JPH10110127A - インクジェット用記録液 - Google Patents

インクジェット用記録液

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JPH10110127A
JPH10110127A JP26808996A JP26808996A JPH10110127A JP H10110127 A JPH10110127 A JP H10110127A JP 26808996 A JP26808996 A JP 26808996A JP 26808996 A JP26808996 A JP 26808996A JP H10110127 A JPH10110127 A JP H10110127A
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久嗣 浦木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】安定な分散性を有し,ノズルでの吐出安定性の
良好な水性インクジェット用記録液の提供。 【解決手段】水性の液体中にカーボンブラックを分散し
てなるインクジェット用記録液において,該カーボンブ
ラックが,スルホン酸との反応性を有さない溶剤中にカ
ーボンブラックを分散し,しかるのちスルホン化剤によ
り処理した処理カーボンブラック,あるいはカーボンブ
ラックの粒子内部に実質的にスルホン酸基を有さず,カ
ーボンブラックの粒子表面にスルホン酸基を有する処理
カーボンブラックであることを特徴とするインクジェッ
ト用記録液。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,分散安定性に優
れ,ノズルでの吐出安定性の良好なインクジェット用記
録液に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット用記録液として
は,特開昭53−61412号公報,特開昭54−89
811号公報,特開昭55−65269号公報に開示さ
れているように,酸性染料,直接染料,塩基性染料等の
水溶性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものがよ
く用いられている。しかし,水溶性染料としては,記録
液の安定性を得るため,水に対する溶解性の高いものが
一般的に用いられており,インクジェット記録物の耐水
性が悪く,水をこぼしたりすると容易に記録部分の染料
のにじみを生じるという問題があった。
【0003】このような耐水性の不良を改良するため,
特開昭56−57862号公報に開示されているよう
に,染料の構造を変えたり,塩基性の強い記録液を調製
することが試みられている。また,特開昭50−490
04号公報,特開昭57−36692号公報,特開昭5
9−20696号公報,特開昭59−146889号公
報に開示されているように,記録紙と記録液との反応を
うまく利用して耐水性の向上を図ることも行われてい
る。これらの方法は,特定の記録紙については著しい効
果をあげているが,記録紙の制約を受けるという点で汎
用性に欠け、特定の記録紙以外を用いた場合は、水溶性
染料を使用する記録液では記録物の充分な耐水性が得ら
れないことが多い。
【0004】また,耐水性の良好な記録液としては,油
溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの,油溶
性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが,溶剤の
臭気や溶剤の排出の問題があり、環境上好ましくない。
また,大量の記録を行う場合や装置の設置場所によって
は,溶剤回収等が必要になるという問題がある。そこ
で、記録物の耐水性をよくするために,水系媒体に顔料
を分散した記録液の開発が行われている。
【0005】しかし,顔料は,染料と異なり微小粒子と
して分散させることおよび分散状態を安定に保つことが
非常に困難である。一方,インクジェット用の記録液に
おいては,プリンターの高解像度化につれノズル径が細
くなってきており,これに伴い顔料の粒子径も微細化す
る必要が生じている。また,オーバーヘッドプロジェク
ター等の透明基材への画像形成においても染料並みの透
明性に対する要求があり,顔料の発色の観点からも微細
化が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は,上記
従来の問題点を解決し,安定な分散性を有し,ノズルで
の吐出安定性の良好な水性インクジェット用記録液を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,水性の液
体中にカーボンブラックを分散してなるインクジェット
用記録液において,スルホン酸との反応性を有さない溶
