JP2005173370A - 画像材料用支持体 - Google Patents

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Abstract

【課題】天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面がポリオレフィン樹脂で被覆された画像材料用支持体において、高速でラミネート加工を行っても、メヤニによる製品欠点が少なく、また、押し出しコーティングする際のネックインおよび紙基質と被覆樹脂層との接着性に優れた画像材料用支持体を提供する。
【解決手段】天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面が、ポリオレフィン樹脂層で被覆された画像材料用支持体において、二酸化チタン顔料を含む該ポリオレフィン樹脂層が、メルトフローレイトが1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および250℃で測定した剪断速度が486sec-1時のダイスウェル値が1.3〜1.7であるポリオレフィン樹脂から構成されてなるものであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面がポリオレフィン樹脂で被覆された画像材料用支持体に関するものであり、更に詳しくは、高速でラミネート加工を行っても、メヤニによる製品欠点が少なく、また、押し出しコーティングする際のネックインおよび紙基質と被覆樹脂層との接着性にも優れ、更には不透明度を上げてもメヤニ欠点の少ない画像材料用支持体に関するものである。
従来から、写真用印画紙やフォトライクな光沢性を有するインクジェット記録用紙には、商品品質や迅速な画像形成処理の面から、紙基質の片面又は両面をポリエチレン等のポリオレフィン樹脂により被覆した画像材料用支持体が広く用いられている。これら画像材料用支持体を製造する装置としては、ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂を加熱溶融状態で押出ダイから、走行する紙基質などの支持体上にフィルム状に押し出し、溶融樹脂と紙基質とをニップローラとクーリングロールとの間でニップして圧着することにより、樹脂を紙基質にラミネートする押出ラミネート方法が広く採用されている。
押出ダイのスリット状のダイリップから、高吐出量で溶融樹脂を押し出した場合、ポリオレフィン樹脂の劣化物や添加剤の一部、あるいは、それらの酸化物や分解物等のカス(以下、メヤニと称す)がダイリップに付着する現象が知られている。このようなメヤニが発生すると、樹脂被覆表面に筋状の凹凸やメヤニの混入による異物が発生し、製品価値を損なうという問題が生じる。そこで、メヤニをダイやリップから除去するために、押出機を停止させてダイリップを分解し、かつ清掃してメヤニを取り除くなどの作業を行う必要が生じ、生産性を著しく低下させるという問題がある。
メヤニの発生を防止する方法として、カルボン酸アマイド系ワックスを含有するポリオレフィン樹脂組成物をダイス出口の剪断速度が3000sec-1以下の条件で溶融押出成形する方法が開示されているが(例えば、特許文献1参照)、カルボン酸アマイド系ワックスのように低分子量であるワックスを添加すると、ラミネート加工の場合、300℃付近の高温で溶融樹脂を押し出させるため、ポリオレフィン樹脂組成物自体に酸化もしくは劣化が生じてしまい、メヤニ防止の効果は不十分なものであった。また、Tダイの吐出口から冷却ロールの間で、吐出されたシート状の溶融物の両端部を、熱可塑性樹脂のTg以下の温度になるように、冷却手段により冷却する方法が開示されているが(例えば、特許文献2参照)、溶融樹脂がTダイの吐出口から冷却ロールの間で冷却されると、紙基質と被覆樹脂間での接着が十分に行われないため、紙基質と被覆樹脂とが容易に剥離してしまうという問題があり、ラミネート加工には適用できないものであった。また、ダイリップ先端部の押出口縁部に光触媒を付着させるとともに、光触媒を励起させる励起用光源を設けることで、メヤニの素となる劣化物がダイリップに付着して堆積する前に分解する方法が開示されているが(例えば、特許文献3参照)、光触媒の分解能は緩やかであるために、その効果は未だ不十分なものであり、また、ラミネート加工時の加工速度が、例えば、300m/min以上と言った高速になった場合には、光触媒による分解能がメヤニの発生頻度に追いつかないと言った問題があった。
また、溶融押出機を用いて、そのスリットダイからポリオレフィン溶融樹脂をフィルム状に押し出す際、紙基質の表面を被覆するポリオレフィン樹脂組成物として、従来のポリオレフィン樹脂組成物を用いた場合、スリットダイからフィルム状に押し出されたポリオレフィン樹脂の溶融物が、紙基質に到達するまでの間に収縮し、このため、得られるポリオレフィン樹脂被覆層の幅が所定値よりも狭くなってしまう現象、すなわちネックインが発生する傾向があった。つまり、ネックインとは、フィルム状の溶融膜の幅が、スリットダイの幅よりも狭くなる現象を言うが、この狭くなった部分のポリオレフィン樹脂厚みに対して両幅部分だけが厚くなってしまうこととなる。この厚くなった部分は、製品としては使用できないことは言うまでもなく、押出コーティングした後にワインダー処理して捨てるしかなく、ロスとなってしまい、その収縮幅が大きければ大きいほど、ロス率が大きくなると言う問題があった。このネックインを改良するために、スリットダイと紙基質面との距離を狭くする対処方法が取られるが、その場合、溶融樹脂の十分な酸化が行われず、その結果、被覆樹脂層と紙基質との接着強度が低下すると言った問題がある。また、ネックインを改善する方法として、密度が0.915〜0.925g/cm3で、ある特定の条件で測定したダイスウェルの値が2.2以上の低密度ポリエチレン樹脂10〜30質量%と、密度が0.955〜0.965g/cm3の高密度ポリエチレン樹脂90〜70質量%とを含む樹脂組成物からなる裏面側樹脂被覆層を有する写真用支持体が開示されているが(例えば、特許文献4参照)、ネックインはある程度改良されるものの、前述したメヤニの発生が多いといった問題点がある。
