JPH11246803A - インクジェットインキの製造方法 - Google Patents

インクジェットインキの製造方法

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JPH11246803A
JPH11246803A JP4922598A JP4922598A JPH11246803A JP H11246803 A JPH11246803 A JP H11246803A JP 4922598 A JP4922598 A JP 4922598A JP 4922598 A JP4922598 A JP 4922598A JP H11246803 A JPH11246803 A JP H11246803A
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慎也 藤松
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Yasuharu Iida
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紙面での耐水性を充分有しながら,ヘッドでの
インキの再溶解性に優れ,ノズルでの吐出安定性が良好
なインクジェットインキを簡単な操作で効率よく製造す
る方法の提供。 【解決手段】水性の液体中に有機顔料および樹脂を分散
もしくは溶解して分散液を調整し,有機顔料に樹脂を吸
着させたのち,有機顔料に吸着していない樹脂の少なく
とも一部を限外濾過によって除去することを特徴とする
インクジェットインキの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,耐水性および連続
した吐出性に優れたインクジェットインキの製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりインクジェット用記録液として
は,特開昭53−61412号公報,特開昭54−89
811号公報,特開昭55−65269号公報に開示さ
れるように,酸性染料,直接染料,塩基性染料等の水溶
性染料をグリコール系溶剤と水に溶解したものがよく用
いられている。しかし,水溶性染料としては,記録液の
安定性を得るために,水に対する溶解性の高いものが一
般的に用いられており,インクジェット記録物の耐水性
が悪く,水をこぼしたりすると容易に記録部分の染料の
にじみを生じるという問題があった。
【0003】このような耐水性の不良を改良するため,
特開昭56−57862号公報に開示されるように,染
料の構造を変えたり,塩基性の強い記録液を調製するこ
とが試みられている。また,特開昭50−49004号
公報,特開昭57−36692号公報,特開昭59−2
0696号公報,特開昭59−146889号公報に開
示されるように,記録紙と記録液との反応をうまく利用
して耐水性の向上を図ることも行われている。これらの
方法は,ある種の記録紙については著しい効果をあげて
いるが,インクジェット方式においては種々の記録紙を
用いるため,水溶性染料を使用する記録液では記録物の
充分な耐水性が得られないことが多い。
【0004】また,耐水性の良好な記録液としては,油
溶性染料を高沸点溶剤に分散ないし溶解したもの,油溶
性染料を揮発性の溶剤に溶解したものがあるが,溶剤の
臭気や溶剤の排出に対して環境上嫌われることがあり,
大量の記録を行う場合や装置の設置場所によっては,溶
剤回収等の必要性が問題となることがある。したがっ
て,記録物の耐水性をよくするために,水系媒体に顔料
を分散した記録液の開発が行われている。しかし,顔料
は,染料と異なり記録媒体中にて不溶解であり,微小粒
子として分散させることおよび分散状態を安定に保つこ
とが非常に困難である。そして,耐水性,耐光性に優れ
る顔料の特長を発揮させながら,記録液の吐出条件への
調整,長期保存安定性,紙等の被記録体への定着,画像
の色,にじみ等の品質につき,染料並みないしそれ以上
の特性をえるためには,さらなる改良を必要としている
のが現状である。
【0005】また,インクジェット用記録液において
は,プリンターの高解像度化からノズル径が小さくなっ
たのに伴い,着色剤の粒子径を微細化する必要が生じて
いる。さらに,顔料を分散させた記録液には,記録液が
濃縮ないし固形化したのちのヘッドでの再溶解性と紙面
での耐水性という相反した特性を要求されるが,水溶解
性の樹脂を用いるとノズル周辺に樹脂が残留したり,記
録液中の水分が蒸発したときに記録液の粘度の上昇等が
起こり,再溶解性の特性以外にも吐出の安定性が得られ
にくい問題を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は,紙面
