JP2002236940A - テンプレートを用いた自由曲面の創成方法および装置 - Google Patents

テンプレートを用いた自由曲面の創成方法および装置

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JP2002236940A
JP2002236940A JP2001033785A JP2001033785A JP2002236940A JP 2002236940 A JP2002236940 A JP 2002236940A JP 2001033785 A JP2001033785 A JP 2001033785A JP 2001033785 A JP2001033785 A JP 2001033785A JP 2002236940 A JP2002236940 A JP 2002236940A
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Koichi Matsuzaki
幸一 松崎
Shinya Nakai
進彌 中井
Kiyoshi Nakakura
清 中倉
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Daihatsu Motor Co Ltd
Nihon Unisys Ltd
Original Assignee
Daihatsu Motor Co Ltd
Nihon Unisys Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 大量点群から自由曲面を創成する方法に
おいて、基本曲面および基本立体を組み合わせた複数個
の基本テンプレートを用意し、大量点群に対して、複数
個の基本テンプレートのうちのいくつかの基本テンプレ
ートを組み合わせることにより、テンプレートを定義
し、大量点群によって形成される点群形状にテンプレー
トを適用し、適用したテンプレートを点群にあてはめる
ように修正することによりモデリングを行い、該モデリ
ングによって得られた面創成用データおよび点群データ
を基にして曲面を計算する。 【効果】 点群面創成の前処理にあたる点群分割および
曲面のあてはめが高速に処理できるため、モデリング作
業が効率的に行え、大量点群に対して問題なく処理する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、点群データから自
由曲面を創成する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】点群から自由曲面(以下、単に「曲面」
という)を創成し、これを工業的に利用して生産性向上
に結びつける動きがある。点群形状が一般に複雑である
のに対して、曲面は基本的に4辺形面であることから、
一般に複数の曲面を貼りあわせて同一の形状に復元す
る。この時、曲面の形状、大きさ、位置などの違いによ
って、点群と曲面との間の誤差あるいは曲面の品質が大
きく変化する。誤差なく、かつ高品質な曲面を創成する
ためには、このために曲面の形状、大きさ、位置を何度
も変える必要がある。この作業時間が予想以上に増加す
る問題がある。作業の内訳を見ると、(1)面構成検討、
(2)面創成計算の2点に分けられる。(1)の面構成検討
は、上記に示す通りの作業内容であり、コンピュータと
対話するために作業時間は比較的長い。(2)の面創成計
算は、点群データおよび(1)の面構成検討の作業で得た
面創成用データをもとにして曲面を計算する時間であ
り、点群の大きさに比例している。(1)の面構成検討と
(2)の面創成計算の時間配分を比較すると、方法あるい
は点群の大きさにもよるが、およそ5:1程度の割合で
(1)の面構成を検討する作業時間の方が大きいことが分
かっている。作業効率を全体的に上げるには、占める割
合の高い面構成検討作業を可能な限り短縮する必要性が
ある。
【0003】点群から自由曲面を創成する試みが急激に
増加している。背景として、ここ5、6年前から急速に
発展してきた3次元測定装置の高性能化によるところが
大きい。これ以前はわずかな測定点群しか得られなかっ
たため、CADを用いて曲面を創成する方法がとられて
きた。この場合、実形状に関する情報が少ないため、今
日の高性能な3次元測定装置から得られる高密度な測定
点群と比べると、品質の上で問題があった。このため高
密度な点群から曲面を創成する方法の確立が望まれてい
る。ここで、「高密度点群」とは、100×100mm
平方当たり少なくとも10000点以上を含む点群をい
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、高密度
な点群を用いると、点群が大量化する傾向にある(これ
を「大量点群」と呼ぶ)。ここで、「大量点群」とは、
1面当たり10000点以上を含む点群をいう。自動車
外形形状を例にとると、測定精度にもよるが数億点から
数十億点にも達する。従来はせいぜい数十万点程度であ
ったことからすると、およそ百倍から万倍も増加するこ
とになる。従来の方法でこの大量点群をもちいると比例
的に作業時間が増加するため、実用的な方法ではなくな
ってきている。
【0005】より高品質な曲面を創成するためには、こ
の大量点群を可能な限り用いることが必要である。この
ことから面構成検討作業(以下、「モデリング」とい
う)の効率化においては、大量点群に対応していること
が重要な条件となる。
【0006】本発明の目的は、大量点群から高品質な自
由曲面を短時間にて創成することができるような自由曲
面の創成方法および装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの観点によ
れば、大量点群から自由曲面を創成する方法において、
基本曲面および基本立体を組み合わせた複数個の基本テ
ンプレートを用意し、大量点群に対して、前記複数個の
基本テンプレートのうちのいくつかの基本テンプレート
を組み合わせることにより、テンプレートを定義し、大
量点群によって形成される点群形状に前記テンプレート
を適用し、前記適用したテンプレートを点群にあてはめ
るように修正することによりモデリングを行い、該モデ
リングによって得られた面創成用データおよび点群デー
タを基にして曲面を計算することを特徴とする。
【0008】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
方法は、前記定義したテンプレートを後の再利用のため
に登録するステップをさらに含む。
【0009】本発明の別の実施の形態によれば、前記テ
ンプレートを適用するステップは、テンプレートの基準
点に座標値を与えて、テンプレートを点群形状にあては
めることを含む。
【0010】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記テンプレートを修正するステップは、点群とテンプ
レートとの間に不都合が生じた時に、テンプレートを構
成している基本テンプレートを削除または追加または修
正することを含む。