また、良好なネックインを保持しつつ高速加工性を改善する方法として、ある水準以上のMFRを示し、伸長歪みの増加に対する伸長粘度の増加の程度が、ある一定範囲内にある押し出しラミネート加工用エチレン重合体が開示されているが(例えば、特許文献5参照)、この方法により、ある程度のネックインを保持したまま、高速でのラミネート加工は可能になるものの、前述したメヤニの発生が多いことや、紙基質との接着性に劣ると言った問題点があり、また、画像材料用支持体として好ましいと言った記述もない。
特開平8−197602号公報 特開2002−331571号公報 特開2001−293765号公報 特開平7−134359号公報 特開2002−327011号公報
従って、本発明の目的は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面がポリオレフィン樹脂で被覆された画像材料用支持体において、高速でラミネート加工を行っても、メヤニによる製品欠点が少なく、また、押し出しコーティングする際のネックインおよび紙基質と被覆樹脂層との接着性にも優れ、更には不透明度を上げてもメヤニの少ない画像材料用支持体を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の本発明を見出した。
すなわち、本願の第一の発明は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、その一方の紙基質面がフィルム形成能ある樹脂で被覆され、その反対側の画像構成層を設ける側の紙基質面が、二酸化チタン顔料を含むポリオレフィン樹脂層で被覆された画像材料用支持体において、該ポリオレフィン樹脂層が、メルトフローレイトが1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が、1.3〜1.7であるポリオレフィン樹脂を用いてなることを特徴とする画像材料用支持体に関するものである。
本願の第二の発明は、第一の発明において、画像構成層を設ける側の紙基質面を被覆したポリオレフィン樹脂層が、ポリオレフィン樹脂40〜90質量%、二酸化チタン顔料10〜60質量%の範囲内で含有し、該ポリオレフィン樹脂と該二酸化チタン顔料の総和が、100質量%以下となることを特徴とする画像材料用支持体に関するものである。
本願の第三の発明は、第一又は第二の発明において、ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする画像材料用支持体に関するものである。
本願の第四の発明は、一方の紙基質面をフィルム形成能ある樹脂で被覆し、その反対側の画像構成層を設ける側の紙基質面をポリオレフィン樹脂で複数層被覆する画像材料用支持体の製造方法において、予め二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に含有せしめたマスターバッチ、あるいはコンパウンドを用いて、二酸化チタン顔料を被覆用のポリオレフィン樹脂中に含有せしめる方法であって、該マスターバッチあるいは該コンパウンドを希釈するのに用いるポリオレフィン樹脂(A)と該マスターバッチあるいは該コンパウンドの製造に用いるポリオレフィン樹脂(B)の両者が、メルトフローレイトが1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が、1.3〜1.7であることを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
本願の第五の発明は、第四の発明において、ポリオレフィン樹脂層を、270〜330℃で押し出しコーティングすることを特徴とする画像材料用支持体の製造方法に関するものである。
本発明の画像材料用支持体は、天然パルプを主成分とする紙を基質として、画像構成層を設ける側の紙基質面が、ポリオレフィン樹脂層で被覆された画像材料用支持体において、該ポリオレフィン樹脂層が、メルトフローレイトが1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が、1.3〜1.7であるポリオレフィン樹脂と二酸化チタン顔料から構成されてなるもので、メヤニによる製品欠点が少なく、また、押し出しコーティングする際のネックインに優れた画像材料用支持体である。
以下、本発明の記録用紙について、詳細に説明する。
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面は、ポリオレフィン樹脂被覆層で被覆される。本発明で用いられるポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのα−オレフィン単独重合体、α−オレフィンの共重合体およびそれらの各種重合体の混合物などから選ぶことができ、特に制限はないが、紙基質と被覆樹脂層との接着性を考慮すると、ポリエチレン樹脂がより好ましい。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)は1〜20g/10minであり、好ましくは2〜8g/10minであり、更に好ましくは3〜7g/10minである。MFRが1g/10min未満の場合、メヤニの発生頻度が多くなるだけでなく、被覆樹脂層の成形において押し出し負荷が高くなり過ぎるため、好ましくなく、一方、20g/10minを超える場合、ネックインが大きく劣ってしまうため、好ましくない。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂の密度は、900〜940kg/m3であり、好ましくは910〜930kg/m3である。密度が900kg/m3未満の場合、被覆樹脂層の耐熱性が劣り、高温度雰囲気下での被覆樹脂層と紙基質との接着性が低下するため好ましくなく、一方、940kg/m3を超える場合、被覆樹脂層の剛性が高くなり過ぎ、被覆樹脂層と紙基質との接着性が低下するため、好ましくない。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂の温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値は、1.3〜1.7であり、更に好ましくは1.45〜1.60である。温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が1.3未満の場合、ネックインが大きく劣ってしまうため、好ましくなく、一方、1.7を超える場合、メヤニの発生頻度が多くなるため、好ましくない。
