JPH1011612A - ズーミング解析装置 - Google Patents

ズーミング解析装置

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JPH1011612A
JPH1011612A JP16411296A JP16411296A JPH1011612A JP H1011612 A JPH1011612 A JP H1011612A JP 16411296 A JP16411296 A JP 16411296A JP 16411296 A JP16411296 A JP 16411296A JP H1011612 A JPH1011612 A JP H1011612A
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JP16411296A
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Naoya Sasaki
直哉 佐々木
Ichiro Nishigaki
一郎 西垣
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部分領域の高精度な解析を簡単な操作で効率良
く行うズーミング応力解析方法と装置を提供する。 【解決手段】入出力装置105と、対話型データ入出力
処理部101と、入力された解析対象の全体形状と解析
条件から自動的に全体形状の有限要素モデルを生成する
全体解析処理部102と、部分形状の原子・分子離散モ
デルを自動的に生成する部分解析処理部103と、各部
の処理結果を記憶する共通データベース104とを備
え、部分形状の解析は、全体形状の解析条件または全体
解析処理部の解析結果に基づき、解析条件を自動的に生
成して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ズーミング解析装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、解析対象形状の解析シミュレーシ
ョンを有限要素法を用いて行う場合、解析対象全体の解
析と共に、特に応力が集中する解析対象形状の部分的な
領域についての解析を行うことが一般的であるが、本発
明の上記有限要素法を用いて、解析対象形状の部分的な
領域についてより精度良く計算する手法は、以下の二つ
の方法が既に知られている。
【0003】その一つは、まず、対象の解析領域全体の
有限要素メッシュに粗密分布を付ける方法であり、精度
良く計算したい領域のメッシュを細かくすることによ
り、領域での解析精度の向上を図る方法である。この方
法による場合、解析を行うユーザは、解析知識や経験に
基づき精度よく計算すべき領域を予測し、そこに細かい
メッシュを作成するものである。しかし、精度よく計算
すべき領域の予測が困難な場合には、解析領域全体を均
一なメッシュに分割して解析を実行し、解析実行後、そ
の解析結果を判断してメッシュの粗密を変更することが
行われる。さらには、この方法による解析結果から解析
誤差を算出し、この解析誤差に応じて自動的にメッシュ
の粗密を制御する方法も知られており、この解析方法
は、アダプティブメッシュ解析と呼ばれている。
【0004】もう一つの方法は、解析領域全体の有限要
素メッシュと、精度良く計算したい部分の有限要素メッ
シュとを用意し、前者の有限要素メッシュで計算した解
析結果から後者の有限要素メッシュの境界条件を生成
し、これにより、精度よく計算したい部分についての
み、再度計算するという方法である。ここで、前者の有
限要素メッシュに比べて後者の有限要素メッシュを細か
くすることにより解析精度が向上することとなり、以
下、この解析方法をズーミング解析と呼ぶ。
【0005】なお、上記の二つの方法については、例え
ばサイバネットシステム社の機械系CAEソフト「AN
SYS」で既に実現されており、その詳細については、
当該システムの製品カタログ等に記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
従来の解析方法、すなわち前記の全体領域の有限要素メ
ッシュと部分領域にも有限要素メッシュを用いる方法で
は、解析手法は統一されるが、しかし、部分領域のスケ
ールが非常に小さく、例えばナノメータスケールの場
合、有限要素法に代表される連続体のモデルは有効では
