JP3704869B2 - グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法 - Google Patents

グロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料の着火・燃焼を促進するためのグロープラグ、そのグロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガソリンエンジンのみならずディーゼルエンジンにおいても環境保護の面から、機関から排出される排気ガスや排気煙をより一層低減させることが要望されている。そして、こうした要望に応えるべく、各種のエンジン改良や後処理(触媒等)による排出ガス低減、燃料・潤滑油性状の改善、各種のエンジン燃焼制御システムの改善などが検討されている。
【0003】
また、上記検討事項に関連して、最近のエンジン燃焼制御システムにおいてはエンジン運転中の燃焼状態を検出することが要請されており、筒内圧、燃焼光、イオン電流等を検出することによってエンジン燃焼状態を検出することが検討されている。特に、イオン電流によりエンジン燃焼状態を検出することは、燃焼に伴う化学反応を直接的に観察できることから極めて有用と考えられており、種々のイオン電流検出方法が提案されている。
【0004】
特開平7−259597号公報には、燃料噴射ノズルの取り付け座部において、当該噴射ノズル及びエンジンのシリンダヘツドから絶縁されたスリーブ状の電極を装着し、その電極を外部の検出回路に接続することにより燃料の燃焼に伴うイオン電流を検出する方法が開示されている。
【0005】
また、米国特許第4,739,731号では、セラミックグロープラグを用いたイオン電流検出用センサが開示されている。つまり、かかる技術では、セラミックグロープラグのヒータ(発熱体)表面に白金製の導電層を取着すると共に、この導電層を燃焼室及びグロープラグ取付金具から絶縁している。そして、導電層に外部からのイオン電流測定用電源(直流250V)を印加して燃料燃焼に伴うイオン電流を検出するようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来技術においては、いずれも以下に示す問題を招来する。
つまり、前者の技術(特開平7−259597号公報)では、イオン検出のために他の部位より絶縁されたスリーブ状の電極を設置しなくてはならず、同電極の材料の用意及びその加工において煩雑な作業が強いられる。そのため、イオン電流検出用の電極が非常に高価な構成となるという問題があった。さらに、燃料噴射ノズルと電極との間、及び電極とシリンダヘツドとの間が燃焼室内にて発生するカーボンにより短絡し、早期に使用不能となるという欠点があった。
【0007】
また、後者の技術(米国特許第4,739,731号)では、イオン電流を検出する電極を発熱体とは別に発熱体上に設けると共に、当該電極及び発熱体を別々の電源に接続していたために構造が複雑になるという欠点があった。それに加えて、電極の耐熱性及び耐消耗性を確保するために白金など高価な貴金属を多量に必要とすることから、グロープラグ自体が非常に高価なものとなる欠点があった。さらに、上記センサの場合には、電極の略全体が燃焼室内に晒され、且つ、ハウジングと電極との間隔が狭い。そのため、電極へのカーボンの付着により当該電極とハウジングとの間が導通(短絡)され、結果としてイオン電流の誤検出を招くという問題を生じる。
【0008】
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、簡単な構成で且つ精度良くイオン電流が検出できるグロープラグ、グロープラグを用いたイオン電流検出装置、及びグロープラグの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、上記課題を解決するために、請求項1に記載のグロープラグは、耐熱性絶縁体と、前記耐熱性絶縁体に埋設され、一対のリード線によって通電加熱される発熱体と、同じく前記耐熱性絶縁体に埋設されると共に、一部が前記燃焼室内で発生する火炎に晒され、その火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極とを備えることを特徴としている。
【0010】
この場合、グロープラグの発熱体は、当該発熱体の加熱時において、その加熱作用により燃焼室での燃料の着火及び燃焼を促進させる役割をなす。また、耐熱性絶縁体に埋設されたイオン検出用電極は、燃焼火炎中のイオン化の状態を検出する。即ち、イオン電流の検出時において、イオン検出用電極とそれに近接する燃焼室の内壁とは、両者間に存在する燃料燃焼時のプラス及びマイナスイオンを捕獲するための2電極を形成する。上記構成によれば、非常に簡単な構成であるにもかかわらず、精度良くイオン電流を検出することができ、その情報を燃焼制御に有用に活用することが可能となる。また、グロープラグにイオン電流検出機能を付与することにより、安価なイオン電流検出用センサを提供することができる。
【0011】
また、本グロープラグでは、イオン検出用電極の大部分が耐熱性絶縁体に埋設され、その一部のみが外部に露出しているため、グロープラグ外周に若干量のカーボンが付着したとしても従来技術(米国特許第4,739,731号)のように電極とハウジング(燃焼室の内壁側)との間が導通されてイオン電流が誤検出されるといった不具合が生じにくくなる。なおより望ましくは、イオン検出用電極の露出部をグロープラグ先端に設けて、当該露出部とハウジング(燃焼室の内壁側)とをできるだけ離間させるとよい。
【0012】
なお、グロープラグの外周にはその使用に伴って多少のカーボンが付着すると考えられるが、その付着カーボンは発熱体の加熱動作(例えば、エンジンの低温始動時におけるグロー動作)によって焼き切られる。その結果、イオン電流の検出に際しても長期にわたってその検出性能を維持することができる。
【0013】
さらに、発熱体自体は、耐熱性絶縁体の内部に埋設されているため、抵抗値の低下等による発熱特性の変化を招くことはなく、長期にわたって高い発熱性能を維持することができる。つまり、発熱体が酸化により消耗することがないため、その断面積が一定に保持されると共に、その抵抗値の変化を生ずることもない。さらに、燃焼室内での熱的衝撃等に起因して発熱体が破損する等の不具合も回避できる。
【0014】
本発明のグロープラグにおいて、発熱体とイオン検出用電極とは次のように構成される。請求項2に記載の発明では、前記発熱体と前記イオン検出用電極とを電気的に接続させて構成している。さらにより具体的には、請求項3に記載の発明では、前記発熱体と前記イオン検出用電極とを一体成形するのに対し、請求項4に記載の発明では、前記発熱体と前記イオン検出用電極との間に、リード線を介在させている。請求項2〜4のいずれの場合においても、既述の通り発熱体の発熱性能を長期にわたって維持すると共に、イオン電流検出性能を維持することができる。なお、製造工程上の観点から見れば、請求項3に記載の構成が最も簡便にグロープラグを製造することができると言える。
【0015】
また、請求項5に記載のグロープラグでは、前記発熱体と前記イオン検出用電極とを絶縁させて構成している。この場合、発熱体とイオン検出用電極とは別々の電源経路にて通電されることになるため、発熱体を加熱させながらそれと同時にイオン検出用電極によりイオン電流を検出することができる(即ち、常に燃焼状態を把握することができる)。
【0016】
請求項6に記載の発明では、前記イオン検出用電極の少なくとも前記火炎に晒される箇所を導電性セラミック材料により構成している。この場合、イオン検出用電極が高温な燃焼ガスに晒されても、当該電極の酸化消耗が最小限に抑えられる。そのため、グロープラグによるイオン電流検出性能の耐久性がより一層向上する。
【0017】
請求項7に記載の発明では、発熱体とイオン検出用電極とを、異なる組成の混合物、或いは異なる粒径の粉体からなる混合物を用いて作り分けている。かかる場合、上記の如く作り分けを行うことによって、発熱体とイオン検出用電極との抵抗値が相違することとなり、用途に応じたグロープラグ(イオン電流検出用センサ)を提供することができる。つまり、イオン電流の検出結果を例えば失火検出に用いるのであれば、イオン電流の有無だけを判定すればよいため、イオン検出用電極の抵抗値は比較的大きくすることができ例えば約5MΩ以下であればよい(但し、発熱体は1Ω程度)。また、イオン電流の検出結果を例えば着火時期検出に用いるのであれば、イオン電流の立ち上がりを瞬時に検出する必要があるのでイオン検出用電極の抵抗はなるべく小さい方が望ましい(500kΩ以下が望ましい)。
【0018】
他方、上記のグロープラグはそれ自体、若干量のカーボンが付着してもイオン検出用電極とハウジング(燃焼室の内壁側)とが導通しにくい構成である旨を記載したが、長期の使用に際してはカーボンの付着及び堆積が生じ、それが問題となりうる。そこで、請求項8のイオン電流検出装置では、発熱体による加熱動作とイオン検出用電極によるイオン電流検出動作とが同時に実施できる請求項5のグロープラグを用い、イオン電流検出状態を継続したまま、付着カーボンを除去する構成を提案している。詳細には、発熱体への通電状態をオン・オフするスイッチング手段と、燃料燃焼前の所定時期にイオン検出用電極より流れる漏洩電流を検出する漏洩電流検出手段と、該検出された漏洩電流が所定のしきい値よりも大きければ、一時的に前記発熱体を通電させるようスイッチング手段を操作する操作手段とを備える。
【0019】
要するに、燃焼室内においてグロープラグ外周部にカーボンが付着すると、イオン検出用電極の露出部とハウジング側との導通により絶縁抵抗が低下して漏洩電流が流れ、所望のイオン電流波形が得られない。即ち、図24の(b)に示すように、本来のイオン電流波形に先立って漏洩電流が流れる(図24のA点以前)。これに対し、本発明では、所定時期において漏洩電流を検出し(図24では、燃料噴射のタイミング)、この漏洩電流に基づいてグロープラグ外周のカーボン付着状態を推定する。そして、こうしたカーボン付着状態であれば、発熱体を加熱させて付着カーボンを焼き切るようにしている。以上の構成により、常に所望のイオン電流波形(例えば、図24の(a)に示す波形)が検出できることとなり、その検出結果を用いた着火時期検出や失火検出等の処理を精度良く実施することができる。
