JP2007089444A - 羅布麻茶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】羅布麻茶の最終仕上げ工程にマイクロ波照射の焙煎処理を採用した羅布麻茶の製造方法において、羅布麻茶に特有の有用な成分を損なうことなく、しかも青臭味がなく、好ましい香味がありその他にも味覚上優れた羅布麻茶を安定した品質で製造できるようにすることである。
【解決手段】羅布麻茶原材料が有する青臭味や苦味を除去し、羅布麻茶独特の風味を付与すると共に羅布麻茶特有の有効成分量の減少を抑制した羅布麻茶の製造方法を提供する。羅布麻の生葉を予め、水洗、殺青、揉稔、加熱、選別、一次焙煎した羅布麻茶を外部加熱温度140〜170℃、マイクロ波照射強度4〜6kwにて一次焙煎茶を処理する二次焙煎工程を含む羅布麻茶の製造方法とする。このようにして製造された羅布麻茶は、ハイペロサイド及びイソクエルシトリンの含有量合計値500mg/100g茶葉以上を含むものになる。
【選択図】なし

Description

この発明は、羅布麻茶とその製造方法に関し、特に製造工程で有用成分を可及的に多く残せるようにした羅布麻茶の製造方法およびこの方法で製造された羅布麻茶に関する。
羅布麻茶は、中国山東省、新蛮地区などに野生する羅布麻を原料とした茶であり、中国では、古くからその葉を乾燥ないしは焙煎してお茶として飲用されている。
原料の羅布麻は、キョウチクトウ科の宿根性多年草、直立半潅木で高さ1.5〜4m、葉は楕円状で長さ1〜8cm、幅0.5〜2cmであり、日本茶の原料のツバキ科のチャノキ(Camellia sinensis)とは別種の植物である。現地では、羅布麻の葉を採取した後、水蒸気による殺青、乾燥または焙煎することによって羅布麻茶を製造している。
中国の国内で製造されている羅布麻茶は、焙煎の程度が低いものであり、青臭味があるものも多く、この匂いは日本人の嗜好に合致しない場合がある。
一方、日本でも販売されている羅布麻茶は、焙煎の程度を強めて焙じ感を深めており、青臭味を無くし芳ばしさを出すようにしている。羅布麻茶の焙煎方法としては、回転ドラムを用いて茶葉を加熱(焙煎、火入れ)する外部加熱方式が一般的に採用されている。
この方法は、緑茶、ほうじ茶の焙煎方法としても多く採用されているが、茶葉が局所的に高温度になって焙煎の程度が不均一になりやすく、良質の緑茶等を得るために得策な方法ではない。
緑茶の製造法としては、比較的低温度で均一に焙煎を行なうため、外部加熱とマイクロ波を併用した焙煎方法を採用し、乾燥と火入れ(軽焙煎)を単一の工程で行なうようにする技術が開示されている(特許文献1)。
ところで、羅布麻茶(別称:燕龍茶)は、古くから高血圧の治療に良いことが知られており、最近の研究においても降圧作用があることが実験的に証明され、その有効成分も次第に明らかになっている。最新の研究結果によると、降圧作用に関わる物質は、フラボノイドのハイペロサイドとイソクエルシトリンであり、両物質が併存する状態で最も効果的に血圧降下作用を発揮するといわれている。
このように、羅布麻茶は健康志向の高い飲料であるため、その有効成分の多少は製品の優劣を決める大きな因子となり、製造工程での降圧作用関連物質の損失があることは好ましくない。
特開2002−34457号公報
しかし、羅布麻茶は、緑茶の製造条件よりも高温の焙煎条件が必要であり、具体的には焙煎温度として170〜200℃を必要とする。このような羅布麻茶に対して、製造工程で青臭味がなくなるまで焙煎の程度を深めると、焙煎温度が相当に高くなり、焙煎時間も長くなるため、羅布麻茶の収率が低下する。また、このような焙煎処理工程を採用すると、芳ばしさよりも焦げ臭い香りが強くなり、工業的にも嗜好的にも充分に満足できるものが得られなかった。
