JPH1010679A - 反射写真感光材料および反射写真感光材料用支持体 - Google Patents

反射写真感光材料および反射写真感光材料用支持体

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JPH1010679A
JPH1010679A JP16349496A JP16349496A JPH1010679A JP H1010679 A JPH1010679 A JP H1010679A JP 16349496 A JP16349496 A JP 16349496A JP 16349496 A JP16349496 A JP 16349496A JP H1010679 A JPH1010679 A JP H1010679A
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JP
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layer
support
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polymer
resin
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Application number
JP16349496A
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English (en)
Inventor
Narikazu Hashimoto
斉和 橋本
Yukio Shinagawa
幸雄 品川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】取扱い性に優れた反射写真感光材料および、反
射写真感光材料用支持体を供給することにある。 【解決手段】25℃10%RH下でのカール値の絶対
値が0m-1以上20m-1以下の反射写真感光材料。感
光層の反対面に親水性コロイド層および、その外側に疎
水性ポリマーラテックス層を有することを特徴とする反
射写真感光材料用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は取扱い性に優れた反
射写真感光材料および、反射写真感光材料用支持体に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来写真印画紙(以下印画紙と略するこ
とがある)に代表される反射写真感光材料は、特開平2
−289845号公報、特開平3−249753号公報
に記載されているような紙の表面にポリエチレン等の熱
可塑性樹脂を積層した支持体や、特開平2−24845
6号に記載されているような白色無機化合物や気泡によ
り白色化した熱可塑性樹脂を支持体に用いていた。しか
しこれらの印画紙用支持体は、低湿度下においてカー
ルし取扱いしにくい、厚みが厚くアルバム等の台紙に
はりづらい等の問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は取扱い性に優
れた反射写真感光材料および、反射写真感光材料用支持
体を供給することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】これらの課題は、25
℃10%RH下でのカールの絶対値が0m-1以上20m
-1以下の反射写真感光材料、および感光層の反対面に
親水性コロイド層および、その外側に疎水性ポリマーラ
テックス層を有することを特徴とする反射写真感光材料
用支持体によって達成された。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の特徴である25℃10%
RH下でのカール値について説明する。本発明ではこの
幅方向のカール値(カールの曲率半径をm単位で測定
し、その逆数で表したもので、乳剤側を内巻きにしたも
のを+、外巻きにしたものを−で表示する)の絶対値が
0m-1以上20m-1以下が好ましく、0m-1以上15m
-1以下がより好ましく、0m-1以上10m-1以下がさら
に好ましい。この範囲を越えると低湿下において樋状に
強いカールが発生し、取扱い性が低下する。このような
樋状のカールは、表面に塗られた乳剤層が低湿下で収縮
することで引き起こされる。即ち乳剤層はゼラチンに代
表される親水性コロイド層から形成されているが、この
層は低湿下において脱水収縮する。これに引っ張られ樋
状のカールが発生する。
【0006】(1) BC層 このような樋状のカールを防止することを本発明は特徴
としている。即ち感光層の反対面(以下BC層と呼ぶ)
に親水性コロイド層および、その外側に疎水性ポリマー
ラテックス層を形成することが樋状カールの発生を防止
した。
【0007】(1-1) BC層用親水性コロイド層 ここでいうBC層に用いる好ましい親水性コロイドとし
て下記のようなものを用いることができる。BC層に用
いる親水性コロイドとして最も好ましいものはゼラチン
である。ゼラチンとしては、いわゆる石灰処理ゼラチ
ン、酸処理ゼラチン、酵素処理ゼラチン、ゼラチン誘導
体及び変性ゼラチン等当業界で一般に用いられているも
のはいずれも用いることができる。これらのゼラチンの
うち、最も好ましく用いられるのは石灰処理ゼラチン、
酸処理ゼラチン以外の親水性コロイドとしてコロイド状
アルブミン、カゼイン等の蛋白質、寒天、アルギン酸ナ
トリウム、デンプン誘導体等の糖誘導体、カルボキシメ
チルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等のセル
ロース化合物、ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニ
ルピロリドン、ポリアクリルアミド等の合成親水化合物
等を挙げることができる。これらの親水性コロイドは、
単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0008】この親水性コロイド層中に、マット剤、界
面活性剤、染料、架橋剤、増粘剤、防腐剤、UV吸収
剤、コロイダルシリカ等の無機微粒子等の写真用添加剤
を添加しても良い。これらの添加剤については、例えば
リサーチ・ディスクロージャー誌176巻17643項
(1978年12月)の記載を参考にできる。
【0009】本発明の親水性コロイド層には更にポリマ
ーラテックスを添加しても良い。本発明に用いられるポ
リマーラテックスは平均粒径が20mμ〜200mμの
水不溶性ポリマーの水分散物で、好ましい使用量はバイ
ンダー1.0に対して乾燥重量比で0.01〜1.0で
特に好ましくは0.1〜0.8である。本発明に用いら
れるポリマーラテックスの好ましい例としてはアクリル
酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステルま
たはグリシジルエステル、あるいはメタアクリル酸のア
ルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル、または
グリシジルエステルをモノマー単位として持ち、平均分
子量が10万以上、特に好ましくは30万〜50万のポ
リマーであり、ポリエチルアクリレート、ポリ−n−ブ
チルアクリレート、ポリプロピルメタクリレート、n−
ブチルアクリレート/グリシジルメタクリレート共重合
体、エチレン/2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
共重合体およびエチルアクリレート/アクリル酸共重合
体等を具体例として示すことができる。
【0010】本発明の親水性コロイド層は、1層でもよ
いし2層以上であってもよい。又本発明の親水性コロイ
ド層の厚みに特に制限はなく、適用する写真感光材料の
種類によるが、カールの観点からは感光性ハロゲン化銀
乳剤層側の厚みに対応させるかあるいは近くすることが
望ましく、一般的には0.2μ〜20μ程度、特に0.