【0011】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記基本テンプレートは、拡張定義されたものを含む。
【0012】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記定義されたテンプレートは、基本テンプレートおよ
び基準点、基準点座標値、テンプレート名、検索項目等
の属性データを有する。
【0013】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記テンプレートを定義するステップは、点群が連続し
て分布する場合において、隣接する基本テンプレートの
重複する頂点をまとめて基準点とすることにより自動的
に行われる。
【0014】本発明のさらに別の実施の形態によれば、
前記テンプレートを定義するステップは、テンプレート
の大域変形を含む。
【0015】本発明の別の観点によれば、大量点群から
自由曲面を創成する装置において、基本曲面および基本
立体を組み合わせた複数個の基本テンプレートを記憶す
るための基本テンプレート記憶手段と、大量点群を入力
するための点群入力手段と、大量点群に対して、前記基
本テンプレート記憶手段に記憶された複数個の基本テン
プレートのうちのいくつかの基本テンプレートを組み合
わせることにより、テンプレートを定義するテンプレー
ト定義手段と、大量点群によって形成される点群形状に
前記テンプレートを適用するためのテンプレート適用手
段と、前記適用したテンプレートを点群にあてはめるよ
うに修正するためのテンプレート修正手段と、前記テン
プレート定義手段、テンプレート適用手段およびテンプ
レート修正手段によるモデリングによって得られた面創
成用データおよび点群データを基にして曲面を計算する
曲面計算手段とを備えることを特徴とする。
【0016】本発明の一つの実施の形態によれば、前記
装置は、前記テンプレート定義手段によって定義された
テンプレートを後の再利用のために登録するためのテン
プレート登録手段をさらに備える。
【0017】本発明の別の実施の形態によれば、前記基
本テンプレート記憶手段、前記点群入力手段、前記テン
プレート定義手段、前記テンプレート適用手段、前記テ
ンプレート修正手段および前記曲面計算手段は、パーソ
ナルコンピュータが有する機能により実現されており、
該パーソナルコンピュータが有する表示機能を介して、
対話的に、基本テンプレートの選択、テンプレート定
義、テンプレート適用、テンプレート修正を行えるよう
にする。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、添付図面に基づいて、本発
明による問題の解決手法、装置構成、理論並びに実施の
形態および実施例について、本発明をより詳細に説明す
る。1.解決手法 1.1.概要 点群データから自由曲面(パラメトリック曲面)を創成
する方法を、大きく分類すると、 (1)直接法:点群データから直接に自由曲面を創成す
る方法 (2)間接法:点群データから自由曲線またはポリゴン
を一時的に生成してから、これらを用いて間接的に自由
曲面を創成する方法の2種類に分けられる。本発明は、
直接法によって自由曲面を創成する場合を対象にする。
【0019】直接法によって曲面を創成する場合、下記
[1]に説明する、各点に対応する曲面のu,vパラメー
タ値計算(図1参照)と、下記[2]に説明する点群分割
(図2参照)が技術的に大きな課題となる。ここで、図
1において、「パラメータ一定線」とは、パラメータ値
の等しい部分を線で結んだものをいう。
【0020】[1] u,vパラメータ値計算 点群データから直接に曲面を創成する方法の理論の詳細
は、後記「3.」節にて説明する。重要なことは、3次
元空間(x、y、z座標)に分布する点群に対して、こ
れをu,v2つのパラメータで定義したパラメトリック
曲面S(u,v)であてはめる場合に、各点のx、y、
z座標値に対応するu,v値を正確に求める方法が問題
となっている。つまり、3次元空間から2次元空間への
写像(マッピング)の方法である。これを「パラメタラ
イゼーション」という(図3参照)。
【0021】創成した自由曲面が工業上のニーズを満た
す要件は、(1)点群と創成曲面との間の誤差が工業上の
要求精度を下回ること(例えば±0.1mm以下など)(2)高
品質な曲面であること(シワや折れなどがなく数学的に
滑らか)の2点である。以下大量点群に対してこの2つ
の要件を満たす方法を説明する。
【0022】「(1)誤差最小」にする1つの方法は、曲
面の大きさをできるだけ小さくすることである。曲面の
あてはめを板曲げの問題に置き換えた場合、より小さい
板の方があてはめた時の誤差が少ないことは明らかであ
る。したがって曲面を創成する時の点群範囲をできるだ
け小さくすることが誤差最小に結びつく。
【0023】一方、「(2)高品質」の要件は、これを数
学的に表現すると、(a)u,v2つのパラメータの進
む向きが、3次元空間上で直交していること、(b)
u,v2つのパラメータが、微小範囲で弦長パラメータ
になっていること、である(参考文献: B.Levy et a
l.,[Non-Distorted Texture mapping for shared trina
gled meshes,Proc. SIGGRAPH 98,pp343-352,1998.参
照])。具体的には、「平面」、「円柱面」、「球面」
などの基本曲面がよい例として挙げられる。ここで、
「基本曲面」とは解析曲面を含む基本的な形状をした幾
何曲面のことで、例えば「平面」・「2次解析曲面(円
柱、球面、楕円など2次式で表現する曲面)」などがあ
る。基本曲面の条件は、u,v2つのパラメータで表現
できるパラメトリック曲面であること、2つのパラメー
タの進む向きが3次元空間上で直交していること、2つ
のパラメータが微小範囲で弦長パラメータになっている
ことである。基本曲面をもちいるとパラメタライゼーシ
ョンが簡単に行える利点がある。上記(a)、(b)の2つの
要件を満たし、かつ高品質な曲面を得るパラメタライゼ
ーションのよい方法として、平面・円柱面・球面などの
基本曲面をもちいて点群データを3次元座標値から2次
元座標値(u,vパラメータ値)に変換する方法があ
る。
【0024】従来からよく知られているパラメタライゼ
ーションの方法として、以下の2つが代表例として挙げ
られる。 (方法1)最近点法 点群形状に近い自由曲面をなんらかの方法で得ていると
する。この自由曲面に対して点群の各点から曲面上に垂
線(または最近点)を下ろして曲面上の点を求める。こ
の時のu,v値を点群のパラメータ値とする。 (方法2)Floaterの方法(参考文献:M.Floater,「Parame
terization and smoothapproximation of surface tria
ngulations」Comp. Aided Geom.design 14,231-250,199
7参照) 点群の隣接する各点Uj(j=1,2,...N)を結
ぶ(ポリゴン化)。最外境界線上の点Uk(k=n+
1,...N)をu,v2次元空間上に定義した4辺形
に写像する。内部の各頂点Ui(i=1,2,...