本発明で用いられるポリオレフィン樹脂層は、単一のポリオレフィン樹脂のみから構成できるだけでなく、本発明の効果を阻害しない範囲内であれば、複数個の異なる樹脂物性を有するポリオレフィン樹脂から構成することができる。その場合、ポリオレフィン樹脂層を構成する複数個の各ポリオレフィン樹脂は、それぞれのメルトフローレイトが1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が、1.3〜1.7の範囲にあることにより、本発明は達成される。
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面を被覆する全ポリオレフィン樹脂の被覆厚さとしては、4〜70μmの範囲が有用であるが、6〜45μmの範囲が好ましく、10〜40μmの範囲が特に好ましい。
本発明における画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂被覆層は前記のようなポリオレフィン樹脂と二酸化チタン顔料を含有せしめることにより、達成されるが、画像構成層を設ける側の紙基質面を被覆したポリオレフィン樹脂層は、ポリオレフィン樹脂40〜90質量%、二酸化チタン顔料10〜60質量%を含有することが好ましい。ポリオレフィン樹脂が40質量%未満で二酸化チタン顔料が60質量%以上の場合、メヤニの発生頻度が多くなるため、好ましくなく、一方、ポリオレフィン樹脂が90質量%以上で二酸化チタン顔料が10質量%未満の場合、画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂被覆層の不透明度が十分ではなくなり、満足な製品品質を得られないため、好ましくない。また、当然ながら、ポリオレフィン樹脂と二酸化チタン顔料の総和はが00質量%以下となるように、ポリオレフィン樹脂と二酸化チタン顔料の配合量を決定する必要がある。
本発明で用いられる二酸化チタン顔料は、有機物質により表面処理されているものを用いることができる。表面処理に用いる有機物質としては、ジメチルポリシロキサン、ジメチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンなどのオノガノポリシロキサン化合物、アルキルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどの多価アルコール化合物、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミンなどのアルカノールアミンのアルカノールアミン化合物又はそれらの無機塩などがあげられるが、シランカップリング剤により処理した二酸化チタン顔料を用いるのがより好ましい。それらの有機表面処理剤の処理量としては、二酸化チタン顔料に対して、0.05〜2.5質量%の範囲で有用であるが、0.05〜1.5質量%の範囲が好ましい。また、本発明の実施に用いられる二酸化チタン顔料は、有機物質で表面処理される前に含水酸化アルミニウム、含水酸化珪素などの無機物質で表面処理を行っても良い。その際には、特公昭63−11655号公報、特公平1−38291号公報、特公平1−38292号公報、特公平1−105245号公報に記載もしくは例示してあるような適切な処理を行うことが好ましい。
本発明における二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に含有せしめる方法としては、予め二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に一定濃度に含有させた、いわゆるマスターバッチを作成し、それを希釈用のポリオレフィン樹脂で所望の割合に希釈混合して使用するか、あるいは二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に所望の組成比だけ含有させた、いわゆるコンパウンドを作成して使用することが好ましい。これらのマスターバッチ、コンパウンドを作成するには通常、バンバリーミキサー、ニーダー、混練用押出機、ロール練り機などを用いることができ、また、これら各種混練機を二種類以上組合せて使用しても良い。
本発明におけるマスターバッチあるいはコンパウンドの製造に用いられるポリオレフィン樹脂(B)は、画像材料用支持体の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂に用いられる希釈樹脂(A)と同様に、メルトフローレイトが1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が、1.3〜1.7の範囲にあることにより、本発明は達成される。なお、ポリオレフィン樹脂(B)は、メルトフローレイトが1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が、1.3〜1.7の範囲を満たせば、希釈樹脂(A)と全く同じ密度、メルトフローレイト、ダイスウェル値でなくても良い。
二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調整に際し、適量の酸化防止剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調整を行うのが好ましい。具体的には、特開平1−105245号公報に記載もしくは例示のヒンダードフェノール系の酸化防止剤、特開昭55−142335号公報に記載もしくは例示のリン系酸化防止剤の他、ヒンダードアミン、硫黄系などの各種酸化防止剤などを適量存在せしめるのが好ましいが、特にヒンダードフェノール系の酸化防止剤を適量存在せしめるのが好ましい。これらポリオレフィン樹脂組成物を調整中の酸化防止剤の存在量としては、50〜3000ppmの範囲が好ましいが、50〜250ppmの範囲が更に好ましい。
