JPH1011738A - 磁気記録媒体および磁気記録媒体用結合剤の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体および磁気記録媒体用結合剤の製造方法

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JPH1011738A
JPH1011738A JP16934796A JP16934796A JPH1011738A JP H1011738 A JPH1011738 A JP H1011738A JP 16934796 A JP16934796 A JP 16934796A JP 16934796 A JP16934796 A JP 16934796A JP H1011738 A JPH1011738 A JP H1011738A
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JP16934796A
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Hiroshi Hashimoto
博司 橋本
Katsuhiko Meguro
克彦 目黒
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性に優れ、ヘッド汚れ、目詰まり
等を防止した走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 非磁性支持体上に少なくとも強磁性粉末
と結合剤とを含む磁性層を設けた磁気記録媒体におい
て、前記結合剤が、結合剤溶液の0.5〜3倍の貧溶剤
を添加して低分子量成分が多く溶解した液層と高分子量
成分が多く溶解した液層に分離させた後、後者を取り出
すことによつて、低分子量成分を除去した結合剤を用い
た磁気記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】強磁性微粉末と結合剤とを分
散させてなる磁性層を非磁性支持体上に設けた磁気記録
媒体において、とくに優れた電磁変換特性と耐久性をも
つ磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオ
テープあるいはフロッピーディスクなどとして広く用い
られている。磁気記録媒体は、強磁性粉末が結合剤(バ
インダ)中に分散された磁性層を非磁性支持体上に積層
している。磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久性
および走行性能などの諸特性において高いレベルにある
ことが必要とされる。すなわち、音楽録音再生用のオー
ディオテープにおいては、より高度の原音再生能力が要
求されている。また、ビデオテープについては、原画再
生能力が優れているなど電磁変換特性が優れていること
が要求されている。このような優れた電磁変換特性を有
すると同時に、磁気記録媒体は良好な走行耐久性を持つ
ことが要求されている。そして、良好な走行耐久性を得
るために、一般には研磨材および潤滑剤が磁性層中に添
加されている。
【0003】磁気記録媒体の使用機器において媒体と磁
気ヘッドが摺動接触するために、磁気記録媒体の結合剤
中の低分子成分が磁性層表面付近に浮上して磁気ヘッド
に付着する磁気ヘッド汚れが生じるという問題があっ
た。磁気ヘッド汚れは電磁変換特性の劣化の原因となっ
ている。とくに、高密度記録用の機器では、磁気ヘッド
回転数が上昇しており、デジタルビデオテープレコーダ
では、磁気ヘッドの回転数が9600回転/分と、アナ
ログビデオテープレコーダの民生用の1800回転/
分、業務用の5000回転/分に比べて格段に高速回転
数であり、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの摺動する速度
が大きくなり、また磁気ヘッドも薄膜ヘッド等のように
小型のものが用いられており、磁気記録媒体から生じる
成分による磁気ヘッド汚れの改善が求められている。
【0004】このような問題を改善する方法として、硬
い結合剤を用いて磁性層の硬度を上げることが行われて
いる。さらに、結合剤中の低分子量成分を減少させて結
合剤からの樹脂成分がヘッドに付着してヘッド汚れ等を
引き起こすことを防止することが行われている。
【0005】例えば、特開昭62−229523号公報
には、分子量2000以下の低分子成分を除去する方法
として、磁性塗料を塗布・乾燥後に磁気記録媒体を、温
度および圧力が臨界点以上の超臨界流体中に晒すことに
よって、低分子量成分を超臨界流体によって抽出除去す
る方法が示されているが、高温・高圧に耐える圧力容器
を必要とし工業的には不利であるとともに、巻回状態の
磁気記録媒体の結合剤中から低分子量成分を均一に除去
することには問題がある。
【0006】特開昭63−263629号公報には、低
分子成分を3重量%以下にする方法として、重合触媒
の条件調整、樹脂そのものの分子量の上昇、合成後
にアルーコール類、芳香族類、脂肪族炭化水素類等の貧
溶媒を用いて分別沈殿する方法が挙げられており、具体
的には、ヘキサン、ヘキサン/トルエン=7/3を使用
した分別沈殿法が記載されている。ところがヘキサンを
使用した場合は稀薄相の溶解度が低く充分に低分子量成
分が除去できず不十分であり、ヘキサン/トルエン混合
溶剤を使用した場合にはトルエン量で溶解度は調整する
ことができるが高分子成分も溶解するため収率が低下す
る。さらに、沈澱分別は樹脂溶液に対して6倍と大量の
溶剤を用いるとともに、樹脂の固形分を取り出し乾燥
し、さらに再溶解させるので生産性が悪く、製造費用が
高くなるという問題があった。
【0007】また、特開平6−52539号公報には、
分子量400〜1300の低分子成分を0.5〜2.5
重量%にする方法としてポリエステルポリウレタン合
成後にトルエン等の有機溶媒中で再沈殿、トルエン等
の有機溶媒中での再沈殿で精製されたポリウレタンを使
用する、原料ポリウレタンの合成を低分子成分が精製
されにくい構造(長鎖ジオール、環状ジオール)にする
ことを記載している。実施例では鎖延長剤としてのジオ
ールを使わない合成方法に変更することが記載されてい
るが、低分子成分の除去方法については記載されていな
い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塗布層の分
散性が高く、磁性層の表面平滑性・電磁変換特性に優れ
るとともに、ヘッド汚れ、目詰まり等を防止した走行耐
久性に優れ、さらに高温・高湿下での保存性に優れ、走
行前後での表面バインダー量変化の少ない磁気記録媒体
を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、非磁性支持体
上に少なくとも強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層を設
けた磁気記録媒体において、前記結合剤が、結合剤溶液
の0.5〜3倍の貧溶剤を添加して低分子量成分が多く
溶解した液層と高分子量成分が多く溶解した液層に分離
させた後、後者を取り出すことによつて、低分子量成分
を除去した結合剤である磁気記録媒体である。また、結
合剤の重量平均分子量が10000〜60000であ
り、1×10-5〜60×10-5eq/gの極性基を含有
し、分子量5000以下の低分子量成分の含有量が3重
量%以下である前記の磁気記録媒体である。貧溶剤が分
子内に活性水素を持たない前記の磁気記録媒体である。
【0010】結合剤の極性基が−COOM、−PO(O
M)2 、−SO3M(ここでMは水素原子、アルカリ金
属あるいはアンモニウム塩)、アミノ基である前記の磁
