JP2846395B2 - 写真用支持体およびその製造法 - Google Patents

写真用支持体およびその製造法

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JP2846395B2 JP2050119A JP5011990A JP2846395B2 JP 2846395 B2 JP2846395 B2 JP 2846395B2 JP 2050119 A JP2050119 A JP 2050119A JP 5011990 A JP5011990 A JP 5011990A JP 2846395 B2 JP2846395 B2 JP 2846395B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は写真用支持体およびその製造法に関するもの
である。
〔発明の背景〕
従来写真用支持体としては、紙の片面に硫酸バリウム
を主体とするバライタ層を塗布したいわゆるバライタ紙
が使用されていたが、現像、定着等の処理中に処理液が
紙に浸透し、処理速度の低下、経時黄変等の欠点がある
ため、紙の両面に、ポリエチレンやポリプロピレン等の
熱可塑性合成樹脂をコーティングして防水処理を施した
紙、即ち樹脂コート紙と称される紙が主に用いられるよ
うになってきた。一般にこのような樹脂コート紙は、前
記熱可塑性合成樹脂を押出機で溶融押出したフィルムを
熱いうちに基材たる紙の両面に塗工して、冷却ロールと
例えばゴムロールよりなるニップで樹脂を紙に圧着させ
ることによって製造されている。
上述の構造の写真用支持体は、通常のセルロース紙に
比較して湿度変化に伴う伸縮が少ないが、この表面にゼ
ラチンの如き高分子物を主たる結合剤とする感光乳剤を
塗布するときは、この乳剤層の湿度変化に伴う伸縮が大
きいためにカールを生ずる。特に乳剤が塗布された後、
過度の乾燥をしたり出来た印画紙または現像処理後の印
画紙を、例えば相対湿度が20%という低湿度で放置する
ときには、乳剤面を内側にしたカールを生ずる。このカ
ールの発生は、印画紙製造中または引き伸ばし焼付け作
業の作業能率の低下と得率の低下をもたらす他、印画紙
を集積したり、アルバムに貼付けたりする作業を困難に
する。
前記樹脂コート紙に塗布される熱可塑性合成樹脂フィ
ルムの厚みは、写真乳剤を塗布する面については製品規
格が定められていることが多いが、反対側の裏面はさほ
ど重要ではなく一般にラミネートされるフィルムの厚み
は自由に変更できる。しかしながら、裏面のラミネート
厚みを変化させると製品のカールが変わるところから、
従来は製品の品質を一定にするために、表裏両面のラミ
ネート厚みを合わせていた。
一方、高密度ポリエチレンは、特公昭48−9963号公報
に記載の如く耐カール性増進のために極めて有効である
という特徴を有する。この特性を利用して感光乳剤が塗
布される側のポリエチレン樹脂としては低密度のもの
を、裏面側には高密度のものを塗布することによって乳
剤塗布前のラミネート紙としては乳剤塗布側を外側にす
るカールを与えるようにする。このようにして得られた
ラミネート紙に感光乳剤を塗布乾燥すると感光乳剤層の
乾燥収縮によりカールがバランスするようになる。即ち
高密度ポリエチレンの配合比率を高めることによって耐
カール性を増大させることができる。また、ラミネート
量を減量しても高密度ポリエチレンの配合率を高めるこ
とで品質として要求されるカールが保たれる。即ち、品
質を維持したまま製造コスト、輸送コストを低下させる
ことができる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、高密度ポリエチレンの配合比率が過度
に高まると押出時のネックインが大きく、樹脂の流動性
が不安定となる。また、紙基体と樹脂層との接着が不良
となり、さらにはダイリップ汚れが発生しやすくなると
いった問題を生じるため、高密度ポリエチレンの配合比
率には限界があり、少ない樹脂塗工量で優れた耐カール
性を有する写真用支持体が得られなかった。
高密度ポリエチレンを含む樹脂組成物をスリットダイ
からフィルム状に溶融押出する際、短時間の押出でダイ
リップの先端に針状あるいはつらら状の付着物、もしく
は汚れが発生する傾向があり、これをダイリップ汚れと
呼んでいる。しかもこのダイリップ汚れは、溶融押出時
間の経過とともに次第に大きく成長する傾向がある。
溶融押出塗布する際に、このダイリップ汚れが発生す
ると、そのまま製造された写真用支持体の表面に縦方向
にスジが発生したり、塗布量の不均一によるスジ状のム
ラが発生したりし、また時には汚れが支持体に付着して
塗布され異物が支持体上に出現する。支持体のこの種の
樹脂被覆層の欠陥は、印画紙にとって致命的であり、写
真用支持体としての実用的価値を無にするものである。
また、一度発生したダイリップ汚れを完全に除去する
