよい。さらに、上記製造方法において、発熱体部とイ
オン検出用電極とを別体で設けてもよく、要は、最後の
研削加工後にイオン検出用電極が露出するように作製で
きるものであればよい(発熱体部とイオン検出用電極と
を別体に設ける場合には、それらを設ける積層材を別々
にしてもよい)。
【0126】(9)上記各実施の形態では、オールセラ
ミックタイプのグロープラグについて記述したが、グロ
ープラグの構成を変更してもよい。例えば、発熱体とし
てのコイル状の金属線(例えば、タングステン線)をセ
ラミック材料からなる耐熱性絶縁体に埋設し、その金属
線の一部に、燃焼火炎に晒されるイオン検出用電極を電
気的に接続する。この場合にも、イオン電流検出機能を
兼ね備えた安価なグロープラグを提供することができ
る。また、発熱体の発熱性能も長期にわたって維持でき
る。
【0127】(10)上記第7の実施の形態では、燃料
噴射開始のタイミングで漏洩電流(電流値Ip)を検出
したが(図23のステップ207)、これを変更しても
よい。例えば、燃料噴射時期内であって、その開始時以
外のタイミングで漏洩電流を検出したり、TDC前の所
定クランク角にて漏洩電流を検出したりするようにして
もよい。この所定クランク角は、回転数センサ32の検
出信号から求められる所定番号のパルス出力タイミング
として与えられる。要するに、グロープラグ外周にカー
ボンが付着した場合、露出電極とアース側との絶縁抵抗
は燃焼室内での圧力に依存する。そのため、漏洩電流の
検出時期は、燃料の着火前であって筒内圧の高い状態、
即ち圧縮行程時であればよい。但し、グロープラグ外周
に多量のカーボンが付着した場合には、いずれのタイミ
ングにおいても漏洩電流が観測されるため、望ましくは
上記の如く圧縮行程で漏洩電流を検出することとする
が、これに限定されるものではない。
【0128】(11)また、上記第7の実施の形態で
は、図23のステップ210において、予め設定されて
いる所定時間(2秒間)だけグローリレー76をON状
態(発熱体加熱状態)で保持させたが、この保持時間を
可変設定するようにしてもよい。例えば図23のステッ
プ207で読み込まれた電流値Ipに応じてON状態の
保持時間を設定するようにしてもよい。一例としては、
電流値Ip(漏洩電流)が大きくなるほど保持時間が長
くなるように設定する。この場合、付着カーボンをより
一層確実に除去することができる。
【0129】(12)上記第7の実施の形態におけるイ
オン電流検出システム(図22)において、破線枠で示
す位置に定電流・定電圧回路80を設けてもよい。この
場合、発熱体加熱状態下(グローリレー76がONの状
態下)においてイオン検出用電極71に印加される電圧
が降下するといった不具合が回避できる。その結果、安
定した検出精度が確保できる。また、上記のように定電
流・定電圧回路80を追加しただけであるので、煩雑な
回路構成が強いられることはなく、コスト高騰を招くこ
ともない。
【0130】(13)上記各実施の形態では、渦流室を
有するディーゼルエンジンの燃焼室内における燃焼イオ
ンを検出するイオン電流検出装置に本発明のグロープラ
グを適用したが、燃料を燃焼室内に直接噴射する、いわ
ゆる直噴型エンジンに本発明のグロープラグを適用して
もよい。また、他の装置に本グロープラグを適用するこ
ともできる。例えば、ガソリンエンジンの排気管中で未
燃燃料を燃焼させる装置において、その未燃燃料の燃焼
に伴う燃焼イオンを本発明のグロープラグにより検出す
ることも可能である。この場合、当該装置により検出さ
れたイオン電流から未燃燃料の燃焼状態が判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるグロープラグの概要
を示す全体構成図。
【図2】第1の実施の形態におけるグロープラグの要部
を拡大して示す断面図。
【図3】グロープラグの製造手順を示す説明図。
【図4】グロープラグの製造手順を示す説明図。
【図5】グロープラグの製造手順を示す説明図。
【図6】グロープラグの製造手順を示す説明図。
【図7】イオン電流検出システムの概要を示すものであ
って、発熱体加熱状態を示す構成図。
【図8】イオン電流検出システムの概要を示すものであ
って、イオン電流検出状態を示す構成図。
【図9】スイッチ回路の切り替え処理を示すフローチャ
ート。
【図10】イオン電流波形の一例を示す図。
【図11】グロープラグの発熱特性を示す線図。
【図12】第2の実施の形態におけるグロープラグの要
部を拡大して示す断面図。
【図13】第3の実施の形態におけるグロープラグの要
部を拡大して示す断面図。
【図14】第4の実施の形態におけるグロープラグの要
部を拡大して示す断面図。
【図15】第4の実施の形態におけるグロープラグの製
造手順を示す説明図。
【図16】第4の実施の形態におけるグロープラグの製
造手順を示す説明図。
【図17】第5の実施の形態におけるグロープラグの要
部を拡大して示す断面図。
【図18】第6の実施の形態におけるグロープラグの要
部を拡大して示す断面図。
【図19】第6の実施の形態におけるグロープラグの要
部を拡大して示す断面図。
【図20】第7の実施の形態におけるグロープラグの要
部を拡大して示す断面図。
【図21】第7の実施の形態におけるグロープラグの製
造手順を示す説明図。
【図22】第7の実施の形態におけるイオン電流検出シ
ステムの概要を示す構成図。
【図23】グローリレーの切り替え処理を示すフローチ
ャート。
【図24】イオン電流波形の一例を示す図。
【図25】第7の実施の形態において、他のイオン電流
検出システムの概要を示す構成図。
【図26】イオン検出用電極の抵抗値とイオン電流波形
との関係を説明するための図。
【図27】温度=1200℃の高温条件下で、Ca,
K,Naの不純物量と曲げ強度との関係を示すグラフ。
【図28】温度=1200℃の高温条件下で、Na+C
a+Kの不純物混合量と曲げ強度との関係を示すグラ
フ。
【図29】不純物量が各0.1%以下、Ca量が1%、
K量が1%、Na量が1%のそれぞれについて、温度と
曲げ強度との関係を示すグラフ。
【図30】他の実施の形態において、グロープラグの製
造手順を説明するための斜視図。
【図31】他の実施の形態において、グロープラグの製
造手順を説明するための斜視図。
【図32】他の実施の形態において、グロープラグの製
造手順を説明するための斜視図。
【図33】他の実施の形態において、グロープラグの製
造手順を説明するための斜視図。
【符号の説明】