剤中に分散したのちスルホン化剤により処理した処理カ
ーボンブラックを用いることにより,安定な分散性を有
し,ノズルでの吐出安定性の良好な水性インクジェット
用記録液が得られることを見出し,本発明に至った。ス
ルホン化剤によりカーボンブラックの表面を処理してな
るカーボンブラックはカーボンブラック粒子表面にスル
ホン酸基を有していると考えられ,処理されたカーボン
ブラック表面の働きにより水への分散性の向上と微小化
が可能となる。
【0008】すなわち,本発明は,水性の液体中にカー
ボンブラックを分散してなるインクジェット用記録液に
おいて,該カーボンブラックが,スルホン酸との反応性
を有さない溶剤中にカーボンブラックを分散し,しかる
のちスルホン化剤により処理した処理カーボンブラック
であることを特徴とするインクジェット用記録液に関す
る。また,本発明は,水性の液体中にカーボンブラック
を分散してなるインクジェット用記録液において,該カ
ーボンブラックが,カーボンブラックの粒子内部に実質
的にスルホン酸基を有さず,カーボンブラックの粒子表
面にスルホン酸基を有する処理カーボンブラックである
ことを特徴とするインクジェット用記録液に関する。
【0009】本発明に用いられるカーボンブラックは,
チャネルブラック法,ファーネスブラック法,アセチレ
ンブラック法等の種々の方法によって製造される顔料
で,酸性カーボン,中性カーボン,塩基性カーボンのい
ずれもが使用できる。カーボンブラックとして具体的に
は,三菱化学社製のMA−7,MA−8,MA−10
0,#2200B,#2600,MCF88,No.1
0B,No.33,No.40,No.4000B,N
o.52,CF−9等,キャボット社製のRegal
400R,660R,330R,MOGUL L等,デ
グッサ社製のColor Black FW1,FW1
8,S170,S150,Printex U,35
等,コロンビアンカーボン社製のREVEN 1255
等を例示できる。
【0010】カーボンブラックは,微細な粒子のものが
好ましく,一般的なカーボンブラックの粒径としては,
15〜35nmのものが用いられるが,これを水に分散
させたときの平均粒径としての値は10〜150nm
(レーザ散乱法による測定値)のものが良好である。
【0011】本発明に用いられるスルホン酸との反応性
を有さない溶剤は,カーボンブラックが不溶解な溶剤で
あり,活性プロトンを有さないもの,特にN−メチル−
2−ピロリドンまたはスルホランが好適である。スルホ
ン酸との反応性を有さない溶剤は,カーボンブラックの
溶剤による濡れおよびカーボンブラックのほぐれ状態を
維持し,カーボンブラックをスルホン化剤で良好に処理
するためには,カーボンブラックの3〜200重量倍用
いることが好ましい。溶剤の量がカーボンブラックの3
重量よりも少ないと,カーボンブラックが凝集状態のま
ま処理される可能性が高く,微小な粒子が得られにく
い。一方,200重量倍よりも多いと,スルホン化剤の
反応性に悪影響がでたり,後の溶剤の除去,洗浄処理が
多大でカーボンブラックの回収工程が大変になる。ま
た,カーボンブラックの実質的な処理量が少なくなる。
【0012】本発明に用いられるスルホン化剤として
は,スルホン化ピリジン塩,スルファミン酸,アミド硫
酸,フルオロ硫酸,クロロ硫酸,三酸化硫黄,発煙硫
酸,硫酸等が挙げられ,なかでも,スルホン化ピリジン
塩またはスルファミン酸が好適である。スルホン化剤
は,単独または2種以上を混合して用いることができ
る。スルホン化剤による処理は,カーボンブラックをス
ルホン酸との反応性を有さない溶剤に分散し,スルホン
化剤を添加したのち60〜200℃に加熱し,あるいは
60〜200℃に加熱したのちスルホン化剤を添加し,
0.5〜15時間攪拌することにより行う。攪拌は,予
めハイスピードミキサー等で高速攪拌し,スラリー状と
したのち,穏やかな攪拌に移行してもよく,高速の攪拌
を継続しながら加熱処理を行ってもよい。また,加熱処
理後にはじめて,高速の攪拌を行ってもよい。
【0013】加熱処理した後,カーボンブラックのスラ
リーから,スルホン酸との反応性を有さない溶剤および
残留するスルホン化剤を取り除く。取り除きは,水洗,
限外濾過,逆浸透等の方法,遠心分離,濾過等を繰り返
して行う。処理カーボンブラックのレーザ散乱法により
測定した平均粒径は,10〜150nm,さらには10
〜100nmであることが好ましい。このような粒径の
処理カーボンブラックを用いると,記録液の製造におけ
る濾過操作が容易であり,記録液を保存した場合に経時
でのカーボンブラックの沈降も少ない。処理カーボンブ
ラック顔料は,インクジェット用記録液100重量部中
に固形分で0.1〜10重量部の範囲で含まれることが
分散性の点で好ましい。
【0014】スルホン化処理を行った処理カーボンブラ
ック顔料は,10〜40重量%程度の濃度になるように