には、生産を停止してダイリップを掃除する以外に方法
がなく、この掃除には多大の労力と時間を要し、生産性
の著しい低下をもたらすこととなる。
少ない樹脂塗布量で優れた耐カール性を有する写真用
支持体としては、乳剤を塗布しない側の樹脂層を二層構
成とし、紙基体面に接触する下側の樹脂層に密度の高い
樹脂組成物、その上側の樹脂層には密度の低い樹脂組成
物を配置した構造が提案されている(特開平1−28075
2)。
しかし、この方法では耐カール性およびカッティング
性は良好であるものの、原紙に接する側に密度の高い樹
脂層が配置されているために原紙と樹脂層との接着性が
不良であり、ネックインが大きく、溶融樹脂がダイリッ
プから押し出される際にダイリップ汚れが発生しやすい
という欠点がある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明はこのような問題点を解決するべくなされたも
のである。
本発明は、原紙面上に溶融ポリオレフィン樹脂を押出
コーティングし、ポリオレフィン層により被覆された写
真用支持体において、写真乳剤を塗布しない側の樹脂層
が、少なくとも三層の互いに積層された部分層からなる
構造を有し、該部分層のうち、最外層及び原紙と接触す
る最下層とが、それぞれ低密度ポリエチレンを40重量%
以上含み、かつ、前記最下層と前記最外層との間の中間
層が高密度ポリエチレンを70〜90重量%含むことを特徴
とする写真用支持体によって達成される。
また、原紙面上に溶融ポリオレフィン樹脂を押出コー
ティングし、ポリオレフィン層により被覆された写真用
支持体を製造する方法において、写真乳剤を塗布しない
側の樹脂層を共押出コーティングにより、少なくとも三
層の互いに積層された部分層からなる構造とし、該部分
層のうち、最外層及び原紙と接触する最下層とが、それ
ぞれ低密度ポリエチレンを40重量%以上含み、かつ、前
記最下層と前記最外層との間の中間層が高密度ポリエチ
レンを70〜90重量%含むことを特徴とする写真用支持体
の製造法によって達成される。最下層の低密度ポリエチ
レン含有量が40重量%に満たない場合には樹脂層と原紙
層との接着性が低下し、最外層の低密度ポリエチレン含
有量が40重量%に満たない場合にはダイリップ汚れが発
生しやすくなる。
前記最下層と、前記最外層との間の中間層の高密度ポ
リエチレン含有量は、70重量%以上であることが好まし
い。70重量%に満たない場合には裏樹脂層全体に占める
高密度ポリエチレンの比率が同等の混合系一層押出コー
ティングの場合と実質的に変わるところがなく、本発明
の効果が得られない。また前記中間層の高密度ポリエチ
レンの配合量がさらに90重量%と増加するにしたがい、
より一層顕著に本発明の効果が発揮される。
樹脂層を多層化する押出ラミネート法としては、逐次
コーティング法と共押出コーティング法があるが、工程
数の少ない共押出コーティングが望ましい。共押出コー
ティング用ダイ、フィードブロック、アダプターなど
は、例えば「新ラミネート加工便覧」(加工技術研究会
刊)p.84〜92に記述されているような方法のいずれを利
用してもよい。
本発明に於けるポリオレフィン樹脂としては、低密度
ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリペンテン等のホ
モポリマー、またはエチレン−プロピレン共重合体など
のオレフィンの二つ以上からなる共重合体及びこれらの
混合物である。
本発明に於ける写真用支持体の写真乳剤層を設ける側
とは反対側の裏面に用いられる低密度ポリエチレンと
は、密度が0.915〜0.930g/cm3のものであり、通常高圧
法で製造されるものである。また、裏面に用いられる高
密度ポリエチレンとは、密度が0.950g/cm3以上のもので
あり、通常低圧法あるいは中圧法で製造されるものであ
る。特に好ましい高密度ポリエチレンとしては、共押出
特性、カール改良効果などの点から密度が0.955〜0.970
g/cm3のものである。
またこれらのポリオレフィン樹脂は本発明を構成する
範囲において、各種の密度及び溶融粘度指数(メルトイ
ンデックス:以下単にMIと略す)を有するものを単独に
あるいはそれらの二種以上を混合して用いることができ
る。例えば、裏面の最外層および最下層には密度0.918g
/cm3、MI=5.0のものを、中間層には密度0.967g/cm3、M
I=7.0のものを使用するなど密度やMIの異なる樹脂を使
用することができる。
本発明の写真用支持体の写真乳剤層を設ける側、即ち
表側を構成する樹脂としても前記のものを用いることが
できる。該表側のポリオレフィン樹脂層中にはプリント
画像の鮮鋭度を高めるためにルチル型またはアナターゼ
型の二酸化チタン顔料を7.5〜25重量%含有せしめるの
が有利である。写真用支持体に適した二酸化チタン顔料
としては、特公昭59−42296号、特公昭59−37304号、特