なくなる。さらに、亀裂等の解析領域の分割や変形があ
る場合にも同様である。その結果として、有限要素モデ
ルだけでは当該部分領域の解析精度が悪化するという問
題があった。
【0007】本発明の目的は、解析精度が要求される部
分領域の解析を精度良くかつ短時間で行うことが可能な
分子動力学法を用いたズーミング解析装置及びその解析
方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、解析対象の形
状モデルと解析条件のデータを入力し、解析計算結果の
データを出力する解析シミュレーションのための装置で
あり、解析対象の全体形状の一部に対し、前記全体形状
の解析精度よりも高精度な有限要素モデルによる解析が
可能なズーミング解析装置において、前記解析対象の全
体形状とその解析条件を入力する手段と、高精度な解析
が要求される前記部分形状を入力する手段と、前記入力
された解析対象の全体形状モデルとその解析条件から、
自動的に、前記全体形状の有限要素モデルを生成して全
体解析を行う手段と、そして、前記入力された部分形状
に加え、前記解析対象の全体形状の解析条件及び前記全
体解析手段による全体解析の解析結果の少なくとも一方
に基づいて、自動的に、前記部分形状の原子・分子離散
モデルを生成して分子動力学法で部分解析を行う手段と
を備えたズーミング解析装置を提供する。
【0009】また、本発明は、解析対象の全体形状の一
部に対し、全体形状の解析精度よりも高精度な原子・分
子離散モデルによる解析シミュレーションが可能なズー
ミング解析装置であって、少なくとも、前記解析対象の
全体形状とその解析条件、及び、高精度な解析が要求さ
れる前記部分形状を入力し、解析計算結果のデータを出
力する入出力装置と;前記入力された解析対象の全体形
状とその解析条件から、自動的に、前記全体形状の有限
要素モデルを生成して全体解析を行う全体解析処理部
と;前記入力された部分形状と前記解析条件に基づい
て、前記部分形状の原子・分子離散モデルを自動的に生
成して分子動力学部分解析を行う部分解析処理部と;そ
して、前記全体解析処理部及び前記部分解析処理部に共
通に接続され、少なくとも、前記全体解析処理部により
実行される前記全体形状の有限要素モデルによる全体解
析の解析結果を記憶するデータベース部とから構成され
ているズーミング解析装置が提供される。
【0010】さらに、本発明は、やはり上記の目的を達
成する手段として、解析対象の形状モデルと解析条件の
データを入力し、解析計算結果のデータを出力する解析
シミュレーションのための方法であり、解析対象の全体
形状の一部に対し、前記全体形状の解析精度よりも高精
度な原子・分子離散モデルによる解析が可能なズーミン
グ解析方法であって、全体形状の解析を実行するための
解析対象全体形状とその解析条件を入力し、高精度な解
析が要求される部分形状の解析に際しては、前記入力し
た解析対象全体形状の解析条件、あるいは、実行された
解析結果に基づいて、前記部分形状の解析を行うズーミ
ング解析方法が提供される。
【0011】すなわち、本発明のズーミング解析装置あ
るいはズーミング解析方法では、ユーザはマウスやキー
ボードなどの入力装置を用いて解析対象全体の形状モデ
ルと解析条件を入力し、次に、画面に表示された全体形
状モデルの中から詳細に解析したい部分形状を指定し、
解析計算の実行を指示するだけで、その後、高精度な解
析が要求される部分形状についての解析を行う場合、既
に入力された解析対象全体の解析条件、あるいは、前記
解析対象全体形状についての実行された解析結果に基づ
いて、自動的に、部分形状の原子・分子離散モデルを生
成して部分解析を行うことが可能となることから、解析
精度が要求される部分領域の解析を精度良くかつ短時間
で行うことが可能で、かつ、使い勝手の良いズーミング
解析装置及び解析方法を得ることができる。
【0012】さらに、以下に詳述する本発明の実施の形
態に示される本発明のズーミング解析方法を実施するた
めの解析装置によれば、解析対象全体の形状および解析
条件のデータと、詳細に解析すべき部分形状のデータと
を入力し、解析結果のデータを出力装置に出力する対話
型データ入出力処理部と、解析対象全体の形状と解析条
件のデータから解析対象全体の有限要素モデルのデータ
を生成し、解析対象全体についての解析を行う全体解析
処理部と、詳細に解析すべき部分形状のデータと解析対