5μ〜15μが好ましい。親水性コロイド層が2層以上
から成る場合にはすべての親水性コロイド層の厚みの和
を、本発明のハロゲン化銀写真感光材料の親水性コロイ
ド層の厚みとする。
【0011】(1-2) BC層用疎水性ポリマー層 この親水性コロイド層の上に、疎水性ポリマー層が塗設
される。これは、実質的に耐水性であることが望まし
い。「実質的に耐水性」とは、25℃の水に1分間浸漬
した後のバック層の厚みが、浸漬前の親水性コロイド層
の厚みの倍以下である事をいい、1.3倍以下となるこ
とが好ましい。
【0012】本発明の疎水性ポリマー層は「実質的に耐
水性」となるものであれば特に制限はないが、例えば、
エチレン、塩化ビニル、ウレタン、塩化ビニリデン、フ
ッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂、ブタジエン、アクリ
ルアミド類、アクリル酸又はメタアクリル酸のエステ
ル、スチレン、を主モノマーとするポリマーである。こ
れらは塗布の都合上、ポリマーラテックスの形で使用す
るのがより好ましい。これらの疎水性ポリマーのラテッ
クスは平均粒径が0.01〜0.5μm、好ましくは
0.02〜0.2μmである。
【0013】本発明の疎水性ポリマーの代表的具体例を
以下に挙げるがこれらに限定されるものではない。
【0014】
【化1】
【0015】
【化2】
【0016】本発明の疎水性ポリマー層のガラス転移温
度は造膜性および塗膜の耐水性、耐付着性の観点から1
0℃以上であることが好ましい。また、塗膜の脆性、ラ
テックスの融着性のため150℃以下であることが好ま
しい。
【0017】本発明の疎水性ポリマーラテックス中に含
まれる可塑剤とは、ポリマーの外部可塑化が可能な沸点
240℃以上の有機化合物をいう。具体的には例えばフ
タル酸ジブチル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジ
フェニルなどのフタル酸エステル類、ジエチレングリコ
ール、ジエチレングリコールジオクチルエーテル、酢酸
トリエチレングリコールなどのグリコール誘導体、リン
酸トリフェニル、リン酸トリデシルなどのリン酸エステ
ル類、シクロデカノン、n−オタクデカノン、n−オク
タデカン−3,6,9−トリオンなどのケトン類を挙げ
ることができる。これらは単独で用いても、2種以上を
併用してもよい。
【0018】可塑剤のラテックスへの添加方法はモノ
マーに溶解する、ラテックス液に直接添加する乳化剤
によって乳化して添加するなどの方法等を挙げることが
できる。添加量は疎水性ポリマー固型分に対して0.1
〜100重量%の範囲にあることが好ましく、3〜10
重量%の範囲にあることが特に好ましい。
【0019】本発明の疎水性ポリマーラテックス中に含
まれる造膜助剤としてはラテックスポリマーと親和性の
ある有機溶剤であり、沸点250℃未満のものであれば
特に制限はない。具体的には例えばエチルセロソルブ、
イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロ
ソルブ類、イソプロパノール、n−ブタノール、 sec−
ブタノール、フルフリルアルコールなどのアルコール
類、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレ
ングリコールモノエチルエーテル、酢酸エチレングリコ
ールモノエチルエーテルなどのグリコール類およびその
誘導体を挙げることができる。これらの造膜助剤は単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0020】造膜助剤のラテックスへの添加方法につい
てはラテックスに直接添加するか重合時モノマーに
溶解して添加することが好ましい。また、添加量、種類
変更などに対する自由度からは直接添加することが特に
好ましく、ラテックスへのショック緩和のために水また
は該ラテックスと親和性の小さな有機溶剤で希釈してか
ら添加することが更に好ましい。
【0021】本発明の疎水性ポリマー層には、必要に応
じてマット剤、界面活性剤、染料、すべり剤、架橋剤、
増粘剤、UV吸収剤、コロイダルシリカ等の無機微粒子
などの写真用添加剤を添加してもよい。これらの添加剤
についてもリサーチ・ディスクロージャー誌176巻1
7643項(1978年12月)の記載などの参考にす
ることができる。
【0022】本発明の疎水性ポリマー層は1層であって
も2層以上であっても良い。疎水性ポリマー層の好まし
い厚みは、0.05〜10μm、より好ましくは0.1
〜5μmの範囲である。なお疎水性のポリマー層が2層
以上から成る場合には、すべてのポリマー層の厚みの和
を本発明のハロゲン化銀写真感光材料のポリマー層の厚
みとする。
【0023】(2) 支持体 紙およびそれに熱可塑性ポリマーを積層した支持体を用
いた場合、好ましい支持体の厚さは80μm以上250
μm以下であり、より好ましくは100μm以上200
μm以下、さらに好ましくは120μm以上180μm
以下である。充填剤や気泡等で白色化した熱可塑性ポリ
マーを用いた支持体の場合、好ましい支持体の厚さは3
0μm以上180μm以下であり、より好ましくは40
μm以上150μm以下、さらに好ましくは50μm以
上100μm以下である。
【0024】(2-1) 熱可塑性ポリマーから成る支持体 このような支持体を構成する好ましい熱可塑性ポリマー
として、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィン系ポリマー、ポリスチレン、シンジオタクチック、
ポリスチレン等のスチレン系ポリマー、6,6−ナイロ
ン、6−ナイロン等のポリアミド系ポリマー、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
アリレート等のポリエステル系ポリマー、ポリカーボネ
ート系ポリマー等を挙げることができる。これらの中で
特に好ましいのが、ポリエステル系ポリマーである。ポ
リエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適
宜選択することができるが、例えば、ポリエチレンテレ
フタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート
(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポ
リエチレンイソフタレートなどが挙げられる。これらは
1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよ
い。本発明においては、これらの中でも、延伸適性の点
でポリエチレンテレフタレート(PET)が好ましく、
少なくともポリエチレンテレフタレート(PET)を含
んでいることが好ましい。
【0025】前記ポリエステルの分子量としては、2
0,000〜80,000が好ましく、30,000〜
50,000がより好ましい。前記分子量が前記範囲外
の場合には、押出適性に欠けることがある。前記ポリエ
ステルのガラス転移点(Tg)としては、0〜150℃
が好ましく、40〜120℃がより好ましく、60℃〜
120℃がさらに好ましい。これらの熱可塑性ポリマー
からなる支持体中に、ポリマーや無機物質を添加したり
空胴を形成させ、白色化させる。添加ポリマーとしてゴ
ム、熱可塑性エラストマー、軟質ポリマーなどを挙げる
ことができる。
【0026】前記ゴムとしては、例えば、天然ゴム(N
R)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(B
R)、1,2−ポリブタジエン(1,2−BR)、スチ
レン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム
(CR)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム(II
R)、エチレンプロピレンゴム(EPM)、クロロスル
ホン化ポリエチレン(CSM)、アクリルゴム(AC
M)、エピクロロヒドリンゴム(CO)、多硫化ゴム
(T)、シリコーンゴム(Q)、フッ素ゴム(FK
M)、ウレタンゴム(U)などが挙げられる。前記熱可
塑性エラストマーとしては、例えば、オレフィン系熱可
塑性エラストマー(TPO)、ウレタン系熱可塑性エラ
ストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラスト
マー(TPEE)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー
(TPAE)、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラ
ストマー、塩ビ系熱可塑性エラストマー(TPVC)、
フッ素系熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。前記
軟質ポリマーとしては、例えば、ABS樹脂、軟質塩化
ビニル樹脂などが挙げられる。
【0027】なお、これら以外にも前記ポリエステルと
これらの添加ポリマーとの共重合体なども挙げられる。
【0028】これらの添加ポリマーは1種単独で使用し
てもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明におい
ては、これらの中でも、ポリエステルとの相溶性が良好
である点で、ポリエステル系熱可塑性エラストマーが好
ましい。前記ポリエステルと添加ポリマーとの混合物に
おける前記添加ポリマーの含有量としては、0〜50重
量%が好ましく、3〜20重量%がより好ましい。前記
含有量が、50重量%を越えると、支持体自体のスティ
フネス(腰の強さ)が低下してしまうことがある。前記
ポリオレフィンを添加ポリマーとして用いる場合、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−4−メ
チル−1−ペンテン等のオレフィンホモポリマー及びオ
レフィンコポリマーなどが挙げられる。これらは1種単
独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本
発明では、これらの中でもポリプロピレンが好ましい。
【0029】なお、前記ポリオレフィンの溶融温度とし
ては、例えば、ポリプロピレンが165〜176℃であ
り、ポリブテン−1が126〜128℃である。前記ポ
リオレフィンと、前記ポリエステルとの組み合わせとし
ては、目的に応じて適宜決定することができるが、例え
ば、ポリプロピレンとポリエチレンテレフタレートとの
組み合わせが、延伸条件の点で好ましい。前記ポリオレ
フィインの前記溶融物中の含有量としては、特に0.5
〜20重量%が好ましく、1〜15重量%がより好まし
い。さらに白色化のために添加する無機物質としては、
例えば、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、
硫酸カルシウム、酸化亜鉛、シリカ、カオリン、タル
ク、クレー、珪藻土、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウ
ムなどの白色微粒子が挙げられる。これらは1種単独で
使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これら
の中でも、熱転写記録用支持体の白色度を向上させるこ
とができる点で、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カル
シウムが好ましく、これらの少なくとも1種を使用する
のが好ましい。前記白色微粒子は、適宜合成してもよい
し、市販品を使用してもよい。
【0030】前記白色微粒子の平均粒径としては、0.
01〜5μmが好ましく、0.1〜3μmがより好まし
い。前記白色微粒子の前記溶融物中の含有量としては、
0〜30重量%が好ましく、0〜20重量%がより好ま
しい。前記含有量が、20重量%を越えると、平滑性が
十分でないことがある。一方、前記含有量が前記範囲内
にあると、白色度、隠蔽性の点で有利である。これらの
無機微粒子と添加ポリマーを併用することも好ましい。
【0031】このような熱可塑性支持体の中に耐光性向
上剤として例えば、硫酸亜鉛、酸化亜鉛、ヒンダードア
ミン系酸化防止剤、ベンゾフェノン等のベンゾトリアゾ
ール系の紫外線吸収剤などを添加するのも好ましい。こ
れらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。さらに、染料、蛍光増白剤、安定剤などを添
加してもよい。これらは1種単独で使用してもよいし、
二種以上を併用してもよい。
【0032】このような熱可塑性ポリマーから成る支持
体は下記のような方法で作ることができる。溶融押出
は、それ自体公知の押出機、フィルム形成ダイなどを使