n)は次のように計算する。
【0025】 内部の頂点Ui = Σλi,j・Uj 式(1) ただし、n<N:内部の頂点数nはすべての頂点数Nよ
り少ない λi,j>0:結ばれている頂点間 λi,j=0:結ばれていない頂点間 Σλi,j=1 結ばれた頂点間の和が1で弦長パラメータに
比例した値にする。
【0026】式(1)を組み立てると疎な連立方程式とな
り、これを解く。いずれの方法も大量点群になると膨大
な計算時間となり実用には向かない。実用的には数千点
が限界である。一方、基本曲面による方法は、平面投
影、円柱投影、球面投影(図4参照)などによる簡単な
幾何計算であり、百万点でも通常の計算機では数秒で計
算してしまうため、大量点群に適している。
【0027】一方、従来の方法のパラメタライゼーショ
ンが正確であるのに対して、基本曲面による方法は、凹
凸がある形状に対して不正確になることがある。しかし
直接法(後記「3.」節参照)による方法では、パラメ
タライゼーションについてあまり高い精度を必要として
いない。理由は次の通りである。
【0028】点群形状が基本曲面にほぼ一致する場合は
上記(a)、(b)の条件を満たす。一致しない場合も対応づ
けができれば問題ない。点群から曲面を創成する方法は
基本的に収束計算(後記「3.」節参照)である。この
時u,vパラメータが変数(未知数)であり、収束する
たびにこの値が変化して最終的に正解値に近づく。パラ
メタライゼーションは、この収束計算の初期値を求める
ことになる。初期値が大きく違うと収束しないことがあ
る。このことからu,vパラメータ値は収束できる範囲
の近似値でよいことがわかる。
【0029】曲面を4辺形に創成することから、点群の
u,vパラメータ分布は2次元空間において矩形(図2
参照)になっていなければならない。基本曲面をもちい
てパラメタライゼーションをする場合、方法によっては
矩形にならないことがある。この時はパラメタライゼシ
ョンにより求めたu,vパラメータ値をさらに変換して
矩形に直さなければならない。この方法を説明する。
【0030】まず、基本曲面を用いてパラメタライゼー
ションした後の点群の輪郭線を求める。次に輪郭線の最
小値・最大値を求めてこれを最終目的とする矩形とす
る。輪郭線を矩形境界線にシフトして境界線と一致する
ような変換式を求める。uパラメータを変数とした時、
2つの輪郭線をuの関数Fmin(u)、Fmax(u)、矩形の最
小値をKmin、最大値Kmaxとすると、変換後のv'は次の
ように求まる。
【0031】v' = (1−t)*Kmin+t*Kmax ここで、 t=(v−Fmin(u))/(Fmax(u) −Fmin(u)) この変換式をすべての点群に対して適用する。vパラメ
ータを変数とした場合も同様とする。
【0032】[2] 点群分割 大量点群に対して、点群分割を高速に行う必要がある。
従来は、点群上に境界線(曲線)を定義して、これに囲
まれた領域にある点群を抽出する(図6a参照)。境界
線は一般に曲線であることから、曲線に囲まれた点の内
外判定が機能的に必要である。3次元空間に存在する点
と曲線の位置関係から内外判定をするのは、垂線計算な
どをともなうために計算時間がかかる。実用的には数千
点以下しか扱えない。点群は3次元空間に分布している
ことから直方体や円柱体など閉空間をもつ基本立体をも
ちいると比較関係だけによる内外判定になるため境界線
をもちいた場合に比べるとかなり高速に処理できる(図
6b参照)。ここで、「基本立体」とは解析曲面を含む
基本的な形状をした幾何立体のことで、例えば「直方
体」・「円柱体」・「球体」・「楕円体」などがある。
立体を構成する面がすべて陰関数に表現できることが基
本立体としての条件で、面が関数F(x,y,z)=0で表現され
ている時、内外判定は関数値F(x,y,z)の値を求めてその
符号判定(F(x,y,z)>0またはF(x,y,z)<0)から簡単に求
まる利点がある。円柱を例にとると、軸方向は2つの平
面との距離関係の比較であり、半径方向は軸までの距離
と半径との比較だけで内外判定ができる。その他の基本
立体の場合も同様である。一般に基本立体を構成する面
が陰関数に表現(F(x,y,z)=0の形式)できると内外判定
が早い。したがって基本立体を用いて点群分割すると、
大量点群の場合に適していることがわかる。
【0033】以上をまとめると、大量点群に対して上記
(1)、(2)の要件を満たす実用的な方法として、(i)基本
立体をもちいて点群形状を細かく分割する(点群分割)
(ii)分割した点群を基本曲面にあてはめて、およそ正確
なu,v初期値を計算する(パラメタライゼーション)
である(図7aから図7g参照)。なお、誤差をより小
さくするためには、対象となる点群により適合した基本
曲面を準備することがさらに良くする方法と考えられ
る。
【0034】以上のことから、大量点群から曲面を創成
する時にモデリング上必要なものは、基本立体(点群
分割)、基本曲面(パラメタライゼーション)の2つ
である。点群形状は多様であるから、形状に応じて多種
類準備する。
【0035】一方、この2つは相互に関連性のある幾何
形状である。例えば、直方体−平面、円柱体−円柱面な
どの組み合わせである。平面は直方体を構成する6面の
うちの1つとすれば、幾何データとしては直方体だけが
あればよい。円柱体の場合も同様である。基本立体と基
本曲面の2つを組み合わせることによって、データ数を
少なくするとともに、1つのデータ単位としてまとめる
ことにより、モデリング時の指示の仕方が簡単になる。
この単位を「基本テンプレート」と呼ぶ。
【0036】利用価値の高い基本テンプレートをいくつ
か選定する。後記「1.3.1」節で説明する図17に