【0020】
因みに、グロープラグ外周にカーボンが付着した場合、イオン検出用電極とハウジング側との間の絶縁抵抗は燃焼室内での圧力に依存し、圧力上昇時に絶縁抵抗が低下して漏洩電流が流れ易くなる。そこで、請求項9に記載した発明では、燃焼室内の圧力上昇時に漏洩電流を検出するようにしている。この場合、漏洩電流の有無を確実に検出することができる。この圧力上昇時とは、例えばディーゼルエンジンにおける圧縮行程時に相当する。なお、かかるタイミングとして、燃焼室内への燃料噴射のタイミングに対応して漏洩電流を検出するようにしてもよい。つまり、燃料噴射のタイミングとは、例えばディーゼルエンジンにおいては燃焼室圧力が上昇し、且つ燃料の燃焼直前の時期に相当する。従って、上記の如くカーボンが付着した状況下では、より一層確実に漏洩電流を検出することができる。
【0021】
請求項10に記載の発明はグロープラグの製造方法に関するものであって、その製造時には、先ず発熱体及びイオン検出用電極を生成し、次に、発熱体及びイオン検出用電極を耐熱性絶縁体にて包囲すると共に、それを所定温度にてホットプレスする。さらに、前記耐熱性絶縁体の一部を切削加工し、前記イオン検出用電極を外部に露出させる。上記製造方法によれば、特に煩雑な製造工程を要することもなく上記特有な構成を有するグロープラグが作製でき、既述の優れたイオン電流検出機能を備えたグロープラグが簡便な製造方法にて提供できるようになる。
【0022】
また、グロープラグの製造方法にかかる発明は、次の請求項11及び請求項12に記載するようにしてもよい。これら請求項の製造方法によっても、既述した特有な構成を有し且つ優れたイオン電流検出機能を備えたグロープラグを製造することができ、その製造過程において煩雑な工程が強いられることもない。
【0023】
つまり、請求項11に記載の発明では、発熱体及びイオン検出用電極を薄板状の耐熱性絶縁シート材に設け、そのシート材を棒状の耐熱性絶縁中軸部に巻き付ける。そして、耐熱性絶縁シート材及び耐熱性中軸部を加熱処理した後、耐熱性絶縁シート材及び耐熱性中軸部の一部を切削加工してイオン検出用電極を外部に露出させるようにしている。
【0024】
一方、請求項12に記載の発明では、耐熱性絶縁材料からなる複数の積層材を用意し、そのうち特定の積層体に発熱体及びイオン検出用電極を設ける。そして、発熱体及びイオン検出用電極を設けた積層材がほぼ中央になるように、複数の積層材を重ね合わせ、その重ね合わせた複数の積層材を加熱処理する。さらに、前記重ね合わせた複数の積層材の一部を切削加工し、イオン検出用電極を外部に露出させるようにしている。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、ディーゼルエンジンの始動補助装置として用いられるセラミックグロープラグ(以下、単にグロープラグという)に本発明を具体化した第1の実施の形態を図面に従って説明する。つまり、本実施の形態のグロープラグは、ディーゼルエンジンのシリンダヘッドに形成された燃焼室(渦流室)に設けられるものであって、その一部が燃焼室内に晒されるようになっている。そして、同グロープラグは、エンジンの低温始動時において、燃料噴射ノズルより噴射される燃料の着火及び燃焼を促進させる役割をなす。また、本実施の形態におけるグロープラグは、上記の始動補助機能に加えて、燃料燃焼時の燃焼火炎帯に存在する活性イオンを検出する役割をもなす。
【0026】
ここで、図1には、本実施の形態におけるグロープラグ1の全体構成を示す。同図において、グロープラグ1は略円筒状をなす金属製のハウジング2を有しており、このハウジング2の外周面には当該グロープラグ1を後述するシリンダヘッドに取り付けるための雄ねじ部3及び六角部4が形成されている。ハウジング2の上部には、管状のプロテクションチューブ5が溶着されている。
【0027】
また、前記ハウジング2にはセラミック発熱部6が保持されており、このセラミック発熱部6は、導電性を有するU字状の発熱体7と、絶縁性を有する耐熱性絶縁体8と、前記発熱体7に一体成形されたイオン検出用電極14と、前記発熱体7の両端に接続されると共に前記絶縁体8に埋設された2本のタングステンリード線9a,9bとから構成されている。
【0028】
詳しくは、前記発熱体7はその大部分が耐熱性絶縁体8内に埋設され、強固に保持されるものであるが、図2の要部拡大図に示すように、発熱体7先端に形成されたイオン検出用電極14の端面は、耐熱性絶縁体8の外周面と同一面上に設けられている。この場合、発熱体7とイオン検出用電極14とは一体的に成形されているため、両部材7,14は常に電気的に接続された状態となっている。かかる構成において、発熱体7の露出部と後述するディーゼルエンジンの渦流室17(破線部)の内壁とは、イオン電流を検出するための対向電極を形成する。
【0029】
また、図1において、前記各タングステンリード線9a,9bの上端には、耐熱性絶縁体8内に埋め込まれた導電性チップ10a,10bが接続されており、導電性チップ10a,10bには各々にリード線11a,11bが接続されている。これら2本のリード線11a,11bがグロープラグ1の外部信号入力線となっている。なお、前記ハウジング2及びプロテクションチューブ5と、リード線11a,11bとの間は、絶縁チューブ12及びゴムブッシュ13により電気的に絶縁されている。リード線11a,11bは、ゴムブッシュ13と共にプロテクションチューブ5のカシメ締め付け力により固定されている。
【0030】
以下に、セラミック発熱部6の詳細な構成について説明する。つまり、セラミック発熱部6の発熱体7、イオン検出用電極14及び耐熱性絶縁体8は、いずれも導電性セラミック粉末(本実施の形態では、珪化モリブデンMoSi2 粉末)と絶縁性セラミック粉末(本実施の形態では、窒化珪素Si3 N4 粉末)との混合物よりなる焼結体にて構成されている。但し、発熱体7及びイオン検出用電極14ではMoSi2 粉末の平均粒径がSi3 N4 粉末のそれよりも小さく、耐熱性絶縁体8ではMoSi2 粉末の平均粒径がSi3 N4 粉末のそれと同じ若しくはそれよりも大きくしてある。即ち、各粉体の粒径を変更することにより発熱体7及びイオン検出用電極14と、耐熱性絶縁体8とを作り分けるようにしている。また、発熱体7及びイオン検出用電極14と、耐熱性絶縁体8とについて、MoSi2 粉末とSi3 N4 粉末との配合割合が変えられている。
【0031】
より具体的な数値を示せば、発熱体7及びイオン検出用電極14ではMoSi2 粉末の平均粒径が1〜3μm、Si3 N4 粉末の平均粒径が10〜20μmであり、耐熱性絶縁体8ではMoSi2 粉末の平均粒径が約1.1μm、Si3 N4 粉末の平均粒径が約0.7μmとなっている。また、発熱体7及びイオン検出用電極14と耐熱性絶縁体8とについて、MoSi2 粉末とSi3 N4 粉末との配合割合を示せば、前者(発熱体7及びイオン検出用電極14)はMoSi2 粉末を60〜70wt%、Si3 N4 粉末を40〜30wt%とし、後者(耐熱性絶縁体8)はMoSi2 粉末を20〜30wt%、Si3 N4 粉末を80〜70wt%としている。また、両者とも、助材としてY2 O3 とAl2 O3 とを合計10wt%程度添加している。
【0032】
上記構成を有するセラミック発熱部6において、発熱体7及びイオン検出用電極14では、小径のMoSi2 粉末(導電性セラミック粉末)が大径のSi3 N4 粉末(絶縁性セラミック粉末)を取り囲んで互いに連なっており、それにより発熱体7及びイオン検出用電極14に電流が流れ、発熱体7が発熱される。一方、耐熱性絶縁体8では、大径のMoSi2 粉末(導電性セラミック粉末)間に小径のSi3 N4 粉末(絶縁性セラミック粉末)が介在するため、両者は直列に並んだ状態となり発熱体7に比べて抵抗が大きく絶縁層を形成する。
【0033】
ここで、セラミック発熱部6の製造方法を図3〜図6を用いて説明する。
先ずMoSi2 粉末、Si3 N4 粉末、及び助剤としてのY2 O3 粉末,Al2 O3 粉末の混合物にバインダーを混練してペースト化し、発熱体7、イオン検出用電極14、耐熱性絶縁体8を所望の形状に射出成形する。このとき、図3に示すように、複数個の発熱体7及びイオン検出用電極14は連結バー28を介して連結状態で、且つタングステンリード線9a,9bが接続された状態で成形される。そして、各々の発熱体7及びイオン検出用電極14を、イオン検出用電極14の途中部(図3の一点鎖線部)にて切断する。
【0034】
一方、図4に示すように、耐熱性絶縁体8を形成するための絶縁部8a,8bは、2つ一組の半円柱状に形成され、それら絶縁部8a,8bの対向面にはそれぞれに、前記発熱体7,リード線9a,9b,イオン検出用電極14を所定部位に収容するための溝部29が形成されている。
【0035】
そして、図5に示すように、前記絶縁部8a及び8bで包囲するように、前記溝部29に発熱体7及びイオン検出用電極14の一体物を配置し、1700〜1800℃にてホットプレスする。その後、図6の破線に沿うようにして、セラミック発熱部6の外周部を切削加工すると、先端が球状で且つ円柱状のセラミック発熱部6が得られる。このとき、発熱体7はその全体が耐熱性絶縁体8に埋設されるのに対し、イオン検出用電極14の端面はセラミック発熱部6の先端部において露出することとなる。
【0036】
次に、上記の如く構成されるグロープラグ1を用いたイオン電流検出システムを図7,図8を用いて説明する。なお、図7,図8は共に、本実施の形態におけるイオン電流検出システムの概要を示す構成図である。このうち図7は、グロープラグ1(発熱体7)の加熱状態、即ちエンジン始動時における燃料の着火及び燃焼を促進するための状態を示し、図8は、燃料燃焼に伴うイオン電流をグロープラグ1により検出する状態を示す。