用して行うことができる。これを冷却固化するか、自体
公知の回転ドラム、冷却ロールなどを使用して行うこと
ができる。なお、前記溶融物は、通常、無定型シートと
して得られる。この後、前記溶融物は延伸され、熱固定
される。延伸は二軸延伸が好ましい。前記二軸延伸とし
ては、80〜160℃で、縦方向(長尺方向)に2〜5
倍、横方向(幅方向)に2〜5倍それぞれ延伸するのが
好ましい。熱固定は165〜290℃で行うのが好まし
く、特に190〜245℃が好ましい。
【0033】本発明の熱可塑性ポリマーからなる支持体
の不透明度としては、ASTM試験法D−1003─6
1により測定可能な「総光透過率」で表すことができ、
前記総光透過率が20%以下が好ましく、特に10%以
下が好ましい。本発明の支持体の表面の平均粗さとして
は、Ra が0.50μm以下が好ましく、0.01〜
0.3μmがより好ましい。前記平均粗さが、0.50
μmを越えると、画像シャープネスが低下する。一方、
前記平均粗さが前記範囲内にあると、前記欠点がない。
【0034】(2-2) 紙支持体 また、紙およびそれに熱可塑性ポリマーを積層した支持
体も好ましい。積層する熱可塑性樹脂の好ましい例とし
て、下記のようなものを挙げることができる。好ましい
熱可塑性ポリマーとして、ポリエチレン、アタクチック
−、シンジオタクチック−およびアイソタクチック−ポ
リプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
ブチレンナフタレート、ポリアリレート等のポリエステ
ル、ポリカーボネート系ポリマー、ポリエステルポリウ
レタン、ポリエーテルポリウレタン等のウレタン系ポリ
マー、アタクチックポリスチレン、シンジオタクチック
ポリスチレン等のスチレン系ポリマー、6−ナイロン、
6,6−ナイロン等のポリアミド系ポリマーを挙げるこ
とができる。これらは単一で用いてもよく、混合あるい
は積層して用いても良い。これらの中で特に好ましいの
が、ポリエチレン、アタクチック−、シンジオタクチッ
ク−およびアイソタクチック−ポリプロピレン等のポリ
オレフィン系ポリマー、及びポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ
ート、ポリアリレート等のポリエステルである。さらに
好ましいのが低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度
ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、
ポリエチレンテレフタレート(PET)である。
【0035】(2-2-1) ポリオレフィン系ポリマーを積層
した紙支持体 ポリオレフィン系ポリマーを紙の上に積層する場合、よ
り具体的には下記のようにするのが好ましい。基体とし
ては、天然パルプを主成分とする通常の天然パルプ紙、
天然パルプと合成繊維とからなる混抄紙、合成繊維を主
成分とする合成繊維紙、ポリスチレン、ポリプロピレン
などの合成樹脂フィルムを擬紙化した、所謂合成紙の何
れでもよいが、写真印画紙用の基体としては、天然パル
プ紙(以下、単に原紙という)が特に好ましく用いられ
る。
【0036】原紙に対する添加薬品としては、アルキル
ケテンダイマーの他、クレー、タルク、炭酸カルシウ
ム、尿素樹脂微粒子等の充填剤、ロジン、高級脂肪酸
塩、パラフィンワックス、アルケニルコハク酸等のサイ
ズ剤、ポリアクリルアミド等の紙力増強剤、硫酸バンド
等の定着剤などを添加したものが用いられる。その他、
必要に応じて、染料、蛍光染料、スライムコントロール
剤、消泡剤等が添加される。柔軟化剤に関しては、例え
ば新・紙加工便覧(紙薬タイム社編)554〜555頁
(1980年発行)に記載があるが、特に分子量200
以上のものが好ましい。この柔軟化剤は、炭素数10以
上の疎水性基を有し、又、セルロースと自己定着するア
ミン塩又は第4級アンモニウム塩となっている。
【0037】パルプ表面に、ゼラチン、スターチ、カル
ボキシメチルセルロース、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルアルコールの変性物等の皮
膜形成性ポリマーにより、表面サイズ処理することもで
きる。この場合のポリビニルアルコールの変性物として
は、カルボキシル基変性物、シラノール変性物及びアク
リルアミドとの共重合物等が挙げられる。また皮膜形成
ポリマーの塗布量は、0.1〜5.0g/m2、好ましく
は0.5〜2.0g/m2に調製される。更に、上記皮膜
形成性ポリマーには、必要に応じて帯電防止剤、蛍光増
白剤、顔料、消泡剤などを添加することができる。
【0038】原紙は、上述したパルプ及び必要に応じて
添加した充填剤、サイズ剤、紙力補強剤、定着剤等の添
加剤を含有したパルプスラリーから、長網抄紙機等の抄
紙機により抄紙し、乾燥し、巻き取って製造される。こ
の乾燥の前後のいずれかにおいて、前記表面サイズ処理
が行われ、又、乾燥後から巻き取りの間にカレンダー処
理が行われる。
【0039】本発明の支持体に使用する原紙は、その表
面平滑性が最終製品である印画紙の平滑性に大きく影響
するので、表面平滑性の高いものを使用することが好ま
しい。表面平滑性の高い原紙としては、ベック平滑度9
5秒以上の紙、0.4μm以下で空隙量が0.04ml以
上の紙、3次元粗さ計による全波長域での中心線平均粗
さが3.0μm以下の紙、片つや紙、密度1.0〜1.
2g/cm3の紙、光学的表面粗さが10μm以下の紙等を
挙げることができる。
【0040】本発明において写真乳剤塗布側の樹脂層を
形成する耐水性樹脂は、220〜340℃で溶融押出す
ることのできる樹脂の中から適宜選択して用いることが
できる。通常は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン樹脂やポリエステル樹脂が用いられるが、
特にポリエチレンが好ましく用いられる。また、ポリエ
チレンは、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
線状低密度ポリエチレン等の何れでも良く、これらを単
独で用いても、2種以上を混合して使用しても良い。
【0041】乳剤を塗布する側の樹脂層も、裏面側の樹
脂層と同様に2層以上とすることができるが、少くと
も、基体と接する樹脂層で使用される耐水性樹脂は、基
体との接着性を良好とする観点から、メルトフローレー