また、羅布麻茶の製造工程中の焙煎処理において、単純な焙煎法に加えて最終工程の焙煎時にマイクロ波を照射し、羅布麻茶を均一に加熱して焙煎効率の向上と品質の均一化を試みたが、得られる製品の風味において焙じ茶に特有の味わいを安定して発現させることはできなかった。
また、羅布麻茶に含まれる固有成分がマイクロ波の照射後に減少する傾向が認められたが、緑茶などではそのような問題の起こった事例が知られていないことから、この問題は羅布麻茶に特有の成分と関係しているとも考えられた。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、羅布麻茶の最終仕上げ工程にマイクロ波照射の焙煎処理を採用した羅布麻茶の製造方法において、羅布麻茶に特有の有用な成分を損なうことなく、しかも青臭味がなく、好ましい香味がありその他にも味覚上優れた羅布麻茶を安定した品質で製造できるようにすることである。
本発明者らは、前述したように、羅布麻茶の味覚改善のための製造方法の開発を目指し、その製造工程のうち、特に最終仕上げの焙煎工程との前記降圧作用関連物質との係わり合いを詳細に研究した。
その研究過程において、羅布麻茶製造の焙煎工程での処理条件が、味覚の改善と共に降圧作用関連物質の含有濃度に大きく関与していることを発見し、この発明を完成させたのである。
すなわち、この発明において採用する上記した課題解決の手段は、原料である羅布麻葉を、洗浄、殺青、揉捻、乾燥および焙煎する各工程を含む羅布麻茶の製造法において、前記焙煎工程を一次焙煎工程と二次焙煎工程の二段階で行ない、一次焙煎工程を外部加熱にて行ない、次いで二次焙煎工程をマイクロ波照射強度4〜6kwによる内部加熱またはこの内部加熱と共に外部加熱を併用して、加熱処理時間10〜30分、茶葉温度140〜170℃となる条件で行なうことを特徴とする羅布麻茶の製造方法とすることである。
上記したこの発明の羅布麻茶の製造方法によると、所定の工程を経た羅布麻茶製造原料に対し、二次焙煎工程をマイクロ波照射による内部加熱、またはそのような内部加熱と外部加熱との併用によって行なうようにしたので、羅布麻茶製造原料の内部から表面にかけて温度差が少なくなり、全体に均一の加熱を比較的短時間だけ行なえばよく、そのために効率よく短時間で高温の焙煎処理を行なうことができると考えられ、その結果として羅布麻茶に特有のハイペロサイドとイソクエルシトリンという健康に有用なフラボノイド成分が損なわれることなく、しかも青臭味はなくなり、香ばしい香味があって、その他にも甘味があるなど味覚上優れた羅布麻茶を安定した品質で製造できるようになる。
このような有利な結果を得るのは、後述の実験結果からも明らかなように、二次焙煎工程における加熱処理が、茶葉温度140〜170℃の加熱処理である場合により確実かつ顕著であり、または二次焙煎工程の加熱処理におけるマイクロ波照射強度が4〜6kwであり、かつ加熱処理時間が10〜30分である場合により確実に奏される。
また、上記の方法で製造された羅布麻茶として、ハイペロサイドおよびイソクエルシトリンの合計含有量が、100gの茶葉について500mg以上の羅布麻茶であるものが降圧作用の有用性において好適なものとなる。
この発明は、羅布麻茶の製造法において、焙煎工程を一次焙煎工程と二次焙煎工程の二段階で行ない、特に二次焙煎工程をマイクロ波照射による内部加熱またはこれを外部加熱と併用して行なうようにしたので、内外部が効率よく均一加熱され、その結果、羅布麻茶に特有のハイペロサイドとイソクエルシトリンという健康に有用なフラボノイド成分が損なわれることなく焙煎が行なわれ、しかも青臭味はなくなり、香ばしい香味があり、その他にも甘味があるなど味覚上優れた羅布麻茶を安定した品質で製造できるという利点がある。