公昭60−3430号、特公昭60−56118号、特開昭57−10884
9号、特開昭58−7630号、特開昭58−220140号、特開昭5
9−1544号、特開昭59−121329、特開昭59−164550、特
開昭59−215334号、特開昭61−103635号公報等に記載の
各種のものを含有せしめることができる。また、表側の
樹脂層中には、二酸化チタン顔料の他に酸化亜鉛、タル
ク、炭酸カルシウム、等の白色顔料、ステアリン酸アミ
ド、アラキジン酸アミド、等の脂肪酸アミド、ステアリ
ン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アル
ミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜
鉛、ミスチリン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、等の
脂肪酸金属塩、ヒンダードフェノール、ヒンダードアミ
ン、リン系、硫黄系等の各種酸化防止剤、コバルトブル
ー、郡青、セルリアンブルー、フタロシアニンブルー等
のブルー顔料や染料、コバルトバイオレット、ファスト
バイオレット、マンガンバイオレットなどのマゼンタの
顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添
加剤を適宜組み合わせて添加するのが好ましい。また、
二酸化チタン顔料やこれらの添加剤を含有せしめる方法
としては、前記した公報明細書及び特開昭60−11841
号、特開昭60−75832号、特開昭60−181131号公報等に
記載もしくは例示の方法など任意の方法で行うことがで
きる。
また、本発明における写真用支持体の裏側の各々の樹
脂層にも、表側の樹脂層中に含有せしめたと同様、白色
顔料、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、各種酸化防止剤、
着色顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤等の各種の
添加剤を適宜組み合わせて含有せしめることが出来る。
特に、脂肪酸金属塩を数ppmから0.5重量%、特開昭60−
11847号に記載もしくは例示の酸化防止剤を数ppmから10
00ppm程度含有せしめるのが好ましい。また、特に酸化
防止剤は最外層中に多く含有せしめるのが原紙との接着
性、クーリングロールとの剥離性を良くする点で好まし
い。
本発明における写真用支持体は、走行する基体たる紙
上に加熱溶融したポリオレフィン樹脂を流延するいわゆ
る押出コーティング法によって製造され、通常その両面
が樹脂により被覆される。
その際、裏側の樹脂層は前記したごとく多層構造で押
出コーティングされる。一方、表側の樹脂は単層でも多
層構造でもよい。また、樹脂を原紙に被覆する前に、原
紙にコロナ放電処理を施すのが好ましい。写真用支持体
の乳剤側表面は光沢面または印画紙にした場合に印画紙
の表面の光沢に影響を与えない程度の特開昭55−26507
号に記載の微粗面あるいはマット面、絹目面等を有し、
裏側は通常無光沢面であり、表面あるいは必要に応じ表
裏両面にもコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理
を施すことができる。更に、活性化処理後、特開昭61−
84643号公報に記載のような下引き処理をすることがで
きる。
また、本発明における写真用支持体の表裏各々の樹脂
層の厚さとしては、特に制限はないが、一般に10〜50μ
程度の厚さに押出コーティングしたものが有利であり、
特に本発明の効果、すなわちカール物性の改良及びコス
トの点から裏側の樹脂層の合計の厚みは表側樹脂層の厚
みより薄いか、もしくは等しいのが有利である。
本発明の実施に用いられる基体たる原紙としては、通
常の天然パルプを主成分とする天然パルプ紙、天然パル
プと合成繊維とから成る混抄紙などいずれでもよいが、
本発明における写真用支持体の基体としては、カール物
性が良く、それ故、該支持体を有する写真印画紙の現像
処理時の走行性や取り扱いやすさ、さらにはカールの少
ないプリントが得られるという優れた写真用支持体を経
済的に有利に提供出来るということから、天然パルプ紙
(以下単に原紙と呼称する)が特に好ましく有利に用い
られる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙を構成するパ
ルプとしては、特開昭58−37642号、特開昭60−67940
号、特開昭60−69649号、特開昭61−35442号等に記載も
しくは例示してあるような適切に選択された天然パルプ
を用いるのが有利であるが、必要に応じて天然パルプ以
外の合成パルプ、合成繊維を用いてもよい。
天然パルプは塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白の