トが1.2〜100g/10分の範囲のものであること
が好ましい。上記の耐水性樹脂層には、原紙との接着性
を良好とする観点から、粘着付与剤樹脂及び/又は、耐
水性樹脂と熱融着可能な酸変性ポリオレフィン樹脂、ア
イオノマー等の接着性樹脂を含有させることができる。
上記粘着付与剤樹脂としては、ロジン誘導体樹脂、テル
ペン樹脂(例えば、高分子β−ピネン)、クマロン・イ
ンデン樹脂及び石油系炭化水素樹脂等が挙げられる。こ
のような粘着付与剤樹脂の配合量は、前記耐水性樹脂に
対し、通常、0.5〜60重量%の範囲である。
【0042】前記接着性樹脂としては、例えば、酸変性
ポリオレフィン樹脂、アイオノマー、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体樹脂(EVA樹脂)、エチレン−エチルアク
リレート共重合体樹脂(EEA樹脂)、エチレン−アク
リル酸共重合体(EAA樹脂)並びにこれらの金属塩等
が挙げられる。この接着性樹脂の配合量は、上記耐水性
樹脂に対して20〜500重量%の範囲である。本発明
においては、乳剤を塗布しない裏面の耐水性樹脂層を2
層構成とする。この2層のうち、原紙に接着する下層
(支持体側の層)の樹脂は、その90%以上が、MFR
(メルトフローレート)が8以上の高密度ポリエチレン
(HDPE)である必要がある。
【0043】尚、HDPEは、通常、密度が0.941
〜0.965g/cm3であり、190℃、2kg荷重の場合
のMFRが、0.001〜30g/10分である。ま
た、本発明においては、上記下層の厚みが上層(裏面の
2層のうち、支持体から遠い方)の厚みより薄いことが
必要である。このようにすることによって、ラミネート
時に発生し易いHDPEが90%以上の下層のネックイ
ンを防止することができる上、巾方向における全樹脂層
の厚みを均一にすることができる。
【0044】下層の樹脂として使用する、前記MFRが
8以上のHDPE以外に使用する樹脂は、前記した乳剤
層側の樹脂と同様のものの中から適宜選択して用いるこ
とができる。また、上層の樹脂は、低密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポ
リプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー
の中から選択される少くとも1種のポリマーであること
が好ましく、特に、低密度ポリエチレン、線状低密度ポ
リエチレン及び高密度ポリエチレンの中から選択するこ
とが好ましい。最も好ましいのは高密度ポリエチレンと
低密度ポリエチレンの混合物であり、その混合比率は、
通常、高密度ポリエチレン/低密度ポリエチレン比で3
0/70〜70/30の範囲である。
【0045】本発明においては、乳剤を塗布する側の耐
水性樹脂層は、酸化チタンの他にブルーイング剤を含有
することが好ましい。上記の酸化チタンは、製品の解像
力を良好とする観点から、二酸化チタンであることが好
ましい。含有される酸化チタンの量は、5〜25重量%
の範囲であることが好ましく、10〜20重量%である
ことが特に好ましい。
【0046】酸化チタンの形態は、アナターゼ型であっ
てもルチル型であっても良いが、白色度を優先する場合
にはアナターゼ型を使用することが好ましく、鮮鋭度を
優先する場合にはルチル型を使用することが好ましい。
また、白色度及び鮮鋭度の双方を考慮して、アナターゼ
型とルチル型とをブレンドして用いても良いし、酸化チ
タン含有層を2層として、一方の層にアナターゼ型酸化
チタンを添加し、他方の層にルチル型酸化チタンを添加
しても良い。
【0047】酸化チタンの平均粒子サイズは0.1〜
0.4μmの範囲であることが好ましい。このような形
態及び平均粒子サイズを有する酸化チタンとしては、例
えば、チタン工業株式会社製の商品名KA−10やKA
−20、石原産業株式会社製の商品名A−220、PF
−656、PF−654、PF−671、PF−71
5、CR−63などが挙げられる。
【0048】この酸化チタンとしては、その活性を抑え
て黄変を防止するため、一般に、その表面を含水酸化ア
ルミニウム、含水酸化珪素等の無機物質で表面処理した
もの、多価アルコール、多価アミン、金属石鹸、アルキ
ルチタネート、ポリシロキサン等の有機物質で表面処理
したもの、及び無機物質・有機物質の処理剤を併用して
表面処理したもの等を使用することができる。これらの
処理剤は、無機物質にあっては、酸化チタンに対して
0.2〜2.0重量%、有機物質にあっては、0.1〜
1.0重量%の範囲で使用することが好ましい。酸化チ
タンは、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪酸エチル、高級
脂肪酸アミド、高級脂肪酸等を分散助剤として用い、2
本ロール、3本ロール、ニーダー、バンバリーミキサー
等の混練機で耐水性樹脂中に練り込まれる。得られた酸
化チタン含有耐水性樹脂は、ペレット形状に形成され酸
化チタンのマスターバッチとして用いられる。
【0049】乳剤塗布側の耐水性樹脂層は、単層でも多
層でも良い。2層の場合、製品の解像力を良好とする観
点から、乳剤塗布側の層(外層)のTiO2 濃度を原紙
層側(内層)のTiO2 濃度より高くすることが好まし
い。通常、外層のTiO2 濃度は10%〜40重量%で
膜厚が5μ〜30μm、内層のTiO2 濃度は0%〜2
0重量%で、膜厚が5μ〜30μmである。内層、外層
の耐水性樹脂にはLDPE、LLDPE、PP、HDP
E、α−オレフィンの共重合体及びこれらのブレンド物
が使われる。また、乳剤塗布側から上、中、下層の3層
を設け、解像力を高めるために3層ともTiO2 を15
重量%以上添加することも良いが、これら3層を共押出
して同時に設ける場合は、上、下層のTiO2 濃度が高
すぎると押出機のダイリップにつらら状に付着する異物
による筋故障が発生し易くなる。従って、生産性を考慮
すると中間層のTiO2 濃度を高くし、上、下層のTi
2 濃度を解像力が悪化しない程度に抑えることが望ま
しい。
【0050】通常、上層のTiO2 濃度は0〜40重量
%好ましくは0〜20重量%、群青濃度は0〜1重量%
で膜厚0.2〜10μm、中間層はTiO2 濃度が15
〜50重量%、群青が0〜1重量%で膜厚5〜50μ
m、下層はTiO2 濃度0〜40重量%好ましくは0〜
20重量%、群青は0〜1重量%で膜厚0.5〜20μ
mである。上層の耐水性樹脂としては、高密度ボリエチ