【0037】
各図において、ディーゼルエンジンのシリンダヘッド15にはねじ孔16が形成されており、このねじ孔16に前記グロープラグ1が螺着されている。即ち、グロープラグ1をシリンダヘッド15に螺着する際には、前記六角部4を所定の工具で挟み、同プラグ1の雄ねじ部3をねじ孔16にねじ入れるようにする。
【0038】
グロープラグ1のセラミック発熱部6の先端部は、シリンダヘッド15に形成された渦流室17に突出配置されている。この渦流室17にはピストン18上部に設けられた主燃焼室19が連通されており、渦流室17は燃焼室の一部をなす。渦流室17には燃料噴射ノズル20の先端部が配設されており、この燃料噴射ノズル20から渦流室17内に燃料が噴射されるようになっている。
【0039】
また、12V(ボルト)の直流電源からなるバッテリ21とグロープラグ1との間にはスイッチ回路25が配設されており、このスイッチ回路25は、2つの2位置切替スイッチ23,24の操作状態に応じてバッテリ21とグロープラグ1との間の電気経路を切り換える。スイッチ回路25は、電子制御装置(以下、ECUという)30からの指令信号が入力されない通常時には発熱体加熱状態(図7の状態)を保持し、ECU30からの指令信号が入力されると、前記発熱体加熱状態からイオン電流検出状態(図8の状態)に移行する。このとき、2つの切替スイッチ23,24は同時に動作する。
【0040】
つまり、切替スイッチ23,24の端子23a,24aには前記グロープラグ1のリード線11a,11bがそれぞれに接続されている。また、切替スイッチ23,24は、前記端子23a及び24aに対して選択的に接続される各々2つずつの接点23b,23c及び24b,24cを有する。
【0041】
かかる場合において、発熱体加熱状態では、図7に示すように、端子23aと接点23bとの間が閉路されると共に、端子24aと接点24bとの間が閉路されている。このとき、グロープラグ1の一方のリード線11aには端子23a及び接点23bを介してバッテリ21のプラス側が接続されると共に、他方のリード線11bには端子24a及び接点24bを介してバッテリ21のマイナス側が接続されている。即ち、発熱体7は加熱状態に保持される(このとき、図7中の2点鎖線で示す経路を電流が流れる)。なお、接点24bは、シリンダヘッド15の一部にも接続されている。
【0042】
また、イオン電流検出状態では、図8に示すように、端子23aと接点23cとの間が閉路されると共に、端子24aと接点24cとの間が閉路される。即ち、切替スイッチ23,24は共にオープン状態となる。この場合、切替スイッチ23に並列に設けられた電気経路(図8の2点鎖線で示す経路)のイオン電流検出用抵抗26を介して、バッテリ電圧がリード線11aに印加される。つまり、セラミック発熱部6の先端に形成されたイオン検出用電極14とシリンダヘッド15との間にバッテリ電圧が印加されることとなり、燃焼火炎帯の活性イオンの発生に伴い図8中に2点鎖線で示す経路でイオン電流が流れる。
【0043】
なお、イオン電流検出用抵抗26の抵抗値は500kΩ程度であって、このイオン電流検出用抵抗26を流れるイオン電流は、当該抵抗26の両端の電位差として電位差計27により検出される。
【0044】
ここで、イオン電流の検出原理を略述する。燃料噴射ノズル20による噴射燃料が渦流室17で燃焼に供されると、その燃焼火炎帯ではイオン化されたプラスイオンとマイナスイオンが大量に発生する。このとき、イオン検出用電極14とそれに対面するシリンダヘッド15との間にバッテリ電圧が印加されることにより、イオン検出用電極14にはマイナスイオンが捕獲されると共に、シリンダヘッド15にはプラスイオンが捕獲される。その結果、図8に示す電流経路が形成され、この電流経路を流れるイオン電流がイオン電流検出用抵抗26両端の電位差として検出される。
【0045】
一方、ECU30は、CPU,ROM,RAM,入出力回路等からなる周知のマイクロコンピュータやA/D変換器(共に図示略)を中心に構成され、前記電位差計27により検出された検出信号を入力する。また、ECU30には、エンジン冷却水の温度を検出するための水温センサ31の検出信号や、エンジンクランク角に応じてエンジン回転数を検出するための回転数センサ32の検出信号が入力され、ECU30は各センサ31,32の検出信号に基づいて水温Tw,エンジン回転数Neを検知する。
【0046】
上記ECU30は、ディーゼルエンジンの低温始動時において、グロープラグ1の発熱体7を加熱させて燃料の着火及び燃焼を促進させる。また、ディーゼルエンジンの暖機完了時において、前記スイッチ回路25に切り替え指令信号を出力し、本システムの回路をイオン電流検出状態として燃焼イオン電流を検出する。なお、エンジン始動当初においては、スイッチ回路25は発熱体加熱状態に保持されるようになっている。以下、図9のフローチャートを用いて、前記スイッチ回路25の切り替え処理を説明する。図9は、所定の時間の割り込み処理により実行される。
【0047】
さて、図9の処理がスタートすると、ECU30は、先ずステップ110でエンジン暖機完了後であり、且つスイッチ回路25がイオン電流検出状態にあるか否かを判別する。エンジン始動当初においては、ステップ110が否定判別され、ECU30は続くステップ120で水温Tw及びエンジン回転数Neを読み込む。
【0048】
その後、ECU30は、ステップ130で水温Twが所定の暖機完了温度(本実施の形態では、60℃)以上であるか否かを判別すると共に、ステップ140でエンジン回転数Neが所定回転数(本実施の形態では、2000rpm)以上に達しているか否かを判別する。かかる場合、ステップ130,140が共に否定判別されれば、ECU30は、エンジンの暖機が完了しておらず、グロープラグ1(発熱体7)による加熱が必要であるとみなし、ステップ150に進む。また、ステップ130,140のいずれかが肯定判別されれば、ECU30は、エンジンの暖機が完了した、或いはグロープラグ1(発熱体7)による加熱が不要であるとみなし、ステップ160に進む。
【0049】
ステップ150に進んだ場合、ECU30は、スイッチ回路25を発熱体加熱状態(図7の状態)に保持し、その後本処理を終了する。この状態では、グロープラグ1の発熱作用によって燃料の着火及び燃焼が促進される。
【0050】
また、ステップ160に進んだ場合、ECU30は、スイッチ回路25を発熱体加熱状態からイオン電流検出状態(図8の状態)に移行させ、その後本ルーチンを終了する。この状態では、イオン電流検出用抵抗26により燃料燃焼時に生じるイオン電流が検出される。
【0051】
なお、前記ステップ140が肯定判別されてステップ160に進む場合とは、例えばレーシング状態で一時的にエンジン回転数Neが上昇する場合が考えられ、この場合にはエンジン暖機が未だ完了していない。従って、スイッチ回路25が一旦イオン電流検出状態に移行したとしても、ECU30は、次回処理時のステップ110を否定判別し、ステップ130,140の判別処理を再び実施する。そして、一時的なエンジン回転数Neの上昇が収まり、同回転数Neが低下すると(Ne<2000rpm)、スイッチ回路25を再度、発熱体加熱状態に復帰させる(ステップ150)。
【0052】
その後、水温Tw≧60℃となりエンジン暖機が完了すると、ECU30はステップ110を肯定判別する。そして、エンジン暖機が完了し、且つスイッチ回路25がイオン電流検出状態に移行した後には、ECU30はステップ110を毎回肯定判別する。これにより、当該スイッチ回路25がイオン電流検出状態(図8の状態)のままで保持されることとなる。
【0053】
図10は、オシロスコープを用いて燃料燃焼時に発生するイオン電流を観察した際の電流波形図である。同図において、燃料噴射開始の直後に電圧が急上昇している波形が燃料の燃焼によるイオン電流波形であり、A点が燃焼の開始位置、即ち着火時期に相当する。また、このイオン電流波形には、2つの山が観測される。つまり、燃焼初期には、拡散火炎帯の活性イオンにより第1の山B1が観測され、燃焼中後期には筒内圧上昇による再イオン化により第2の山B2が観測される。
【0054】
この場合、ECU30は、イオン電流波形の第1の山B1から実際の着火時期を検出すると共に、該検出された実際の着火時期と目標着火時期との差をなくすべく着火時期のフィードバック制御を実施する。また、ECU30は、イオン電流波形の第2の山B2から異常燃焼、失火等の燃焼状態を検出し、その検出結果を燃料噴射制御に反映させる。こうしてイオン電流をエンジンの燃料噴射制御に反映させることにより、きめ細かくエンジンの運転状態を制御することが可能となる。
【0055】
次に、本実施の形態における効果を説明する。
(a)要するに、本実施の形態のグロープラグ1は、耐熱性絶縁体8と、耐熱性絶縁体8に埋設され、一対のリード線9a,9b(11a,11b)によって通電加熱される発熱体7と、発熱体7に一体的に形成され、燃焼火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極14とを備える。つまり、イオン検出用電極14は、その一部(端面)が渦流室17内で発生する火炎に晒されるように構成した。かかる構成によれば、イオン電流の検出時において、イオン検出用電極14とそれに近接する渦流室17の内壁とは、燃料燃焼時に発生する燃焼イオン(プラス及びマイナスイオン)を捕獲するための2電極を形成する。その結果、非常に簡単な構成であるにもかかわらず、精度良くイオン電流を検出することができ、安価なイオン電流検出用センサとしてのグロープラグ1を提供することができる。
【0056】
(b)また、本グロープラグ1では、イオン検出用電極14の大部分が耐熱性絶縁体8に埋設され、その一部のみが外部に露出しているため、グロープラグ1外周に若干量のカーボンが付着したとしても従来技術(米国特許第4,739,731号)のように電極とハウジング(アース側)との間が導通されてイオン電流が誤検出されるといった不具合が生じにくくなる。特に本実施の形態の構成では、イオン検出用電極14の露出部がグロープラグ1の先端部に設けられているため、当該露出部と渦流室17とが十分に離間しており、上記のような不具合をより好適に解消することができる。