示す表-1に、それらの具体例を示す。
【0037】本発明は、大量点群から自由曲面を創成す
る時のモデリング作業の効率化を目標に掲げている。モ
デリングの指示単位として「基本テンプレート」を利用
することによって作業の効率化が進む。これをさらに進
めて、複雑な形状に対して複数の基本テンプレートを効
率よく適用する方法を説明する。
【0038】複雑な形状に対して複数の基本テンプレー
トを適用させるため、まず基本テンプレートを複数個つ
なぎ合わせたものを定義する。これを「テンプレート」
と呼ぶ。テンプレートの形状は、点群形状と同じではな
く、たとえると、鎧(よろい)状に基本テンプレートを
つなぎ合わせたものを点群形状に近づけたものと見なせ
る(図8参照)。なお、ここに述べるテンプレートは特
定の形状(例えば自動車外形形状のフード、フェンダ、
ルーフあるいは全体)毎に各々定義されるべきものであ
り、汎用的なものを意味してはいない。
【0039】形状の複雑さに対応するため、以下のよう
な仕組みを持つ。
【0040】基本テンプレートは複数のパラメータ(後
記「1.3.1」節参照)を持つ。これらをすべて総合
するとテンプレート全体のパラメータ数は相当の数にな
る。そこでテンプレートに独自のパラメータをもうけ
て、各基本テンプレートのパラメータは、すべてこの独
自のパラメータに関連付けておく。この独自のパラメー
タは、点群と同じ3次元空間に定義した任意の点とし、
これを「基準点」(図9a参照)と呼ぶ。基準点は3次
元座標値を持つ。基準点と各基本テンプレートのパラメ
ータとの関連付けを式で表現できるようにすることで、
基本テンプレートの形状を自由に変えられる。なお点群
形状にテンプレートをあてはめる操作を簡単にするた
め、基準点の数は可能な限り少なくする。この結果、基
準点の移動に応じてテンプレートを自由に変形できるこ
とから、複雑な形状に適合させることができる(図9b
参照)。同時に各基本テンプレートの形状は点群形状に
適合する。
【0041】一般に「テンプレート」と呼ばれるもの
は、対象となる形状との適合性が問題となることが多
い。テンプレートは、既存の形状があってはじめて定義
されるものであり、新たな形状に対応するのは非常に困
難である。例えば、自由曲面あるいは自由曲線で構成さ
れたテンプレートは、変形の自由度が低く実用的ではな
い。このような問題点に対し、本発明によって選定する
テンプレートは、融合性を持つために対象形状への適合
性が高い。この理由は、パラメタライゼーションが多少
は不正確であっても収束計算によって最終的には正確な
値が求まる点に基づいている。点群形状に対し基準点が
多少あいまいな位置に配置された場合でも、曲面を創成
することは可能である。
【0042】1.2.基本機能 具体的な形状に対して面構成を検討するにあたり、テン
プレートを用いて作業を進めることになる。作業を効率
的に進めるために必要な機能は次の通りである。 テンプレート定義 テンプレート適用 テンプレート修正 テンプレート登録/検索 「テンプレート定義」は、本装置で用意した基本テン
プレートを複数個組みあわせて、あらゆる対象形状に対
してテンプレートを定義する機能である。テンプレート
に名称を与えて、登録および呼び出し(検索)を可能に
している。「テンプレート適用」は、具体的な点群形
状にテンプレートを適用して、曲面を創成する準備を整
える機能である。具体的にはテンプレートの基準点に座
標値を与えて、テンプレートを点群形状にあてはめる。
「テンプレート修正」は、点群とテンプレートとの間
に不都合が生じた時に、テンプレートを構成している基
本テンプレートを削除・追加・修正することによって、
テンプレートを点群にうまくあてはめるようにする機能
である。「テンプレート登録および検索」は、定義し
たテンプレートを登録して、後で利用する時にすぐに呼
び出すための機能である。テンプレートを名称で呼び出
すだけでなく、検索項目をあらかじめ設定しておくこと
で、これをキーにして検索する機能である。
【0043】これら機能の詳細は、後記「2.」節にお
いて説明する。1.3.テンプレートの構造 1.3.1. 基本テンプレート 基本テンプレートはモデリング(点群から曲面を創成す
る作業)の指示単位である。またテンプレートの1構成
単位でもある。基本テンプレートは、基本曲面および基
本立体を組み合わせた単位である。2つは相互に関連性
のある幾何形状であり、重複部分を単一化することで少
ないデータ表現で多目的な使い方ができる。基本テンプ
レートの構造を見るため、簡単な直方体(基本立体)と
平面(基本曲面)とを組み合わせた「平面テンプレー
ト」を例にとる。直方体は8つの頂点(または6つの構
成平面)で構成されており、平面は4つの頂点で構成さ
れている。直方体の6つの面の向きおよび平面の向きを
すべて軸直(X軸、Y軸、Z軸)に限定すれば、この平面
テンプレートの構成要素(パラメータ)は、X,Y,Z3軸
の最小値・最大値と基本平面の向き(u方向、v方向の
計7個である(図10aの「平面テンプレート」参
照)。
【0044】一般に基本テンプレートは複数のパラメー
タから構成されている。平面パラメータを含むおもな基
本テンプレートを、図17の表-1および図10a、図1
0bおよび10cに示す。
【0045】1.3.2.基本テンプレートの拡張定義 基本テンプレートが、より複雑な点群形状にも適用でき
るようにするため、次の拡張定義がある。 (1)ローカル座標系 点群が存在するグローバル(全体)座標系とは別に、ロ
ーカル(局所)座標系を定義して、そこに基本テンプレ
ートを定義できる。ローカル座標系とグローバル座標系
との関係を示す座標変換を定義する。 (2)集合演算型 2つの基本テンプレートを重ねて集合演算(和・差・