二酸化チタン顔料とポリオレフィン樹脂とからなるポリオレフィン樹脂組成物の調整に際し、適量の適切な滑剤の存在下にポリオレフィン樹脂組成物の調整を行うのが好ましい。具体的には、滑剤として、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩を用いるのが好ましく、特にステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの一方、又は両方を用いるのが好ましい。またその存在量としては、二酸化チタン顔料に対して、0.1〜20質量%の範囲が有用であり、0.1〜7.5質量%の範囲が好ましい。
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側の面を被覆するポリオレフィン樹脂中には、二酸化チタン顔料、脂肪酸金属塩、酸化防止剤の他に各種の添加剤を含有せしめることができる。酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂肪酸アミド、コバルトブルー、群青、セリアンブルー、フタロシアニンブルーなどのブルー系の顔料や染料、コバルトバイオレット、ファストバイオレット、マンガンバイオレットなどのマゼンタ系の顔料や染料、特開平 2−254440号公報に記載もしくは例示の蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチあるいはコンパウンドとして含有せしめることが好ましい。
本発明で用いられる天然パルプを主成分とする紙基質としては、塩素、次亜塩素酸塩、二酸化塩素漂白等の通常の漂白処理、ならびにアルカリ抽出もしくはアルカリ処理、および必要に応じて過酸化水素、酸素などによる酸化漂白処理等、およびそれらの組合せ処理を施した針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、針葉樹広葉樹混合パルプの木材パルプが用いられ、また、クラフトパルプ、サルファイトパルプ、ソーダパルプなどの各種のものを用いることができる。
本発明で用いられる紙基質中には、紙料スラリー調製時に各種の添加剤を含有せしめることができる。サイズ剤として、脂肪酸金属塩又は脂肪酸、特公昭62−7534号公報に記載もしくは例示のアルキルケテンダイマー乳化物あるいはエポキシ化高級脂肪酸アミド、アルケニル又はアルキルコハク酸無水物乳化物、ロジン誘導体等、乾燥紙力増強剤として、アニオン性、カチオン性あるいは両性のポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、カチオン化澱粉、植物性ガラクトマンナン等、湿潤紙力増強剤として、ポリアミンポリアミドエピクロルヒドリン樹脂等、填料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、酸化チタン等、定着剤として、塩化アルミニウム、硫酸バンド等の水溶性アルミニウム塩等、pH調節剤として、苛性ソーダ、炭酸ソーダ、硫酸等を、その他特開昭63−204251号公報、特開平1−266537号公報等に記載もしくは例示の着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などを適宜組み合せて含有せしめるのが有利である。
また、本発明で用いられる紙基質中あるいは紙基質上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイド又はラテックス、帯電防止剤、添加剤からなる組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体およびそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組合せて含有せしめるのが有利である。
本発明で用いられる紙基質の厚みに関しては、特に制限はないが、その坪量は50〜250g/m2のものが好ましい。
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側と反対の紙基質面は、フィルム形成能ある樹脂で被覆されることができる。フィルム形成能ある樹脂としては、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂などの熱可塑性樹脂が好ましく、中溶融押し出しコーティング性の点から前記したポリオレフィン樹脂が更に好ましく、ポリエチレン樹脂が特に好ましい。また、特公昭60−17104号公報に記載もしくは例示の電子線硬化樹脂で被覆しても良い。また、画像材料用支持体の画像構成層を設ける側と反対の紙基質面のフィルム形成能ある樹脂被覆中にも、画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂層同様に、白色顔料、脂肪酸アミド、脂肪酸金属塩、各種酸化防止剤、ブルー系の顔料や染料、マゼンタ系の顔料や染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。それらの添加剤は、樹脂のマスターバッチにより、あるいはコンパウンドとして含有せしめるのが好ましい。
本発明におけ画像材料用支持体の紙基質の画像構成層を設ける側と反対の面は、フィルム形成能ある樹脂で被覆されるが、その樹脂は表側の樹脂と同様の樹脂が好ましく、その被覆厚さとしては、表側の樹脂と、特にカールバランスを取る範囲で適宜設定するのが好ましく、一般に4〜70μmの範囲が有用であるが、好ましくは6〜45μmの範囲が好ましく、9〜35μmの範囲が特に好ましい。
本発明における画像材料用支持体の紙基質面に樹脂を被覆する方法としては、走行する紙基質上に樹脂組成物を溶融押出機を用いて、そのスリットダイからフィルム状に流延して被覆する、いわゆる溶融押し出しコーティング法によって被覆するのが好ましい。その際、溶融フィルムの温度は270〜330℃であることが好ましい。溶融フィルムの温度が270℃未満の場合、紙基質と被覆樹脂層との接着性に劣るため、好ましくなく、一方、330℃を超える場合、メヤニの発生頻度が多くなるため、好ましくない。