水性の液体中に添加してそのまま,あるいは通常の分散
を短時間行うことにより,カーボンブラック顔料の乾燥
工程を経ずに,容易に水性カーボンブラック顔料分散体
とすることができる。この水性カーボンブラック顔料分
散体は,分散剤の添加をしなくとも良好な分散性を示す
処理カーボンブラック顔料微粒子の分散体であるため,
単に印字に適する濃度に希釈し,必要に応じてさらに添
加剤を加え,濾過することにより,インクジェット用記
録液とすることができるが,さらに分散剤等を用い分散
機による分散を行い,安定で定着性の強いインクジェッ
ト用記録液とすることが好ましい。サンドミル等の通常
の分散機でさらに分散を行うと,カーボンブラック顔料
が微細であり,安定した分散状態のインクジェット用記
録液が,分散時間を多大にかけることなく短時間でかつ
容易に得られる。
【0015】インクジェット用記録液の製造には,サン
ドミル,ホモジナイザー,ボールミル,ペイントシェー
カー,超音波分散機.高圧の室内にてキャビテーション
効果で分散する分散機等を用いることができる。また,
混合攪拌は,通常の羽を用いた攪拌機による攪拌のほ
か,高速の分散機,乳化機等により行うことができる。
【0016】本発明のインクジェット用記録液は、孔径
3μm以下のフィルター,好ましくは1.0μm以下の
フィルター,さらに好ましくは0.45μm以下のフィ
ルターにて十分濾過することが好ましい。フィルターの
濾過に先立って,遠心分離によって大きな粒径のものを
除くこともでき,これによってフィルターによる濾過に
おける目詰まりを少なくし,フィルターの使用期間が長
くなる。
【0017】水性の液体としては,水および必要に応じ
て水性溶剤を用いることができる。水としては,金属イ
オン等を除去したイオン交換水ないし蒸留水を用いるこ
とができ,水は記録液中に50〜98重量%の範囲で含
まれることが好ましい。水性溶剤は,記録液のノズル部
分での乾燥,固化を防止し,記録液を安定して噴射さ
せ,保湿剤としても働くものであり,単独または混合し
て記録液中に0〜25重量%の範囲で用いることが好ま
しい。
【0018】水性溶剤としては,エチレングリコール,
ジエチレングリコール,プロピレングリコール,トリエ
チレングリコール,ポリエチレングリコール,グリセリ
ン,テトラエチレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,ケトンアルコール,ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,
エチレングリコールモノエチルエーテル,1,2−ヘキ
サンジオール,N−メチル−2−ピロリドン,置換ピロ
リドン,2,4,6−ヘキサントリオール,テトラフル
フリルアルコール,4−メトキシ−4メチルペンタノン
等を例示できる。また,記録液の乾燥を速める目的にお
いては,メタノール,エタノール,イソプロピルアルコ
ール等のアルコール類も用いることができる。
【0019】本発明のインクジェット用記録液は,被印
刷体への定着性を強固にするため,水性樹脂を含むこと
が好ましい。水性樹脂は,カーボンブラック処理顔料の
分散性にも寄与する。なお,被印刷体がインキ受理性を
有する場合には,水性樹脂は必要ない。水性樹脂として
は,水に溶解する水溶解性の樹脂や,水に分散する水分
散性のエマルション樹脂,コロイダルディスパーション
樹脂が,それぞれ単独ないし混合して用いられる。水性
樹脂として具体的には,アクリル系,スチレン−アクリ
ル系,ポリエステル系,ポリアミド系,ポリウレタン
系,フッソ系等の水溶解性樹脂および水分散性樹脂が挙
げられる。
【0020】被印刷体への定着性を目的とするときに
は,水性樹脂は,記録液中に0.1〜10重量%の範囲
で用いられることが好ましい。この量よりも少ないと,
カーボンブラック顔料を強固に定着できない。また,こ
の量よりも多くなると,記録液の粘度が上昇しすぎたり
吐出安定性が低下したりするようになる。なお,水性樹
脂として水溶解性の樹脂を用いた場合、記録液の粘度を
高くする傾向があるが,水分散性の樹脂では粘度を低く
抑えることができたり、また,記録物の耐水性をより向
上させることができる。水性樹脂を用いる場合には,ア
ンモニア,アミン,無機アルカリ等の中和剤を加え,水
性樹脂の溶解ないし分散の安定性を調整することが好ま
しい。
【0021】本発明のインクジェット用記録液には,分
散剤,表面張力,浸透の調整剤,防黴剤,キレート剤,
消泡剤等の添加剤を必要に応じ配合することができる。
分散剤は,カーボンブラック顔料の安定な分散を維持さ
せるため,あるいは水性樹脂を分散剤の用途で使用でき
ない時,あるいはさらに安定な分散をさせるために用い
ることができる。分散剤としては,アニオン性,非イオ
ン性,カチオン性,両イオン性の活性剤を用いることが
できる。
【0022】アニオン性活性剤としては,脂肪酸塩,ア