気記録媒体である。非磁性支持体上に磁性粉体または非
磁性粉体の少なくともいずれか一方と結合剤を含む下層
塗布層を設け、その上に強磁性金属粉末と結合剤とを含
む磁性層を設けた少なくとも二層以上の層を有する磁気
記録媒体において、下層塗布層中の結合剤または磁性層
中の結合剤の少なくともいずれか一方が、結合剤溶液の
0.5〜3倍の貧溶剤を添加して低分子量成分が多く溶
解した液層と高分子量成分が多く溶解した液層に分離さ
せた後、後者を取り出すことによつて、低分子成分を除
去することによって、低分子量成分を除去した結合剤で
ある磁気記録媒体である。また、結合剤溶液の0.5〜
3倍の貧溶剤を添加して低分子成分が多く溶解した液層
と高分子成分が多く溶解した液層に分離させた後、後者
を取り出すことによつて、低分子成分を除去する磁気記
録媒体用結合剤の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】従来、磁気記録媒体の結合剤とし
て良好な力学強度および溶剤への高い溶解度とを有する
塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂等がポリイソシア
ネートとともに使用されている。
【0012】さらに、高記録密度化のために磁性層に使
用される強磁性粉体、および下層塗布層に用いられる非
磁性粉体の分散性をさらに高める手段として上記塩化ビ
ニル系樹脂およびポリウレタン樹脂等の結合剤分子中に
−COOM、−PO(OM)2、−SO3M(ここでMは
水素原子、アルカリ金属あるいはアンモニウム塩)、ア
ミノ基等の極性基を導入することが提案されている。と
ころが、これらの極性基は、すべて磁性粉体および非磁
性粉体に強固に吸着されたり、併用されるポリイソシア
ネートと反応し架橋・固定されるわけではなく、一部は
未架橋のまま磁性塗膜中に残留し、経時とともに、特に
高温高湿の保存により磁性層表面に滲みだしてきて摺動
により走行時のヘッド、走行系の汚れの原因となる。
【0013】このような滲みだしは磁性層の厚みに依存
するが、単層磁性層の場合のみならず下層に非磁性粉
体、磁性粉体を使用した2層以上の塗布層が形成されて
なる磁気記録媒体で上層磁性層が極めて薄い場合でも見
られる。また、使用される結合剤樹脂中のおおよそ分子
量5000以下の低分子量成分の含有率に比例し、特
に、磁性粉体および非磁性粉体に吸着しない結合剤樹脂
の低分子量成分は分散性を低下させると同時に保存、特
に高温高湿下の保存により磁性層表面に滲出しヘッド汚
れの原因となることがわかった。
【0014】本発明者らは非磁性支持体上に磁性層およ
び非磁性層の塗布層を形成させる結合剤の極性基の種類
・量および結合剤分子内への分布の仕方に着目し、分散
性、走行性、耐久性、保存性等の電磁変換特性、実用特
性に優れた磁気記録媒体を製造することを鋭意研究し
た。
【0015】その結果、本発明は、結合剤樹脂の溶液中
に、結合剤樹脂の溶解度の小さな貧溶剤を添加して結合
剤樹脂が多く溶解した相と、低分子量成分が多く溶解し
た相の二相に分離することによって、結合剤樹脂中の低
分子量成分を減少させることが可能であることを見いだ
したものである。
【0016】とくに、本発明の方法は、結合剤樹脂の溶
液に貧溶媒を加えて、結合剤樹脂を沈殿分別する方法に
比べ、低分子量成分を除去する際に貧溶剤の使用量が結
合剤樹脂溶液の0.5〜3倍と少量ですむため、使用す
る溶剤が少なくて良く生産性が高く、製造コストも少な
く環境保全にも良い方法である。
【0017】また、沈殿分別の場合は固形化した樹脂を
取り出して乾燥するのに対して、本発明の方法では、溶
液状態で取り出し乾燥工程も不要でそのまま磁気記録媒
体の製造に使用できるという特徴も有している。
【0018】そして、このようにして得られた結合剤を
用いることにより強磁性粉体と結合剤とを含む磁性層を
設けた磁気記録媒体、および少なくとも非磁性粉体と結
合剤もしくは磁性体と結合剤からなる下層塗布層とその
上に少なくとも強磁性粉体と結合剤とを含む上層磁性層
を設けた少なくとも二層以上の複数の層を有する磁気記
録媒体において分散性、電磁変換特性のみならず走行耐
久性、保存性に優れた磁気記録媒体が得られるものであ
る。
【0019】結合剤樹脂の相分離に用いる貧溶剤は、結
合剤樹脂の種類に応じて適宜選ばれるが、貧溶剤として
アルコール等の活性水素を含む貧溶剤を用いた場合、分
別した結合剤樹脂中から完全に除去しないと結合剤樹脂
中に残留した貧溶剤が磁性塗料を調整の際に併用される
イソシアネート系硬化剤と反応し塗膜の平滑性を損なっ
たり、耐久性を著しく低下させる。
【0020】貧溶剤としてはアセトニトリルが最も好ま
しく、これ以外にアセトニトリルとシクロヘキサノン、
アセトニトリルとメチルエチルケトン、アセトニトリル
とトルエン等の混合溶剤を用いることもできる。
【0021】また、結合剤の重量平均分子量(Mw)は
10,000〜60,000が好ましい。10,000
未満では、塗膜強度が低下し、耐久性が低下する。ま
た、60,000より大では溶剤への溶解性が低下し、
分散性が低下する。ポリウレタン中の重量平均分子量5
000以下の成分は3重量%以下が好ましく、3重量%
を超えると磁気記録媒体の特性が低下する。
【0022】さらに、使用する結合剤樹脂としては含有
する極性基が−SO3M 、−PO(OM)3、−COO
M(ここで、Mは水素原子、アルカリ金属、アンモニウ
ム塩を示す)、アミノ基であり、極性基量が1×10-5
〜60×10-5eq/g−結合剤の範囲であり、さらに
は2×10-5〜30×10-5eq/g−結合剤の範囲で
あるときに好ましい。
【0023】また、樹脂のガラス転移温度は−30℃〜
150℃であり、好ましくは0℃〜120℃である。−
30℃未満であると高温での塗膜強度が低下するので耐
久性、保存性が低下する。また、150℃を超えるとカ
レンダー成型性が低下し、電磁変換特性が低下する。
【0024】本発明の磁気記録媒体用結合剤の製造方法
を適用する樹脂には、ポリエステルポリウレタン樹脂、
ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリエーテルエステル
ポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニル酢酸ビニル系樹脂等が挙げられる。
【0025】とくに、結合剤樹脂が硬度が大きく磁性層
の特性に優れたポリウレタン樹脂の場合には、ジオール
と有機ジイソシアネートを主要原料とした反応生成物で
あるポリウレタン樹脂であって、環状構造を有するジオ
ールおよび/またはジオールにアルキレンオキサイドを
付加した短鎖ジオールを含んでいることが好ましい。ま
た、ポリウレタン樹脂中の短鎖ジオールの含有量は、1
5〜50重量%が好ましく、さらに好ましくは20〜4
0重量%である。15重量%未満では、得られる塗膜が
軟らかくなりすぎ充分な強度が得られず、耐久性が低下
する。また、50重量%より大では、溶剤への溶解性が
低下し、強磁性粉末の分散性が低下しやすいので電磁変
換特性が低下しやすいとともに、塗膜がもろくなりやす
く耐久性も低下する。
【0026】また、環状構造を有する短鎖ジオールは、
分子量が200〜1000であることが好ましく、より
好ましくは300〜700である。200未満では、磁
性層がもろくなり耐久性が低下する。また1000より
大であると、磁性層のガラス転移温度Tgが低下し、軟
らかくなり耐久性が低下する。
【0027】また、長鎖ジオールは具体的には、ビスフ
ェノールA、水素化ビスフェノールA、ビスフェノール
S、ビスフェノールPおよびこれらのポリエチレンオキ
シド付加物、ポリプロピレンオキシド付加物、ポリエチ