通常の漂白処理並びにアルカリ抽出もしくはアルカリ処
理および必要に応じて過酸化水素、酸素などによる酸化
漂白処理など、およびそれらの組み合わせ処理を施した
針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプ
の木材パルプが有利に用いられ、また、クラフトパル
プ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のも
のを用いることができる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙中には、紙料
スラリー調製時に各種のサイズ剤、高分子化合物を含有
せしめることができる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙に有利に含有
せしめられるサイズ剤としては、脂肪酸金属塩あるいは
/及び脂肪酸、アルキルケテンダイマー、アルケニルま
たはアルキルコハク酸無水物、特開昭54−147211号に記
載のエポキシ化高級脂肪酸アミド、特開昭56−109343号
に記載の有機フルオロ化合物があげられる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙に有利に含有
せしめられるサイズ剤としては、塩化アルミニウム、硫
酸バン土、ポリ塩化アルミニウム等の水溶性アルミニウ
ム塩でパルプに定着される態様での脂肪酸金属塩あるい
は/および脂肪酸、水溶性アルミニウム塩を用いるか、
あるいは用いないでパルプに定着される態様でのアルキ
ルケテンダイマーあるいはアルキルケテンダイマーとエ
ポキシ化高級脂肪酸アミドとの組み合わせサイズ剤等を
あげることができる。脂肪酸金属塩あるいは/および脂
肪酸としてはその炭素数が12〜22のものが好ましく、そ
の添加量は対パルプの絶乾重量当り0.5〜4.0重量%の範
囲が好ましい。また、必要に応じて添加される水溶性ア
ルミニウム塩の添加量はサイズ剤に対して固形重量基準
で1/20〜4/1の範囲が、特に1/10〜1/1の範囲が好まし
い。また、アルキルケテンダイマーとしては、アルキル
基の炭素数が8〜30、好ましくは12〜18のものがよい。
アルキルケテンダイマーは、通常、その乳化物として市
販されており、具体例としては、ディックハーキュレス
(株)製のアコーペル360XCなどがある。その添加量と
してはアルキルケテンダイマー分として対パルプ絶乾重
量当り0.2〜4.0重量%の範囲が好ましい。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙に紙料スラリ
ー調製時に有利に含有せしめられる高分子化合物として
陽イオン性湿潤紙力増強剤、カチオン性、アニオン性あ
るいは両性紙力増強剤があげられる。陽イオン性湿潤紙
力増強剤としては、ポリアミンポリアミドエピクロルヒ
ドリン樹脂が好ましく、その添加量はパルプ乾燥重量に
対して、0.05〜4.0重量%の範囲が、特に0.15〜1.5重量
%の範囲が好ましい。その具体例としては、ディック・
ハーキュレス(株)製のカイメン557H、カイメンS−2
5、エピノックスP−130などがある。
また、カチオン性、アニオン性あるいは両性紙力増強
剤としては、特公昭60−17103号に記載もしくは例示の
カチオン化澱粉、特願昭62−49699号に記載もしくは例
示のカチオン性ポリビニルアルコール、特開昭57−1854
32号、特開昭57−197539号に記載もしくは例示のカチオ
ン性ポリアクリルアミド、特公昭62−23119号、特公昭6
2−31118号に記載もしくは例示のアニオン性ポリアクリ
ルアミド、特公昭61−37613号、特開昭59−31949号に記
載もしくは例示の両性ポリアクリルアミド、特開昭59−
125731号に記載もしくは例示の植物性ガラクトマンナン
などをあげることができる。それらの添加量はパルプ乾
燥重量に対して、0.05〜8重量%の範囲が、特に0.15〜
4重量%の範囲が好ましい。
また、本発明の実施に好ましく用いられる原紙中に
は、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめる
ことができる。填料として、クレー、カオリン、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、酸化チ
タンなど、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダな
ど、着色顔料、着色染料、蛍光増白剤として、特開昭54
−147033号、特願昭62−37555号、特願昭63−96516号に
記載もしくは例示のものなどの適宜組み合わせて含有せ
しめることができる。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙中には、各種