での耐水性を充分有しながら,ヘッドでのインキの再溶
解性に優れ,ノズルでの吐出安定性が良好なインクジェ
ットインキを簡単な操作で効率よく製造する方法を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,水性の液
体中に樹脂および該樹脂を吸着させた有機顔料を分散も
しくは溶解してなるインクジェットインキにおいて,イ
ンキ中の有機顔料に吸着していない樹脂の濃度が濃すぎ
ると,ヘッドでの吐出安定性,再溶解性などに悪い影響
を与え,ヘッドの寿命を縮める傾向があること,および
インキ中の有機顔料に吸着していない樹脂は,限外濾過
によって簡単な操作で効率よく除去できることを見出
し,本発明に至った。すなわち,本発明は,水性の液体
中に有機顔料および樹脂を分散もしくは溶解して分散液
を調整し,有機顔料に樹脂を吸着させたのち,有機顔料
に吸着していない樹脂の少なくとも一部を限外濾過によ
って除去することを特徴とするインクジェットインキの
製造方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェットインキの
製造方法では,水性の液体中に有機顔料および樹脂を分
散もしくは溶解して,有機顔料濃度10〜40重量%,
樹脂濃度5〜30重量%の濃縮状態の分散液を調整し,
有機顔料に樹脂を十分吸着させたのち,有機顔料に吸着
していない樹脂の少なくとも一部を限外濾過によって除
去してインクジェットインキを製造する。有機顔料およ
び樹脂を含む濃縮状態の分散液の製造は,有機顔料,樹
脂,水,必要に応じて分散剤,界面活性剤,水性溶剤,
中和剤を混合し,サンドミル,ホモジナイザー,ボール
ミル,ペイントシェーカー,超音波分散機等で分散して
行う。濃縮状態の分散液は,50〜80℃の温度にて,
3〜72時間の処理を行うと,樹脂が有機顔料によく吸
着されるため好ましい。
【0009】有機顔料としては,トルイジンレッド,ト
ルイジンマルーン,ハンザエロー,ベンジジンエロー,
ピラゾロンレッドなどの不溶性アゾ顔料,リトールレッ
ド,ヘリオボルドー,ピグメントスカーレット,パーマ
ネントレッド2Bなどの溶性アゾ顔料,アリザリン,イ
ンダントロン,チオインジゴマルーンなどの建染染料か
らの誘導体,フタロシアニンブルー,フタロシアニング
リーンなどのフタロシアニン系顔料,キナクリドンレッ
ド,キナクリドンマゼンタなどのキナクリドン系顔料,
ペリレンレッド,ペリレンスカーレットなどのペリレン
系顔料,イソインドリン系顔料,イソインドリノンエロ
ー,イソインドリノンオレンジなどのイソインドリノン
系顔料,ピランスロンレッド,ピランスロンオレンジな
どのピランスロン系顔料,チオインジゴ系顔料,縮合ア
ゾ系顔料,ベンズイミダゾロン系顔料,その他の顔料と
して,フラバンスロンエロー,アシルアミドエロー,キ
ノフタロンエロー,ニッケルアゾエロー,銅アゾメチン
エロー,ペリノンオレンジ,アンスロンオレンジ,ジア
ンスラキノニルレッド,ジオキサジンバイオレット等が
用いられる。
【0010】このような顔料をカラーインデックス(C.
I.)ナンバーでより具体的に例示すると、C.I.ピグメン
トエロー12,13,14,17,20,24,74,
83,86,93,94,95,109,110,11
7,125,128,129,137,138,14
7,148,153,154,166,168,18
5,C.I.ピグメントオレンジ16,36,43,51,
55,59,61,C.I.ピグメントレッド9,48,4
9,52,53,57,97、122,123,14
9,168,177,180,192,215,21
6,217,220,223,224,226,22
7,228,238,240,C.I.ピグメントバイオレ
ット19,23,29,30,37,40,50,C.I.
ピグメントブルー15,15:1,15:3,15:
4,15:6,22,60,64,C.I.ピグメントグリ
ーン7,36,C.I.ピグメントブラウン23,25,2
6等が挙げられる。
【0011】なお,有機顔料を水性の液体中に樹脂と共
に分散もしくは溶解する前に,有機顔料と有機顔料の3
〜20重量倍の水溶性無機塩と水溶性溶剤との少なくと
も3つの成分からなる混合物を機械的に混練して有機顔
料を微小化し、その後水溶性無機塩および水溶性溶剤を
水洗して除去することが好ましい。水溶性無機塩として
は、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。
水溶性溶剤は、有機顔料の微小化時に湿潤剤として用い
られるものであり、水に溶解するものであれば特に限定
されない。水溶性溶剤は、一般に有機顔料に対して0.