レンポリプロピレン混合付加物が好ましく、さらに好ま
しくは、水素化ビスフェノールA及びこれらのポリエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド付加物である。長鎖
ジオールの重量平均分子量(Mw)は、1000〜50
00であり、5000以上ではガラス転移温度が低下
し、軟らかくなるので耐久性が低下する。
【0028】ポリウレタン中のOH含有量は、1分子当
たり2個〜20個であることが好ましく、更に好ましく
は1分子当たり3個〜15個である。OH含有量が1分
子当たり2個未満であるとイソシアネート硬化剤との反
応性が低下する為に塗膜強度が低下し、耐久性が低下す
る。また、1分子当たり20個よりも多いと溶剤への溶
解性が低下するので分散性が低下する。
【0029】ポリウレタン樹脂中のOH基の含有量を調
整するために用いる化合物としては、OH基が3官能以
上の化合物を用いることができる。具体的には、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、無水トリメ
リット酸、グリセリン、ペンタエリスリトール、ヘキサ
ントリオール等が挙げられ、例えば、特公平6−647
26号に記載のポリエステルポリオール原料として用い
られる2塩基酸と前記化合物をグリコール成分として得
られる3官能以上OH基をもつ分岐ポリエステル、ポリ
エーテルエステルが挙げられる。好ましくは、3官能の
ものが好ましく、4官能以上になると反応過程において
ゲル化しやすい。
【0030】また、ポリウレタン樹脂に塩化ビニル系の
合成樹脂を併用しても良い。併用する塩化ビニル系樹脂
も、ポリウレタン樹脂と同様に、沈殿分離によって低分
子量成分を減少させたものを用いることが好ましい。併
用することができる塩化ビニル系樹脂の重合度は200
〜600が好ましく、250〜450が特に好ましい。
塩化ビニル系樹脂はビニル系モノマー、例えば酢酸ビニ
ル、ビニルアルコール、塩化ビニリデン、アクリロニト
リルなどを共重合させたものでもよい。また、ニトロセ
ルロース樹脂などのセルロース誘導体、アクリル樹脂、
ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、エポキシ樹脂、フェノキシ樹脂等を併用しても良
く、これらは、単独でも組み合わせでも使用することが
できる。また、結合剤樹脂は、結合剤中に15〜40重
量%が用いられていることが好ましく、さらに好ましく
は20〜30重量%である。15重量%よりも少ないと
分散性が低下する。
【0031】また、他の合成樹脂を併用する場合には、
磁性層に含まれるポリウレタン樹脂は、結合剤中に10
〜100重量%を含有されていることが好ましく、さら
に好ましくは20〜100重量%の量である。特に好ま
しくは50〜100重量%の量である。10重量%以下
では溶媒への溶解性が低下し、分散性が低下する。
【0032】他の合成樹脂として塩化ビニル系樹脂を用
いる場合には、結合剤中に10〜80重量%含有されて
いることが好ましく、さらに好ましくは20〜70重量
%の量である。特に好ましくは30〜60重量%の量で
ある。また、本発明の短鎖ジオールには、他のジオール
を併用することができる。具体的には、エチレングリコ
ール、1,3−プロピレンジオール、1,2−プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジ
メチルプロパンジオール、1,8−オクタンジオール、
1,9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノール等の脂肪族ジオール、脂環族ジオール
等、N−ジエタノールアミンのエチレンオキシドまたは
プロピレンオキシド付加物等のジオールを挙げることが
できる。これらを用いることによって、環状構造により
高強度、高Tgであって、高耐久性の塗布膜が得られ
る。
【0033】また、塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニルを
主のモノマーとして、他に酢酸ビニル、ビニルアルコー
ル、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩
化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタ
クリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、
ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテ
ル、ビニルスルホン酸、アクリルアミド、ヒドロキシエ
チルアクリレート、グリシジルアクリレートなどの共重
合体が用いられる。
【0034】塩化ビニル単位としては57〜98重量%
が好ましい。57重量%未満では得られる樹脂の塗膜の
強度を低下させ、98重量%を超えると樹脂のケトン
類、エステル類等の有機溶剤への溶解性を妨げる。ビニ
ルアルコール単位は、2〜16重量%が好ましい。2重
量%未満では塗料を調製する際のケトン類、エステル類
等の有機溶剤への可溶性、磁性粉体、非磁性粉体の分散
性、本樹脂と併用されるイソシアネート化合物との反応
性、他の樹脂との相溶性に対する効果が得られず、16
重量%を超えると塗料の粘度が高くなりすぎ、またイソ
シアネート化合物を添加したときのポットライフが短く
なり実用上不利となる。他のビニル単位は0〜26重量
%が好ましい。この範囲を超えると、樹脂全体の力学物
性、分散性などが低下する。また、得られた塩化ビニル
共重合体をケン化して酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等をビニルアルコール成分等にすることができる。
【0035】極性基の導入方法は、極性基を含有しない
塩化ビニル樹脂に極性基を反応により付加して合成する
こともできる。例えば、−SO3Mを塩化ビニル系樹脂
に導入する場合、まず塩化ビニルモノマーとグリシジル
基をもつ共重合可能な化合物、および必要に応じてこれ
らと共重合可能な他の化合物を共重合させ、共重合と同
時あるいは共重合体を得た後に、−SO3M を有する化
合物と反応させることにより得られる。グリシジル基を
導入するための共重合可能な化合物としては、グリシジ
ルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジ
ルビニルエーテル等が挙げられ、これらは単独あるいは
2種類以上を同時に併用してもよい。これらの製造方法
は、例えば「高分子合成実験法」(大津隆行、化学同人
社1972年発行)等に記載されているように公知であ
り、本発明においても利用することができる。
【0036】また、共重合可能な極性基含有化合物を塩
化ビニルモノマー、その他共重合可能な化合物とともに
共重合することによっても得ることができる。具体的に
は、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アク
リル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、
メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタ
ジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセター
ル、ビニルエーテル、ビニルスルホン酸、アクリルアミ
ド、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジルアクリ
レート等の共重合体に極性基を導入したものを挙げるこ