の水溶性ポリマー、帯電防止剤、添加剤をスプレーある
いはタブサイズプレスによって含有せしめることができ
る。水溶性ポリマーとして、特願昭63−96516号に記載
もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール
系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド
系ポリマー、セルローズ系ポリマーなど、帯電防止剤と
して、特願昭63−96516号に記載もしくは例示の塩化ナ
トリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カル
シウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイ
ド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、特開昭58−8224
2号に記載もしくは例示の有機帯電防止剤など、ラテッ
クス、エマルジョン類として、石油樹脂エマルジョン、
スチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、
スチレン−アクリル酸−ブタジエン共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリ
ル酸エステル共重合体等のラテックス、顔料として、ク
レー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンな
ど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソ
ーダ、炭酸ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着
色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組み合わせて含
有せしめるのが有利である。
本発明の実施に好ましく用いられる原紙の抄造には、
長網抄紙機、丸網抄紙機など通常用いられる抄紙機が用
いられるが、特開昭58−37642号、特開昭61−260240
号、特開昭61−284762号に記載もしくは例示してあるよ
うな適切な抄紙方法を採用するのが有利である。また、
原紙の厚味に関しては特に制限はないが、原紙を抄造
後、特開昭58−37642号、特開昭60−126397号に記載も
しくは例示してあるように原紙をカレンダー処理したも
のが好ましく、その坪量は40g/m2〜250g/m2のものが好
ましい。
本発明における写真用支持体には帯電防止、カール防
止等のために、各種のバックコート層を塗設することが
できる。また、バックコート層には、特公昭52−18020
号、特公昭57−9059号、特公昭57−53940号、特公昭58
−56859号、特開昭59−214849号、特開昭58−184144号
等に記載もしくは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止
剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界
面活性剤等を適宜組み合わせて含有せしめることができ
る。
本発明における写真用支持体は、各種の写真構成層が
塗設されてカラー写真印画紙用、白黒写真印画紙用、写
植印画紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡散
転写法ネガ及びポジ用、印刷材料用等各種の用途に用い
ることができる。例えば、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、
沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤層を設けることができる。ハ
ロゲン化銀写真乳剤層にカラーカプラーを含有せしめ
て、多層ハロゲン化銀構成層を設けることができる。ま
た、物理現像核を含有せしめて、銀塩拡散転写受像層を
設けることができる。それらの写真構成層の結合剤とし
ては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリドン、
ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化合物な
どの親水性高分子物質を用いることができる。また、上
記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめることが
できる。例えば、増感色素として、シアニン色素、メロ
シアニン色素など、化学増感剤として、水溶性金化合
物、イオウ化合物など、カブリ防止剤もしくは安定剤と
して、ヒドロキシ−トリアゾロピリミジン化合物、メル