【0057】
なお、グロープラグ1の使用に伴ってその外周に付着する若干量のカーボンは発熱体7の加熱動作(例えば、エンジンの低温始動時におけるグロー動作)によって焼き切られる。その結果、イオン電流の検出に際しても長期にわたってその検出性能を保持することができる。
【0058】
(c)さらに、かかる構成において、発熱体7自体は、耐熱性絶縁体8の内部に埋設されているため、酸化消耗による発熱特性の変化を招くことはなく、長期にわたって高い発熱性能を維持することができる。また、渦流室17内での熱的衝撃等に起因して発熱体7が破損する等の不具合も回避できる。図面にて説明すれば、発熱体7が酸化消耗するとその抵抗値が変化し、図11に示すように発熱性能が低下する(図に破線で示す)。しかし、本実施の形態では、かかる不具合が回避できる(図の実線の特性が維持される)。
【0059】
(d)さらに、本実施の形態のグロープラグ1においては、イオン検出用電極14(及び発熱部7)を導電性セラミック材料により成形した。それにより、高温な燃焼ガスに晒されてもイオン検出用電極14の酸化消耗が最小限に抑えられ、グロープラグ1によるイオン電流検出性能の耐久性をより一層向上させることができる。
【0060】
(e)また、グロープラグ1のセラミック発熱部6(発熱体7,イオン検出用電極14,耐熱性絶縁体8)を、導電性セラミック粉末(MoSi2 粉末)と絶縁性セラミック粉末(Si3 N4 粉末)との混合物により形成した。そのため、耐熱性及び耐消耗性に優れたセラミック発熱部6を提供することができる。また、本セラミック発熱部6は、エンジンの低温始動時において良好なる始動補助機能を維持することができる。
【0061】
(f)上記グロープラグ1の製作に際しては、導電性セラミック粉末と絶縁性セラミック粉末との混合物からセラミック発熱部6(発熱体7,イオン検出用電極14,耐熱性絶縁体8)を成形すると共に、耐熱性絶縁体8の外周面を切削加工してイオン検出用電極14を外部に露出させるようにした。かかる工程によれば、特に煩雑な製造工程を要することもなく、簡便な方法にて上記の優れたイオン電流検出機能を兼ね備えたグロープラグ1を製作することができる。
【0062】
(g)一方、本実施の形態のイオン電流検出装置ではスイッチ回路25を設け、同スイッチ回路25により、発熱体加熱状態とイオン電流検出状態とを切り替えるようにした。即ち、上記2つの状態の電圧印加は共通のリード線11a,11bを用いて行われ、両状態の切替えはスイッチ回路25により選択的に実施される。従って、本イオン電流検出装置において、その発熱体7に接続されるリード線11a,11bの配線構成や、その他イオン電流の検出に関する構成が簡素化でき、安価なイオン電流検出装置を提供することができる。
【0063】
(h)併せて、本実施の形態では、ディーゼルエンジンに本イオン電流検出装置を適用することとし、バッテリ21の一端に前記発熱体7に接続された片方のリード線11aを接続すると共に、他端にシリンダヘッド15を接続するようにした。この場合、イオン電流を検出するために必要な対向電極(イオン検出用電極14及び渦流室17の壁部)の構成が簡素化できる。
【0064】
(i)特に、本実施の形態のイオン電流検出装置は、ディーゼルエンジンの燃焼室内での燃焼火炎帯の活性イオンを検出するものであるため、燃焼イオン密度が高い状態でイオン電流を検出することができ、その検出精度を高めることができる。従って、ディーゼルエンジンの燃焼状態を精度良く検出し、その検出結果を燃料噴射制御に反映させることも可能となる。
【0065】
(j)本実施の形態では、スイッチ回路25(接点23c)を介することなく、直接、イオン検出用電極14とシリンダブロック15との間にバッテリ21による供給電源を印加するように構成したため、スイッチ回路25の切替え動作によるノイズ等の悪影響を排除することができる。即ち、スイッチ回路25の各接点は酸化によって抵抗値が上昇し、このような接点抵抗の上昇時には元々微弱なイオン電流の検出が困難になるおそれがある。しかし、本実施の形態では、上記のような不具合を解消することができる。
【0066】
(k)また、本実施の形態では、通常の車載バッテリ21によりイオン電流を検出するようにしたため、イオン電流検出用の電源として車載バッテリ以外の電源が不要となり、構成の複雑化を招くことなくイオン電流検出装置を実現することができる。
【0067】
次に、本発明の第2〜第7の実施の形態におけるグロープラグの構成を図12〜図25を用いて説明する。但し、各実施の形態の構成において、上述した第1の実施の形態と同等であるものについては図面に同一の記号を付すと共にその説明を簡略化する。そして、以下には第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。
【0068】
(第2の実施の形態)
図12は、第2の実施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図である。上記第1の実施の形態では、耐熱性絶縁体8の先端部(球状部)にイオン検出用電極14を設けていたが、本実施の形態では、耐熱性絶縁体8の側面部にイオン検出用電極41を設けている。つまり、イオン検出用電極41の端面は、耐熱性絶縁体8の側面において同一面で露出している。この場合にも、上記第1の実施の形態と同様に、本発明の目的を達成することができる。なお、イオン検出用電極41は発熱体7に一体成形され、両部材41,7は電気的に接続された状態となっている。また、発熱体7自体は耐熱性絶縁体8によって保護されているため、その発熱特性が損なわれることもない。
【0069】
(第3の実施の形態)
図13は、第3の実施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図である。図13のグロープラグでは、耐熱性絶縁体8の先端部においてリード線43を介してイオン検出用電極42が発熱体7に電気的に接続されている。このとき、発熱体7とイオン検出用電極42との組成は同じになっている。かかる構成においても、本発明の目的を達成することができる。
【0070】
(第4の実施の形態)
図14は、第4の実施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図である。本実施の形態のグロープラグでは、図14に示すように、耐熱性絶縁体8の先端部においてイオン検出用電極44の端面が比較的広い面積を有することを特徴としている。なお、このイオン検出用電極44は、グロープラグを下方から見て略楕円状をなす(図示は省略する)。かかる構成においても、本発明の目的を達成することができる。特に本構成では、イオン検出用電極44が燃焼火炎に晒される面積が広いため、イオン電流をより一層精度良く検出することが可能となる。
【0071】
ここで、前記図14のグロープラグの製造方法の特徴部分について図15,図16を用いて説明する。つまり、製造当初において、発熱体7及びイオン検出用電極44は、MoSi2 粉末とSi3 N4 粉末との混合物を射出成形することにより図15の形状に成形される。このとき、図15に示すように、複数個の発熱体7及びイオン検出用電極44が連結バー28を介して連結状態で成形される。そして、各々の発熱体7及びイオン検出用電極44を、連結バー28の途中部(図15の一点鎖線部)にて切断する。
【0072】
その後、発熱体7及びイオン検出用電極44等を耐熱性絶縁体8にて包囲して1700〜1800℃にてホットプレスする。そして図16の破線に沿うようにして、セラミック発熱部6の外周部を切削加工すると、先端が球状で且つ円柱状のセラミック発熱部6が得られる。このとき、発熱体7はその全体が耐熱性絶縁体8に埋設されるが、イオン検出用電極44の端面はセラミック発熱部6の先端部において略楕円状に露出することとなる。
【0073】
(第5の実施の形態)
図17は、第5の実施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図である。つまり、上記各実施の形態では、耐熱性絶縁体8の外周面とイオン検出用電極の露出端面とを同一面としていたが、本実施の形態では、図17に示すように、イオン検出用電極45を耐熱性絶縁体8の外周面よりも突出させている。この場合にも、上記各実施の形態と同様に、本発明の目的を達成することができる。また、かかる構成によれば、イオン検出用電極45の露出面積が大きくなるため、イオン電流の検出精度が向上する。なお、イオン検出用電極45の突出部の形状は、円錐状、角錐状、円柱状、J字状、逆T字状にする等、任意でよく、さらにはその突出電極を複数個設けてもよい。
【0074】
(第6の実施の形態)
図18,図19は、第6の実施の形態におけるグロープラグの要部を示す断面図である。つまり、上記各実施の形態では、発熱体とイオン検出用電極とを一体成形して電気的に接続するか(第3の実施の形態以外)、又は共通のリード線を介して電気的に接続していた(第3の実施の形態)。これに対して、本実施の形態では、発熱体とイオン検出用電極とを別体に形成すると共に、これら両部材(発熱体及びイオン検出用電極)からそれぞれ別のリード線を取り出して当該両部材を電気的に接続している。
【0075】
図18(a),(b)のグロープラグは、耐熱性絶縁体8の先端部(球状部)にイオン検出用電極51を設けた事例を示す。詳細には、図18(a)では、U字状の発熱体7の両端からリード線52,53を取り出すと共に、そのうちの一方のリード線53と前記イオン検出用電極51から取り出されたリード線54とを、耐熱性絶縁体8内部にて接続させている。
【0076】