象全体の解析条件のデータと解析対象全体についての解
析結果のデータとから部分形状についての原子・分子離
散モデルを生成し、該部分形状についての詳細な解析を
行う部分解析処理部と、全体解析処理部と部分解析処理
部で計算された解析結果のデータを表示する解析結果表
示処理部とからなる解析シミュレーション装置で、詳細
に解析すべき部分形状の境界部分を、解析対象全体形状
の内部に含まれる境界部分と解析対象全体形状の境界と
一致する境界部分とに自動的に分類する手段を設けた。
【0013】さらに、解析対象全体の有限要素モデルを
生成する処理では、前記手段を用いて分類された解析対
象全体形状の内部に含まれる境界部分の近傍の有限要素
寸法を自動的に小さくする手段を設けた。さらに、詳細
に解析すべき部分形状の原子・分子離散モデルを生成す
る処理では、解析対象全体形状の内部に含まれる部分形
状の境界部分については全体解析の解析結果のデータか
ら境界条件のデータを生成する手段と、解析対象全体形
状の境界と一致する部分形状の境界部分については全体
形状に与えた境界条件のデータを継承する手段とを設け
た。
【0014】本発明は、マウスやキーボードなどの入力
装置を介して解析対象全体の形状モデルとその解析条件
を入力し、さらに、全体形状モデルの中から詳細に解析
したい部分形状を指定すると、まず、計算機内では全体
形状モデルと部分形状モデルのデータから部分形状モデ
ルの境界部分を構成する境界線(3次元の場合には境界
面)が全体形状モデルのどこに位置するかを判定し、そ
の判定結果を境界線(境界面)の属性情報として記述す
る。次に、解析対象全体の形状モデルと解析条件から解
析対象全体の有限要素モデルを生成し、解析計算を実行
する。その際、解析対象全体の形状モデルの内部に含ま
れる部分形状モデルの境界部分の近傍には要素寸法の小
さい有限要素を生成する。最後に、部分形状モデルと、
全体形状モデルに対して与えた解析条件と、そして、全
体解析の結果から部分形状の原子・分子離散モデルを生
成し、分子動力学解析計算を実行する。その際、全体形
状モデルの内部に含まれる部分形状モデルの境界部分に
ついては全体解析の結果から境界条件を自動的に生成
し、一方、全体形状モデルの境界部分と一致する部分形
状モデルの境界部分については全体形状モデルに対して
与えた境界条件を継承させる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0016】(1)全体システム構成:図1は本発明に
なるズーミング解析装置の実施の形態の一例を示す全体
システムのブロック図である。図で、全体システムは、
ユーザが解析対象全体の形状モデルと解析条件のデータ
を、さらには、詳細に解析すべき部分形状モデルのデー
タ等を、計算機との対話的操作により入力し、あるい
は、解析結果のデータを出力装置に表示する対話型デー
タ入出力処理部101と、解析対象全体についての有限
要素モデルの生成と解析を行う全体解析処理部102
と、詳細に解析すべき部分形状についての原子・分子離
散モデルの生成と解析を行う部分解析処理部103と、
形状モデル,解析条件,有限要素モデル,原子・分子離
散モデル及び解析結果のデータを格納し、各処理部10
1,102,103間のデータ受渡しを行う共通データ
ベース104と、そして、キーボード,マウス,ディス
プレイなどからなる入出力装置105とから構成され
る。なお、これら各処理部101,102,103は、
例えば計算機により構成される。
【0017】この全体システムの構成で、ユーザは、ま
ず、キーボード,マウス,ディスプレイなどの入出力装
置105を介して、対話型データ入出力処理部101の
コマンドを選択し、そのコマンドが要求する入力パラメ
ータを入力し、解析対象全体の形状モデルのデータと、
全体形状モデルに対する解析条件のデータと、詳細に解
析すべき部分形状モデルのデータとを入力する。ここ
で、入力されたこれらの各種データは、共通データベー
ス104内に格納される。さらに、ユーザが、対話型デ
ータ入出力処理部101の解析を実行するコマンドを選
択すると、この対話型データ入出力処理部101が、全
体解析処理部102と部分解析処理部103とを順次起動
し、これにより、解析処理が行われる。なお、詳細に解
析すべき部分形状モデルのデータの入力は、まず、解析
対象全体の解析を行った後に入力するようにすることも
可能である。
【0018】この解析処理で、全体解析処理部102