5〜10重量倍用いられる。
【0012】有機顔料を微小化する際に,一般式(I)
で表される顔料誘導体を併用すると,より透明でかつ耐
水性に優れた印字物を与えるインクジェットインキを提
供できる。 P−〔X−Y−Z−N(R1 )R 2 〕n 一般式(I) (但し,式中,Pは有機色素残基または複素環残基,ま
たは芳香族多環化合物残基,Xは,S,C,N,O,H
から選ばれる2〜15個の原子で構成される化学的に合
理的な組合せからなる2価の結合基,Yは直接結合、−
NR−(但し,RはHまたは炭素数1〜18のアルキル
基)、−O−から選ばれる2価の結合基、Zは炭素数1
〜6のアルキレン基,R1 ,R 2はそれぞれ独立に、置
換されていてもよい炭素数1〜18のアルキル基、また
はR1 ,R 2とで複素環を形成してもよく、該複素環は
置換を有していてもよいものであり、nは,1〜3の整
数を示す)
【0013】有機顔料の上記微細化方法についてさらに
具体的に述べると,有機顔料と有機顔料の3〜20重量
倍,好ましくは3〜10重量倍の水溶性無機塩と水溶性
溶剤との少なくとも3つの成分と,必要に応じ一般式
(I)で表される顔料誘導体とからなる混合物を粘土状
の混合物とし,ニーダー等でつよく練りこんだ後,水中
に投入し,ハイスピードミキサー等で攪拌し,スラリー
状とする。次に,このスラリーの濾過と水洗を繰り返し
て,水溶性無機塩および水溶性溶剤を除去する。なお,
顔料誘導体を有機顔料とともに用いたときは,顔料誘導
体で処理された顔料(以降処理顔料と呼ぶ)が得られ
る。
【0014】上記方法で微細化された有機顔料は,さら
に加える樹脂および分散剤等と共に,分散機を用いて水
性の液体中によく分散することが好ましい。サンドミル
等の通常の分散機で分散することにより,未処理顔料
(顔料の微細化処理をしていない)を用いた場合に比
べ,顔料が微細であり,かつ,安定した分散状態のイン
クジェットインキが容易に得られる。上記方法で微細化
することにより,レーザー散乱法による平均粒径が10
〜200nm,さらにインキとして好ましい10〜10
0nmの有機顔料が得られる。上記範囲の平均粒径の顔
料を含むインキは,製造時の濾過操作が容易であり,経
時でのインキ中の顔料の沈降も少ない。
【0015】有機顔料に吸着させる樹脂としては,アク
リル系共重合体を用いることができる。アクリル系共重
合体としては,(メタ)アクリル酸,(メタ)アクリル
酸エステル,(メタ)アクリルアミド等のアクリル系モ
ノマーの共重合体や,該アクリル系モノマーとスチレ
ン,αメチルスチレン等のスチレン系モノマーとの共重
合体が挙げられる。なかでも,アクリル酸,スチレン,
αメチルスチレンよりなる3元共重合体およびアクリル
酸,スチレンよりなる2元共重合体は,有機顔料への吸
着による分散性および耐水性の効果が高いため好適に用
いられる。樹脂の重量平均分子量は,安定な分散性,イ
ンキの再溶解性,吐出安定性の点から,2000〜13
000であることが好ましい。また,樹脂の酸価は,イ
ンキの再溶解性,吐出安定性,耐水性の観点から調和が
とれるため,90〜250であることが好ましい。
【0016】中和剤は,樹脂をインキの液体成分に安定
に溶解させておくために用いられる。中和剤としては,
ナトリウム,カリウム等のアルカリ金属の水酸化物,脂
肪族アミン,エタノールアミン,プロパノールアミン,
メチルエタノールアミン等のアルコールアミン,モルホ
リン,N−メチルモルホリン,ジメチルアミノエタノー
ル,ジエチルアミノエタノール等が挙げられる。中和剤
は,樹脂と等モルないし過剰量用いると,溶解性の維
持,耐水性の維持,再溶解性の維持が良好に行うことが
できる。
【0017】本発明のインクジェットインキの製造方法
で用いられる水性の液体は,水と,必要に応じて水性溶
剤とからなる。水としては,金属イオン等を除去したイ
オン交換水ないし蒸留水が好適に用いられる。水性溶剤
は,インキのノズル部分での乾燥,固化を防止し,安定
なインキの噴射およびノズルの経時での乾燥を防止し,
保湿剤としても働くものである。
【0018】水性溶剤としては,エチレングリコール,
ジエチレングリコール,プロピレングリコール,トリエ
チレングリコール,ポリエチレンリコール,グリセリ
ン,テトラエチレングリコール,ジプロピレングリコー
ル,ケトンアルコール,ジエチレングリコールモノブチ
ルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル,
エチレングリコールモノエチルエーテル,1,2ーヘキ
サンジオール ,N−メチルー2ーピロリドン,置換ピ
ロリドン,2,4,6ーキサントリオール,テトラフル
フリルアルコール,4−メトキシー4メチルペタノン等
が用いられる。また,インキの紙での乾燥を速めること
を目的として,メタノール,エタノール,イソプロピル
アルコール等のアルコール類も用いることができる。
【0019】分散剤および界面活性剤は,有機顔料の分
散および画像の品質向上を目的として用いられる。界面
活性剤としては,アニオン性,非イオン性,カチオン
性,両イオン性活性剤等を用いることができる。アニオ
ン性活性剤としては,脂肪酸塩,アルキル硫酸エステル
塩,アルキルアリールスルホン酸塩,アルキルナフタレ
ンスルホン酸塩,ジアルキルスルホン酸塩,ジアルキル
スルホコハク酸塩,アルキルジアリールエーテルジスル
ホン酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシエチレンアル
キルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキルアリ
ールエーテル硫酸塩,ナフタレンスルホン酸フォルマリ
ン縮合物,ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル
塩,グリセロールボレイト脂肪酸エステル,ポリオキシ
エチレングリセロール脂肪酸エステル等を例示できる。
【0020】非イオン性活性剤としては,ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル,ポリオキシエチレンアルキル
アリールエーテル,ポリオキシエチレンオキシプロピレ
ンブロックコポリマー,ソルビタン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸エステル,グリセリン脂
肪酸エステル,ポリオキシエチレン脂肪酸エステル,ポ
リオキシエチレンアルキルアミン,フッ素系,シリコン
系等の非イオン性活性剤が例示できる。カチオン性活性
剤としては,アルキルアミン塩,第4級アンモニウム
塩,アルキルピリジニウム塩,アルキルイミダゾリウム
塩等を例示できる。両イオン性活性剤としては,アルキ
ルベタイン,アルキルアミンオキサイド,ホスファジル
コリン等が例示できる。
【0021】有機顔料および樹脂を含む濃縮状態の分散
液中では,一部の樹脂は有機顔料に吸着され,残りの樹
脂は有機顔料に吸着していない樹脂として水性の液体中
に存在している。樹脂は,有機顔料1重量部当たり0.