カプト−複素環化合物など、硬膜剤としてホルマリン、
ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物など、塗布
助剤として、ベンゼンスルフォン酸塩、スルホコハク酸
エステル塩など、汚染防止剤として、ジアルキルハイド
ロキノン化合物など、そのほか蛍光増白剤、鮮鋭度向上
色素、帯電防止剤、pH調節剤、カブらせ剤、更にハロゲ
ン化銀の生成・分散時に水溶性イリジウム、水溶性ロジ
ウム化合物などを適宜組み合わせて含有せしめることが
できる。
本発明に係るハロゲン化銀写真材料は、その写真材料
に合わせて「写真感光材料と取扱法」(共立出版、宮本
五郎著、写真技術講座2)に記載されているような露
光、現像、停止、定着、漂白、安定などのような処理が
行われるが、特に発色現像後一浴漂白定着処理を行う多
層ハロゲン化銀カラー写真材料は、CD−III、CD−IV
(以上の2種の化合物はコダック社商品名)、ドロキシ
クロム(メイアンドベーカー社商品名)などいかなる主
薬のカラー現像液でも処理することができる。かかる主
薬を含む現像液にベンジルアルコール、タリウム塩、フ
ェニドンなどの現像促進剤を含有させてもよい。また、
ベンジルアルコールを実質的に含まない現像液で処理す
ることもできる。また、有用な一浴漂白定着液アミノポ
リカルボン酸の金属塩(例えば、エチレンジアミン四酢
酸、プロピレンジアミン四酢酸などの第2鉄錯塩など)
溶液であり、定着剤としては、チオ硫酸ソーダ、チオ硫
酸アンモニウムなどが有用である。かかる一浴漂白定着
液には種々の添加剤を含有させることができる。例え
ば、脱銀促進剤(例えば、米国特許第3,512,979号に記
載のメルカプトカルボン酸、ベルギー特許第682,426号
に記載のメルカプト−複素環化合物など)、汚染防止
剤、pH調節剤ないしはpH緩衝剤、硬膜剤(例えば、硫酸
マグネシウム、硫酸アルミニウム、カリ明ばんなど)、
界面活性剤などの種々の化合物を組み合わせて含有させ
ることができる。また、かかる一浴漂白定着液は種々の
pHで使用され得るが有用なpH領域はpH6.0〜8.0である。
〔実施例〕
以下実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明
の範囲は下記の実施例に限定されるものではない。
針葉樹サルファイトパルプと広葉樹クラフトパルプの
1対1混合物をカテディアンスタンダードフリーネス31
0mlに共叩解し、このスラリーから坪量170g/m2、密度1.
0g/cm3、水分8%の原紙を抄造した、この時下記製紙用
添加剤をパルプ絶乾重量に対して下記の量添加した。
カチオン化澱粉 2.0% アニオン性ポリアクリルアミド樹脂 0.5% アルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分と
して) 0.4% ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン樹脂 0.4% またサイズプレス薬品として、下記配合含浸液をメイ
ンドライヤー通過後、35g/m2含浸させアフタードライヤ
ーで乾燥およびマシンカレンダーで平滑化処理して原紙
が得られた。(数値は重量部を表す。) カルボキシ変性ポリビニルアルコール 3 ジアミノスチルベンジスルホン酸塩型蛍光増白剤0.05
青色染料 0.002 食塩 2 水を加えて 100 表面塗布用二酸化チタンマスターバッチは、アナター
ゼ型酸化チタン50重量部、低密度ポリエチレン(密度0.
918g/cm3、MI9)47.5重量部、ステアリン酸亜鉛2.5重量
部をバンバリーミキサーを用いて混合し、50%二酸化チ
タン含有マスターバッチを作成した。
まず、紙基体の裏面にコロナ放電処理を施し、この面
に高密度ポリエチレン(密度0.967g/cm3、MI7)と低密
度ポリエチレン(密度0.926g/cm3、MI3.5)を単独で、
または混合して樹脂温度320℃、エアギャップ205mmで溶
融押出コーティングして、第1表に示されているような
構成の無光沢面を有する裏樹脂層を形成した。
比較例1〜3については単層押出塗工法、比較例4〜
7については二層共押出塗工法、比較例8〜9および実
施例1〜4については、三層共押出塗工法によりそれぞ
れ樹脂塗工を行った。上記単層押出塗工機は、スクリュ
ー径65mmのスクリュー押出機と500mm開口長のTダイを
有するものであった。また、二層共押出塗工の際には、
上記押出塗工機に更にスクリュー径50mmのスクリュー押
出機を組み合わせ、前記のTダイに二層用フィードブロ
ックを挿入したものを用いた。三層押出塗工には上記二
層用押出塗工機に、二種三層用フィードブロックを挿入
したものを用いた。
次いで紙基体の表面をコロナ放電処理し、この面上に
前記50%二酸化チタンマスターバッチ18重量部、低密度