レン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、線状低密
度ポリエチレン(L−LDPE)、α−オレフィンの共
重合体もしくはこれらのブレンド物が好ましい。中間層
には、低密度ポリエチレン(LDPE)、L−LDPE
が、又、最下層にはLDPEが好ましいが、上層同様、
HDPE、PP、α−オレフィンの共重合体もしくは、
これらのブレンド物も用いることが出来る。
【0051】本発明に係る耐水性樹脂層中には酸化防止
剤を含有させることもできる。その含有量は、耐水性樹
脂量に対して50〜1,000ppm程度である。こう
して作製された酸化チタン及び/又はブルーイング剤を
含有するマスターバッチペレットは、耐水性樹脂を用い
て適宜希釈し、塗布用に供される。次に、本発明におけ
る耐水性樹脂層は、紙や合成紙等の走行する基体上に、
逐次ラミネート法、又は、フィートブロックタイプ、マ
ルチマニホールドタイプ、マルチスロットタイプ等の共
押出ダイによるラミネート法のいずれかの方法により形
成される。共押出用ダイの形状は特に制限されるもので
はないが、一般にTダイ、コートハンガーダイ等が好ま
しく用いられる。
【0052】本発明においては、耐水性樹脂層の厚みも
適宜設定することができるが、裏面の耐水性樹脂層の厚
みについては、上層の膜厚を好ましくは5〜35μm、
更に好ましくは10〜25μm、最も好ましくは15〜
25μmとし、下層の膜厚を上層より薄くする。
【0053】乳剤塗布側の耐水性樹脂層表面には、光沢
面、又は特開昭55−26507号公報記載の微細面、
マット面又は絹目面の型付けがされ、裏面には無光沢面
の型付けをする。表面の型付け後の表面粗さは、通常R
zで4.0〜10μm程度である。
【0054】(2-2-2) ポリエステル系ポリマーを積層し
た紙支持体 ポリエステル系ポリマーを紙の上に積層する場合、より
具体的には下記のようにするのが好ましい。原紙は、カ
レンダー処理を行い、最終的に50μm〜250μmの
膜厚に調整されている。原紙の密度としては0.8g/c
m3〜1.3g/cm3、好ましくは1.0g/cm3〜1.2g
/cm3である。作製された原紙の表面に火炎処理を行う。
この火炎処理により原紙に対するホルムアミドの接触角
を50°以下、1°以上、好ましくは20°以下、2°
以上とするとよい。
【0055】次に、火炎処理した原紙の表面にポリエス
テル若しくはポリエステルと顔料の混合した組成物が被
覆される。ポリエステルとしては、ポリエチレンテレフ
タレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン
−2,6−ナフタレンジカルボン酸エステル等の芳香族
ジカルボン酸と脂肪族ジオールの重縮合物、さらにこれ
らにビスフェノールAや5−ナトリウムスルホンイソフ
タル酸等の共重合成分を導入した共重合体等が挙げられ
る。これらの中でポリエチレンテレフタレートが特に好
ましい。
【0056】ポリエチレンテレフタレートの層は、ポリ
エチレンテレフタレート単独でなくとも他の樹脂との混
合層としてもかまわない。他の樹脂としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、ポリエチ
レングリコール、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロ
ピレン等のポリエーテル類、ポリエステル系ポリウレタ
ン、ポリエーテルポリウレタン、ポリカーボネート、ポ
リスチレン等、270〜350℃で押出し可能な樹脂で
あれば広く選ぶことが出来る。
【0057】ポリエステル層には、顔料が添加されてい
てもよい。顔料としては二酸化チタン、硫酸バリウム、
酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、酸化アルミニウ
ム、酸化珪素等の粉末、これらの固溶体等も用いること
ができる。顔料の粒子径としては0.04〜1μmが通
常用いられる。顔料の中で好ましいのは二酸化チタン、
硫酸バリウムであり、これらの場合、とくに好ましい平
均粒径は0.1〜0.8μmである。含有量としては樹
脂に対し50ppm〜1000ppm添加できる。
【0058】ポリエステル層は1層でも、2層、3層で
もよいが、1層の場合には顔料の含有量は2重量%〜5
0重量%、好ましくは5重量%〜30重量%とするとよ
い。多層の場合には被覆層における顔料の含有濃度を原
紙側における樹脂層では低く、最外層では高くなるよう
濃度勾配を設けるとよい。乳剤塗布側表面から最も離れ
た被覆層における最外層は、写真の解像度を決める重要
な層であり、顔料濃度を最も高くすることにより写真の
解像度を高くする。最外層における顔料濃度としては1
0重量%以上、好ましくは15重量%以上である。最外
層以外の層は顔料を少な目とするとよく、含有量にして
10重量%以下、好ましくは7重量%以下である。原紙
の乳剤塗布面側に被覆する、ポリエステル層厚は5〜5
0μmが好ましく、、より好ましくは10〜30μmで
ある。
【0059】原紙の裏面(感光乳剤を塗布する側と反対
の側)にも樹脂層が被覆されるが、この樹脂は押し出し
成形、溶剤溶解成形可能の樹脂であれば広く用いること
が出来る。たとえばポリエチレンテレフタレート等のポ
リエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロ
ン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニル、塩化ビニル−酢酸−ビニル共重合体、アクリロニ
トリル樹脂、ポリアクリル酸エステル類、エポキシ樹
脂、ポリエーテルケトン等を挙げることができる。この
裏面の樹脂層に無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、顔
料、界面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめること
ができる。裏面の樹脂層の厚みは5〜50μmが好まし
く、より好ましくは15〜30μmである。原紙の乳剤
塗布面側被覆層及び裏面層の被覆方法としては、溶融押
出ラミネーション法等が挙げられる。
【0060】(3) 反射写真感光材料 上記熱可塑性樹脂から成る支持体や、紙の少くとも片面
に熱可塑性樹脂を積層した支持体の上に、前述の親水性
コロイド層と疎水性ポリマー層から成るBC層を塗設す