また、図18(b)では、発熱体7及びイオン検出用電極51と、リード線52〜54との構造は前記図18(a)と略同様であるが、外部からの信号入力部が異なる構成となっている。つまり、リード線52は耐熱性絶縁体8の側面に露出しており、この露出部は環状の導電体55を介して外部リード線56に接続されている。また、リード線53,54は耐熱性絶縁体8端面に設けられた導電層57により電気的に接続されている。
【0077】
一方、図19(a),(b)のグロープラグは、耐熱性絶縁体8の側面に環状のイオン検出用電極61を設けた事例を示す。詳細には、図19(a)では、U字状の発熱体7の両端からリード線62,63を取り出すと共に、そのうちの一方のリード線63と前記イオン検出用電極61から取り出されたリード線64とを、耐熱性絶縁体8内部にて接続させている。
【0078】
また、図19(b)では、発熱体7及びイオン検出用電極61と、リード線62〜64との構造は前記図19(a)と略同様であるが、外部からの信号入力部が異なる構成となっている。つまり、リード線62は耐熱性絶縁体8の側面に露出しており、この露出部は環状の導電体65を介して外部リード線66に接続されている。また、リード線63,64は耐熱性絶縁体8端面に設けられた導電体67により電気的に接続されている。
【0079】
上記図18、図19のいずれの場合にも、上記各実施の形態と同様に、簡単な構成で且つ精度良くイオン電流を検出することができると共に、発熱体7の発熱性能を長期にわたって維持することができ、本発明における所望の効果を得ることができる。
【0080】
(第7の実施の形態)
次に、請求項5、8及び9に記載の発明にかかる第7の実施の形態を説明する。つまり、上記第1〜第6の各実施の形態ではいずれも、発熱体とイオン検出用電極とを電気的に接続して構成していたが、本実施の形態では発熱体とイオン検出用電極とを電気的に絶縁して構成することを特徴とし、こうして構成されるグロープラグを用いたイオン電流検出装置を具体化するものである。
【0081】
図20は、本実施の形態におけるグロープラグ1の要部を示す断面図である。同図において、セラミック発熱部6の耐熱性絶縁体8には、発熱体7とイオン検出用電極71とが別体として埋設され、当該発熱部6の先端にはイオン検出用電極71の一部(先端面)が露出している。発熱体7の両端に接続された一対のリード線72,73のうち、一方のリード線72は耐熱性絶縁体8の側面から取り出されてハウジング2に電気的に接続され、他方のリード線73はハウジング2とは絶縁されつつ耐熱性絶縁体8の外部に導かれている。また、イオン検出用電極71に接続されたリード線74は、発熱体7側のリード線73並びにハウジング2に対して絶縁されつつ耐熱性絶縁体8の外部に導かれている。
【0082】
ここで、上記構成のセラミック発熱部6の製造過程を図21を用いて簡単に説明する。先ずは前記各実施の形態と同様にMoSi2 粉末とSi3 N4 粉末との混合物にバインダーを混練してペースト化し、発熱体7、イオン検出用電極71、耐熱性絶縁体8を各々に所望の形状に射出成形する。このとき、耐熱性絶縁体8は半円柱状に分割形成されており、その間に、前記発熱体7、発熱体7に接続されたリード線72,73、イオン検出用電極71及びそれに接続されたリード線74が所定位置、即ち、耐熱性絶縁体8に形成された溝部75に収容配置される。そして、発熱体7及びイオン検出用電極71等を耐熱性絶縁体8にて包囲しながら各部材を組み付けた後に、その一体物を1700〜1800℃にてホットプレスする。さらにその後、セラミック発熱部6の外周部を切削加工すると、先端が球状で且つ円柱状のセラミック発熱部6が得られる。このとき、前記図20に示すように、発熱体7はその全体が耐熱性絶縁体8に埋設されるのに対し、イオン検出用電極71の端面はセラミック発熱部6の先端部において露出することとなる。
【0083】
次に、上記の如く構成されるグロープラグ1を用いたイオン電流検出システムを図22を用いて説明する。同図において、グロープラグ1のハウジング2はエンジンのシリンダヘッド15に螺着され、同プラグ1のセラミック発熱部6の先端部は、シリンダヘッド15に形成された渦流室17に突出配置されている。渦流室17には、同室内17に燃料を噴射する燃料噴射ノズル20の先端部が配設されている。
【0084】
発熱体7の一方のリード線72は、ハウジング2を介してアースされ、他方のリード線73は、グローリレー76を介して定格12V(ボルト)のバッテリ21のプラス側に接続されている。グローリレー76はECU30からの指令信号に応じてON/OFFされ、通常時はOFF状態に保持されている。つまり、ECU30からの指令に従いグローリレー76がONされると、発熱体7はバッテリ21からの電力供給により加熱され、同リレー76がOFFされると、当該加熱状態が停止されることとなる。
【0085】
また、イオン検出用電極71に接続されたリード線74は、イオン電流検出用抵抗26を介して前記バッテリ21のプラス側に常時接続されている。従って、上記構成によれば、燃料噴射ノズル20による燃料噴射に伴なう燃料の燃焼毎に、その都度、イオン電流が検出されることとなる。なお、イオン電流検出用抵抗26の抵抗値は500kΩ程度であって、このイオン電流検出用抵抗26を流れるイオン電流は、当該抵抗26の両端の電位差として電位差計27により検出されECU30に入力される。
【0086】
以下、図23のフローチャートを用いて、前記グローリレー76の切り替え処理を説明する。図23は、イグニションキーのON操作に伴う電源投入に従いECU30により実行される。
【0087】
さて、図23の処理がスタートすると、ECU30は、先ずステップ201でエンジン暖機完了後であるか否かを判別する。エンジン始動当初においては、ステップ201が否定判別され、ECU30は続くステップ202で水温Tw及びエンジン回転数Neを読み込む。
【0088】
その後、ECU30は、ステップ203で水温Twが所定の暖機完了温度(本実施の形態では、60℃)以上であるか否かを判別すると共に、ステップ204でエンジン回転数Neが所定回転数(本実施の形態では、2000rpm)以上に達しているか否かを判別する。かかる場合、ステップ203,204が共に否定判別されれば、ECU30は、エンジンの暖機が完了しておらず、グロープラグ1(発熱体7)による加熱が必要であるとみなし、ステップ205に進む。また、ステップ203,204のいずれかが肯定判別されれば、ECU30は、エンジンの暖機が完了した、或いはグロープラグ1(発熱体7)による加熱が不要であるとみなし、ステップ206に進む。
【0089】
ステップ205に進んだ場合、ECU30は、グローリレー76をON状態とし、その後ステップ201に戻る。この状態では、グロープラグ1の発熱作用によって燃料の着火及び燃焼が促進される。
また、ステップ206に進んだ場合、ECU30は、グローリレー76をON状態からOFF状態に移行させ、その後ステップ201に戻る。なお、前記ステップ204が肯定判別されてステップ206に進む場合とは、例えばレーシング状態で一時的にエンジン回転数Neが上昇する場合が考えられ、この場合には、一時的なエンジン回転数Neの上昇が収まり次第、グローリレー76が再度、ON状態(発熱体加熱状態)に復帰させられる(ステップ205)。
【0090】
その後、水温Tw≧60℃となりエンジン暖機が完了するとグローリレー76がOFFされ(ステップ206)、それと共にECU30は、ステップ201を肯定判別してステップ207に進む。そして、ECU30は、ステップ207で、燃料噴射ノズル20による燃料噴射開始のタイミングにおいてイオン電流検出用抵抗26により検出された電流値Ipを読み込み、続くステップ208で当該電流値Ipが所定のしきい値Ith以上であるか否かを判別する。この電流値Ipは、セラミック発熱部6外周に付着したカーボンにより流れる漏洩電流の値に相当する。
【0091】
ステップ208が否定判別された場合(Ip<Ithの場合)、ECU30はステップ201に戻る。かかる場合、セラミック発熱部6外周にカーボンが付着していない、又は付着カーボンが許容量以下であるとして、グローリレー76がOFF状態のままで保持される。
【0092】
一方、ステップ208が肯定判別されると(Ip≧Ithの場合)、ECU30はステップ209に進み、グローリレー76をそれまでのOFF状態からON状態(発熱体加熱状態)に移行させる。つまり、ステップ208が肯定判別された場合には、セラミック発熱部6外周に許容量を超えるカーボンが付着していると考えられる。この場合、付着カーボンに起因してイオン検出用電極71とアース側(ハウジング2及びシリンダヘッド15側)との間の絶縁抵抗が低下し、漏洩電流が流れる(Ip≧Ithとなる)。よって、前記付着カーボンを焼き切るべく、グローリレー76をONさせて発熱体7を加熱させる。
【0093】
その後、ECU30は、ステップ210でグローリレー76のON状態を所定時間(本実施の形態では、2秒間)だけ保持し、続くステップ211でグローリレー76をOFF状態に復帰させる。そして、再びステップ201に戻る。それ以降、ECU30は、ステップ207で漏洩電流を監視しつつ、グローリレー76を最適状態でON/OFF制御する。
【0094】
なお、本実施の形態では、グローリレー76により請求項記載のスイッチング手段が構成されている。また、図23のステップ207が請求項記載の漏洩電流検出手段に相当し、ステップ208〜211が請求項記載の操作手段に相当する。
【0095】
図24は、オシロスコープを用いて燃料燃焼時に発生するイオン電流を観察した際の電流波形図である。但し、図24の(a)は、セラミック発熱部6外周にカーボンが付着していない状態について示し、同図の(b)は、セラミック発熱部6外周にカーボンが付着した状態について示す。
【0096】
図24の(a)において、燃料噴射開始(同図では、噴射開始に伴う立ち上がりエッジ)の直後に電圧が急上昇している波形が燃料の燃焼によるイオン電流波形であり、A点が燃焼の開始位置、即ち着火時期に相当する。このとき、燃料噴射開始時には、電流値は略「0」に保持されている。また、このイオン電流波形には、2つの山が観測される。つまり、燃焼初期には、拡散火炎帯の活性イオンにより第1の山B11が観測され、燃焼中後期には筒内圧上昇による再イオン化により第2の山B12が観測される。