また、二次焙煎工程における加熱処理が、所定の茶葉温度に調整すると、より確実かつ顕著に前記効果があり、また二次焙煎工程の加熱処理におけるマイクロ波照射強度と加熱処理時間を所定範囲に限定すれば、前記効果は、より確実に奏される。
また、羅布麻茶として、ハイペロサイドおよびイソクエルシトリンの合計含有量が、所定量のものが降圧作用においてより有用なものである。
この発明に用いる羅布麻は、キョウチクトウ科の多年草で紅麻とも別称され、学名:アポシナム ベネタム エル(Apocynum venetum L.)およびその近縁種であり、その葉は中葉大辞典などによると、心臓病、不眠症、高血圧、腎炎、浮腫などに用いるとされ高血圧に対しては羅布麻薬を煎じてお茶代わりに毎日飲むと良いと記載されているなど、古くからその効用が知られており、通常、お茶として飲用されているものである。
図1に示す羅布麻茶の製造工程図を参照して、製造方法を以下に詳細に説明する。
同図において、(1)羅布麻葉は、採取された生の葉であり、このものは集荷された後、(2)洗浄・選別によって汚れや異物が除去されたものを使用する。そして、生葉は発酵による変質を防止するために、直ちに(3)殺青処理が殺青処理機を用いて行われる。殺青処理条件は、水蒸気雰囲気中で温度150〜250℃、処理時間5〜10分である。
殺青処理機から取り出された羅布麻葉は、放冷後、(4)揉捻される。揉捻作業は、通常30〜60分かけて手作業または揉捻機を用いて行なわれる。この揉捻処理によって、羅布麻葉は、粉砕されて羅布麻葉は細片化し、この組織破壊により茶葉としてお湯抽出した場合に成分が染み出しやすくなる。揉捻機から取り出された羅布麻葉は、水分を80%から100%含むため、次に(5)加熱処理によって乾燥させる。
加熱処理の条件は、加熱機の形式、羅布麻葉の状態によって適宜に異ならせるが、通常の温度は90〜20℃、処理時間は20〜60分であり、必ずしも一度に行う必要はなく2段階に分けて実施しても良く、最終的な水分含有率は5〜10%となるように調整して乾燥する。
その後、(6)選別が行われるが、その方式は、篩分法、風選法などによって、適度の大きさの羅布麻葉が選抜される。この段階での羅布麻茶は、まだ緑色を強く残した状態であり、お茶として飲用した場合には、青臭味が強く独特の香味を持っている。
そこで、次に(7)一次焙煎が行われるが、この焙煎条件は、温度120〜180℃、処理時間10〜30分程度である。その後、羅布麻茶の葉の大きさを揃えるための(8)選別、金属探知機による金属の検知、除去が行われる。
次に、(9)二次焙煎工程では、マイクロ波照射処理を採用し、羅布麻葉を外部加熱する方法とマイクロ波照射を行う方法を組み合わせて焙煎処理を行なう。
この発明に用いるマイクロ波は、羅布麻茶に含有される水分の水分子を振動させて発熱可能なものであれば良く、好ましくは振動数2000〜3000MHzの範囲のものが好ましい。より好ましいマイクロ波は、振動数2400〜2500MHzであり、この種のマイクロ波の代表的な例としては、通常、食品用の電子レンジにてマグネトロンと呼ばれる高周波発振器から周波数2450MHzの電磁波として取り出されるものがある。
図2に示すように、二次焙煎工程に用いる実施形態の二次焙煎装置は、通常の回転・間接加熱方式のものにマイクロ波が同時に行なえるようした連続取り出し方式の焙煎装置である。詳細に説明すると、この装置は、内側壁に螺旋状の溝が刻まれた円筒状容器からなる焙煎用ドラム1を有し、これを回転歯車2とこれを駆動するモーターなどの外部回転動力により所定速度で回転する。