る。さらにこの反対面に感光層を塗設する。これらの塗
設に先立って、上記支持体の表面を処理しておくことで
接着性を確保でき好ましい。好ましい表面処理として、
グロー放電処理、コロナ放電処理、紫外線処理、火炎処
理が挙げられる。これらは、公開技報(公技番号94−60
23)に記載の方法を用いることができる。さらに、感光
層、BC層と支持体の間に下塗り層を設けることもより
強固な接着性を確保する上で好ましい。これらは1層
(単層)であってもよく、2層(重層)であってもよ
い。
【0061】単層法の場合、支持体で膨張させ、親水性
ポリマーと界面混合させることで接着性を向上させる。
支持体の膨潤剤としてフェノール系溶剤、塩素系溶剤等
が用いられ、親水性ポリマーとして、ゼラチン等が用い
られる。重層法の場合、第1層に支持体と接着性の良好
なブタジエン系ポリマーやフッ化ビニリデン系ポリマー
を用いることがある。第2層には親水性コロイド層と接
着性にすぐれるゼラチン等を用いることができる。これ
らの単層法、重層法の詳細は公開技報(公技番号94−60
23)に記載されており、これらの方法を用いることがで
きる。これらの中で特に好ましいのが、特開昭61−8
4643号公報に記載されているものである。さらに、
これらの支持体の裏面には、特公昭52−18020
号、特公昭57−9059号、特公昭57−53940
号、特公昭58−56859号、特開昭59−2148
49号、特開昭58−184144号等の各公報に記載
もしくは例示されている無機帯電防止剤、有機帯電防止
剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界
面活性剤等を適宜組み合わせて含有させることができ
る。
【0062】このようにして調製した支持体のBC層の
反対側に感光層を塗設し、本発明の反射写真感光材料を
得る。ここで反射写真感光材料とは、写真画像を透過光
により投影しその投影画像を利用する所謂、透過写真要
素に対し、支持体として不透明な材料を用いその上に写
真層を設けたものであって、該写真層に形成された写真
画像を反射光により直接観賞するための通常印画紙と呼
ばれている如き写真感光材料をいう。すなわち、本発明
の反射写真感光材料は、上記の如き支持体を用いる写真
要素であればすべてに適用でき、例えば白黒用、カラー
用等の制限はなく、写真構成層においても、感光性ハロ
ゲン化銀写真乳剤層、中間層、保護層、フィルター層、
バックコート層等の層数、層順序に特に制限はなく適用
できる。
【0063】本発明における感光性ハロゲン化銀写真乳
剤層としては、種々の公知のハロゲン化銀乳剤層が適用
できるが、例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化
銀、塩沃臭化銀各乳剤等からなるハロゲン化銀乳剤層を
好ましく用いることができる。また、ハロゲン化銀乳剤
層の中にはカラー像を作るためのカプラーを含ませるこ
とも可能であり、また結合剤としてゼラチン又はそれ以
外の親水性高分子物質、例えばポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドン等を含ませることも可能である。
更に、上記ハロゲン化銀乳剤層は、シアニン色素、メロ
シアニン色素等の分光増感色素により感光波長域を増感
させることもでき、また、その他種々の写真用添加剤、
例えば、カブリ防止剤、金、イオウ等を用いた化学増感
剤、硬膜剤、帯電防止剤等を好ましく加えることができ
る。従って、本発明の反射写真要素の現像処理も、白黒
用現像処理であっても、カラー用現像処理であっても、
本発明は有効である。
【0064】また、物理現像核を含有させ銀塩拡散転写
受像層が設けられるような感材においても有効である。
また特開平7−219182号公報に記載のような熱転
写記録材料を用いる場合にも有効である。これらの感光
層は1層であってもよく、複数層から成っていても良
い。また感光層全層の厚みは、乾燥状態で3μm以上4
0μm以下が好ましく、5μm以上30μm以下がより
好ましく、7μm以上20μm以下がさらに好ましい。
これ以上厚いと樋状カールが大きくなり易く好ましくな
い。またこれ以下では画像の色濃度が低下し好ましくな
い。
【0065】以下に本発明で用いた測定法について述べ
る。 (1) カール値 感光層まで塗設したサンプルを、幅方向に35mm、長手
方向に2mmの大きさに切りとった後、"ANSI/ASC PH1.29
-1985" Method-A に記載のカール板に設置する。これを
25℃10%RH下に1時間調湿後カール値を読む。
(カール値は曲率半径(m) の逆数で表す)このようにし
て、フィルム幅方向のカール値を求める。 (2) 総光透過率 ASTM試験法D-1003-61 に準じて測定する。
【0066】
【実施例】以下に本発明の実施例を具体的に説明する
が、これに限定されるものではない。 実施例−1 (1) 支持体の作製 (イ)支持体A:白色ポリエステル支持体 ポリエチレンテレフタレート(PET)のペレット70
重量部と、酸化チタンを50重量%含有するポリエチレ
ンテレフタレート(PET)のマスターペレット20重
量部と、ポリプロピレンのペレット10重量部とを混合
し、295℃で押出機により溶融押出して、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)とポリプロピレンと酸化チ
タンとを含有する無定型シート状の溶融物を得た。この
溶融物を35℃の冷却ロール上で冷却固化して、厚み8
50μmの無定型シートを作製した。
【0067】次に、この無定型シートを、125℃で縦
方向に3.1倍延伸し、140℃で横方向に3.4倍延
伸した後、235℃で3%緩和しながら熱固定して、厚
みが80μmであり、見かけ比重が1.15である熱転
写記録用支持体を作製した。なお、この熱転写記録用支
持体の表面の平滑性は、Ra が0.20μmであった。 (ロ)支持体B:ポリエステルラミネート紙支持体 木材パルプの混合物(LBKP/NBSP=2/1)を
叩解し、カナディアンフリーネス250ccのパルプスラ
リーとした。次いでこのパルプスラリーを水で希釈した
後、攪拌しながら、対パルプあたりアニオン性ポリアク
リルアミド1.0%(荒川化学(株)製:ポリストロン
195、分子量約110万)、硫酸アルミニウム1.0
%及び、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン0.