ルキル硫酸エステル塩,アルキルアリールスルホン酸
塩,アルキルナフタレンスルホン酸塩,ジアルキルスル
ホン酸塩,ジアルキルスルホコハク酸塩,アルキルジア
リールエーテルジスルホン酸塩,アルキルリン酸塩,ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシ
エチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩,ナフタレン
スルホン酸フォルマリン縮合物,ポリオキシエチレンア
ルキルリン酸エステル塩,グリセロールボレイト脂肪酸
エステル,ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エス
テル等が例示できる。
【0023】非イオン性活性剤としては,ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂
肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シリコン
系等の非イオン性活性剤が例示できる。
【0024】カチオン性活性剤としては,アルキルアミ
ン塩,第4級アンモニウム塩,アルキルピリジニウム
塩,アルキルイミダゾリウム塩等が例示できる。両イオ
ン性活性剤としては,アルキルベタイン,アルキルアミ
ンオキサイド,ホスファジルコリン等が例示できる。
【0025】記録液の被印刷体が紙のように浸透性を有
するときには,記録液の浸透をはやめ、見掛けの乾燥性
を早くするため浸透剤を加えることができる。このよう
な浸透剤としては,水性溶剤として例示したジエチレン
グリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテ
ル,アルキレングリコール,アルキレンジオール、ポリ
エチレングリコールモノラウリルエーテル,ラウリル硫
酸ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム,オレイン酸ナトリウム,ジオクチルスルホコハク酸
ナトリウム等を用いることができる。浸透剤は,記録液
の5重量%以下の使用量で十分な効果があり,これより
も多いと印字の滲み,紙抜け(プリントスルー)を起こ
し好ましくない。
【0026】防黴剤は,記録液への黴や細菌の発生を防
止するために添加することができる。防黴剤としては,
デヒドロ酢酸ナトリウム,安息香酸ナトリウム,ソジウ
ムピリジンチオン−1−オキサイド,ジンクピリジンチ
オン−1−オキサイド,1,2−ベンズイソチアゾリン
−3−オン,1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのア
ミン塩等が用いられる。これらは,記録液中に0.05
〜1.0重量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0027】キレート剤は,記録液中の金属イオンを封
鎖するものであり,ノズル部での金属の析出や記録液中
での不溶解性物の析出等を防止するために加えることが
できる。キレート剤としては,エチレンジアミンテトラ
アセティックアシド,エチレンジアミンテトラアセティ
ックアシドのナトリウム塩,エチレンジアミンテトラア
セティックアシドのジアンモニウム塩,エチレンジアミ
ンテトラアセティックアシドのテトラアンモニウム塩等
が用いられる。これらは,記録液中に0.005〜0.
5重量%の範囲で含まれることが好ましい。
【0028】また,記録液のpHを調整し,記録液の安
定ないし記録装置中の記録液配管との安定性を得るた
め,アミン,無機塩,アンモニア等のpH調整剤,リン
酸等の緩衝液を用いることができる。また,記録液の吐
出時あるいは配管内部での循環,移動,あるいは記録液
の製造時の泡の発生を防止するため消泡剤を添加するこ
ともできる。さらに,カーボンブラックの色相の調整,
濃度の付与等を目的として,耐水性,耐光性に問題の無
いような形で染料も使用できる。染料の使用によって
は,カーボンブラックの分散安定性を悪くすることもあ
るので,カーボンブラックの40重量%以下,好ましく
は25重量%以下の使用に止める必要がある。
【0029】染料としては,分散染料,油溶染料の水不
溶性染料、直接染料,酸性染料,塩基性染料等をレーキ
化により不溶化したもの,反応性染料,含金属染料等が
用いられるが,無機塩の除去された精製染料が好まし
い。染料として具体的には,C.I.ダイレクトブラッ
ク17,19,32,51,71,108,146,1
54,166,C.I.アッドブラック2,7,24,
26,31,52,63,112,118,C.I.ベ
ーシックブラック2,C.I.ダイレクトブルー6,2
2,25,71,90,106,C.I.アシッドブル
ー9,22,40,59,93,102,104,11
3,117,120,167,229,234,C.
