JPH10117687A - 製茶方法 - Google Patents

製茶方法

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JPH10117687A
JPH10117687A JP27972296A JP27972296A JPH10117687A JP H10117687 A JPH10117687 A JP H10117687A JP 27972296 A JP27972296 A JP 27972296A JP 27972296 A JP27972296 A JP 27972296A JP H10117687 A JPH10117687 A JP H10117687A
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tea
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green tea
steamer
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Takanori Takihara
孝宣 瀧原
Hitoshi Kinugasa
仁 衣笠
Hitoshi Shinnou
仁 親納
Hiroko Sagesaka
裕子 提坂
Toshio Kawasaki
年夫 川崎
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ITOUEN KK
Ito En Ltd
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ITOUEN KK
Ito En Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現状の製茶方法を改良し、茶浸出液の水色、
滋味、香気等が優れた緑茶の製造方法を開発する。 【解決手段】 摘採した茶の生葉をいったん蒸機で蒸熱
しその後直ちに冷却し、この冷却された葉を複数回蒸機
で蒸熱処理しその後直ちに冷却を行い、その後は常法に
従って揉み工程、乾燥工程に移行するようにした。2回
目あるいはそれ以降の蒸熱処理における1回当たりの処
理時間は、約5秒〜約120秒、特に約10〜約90秒
に設定して行うのが好ましい。このようにして製造され
た緑茶は、水色、滋味、香気等で優れた緑茶になるた
め、この緑茶を通常通り浸出して飲用するだけでなく、
缶瓶詰めの緑茶ドリンクや茶エキス粉末の原料として使
用することも可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、香味に優れた緑茶
の製造方法、即ち製茶方法に関する。
【0002】緑茶の製造方法、即ち緑茶の製茶方法は、
生葉の処理方法により蒸熱製法と釜炒り製法とに大別す
ることができる。前者は、日本における緑茶の主流をな
し、生葉を蒸気に接触させた後、揉み工程および乾燥工
程を経て製茶する方法である。後者は、中国で主流をな
すと共に日本でも一部の地域で行われている製茶方法で
あって、生葉を加熱された釜で炒り、その後揉み工程お
よび乾燥工程を経て製茶する方法である。
【0003】蒸熱方法では、生葉を蒸熱処理した後、粗
揉、中揉、精揉等の揉み工程を経て、乾燥処理するのが
一般的であり、従来は、その蒸熱処理を20秒〜120
秒程度蒸気を生葉に接触させて行っていた。その目的
は、生葉に含まれる酸化酵素を失活させること、不快な
青臭みや悪臭を除去すること、および茶葉に柔軟性を与
えて揉み操作を容易にすること等にあった。また、蒸熱
処理を行う機械、即ち蒸機としては、その蒸熱手法の差
から、網胴回転攪拌型蒸機あるいは送帯式蒸機等が考案
され、実際に製茶工場において使用されており、両蒸機
とも蒸気が供給される点では同様であるが、網胴回転攪
拌型蒸機は、その網胴と攪拌軸が回転することにより生
葉に打圧を与えながら蒸すことが可能であり、短時間で
効率良く蒸せるのが特徴である。送帯式蒸機は、一定速
度で動く金属ネット上で生葉を蒸熱することを特徴と
し、主として60〜120秒程度の長時間の蒸しを行う
場合に利用されている。蒸熱された葉は品質が低下しな
いように、直ちに蒸葉冷却機などにより室温程度まで冷
却するのが一般的であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、製茶工
程における蒸熱処理は重要な工程であり、様々な手法が
取り入れられている。しかしながら、緑茶は嗜好性食品
であるため、茶を浸出したときの浸出液の水色、滋味、
香気等が優れていることが望まれ、その優れたものへの
志向は留まるところがない。したがって、製造現場で
は、現状の製茶方法を改良して、優れた嗜好性を持つ緑
茶の開発が望まれていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、より嗜好
性に優れた緑茶を製造するために製造現場における製茶
方法の改良を行うことで本発明を完成した。
【0006】本発明は、緑茶の蒸熱製法の製造工程にお
ける蒸熱工程を改良したもので、摘採した茶の生葉をい
ったん蒸機で蒸熱しその後直ちに冷却を行い、この冷却
された葉を再び蒸機で蒸熱処理しその後直ちに冷却を行
い、その後は常法に従って、揉み工程、乾燥工程に移行
する。即ち、本発明は、蒸熱処理およびその後の蒸熱さ
れた葉の冷却を複数回繰り返して行うことを特徴とする
ものであり、浸出液の水色、滋味、香気が優れ、特に香
気において顕著な効果があらわれる緑茶を製造すること
ができる。
【0007】本発明における蒸機は、回転攪拌型蒸機、
送帯式蒸機のどちらでも良く、茶葉を蒸気と一定時間接
触させることができる空間を持つものであれば蒸機とみ
なすことができる。また、繰り返し処理においては、同
じタイプの蒸機を連続して使用しても良いし、異なるタ