05〜0.5重量部の範囲で吸着させることが好まし
い。樹脂の吸着量が0.05重量部未満の場合は,有機
顔料を水性の液体中に安定分散することが困難であり,
また,インキの平滑紙にたいする充分な定着性を得るこ
とができない。一方,樹脂の吸着量が0.5重量部を越
える場合は,過剰な樹脂の吸着状態であり,安定した吸
着状態が実質的に維持できない。
【0022】本発明のインクジェットインキの製造方法
では,濃縮状態の分散液中の有機顔料に吸着していない
樹脂の少なくとも一部,すなわち一部または全部を限外
濾過によって除去する。限外濾過は,分画分子量が5〜
40万の限外濾過膜を使用し,1.5〜7Kg/cm2
の圧力のもと,20〜45℃の温度条件で行うことが好
ましい。また,有機顔料に吸着していない樹脂をできる
だけ少なくするためには,希釈回数および希釈倍率を増
加させればよいが,処理時間および処理量との兼ね合か
ら,液体成分を精製水にて2〜6重量倍に希釈して限外
濾過を行うことが好ましい。
【0023】有機顔料に吸着していない樹脂の少なくと
も一部を限外濾過によって除去した分散液は,水,必要
に応じて水性溶剤,分散剤,中和剤,染料,浸透剤,防
黴剤などと共に分散し,有機顔料に吸着していない樹脂
の濃度が低いインクジェットインキを調整する。インキ
中の有機顔料に吸着していない樹脂の濃度は,0.00
1〜1.0重量%となるように調整することが好まし
い。樹脂の濃度が0.001重量%未満の場合は,イン
キの定着性および耐水性が低くなる。一方,1.0重量
%を越える場合には,過剰の樹脂がインキのヘッドでの
吐出安定性および再溶解性に悪影響を及ぼし,印字物の
表面抵抗が低くなるためコンティニュアスタイプのプリ
ンターでの適性も低下する。
【0024】本発明の方法で製造されるインクジェット
インキは,一般には,有機顔料1〜8重量%,有機顔料
に吸着している樹脂および吸着していない樹脂の合計
0.1〜5重量%,染料0〜1重量%,防黴剤0.03
〜1.0重量%,水性溶剤0〜45重量%,水50〜9
8.87重量%より構成される。インキ中の有機顔料の
濃度は,1〜8重量%の範囲であることが好ましい。濃
度がこれよりも低いと画像の濃度,色の再現が不充分に
なる。また,これよりも高いと,吐出の安定性が著く低
下し,ノズルでの目詰まりが頻発しやすくなる。また,
インキの粘度調整が困難になったりする。
【0025】インキ中の有機顔料に吸着している樹脂お
よび吸着していない樹脂の合計量は,インキの0.1〜
5重量%の範囲であることが好ましい。樹脂の量がこれ
よりも少ないと,充分な密着性が得られない。また,こ
れよりも多いと,長期の吐出安定性が得られ難い。イン
クジェットインキを調製する際には,色相の調整,濃度
の付与およびインキの特性の調整を目的として,耐水
性,耐光性に問題の無いような形で,染料を併用するこ
ともできる。ただし,染料の使用によって有機顔料の分
散の安定性を悪くすることもあるので,その使用量は有
機顔料の40重量%以下,好ましくは25重量%以下に
止める必要がある。染料としては,酸性染料,塩基性染
料,直接染料,反応性染料,分散染料,含金属染料等が
用いられる。染料は,無機塩の除去された精製染料が好
ましい。
【0026】防黴剤は,インキへの黴および微生物の発
生を防止するものであり,デヒドロ酢酸ナトリウム,安
息香酸ナトリウム,ソジウムピリジンチオン−1−オキ
サイド,ジンクピリジンチオン−1−オキサイド,1,
2−ベンズイソチアゾリンー3ーオン,1ーベンズイソ
チアゾリンー3ーオンのアミン塩等が用いられる。これ
らは,インキの0.03〜1.0重量%程度の範囲で用
いる。
【0027】また,インキの被印刷体が紙のような浸透
性のある材料のときには,紙へのインキの浸透をはやめ
見掛けの乾燥性を早くするため,浸透剤を加えることが
できる。浸透剤としては,水性溶剤として例示したジエ
チレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエ
ーテル,アルキレングリコール,ポリエチレングリコー
ルモノラウリルエーテル,ラウリル硫酸ナトリウム,ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム,オレイン酸ナト
リウム,ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等を用い
ることができる。これらは,インキの5重量%以下の使
用量で十分な効果があり,これよりも多いと印字の滲
み,紙抜け(プリントスルー)を起こし好ましくなくな
る。
【0028】また,インキ中の金属イオンを封鎖し,ノ
ズル部での金属の析出やインキ中での不溶解性物の析出
等を防止するために,インキの0〜0.5重量%の範囲
でキレート剤を加えることができる。キレート剤として
は,エチレンジアミンテトラアセティックアシド,エチ
レンジアミンテトラアセティックアシドのナトリウム
塩,エチレンジアミンテトラアセティックアシドのジア
ンモニウム塩,エチレンジアミンテトラアセティックア