I.ベイシックブルー1,3,5,7,9,24,2
5,26,28,29,C.I.ダイレクトレッド1,
4,17,28,83,C.I.アシッドレッド1,
6,32,37,51,52,80,85,87,9
2,94,115,180,256,315,317.
C.I.ベイシックレッド1,2,9,12,13,1
4,37,C.I.ダイレクトエロー12,24,2
6,98,C.I.アシッドエロー11,17,23,
25,29,42,61,71,C.I.ベーシックエ
ロー11,28.C.I.ダイレクトオレンジ34,3
9,44,46,60,C.I.ダイレクトバイオレッ
ト47,48,C.I.ダイレクトブラウン109,
C.I.ダイレクトグリーン59,C.I.アシッドオ
レンジ7,19,C.I.アシッドバイオレット49,
C.I.ベーシックバイオレット7,14,27等が例
示できる。その他の添加剤として,尿素,ジメチル尿素
等を加えることもできる。
【0030】記録液は,記録装置の方式にもよるが,粘
度0.8〜15センチポイズ(25℃)の液体として調
整することが好ましい。記録液の表面張力は25〜60
dyn/cmが好ましく、pHは特に制約されないが4
〜12の範囲であり,処理カーボンブラックの分散安定
性からは7〜10のアルカリ性が好ましい。
【0031】以下,実施例に基づいて本発明を説明す
る。例中,部および%とあるは,重量部および重量%を
それぞれ示す。 (カーボンブラックの処理例1〜8)表1に示す条件
で,以下のようにカーボンブラックを処理した。カーボ
ンブラックを溶剤に分散させ,スルホン化剤を添加し,
加熱攪拌しながら維持した。ついで,溶剤にて数回洗浄
後,水中に注ぎ,再度水洗を繰り返し,フィルターにて
処理カーボンブラックの水性分散体(固形分15%)を
得た。
【0032】
【表1】
【0033】*1 カーボンブラック(三菱化学製 M
Aー7) *2 カーボンブラック(三菱化学製 #2600) *3 カーボンブラック(デッグッサ製 Printe
x 35) *4 N−メチル−2−ピロリドン
【0034】(水性樹脂の合成例)アクリル樹脂の合成
法に従い,メチルメタクリレート(MMA),エチルア
クリレート(EA),メタクリル酸(MAA)を下記の
モノマー組成(モル比)で共重合し,3元共重合体を合
成した。 MMA EA MAA 分子量 合成例1 1 0.5 0.5 10000 2 1 1.0 2.0 20000 3 1 2.0 1.0 20000 4 1 2.0 3.0 25000 5 1 3.0 1.0 28000 6 1 3.0 0.5 18000
【0035】(実施例1〜12)サンドミルに,表2に
示す原料を,表2に示す配合比(重量比)で充填し,3
〜4時間の分散を行った。しかるのち,10000rp
mの遠心分離を行い,0.45μのフィルターにて濾過
し,インクジェット用記録液を作製した。
【0036】
【表2】
【0037】分散剤1 花王社製ノニオン系活性剤「エ
マルゲン420 」 分散剤2 花王社製ノニオン系活性剤「エマルゲンA-9
0」 分散剤3 ゼネカ社製ノニオン系分散剤「ソルスパース
27000 」 アクリル樹脂1 日本ポリマー社製アクリル樹脂エマル
ション「W−251」固形分40% アクリル樹脂2 岐阜シェラック社製アクリル樹脂エマ
ルション「エマポリーTYN−50」、固形分44% アクリル樹脂3 ジョンソンポリマー社製アクリル樹脂
水溶液「ジョンクリル62」、固形分31% アクリル樹脂4 ジョンソンポリマー社製アクリル樹脂
水溶液「ジョンクリル61J」、固形分31%
【0038】中和剤1 ジメチルアミノエタノール 中和剤2 ジエチルアミノエタノール 中和剤3 モノエタノールアミン 湿潤剤1 グリセリン 湿潤剤2 ジエチレングリコール 溶剤1 イソプロピルアルコール 溶剤2 エチルアルコール 溶剤3 N−メチル−2−ピロリドン 防黴剤1 ゼネカ社製「プロクセルGXL 」 防黴剤2 オーリン社製「ソジウムオマジン」 キレート剤 エチレンジアミンテトラアセティックアシ