スリットダイとしては、T型ダイ、L型ダイ、フィッシュテイル型ダイのフラットダイが好ましく、スリット開口径は0.1〜2mmであることが望ましい。また、樹脂組成物を紙基質にコーティングする前に、紙基質にコロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すのが好ましい。また、特公昭61−42254号公報に記載のごとく、紙基質に接する側の溶融樹脂組成物にオゾン含有ガスを吹きつけた後に走行する紙基質に樹脂層を被覆することもできる。
また、本発明における画像材料用支持体の紙基質面に樹脂を被覆する場合、樹脂被覆層は、2層以上を同時に押し出す、いわゆる共押し出しコーティング方式、そして逐次、又は連続的に、押し出しコーティングする、いわゆるタンデム押し出しコーティング方式で紙基質を被覆することが好ましく、梨地を発生しない表面性に優れたポリオレフィン樹脂被覆層を得られることより、タンデム押し出しコーティングすることが更に好ましい。これらの方式でコーティングすることによって、横段ムラや梨地を発生することなく、より高速加工を行うことができる。
本発明における紙基質の走行速度としては、より高速で加工可能であることが特徴である。加工時の走行速度が、高速になるに従って、一定量の被覆樹脂層を紙基質面に設けるためには、押し出しスクリューの回転数を上げて、溶融樹脂の押し出し量を多くしなければならない。そのため、走行速度が速くなるにつれて、溶融樹脂の剪断応力は高くなり、その結果、メヤニの発生頻度が多くなる。150m/min以下の比較的低速領域の走行速度では、メヤニの発生頻度が少なくても、走行速度がより高速になると、メヤニの発生頻度が多くなるケースがある。本発明においては、より高速での加工が可能であり、具体的には、270m/min以上でその効果が著しく現れ、発明の効果発現の観点から、350m/min以上、更には400m/min以上のの高速度で運転することが更に好ましい。
本発明における画像材料用支持体の画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂層面には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施すことができる。更にこれらの活性化処理後、画像構成層との接着力の向上、画像構成層を塗設する際に生じる塗設ムラの解消、そして画像構成層塗設後の画像材料の光沢感の付与などのために、画像構成層を設ける側のポリオレフィン樹脂面に下引き層を施すことができる。
下引き層に使用されるゼラチンは、下引き層上に塗設される画像構成層に悪影響を及ぼさない限り、どのような種類のものであっても良い。例えば、ゼラチンは、骨から抽出されたものであっても良く、あるいは、皮から抽出されたものであっても良い。また、ゼラチン抽出方法は、酸性法であっても良く、アルカリ法であっても良い。更にゼラチンの物性についても格別の限定はなく、例えば、そのゼリー強度については、下引き層として一般的に用いたれる水準にあれば良く、また、例えば、その粘度は、下引き層として一般的に用いられるものと同程度のものであれば良い。
また、下引き層は、前述のように、ゼラチンを主成分とするもので、その他に、必要に応じて、硬膜剤、界面活性剤、増粘剤、白色顔料、マット化剤、消泡剤、耐電防止剤、カブリ防止剤などの添加剤を含んでも良い。
下引き層をポリオレフィン樹脂面上に設ける方法としては、走行する紙基質面にポリオレフィン樹脂を被覆した後、巻き取るまでの間に写真構成層を設ける側の樹脂面上に、下引き塗液を塗設・乾燥して下引き層を設ける、いわゆるオンマシン法で行うのが好ましい。また、樹脂被覆紙を巻き取ってから、必要に応じて巻取りを貯蔵後、新ためて下引き層を設ける、いわゆるオフマシン法で行うこともできる。下引き塗液を塗設する装置としては、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ワイヤーバーコーター、ブレードコーター、スライドホッパーコーター、カーテンコーター、グラビアコーター、フレキソグラビアコーターおよびそれらの組合せ等があげられる。塗設に際しては塗設に先立ち、樹脂面をコロナ放電処理、火炎処理等の活性化処理を施しておくことが望ましい。塗設された塗液の乾燥装置としては直線トンネル乾燥機、アーチドライヤー、エアーループドライヤー、サインカーブエアーフロートドライヤー等の熱風乾燥機、赤外線、加熱ドライヤー、マイクロ波等を利用した乾燥機等各種乾燥装置をあげることができる。また、乾燥条件は任意であるが、一般には60℃〜150℃で数秒〜10分で行われる。
本発明における画像材料用支持体の裏樹脂層面上には、コロナ放電処理、火炎処理などの活性化処理を施した後、帯電防止等のために各種のバックコート層を塗設することができる。また、バックコート層には、特公昭52−18020号、特公昭57−9059号、特公昭57−53940号、特公昭58−56859号、特開昭59−214849号、特開昭58−184144号等の各公報に記載もしくは例示の無機帯電防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテックス、硬化剤、顔料、界面活性剤等を適宜組合せて含有せしめることができる。
また、本発明で用いられる紙基質中あるいは紙基質上には、各種の水溶性ポリマーもしくは親水性コロイド又はラテックス、帯電防止剤、添加剤からなる組成物をサイズプレスもしくはタブサイズプレスあるいはブレード塗工、エアーナイフ塗工などの塗工によって含有あるいは塗設せしめることができる。水溶性ポリマーもしくは親水性コロイドとして、特開平1−266537号公報に記載もしくは例示の澱粉系ポリマー、ポリビニルアルコール系ポリマー、ゼラチン系ポリマー、ポリアクリルアミド系ポリマー、セルロース系ポリマーなど、エマルジョン、ラテックス類として、石油樹脂エマルジョン、特開昭55−4027号公報、特開平1−180538号公報に記載もしくは例示のエチレンとアクリル酸(又はメタクリル酸)とを少なくとも構成要素とする共重合体のエマルジョンもしくはラテックス、スチレン−ブタジエン系、スチレン−アクリル系、酢酸ビニル−アクリル系、エチレン−酢酸ビニル系、ブタジエン−メチルメタクリレート系共重合体およびそれらのカルボキシ変性共重合体のエマルジョンもしくはラテックス等、帯電防止剤として、塩化ナトリウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、塩化カルシウム、塩化バリウム等のアルカリ土類金属塩、コロイド状シリカ等のコロイド状金属酸化物、ポリスチレンスルホン酸塩等の有機帯電防止剤など、顔料として、クレー、カオリン、炭酸カルシウム、タルク、硫酸バリウム、二酸化チタンなど、pH調節剤として、塩酸、リン酸、クエン酸、苛性ソーダなど、そのほか前記した着色顔料、着色染料、蛍光増白剤などの添加剤を適宜組合せて含有せしめるのが有利である。