1…グロープラグ、7…発熱体、8…耐熱性絶縁体、9
a,9b,11a,11b…リード線、14…イオン検
出用電極、17…燃焼室をなす渦流室、26…イオン電
流検出用抵抗、30…漏洩電流検出手段及び操作手段を
構成するECU(電子制御装置)、41,42,44,
45,51,61,71…イオン検出用電極、43,5
2〜54,62〜64,72,73…リード線、76…
スイッチング手段としてのグローリレー、91…耐熱性
絶縁シート材をなすシート、92,104,116…発
熱体部、93,105,117…イオン検出用電極部、
96…耐熱性絶縁中軸部をなす中軸部、101〜10
3,111〜115…積層材。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】燃料を燃焼させるための燃焼室内に一部が
    晒されたグロープラグであって、 耐熱性絶縁体と、 前記耐熱性絶縁体に埋設され、一対のリード線によって
    通電加熱される発熱体と、 同じく前記耐熱性絶縁体に埋設されると共に、一部が前
    記燃焼室内で発生する火炎に晒され、火炎中のイオン化
    の状態を検出するためのイオン検出用電極とを備えるこ
    とを特徴とするグロープラグ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のグロープラグにおいて、 前記発熱体と前記イオン検出用電極とは電気的に接続さ
    れているものであることを特徴とするグロープラグ。
  3. 【請求項3】前記発熱体と前記イオン検出用電極とが一
    体成形されている請求項2に記載のグロープラグ。
  4. 【請求項4】前記発熱体と前記イオン検出用電極との間
    には、リード線が介在されている請求項2に記載のグロ
    ープラグ。
  5. 【請求項5】請求項1に記載のグロープラグにおいて、 前記発熱体と前記イオン検出用電極とは絶縁されている
    ものであることを特徴とするグロープラグ。
  6. 【請求項6】前記イオン検出用電極の少なくとも前記火
    炎に晒される箇所は導電性セラミック材料よりなる請求
    項1〜5のいずれかに記載のグロープラグ。
  7. 【請求項7】発熱体とイオン検出用電極とは、異なる組
    成の混合物、或いは異なる粒径の粉体からなる混合物を
    用いて作り分けられている請求項1〜6のいずれかに記
    載のグロープラグ。
  8. 【請求項8】請求項5に記載のグロープラグを用いて燃
    料燃焼時に発生するイオン電流を検出するイオン電流検
    出装置であって、 前記発熱体への通電状態をオン・オフするスイッチング
    手段と、 燃料燃焼前の所定時期に前記イオン検出用電極より流れ
    る漏洩電流を検出する漏洩電流検出手段と、 前記漏洩電流検出手段により検出された漏洩電流が所定
    のしきい値よりも大きければ、一時的に前記発熱体を通
    電させるよう前記スイッチング手段を操作する操作手段
    とを備えることを特徴とするイオン電流検出装置。
  9. 【請求項9】前記漏洩電流検出手段は、前記燃焼室内の
    圧力上昇時に漏洩電流を検出するものである請求項8に
    記載のイオン電流検出装置。
  10. 【請求項10】一対のリード線によって通電加熱される
    発熱体、及び燃焼火炎中のイオン化の状態を検出するた
    めのイオン検出用電極を生成する工程と、 前記発熱体及びイオン検出用電極を耐熱性絶縁体にて包
    囲し、それを所定温度にてホットプレスする工程と、 前記耐熱性絶縁体の一部を切削加工し、前記イオン検出
    用電極を外部に露出させる工程とからなることを特徴と
    するグロープラグの製造方法。
  11. 【請求項11】一対のリード線によって通電加熱される
    発熱体、及び燃焼火炎中のイオン化の状態を検出するた
    めのイオン検出用電極を薄板状の耐熱性絶縁シート材に
    設ける工程と、 前記シート材を棒状の耐熱性絶縁中軸部に巻き付ける工
    程と、 前記耐熱性絶縁シート材及び耐熱性中軸部を加熱処理す
    る工程と、 前記耐熱性絶縁シート材及び耐熱性中軸部の一部を切削
    加工し、前記イオン検出用電極を外部に露出させる工程
    とからなることを特徴とするグロープラグの製造方法。
  12. 【請求項12】耐熱性絶縁材料からなる複数の積層材を
    用意し、そのうち特定の積層体に、一対のリード線によ
    って通電加熱される発熱体、及び燃焼火炎中のイオン化
    の状態を検出するためのイオン検出用電極を設ける工程
    と、 前記発熱体及びイオン検出用電極を設けた積層材がほぼ
    中央になるように、前記複数の積層材を重ね合わせる工
    程と、 前記重ね合わせた複数の積層材を加熱処理する工程と、 前記重ね合わせた複数の積層材の一部を切削加工し、前
    記イオン検出用電極を外部に露出させる工程とからなる
    ことを特徴とするグロープラグの製造方法。
JP05624197A 1996-04-10 1997-03-11 グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法 Expired - Lifetime JP3704869B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05624197A JP3704869B2 (ja) 1996-06-10 1997-03-11 グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法
US08/973,799 US6483079B2 (en) 1996-04-10 1997-04-10 Glow plug and method of manufacturing the same, and ion current detector
EP97915709A EP0834652B1 (en) 1996-04-10 1997-04-10 Glow plug, its production process and ion current detector
PCT/JP1997/001254 WO1997038223A1 (fr) 1996-04-10 1997-04-10 Bougie de prechauffage, son procede de fabrication, et detecteur de courant ionique