は、共通データベース104から解析対象全体の形状モ
デルのデータと全体形状モデルに対する解析条件のデー
タとを入力し、解析対象全体の有限要素モデルのデータ
と、全体解析の解析結果のデータとを、共通データベー
ス104に格納する。また、部分解析処理部103は、
共通データベース104から、詳細に解析すべき部分形
状モデルのデータと、全体形状モデルに対する解析条件
のデータと、解析対象全体の有限要素モデルのデータ
と、そして、全体解析処理部102による全体解析の解
析結果のデータとを入力し、そして、詳細に解析すべき
部分形状の原子・分子離散モデルのデータと、部分解析
の解析結果のデータとを、共通データベース104に格
納する。この解析処理が終了すると、その後、対話型デ
ータ入出力処理部10が、共通データベース104から
部分解析の解析結果のデータを入力し、その解析結果
を、入出力装置105のディスプレイ上に表示する。
【0019】次に、対話型データ入出力処理部101の
詳細について、図2を参照しながら説明する。図に示す
ように、この対話型データ入出力処理部101は、形状
モデル定義部201,解析条件定義部202,部分形状
モデル定義部203,解析実行部204、そして、解析
結果表示部205から構成される。まず、形状モデル定
義部201では、解析対象全体の形状モデルのデータを
作成し、この作成したデータを共通データベース104
に格納する。解析条件定義部202では、解析対象全体
の形状モデルに対して、拘束条件,荷重条件,材料条件
などの解析条件のデータを作成し、その後、それらを共
通データベース104に格納する。さらに、部分形状モ
デル定義部203では、解析対象全体の中で詳細に解析
する部分領域を定義し、これを部分形状モデルのデータ
として、共通データベース104に格納する。ここで、
部分形状モデルが定義されると、全体形状モデルと部分
形状モデルとの図形演算処理が行われるが、これについ
ては後で詳細に説明する。解析実行部204では、全体
解析の有限要素モデルの要素寸法と、部分解析の原子・
分子離散モデルの結晶寸法と、部分解析の境界条件を生
成する領域の最大要素寸法比とを入力して、図1に示し
た全体解析処理部102と部分解析処理部103とを起
動させる。最後に、解析結果表示部205では、部分解
析の解析結果のデータを共通データベース104から取
り出し、これをディスプレイに表示する処理を行う。
【0020】図3には、全体解析処理部102の詳細が
示されており、図に示すように、全体解析用有限要素メ
ッシュ生成部301と、全体解析用解析条件生成部30
2と、そして、全体解析計算部303とから構成されて
いる。そして、全体解析用有限要素メッシュ生成部30
1では、対話型データ入出力処理部101の解析実行部
204(図2)で入力した全体解析の有限要素モデルの
要素寸法を基にして要素分割が行われるが、全体形状モ
デルの内部に含まれる解析部分形状モデルの境界部分の
近くについては、部分解析の原子・分子離散モデルの結
晶寸法との比が、解析実行部204で指定した最大要素
寸法比を超えないように、要素寸法が調整される。さら
に、全体解析用解析条件生成部302では、図2の解析
条件定義部202で形状モデルに対して定義した解析条
件を、全体解析用の有限要素メッシュに継承させる。そ
して、全体解析計算部303では、全体解析用有限要素
メッシュ生成部301と全体解析用解析条件生成部30
2で生成された有限要素モデルのデータを入力し、有限
要素解析を行い、その解析結果のデータを、共通データ
ベース104に格納する。
【0021】さらに、図4には、部分解析処理部103
の詳細が示されており、図に示すように、部分解析用原
子・分子離散結晶生成部401と、部分解析用解析条件
生成部402と、そして、分子動力学部分解析計算部4
03とから構成されている。この構成で、部分解析用原
子・分子離散結晶生成部401では、図1に示した解析
実行部204で入力した部分解析の原子・分子離散モデ
ルの結晶寸法を基に、原子の配置が行われる。次に、部
分解析用解析条件生成部402では、全体形状モデルの
境界部分と一致する部分形状モデルの境界部分について
は、図1の解析条件定義部202で全体形状モデルに対
して定義した境界条件を部分解析用の原子・分子離散結
晶の原子座標に継承させ、また、全体形状モデルの内部
に含まれる部分形状モデルの境界部分については、図3