本発明における画像材料用支持体は、各種の写真構成層が塗設されたカラー画像材料用、白黒画像材料用、写植印画紙用、電算写植印画紙用、レーザー光感光印画紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡散転写法ネガ用およびポジ用に用いることができる。また、インク受像層が塗設されたインクジェット記録方式に使用される記録・画像材料用や電子写真用と言った印刷材料用等各種の用途に用いることができる。
例えば、写真構成層が塗設された画像材料用の場合、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃臭化銀感光乳剤層を設けることができる。ハロゲン化銀感光乳剤層にカラーカプラーを含有せしめて、多層ハロゲン化銀カラー写真構成層を設けることができる。また、銀塩拡散転写法用写真構成層を設けることができる。それらの写真構成層の結合剤としては、通常のゼラチンの他に、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、多糖類の硫酸エステル化合物などの親水性高分子物質を用いることができる。また、上記の写真構成層には各種の添加剤を含有せしめることができる。例えば、増感色素として、シアニン色素、メロシアニン色素など、化学増感剤として、水溶性金化合物、硫黄化合物など、カブリ防止剤もしくは安定剤として、ヒドロキシートリアゾロピリミジン化合物、メルカプト複素環化合物など、硬膜剤としてホルマリン、ビニルスルフォン化合物、アジリジン化合物など、塗布助剤として、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、スルホコハク酸エステル塩など、そのほか蛍光増白剤、鮮鋭度向上色素、帯電防止剤、pH調製剤、更にハロゲン化銀の生成・分散時に水溶性イリジウム、水溶性ロジウム化合物などを適宜組合せて含有せしめることができる。
また、電子写真方式に使用される画像材料用支持体の場合、導電性下塗層および受像層を設けることができる。導電性下塗層には、トナー転写性や画質向上のために、帯電防止剤や導電性金属酸化物粒子、結合剤を用いることができる。帯電防止剤としては、アルキルリン酸エステル塩、アルキル硫酸エステル塩、スルホン酸ナトリウム塩、第四級アンモニウム塩等の公知の材料を使用することができる。導電性金属酸化物粒子としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al23、SiO3、MgO等の公知の材料を、単独もしくは、これらの複合酸化物を使用することができる。結合剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、水溶性ポリエステル、水溶性ナイロン、水溶性エポキシ樹脂、ゼラチン等の水溶性ポリマーや水分散アクリル樹脂、水分散ポリエステル等の水分散型樹脂、あるいは、アクリル樹脂エマルジョン、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等のエマルジョン、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の有機溶剤可溶型樹脂を用いることができる。また、受像層には、転写された未定着トナー像を加熱、加圧により定着させる機能を有する熱可塑性樹脂を単独で、又は他のバインダー物質、あるいは界面活性剤や金属酸化物等の帯電防止剤を含有して用いることができる。受像層に用いる熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリレート樹脂、更には、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、および、これらの混合物、あるいは共重合体等を使用することができる。
また、インクジェット記録方式に使用される画像材料用の場合、二酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、アルミナ又はアルミナ水和物もしく湿式法あるいは気相法により製造された合成シリカ微粒子と言った無機微粒子を用いたインク受容層を設けることができる。また、インク受容層の皮膜としての特性を維持するために、完全又は部分ケン化のポリビニルアルコール又はカチオン変性ポリビニルアルコールバインダーなどの親水性バインダーを用いることができる。インク受容層には、インク中の色材の定着性を上げ、発色性を更に向上させるために、1級〜3級アミン塩型の化合物、第4級アンモニウム塩型の化合物、ピリジニウム塩型の化合物、イミダゾリン型カチオン性化合物などのカチオン性物質を含有させたり、耐水性、ドット再現性を向上させる目的で、ポリビニルアルコールの硬膜剤を添加することができる。更に、インク受容層には、界面活性剤、硬膜剤の他に着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の各種添加剤を適宜組合せて含有せしめることができる。
以下に実施例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されるものでない。なお、実施例中の「%」および「部」は特に断りのない限り、それぞれ「質量%」および「質量部」を示す。実施例および比較例に記載した物性の測定方法を以下に示した。
(1)密度(d、単位:kg/m3):JIS K6760に規定された方法に従って測定した。