とができる。
【0037】例えば、−SO3M を導入するための共重
合可能な化合物としては、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、アクリル
スルホン酸、メタクリルスルホン酸、p−スチレンスル
ホン酸等の不飽和炭化水素スルホン酸およびこれらの
塩、およびメタクリル酸スルホエチルエステル、メタク
リル酸スルホプロピルエステル等のアクリル酸またはメ
タクリル酸のスルホアルキルエステル類およびこれらの
塩などを挙げることができる。これらは単独あるいは2
種類以上を併用してもよい。また、導入する極性基は2
種類以上でもよく、例えば上記−SO3M の他に−CO
OMの導入が必要な場合には−COOMを含む共重合可
能な化合物、具体的にはアクリル酸、メタクリル酸、マ
イレン酸等やこれらの塩類があげられる。また、塩化ビ
ニル系樹脂の平均重合度は、200〜800が好まし
い。更には250〜700が好ましい。200未満では
得られる磁性塗膜が脆くなるなど物理的強度が低下し、
磁気テープ等の耐久性にも影響を与える。800を超え
ると所定濃度における塗料粘度が高くなって作業性が著
しく悪くなり、取扱が困難となる。
【0038】重合体の製造に使用する重合開始剤として
は、例えば、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパ
ーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジカーボネー
ト、t−ブチル−パーオキジビバレート、t−ブチル−
パーオキシネオデカノエート等の有機過酸化物、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾ
ビス−4−シアノバレリン酸等のアゾ化合物、過硫酸ア
ンモニウム、過硫酸カリウム、過リン酸アンモニウム等
の無機過酸化物が挙げられる。また、過酸化水素、クメ
ンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサ
イド等の過酸化物と、ホルムアルデヒドスルホキシル酸
ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、
アスコルビン酸等の還元剤とを組み合わせたレドックス
開始剤系も用いることができる。
【0039】懸濁安定剤としては、例えば、ポリビニル
アルコール、ポリ酢酸ビニルの部分ケン化物、メチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース等のセルロース誘導体、ポリビニルピ
ロリドン、ポリアクリルアミド、マレイン酸−スチレン
共重合体、マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合
体、マレイン酸−酢酸ビニル共重合体のごとき高分子物
質、およびでんぷん、ゼラチンなどの天然高分子物質を
挙げることができる。
【0040】乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどのアニオ
ン性乳化剤やポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステルなどの
非イオン性乳化剤が挙げられる。また、トリクロルエチ
レン、チオグリコールなどの分子量調製剤を用いても良
い。
【0041】また、本発明の結合剤中には有機ジイソシ
アネートを含有させることができる。
【0042】有機ジイソシアネート化合物の例として
は、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリ
レンジイソシアネート、キシレン−1,4−ジイソシア
ネート、キシレン−1,3−ジイソシアネート、4−
4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4−ジ
フェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェ
ニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェ
ニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’
−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレ
ンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネー
ト、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレ
ン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ
ジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の芳香族ジ
イソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジ
イソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添化
トリレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタンジ
イソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等を挙げる
ことができる。結合剤中に含まれるポリイソシアネート
化合物は、結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有さ
れていることが好ましく、さらに好ましくは20〜40
重量%の範囲である。
【0043】また、電子線照射による硬化処理を行う場
合には、ウレタンアクリレート等のような反応性二重結
合を有する化合物を使用することができる。樹脂成分と
硬化剤との合計(すなわち結合剤)の重量は、強磁性粉
末100重量部に対して、通常15〜40重量部の範囲
内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30
重量部である。本発明の磁気記録媒体に使用される強磁
性粉末は、強磁性酸化鉄、コバルト含有強磁性酸化鉄又
は強磁性合金粉末でSBET 比表面積が40〜80m2
g 、好ましくは50〜70m2 /gである。結晶子サ
イズは12〜25nm、好ましくは13〜22nmであ
り、特に好ましくは14〜20nmである。長軸長は
0.05〜0.25μmであり、好ましくは0.07〜
0.2μmであり、特に好ましくは0.08〜0.15
μmである。強磁性金属粉末としてはFe、Ni、Fe
−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−Fe等
が挙げられ、金属成分の20重量%以下の範囲内で、ア
ルミニウム、ケイ素、硫黄、スカンジウム、チタン、バ
ナジウム、クロム、マンガン、銅、亜鉛、イットリウ
ム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、金、錫、アン
チモン、ホウ素、バリウム、タンタル、タングステン、
レニウム、銀、鉛、リン、ランタン、セリウム、プラセ
オジム、ネオジム、テルル、ビスマスを含む合金を挙げ
ることができる。また、強磁性金属粉末が少量の水、水
酸化物または酸化物を含むものなどであってもよい。こ
れらの強磁性粉末の製法は既に公知であり、本発明で用
いる強磁性粉末についても公知の方法に従って製造する
ことができる。強磁性粉末の形状に特に制限はないが、
通常は針状、粒状、サイコロ状、米粒状および板状のも