そして、回転駆動される焙煎用ドラム1の外側は、下方から加熱バーナー4で内部温度を前記した焙煎に所要の温度まで昇温し、これを維持するように外側を覆う加熱用ドラム3を有する。燃焼排ガスは、加熱用ドラム3上部の排気ダクト5から大気中に放出される。
焙煎用ドラム1の内部温度は、熱電対温度計6によって測定記録される。また、マイクロ波照射機7(マイクロ波発信機とも称される。)で所定出力のマイクロ波(2400〜2500MH)を茶葉に照射する。
原料の茶葉は、原料茶葉ホッパー8から茶葉供給バルブ9を介して茶葉投入ロ10から焙煎用ドラム1に連続的に所定量が供給され、茶葉の供給速度は茶葉供給バルブ9で制御される。
前述のように焙煎用ドラム1の内部壁には、螺旋状の溝が刻まれているから、焙煎用ドラム1が回転すると、茶葉は加熱用ドラム3から熱伝導を受けて加熱されながら徐々に螺旋状の溝に沿って進み、排出口11から排出されるが、排出前の茶葉にはマイクロ波照射機7から所定出力のマイクロ波が照射される。
このようにして焙煎用ドラム1で所定の条件下、焙煎処理を受けた茶葉は、排出口11から取り出され、茶葉排出バルブ12を介して排出され、製品茶葉受槽13にて貯留されかつ冷却される。
この一連の羅布麻茶二次焙煎処理における重要な条件は、焙煎処理茶葉温度と、マイクロ波照射強度と、焙煎処理時間である。
焙煎茶葉温度は、加熱用ドラム3の温度によって調整されるが、後に詳細に述べるように、マイクロ波の照射強度によっても影響を受け、マイクロ波照射強度が強くなるほど高温度で焙煎される。この装置のマイクロ波照射強度は、発生装置の設定によって規定される。なお、この種の装置では、茶葉温度を直接に計測し、また装置の加熱温度をコントロールすることはかなり困難であるから、装置制御温度として排気ダクト5の近くに設置した温度計6の温度にて制御するようにされている。なお、この温度計6での計測温度は、加熱用ドラムの壁面温度にほぼ等しく、茶葉に直接接触している温度ということも出来るから、一応は茶葉の加熱温度として見徹しても良いと考えられる。
焙煎処理時間は、原料茶葉ホッパー8からの茶葉の供給速度と、焙煎用ドラム1の回転速度と、排出口11の堰の高さによって規定されるが、通常、回転式ドラムによる焙煎装置においては堰の高さは一定であるため、実質的には茶葉供給速度及びドラムの回転速度によって規定される。
以上に説明した二次焙煎(9)の工程の後、図1に示すように、羅布麻茶は選別(10)において、再度、選別(8)と同じ処理を受け、すなわち、節分、風速によって適度の粒径の茶葉に選別されるとともに、磁力選によって金属片を除去されて、製品(11)となる。
このようにして得られる製品羅布麻茶の味覚は、この二次焙煎の条件によって大きく変わる。この味覚の調整のための検査は、いわゆるお茶出しを行ない、パネラーによる味覚調査・検査(官能検査)によって評価される。
羅布麻茶のお茶出しは、3gの羅布麻茶を1リットルの沸騰水で10分間抽出して行う。味覚的には、独特の香味も評価の対象になるが、青臭味や苦味などが二次焙煎前の羅布麻茶には強く感じられるので、これらのマイナスイメージの味覚が焙煎方法によってどの程度解消されるかが、この官能試験の重要な因子となる。
最も好ましい二次焙煎処理の条件は、外部加熱の温度とマイクロ波照射強度との関係に求められる。すなわち、外部加熱温度としては、140〜170℃、望ましくは155〜165℃である。マイクロ波照射強度は、3.5〜5.5kwが好ましく、より好ましくは3.8〜4.2kwである。
この装置の運転条件については、この外部加熱温度とマイクロ波照射強度をコントロールするのが最も好ましく、この装置内の茶葉滞留時間(焙煎処理時間)については、この装置の前後の装置条件にも影響を与えるので一定時間(約20分間)とするのが良い。なお、焙煎時間は10〜30分間の範囲で適宜に決めればよいが、特に好ましくは前記のように約20分間とすることが好ましい。