ポリエチレン(密度0.918g/cm3、MI5)57重量部、高密
度ポリエチレン(密度0.967g/cm3、MI7)25重量部の混
合物を樹脂温度320℃で溶融押出コーティングして、厚
さ30μの光沢のある表面樹脂被覆層を形成した。
裏面溶融押出塗工を1時間実施し、1時間目の全幅サ
ンプルにつき下記の項目を測定した。
1.カール:試料を10×10cmに裁断して温度25℃、湿度65
%RHの状態で24時間経時後、試料の中央部が接地する向
きで水平な机の上に置き、端部の持ち上がり長さを測定
した。乳剤面側へのカールをプラス(+)、裏面側への
カールをマイナス(−)とした。
2.接着性:試料を温度50℃の状態で16時間経時した後、
紙基体からポリエチレン被覆層をゆっくりと剥したとき
の剥離面の状態を次の四階級で官能評価した。
A:紙基体の剥離面全面に光沢がなく毛羽だっている。
B:紙基体の剥離面に光沢のある部分が若干見られる。
C:紙基体の剥離面に光沢のある部分がかなり見られる。
D:紙基体の剥離面全面に光沢があり、毛羽だちがない。
上記四階級のうち実用上において満足できる状態とみ
なされるのは、AあるいはBの評価が与えられたもので
ある。
3.ダイリップ汚れ:全幅サンプル中のダイリップ汚れに
基づく汚れスジ本数を測定した。
4.ネックイン:試料のラミネート幅を流れ方向50cm間隔
で測定し、ダイ幅(500mm)に対するラミネート幅の減
少量を百分率で表し、評価した。
得られた評価結果を第1表に示す。比較例1は実用レ
ベルの単層塗布品である。この実用品のカールに対して
本発明の支持体(実施例1〜4)はより少ない樹脂塗工
量で同レベルのカールを達成した。また、紙基体と樹脂
層との接着性とダイリップ汚れによる欠陥については殆
ど差がなく、ネックインについては操業上問題の無いレ
ベルであった。
裏樹脂層の平均密度が同じ場合には、二層化した方が
より少ない樹脂塗工量で同じレベルのカールを達成する
ことができる(比較例1と比較例4、6、および比較例
2と比較例5)が、原紙に接触する樹脂層の高密度ポリ
エチレンの比率が60%を越えると原紙と樹脂層との接着
力が不十分となり(比較例6、8)、また最外層の高密
度ポリエチレンの比率が60%を越えるとリップ汚れによ
る欠陥が顕著となり(比較例4、5、7)、裏樹脂層全
体に占める高密度ポリエチレンの比率が高まるとネック
インが大きくなる(比較例5)。
裏樹脂層を三層化した場合にも、最下層の高密度ポリ
エチレンの比率が60%を越えると原紙と樹脂層との接着
力が不十分となり、最外層の高密度ポリエチレンの比率
が60%を越えるとリップ汚れによる欠陥が顕著となる
(比較例9)。また、中間層の高密度ポリエチレンの比
率が70%に満たない場合には樹脂減量効果がみられない
(比較例10)。
これにより本発明が優れていることが明らかとなっ
た。特に実施例3、4の如く中間層の高密度ポリエチレ
ン比率を高めることにより本発明の樹脂減量効果は著し
くなる。
〔発明の効果〕 本発明により樹脂塗布量を減量しながら品質レベルと
して要求されるカールを維持することが可能になるとと
もに、樹脂の押出流動性が安定した状態において、ダイ
リップ汚れによる欠陥が少なく紙基体と樹脂層との接着
性の良好な写真用支持体を製造することができ、工業的
に有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G03C 1/79 G03C 1/81

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原紙面上に溶融ポリオレフィン樹脂を押出
    コーティングし、ポリオレフィン層により被覆された写
    真用支持体において、写真乳剤を塗布しない側の樹脂層
    が、少なくとも三層の互いに積層された部分層からなる
    構造を有し、該部分層のうち、最外層及び原紙と接触す
    る最下層とが、それぞれ低密度ポリエチレンを40重量%
    以上含み、かつ、前記最下層と前記最外層との間の中間
    層が高密度ポリエチレンを70〜90重量%含むことを特徴
    とする写真用支持体。
  2. 【請求項2】原紙面上に溶融ポリオレフィン樹脂を押出
    コーティングし、ポリオレフィン層により被覆された写
    真用支持体を製造する方法において、写真乳剤を塗布し
    ない側の樹脂層を共押出コーティングにより、少なくと
    も三層の互いに積層された部分層からなる構造とし、該
    部分層のうち、最外層及び原紙と接触する最下層とが、
    それぞれ低密度ポリエチレンを40重量%以上含み、か
    つ、前記最下層と前記最外層との間の中間層が高密度ポ
    リエチレンを70〜90重量%含むことを特徴とする写真用
    支持体の製造法。
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