の全体解析計算部303で計算された全体解析の解析結
果のデータから部分解析用の原子・分子離散結晶の境界
条件データを生成する。そして、部分解析計算部403
では、部分解析用原子・分子離散結晶生成部401と部
分解析用解析条件生成部402で生成された原子・分子
離散モデルのデータを入力し、分子動力学解析を行い、
その解析結果のデータを、共通データベース104に格
納する。
【0022】(2)形状モデルと解析条件の表現方法:
次に、その内部システム構成を示したズーミング解析装
置における解析対象の形状モデルと解析条件の表現方法
について、以下に説明する。もちろん、解析対象領域を
表わす形状モデルは、3次元モデルの場合には有限要素
では3次元空間内の点要素,線要素,面要素,中実体要
素からなる形状要素の集合、原子・分子では原子群で表
現し、2次元モデルの場合には有限要素では2次元空間
内の点要素,線要素,面要素からなる形状要素の集合、
原子・分子では原子群で表現するが、ここでは、2次元
モデルの場合を具体例として説明する。
【0023】まず、図5で斜線部により示される2次元
形状モデルG1は、一つの面要素F1と、五つの線要素
E1,E2,E3,E4,E5と、そして、五つの点要
素V1,V2,V3,V4,V5とを要素とする集合と
して、下記の式のように表される。
【0024】
【数1】
【0025】さらに、各形状要素間の位相情報は、例え
ば、五つの線要素E1,E2,E3,E4,E5は、面
要素F1の境界を構成するといった、いわゆる境界表現
情報を記述し、また、各形状要素の幾何情報は、点の座
標値や線の形を記述する方程式の情報を記述する。
【0026】一方、解析条件の情報は、上述した形状モ
デルを構成する形状要素に対して定義される。例えば図
5のように、各形状要素により記述された形状モデルに
対し、図6に示すように、材料条件,拘束条件、あるい
は、荷重条件が定義される。この図の例の場合、材料条
件は面要素F1の属性情報として記述され、荷重条件及
び拘束条件は、それぞれ、線要素E5,線要素E1,E
3の属性情報として記述される。
【0027】図5及び図6により説明した解析対象全体
の形状モデルとその解析条件の表現方法に続いて、次
に、詳細に解析すべき部分形状モデルの入力方法と計算
機内での部分形状モデルの表現方法について説明する。
すなわち、この部分形状モデルの表現方法は、2次元の
場合には、正方形,長方形,円,扇形など、一方、3次
元の場合には直方体,円筒,球などのプリミティブな形
状モデルを全体形状モデルに重ね合わせることにより行
う。
【0028】これを、やはり図5に示した形状モデルを
利用して説明すると、図7に示すように、ユーザが画面
に表示された解析対象全体の形状モデル701に対し、
正方形702のプリミティブな形状モデルを全体形状モ
デルに重ね合わせることにより行う。このようにして詳
細に解析すべき部分形状モデルの入力が行われるが、実
際に解析領域となるのは、図7に斜線部703で示すよ
うに、全体形状モデル701とプリミティブな形状モデ
ル702との重なった領域となる。
【0029】このように、詳細に解析すべき部分形状モ
デルの入力の際にユーザが入力するプリミティブな形状
モデルも、図7に斜線部703で示すように、実際の解
析領域はこれらが重なり合った領域となるが、しかし、
この実際の解析領域も、図8に示すように、前述の形状
モデルの表現方法と同様に記述することが出来る。この
場合、プリミティブな形状モデルG2は、下記の式で表
わされる。
【0030】
【数2】
【0031】そして、このように全体形状モデルとプリ
ミティブな形状モデルが決定すると、次に、図9に示す
図形演算により、解析領域となる部分形状モデルを求め
る。
【0032】ここで、全体形状モデルG1,プリミティ
ブな形状モデルG2は、それぞれ、下記の式で表される
とし、
【0033】
【数3】
【0034】
【数4】
【0035】求める原子・分子モデルをG3とすると、
まずG3を空集合しておき(ステップS10)、次にi
を0から開始し(ステップS11)、このiに1を加算
する(ステップS12)。次に、jについても同様に、
まず0から開始し(ステップS13)、次いで、このj
に1を加算する(ステップS14)。すなわち、これら
iとjを1から開始し、順次、その値を増加させてい
く。
【0036】この処理の後、この図形演算処理では、G