【0097】
この場合、ECU30は、イオン電流波形の第1の山B11から実際の着火時期を検出すると共に、該検出された実際の着火時期と目標着火時期との差をなくすべく着火時期のフィードバック制御を実施する。また、ECU30は、イオン電流波形の第2の山B12から異常燃焼、失火等の燃焼状態を検出し、その検出結果を燃料噴射制御に反映させる。こうしてイオン電流をエンジンの燃料噴射制御に反映させることにより、きめ細かくエンジンの運転状態を制御することが可能となる。
【0098】
一方、図24の(b)においては、燃料噴射開始のタイミングで許容レベル(しきい値Ith)を超える漏洩電流が観測される。従って、当該状態では、発熱体7の発熱作用により付着カーボンの除去が実施される(前記図23のステップ209〜211が実施される)。かかるカーボンの付着状態において、その状態を放置しておくと、漏洩電流値が次第に大きくなり、やがて第1の山B11との区別が困難になるおそれがあるが、そのような不都合も回避される。
【0099】
ここで、本実施の形態のイオン電流検出システムは、図25に示すように構成してもよい。図25の構成では2つの直流電源が設けられており、その一方は前記発熱体7を加熱するための発熱体加熱用電源77であり、他方はイオン電流を検出するためのイオン電流検出用電源78である。この場合、発熱体7の一方のリード線73と発熱体加熱用電源77との間には、グロープラグ1の発熱動作をON/OFFするためのグローリレー76が配設され、イオン検出用電極71のリード線74とイオン電流検出用電源78との間には、イオン電流検出用抵抗26が配設されている。かかる場合にも、常時、イオン電流が検出されつつ発熱体7の加熱動作が操作できる。なお、発熱体加熱用電源77としては例えば12V(ボルト)の直流電源(一般的な車載バッテリ)を用い、イオン電流検出用電源78としては例えば50V(ボルト)の直流電源を用いている。
【0100】
以上、第7の実施の形態によれば、上記各実施の形態と同様に、非常に簡単な構成であるにもかかわらず、精度良くイオン電流を検出することができるなどの効果が得られるのは勿論のこと、その他にも以下に示す効果が得られる。
【0101】
(イ)本実施の形態のグロープラグ1では、発熱体7とイオン検出用電極71とを絶縁させて構成した。この場合、発熱体7とイオン検出用電極71とは別々の電源経路にて通電されることになるため、発熱体7を加熱させながらそれと同時にイオン検出用電極71によりイオン電流を検出することができる(即ち、燃焼状態を把握することができる)。
【0102】
(ロ)また、本実施の形態では、燃料噴射開始のタイミングにて漏洩電流としての電流値Ipを検出し、その電流値Ipが所定のしきい値Ith以上であれば一時的に発熱体7を加熱させるようグローリレー76を操作するようにした(前記図23のステップ209〜211)。つまり、漏洩電流としての電流値Ipに基づいてセラミック発熱部6外周のカーボン付着状態を推定し、カーボン付着量が許容値を超えるとみなされる状態であれば、グロープラグ1の発熱作用により付着カーボンを焼き切るようにした。その結果、常に所望のイオン電流波形が検出できることとなり、その検出結果を用いた着火時期検出や失火検出等の処理を精度良く実施することができる。因みにかかる場合にも、イオン電流の検出動作を中断することなく、カーボンの除去処理を実施することができるという有利な効果が得られる。
【0103】
(ハ)特に本実施の形態では、燃料噴射開始のタイミングにて漏洩電流(電流値Ip)を検出するようにした。つまり、燃料噴射開始のタイミングとは、ディーゼルエンジンの燃焼室圧力が上昇し、且つ燃料の燃焼直前の時期に相当する。従って、上記の如くカーボンが付着した状況下では、確実に漏洩電流を検出することができる。
【0104】
なお、本発明は、上記各実施の形態の他に次の形態にて実現できる。
(1)上記各実施の形態では、発熱体とイオン検出用電極とを同一組成(同一粒径)の混合物(小径のMoSi2 粉末と、大径のSi3 N4 粉末との混合物)にて構成したが、これを変更し、発熱体とイオン検出用電極とを異なる組成の混合物により構成してもよい。かかる場合、両部材の組成を変えることにより、発熱体の抵抗値とイオン検出用電極の抵抗値とが異なる値となる。例えばイオン検出用電極に対しては、導電性セラミック粉末としてのMoSi2 粉末の径を発熱体よりも大きくし(又は、絶縁性セラミック粉末としてのSi3 N4 粉末の径を小さくし)、その抵抗値を大きくする。このような作り分けはグロープラグの用途に応じて行われる。
【0105】
つまり、イオン電流の検出結果を例えば失火検出に用いるのであれば、イオン電流の有無だけを判定すればよいため、イオン検出用電極の抵抗値は比較的大きくすることができ例えば約5MΩ以下であればよい(但し、発熱体は1Ω程度)。また、イオン電流の検出結果を例えば着火時期検出に用いるのであれば、イオン電流の立ち上がりを瞬時に検出する必要があるのでイオン検出用電極の抵抗はなるべく小さい方が望ましい(500kΩ以下が望ましい)。図面で説明すれば、図26に示すように、イオン検出用電極の抵抗値が大きくなるほど、イオン電流の立ち上がりが鈍くなる。
【0106】
(2)また、上記各実施の形態では、導電性セラミック粉末としてのMoSi2 粉末と、絶縁性セラミック粉末としてのSi3 N4 粉末との粒径及び配合割合を変えることにより、発熱体、イオン検出用電極及び耐熱性絶縁体を作り分けていたが、これを変更してもよい。例えば、MoSi2 粉末とSi3 N4 粉末との粒径だけを変えて前記各部材を作り分けたり、或いはMoSi2 粉末とSi3 N4 粉末との配合割合だけを変えて前記各部材を作り分けたりしてもよい。この場合、「MoSi2 粉末の粒径<Si3 N4 粉末の粒径」とすれば抵抗値が小さくなって導通部材としての発熱体及びイオン検出用電極が成形でき、「MoSi2 粉末の粒径>Si3 N4 粉末の粒径」とすれば抵抗値が大きくなって絶縁部材としての耐熱性絶縁体が成形できる。また、各粉末の配合割合を変更することについて述べれば、MoSi2 粉末の配合割合が多くなるほど抵抗値が小さくなり、Si3 N4 粉末の配合割合が多くなるほど抵抗値が大きくなる。
【0107】
(3)上記各実施の形態において、前記グロープラグ1の一端に2つの端子を設け、これにより2線式のグロープラグを構成してもよい。この場合、導電線としてのリード線11a,11bは、前記2つの端子に電気的に接続されることとなる。
【0108】
(4)上記第1の実施の形態では、イオン電流検出システム(図7,8)において発熱体加熱状態とイオン電流検出状態とを切替えるために2つの2位置切替スイッチ23,24からなるスイッチ回路25を用いたが、これを変更してもよい。例えば、大電流を制御可能な半導体スイッチ(トランジスタ、サイリスタ等)に変更してもよく、要するに上記2つの状態を切替え可能な手段であればよい。また、第7の実施の形態におけるイオン電流検出システム(図22,25)についても同様に、スイッチング手段としてのグローリレー76を半導体スイッチ等にに変更してもよい。
【0109】
(5)上記第1の実施の形態では、発熱体加熱状態とイオン電流検出状態とにおいて共通の直流電源(車載バッテリ21)を用いたが、2つの直流電源を用いる構成としてもよい。具体的には、発熱体7を加熱するための発熱体加熱用電源と、イオン電流を検出するためのイオン電流検出用電源とを用意し、例えば発熱体加熱用電源として12V(ボルト)の直流電源(車載バッテリ)を用い、イオン電流検出用電源として50V(ボルト)の直流電源を用いる。
【0110】
(6)上記第1の実施の形態では、ECU30が実行する制御プログラム(図9のルーチン)によってスイッチ回路25を動作させ、それにより発熱体加熱状態とイオン電流検出状態とを切替えるように構成していたが、これを変更してもよい。例えば、エンジン始動から所定時間(1〜2分程度)だけ発熱体加熱状態とし、所定時間経過後は、自動的に発熱体加熱状態からイオン電流検出状態に切替えるようにしてもよい。また、上記2つの状態の切替え動作を機械的に行わせるようにしてもよい。具体的には、バイメタルとその変形により動作する切替えスイッチとを採用し、同スイッチの動作により前記2つの状態を切り替えるように構成してもよい。
【0111】
(7)上記第6及び第7の実施の形態で記載したように、発熱体とイオン検出用電極とが別体にて構成される場合において、イオン検出用電極を下記の(7−1)〜(7−5)に示す材料にて構成してもよい。
【0112】
(7−1)高融点金属にてイオン検出用電極を構成する。因みに、発熱体の加熱温度が1000〜1200℃であることから、1300℃以上の高融点材料が望ましい。その具体例としては、
・Ir,Rh,Ru,Os,Pt等の貴金属、及びその合金材料を用いる。この場合、前記貴金属が絶縁性セラミック材としての窒化珪素に対し、窒化物や珪化物を生成しないので、焼結性が良好で、且つ耐久性に優れたイオン検出用電極が得られる。
・貴金属と卑金属との合金を用いる。この場合、イオン検出用電極の熱膨張係数を容易に調整することができる。
・融点1300℃以上の金属、又はその合金(Ni,Co,W,Mo,Ti等)を用いる。この場合、イオン検出用電極を安価に製作できる。また、上記と同様に、焼結性及び耐久性に優れ、さらに熱膨張係数が容易に調整可能なイオン検出用電極が得られる。
・融点1300℃以上の金属、又はその合金(Ni,Co,W,Mo,Ti等)の粉末と絶縁性セラミック材との混合物を用いる。この場合、絶縁体との接合性が良好なイオン検出用電極が得られる。
【0113】
(7−2)導電性セラミック材料にてイオン検出用電極を構成する。その具体例としては、金属の珪化物、ホウ化物、炭化物、窒化物又はその混合物を使用する。かかる場合、絶縁性セラミック材とイオン検出用電極とを同時に焼成できるため、その作業性が向上する。併せて、上記導電性セラミック材料と、Al2 O3 ,サイアロン(Si3 N4 、Al2 O3 等の化合物),BN等の絶縁性セラミック材料との混合物を使用することも可能である。