シドのテトラアンモニウム塩等が用いられる。
【0029】また,インキのpHを調整し,インキの安
定ないし記録装置中のインキ配管との安定性を得るた
め,アミン,無機塩,アンモニア等のpH調整剤,リン
酸等の緩衝液を用いることができる。また,インキの循
環,移動,あるいはインキ製造時の泡の発生を防止する
ため,消泡剤を添加することもできる。さらに,尿素,
ジメチル尿素等の添加剤や,その他の従来公知の各種溶
剤,添加剤,塩類等を併用することもできる。
【0030】インクジェットインキ中の樹脂を吸着させ
た有機顔料の粒子径は,レーザー散乱法による平均粒径
において10〜200nm,さらには10〜100nm
であることが好ましい。このような粒径であると記録時
のインキの吐出が安定する。インキは,記録装置の方式
にもよるが,粘度0.8〜15cps(25℃),表面
張力25〜45dyn/cmの液体として調整すること
が好ましい。また,pHは,特に制約されないが7〜1
2の範囲,特に7〜10の弱アルカリ性に調整すること
が好ましい。本発明の方法で製造されるインキは,コン
ティニュアスタイプのプリンターおよびオンデマンドタ
イプのプリンターのいずれにも使用できる。コンティニ
ュアスタイプのプリンターにおいては,液滴が適度に帯
電するようにインキの電導度を調整する。電導度の調整
剤としては,チオシアン酸カリウム,チオシアン酸アン
モニウム,チオシアン酸ナトリウム,塩化リチウム等を
用いることができる。
【0031】
〔実施例1〕
サンドミルに下記の原料を入れて分散し、濃縮状態の分散液を調製した。 銅フタロシアニン顔料 20.0部 (東洋インキ製造社製「リオノールブルーKLH−T」) 樹脂溶液 40.0部 (アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共重合体 (酸価105,重量平均分子量3500) 13.0部 ジメチルアミノエタノール 1.0部 精製水 26.0部) 精製水 40.0部 得られた分散液を70℃にて12時間加熱処理したの
ち,精製水を100部加えて希釈してこれを限外濾過に
より処理し,銅フタロシアニン顔料に吸着していない樹
脂(以下,非吸着樹脂という)の除去を行った。銅フタ
ロシアニン顔料は,顔料1部当たり0.32部の樹脂を
吸着しており,分散液中の非吸着樹脂の濃度は0.14
%,顔料濃度は16%であった。
【0032】下記の成分を混合,分散して3.00μの
フィルターで濾過し,インクジェットインキを作製し
た。インキ中の非吸着樹脂の濃度は,0.04%であっ
た。 樹脂吸着した銅フタロシアニン顔料の限外濾過分散液 25.0 部 (銅フタロシアニン顔料 4.0部 吸着樹脂 1.28部 非吸着樹脂 0.041部) ジエチルアミノエタノール 0.1 部 ノニオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.1 部 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース27000」) 0.2 部 プロピレングリコール 5.0 部 防黴剤(オーリン社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 69.43部
【0033】〔実施例2〜12〕実施例1と同様の方法
で,表1に示す処理を行い,樹脂吸着した有機顔料の限
外濾過分散液を作製した。有機顔料1部当たりの樹脂の
吸着量(部)は表1に示すとおりであった。
【表1】
【0034】P1 縮合アゾ顔料(ヘキスト社製「ポス
ターパームエロー3G」) P2 キナクリドン系顔料(ヘキスト社製「ポスターパ
ームピンクE」) P3 フタロシアニン系顔料(東洋インキ製造社製「リ
オノールブルーKLH−T」) P4 下記の方法で得られる粗製銅フタロシアニンの水
性分散体 粗製銅フタロシアニン(東洋インキ製造社製「銅フタロ
シアニン」):250部、塩化ナトリウム:2500
部、およびポリエチレングリコール300(東京化成社
製):160部をステンレス製1ガロンニーダー(井上
製作所製)に仕込み、3時間混練した。つぎに、この混
合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱
しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラ
リー状とした後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナ
トリウムおよび溶剤を除き、固形分50%の粗製銅フタ
ロシアニンの水性分散体を得た。
【0035】P5 下記の方法で得られる粗製銅フタロ
シアニンの水性分散体 粗製銅フタロシアニン(東洋インキ製造社製「銅フタロ
シアニン」):250部、塩化ナトリウム:2500
部、青色顔料分散剤(P−〔CH2 NH(CH24
(CH3 2 3 、Pは銅フタロシアニン残基):25
部およびポリエチレングリコール300(東京化成社
製):160部をステンレス製1ガロンニーダー(井上