1を構成する形状要素giとG2を構成する原子・分子
座標fjについて、これらの共通領域を求める積集合演
算を行う(ステップS15)。そして、その結果(gi
fj)をG3の集合に追加する(ステップS16)。
さらに、下記の式で表されるように、(gi fj)
は、giとfjの双方に含まれるという情報を記述する
(ステップS17)。
【0037】
【数5】
【0038】
【数6】
【0039】以上の処理を、G1を構成する形状要素と
G2を構成する原子・分子座標との組み合わせのすべて
について、すなわち、jとiとが、それぞれ、mとnに
なるまで繰り返して行い(ステップS18及びステップ
S19)、図形演算を終了する。
【0040】図5の全体形状モデルと図8のプリミティ
ブな形状モデルについて、説明した図形演算処理を行っ
た結果、解析対象となる部分形状モデルの一例が、図1
0に示されている。この図示の例では、線要素E13
(=F1 E9)は、面要素F1と線要素E9との演算
によって、また、点要素V12(=E2 E8)は、線
要素E2と線要素E8との演算によって求めた要素であ
り、これらは求める原子・分子モデルG3の形状要素で
ある。また、図形演算の過程では、求める原子・分子モ
デルG3の原子群と、全体形状モデルG1及びプリミテ
ィブな形状モデルG2の形状要素との包含関係が記述さ
れるため、G3の原子群が全体形状モデルG1のどの形
状要素に含まれるかが容易に検索できる。
【0041】また、図10の例では、線要素E12と線
要素E13は、面要素F1に含まれる。すなわち、それ
らは全体形状モデルの内部に位置することになる。一
方、線要素E10と線要素E11はそれぞれ線要素E1
と線要素E2に含まれており、それらは全体形状モデル
の境界部分に位置していることが判る。従って、前述の
図形演算により、原子・分子モデルの境界部分が全体形
状モデルのどの位置にあるかを分類することができる。
【0042】(3)全体解析用有限要素モデルの生成方
法:続いて、このように形状モデルを設定・表現した解
析対象、特に、その全体形状モデルについて、これに有
限要素メッシュを生成する方法を図11を参照しながら
に示す。
【0043】この有限要素メッシュ生成する方法では、
まず、図11(A)に示すような解析領域となる全体形
状モデル(斜線部)と解析のための有限要素メッシュの
要素寸法を入力し、次いで、図11(B)にも示すよう
に、入力した全体形状モデルの境界部分に、それら節点
間隔が与えられた要素寸法に近くなるように、複数の節
点を配置する。これらの節点は、図中では「●」で示さ
れている。次に、図11(C)にも示すように、全体形
状モデルの内部にも、同様に、節点を配置する。そし
て、最後に、図11(D)に示すように、全体形状モデ
ルの境界部分と内部に配置された複数の節点をつなぎ合
わせて、互いに重複しない三角形要素を、逐次生成す
る。ここで、2次元平面、あるいは、3次元空間に配置
された節点群から、三角形要素、あるいは、四面体要素
を生成する方法は、例えばデラウニー法などを用いるこ
とが出来る。
【0044】また、本発明における有限要素メッシュの
生成方法は、前述の方法に加えて、全体形状モデルの内
部に含まれる原子・分子離散モデルの境界部分について
は節点間隔が他の領域に比べて密になるように節点を配
置することも可能であり、この場合の全体解析用有限要
素メッシュ生成のアルゴリズムを図12に示す。図から
も明らかなように、この有限要素メッシュ生成する方法
でも、まず、解析領域となる全体形状モデル(斜線部)
と解析のための有限要素メッシュの要素寸法を入力し
(ステップS21)、次いで、入力した全体形状モデル
の境界部分に、それら節点間隔が与えられた要素寸法に
近くなるように、複数の節点を配置する(ステップS2
2)。次に、全体形状モデルの内部にも同様に節点を配
置する(ステップS23)。そして、全体形状モデルの
内部に含まれる原子・分子離散モデルの境界部分近傍に
節点を配置するが(ステップS24)、この時、内部に
含まれる原子・分子モデルの境界部分については、各原
子との位置関係対応を精度良くするため、その節点間隔
が全体形状の領域に比べて密になるように節点を配置す
る。最後に、全体形状モデルの境界部分と内部に配置さ
れた複数の節点をつなぎ合わせて、互いに重複しない三
角形要素(あるいは、四面体要素)を逐次生成し(ステ
ップS25)、処理を終了する。
【0045】以上のように、本発明では全体解析用有限