積)を行い、新たな基本テンプレートを定義する。次の
3つの集合演算型がある。 和演算型:基本テンプレートAとBの2つの一方が存在す
る領域 差演算型:基本テンプレートAの領域からBの領域を取り
去った領域 積演算型:基本テンプレートAとBの2つが共通して存在
する領域 例えば、次のような形状に対して、直方体と球の差演算
型が使われる(図11参照)。 (3)基本立体の一部変形 基本立体を構成する面の1つを円柱面または自由曲面
(タブシル面)とすることができる。点群の周辺部分を
円弧または自由曲線で切り取って、これを面境界線とす
るような曲面を創成する場合に、この拡張定義をもちい
る。代表的な例を図10cに示す。
【0046】1.3.3.テンプレート テンプレートは、基本テンプレートを複数個組み合わせ
たものである。テンプレートにある「基準点」を移動さ
せることでテンプレートを自由に変形して、点群形状に
合わせていく。この基準点は点群と同じ3次元空間上に
定義した点であり、3次元座標値を持つ。基本テンプレ
ートのパラメータはこの基準点と関連付けられている。
基準点に座標値を与えると、これを参照する基本テンプ
レートのパラメータ値が決まり、テンプレートの形状が
決まる。
【0047】1.3.4.式表現 基準点相互に関係を持たせることができる。「1つの基
準点」は「他の基準点」を参照できる。これによって基
準点の数は減少する。この時、基準点相互の関係を式で
表現する。式の基本表現は四則演算(加減乗除)といく
つかの関数(絶対値、距離、ベクトル正規化)に限る。
次に例を示す。 Px = Qx + 200.0 (解説)基準点Pのx成分は基準点Qのx成分に距離200.
0を加えた値である。これ以外の成分は変わらない。 R = 3.0*(Px − Qx) (解説)半径Rは基準点Pのx成分から基準点Qのx成分
を引いたものを3倍かけた値である。
【0048】1.3.5.データ構造 テンプレートが持つ属性データは、形状に関する「基本
テンプレート」および「基準点」の他に、「基準点座標
値」、「テンプレート名」、「検索項目」がある。「基
準点座標値」は、「基準点」が単なる定義名だけである
のに対して、実際の3次元空間上の座標値であり、テン
プレートを表示する場合に必要なデータである。
【0049】「テンプレート名」は、テンプレートを呼
び出す場合に必要なもので、「名称」の他に「バージョ
ン名」がある。「検索項目」は、登録されたテンプレー
トを検索して取り出す場合に必要なもので、 (1)作成者 (2)作成年月日 (3)形状名、領域名 (4)部品名 などがある。
【0050】データ構造をまとめると、図18に示す表
−2の通りである。
【0051】1.4.関連機能 上記「1.2節」の「基本機能」に示した4機能を実現
するため、次の機能を用意する。 1.4.1.基本テンプレートの点群あてはめ 点群に基本テンプレートを適合させるため、基本テンプ
レートのパラメータ値の一部を自動的に計算する機能を
もつ。内容は次のとおりである。 (1)円柱テンプレートを適用する時、中心位置=指
定、半径=無指定にすると半径を自動的に計算する。 (2)円柱テンプレートを適用する時、中心位置=無指
定、半径=指定にすると中心位置を自動的に計算する。 (3)楕円柱テンプレートを適用する時、中心位置=指
定、半径=無指定にすると半径を自動的に計算する。 (4)楕円柱テンプレートを適用する時、中心位置=無
指定、半径=指定にすると中心位置を自動的に計算す
る。
【0052】計算方法は簡単な作図法による。「半径」
は中心と点との距離を平均して求める。「中心位置」は
任意平面(X-Y平面、Y-Z平面、Z-X平面)上に置かれた
2点と半径から求める。
【0053】1.4.2.テンプレートの自動生成 点群が連続して分布する場合、基本テンプレートが集合
した状態にある。隣接する基本テンプレートの頂点位置
は幾何的に共有関係にある。このことから、重複する頂
点をまとめて「基準点」とすることができる。この方法
でテンプレートを自動的に生成する(図12参照)。
【0054】1.4.3.テンプレートの大域変形 テンプレートを点群に適合させるために、大域的な変形
機能が必要である。まず基準点を適当な位置に移動する
が、基準点が多数ある場合はこの操作が煩雑である。そ
こで、複数の基準点を同時に移動してテンプレートを大
域的に変形する。
【0055】まず、各ブロック(基本テンプレートが定
義された区域)に対して「固定ブロック」「変形ブロッ
ク」のいずれかを指定する。複数のブロックをまとめた
領域単位か個別単位のいずれも可能とする。つぎにいく
つかの基準点に対して「固定点」を決める。このように
決めた上で基準点を移動する。まずテンプレートの大き
さと点群の大きさを比較して違いがあった場合、テンプ
レートの存在範囲を点群の存在範囲に一致させるように
基準点の位置を移動する。だいたいの位置を決めた後
で、次に基準点を個別に移動する。基準点を移動させた
時、変形ブロックは移動量に応じて変形し、一方固定ブ
ロックは全く変形せずに移動のみ行う。
【0056】以上の方法でテンプレートを大域的に変形
させる。図13に例を示す。
【0057】2.装置と仕組み 本発明による装置の構成と仕組みについて説明する。 2.1.装置概要 本発明による方法を実施するための装置のハードウエア
構成は、図14に略示するとおりである。図14に示す
ように、本装置は、主として、パーソナルコンピュータ
本体(主に曲面創成用)1と、ディスプレイ装置(主に
表示用)2と、キーボード・マウス(入力用)3と、本
体1内の固定ディスク装置(点群データおよびテンプレ
ート保存用)とからなっている。分散処理の場合には、