製作所製)に仕込み、3時間混練した。つぎに、この混
合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱
しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラ
リー状とした後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナ
トリウムおよび溶剤を除き、固形分50%の粗製銅フタ
ロシアニンの水性分散体(顔料誘導体処理顔料分散体)
を得た。
【0036】P6 下記の方法で得られるキナクリドン
系顔料の水性分散体 キナクリドン系顔料(ヘキスト社製「ポスターパームピ
ンクE」):250部、塩化ナトリウム:2500部、
およびポリエチレングリコール300(東京化成社
製):160部をステンレス製1ガロンニーダー(井上
製作所製)に仕込み、3時間混練した。つぎに、この混
合物を2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱
しながらハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラ
リー状とした後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナ
トリウムおよび溶剤を除き、固形分50%のキナクリド
ン系顔料の水性分散体を得た。
【0037】P7 下記の方法で得られる縮合アゾ顔料
の水性分散体 縮合アゾ顔料(ヘキスト社製「ポスターパームエロー3
G」):250部、塩化ナトリウム:2500部、およ
びポリエチレングリコール300(東京化成社製):1
60部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所
製)に仕込み、3時間混練した。つぎに、この混合物を
2.5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しなが
らハイスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状
とした後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナトリウ
ムおよび溶剤を除き、固形分50%の縮合アゾ顔料の水
性分散体を得た。
【0038】P8 下記の方法で得られるの縮合アゾ顔
料の水性分散体 縮合アゾ顔料(ヘキスト社製「ポスターパームエロー3
G」):250部、塩化ナトリウム:2500部、黄色
顔料分散剤 (P−〔CH2 NH(CH2 4 N(C
3 2 3 、(Pはベンズイミダゾール残基)および
ポリエチレングリコール300(東京化成社製):16
0部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)
に仕込み、3時間混練した。つぎに、この混合物を2.
5リットルの温水に投入し、約80℃に加熱しながらハ
イスピードミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とし
た後、濾過、水洗を5回くりかえして塩化ナトリウムお
よび溶剤を除き、固形分50%の縮合アゾ顔料の水性顔
料分散体を得た。
【0039】P9 下記の方法で得られるキナクリドン
系顔料の水性分散体 キナクリドン系顔料(ヘキスト社製「ポスターパームピ
ンクE」):250部、塩化ナトリウム:2500部、
赤色顔料分散剤 (P−〔CH2 NH(CH2 4 N(C
3 2 3 、Pはキナクリドン残基およびポリエチレ
ングリコール300(東京化成社製):160部をステ
ンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、
3時間混練した。つぎに、この混合物を2.5リットル
の温水に投入し、約80℃に加熱しながらハイスピード
ミキサーで約1時間撹拌してスラリー状とした後、濾
過、水洗を5回くりかえして塩化ナトリウムおよび溶剤
を除き、固形分50%のキナクリドン系顔料の水性分散
体を得た。
【0040】R1 アクリル酸/スチレン/αメチルス
チレン3元共重合体(酸価100,重量平均分子量50
00)32.5%水溶液 R2 アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共
重合体(酸価180,重量平均分子量9000)32.
5%水溶液 R3 アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共
重合体(酸価95,重量平均分子量4500)32.5
%水溶液 R4 アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共
重合体(酸価90,重量平均分子量4000)32.5
%水溶液 R5 アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共
重合体(酸価120,重量平均分子量3000)32.