【0114】
(7−3)導電性ガラスにてイオン検出用電極を構成する。
(7−4)半導体材料(例えば、SiC+Si3 N4 )にてイオン検出用電極を構成する。この場合、常温では絶縁体として機能し、高温ではイオン検出用電極として機能する。
【0115】
(7−5)Na,Ca,K,Mgといった不純物が所定値以下(例えば、0.5%以下)のセラミック材料にてイオン検出用電極を構成する。この場合、イオン検出用電極の高温強度が増し、熱衝撃等の性能が向上する。ここで、不純物の含有量と曲げ強度との関連を示す実験結果を図27〜図29に示す。つまり、図27は、温度=1200℃の高温条件下で、Ca,K,Naの不純物量(%)と曲げ強度(MPa)との関係を示すグラフであって、同グラフによれば、各々の不純物量が0.5%以下の場合に十分な曲げ強度(約700MPa)が得られることが分かる。また、図28は、温度=1200℃の高温条件下で、Na+Ca+Kの不純物混合量(%)と曲げ強度(MPa)との関係を示すグラフであって、同グラフによれば、不純物混合量が0.5%以下の場合に十分な曲げ強度(約700MPa)が得られることが分かる。さらに、図29は、不純物量が各0.1%以下、Ca量が1%、K量が1%、Na量が1%のそれぞれについて、温度(℃)と曲げ強度(MPa)との関係を示すグラフであって、同グラフによれば、不純物量を各0.1%以下にした場合が最も曲げ強度(高温強度)が高く、不純物量を少なくした方が高温強度が高いことが分かる。
【0116】
(8)前記各実施の形態では、イオン検出用電極を射出成形法にて成形する旨を記載したが、印刷法にてイオン検出用電極を成形してもよい(発熱部7も同様に印刷法にて成形してもよい)。また、焼結体として成形された当該電極を耐熱性絶縁体に組み込むようにしてもよい。さらに、グロープラグ1の製造方法として、下記の(8−1),(8−2),(8−3)に示すような方法を適用してもよい。
【0117】
(8−1)図30は、耐熱性絶縁シートを円柱状に巻回してセラミック発熱部6を作製するようにした製造方法を示す。先ずセラミック材料、樹脂バインダー等からなる原料を混合し、薄板状のシート91を作製する(図30(a))。次いで、図30(b)に示すように、シート91の表面側に、通電性ペーストを用いたスクリーン印刷により発熱体部92とイオン検出用電極部93とを成形する。このとき、イオン検出用電極部93は、U字状をなす発熱体部92の先端より幾分突出した形状に設けられる。また同様にして、リード線部94a,94bを印刷成形する。さらに、図30(b)の状態において、シート91の表面側に、セラミック材料と樹脂バインダーとからなるコーティング材料をコート印刷する。これは、上記発熱体部92やイオン検出用電極部93等の印刷形成部分とシート表面との間の段差をなくして平坦化し、後述のシート巻回時にシート91と中軸部との密着性を向上させるために実施される。なお、シート91の裏面には、前記リード線部94a,94bと導通するように端子部95a,95bを導電性ペーストにより印刷形成しておく。
【0118】
その後、前記シート91と同様の材料(セラミック材料、樹脂バインダー等からなる混合材)にて作製した円柱状の中軸部96を用意し、図30(c)に示すように、中軸部96をシート91にて巻回する。このとき、前記発熱体部92及びイオン検出用電極部93が印刷されたシート表面が内側になるようにシート91が中軸部96に巻き付けられる。この図30(c)の状態では、シート91の巻回方向の両端面97,98の間に、軸方向に延びる溝部99が形成される。この溝部99は、シート91の巻回方向の幅寸法を中軸部96の外径寸法よりも小さくすることで形成される。なお、シート91の両端面97,98を接触させた後に、重なり合った一方の端面を軸方向に沿って切除し、両者間に溝部99を形成するようにしてもよい。
【0119】
その後、図30(d)に示すように、前記溝部99内にセラミック材料からなる絶縁被覆材100を充填する。さらに、予備加熱により脱脂処置を施した後、本加熱を実施してシート91と中軸部96とを一体的に焼成する。このとき、シート91と中軸部96とは、焼成収縮のために密着接合されると共に、前記溝部99の間隙が狭められることになる。そして、前記リード線部94a,94bに接続された端子部95a,95bにCuメッキ及びNiメッキを施す。最後に、図30(d)に示す円柱体の先端部を球面状態に研削加工すると、例えば図2等に示すようなセラミック発熱部6が得られる。このとき、発熱体7(発熱体部92)はその全体が耐熱性絶縁体8(シート91及び中軸部96)に埋設されるのに対し、イオン検出用電極14(イオン検出用電極部93)の端面はセラミック発熱部6の先端部において露出することとなる。
【0120】
(8−2)図31及び図32は、複数の耐熱性絶縁材料を積層してセラミック発熱部6を作製するようにした製造方法を示す。図31に示すように、本実施の形態では先ず、薄板状をなす第1の積層材101と、ほぼ半円柱状をなす第2及び第3の積層材102,103とが用意される。これら第1〜第3の積層材101〜103は、いずれも電気絶縁性のセラミック材料の生成形体(グリーンシート)であり、セラミック材料、樹脂バインダー等からなる原料を混合してプレス成形されている。第1の積層材101にはその表面側に、通電性ペーストを用いたスクリーン印刷により発熱体部104とイオン検出用電極部105とが成形されている。このとき、イオン検出用電極部105は、U字状をなす発熱体部104の先端より幾分突出した形状に設けられている。また同様にして、リード線部106a,106bが導電性ペーストにより印刷成形されている。
【0121】
そして、図32(a)に示すように、上記第1の積層材101を中央にしてその両面に第2,第3の積層材102,103を重ね合わせ、これらを予備加熱により脱脂処置を施した後、本加熱を実施して第1〜第3の積層材101〜103を一体的に焼成する。その後、図32(b)に示すように、前記(a)の一体物を円柱状に研削加工すると共に、図32(c)に示すように、前記リード線部106a,106bの端部にCuメッキ及びNiメッキを施して端子部107とする。最後に、円柱体の先端部を球面状態に研削加工すると、例えば図2等に示すようなセラミック発熱部6が得られる。このとき、発熱体7(発熱体部104)はその全体が耐熱性絶縁体8(第1〜第3の積層材101〜103)に埋設されるのに対し、イオン検出用電極14(イオン検出用電極部105)の端面はセラミック発熱部6の先端部において露出することとなる。
【0122】
(8−3)図33では、いずれも薄板状をなす同様の耐熱性絶縁材料(セラミック材料、樹脂バインダー等の混合材)からなる第1〜第5の積層材111〜115が用意され、そのうち、中央に配置される第3の積層材113の表面には、通電性ペーストを用いたスクリーン印刷により発熱体部116とイオン検出用電極部117とが成形されている。このとき、イオン検出用電極部117は、U字状をなす発熱体部116の先端より幾分突出した形状に設けられている。また同様にして、リード線部118a,118bが導電性ペーストにより印刷成形されている。
【0123】
そして、第1〜第5の積層材111〜115を重ね合わせ、これらを予備加熱により脱脂処置を施した後、本加熱を実施して第1〜第5の積層材111〜115を一体的に焼成する。その後、上記積層材の一体物を円柱状に研削加工すると共に、その先端部を球面状態に研削加工すると、例えば図2等に示すようなセラミック発熱部6が得られる。このとき、発熱体7(発熱体部116)はその全体が耐熱性絶縁体8(第1〜第5の積層材111〜115)に埋設されるのに対し、イオン検出用電極14(イオン検出用電極部117)の端面はセラミック発熱部6の先端部において露出することとなる。かかる(8−3)の実施の形態によれば、最初に用意する複数の耐熱性絶縁材がいずれも同様のシート材でよいため、例えば前記(8−2)の実施の形態に比べて予め用意しておく耐熱性絶縁材料の汎用性が向上することになる。
【0124】
これら(8−1),(8−2),(8−3)の製造方法によっても、既述した特有な構成を有し且つ優れたイオン電流検出機能を備えたグロープラグ1を製造することができ、その製造過程において煩雑な工程が強いられるといった不都合が回避できる。
【0125】
なお因みに、既述したセラミック発熱体6の製造過程において、最初に略円柱状の部材を作製し、その部材の先端を球面状態に研削加工するようにしていたものに対しても、最初に直方体やその他の立方体を作製した後に、先端が球面で且つ円柱状のセラミック発熱体6を研削加工するようにその製造方法を変更してもよい。また、上記(8−2),(8−3)の製造方法において、耐熱性絶縁材料からなる積層材の枚数は任意でよく、これら複数の積層材のうちほぼ中央に配置される積層材に発熱体及びイオン検出用電極を設ける構成であればよい。さらに、上記製造方法において、発熱体部とイオン検出用電極とを別体で設けてもよく、要は、最後の研削加工後にイオン検出用電極が露出するように作製できるものであればよい(発熱体部とイオン検出用電極とを別体に設ける場合には、それらを設ける積層材を別々にしてもよい)。
【0126】
(9)上記各実施の形態では、オールセラミックタイプのグロープラグについて記述したが、グロープラグの構成を変更してもよい。例えば、発熱体としてのコイル状の金属線(例えば、タングステン線)をセラミック材料からなる耐熱性絶縁体に埋設し、その金属線の一部に、燃焼火炎に晒されるイオン検出用電極を電気的に接続する。この場合にも、イオン電流検出機能を兼ね備えた安価なグロープラグを提供することができる。また、発熱体の発熱性能も長期にわたって維持できる。
【0127】