ネットワーク接続した同様の仕様のPCが必要となる。
【0058】また、本装置のソフトウエア構成は次の通
りである。 (1)点群データ読み込み機能 (2)点群データ表示機能 (3)各種対話機能 (4)曲面創成機能 (5)曲面評価機能 (6)測定機能 (7)テンプレート定義機能 (8)テンプレート適用機能 (9)テンプレート修正機能 (10)テンプレート登録/検索機能
【0059】2.2.テンプレート定義 対話形式によりテンプレートを定義する手順について説
明する。
【0060】点群形状を画面に表示する。まず点群を適
当な区域(ブロック)に分割する。分割にあたっては、
「基本立体」をもちいるが、対話形式で行うために直方
体か円柱体かのいずれかに限定する。対象となる点群全
体をグリットパターンで覆い、グリッドを基準にブロッ
クを定義していく。これをすべての領域に対して行う。
【0061】分割をすべて終えた後に、各点群形状にで
きるだけ近い基本曲面をあてはめる。基本曲面は本装置
に備えたすべての種類から選択する。 ステップ1(グリッド表示) 対象となる点群を画面に表示する。まず基本立体の種類
を「直方体」か「円柱体」のいずれかに決める。点群を
等間隔に配置したグリッドパターンで覆う。グリッドパ
ターンは、選択した基本立体の種類に応じて、直方体の
場合は平面投影、円柱体の場合は円柱投影して表示する
(図15参照)。基本立体はここで決まる。 ステップ2(ブロック位置決め) 次に、ブロックの形状および位置を決める。ブロック
(基本テンプレート)はグリッドパターン上をドラック
させながら決めていく。ブロックは、通常矩形として定
義されるが、例外的に一辺が傾斜した線分か円弧または
自由曲線とすることがある。グリッドは一定間隔に決め
られているため、これを基準として定義するブロックは
かならずしも正確な位置には置かれない。この位置の調
整は後で行う(下記「2.3.」節「 テンプレート適
用」参照)。すべての領域についてこれを繰り返す(図
16参照)。 ステップ3(基本テンプレートの選択および表示) ブロック位置をすべて決めた後に、各ブロック単位に基
本曲面をあてはめる。本装置に登録されたすべての基本
曲面をダイアログ上にサンプル表示する。表示したサン
プルの中から点群形状にあてはめやすい基本曲面を選択
する。それを点群にあてはめた上で表示する。一部の基
本曲面については、本装置が用意した基本テンプレート
点群あてはめ機能(前記「1.3.1.」節参照)によ
ってパラメータ値を自動計算して変形する。
【0062】ステップ1で基本立体が、ステップ3で基
本曲面が決まったことで、これを合わせて基本テンプレ
ートが決まる。 ステップ4(初期曲面表示) 選択された基本テンプレートと点群をもちいて一時的に
曲面を計算する。対話的に行うため、点群サイズを極力
小さくした上で短時間で曲面を創成する。曲面表示の他
に誤差表示などもして基本テンプレートを評価する。選
択したものが不適格ならばステップ2またはステップ3
に戻ってこれまでの処理を繰り返す。 ステップ5(重複および隙間部分の検出) 隣接するブロックが重複しているか否か検出する。重複
があった場合には、色変えなどで該当部分を明らかにす
る。 ステップ6(テンプレート生成) 重複および隙間の検出を終えたところで、テンプレート
自動生成機能(前記「1.3.1.」節参照)により隣
接関係を調べた上でテンプレートを作成する。この時、
基準点も自動的に生成する。 ステップ7(基準点相互の関係定義) 基準点相互の関係を定義する。定義は式(四則演算)で
与える。 ステップ8(基準点の調整) ある基準点と参照関係にある基準点を削除して、基準点
全体を調整する。 ステップ9(名称定義) 最後に名称およびバージョンを与える。
【0063】2.3.テンプレート適用 対話形式により、テンプレートを点群に適用する手順に
ついて説明する。
【0064】対象となる点群を表示した上で、テンプレ
ートを呼び出す。呼び出し方は、テンプレートに名付け
た固有名称によるか、または検索により行なう。点群へ
のあてはめ方は、前記「1.3.3.」節で説明したよ
うに基準点を適当な位置に移動して決める。 ステップ1(テンプレート呼び出し) テンプレートを呼び出す。方法は、(1)固有名称による
方法、(2)検索による方法がある。 ステップ2(テンプレートのあてはめ) 基準点を移動ながらテンプレートの位置を決める。個別
に決める場合は、ステップ3で行う。ここではテンプレ
ートの大域変形機能(前記「1.3.2.」節参照)を
用いる手順を説明する。基準点の移動操作に対して固定
する基準点がある場合は、それが固定点であることを指
示する。また変形させるブロックと変形しないブロック
とを決める。大域的に指示することができる。その後基
準点を移動する。移動は表示平面内とする。 ステップ3(基準点位置決め) 基準点すべてを、正確な位置(座標値)に置く。座標値
は、対話形式でドラックしながら表示平面上を移動する
か、または直接座標値を与える。 ステップ4(ブロック表示) 基準点位置決めなどでブロックが変化していることか
ら、確認のためにブロックを表示する。さらにブロック
内の点群を表示して、対象となる点群を確認する。 ステップ5(初期曲面表示) 上記「2.2.」節のステップ4と同じ。 2.4.テンプレート修正 対話形式により、テンプレートを修正する手順について
説明する。
【0065】上記「2.3.」節の「テンプレート適
用」において、点群に対応できなかったテンプレートの
部分を修正する。修正する基本テンプレートを指示し
て、「削除」、「追加」、「変更」を行う。すべてを修
正した後で、テンプレート定義のステップ6と同様の方