5%水溶液
【0041】R6 アクリル酸/スチレン/αメチルス
チレン3元共重合体(酸価200,重量平均分子量70
00)32.5%水溶液 R7 アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共
重合体(酸価180,重量平均分子量9000)32.
5%水溶液 R8 アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共
重合体(酸価100,重量平均分子量11000)3
2.5%水溶液 D1 ノニオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン4
20」) D2 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース2700
0」) D3 分散剤(花王社製「デモールN」)
【0042】樹脂吸着した有機顔料の限外濾過分散液
(顔料濃度16%)25.0部を下記の成分と混合,分
散し,実施例1と同様にしてインクジェットインキを作
製した。 ジメチルアミノエタノール 0.1 部 ノニオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.1 部 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース27000」) 0.2 部 グリセリン 1.0 部 プロピレングリコール 2.0 部 防黴剤(ゼネカ社製「プロクセルGXL」) 0.25部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 71.33部
【0043】〔比較例1〕サンドミルに下記の原料を入
れて分散し、濃縮状態の分散液を調製した。 銅フタロシアニン顔料 20.0部 (東洋インキ製造社製「リオノールブルーKLH−T」) 樹脂溶液 36.0部 (アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共重合体 (酸価150,重量平均分子量8500) 12.0部 ジメチルアミノエタノール 1.0部 精製水 23.0部) 精製水 44.0部 得られた分散液の銅フタロシアニン顔料は,顔料1部当
たり0.12部の樹脂を吸着していた。
【0044】下記の成分を混合,分散して3.00μの
フィルターで濾過し,インクジェットインキを作製し
た。インキ中の非吸着樹脂の濃度は,2.5%であっ
た。 上記分散液 20.0 部 (銅フタロシアニン顔料 4.0部 吸着樹脂 0.48部 非吸着樹脂 1.92部) ジエチルアミノエタノール 0.1 部 ノニオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.1 部 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース27000」) 0.2 部 プロピレングリコール 5.0 部 防黴剤(オーリン社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 74.43部
【0045】〔比較例2〕サンドミルに下記の原料を入
れて分散し、濃縮状態の分散液を調製した。 キナクリドン系顔料 20.0部 (ヘキスト社製「ポスターパームピンクE」) 樹脂溶液 3.6部 (アクリル酸/スチレン/αメチルスチレン3元共重合体 (酸価250,重量平均分子量13000)1.2部 ジメチルアミノエタノール 0.1部 精製水 2.3部) 精製水 76.4部 得られた分散液は,分散が十分進まず粗大粒子が多かっ
た。この分散液のキナクリドン系顔料は,顔料1部当た
り0.03部の樹脂を吸着していた。上記分散液20.
0部を下記の成分と混合,分散したのち,3.00μの
フィルターにて濾過し,インクジェットインキを作製し
た。 ジエチルアミノエタノール 0.1 部 ノニオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.1 部 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース27000」) 0.2 部 グリセリン 5.0 部 防黴剤(オーリン社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 74.43部
【0046】〔比較例3〜6〕サンドミルに,下記の酸
価および重量平均分子量のアクリル酸/スチレン/αメ
チルスチレン3元共重合体(樹脂),アミンおよび精製
水を下記に示す配合量で混合して得られる樹脂溶液8
0.0部およびキナクリドン系顔料(ヘキスト社製「ポ
スターパームピンクE」)20.0部を入れて分散し,
濃縮状態の分散液を調製した。顔料1部当たりの樹脂の
吸着量は下記のとおりであった。 配合量(部) 吸着量 比較例 酸価 分子量 樹脂 アミン 精製水 (部) 3 150 5800 8 0.2 71.8 0.03 4 195 11000 8 0.2 71.8 0.04 5 200 6000 20 1.5 58.5 0.22 6 200 9000 20 1.5 58.5 0.23
【0047】上記分散液20.0部を下記の成分と混
合,分散したのち,3.00μのフィルターにて濾過
し,インクジェットインキを作製した。 ジエチルアミノエタノール 0.1 部 ノニオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン420」) 0.1 部 分散剤(ゼネカ社製「ソルスパース27000」) 0.2 部 グリセリン 5.0 部 防黴剤(オーリン社製「ソジウムオマジン」) 0.15部 エチレンジアミンテトラアセティックアシドナトリウム塩 0.02部 精製水 74.43部
【0048】実施例および比較例で得られたインキにつ
いて,耐水性,再溶解性,濾過性,粘度,噴射特性およ
び分散性を評価した。結果を表2および表3に示す。ま
た,実施例で得られたインキについては,−40℃で一
週間保存後に自然解凍したところ,初期の粘度を維持し
ており,安定な噴射特性を示した。また,60℃の恒温