(2)メルトフローレート(MFR、単位:g/10min):JIS K6760に規定された方法に従い、荷重2.16kg、温度190℃で測定した。
(3)ダイスウェル値:東洋精機製キャピラリーレオメーターを使用した。250℃で溶融した試料を直径0.5mm、長さ5mmのオリフィスから、剪断速度を486sec-1で押し出し、その時のストランドの直径D1を付属のレーザー径測定装置により測定した。ストランドの直径D1とオリフィスの直径D0の比、D1/D0を求め、ダイスウェル値とした。
(実施例1〜7および比較例1〜6)
広葉樹漂白クラフトパルプ60質量%、広葉樹漂白サルファイトパルプ30質量%および針葉樹漂白サルファイトパルプ10質量%からなる混合パルプをフリーネス(CSF)が375mlになるように叩解後、パルプ100質量部に対して、カチオン化澱粉3質量部、アニオン化ポリアクリルアミド0.3質量部、アルキルケテンダイマー乳化物(ケテンダイマー分として)0.3質量部、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂0.4質量部および適当量の蛍光増白剤、青色染料、赤色染料を添加して紙料スラリーを調製した。
その後、紙料スラリーを250m/minで走行している長網抄紙機にのせ適切なタービュレンスを与えつつ紙匹を形成し、ウェットパートで15kg/cm〜100kg/cmの範囲で線圧が調節された3段のウェットプレスを行った後、スムージングロールで処理し、引き続く乾燥パートで乾燥した。
その後、乾燥の途中で、以下の配合のサイズプレス液を絶乾塗布量が片面2.5g/m2となるように、ゲートロールコーターにてサイズプレスし、水分が絶乾水分率で8質量%になるように、更に赤外線と熱風で加熱し、その後ドラムドライヤーで乾燥した。
<サイズプレス液配合>カルボキシ変性ポリビニルアルコール4質量部、蛍光増白剤0.05質量部、青色染料0.002質量部、塩化ナトリウム3質量部および水92質量部
次に、画像構成層を塗設する側とは反対側の紙基質面(裏面)をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(密度930kg/m3、MFR=2g/10min)40質量部と高密度ポリエチレン樹脂(密度960kg/m3、MFR=20g/10min)60質量部からなるコンパウンド樹脂組成物を樹脂温310℃で23μmの厚さで溶融押し出しコーティングした。
引き続き、紙基質の表面をコロナ放電処理した後、低密度ポリエチレン樹脂(A)80質量部と二酸化チタン顔料のマスターバッチ(低密度ポリエチレン樹脂(B)50質量%、含水酸化アルミニウム(対二酸化チタンに対してAl23分として0.75質量%)で表面処理したアナターゼ型二酸化チタン含量47.5質量%およびステアリン酸亜鉛2.5質量%から構成されるもの)20質量部からなる樹脂組成物を30μmの厚さになるように、クーリングロールを用いて、加工速度350m/minにて、315℃で溶融押し出し被覆し、画像材料用支持体を得た。
以上のようにして得られた画像材料用支持体のメヤニ、ネックイン、接着性の評価方法としては、以下に記載の方法で評価した。
(メヤニ)溶融押出開始から1時間後のメヤニに起因する全幅試料中の汚れスジを視覚的に判定して評価した。
◎:メヤニに起因する汚れスジの発生がほとんどなく良好。
○:メヤニに起因する汚れスジの発生が少なく無く良好。
△:メヤニに起因する汚れスジの発生が「○」よりも、やや多いが、効果が認められる。
×:メヤニに起因する汚れスジの発生が多くて、実用上問題がある。
(ネックイン)モダンマシナリー株式会社製のラミネート用押出機装置に、Tダイを装着し、樹脂温度315℃、ラミネート速度350m/min、エアーギャップ300mmの条件で、ポリエチレン樹脂層厚さが30μmになるように押出コーティングした。この時のTダイ幅を450mmに固定し、紙基質上にラミネートされたポリエチレン樹脂被覆層の幅との差を測定して、ネックインの評価を行った。評価基準としては、以下の通りである。
◎:ネックインの発生が非常に小さく良好。
○:ネックインの発生が小さく良好。
△:ネックインの発生が「○」よりも、やや大きいが、効果は認められる。
×:ネックインの発生が顕著であり、実用上問題がある。
(紙基質と被覆樹脂層との接着性評価)画像材料用支持体の紙基質と画像形成側の面の被覆樹脂層との接着性の評価方法としては、各試料を50℃、60%RHの恒温恒湿槽に1日間保存した後、試料の紙基質層と被覆樹脂層とを剥離し、剥離した樹脂層に付着した紙基質層の面積率を測定することにより、紙基質と画像形成側の面の被覆樹脂層との接着性を評価した。評価基準としては、以下の通りである。
◎:面積率が100%であり、接着性が非常に良好。
○:面積率が100%未満で90%以上であり、接着性が良好。
△:面積率が90%未満で80%以上であり、接着性が「○」よりも、やや劣るが、効果は認められる。
×:面積率が80%未満であり、接着性が悪く、実用上問題がある。
(不透明性評価)画像材料用支持体の画像形成側の面の被覆樹脂層側の不透明度の評価方法としては、各試料を50℃、60%RHの恒温恒湿槽に1日間保存した後、視覚的に見た目の不透明性を検定した。評価基準としては、以下の通りである。
◎:不透明性が非常に良好。
○:不透明性が良好。
△:不透明性が「○」よりも、やや劣るが、効果は認められる。
×:不透明性が悪く、実用上問題がある。
表1に示すMFR、密度、ダイスウェル値を持つ低密度ポリエチレン樹脂(A)と低密度ポリエチレン樹脂(A)と同じ樹脂物性を持つ低密度ポリエチレン樹脂(B)を用いて、実施例1〜7、比較例1〜6の画像材料用支持体を得た。得られた結果を表1に示す。
Figure 2005173370
上記表1より、実施例1〜7に示す通り、本発明の画像材料用支持体は、メヤニの発生頻度、ネックイン、被覆樹脂層と紙基質との接着性に優れることがわかる。一方、比較例1〜6に示したように、被覆樹脂層のポリオレフィン樹脂層が本発明の範囲外の場合、本発明の画像材料用支持体に比べて、メヤニの発生頻度、ネックイン、被覆樹脂層と紙基質との接着性の何れかが大きく劣ることがわかる。