ドナトリウム塩
【0039】実施例で得られた記録液について、下記の
方法で分散性を評価した。また、実施例で得られた記録
液をインクジェットプリンター(エプソン社製「MJ7
00V2C」)のカートリッジに入れて記録を行い,記
録物の耐水性,耐摩擦性,耐光性を下記の方法で評価し
た。結果を表3に示す。さらに、実施例で得られた記録
液を−40℃で一週間保存後,自然解凍したところ、初
期の粘度を維持しており,安定な噴射特性を示した。ま
た,50℃の恒温槽で1月保存したところ,初期の粘度
を維持しており,安定な噴射特性を示した。また,−4
0℃7時間,室温7時間,50℃7時間のサイクルを3
回繰り返して行ったところ,初期の印字特性および記録
液の物性値を維持していた。
【0040】耐水性 コピー用紙「Xerox402
4」に印字,6時間放置後,水道水中に5分浸漬し,試
験前後のOD値を測定し,残存した率を示した。 耐摩擦性 アート紙にベタ印字した記録物を湿った綿棒
にて3回こすったときの印字部の変化を目視にて評価し
た。 耐光性 塗工合成紙に印字ラミネート後,フェードメ
ーターで500時間曝露し,曝露前後の色差を求めた。 分散性 記録液を50℃7日間保存後の粒子径の変化
を測定した。 良 :15nm未満の変化 不良:15nm以上の変化
【0041】
【0042】
【発明の効果】本発明の記録液は,カーボンブラックを
水性の液体に分散した水分散型のインクジェット用記録
液でありながら,分散性が安定しており,ノズルでの吐
出安定性が良好なため,オフィスにおける書類の作成,
ダンボールのマーキング,ナンバリング,バーコード等
の分野,オンデマンド印刷,簡易印刷の分野にて利用す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 保春 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性の液体中にカーボンブラックを分散し
    てなるインクジェット用記録液において,該カーボンブ
    ラックが,スルホン酸との反応性を有さない溶剤中にカ
    ーボンブラックを分散し,しかるのちスルホン化剤によ
    り処理した処理カーボンブラックであることを特徴とす
    るインクジェット用記録液。
  2. 【請求項2】水性の液体中にカーボンブラックを分散し
    てなるインクジェット用記録液において,該カーボンブ
    ラックが,カーボンブラックの粒子内部に実質的にスル
    ホン酸基を有さず,カーボンブラックの粒子表面にスル
    ホン酸基を有する処理カーボンブラックであることを特
    徴とするインクジェット用記録液。
  3. 【請求項3】スルホン酸との反応性を有さない溶剤が,
    活性プロトンを有さないことを特徴とする請求項1また
    は2記載のインクジェット用記録液。
  4. 【請求項4】スルホン酸との反応性を有さない溶剤が,
    N−メチル−2−ピロリドンまたはスルホランであるこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のインクジェト用
    記録液。
  5. 【請求項5】スルホン化剤が,スルホン化ピリジン塩ま
    たはスルファミン酸であることを特徴とする請求項1な
    いし4いずれか1項に記載のインクジェット用記録液。
  6. 【請求項6】処理カーボンブラックのレーザ散乱法によ
    り測定した平均粒径が10〜150nmであることを特
    徴とする請求項1ないし5いずれか1項に記載のインク
    ジェット用記録液。
  7. 【請求項7】処理カーボンブラックを固形分で0.1〜
    10重量%含むことを特徴とする請求項1ないし6いず
    れか1項に記載のインクジェット用記録液。
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