のなどが使用される。とくに針状の強磁性粉末を使用す
ることが好ましい。
【0044】上記の樹脂成分、硬化剤および強磁性粉末
を、通常磁性層塗布液の調製の際に使用されているメチ
ルエチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、酢酸
エチル等の溶剤と共に混練分散して磁性塗料とする。混
練分散は通常の方法に従って行うことができる。本発明
の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に上記した磁性層に
用いるポリウレタン樹脂を含む結合剤と非磁性粉末また
は磁性粉末からなる非磁性下層塗布層、磁性下層塗布層
を有していても良い。非磁性粉末には、金属酸化物、金
属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属
硫化物、等の無機化合物から選択することができる。無
機化合物としては例えばα化率90〜100%のα−ア
ルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、炭化ケイ素、酸
化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒
化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化ケイ
素、酸化すず、酸化マグネシウム、酸化タングステン、
酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、酸化カルシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデ
ンなどが単独または組合せで使用できる。特に好ましい
のは二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムで
あり、さらに好ましいのは二酸化チタンである。これら
非磁性粉末の平均粒径は0.005〜2μmが好ましい
が、必要に応じて平均粒径の異なる非磁性粉末を組合せ
たり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の
効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非
磁性粉末の平均粒径は0.01〜0.2μmである。非
磁性粉末のpHは6〜9の間が特に好ましい。非磁性粉
末の比表面積は1〜100m2/g、好ましくは5〜5
0m2 /g、更に好ましくは7〜40m2 /gである。
非磁性粉末の結晶子サイズは0.01μm〜2μmが好
ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/10
0g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ま
しくは20〜60ml/100gである。比重は1〜1
2、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面
体状、板状のいずれでも良い。
【0045】これらの非磁性粉末の表面にはAl
2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、S
2 3 、ZnOで表面処理することが好ましい。特に
分散性に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、Ti
2 、ZrO2 、であるが、更に好ましいのはAl2
3 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組合せて使用
しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的
に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ず
アルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方
法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表
面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、
均質で密である方が一般には好ましい。
【0046】下層塗布層に用いることが可能な磁性粉末
としては、γ−Fe23、Co変性γ−Fe23、α−
Feを主成分とする合金、CrO2等が用いられる。特
に、Co変性γ−Fe23が好ましい。本発明の下層に
用いられる強磁性粉末は上層磁性層に用いられる強磁性
粉末と同様な組成、性能が好ましい。ただし、目的に応
じて、上下層で性能を変化させることは公知の通りであ
る。例えば、長波長記録特性を向上させるためには、下
層磁性層のHcは上層磁性層のそれより低く設定するこ
とが望ましく、また、下層磁性層のBrを上層磁性層の
それより高くする事が有効である。それ以外にも、公知
の重層構成を採る事による利点を付与させることができ
る。
【0047】本発明の磁性層あるいは下層塗布層に使用
されるその他の添加剤としては潤滑効果、帯電防止効
果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用され
る。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラフア
イト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極
性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素
含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エ
ステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキルリ
ン酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸
エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエー
テル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアル
カリ金属塩、炭素数10〜24の不飽和結合を含んで
も、また分岐していても良い一塩基性脂肪酸、および、
これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、
炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、また分岐し
ていても良い一価、二価、三価、四価、五価、六価アル
コール、炭素数12〜22の不飽和結合を含んでも、ま
た分岐していても良いアルコキシアルコール、炭素数1
0〜24の不飽和結合を含んでも、また分岐していても
良い一塩基性脂肪酸と炭素数2〜12の不飽和結合を含
んでも、また分岐していても良い一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコールのいずれか一つとからなるモ
ノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂
肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキ
ルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数2〜22の脂肪酸
アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用で
きる。これらの具体例としてはラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ステアリ
ン酸ブチル、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エ
ライジン酸、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミ
ル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチ
ル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタ
ンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレ
ート、アンヒドロソルビタントリステアレート、オレイ
ルアルコール、ラウリルアルコールがあげられる。
【0048】また、アルキレンオキサイド系、グリセリ
ン系、グリシドール系、アルキルフエノールエチレンオ
キサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミ
ン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダン
トイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニ
ウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スル
ホン酸、リン酸、硫酸エステル基、リン酸エステル基、
などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、
アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸またはリ
ン酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活
性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、
「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に
記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ず
しも純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副
反応物、分解物、酸化物、等の不純分が含まれてもかま
わない。これらの不純分は30重量%以下が好ましく、
さらに好ましくは10重量%以下である。
【0049】本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面
活性剤は非磁性層、磁性層でその種類、量を必要に応じ
使い分けることができる。例えば、非磁性層、磁性層で
融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御す
る、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじ
み出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布
の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を非磁性層で多
くして潤滑効果を向上させるなどが考えられ、無論ここ
に示した例のみに限られるものではない。また本発明で
用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性層あ
るいは下層用の塗布液の製造時のいずれの工程で添加し
てもよい。例えば、混練工程前に強磁性粉末と混合する
場合、強磁性粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加
する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する
場合、塗布直前に添加する場合などがある。
【0050】本発明で使用されるこれら潤滑剤として
は、具体的には日本油脂社製:NAA−102、ヒマシ
油硬化脂肪酸、NAA−42、カチオンSA、ナイミー
ンL−201、ノニオンE−208、アノンBF、アノ
ンLG、ブチルステアレート、ブチルラウレート、エル
カ酸、関東化学社製:オレイン酸、竹本油脂社製:FA
L−205、FAL−123、新日本理化社製:エヌジ
エルブOL、信越化学社製:TA−3,ライオンアーマ
ー社製:アーマイドP、ライオン社製、デュオミンTD
O、日清製油社製:BA−41G、三洋化成社製:プロ
フアン2012E,ニューポールPE61,イオネット
MS−400などがあげられる。
【0051】以上の材料により調製した塗布液を非磁性
支持体上に塗布して下層塗布層あるいは磁性層を形成す
る。本発明に用いることのできる非磁性支持体としては
二軸延伸を行ったポリエチレンナフタレート、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリア
ミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾ
ール等の公知のものが使用できる。好ましくはポリエチ
レンナフタレート、芳香族ポリアミドである。これらの
非磁性支持体はあらかじめコロナ放電、プラズマ処理、
易接着処理、熱処理、などを行っても良い。また本発明
に用いることのできる非磁性支持体は中心線平均表面粗
さがカットオフ値0.25mmにおいて0.1〜20n
m、好ましくは1〜10nmの範囲という優れた平滑性
を有する表面であることが好ましい。また、これらの非
磁性支持体は中心線平均表面粗さが小さいだけでなく1
μ以上の粗大突起がないことがこのましい。
【0052】本発明の磁気記録媒体の製造方法は例え
ば、走行下にある非磁性支持体の表面に磁性層塗布液を
好ましくは磁性層の乾燥後の層厚が0.05〜5μmの
範囲内、より好ましくは0.07〜1μmになるように
塗布する。ここで複数の磁性層塗布液を逐次あるいは同
時に重層塗布してもよく、下層塗布液と磁性層塗布液と
を逐次あるいは同時に重層塗布してもよい。上記磁性塗
布液もしくは下層塗布液を塗布する塗布機としては、エ
アードクターコート、ブレードコート、ロッドコート、
押出しコート、エアナイフコート、スクイズコート、含
浸コート、リバースロールコート、トランスファーロー
ルコート、グラビヤコート、キスコート、キャストコー
ト、スプレイコート、スピンコート等が利用できる。
これらについては例えば株式会社総合技術センター発行
の「最新コーティング技術」(昭和58年5月31日)
を参考にできる。
【0053】本発明を二層以上の構成の磁気記録媒体に
適用する場合、塗布する装置、方法の例として以下のも
のを提案できる。 (1)磁性層塗布液の塗布で一般的に適用されるグラビ
ア、ロール、ブレード、エクストルージョン等の塗布装
置により、まず下層を塗布し、下層が未乾燥の状態のう
ちに特公平1-46186号公報、特開昭60-2381
79号公報、特開平2-265672号公報等に開示さ
れているような支持体加圧型エクストルージョン塗布装
置により、上層を塗布する。 (2)特開昭63-88080号公報、特開平2-179
71号公報、特開平2-265672号公報に開示され
ているような塗布液通液スリットを2個有する一つの塗