(実施例8〜12)
MFRが6g/min、密度が925kg/m3、ダイスウェル値が1.50の低密度ポリエチレン樹脂(A)と二酸化チタン顔料のマスターバッチ(低密度ポリエチレン樹脂(A)と同じ樹脂物性を持つ低密度ポリエチレン樹脂(B)50質量%、含水酸化アルミニウムで表面処理したアナターゼ型二酸化チタン47.5質量%とステアリン酸亜鉛2.5質量%からなるもの)を用いて、表2に示す配合比率で画像材料用支持体を作成し、実施例8〜12を得た。得られた結果を表2に示す。
Figure 2005173370
上記表2より、実施例8〜12に示す通り、ポリオレフィン樹脂層中にポリオレフィン樹脂40〜90質量%、二酸化チタン顔料10〜60質量%を含有し、その総和が100質量%とした場合、メヤニの発生頻度と得られた画像材料用支持体の不透明性が特に優れることがわかる。
(実施例13〜18)
MFRが6g/min、密度が925kg/m3、ダイスウェル値が1.50の低密度ポリエチレン樹脂(A)と二酸化チタン顔料のマスターバッチ(表3に示す樹脂物性を持つ低密度ポリエチレン樹脂(B)50質量%、含水酸化アルミニウムで表面処理したアナターゼ型二酸化チタン47.5質量%とステアリン酸亜鉛2.5質量%からなるもの)を用いて画像材料用支持体を作成し、実施例13〜18を得た。得られた結果を表3に示す。
Figure 2005173370
上記表3より、実施例13〜18に示す通り、マスターバッチ作成時に使用する低密度ポリエチレン樹脂(B)のMFRが1〜20g/min、密度が900〜940kg/m3、ダイスウェル値が1.3〜1.7の範囲にある場合、メヤニの発生頻度、ネックイン、被覆樹脂と紙基質との接着性の各評価において、総合的に良好な画像材料用支持体が得られることがわかる。
(実施例19〜21および比較例7〜9)
MFRが6g/min、密度が925kg/m3、ダイスウェル値が1.50の低密度ポリエチレン樹脂(A)80質量部と二酸化チタン顔料のマスターバッチ(低密度ポリエチレン樹脂(A)と同じ樹脂物性を持つ低密度ポリエチレン樹脂(B)50質量%、含水酸化アルミニウムで表面処理したアナターゼ型二酸化チタン47.5質量%とステアリン酸亜鉛2.5質量%からなるもの)20質量部からなる樹脂組成物を30μmの厚さになるように、クーリングロールを用いて、表4に示す各加工速度にて315℃で溶融押し出し被覆し、画像材料用支持体を作成し、実施例19〜21を得た。また、MFRが6g/10min、密度が950kg/m3、ダイスウェル値が1.50の低密度ポリエチレン樹脂(A)80質量部と二酸化チタン顔料のマスターバッチ(低密度ポリエチレン樹脂(A)と同じ樹脂物性を持つ低密度ポリエチレン樹脂(B)50質量%、含水酸化アルミニウムで表面処理したアナターゼ型二酸化チタン47.5質量%とステアリン酸亜鉛2.5質量%からなるもの)20質量部からなる樹脂組成物を30μmの厚さになるように、クーリングロールを用いて、表4に示す各加工速度にて315℃で溶融押し出し被覆し、画像材料用支持体を作成し、比較例7〜9を得た。
Figure 2005173370
上記表4より、実施例19〜21に示す通り、本発明の画像材料用支持体の場合、350m/min以上の高速加工領域においても、メヤニの発生頻度、ネックイン、被覆樹脂と紙基質との接着性の各評価において、良好な画像材料用支持体が得られることがわかる。
本発明の画像材料用支持体は、高速でラミネート加工を行っても、メヤニによる製品欠点が少なく、また、押し出しコーティングする際のネックインおよび紙基質との接着性に優れており、各種の写真構成層が塗設されたカラー画像材料用、白黒画像材料用、写植印画紙用、電算写植印画紙用、レーザー光感光印画紙用、複写印画紙用、反転写真材料用、銀塩拡散転写法ネガ用およびポジ用に用いることができる。また、インク受像層が塗設されたインクジェット記録方式に使用される記録・画像材料用や電子写真用と言った印刷材料用等各種の用途に用いることができる。

Claims (5)

  1. 天然パルプを主成分とする紙を基質として、その一方の紙基質面がフィルム形成能ある樹脂で被覆され、その反対側の画像構成層を設ける側の紙基質面が、二酸化チタン顔料を含むポリオレフィン樹脂層で被覆された画像材料用支持体において、該ポリオレフィン樹脂層が、メルトフローレイト(MFR)が1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が、1.3〜1.7であるポリオレフィン樹脂を用いてなることを特徴とする画像材料用支持体。
  2. 画像構成層を設ける側の紙基質面を被覆したポリオレフィン樹脂層が、ポリオレフィン樹脂40〜90質量%、二酸化チタン顔料10〜60質量%の範囲内で含有し、該ポリオレフィン樹脂と該二酸化チタン顔料の総和が、100質量%以下となることを特徴とする請求項1記載の画像材料用支持体。
  3. ポリオレフィン樹脂が、ポリエチレン樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の画像材料用支持体。
  4. 一方の紙基質面をフィルム形成能ある樹脂で被覆し、その反対側の画像構成層を設ける側の紙基質面をポリオレフィン樹脂で複数層被覆する画像材料用支持体の製造方法において、予め二酸化チタン顔料をポリオレフィン樹脂中に含有せしめたマスターバッチ、あるいはコンパウンドを用いて、二酸化チタン顔料を被覆用のポリオレフィン樹脂中に含有せしめる方法であって、該マスターバッチあるいは該コンパウンドを希釈するのに用いるポリオレフィン樹脂(A)と該マスターバッチあるいは該コンパウンドの製造に用いるポリオレフィン樹脂(B)の両者が、メルトフローレイトが1〜20g/10min、密度が900〜940kg/m3、および温度250℃、剪断速度486sec-1の条件で測定した時のダイスウェル値が、1.3〜1.7であることを特徴とする画像材料用支持体の製造方法。
  5. 該ポリオレフィン樹脂層を、270〜330℃で押し出しコーティングすることを特徴とする請求項4記載の画像材料用支持体の製造方法。
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