イプの蒸機を組合わせて使用することも可能である。
【0008】蒸熱処理した後の冷却は、茶葉の品質劣化
を防ぐことができる程度に冷却することを目的としてお
り、風冷、水冷のいずれでも可能である。
【0009】蒸熱処理は、複数回、即ち2回以上行うこ
とが有効であり、3回以上でも十分に嗜好性に優れた緑
茶を製造することができる。2回目あるいはそれ以降の
蒸熱処理における1回当たりの処理時間は、約5秒〜約
120秒、特に約10〜約90秒に設定して行うのが好
ましい。2回目以降の蒸熱処理時間とその蒸熱処理回数
との組合わせで、様々な品質の茶を製造することができ
る。この場合、各回の処理時間を同じ時間とすること
も、異なる時間を組み合わせることもできる。
【0010】なお、繰り返し蒸熱処理された後冷却され
た茶葉の表面には水滴が多く付着しているため、これを
次の揉み工程に持ち込むと水分が多すぎることによる揉
み不良が生じる可能性があるが、揉み工程の前に茶葉の
水切り操作を行って余分な水分を除去することで、良好
な揉み工程を行うことが可能である。
【0011】本発明により、製造された緑茶は、水色、
滋味、香気等で優れた緑茶になるため、この緑茶を通常
通り浸出して飲用するだけでなく、缶瓶詰めの緑茶ドリ
ンクや茶エキス粉末の原料として使用することも可能で
ある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を説明す
る。 (実施例1)新鮮な茶の生葉を90秒蒸熱処理した後冷
却し、更に処理時間を変えて2回目の蒸熱処理を行い、
2回目の蒸熱処理時間による品質特性(水色、滋味、香
気)の変化を官能検査により調査し、その結果を表1に
示した。なお、揉み工程及び乾燥工程は常法に従って行
い、品質特性の官能検査は対照(処理時間0)に対する
優劣を評価することにより行った。
【0013】
【表1】
【0014】表1の結果より、2回目の蒸熱処理時間が
5秒から120秒の時、対照の茶葉よりも高い評価が得
られた。また、10秒から90秒の処理でその傾向が顕
著であった。
【0015】(実施例2)新鮮な茶の生葉を90秒蒸熱
処理した後冷却し、更に90秒の蒸熱処理を1回又は2
回繰り返して行った。また、比較例として新鮮な茶の生
葉を180秒蒸熱処理した後冷却を行い、蒸熱処理時間
及び処理回数(のべ)による品質特性(水色、滋味、香
気)の変化を官能検査により調査し、結果を表2に示し
た。なお、揉み工程及び乾燥工程は常法に従って行い、
品質特性の官能検査は対照(90秒×1回)に対する優
劣を評価することにより行った。
【0016】
【表2】
【0017】表2の結果より、90秒・2回あるいは3
回の蒸熱処理によれば、対照である90秒・1回処理よ
りも良好な緑茶を製造することができることが判明し
た。また、90秒・2回処理と処理時間(のべ)が同じ
である180秒・1回処理によると、蒸熱により葉が黄
化・褐変して品質劣化が生じたため、全ての評価で対照
より低くなる結果を得た。
【0018】表3は、表2中で評価が高かった繰り返し
処理区に対し、更に旨味、渋味、苦味、まろやかさにつ
いて詳細に調査した結果である。これより、繰り返し蒸
熱処理により、わずかに渋味が低減されまろやかさが若
干増す傾向がみられた。
【0019】
【表3】
【0020】表4は、表2中で評価が高かった繰り返し
処理区に対し、更に各種香気成分(シス−3−ヘキセノ
ール、リナロール、ゲラニオール、ネロリドール)の変
化を調査した結果である。これより、繰り返し蒸熱処理
をすることにより、緑茶の新鮮香として知られるシス−
3−ヘキセノールが70%以上増加し、茶の香を構成す
る主要成分であるリナロール、ゲラニオール、ネロリド
ールがそれぞれ顕著に増加することが判明した。
【0021】
【表4】
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、製茶工程で行われる蒸
熱処理を繰り返して行うという簡便な方法で、官能的に
優れた嗜好性の高い緑茶を製造することができる。設備
としては、従来の蒸機あるいはその機能を有する機械を
連結させるか、あるいは従来の蒸機内の葉を送るライン
の中間に冷却機構を増設することで対応可能であり、機
械あるいはラインの設計も容易である。また、本発明に
より製造された緑茶は官能的に優れた茶葉であるため、
高く取り引きが行われると考えられ、製茶工場が設備投
資に見合った、あるいはそれ以上の経済効果を十分にえ
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 提坂 裕子 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊藤 園中央研究所内 (72)発明者 川崎 年夫 静岡県榛原郡相良町女神21 株式会社伊藤 園中央研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製茶工程において、茶の生葉の蒸熱処理
    およびその蒸熱された葉の冷却を行う工程を複数回繰り
    返し行うことを特徴とする製茶方法。
  2. 【請求項2】 2回目およびそれ以降の蒸熱時間が、5
    秒から120秒であることを特徴とする請求項1に記載
    の製茶方法。
  3. 【請求項3】 繰り返し蒸熱工程の後、茶葉の水切り操
    作を行ってから揉み工程に移行することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の製茶方法。
JP27972296A 1996-10-22 1996-10-22 製茶方法 Expired - Lifetime JP3152415B2 (ja)

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