(10)上記第7の実施の形態では、燃料噴射開始のタイミングで漏洩電流(電流値Ip)を検出したが(図23のステップ207)、これを変更してもよい。例えば、燃料噴射時期内であって、その開始時以外のタイミングで漏洩電流を検出したり、TDC前の所定クランク角にて漏洩電流を検出したりするようにしてもよい。この所定クランク角は、回転数センサ32の検出信号から求められる所定番号のパルス出力タイミングとして与えられる。要するに、グロープラグ外周にカーボンが付着した場合、露出電極とアース側との絶縁抵抗は燃焼室内での圧力に依存する。そのため、漏洩電流の検出時期は、燃料の着火前であって筒内圧の高い状態、即ち圧縮行程時であればよい。但し、グロープラグ外周に多量のカーボンが付着した場合には、いずれのタイミングにおいても漏洩電流が観測されるため、望ましくは上記の如く圧縮行程で漏洩電流を検出することとするが、これに限定されるものではない。
【0128】
(11)また、上記第7の実施の形態では、図23のステップ210において、予め設定されている所定時間(2秒間)だけグローリレー76をON状態(発熱体加熱状態)で保持させたが、この保持時間を可変設定するようにしてもよい。例えば図23のステップ207で読み込まれた電流値Ipに応じてON状態の保持時間を設定するようにしてもよい。一例としては、電流値Ip(漏洩電流)が大きくなるほど保持時間が長くなるように設定する。この場合、付着カーボンをより一層確実に除去することができる。
【0129】
(12)上記第7の実施の形態におけるイオン電流検出システム(図22)において、破線枠で示す位置に定電流・定電圧回路80を設けてもよい。この場合、発熱体加熱状態下(グローリレー76がONの状態下)においてイオン検出用電極71に印加される電圧が降下するといった不具合が回避できる。その結果、安定した検出精度が確保できる。また、上記のように定電流・定電圧回路80を追加しただけであるので、煩雑な回路構成が強いられることはなく、コスト高騰を招くこともない。
【0130】
(13)上記各実施の形態では、渦流室を有するディーゼルエンジンの燃焼室内における燃焼イオンを検出するイオン電流検出装置に本発明のグロープラグを適用したが、燃料を燃焼室内に直接噴射する、いわゆる直噴型エンジンに本発明のグロープラグを適用してもよい。また、他の装置に本グロープラグを適用することもできる。例えば、ガソリンエンジンの排気管中で未燃燃料を燃焼させる装置において、その未燃燃料の燃焼に伴う燃焼イオンを本発明のグロープラグにより検出することも可能である。この場合、当該装置により検出されたイオン電流から未燃燃料の燃焼状態が判定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施の形態におけるグロープラグの概要を示す全体構成図。
【図2】第1の実施の形態におけるグロープラグの要部を拡大して示す断面図。
【図3】グロープラグの製造手順を示す説明図。
【図4】グロープラグの製造手順を示す説明図。
【図5】グロープラグの製造手順を示す説明図。
【図6】グロープラグの製造手順を示す説明図。
【図7】イオン電流検出システムの概要を示すものであって、発熱体加熱状態を示す構成図。
【図8】イオン電流検出システムの概要を示すものであって、イオン電流検出状態を示す構成図。
【図9】スイッチ回路の切り替え処理を示すフローチャート。
【図10】イオン電流波形の一例を示す図。
【図11】グロープラグの発熱特性を示す線図。
【図12】第2の実施の形態におけるグロープラグの要部を拡大して示す断面図。
【図13】第3の実施の形態におけるグロープラグの要部を拡大して示す断面図。
【図14】第4の実施の形態におけるグロープラグの要部を拡大して示す断面図。
【図15】第4の実施の形態におけるグロープラグの製造手順を示す説明図。
【図16】第4の実施の形態におけるグロープラグの製造手順を示す説明図。
【図17】第5の実施の形態におけるグロープラグの要部を拡大して示す断面図。
【図18】第6の実施の形態におけるグロープラグの要部を拡大して示す断面図。
【図19】第6の実施の形態におけるグロープラグの要部を拡大して示す断面図。
【図20】第7の実施の形態におけるグロープラグの要部を拡大して示す断面図。
【図21】第7の実施の形態におけるグロープラグの製造手順を示す説明図。
【図22】第7の実施の形態におけるイオン電流検出システムの概要を示す構成図。
【図23】グローリレーの切り替え処理を示すフローチャート。
【図24】イオン電流波形の一例を示す図。
【図25】第7の実施の形態において、他のイオン電流検出システムの概要を示す構成図。
【図26】イオン検出用電極の抵抗値とイオン電流波形との関係を説明するための図。
【図27】温度=1200℃の高温条件下で、Ca,K,Naの不純物量と曲げ強度との関係を示すグラフ。
【図28】温度=1200℃の高温条件下で、Na+Ca+Kの不純物混合量と曲げ強度との関係を示すグラフ。
【図29】不純物量が各0.1%以下、Ca量が1%、K量が1%、Na量が1%のそれぞれについて、温度と曲げ強度との関係を示すグラフ。
【図30】他の実施の形態において、グロープラグの製造手順を説明するための斜視図。
【図31】他の実施の形態において、グロープラグの製造手順を説明するための斜視図。
【図32】他の実施の形態において、グロープラグの製造手順を説明するための斜視図。
【図33】他の実施の形態において、グロープラグの製造手順を説明するための斜視図。
【符号の説明】
1…グロープラグ、7…発熱体、8…耐熱性絶縁体、9a,9b,11a,11b…リード線、14…イオン検出用電極、17…燃焼室をなす渦流室、26…イオン電流検出用抵抗、30…漏洩電流検出手段及び操作手段を構成するECU(電子制御装置)、41,42,44,45,51,61,71…イオン検出用電極、43,52〜54,62〜64,72,73…リード線、76…スイッチング手段としてのグローリレー、91…耐熱性絶縁シート材をなすシート、92,104,116…発熱体部、93,105,117…イオン検出用電極部、96…耐熱性絶縁中軸部をなす中軸部、101〜103,111〜115…積層材。

Claims (12)

  1. 燃料を燃焼させるための燃焼室内に一部が晒されたグロープラグであって、
    耐熱性絶縁体と、
    前記耐熱性絶縁体に埋設され、一対のリード線によって通電加熱される発熱体と、
    同じく前記耐熱性絶縁体に埋設されると共に、一部が前記燃焼室内で発生する火炎に晒され、火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極と
    を備えることを特徴とするグロープラグ。
  2. 請求項1に記載のグロープラグにおいて、
    前記発熱体と前記イオン検出用電極とは電気的に接続されているものであることを特徴とするグロープラグ。
  3. 前記発熱体と前記イオン検出用電極とが一体成形されている請求項2に記載のグロープラグ。
  4. 前記発熱体と前記イオン検出用電極との間には、リード線が介在されている請求項2に記載のグロープラグ。
  5. 請求項1に記載のグロープラグにおいて、
    前記発熱体と前記イオン検出用電極とは絶縁されているものであることを特徴とするグロープラグ。
  6. 前記イオン検出用電極の少なくとも前記火炎に晒される箇所は導電性セラミック材料よりなる請求項1〜5のいずれかに記載のグロープラグ。
  7. 発熱体とイオン検出用電極とは、異なる組成の混合物、或いは異なる粒径の粉体からなる混合物を用いて作り分けられている請求項1〜6のいずれかに記載のグロープラグ。
  8. 請求項5に記載のグロープラグを用いて燃料燃焼時に発生するイオン電流を検出するイオン電流検出装置であって、
    前記発熱体への通電状態をオン・オフするスイッチング手段と、
    燃料燃焼前の所定時期に前記イオン検出用電極より流れる漏洩電流を検出する漏洩電流検出手段と、
    前記漏洩電流検出手段により検出された漏洩電流が所定のしきい値よりも大きければ、一時的に前記発熱体を通電させるよう前記スイッチング手段を操作する操作手段と
    を備えることを特徴とするイオン電流検出装置。
  9. 前記漏洩電流検出手段は、前記燃焼室内の圧力上昇時に漏洩電流を検出するものである請求項8に記載のイオン電流検出装置。
  10. 一対のリード線によって通電加熱される発熱体、及び燃焼火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極を生成する工程と、
    前記発熱体及びイオン検出用電極を耐熱性絶縁体にて包囲し、それを所定温度にてホットプレスする工程と、
    前記耐熱性絶縁体の一部を切削加工し、前記イオン検出用電極を外部に露出させる工程と
    からなることを特徴とするグロープラグの製造方法。
  11. 一対のリード線によって通電加熱される発熱体、及び燃焼火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極を薄板状の耐熱性絶縁シート材に設ける工程と、
    前記シート材を棒状の耐熱性絶縁中軸部に巻き付ける工程と、
    前記耐熱性絶縁シート材及び耐熱性中軸部を加熱処理する工程と、
    前記耐熱性絶縁シート材及び耐熱性中軸部の一部を切削加工し、前記イオン検出用電極を外部に露出させる工程と
    からなることを特徴とするグロープラグの製造方法。
  12. 耐熱性絶縁材料からなる複数の積層材を用意し、そのうち特定の積層体に、一対のリード線によって通電加熱される発熱体、及び燃焼火炎中のイオン化の状態を検出するためのイオン検出用電極を設ける工程と、
    前記発熱体及びイオン検出用電極を設けた積層材がほぼ中央になるように、前記複数の積層材を重ね合わせる工程と、
    前記重ね合わせた複数の積層材を加熱処理する工程と、
    前記重ね合わせた複数の積層材の一部を切削加工し、前記イオン検出用電極を外部に露出させる工程と
    からなることを特徴とするグロープラグの製造方法。
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