槽で1月保存したところ,初期の粘度を維持しており,
安定な噴射特性を示した。さらに,−40℃7時間,室
温7時間,60℃7時間のサイクルを3回繰り返して行
ったところ,初期の印字特性およびインキの物性値を維
持していた。
【0049】なお,評価は下記のようにして行った。 (1) 耐水性 インキをインクジェットプリンター(サイテックスデジ
タルプリンティング社製「6240J」)のインキタン
クに入れて普通紙(ゼロックス社製「K」)に印字した
ものを乾燥後,1分間水に浸漬した時のにじみの有無を
目視で評価した(○:にじみ無し,×:にじみ有り)。
また,コート紙にベタ印字したものを湿った綿棒で3回
こすったときの印字部の変化を目視で評価した(○:変
化無し,△:少々変化有り,×:変化有り)。
【0050】(2) 再溶解性 ニッケル板上にインキを滴下,乾燥2日後に,同じイン
キに浸漬したときの溶解性を目視で評価した(○:溶
解,△:溶解に時間を要する,×:不溶解)。 (3) 粘度 振動式粘度計(山一電機社製「VM−1A」)で25℃
における粘度を測定した。 (4) 濾過性 42mm直径のメンブランフィルターでの濾過量を調べ
た(○:100mlの濾過ができるもの ,×:100
mlの濾過ができないもの)。
【0051】(5) 吐出性 連続印字中のノズルの吐出不良を印字物の欠陥の有無で
評価した(○:欠陥無し,×:欠陥有り)。 (6) 分散性 インキを50℃で7日間保存前後の粒子径の変化から分
散性を評価した(○:粒径の変化15nm未満,×:1
5nm以上)。 (7) 平均粒径 レーザー回折方式の粒度分布計(大塚電子社製「DSL
−700」)で測定した。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【発明の効果】本発明のインクジェットインキは,水を
媒体しながら,被記録体の種類に係わらず耐水性の良好
な記録物を与えるため,オフィスにおける書類の作成,
ダンボールのマーキング,ナンバリング等の分野で利用
することができる。また,本発明のインキはヘッドでの
インキの吐出安定性および再溶解性に優れるため,マル
チノズルを有するコンティニュアスタイプのプリンター
に好適に用いられる。本発明のインクジェットインキ
は,再溶解性に優れるため,偏向電極にインキが付着し
た際もインキの付着,堆積によるトラブルが少なくな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 保春 東京都中央区京橋二丁目3番13号東洋イン キ製造株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性の液体中に有機顔料および樹脂を分散
    もしくは溶解して分散液を調整し,有機顔料に樹脂を吸
    着させたのち,有機顔料に吸着していない樹脂の少なく
    とも一部を限外濾過によって除去することを特徴とする
    インクジェットインキの製造方法。
  2. 【請求項2】インキ中の有機顔料に吸着していない樹脂
    の濃度が0.001〜1.0重量%となるように調整す
    ることを特徴とする請求項1記載のインクジェットイン
    キの製造方法。
  3. 【請求項3】有機顔料が、有機顔料と有機顔料の3〜2
    0重量倍の水溶性無機塩と水溶性溶剤との少なくとも3
    つの成分からなる混合物を機械的に混練して有機顔料を
    微小化し、その後水溶性無機塩および水溶性溶剤を除去
    してなるものであることを特徴とする請求項1または2
    記載のインクジェットインキの製造方法。
  4. 【請求項4】有機顔料1重量部当たり0.05〜0.5
    重量部の樹脂を吸着させることを特徴とする請求項1な
    いし3いずれか1項に記載のインクジェットインキの製
    造方法。
  5. 【請求項5】分画分子量が5〜40万の限外濾過膜を使
    用することを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項
    に記載のインクジェットインキの製造方法。
  6. 【請求項6】樹脂が,アクリル系共重合体であることを
    特徴とする請求項1ないし5いずれか1項に記載のイン
    クジェットインキの製造方法。
  7. 【請求項7】アクリル系共重合体が,アクリル酸,スチ
    レン,αメチルスチレンよりなる3元共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項6記載のインクジェットインキの
    製造方法。
  8. 【請求項8】樹脂の重量平均分子量が2000〜130
    00であることを特徴とする請求項1ないし7いずれか
    1項に記載のインクジェットインキの製造方法。
  9. 【請求項9】樹脂の酸価が90〜250であることを特
    徴とする請求項1ないし8いずれか1項に記載のインク
    ジェットインキの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348249A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Fuji Xerox Co Ltd 顔料分散液精製方法、顔料分散液、インクセット、液滴吐出装置及びインクジェット記録用インクタンク。
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JP2007262205A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 Kao Corp インクジェット記録用水分散体の製造方法
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JP2013189624A (ja) * 2012-02-17 2013-09-26 Kyocera Document Solutions Inc インクジェット記録装置用インク、及び画像形成方法

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