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14713296 1996-06-10
JP8-147132 1996-06-10
JP22860496 1996-08-29
JP8-228604 1996-08-29
JP05624197A JP3704869B2 (ja) 1996-06-10 1997-03-11 グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10122114A true JPH10122114A (ja) 1998-05-12
JP3704869B2 JP3704869B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=27295854

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05624197A Expired - Lifetime JP3704869B2 (ja) 1996-04-10 1997-03-11 グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3704869B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6215105B1 (en) * 1999-08-18 2001-04-10 Delphi Technologies, Inc. Ion sensor glow plug assembly with coating between sheath and shell
US6248980B1 (en) * 1999-08-19 2001-06-19 Delphi Technologies, Inc. Ion sensor glow plug assembly
EP1113225A2 (en) 1999-12-08 2001-07-04 Ngk Spark Plug Co., Ltd Glow plug
US6285007B1 (en) * 1999-08-18 2001-09-04 Delphi Technologies, Inc. Ion sensor glow plug assembly
US6414273B1 (en) * 2000-03-22 2002-07-02 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Glow plug control apparatus, glow plug, and method of detecting ions in engine combustion chamber
US6646231B2 (en) 2001-04-02 2003-11-11 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Ceramic heater and its manufacturing method, glow plug and ion current detecting device
WO2007020730A1 (ja) * 2005-08-18 2007-02-22 Isuzu Motors Limited グロープラグ通電システム、これに用いるグロープラグ及びグロープラグ制御器
JP2009167817A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Toyota Motor Corp グロープラグの制御装置
JP2018081794A (ja) * 2016-11-15 2018-05-24 日本特殊陶業株式会社 セラミックヒータおよびグロープラグ
CN114935423A (zh) * 2022-04-11 2022-08-23 哈尔滨工程大学 一种柴油机喷嘴位置最高爆压在线检测装置及方法