15%(カイメン557:ディックハーキュレス社製商
品名)を添加した。更に、エポキシ化ベヘン酸アミドま
たはアルキルテケンダイマー(〔化2〕の一般式でRが
C2 0H41の化合物)を0.4%、下記の表に示すように加
えた後、pHが7となるように水酸化ナトリウム及びカ
チオン性ポリアクリルアミド0.5%及び消泡剤0.1
%を加えた。上記の如くして調製したパルプスラリーを
180g/m2となるように抄造した。
【0068】このようにして調製した原紙をオーブンに
て水分約2%とし、次いで、表面サイズ液として下記の
処方の水溶液をサイズプレスし、液の付着量が原紙の表
面(写真乳剤塗布側)で20g/m2なるように付着させ
た。 ポリビニルアルコール : 4.0% 塩化カルシウム : 4.0% 蛍光増白剤 : 0.5% 消泡剤 : 0.005% 得られたサイズ液付着紙の厚みを150μmにマシンカ
レンダーで調整し、原紙とした。
【0069】次に、原紙の表面を春日電気(株)製フレ
ーム処理装置を使用し、液化プロパンガスと空気を用い
て20kcal/m2 で火炎処理をした。
【0070】次に火炎処理した原紙の表面に、ポリエチ
レンテレフタレート40部と二酸化チタン(チタン工業
(株)製、商品名KA−10)を50%含有するポリエ
チレンテレフタレートペレット10部を二軸混合押し出
し機にて300℃で溶融混合し、Tダイから押し出しラ
ミネートし、樹脂膜を膜厚30μmに製膜した。
【0071】(ロ)支持体C:ポリエチレンラミネート
紙支持体 支持体Bに記載の原紙の両面に下記コロナ放電処理を行
った後、下記のようにBC側、感光層側にポリエチレン
を溶融押し出しし積層体を形成した。 コロナ放電処理(両面):ピラー社製ソリッドステー
トコロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を
室温下において20m/分で処理する。この時の電流、
電圧の読み取り値から、支持体には0.375kV・A
・分/m2の処理がなされている。この時の処理周波数は
9.6kHz、電極と誘電体ロールのギャップクリアラ
ンスは1.6mmであった。 BC側積層:原紙側に高密度ポリエチレン(HDP
E)その上に低密度ポリエチレン(LDPE)とHDP
Eの混合物(重量比で50:50)を、それぞれ厚みが
12μm、8μmとなるように320℃でラインスピー
ド230m/分で共押しだしした。 感光層側積層:原紙側に酸化チタンを20wt%含有し
たLDPEを30μmの厚みで押しだしした。この時の
押し出しは、320℃でラインスピード230m/分で
行った。これらの支持体A、B、Cに対し、上記の方法
に従って、総光透過率を測定し表1に示した。
【0072】(2) 支持体の表面処理 支持体A、B、Cの感光層側、BC側に下記条件でコロ
ナ放電処理を実施した。ピラー社製ソリッドステートコ
ロナ処理機6KVAモデルを用い、支持体の両面を室温
下において20m/分で処理する。この時の電流、電圧
の読み取り値から、支持体には0.375kV・A・分
/m2の処理がなされている。この時の処理周波数は9.
6kHz、電極と誘電体ロールのギャップクリアランス
は1.6mmであった。
【0073】(3) 支持体の感光層側、BC側下塗り 両面に表面処理を行った支持体の両面に、下記下塗り液
を乾燥膜厚が0.1μmになるようにエアーナイフ方式
で塗布、乾燥した。 ゼラチン 3重量% ラウリルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.01重量% クロム明バン 0.005重量% 水を加えて 100%とする。
【0074】(4) 支持体のBC層塗布 支持体A、B、CのBC面に下記処方のバック層を親水
性コロイド層、その上に疎水性ポリマー層をスライドコ
ートにより塗布した。各層の乾燥厚みは表1に示した。 親水性コロイド層処方 ゼラチン 2500重量部 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 10 〃 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 30 〃 N.N−エチレンビス−(ビニルスルホン 25 〃 アセトアミド) 親水性コロイド層のpHは1規定の塩酸により調整し、5.7と した。用いたゼラチンの等電点のpHは4.8であった。親水性 コロイド層を塗布後25℃65%RHで1週間放置してゼラチン の架橋硬膜を進めたのち、以下の塗布量となるように疎水性ポリマ マー層をワイアバーで表1に示した乾燥厚みになる様塗布し35℃ 30%RHの条件で乾燥した。塗布液中のポリマー濃度は18重量 %になるように調製した。 メタクリル酸メチル/アクリル酸ブチル/ 2000重量部 メタクリル酸(重量比で54/41/5) フタル酸ジイソオクチル 100 〃 ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 16.5 〃 ポリメチルメタクリレート微粒子(平均粒径3μ) 10 〃 C8 17SO3 K 5 〃 (5) 感光層の塗布 特開平4−145433号公報(特願平2−26991
2、出願日平成2年(1990年)10月8日)第22
頁〜第29頁記載の実施例1の多層感光層を塗布した。 (6) 評価結果 このようにした調製した感材に対し、上述の方法で25
℃10%RHでのカール、および下記方法で自着の測定
を実施した。これらの結果を表1に示した。 自着の評価(ブロッキング評価) 長さ5cm、巾5cmに裁断した試料各2枚をBC面と感材
面を重ね合わせ、50kg/cm2 の加重下25℃60%R
H下で16時間放置し自着(ブロッキング)の発生を目
視で評価した。
【0075】
【表1】
【0076】本発明を実施することで、支持体厚みを薄
くしてもカールが小さく取扱い性に優れる感材を作るこ
とが出来た。
【0077】
【発明の効果】本発明を実施することで、カールが小さ
く取扱い性に優れる反射写真感光材料および反射感光材
料用支持体を提供できた。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 25℃10%RH下でのカール値の絶対
    値が0m-1以上20m-1以下の反射写真感光材料。
  2. 【請求項2】 感光層の反対面に親水性コロイド層およ
    び、その外側に疎水性ポリマーラテックス層を有するこ
    とを特徴とする反射写真感光材料用支持体。
  3. 【請求項3】 該支持体が、総光透過率が0%以上20
    %以下の熱可塑性ポリマーからなることを特徴とする、
    請求項2に記載の反射写真感光材料用支持体。
  4. 【請求項4】 該熱可塑性ポリマーがポリエステルを主
    体とするものであることを特徴とする請求項3に記載の
    反射写真感光材料用支持体。
  5. 【請求項5】 該支持体が、熱可塑性樹脂を積層した紙
    からなることを特徴とする請求項2に記載の反射写真感
    光材料用支持体。
  6. 【請求項6】 該熱可塑性樹脂が、ポリオレフィンまた
    は/およびポリエステルからなることを特徴とする請求
    項5に記載の反射写真感光材料用支持体。
  7. 【請求項7】 該支持体の厚みが30μm以上250μ
    m以下であることを特徴とする請求項2〜6に記載の反
    射写真感光材料用支持体。
  8. 【請求項8】 請求項2〜7に記載の反射写真感光材料
    用支持体を用いたことを特徴とする反射写真感光材料。
  9. 【請求項9】 請求項2〜7に記載の反射写真感光材料
    用支持体を用いたことを特徴とする請求項1に記載の反
    射写真感光材料。
JP16349496A 1996-06-24 1996-06-24 反射写真感光材料および反射写真感光材料用支持体 Pending JPH1010679A (ja)

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