要素モデルを生成するが、前者のように原子・分子モデ
ルを考慮しない場合の要素分割方法と、一方、後者のよ
うに、原子・分子モデルを考慮した場合の要素分割方法
とがあり、それぞれの方法により、要素分割を行った生
成した全体解析用有限要素モデルの例が、図13と図1
4に示されている。すなわち、図13は、原子・分子モ
デルを考慮しないで要素分割が行われた分割例であり、
図14は、全体形状モデルの一部に原子・分子モデルを
設定し、この部分形状モデルを考慮した場合の要素分割
の例である。
【0046】また、全体解析の場合の解析条件は、全体
形状モデルの各形状要素に対して入力した解析条件が生
成された全体解析用有限要素メッシュへ継承される。例
えば、図6を例にとって説明すると、既に面要素F1に
対して定義された材料条件は、すべての形成された有限
要素に対して継承される。また、線要素E1と線要素E
3に対して入力した拘束条件から、線要素E1と線要素
E3の上に位置する節点が同じ条件で拘束される。さら
に、線要素E5に対して入力した荷重条件は、線要素E
5の上に位置する節点に分布荷重として割り当てられ
る。
【0047】(4)部分解析用原子・分子離散モデルの
生成方法:さらに、部分解析用の原子・分子離散群の生
成は、材料の結晶構造・方位を考慮して、全体がユーザ
の入力した結晶寸法になるように均一に生成される。図
15には、この部分解析用の原子・分子離散モデルの生
成例を示す。なお、この場合、部分解析用の解析条件の
生成は、全体形状モデルに対して入力した解析条件を継
承する場合と、全体解析の解析結果のデータと全体解析
用の有限要素メッシュのデータから内挿補間して求める
場合とに分けられる。そこで、これらについて、図10
を用いて、以下に具体的に示す。
【0048】まず、前者の場合について説明する。すな
わち、部分解析用の解析条件として、全体形状モデルに
対して入力した解析条件を継承する場合、前述の図形演
算の結果から、面要素F3は面要素F1に含まれ、線要
素E10は線要素E1に含まれているという情報と各線
・面要素と原子の位置関係情報が、形状モデルに記述さ
れている。従って、面要素F1に対して入力した材料条
件は、面要素F3に継承され、線要素E1に対して入力
した拘束条件は、線要素E10に継承される。このよう
に、原子・分子モデルの解析条件から有限要素メッシュ
への解析条件への変換は、全体解析の場合と同様であ
る。
【0049】次に、後者の場合、すなわち、全体解析の
解析結果のデータと全体解析用の有限要素メッシュのデ
ータから内挿補間して求める場合について説明する。こ
の場合にも、前述の図形演算の結果から、線要素E12
と線要素E13は、面要素F1に含まれているという情
報が、形状モデルに記述されている。そこで、これらの
線要素E12と線要素E13の上に位置する部分解析用
原子・分子モデルの各原子の位置については、全体解析
の解析結果のデータから内挿補間して境界条件のデータ
を生成する。なお、補間する解析結果のデータは、変
位,応力などが使われるが、本実施例では変位データを
用いるものとして説明する。
【0050】はじめに、図16に示すような境界条件デ
ータの生成を必要とする原子位置1602を検索する。
次に、その位置を内部に含む全体解析用有限要素メッシ
ュの有限要素1601を探索する。さらに、この検索し
た有限要素1601における位置1602の体積座標L
1,L2,L3を求め、有限要素1601を構成する節
点の物理量W1,W2,W3から、例えば下記の式の補
間式を用いて、位置1602の境界条件Wを計算する。
【0051】
【数7】
【0052】具体的には、解析結果の変位量から内挿補
間して求めた変位量を強制変位のデータとして用いる。
以上により、部分解析用の解析条件のデータが生成でき
る。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、ユーザは、画面に表示
される解析対象の全体形状モデル、あるいは、その解析
結果に対して、より高精度な解析が要求される部分形状
を対話的に指定するだけの簡単な操作で、当該部分形状
を含む詳細なズーミング解析を容易に行え、これによ
り、従来のズーミング解析では不可能であった部分形状
モデルに対する原子・分子離散群の作成や、必要であっ
た部分モデルヘの境界条件の設定などの解析準備作業が
大幅に低減され、使い勝手の良いズーミング解析装置及