法でテンプレートを生成する。 ステップ1(基本テンプレート修正) 修正する基本テンプレートを指示して、「削除」、「追
加」、「変更」を行う。修正されると基本テンプレート
間の隣接関係がなくなって基準点は消去する。 ステップ2(テンプレート生成) テンプレート定義のステップ6に準ずる。 ステップ3(基準点相互の関係定義) テンプレート定義のステップ7ステップ7に準ずる。 ステップ4(基準点の調整) テンプレート定義のステップ8に準ずる。 2.5.テンプレート登録/検索 対話形式により、テンプレートを登録/検索する手順に
ついて説明する。登録は、テンプレートを定義した後に
固有名称およびバージョン名を与える。固有名称は重複
してもよいが、バージョン名と組み合わせて単一な名称
にする。
【0066】検索は、検索用ダイアログに検索項目を入
力して検索を実行し、検索結果を表示して件数を絞り込
む。AND、OR検索が可能である。
【0067】3.自由曲面の創成理論 面創成法はいくつかの方法があるが、本特許に関係す
る、「点群から直接に曲面を創成する方法」について説
明する。
【0068】与えられた点群をすべてラップするように
曲面を創成する。点群と曲面との間は適当な強さを持っ
たバネで結ばれ、曲面は適当な曲げ剛性を持つ弾性板と
仮定した物理モデルとして考える。モデルのエネルギー
量は、バネエネルギーと板曲げエネルギーの総和(下記
式(1))である。このエネルギー量が最小になるところ
を安定解とする。すなわち2つのエネルギー関数値(下
記式(2)、(3))を曲面制御点に関して最小化する問題と
考えて1階微分値=0にして式を展開すると、制御点を未
知数とする連立一次方程式の形になる。この連立方方程
式を解くことになるが、曲面上のバネ取り付け位置と、
曲面制御点の2つが未知数であることから解は一意に求
まらず、一方に近似値を与えて収束させながら解く方法
をとる。
【0069】曲面式をS(u,v)でパラメトリック表現する
時、近似値として曲面上のバネ取り付け位置をu,vパ
ラメータ値で与える。これを初期値として連立一次方程
式を解く。求まった曲面と点群との位置関係を調べて
u,vパラメータ値を補正する。これを次の近似値にし
て再び連立一次方程式を解く。これを繰り返す。収束判
定は、エネルギー総和が最小値になったところで打ち切
る。
【0070】最初に初期値として与えるu,vパラメー
タ値が悪いと収束がうまく行かずに、曲面が歪んだりシ
ワが出たりすることがある。u,vパラメータ初期値を
求めることをパラメタライゼーションと呼ぶ。パラメタ
ライゼーションの是非が面品質に大きく影響する。
【0071】エネルギー関数式は次の通り。 ○エネルギー関数の総和 ○バネエネルギー(点単位) ○板曲げエネルギー
【0072】ここで係数値の意味は次の通り。 Q:点座標値 S:点群内の各点に対応する曲面上の点位置 K:バネ係数(点単位) λ:フェアリング係数(パッチ単位) Ω:曲面を定義するパラメータ矩形領域 Suu、Suv、Svv:曲面の2階偏微分 点群はランダムな並びでよく、また密度分布も適当でよ
い。穴などのように点群のまったく存在しない領域があ
っても、フェアリング係数値を大きくするなど工夫する
と安定して解が得られる。このような方法をエネルギー
最小法と呼ぶ。
【0073】
【発明の効果】本発明の効果をまとめると次の通りであ
る。 (1)基本テンプレートをもちいることにより、点群面
創成の前処理にあたる点群分割および曲面のあてはめが
高速に処理できるため、モデリング作業が効率的に行
え、大量点群に対して問題なく処理することができる。 (2)基本テンプレートをもちいることにより、点群面
創成の前処理にあたるu,vパラメータ初期値計算が高
速に処理できるため、モデリング作業が効率的に行え、
大量点群に対して問題なく処理することができる。 (3)大量点群に対して問題なく処理できることから、
結果的に高品質な自由曲面を創成することができる。 (4)テンプレートを点群形状にあてはめることによ
り、効率的に面構成作業が行え、モデリング作業時間を
大幅に短縮できる。 (5)テンプレートの登録/検索を可能にすることによ
り、過去に実施したモデリング方法を再利用できる。 (6)テンプレートをもちいることにより、どのような
複雑な形状にも対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】曲面のuvパラメータを例示する図である。
【図2】点群分割を例示する図である。
【図3】パラメタライゼーションを説明するための図で
ある。
【図4】投影法を説明するための図である。
【図5】uvパラメータ値の補正を説明するための図で
ある。
【図6a】境界線による点群分割を例示する図である。
【図6b】基本立体による点群分割を例示する図であ
る。
【図7a】処理プロセスを説明するための図である。
【図7b】処理プロセスを説明するための図である。
【図7c】処理プロセスを説明するための図である。
【図7d】処理プロセスを説明するための図である。
【図7e】処理プロセスを説明するための図である。
【図7f】処理プロセスを説明するための図である。
【図7g】処理プロセスを説明するための図である。
【図8】テンプレート表示例を示す図である。
【図9a】テンプレートの基準点を例示する図である。
【図9b】テンプレートの変形の例を示す図である。
【図10a】代表的な基本テンプレートを例示する図で
ある。
【図10b】代表的な基本テンプレートを例示する図で
ある。
【図10c】拡張仕様の基本テンプレートを例示する図
である。
【図11】集合演算型基本テンプレートの例を示す図で
ある。
【図12】テンプレートの自動生成を例示する図であ
る。
【図13】テンプレートの大域変形を例示する図であ