なぜなら、上記所定の加熱温度とマイクロ波照射強度を所定範囲未満に低く変化させるとき、製品羅布麻茶の香味は、温度が低すぎれば、青臭味や苦味、渋みが残り、温度が高すぎると焦げ臭が強くなる傾向を示すからである。
羅布麻茶二次焙煎条件、すなわち、加熱温度として最も適当な温度は155〜165℃である。ただし、この加熱温度は、一定条件のマイクロ波照射がなされた場合の温度域であり、マイクロ波照射がなされなかった場合には、この最適温度は恐らく高温度域に移ると考えられる。それは、マイクロ波照射によって実際の茶葉温度は、この加熱温度よりも高温度になっているためである。これはサーモラベルを一次焙煎後茶(原料羅布麻茶)に混入して二次焙煎を行ない、その時に同時に最高温度を計測し、それを羅布麻茶温度の到達最高温度に見徹して検討した結果から想定される。茶葉温度は、外部加熱温度より約20〜30℃高くなっていると見込まれる。マイクロ波照射を行うと物質が内部から熱せられることは良く知られているところであるが、羅布麻茶の製造(焙煎)においても、マイクロ波照射は茶葉の均一な加熱に寄与している。マイクロ波照射の強度は、3.8〜4.2kwであるが、これはマイクロ波照射のみで焙煎する時の強度ではない。すなわち、外部加熱を同時に実施する時の強度であり、外部加熱との組み合わせにおいて、最も良好な結果が得られる。例えば、加熱温度157℃、マイクロ波照射強度4.0kwの条件では、青臭みの無い独特の風味を持つ芳ばしい羅布麻茶として仕上がる。
ところで、二次焙煎条件、すなわち、焙煎温度・マイクロ波照射強度とハイペロサイド・イソクエルシトリンの合計含有率の間には明らかな相関関係があり、焙煎温度が高温になるほど、そしてマイクロ波照射強度(出力設定値)が高くなるほど、ハイペロサイド・イソクエルシトリンの合計含有率は低下する。ハイペロサイド・イソクエルシトリンの合計含有率の減少に及ぼす加熱温度とマイクロ波照射強度の影響の比較では、その傾向としてマイクロ波照射強度の方が大きいようであると認められた。すなわち、外部加熱温度を高めに設定し、マイクロ波照射強度を低めにする方がハイペロサイド・イソクエルシトリンの合計含有率の低下は小さい。例えば、味覚官能試験において最も好成績であった条件として加熱温度157℃、マイクロ波照射強度4.0kwでは、ハイペロサイド・イソクエルシトリンの合計含有率の低下率はマイクロ波無照射の場合の約12%であった。なお、マイクロ波無照射の場合では、加熱温度を145℃と157℃とした条件でのハイペロサイド・イソクエルシトリンの合計含有率を比較すると、4%の減少に留まった。
[実施例1〜3、比較例1〜5]
図2に示す連続焙煎装置(ミクロ電子社製)を用いて表1に示す加熱温度(℃)、マイクロ波(2450MHz±30MHz)の照射強度(kw)、茶葉温度(℃)の条件で羅布麻茶の二次焙煎を行ない、羅布麻茶の有効成分としてHY:ハイペロサイド、IS:イソクエルシトリン、HY+IS=ハイペロサイドとイソクエルシトリンの和、比率:原料中のHY+ISに対する各試料中のHY+ISの比率、をそれぞれ表1中に併記した。
この実験においては、焙煎ドラム内における茶葉の温度を測定するために、100〜210℃までの10℃ごとの温度を感知する市販のサーモラベルシートを茶葉に予め混入しておき、回収したラベルの指標着色マークが暴露温度によって変色するのを観察して到達温度を測定した。
Figure 2007089444