布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する。 (3)特開平2-174965号公報に開示されている
ようなバックアップロール付きのエクストルージョン塗
布装置により、上下層をほぼ同時に塗布する。
【0054】本発明で用いる非磁性支持体の磁性塗料が
塗布されていない面にバックコート層(バッキング層)
が設けられていてもよい。バックコート層は、非磁性支
持体の磁性塗料が塗布されていない面に、研磨材、帯電
防止剤などの粒状成分と結合剤とを有機溶剤に分散した
バックコート層形成塗料を塗布して設けられた層であ
る。粒状成分として各種の無機顔料やカーボンブラック
を使用することができ、また結合剤としてはニトロセル
ロース、フェノキシ樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリウレ
タン等の樹脂を単独またはこれらを混合して使用するこ
とができる。バックコート層に用いるポリウレタン樹脂
として本発明のポリウレタン樹脂を用いることによっ
て、さらに耐久性を向上することができる。なお、非磁
性支持体の磁性塗料およびバックコート層形成塗料の塗
布面に接着剤層が設けられいてもよい。
【0055】磁性層塗布液の塗布層は、磁性層塗布液の
塗布層中に含まれる強磁性粉末を磁場配向処理を施した
後に乾燥される。このようにして乾燥された後、塗布層
に表面平滑化処理を施す。表面平滑化処理には、たとえ
ばスーパーカレンダーロールなどが利用される。表面平
滑化処理を行うことにより、乾燥時の溶剤の除去によっ
て生じた空孔が消滅し磁性層中の強磁性粉末の充填率が
向上するので、電磁変換特性の高い磁気記録媒体を得る
ことができる。カレンダー処理ロールとしてはエポキ
シ、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の耐
熱性プラスチックロールを使用する。また金属ロールで
処理することもできる。
【0056】本発明の磁気記録媒体は、表面の中心線平
均粗さが、カットオフ値0.25mmにおいて0.1〜
5nm、好ましくは1〜4nmの範囲という極めて優れ
た平滑性を有する表面であることが好ましい。その方法
として、例えば上述したように特定の強磁性粉末と結合
剤を選んで形成した磁性層を上記カレンダー処理を施す
ことにより行われる。カレンダー処理条件としては、カ
レンダーロールの温度を60〜100℃の範囲、好まし
くは70〜100℃の範囲、特に好ましくは80〜10
0℃の範囲であり、圧力は100〜500kg/cmの
範囲であり、好ましくは200〜450kg/cmの範
囲であり、特に好ましくは300〜400kg/cmの
範囲の条件で作動させることによって行われることが好
ましい。得られた磁気記録媒体は、裁断機などを使用し
て所望の大きさに裁断して使用することができる。
【0057】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明をさ
らに詳細に説明する。以下の記載の「部」は「重量部」
を示し、%は重量%を示す。 ポリウレタン樹脂Aの製造例 水素化ビスフェノールA/ポリプロピレングリコール
(重量平均分子量=2000)/ネオペンチルグリコー
ル/スルホイソフタル酸ナトリウムのエチレングリコー
ル付加物/MDI(4,4−ジフェニルメタンジジイソ
シアネート)=25/5/19/1/50(mol%)
からなる樹脂溶液(重量平均分子量=3.5万、分子量
5000以下の低分子成分量=5.5重量%−結合剤、
極性基量=6×10-5eq/g−結合剤、溶解度パラメ
ータ=10.1、固形分30重量%、溶剤組成:シクロ
ヘキサノン/ジメチルアセトアミド=1.4/1混合)
である。
【0058】ポリウレタン樹脂Bの製造例 ポリウレタン樹脂Aの溶液(重量平均分子量=3.5
万、分子量5000以下の低分子成分量=5.5重量%
−結合剤、極性基量=6×10-5eq/g−結合剤、固
形分30重量%、溶剤組成:シクロヘキサノン/ジメチ
ルアセトアミド=1/1)100部に対してアセトニト
リル(溶解度パラメーター11.9)を100部(対樹
脂溶液比1.0)、少量ずつ添加し相分離させた。この
とき下層が樹脂濃厚相であった。24時間静置後上層の
稀薄相を取り除き、固形分濃度が30重量%になるよう
にシクロヘキサノン/ジメチルアセトアミド=1/1
混合溶剤を添加し再溶解した。
【0059】得られたポリウレタン樹脂Bの重量平均分
子量は3.6万、分子量5000以下の低分子成分量は
3重量%−結合剤、極性基量は6×10-5eq/g−結
合剤であった。また、得られた樹脂の仕込み樹脂に対す
る回収率は88%であった。
【0060】ポリウレタン樹脂C〜F、Hの製造例 ポリウレタン樹脂Bの製造例の貧溶剤の種類と量を表1
のように変えた点を除き同様に製造した。得られたポリ
ウレタンの低分子成分、極性基量は表1に示した。
【0061】ポリウレタン樹脂G、Iの製造例 ポリウレタン樹脂Bの製造例において貧溶剤の種類と量
を表1に記載のように変えて添加し攪拌したのち、24
時間靜置し沈澱した固形分を取り出し溶剤を乾燥させ
た。この固形分をシクロヘキサノン/ジメチルアセトア
ミド1/1の混合溶剤で希釈し30%濃度の溶液とし
た。分子量、極性基量は表1の通りであった。
【0062】塩化ビニル系樹脂Aの製造例 塩化ビニル/酢酸ビニル/アリルグリシジルエーテル/
2−ヒドロキシエチルメタクリレート=85/5/5/
5(mol%)の共重合体に −SO3Na基を導入付加
したもので、−SO3Na=6×10-5eq/g、エポ
キシ基=50×10-5eq/g、OH基=30×10-5
eq/g Mw=30000である。
【0063】塩化ビニル系樹脂Bの製造例 ポリウレタン樹脂Bの製造例においてポリウレタン樹脂
Aの代わりに、塩化ビニル系樹脂Aのシクロヘキサノン
/ジメチルアセトアミド=1/1溶液(固形分濃度30
%)を用いて後はポリウレタン樹脂Bと同様に塩化ビニ
ル系樹脂溶液Bを得た。
【0064】ポリウレタン樹脂Jの製造例 ポリウレタン樹脂Aの組成で、ネオペンチルグリコール
を20mol%にし、スルホイソフタル酸Naにエチレ
ングリコール付加物を0mol%にした。極性基のない
ポリウレタン樹脂(Mw=3.5万)をポリウレタン樹
脂Bと同様に処理し、低分子量成分を3.0重量%にし
た。
【0065】ポリウレタン樹脂K、Lの製造例 ポリウレタン樹脂Aにおいて、極性基をそれぞれCOO
H=10×10-5eq/gおよび60×10-5eq/g
とした点を除き、ポリウレタン樹脂Bと同様に処理し
て、ポリウレタン樹脂K、Lを得た。得られた樹脂の分
子量、極性基量は表1の通りであった。
【0066】
【表1】
【0067】以下に上記製造例で製造した結合剤を使用
した磁気記録媒体の実施例を示す。 実施例1〜5、比較例1〜6 磁性塗料液の調整 強磁性合金粉末 100部 組成:Fe/Zn/Ni=92/4/4,Hc:2000Oe, 結晶子サイズ:15nm,BET比表面積:59m2/g, 長軸径:0.12μm,針状比:7,σs:140emu/g 結合剤(表1) 固形分 20部 α−Al23(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 シクロヘキサノン 110部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 上記磁性塗料組成物について、各成分をオープンニーダ
ーで60分間混練した後、サンドミルで120分間分散
した。得られた分散液に3官能性低分子量ポリイオシア
ネート化合物(日本ポリウレタン製コロネート304
1)を6部加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1
μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁
性塗料液を調製した。厚さ10μmのポリエチレンナフ
タレート支持体上に得られた非磁性塗料を乾燥後の厚さ
が3.0μmになるように塗布し、磁性層が未乾燥の状
態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに
乾燥後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダ
ーで速度100m/分、線圧300kg/cm、温度9
0℃で表面平滑化処理を行なった後、70℃で24時間
加熱硬化処理を行い、6.35mm幅に裁断し磁気テー
プを作成した。
【0068】実施例6、7、8、比較例7 上層磁性塗料液の調整 強磁性合金粉末 100部 組成:Fe/Zn/Ni=92/4/4,Hc:2000Oe, 結晶子サイズ:15nm,BET比表面積:59m2/g, 長軸径:0.12μm,針状比:7,σs:140emu/g 結合剤(表2) 固形分 20部 α−Al23(粒子サイズ0.3μm) 2部 カーボンブラック(粒子サイズ 40nm) 2部 シクロヘキサノン 110部 メチルエチルケトン 100部 トルエン 100部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 下層用非磁性塗料液の調整 非磁性無機質粉体 85部 α−酸化鉄、長軸径:0.12μm,針状比:7、 BET表面積 55m2/g、pH6.5 結合剤(表2) 固形分 20部 シクロヘキサノン 140部 メチルエチルケトン 170部 ブチルステアレート 2部 ステアリン酸 1部 上記上層用磁性塗料組成物および下層用非磁性塗料組成
物のそれぞれについて、各成分をオープンニーダーで6
0分間混練した後、サンドミルで120分間分散した。
得られた分散液に3官能性低分子量ポリイソシアネート
化合物(日本ポリウレタン製 コロネート3041)を
6部加え、さらに20分間攪拌混合したあと、1μmの
平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、磁性塗料
および非磁性塗料を調製した。厚さ10μmのポリエチ
レンナフタレート支持体上に得られた非磁性塗料を乾燥
後の厚さが2.5μmになるように塗布し、さらにその
直後に磁性塗料を乾燥後の厚さが0.5μmになるよう
に同時重層塗布した。両層が未乾燥の状態で3000ガ
ウスの磁石で磁場配向を行ない、さらに乾燥後、金属ロ
ールのみから構成される7段のカレンダーで速度100
m/分、線圧300kg/cm、温度90℃で表面平滑
化処理を行なった後、70℃で24時間加熱硬化処理を
行い、6.35mm幅にスリットし磁気テープを作成し
た。
【0069】以上のようにして得られた実施例および比
較例のテープと以下の測定方法によって測定した特性を
表2、表3に示す。 〔測定方法〕 Ra:デジタルオプチカルプロフィルメーター(WY
KO製)を用いた光干渉法により、カットオフ値0.2
5mmの条件で得られた中心線平均粗さをRaとした。 電磁変換特性:試料テープにドラムテスターを用いて
記録波長0.5μm、ヘッド速度10m/秒の条件で記
録/再生を行い。基準テープの再生出力を0dBとした
ときの相対的な再生出力を評価した。 繰返し走行性 出力低下:60分長のテープを松下電
器製デジタルビデオレコーダ(NV−BJ1)を用いて
40℃、80%RH環境下で100回連続繰り返し走行
させ、ビデオヘッドの汚れを観察し、またビデオ出力を
連続再生し、1回目の出力を0dBとして出力低下を測
定した。 繰返し走行性 ビデオヘッド汚れ:汚れが観察されな
かったものを5点とし、ヘッドのショルダー部、摺動部
およびギヤップ部に汚れが付着し記録再生が実際上不可
能となった状態を1点とし両者の間の状態を4〜2点の
相対的な値とする5段階で評価した。 繰返し走行性 表面バインダー量変化:走行前後のテ
ープを磁性層表層に存在する潤滑剤等を除くため、n−
ヘキサンを用いて室温で30分間抽出し、φ社製ESC
A測定装置(PHI−5400MC)を用いて400W
(15kV)、Mgアノードで10分間測定しNについ
てはFeの2P3/2のピークに対するNの1Sのピー
ク強度比を、Clについては同じくFeの2P3/2の
ピークに対するClの1Sのピーク強度比を求めた。
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】以上のように、磁性層のみならず下層非
磁性層においても非磁性粉体の分散性に優れているため
磁性層の表面平滑性・電磁変換特性に優れた磁気記録媒
体がえられ、同時に結合剤樹脂中の低分子成分が減少し
ているため磁性層表面に結合剤成分が滲み出すことが防
止されヘッド汚れ、目詰まり等が生じない走行耐久性に
優れた磁気記録媒体を提供する。特に、高温・高湿下で
の保存性に優れ、走行前後での表面バインダー量変化の
少ない磁気記録媒体が得られる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に少なくとも強磁性粉末
    と結合剤とを含む磁性層を設けた磁気記録媒体におい
    て、前記結合剤が、結合剤溶液の0.5〜3倍の貧溶剤
    を添加して低分子量成分が多く溶解した液層と高分子量
    成分が多く溶解した液層に分離させた後、後者を取り出
    すことによつて、低分子量成分を除去した結合剤である
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記結合剤の重量平均分子量が1000
    0〜60000であり、1×10-5〜60×10-5eq
    /gの極性基を含有し、分子量5000以下の低分子量
    成分の含有量が3重量%以下であることを特徴とする請
    求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記貧溶剤が分子内に活性水素を持たな
    いことを特徴とする請求項1〜2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記結合剤の極性基が−COOM、−P
    O(OM)2 、−SO3M(ここでMは水素原子、アル
    カリ金属あるいはアンモニウム塩)、アミノ基であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 非磁性支持体上に磁性粉体または非磁性
    粉体の少なくともいずれか一方と結合剤を含む下層塗布
    層を設け、その上に強磁性金属粉末と結合剤とを含む磁
    性層を設けた少なくとも二層以上の層を有する磁気記録
    媒体において、下層塗布層中の結合剤または磁性層中の
    結合剤の少なくともいずれか一方が、結合剤溶液の0.
    5〜3倍の貧溶剤を添加して低分子量成分が多く溶解し
    た液層と高分子量成分が多く溶解した液層に分離させた
    後、後者を取り出すことによつて、低分子成分を除去す
    ることによって、低分子量成分を除去した結合剤である
    ことを特徴とする磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 結合剤溶液の0.5〜3倍の貧溶剤を添
    加して低分子量成分が多く溶解した液層と高分子量成分
    が多く溶解した液層に分離させた後、後者を取り出すこ
    とによつて、低分子成分を除去することを特徴とする磁
    気記録媒体用結合剤の製造方法。
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