る。
【図14】本発明による方法を実施するための装置のハ
ードウエア構成を略示する図である。
【図15】グリッド表示の例を示す図である。
【図16】ブロック位置決めの例を示す図である。
【図17】代表的な基本テンプレートをまとめて示す表
−1を示す図である。
【図18】テンプレートのデータ構造を例示する表−2
を示す図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ本体 2 ディスプレイ装置 3 キーボード・マウス
フロントページの続き (72)発明者 中井 進彌 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 (72)発明者 中倉 清 大阪府池田市桃園2丁目1番1号 ダイハ ツ工業株式会社内 Fターム(参考) 5B050 CA07 EA28 5B080 AA10 5H269 AB19 BB07 QA05

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大量点群から自由曲面を創成する方法に
    おいて、基本曲面および基本立体を組み合わせた複数個
    の基本テンプレートを用意し、大量点群に対して、前記
    複数個の基本テンプレートのうちのいくつかの基本テン
    プレートを組み合わせることにより、テンプレートを定
    義し、大量点群によって形成される点群形状に前記テン
    プレートを適用し、前記適用したテンプレートを点群に
    あてはめるように修正することによりモデリングを行
    い、該モデリングによって得られた面創成用データおよ
    び点群データを基にして曲面を計算することを特徴とす
    る方法。
  2. 【請求項2】 前記定義したテンプレートを後の再利用
    のために登録するステップをさらに含む請求項1に記載
    の方法。
  3. 【請求項3】 前記テンプレートを適用するステップ
    は、テンプレートの基準点に座標値を与えて、テンプレ
    ートを点群形状にあてはめることを含む請求項1または
    2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記テンプレートを修正するステップ
    は、点群とテンプレートとの間に不都合が生じた時に、
    テンプレートを構成している基本テンプレートを削除ま
    たは追加または修正することを含む請求項1または2ま
    たは3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記基本テンプレートは、拡張定義され
    たものを含む請求項1から4のうちのいずれか1項に記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 前記定義されたテンプレートは、基本テ
    ンプレートおよび基準点、基準点座標値、テンプレート
    名、検索項目等の属性データを有する請求項1から5の
    うちのいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記テンプレートを定義するステップ
    は、点群が連続して分布する場合において、隣接する基
    本テンプレートの重複する頂点をまとめて基準点とする
    ことにより自動的に行われる請求項1から7のうちのい
    ずれか1項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記テンプレートを定義するステップ
    は、テンプレートの大域変形を含む請求項1から7のう
    ちのいずれか1項に記載の方法。
  9. 【請求項9】 大量点群から自由曲面を創成する装置に
    おいて、基本曲面および基本立体を組み合わせた複数個
    の基本テンプレートを記憶するための基本テンプレート
    記憶手段と、大量点群を入力するための点群入力手段
    と、大量点群に対して、前記基本テンプレート記憶手段
    に記憶された複数個の基本テンプレートのうちのいくつ
    かの基本テンプレートを組み合わせることにより、テン
    プレートを定義するテンプレート定義手段と、大量点群
    によって形成される点群形状に前記テンプレートを適用
    するためのテンプレート適用手段と、前記適用したテン
    プレートを点群にあてはめるように修正するためのテン
    プレート修正手段と、前記テンプレート定義手段、テン
    プレート適用手段およびテンプレート修正手段によるモ
    デリングによって得られた面創成用データおよび点群デ
    ータを基にして曲面を計算する曲面計算手段とを備える
    ことを特徴とする装置。
  10. 【請求項10】 前記テンプレート定義手段によって定
    義されたテンプレートを後の再利用のために登録するた
    めのテンプレート登録手段をさらに備える請求項9に記
    載の装置。
  11. 【請求項11】 前記基本テンプレート記憶手段、前記
    点群入力手段、前記テンプレート定義手段、前記テンプ
    レート適用手段、前記テンプレート修正手段および前記
    曲面計算手段は、パーソナルコンピュータが有する機能
    により実現されており、該パーソナルコンピュータが有
    する表示機能を介して、対話的に、基本テンプレートの
    選択、テンプレート定義、テンプレート適用、テンプレ
    ート修正を行えるようにした請求項9または10に記載
    の装置。
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