表1の結果からも明らかなように、羅布麻茶の有効成分、すなわち、ハイペロサイドとイソクエルシトリンの和で示される値は、加熱温度の高温度設定、マイクロ波照射の強度を上げることによって減少した。その値は本表に示した比率によってより明らかになるが、加熱温度147℃の条件下であっても、マイクロ波照射強度が5.3kwになると有効成分の比率は0.81になり、焙煎条件を設定する場合には余り適当でなかった。従って、加熱温度147℃の場合は、マイクロ波照射強度は少なくとも5.3kw未満が望ましい。
加熱温度157℃の条件下においても147℃の場合と同じ傾向にあるが、マイクロ波照射強度としては4.5kw以下が適当であった。マイクロ波照射強度5.3kwでは、比率は0.8を下回るようになり、条件的には適当とは言い難かった。すなわち、加熱温度155〜165℃、マイクロ波照射強度3.5〜5.5kwの条件下の組み合わせで二次焙煎が行われた場合は、原料羅布麻茶(一次焙煎後茶)のハイペロサイド・イソクエルシトリンの含有量合計値の90%以上(損失率10%以下)の500mg/100g茶葉以上が確保できた。
因みに、ハイペロサイド・イソクエルシトリンの含有量合計値30mg/500mlを毎日飲用することによって、軽症高血圧者の血圧を有意に下げることが証明されているが、このハイペロサイド・イソクエルシトリンの含有量合計値500mg/100g茶葉は、この発明の実施例の茶葉量に換算すると約6g以下であり、十分な経済性を持って毎日お茶として飲用できる量である。
また、茶葉温度は、マイクロ波照射のない場合は加熱温度よりも低かった。しかし、マイクロ波の照射によって、茶葉の温度は上昇し、加熱温度157℃の条件下でマイクロ波照射時の茶葉温度は170℃になった。
Figure 2007089444
次に、上記実施例および比較例における羅布麻茶の試料について、お湯1リットルに対して茶葉4gを投入し、10分間沸騰させた後、その抽出液をお茶として官能検査員9名による官能試験を行った。検査項目は、色調、香味(羅布麻茶独特の香りと芳ばしさ)、苦味、甘味で、各々を5段階に評価し、その結果を表2に示した。
5段階評価の数値は、表1に示した実験条件での二次焙煎羅布麻茶の相対的な評価結果であり、最高点5は最も高い優れた評価点であり、最低点1は最も劣った評価点であり、飲用するには問題がある点数である。
表2の結果からも明らかなように、総合的に良い結果となったのは実施例2(実験No.7)及び比較例5(実験No.9)である。この両者では有効成分の減少の程度を加味すると(表1参照)、最も優れたものは実施例2(実験No.7)であると認められた。
実施形態の製造工程を説明する流れ図 二次焙煎に用いる焙煎装置の概略説明図
符号の説明
1 焙煎用ドラム
2 回転歯車
3 加熱用ドラム
4 加熱バーナー
5 排気ダクト
6 熱電対温度計
7 マイクロ波照射機
8 原料茶葉ホッパー
9 茶葉供給バルブ
10 茶葉投入口
11 排出口
12 茶葉排出バルブ
13 製品茶葉受槽

Claims (2)

  1. 原料である羅布麻葉を、洗浄、殺青、揉捻、乾燥および焙煎する各工程を含む羅布麻茶の製造方法において、
    前記焙煎工程を一次焙煎工程と二次焙煎工程の二段階で行ない、一次焙煎工程を外部加熱にて行ない、次いで二次焙煎工程をマイクロ波照射強度4〜6kwによる内部加熱またはこの内部加熱と共に外部加熱を併用して、加熱処理時間10〜30分、茶葉温度140〜170℃となる条件で行なうことを特徴とする羅布麻茶の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法で製造された羅布麻茶からなり、ハイペロサイドおよびイソクエルシトリンの合計含有量が、100gの茶葉について500mg以上であることを特徴とする羅布麻茶。
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