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6215105B1 (en) * 1999-08-18 2001-04-10 Delphi Technologies, Inc. Ion sensor glow plug assembly with coating between sheath and shell
US6285007B1 (en) * 1999-08-18 2001-09-04 Delphi Technologies, Inc. Ion sensor glow plug assembly
US6248980B1 (en) * 1999-08-19 2001-06-19 Delphi Technologies, Inc. Ion sensor glow plug assembly
EP1113225A2 (en) 1999-12-08 2001-07-04 Ngk Spark Plug Co., Ltd Glow plug
US6326595B2 (en) 1999-12-08 2001-12-04 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Glow plug with glass coating over ion detection electrode
US6414273B1 (en) * 2000-03-22 2002-07-02 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Glow plug control apparatus, glow plug, and method of detecting ions in engine combustion chamber
US6646231B2 (en) 2001-04-02 2003-11-11 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Ceramic heater and its manufacturing method, glow plug and ion current detecting device
WO2007020730A1 (ja) * 2005-08-18 2007-02-22 Isuzu Motors Limited グロープラグ通電システム、これに用いるグロープラグ及びグロープラグ制御器
JP2009167817A (ja) * 2008-01-11 2009-07-30 Toyota Motor Corp グロープラグの制御装置
JP2018081794A (ja) * 2016-11-15 2018-05-24 日本特殊陶業株式会社 セラミックヒータおよびグロープラグ
CN114935423A (zh) * 2022-04-11 2022-08-23 哈尔滨工程大学 一种柴油机喷嘴位置最高爆压在线检测装置及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3704869B2 (ja) 2005-10-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3605965B2 (ja) グロープラグ
EP0834652B1 (en) Glow plug, its production process and ion current detector
JP3796846B2 (ja) グロープラグ
JP4068309B2 (ja) ヒータ及びその製造方法
JP3704869B2 (ja) グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法
JP2001165440A (ja) グロープラグ及びその製造方法
JP3674231B2 (ja) グロープラグ及びその製造方法
JP3834889B2 (ja) グロープラグ
JP3605990B2 (ja) イオン電流検出装置及びそれに用いられるグロープラグ
JPH10110952A (ja) グロープラグ
US6949717B2 (en) Plug heater for a pencil-type glow plug and corresponding glow plug
US6497808B1 (en) Gas sensor
JP3785699B2 (ja) グロープラグ
JPH10110950A (ja) グロープラグ及びその製造方法
JP3794158B2 (ja) イオン電流検出用グロープラグ
JP3823393B2 (ja) グロープラグ
JP3785698B2 (ja) グロープラグ
JP3605989B2 (ja) イオン電流検出装置
JP3785696B2 (ja) グロープラグ
JP3814873B2 (ja) イオン電流検出装置
JP3823394B2 (ja) グロープラグ
JP2002013735A (ja) グロープラグ
JP3785697B2 (ja) グロープラグ
JP2002349853A (ja) グロープラグ
JP3651008B2 (ja) セラミックグロープラグ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040914

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050718

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080805

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110805

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120805

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130805

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term