び解析方法を得ることができる。
【0054】また、本発明によれば、全体形状モデルの
内部に含まれる部分形状の原子・分子離散モデルの境界
部分近傍については、自動的に全体モデルと部分モデル
のメッシュサイズ比を小さくするため、高精度なズーミ
ング解析が効率よく安定して行えるという効果をも発揮
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のズーミング解析装置の一実施例の全体
システムのブロック図。
【図2】図1のズーミング解析装置を構成する対話型デ
ータ入出力処理部のシステムのブロック図。
【図3】図1のズーミング解析装置を構成する全体解析
処理部のシステムのブロック図。
【図4】図1のズーミング解析装置を構成する部分解析
処理部のシステムのブロック図。
【図5】本発明のズーミング解析装置における解析対象
全体形状の表現方法の一例としての2次元形状モデルに
よる表現方法の説明図。
【図6】図5の2次元全体形状モデルに解析条件を定義
した形状モデルを示す説明図。
【図7】図5の2次元全体形状モデルに対して詳細に解
析すべき部分形状(原子・分子)モデルを設定する一例を
示す説明図。
【図8】図7の部分形状モデルを設定するプリミティブ
な形状モデルの2次元形状モデルによる表現方法の説明
図。
【図9】部分形状(原子・分子)モデルを求める図形演
算処理のアルゴリズムを示すフローチャート。
【図10】図5の全体形状モデルと図8の部分形状(原
子・分子)モデルに図9の図形演算処理を行った結果で
ある解析対象となる部分形状モデルを示す説明図。
【図11】図5の全体形状モデルに有限要素メッシュを
生成する方法の説明図。
【図12】図11の全体解析用の有限要素メッシュ生成
方法の手順を示すフローチャート。
【図13】図5の全体形状モデルに対して部分形状(原
子・分子)モデルを考慮しない場合の要素分割例を示す
説明図。
【図14】図5の全体形状モデルに対して部分形状(原
子・分子)モデルを考慮した場合の要素分割例を示す説
明図。
【図15】図7で示した部分解析用の部分形状モデルに
原子・分子離散群を生成した一例を示す説明図。
【図16】本発明の解析結果の内挿補間による境界条件
生成方法の原理の説明図。
【符号の説明】
101…対話型データ入出力処理部、102…全体解析
処理部、103…部分解析処理部、104…共通データ
ベース、105…入出力装置。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】解析対象の形状モデルと解析条件のデータ
    を入力し、解析計算結果のデータを出力する解析シミュ
    レーションのための装置であり、解析対象の全体形状の
    一部に対し、前記全体形状の解析精度よりも高精度な原
    子・分子離散モデルによる解析が可能なズーミング解析
    装置において、 前記解析対象の全体形状とその解析条件を入力する手段
    と、高精度な解析が要求される前記部分形状を入力する
    手段と、前記入力された解析対象の全体形状モデルとそ
    の解析条件から、自動的に、前記全体形状の有限要素モ
    デルを生成して全体解析を行う手段と、前記入力された
    部分形状に加え、前記解析対象の全体形状の解析条件及
    び前記全体解析手段による全体解析の解析結果の少なく
    とも一方に基づいて、自動的に、前記部分形状の原子・
    分子離散モデルを生成して部分解析を行う手段とを備え
    たことを特徴とするズーミング解析装置。
JP16411296A 1996-06-25 1996-06-25 ズーミング解析装置 Pending JPH1011612A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019194114A1 (ja) * 2018-04-03 2019-10-10 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 処理装置、cadモデルの特徴部分検出方法及びプログラム
JP2020173185A (ja) * 2019-04-11 2020-10-22 Toyo Tire株式会社 構造物のfem解析方法、システム及びプログラム

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