JPH10102575A - 糞尿汲取車 - Google Patents

糞尿汲取車

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JPH10102575A
JPH10102575A JP25677996A JP25677996A JPH10102575A JP H10102575 A JPH10102575 A JP H10102575A JP 25677996 A JP25677996 A JP 25677996A JP 25677996 A JP25677996 A JP 25677996A JP H10102575 A JPH10102575 A JP H10102575A
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JP
Japan
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vacuum pump
water
manure
wet vacuum
tank
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Application number
JP25677996A
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English (en)
Inventor
Akio Taya
昭夫 田谷
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SUIKAN GIKEN KK
Original Assignee
SUIKAN GIKEN KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糞尿汲取車の汲取運転時等に発生する悪臭有
害成分は、全て糞尿から減圧のために蒸発放散したもの
であり、本来的に水溶性であることに着目し、真空ポン
プとして湿式真空ポンプを使用し、糞尿タンク内部を排
気減圧する際に、悪臭有害成分と湿式真空ポンプの循環
水との十分な気液接触を図り、悪臭有害成分を循環水に
溶け込ませて脱臭し、悪臭有害成分が周囲環境に放出さ
れないようになすとともに、悪臭有害成分が多量に溶け
込んだ循環水を交換するだけの簡単な処置によって常に
脱臭機能を回復できる糞尿汲取車を提供する。 【解決手段】 真空ポンプとして湿式真空ポンプ2を使
用するとともに、該湿式真空ポンプの吐出管路7に循環
水3Aの貯水手段3を介在し、前記湿式真空ポンプから
排出気体と水を貯水手段の水面下にバブリングさせなが
ら吐出するとともに、貯水手段内の循環水を湿式真空ポ
ンプに補給し、糞尿の悪臭有害成分を循環水に溶け込ま
せて脱臭してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汲取運転時に周囲
環境へ悪臭有害成分が排出されるのを防止する機能を有
する糞尿汲取車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の糞尿汲取車は、糞尿タンクから大
気に通じる配管系に介装した油潤滑式真空ポンプを運転
し、吸排切換コックを操作することにより、前記糞尿タ
ンク内部の気相部を吸排切換コック、吸引管路、真空ポ
ンプ、吐出管路、吸排切換コック、排気筒へ排気し糞尿
タンク内部を減圧状態にして糞尿を吸引する汲取運転及
び排気筒から外気を吸排切換コック、吸引管路、真空ポ
ンプ、吐出管路、吸排切換コック、糞尿タンクへ吸気し
糞尿タンク内部を加圧状態にして糞尿を排出する排出運
転を行う構造のものが一般的である。ここで、汲取運転
時及びその準備作業、後処理作業全てで真空ポンプが運
転されているため、糞尿タンク内部の悪臭有害成分も同
時に排気されるが、この悪臭有害成分を除去するために
排気筒に脱臭器、更には補助セパレータも取付けてい
る。
【0003】前述の脱臭器の脱臭剤には、物理吸着タイ
プのもの又は化学反応タイプのもの、あるいは両者を併
用したものが用いられるが、前者の脱臭剤は再生処理が
面倒であり、後者の脱臭剤は化学反応の進行に伴って脱
臭性能が劣化するので、共に取り替え型のものである。
しかし、前述の脱臭剤は共に高価且つ汚れたものを取り
替える作業が面倒なため、更に脱臭すべき悪臭成分の量
が多すぎて、脱臭効果がすぐ無くなるために交換も怠り
がちで、糞尿汲取車による汲取運転時には、悪臭有害成
分が野放しの状態で周囲の環境に放出されている地域も
多い。
【0004】また、油潤滑式真空ポンプを使用している
ことから、排気中に含まれる油分を油分離器及び油清浄
器、油配管を別途設けて回収する必要があり、配管が複
雑になってコスト高となるばかりでなく、水蒸気や悪臭
成分の凝縮分が油中に混じり、油の劣化を早めたり、排
気筒周辺を汚したりする。特に、油分離器に溜まる凝縮
水は1日1回抜かなければならず、劣化した油の交換は
週1回しなければならず、悪臭を発するこれらの処理
は、作業員に苦痛を強いるものである。更に、糞尿タン
クを排気する際に発生する泡が配管を通って真空ポンプ
に流入しないように、糞尿タンクの泡止め装置付きの主
マンホールと配管の途中に泡切りセパレーターを設けて
いるが、食生活習慣の違いからこの二段の泡止め、泡切
りを通過するほどに消えにくい泡を発生する地域があ
り、この泡が油潤滑式真空ポンプ内に入ると、接触部で
油切れを起こして故障の原因となり易い。
【0005】そこで、実公平4−2229号公報にて開
示されるような脱臭装置を設けた糞尿汲取車が提案され
た。即ち、この公報記載の脱臭装置は、水溶性の脱臭剤
を選択し、脱臭剤を溶かした水で運転できる水循環式真
空ポンプに油潤滑式真空ポンプを置き換えることで、悪
臭排気が水循環式真空ポンプの循環管路を流通する際に
脱臭しようというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
公報記載の脱臭装置は、(1)水溶性で、多種類の悪臭
有害成分に有効で、安価な脱臭剤がない、あるいは脱臭
が難しいこと、(2)湿式真空ポンプにおいては、補給
水量は吸込ガス容積量の0.05〜0.5%程度の小さ
な比率であるため、真空ポンプ内部や吸排気管内で気水
接触が起こるにしても、瞬間的並流でもあるために、気
体の全てが吐出側でも僅か数%以下の容積の水に十分に
接触することは有り得ず、極めて高濃度の脱臭剤を用い
ても良い脱臭率が得られないこと、(3)高濃度の脱臭
薬品を含んだ水の廃水処理も極めて困難で高価につくこ
と、等の実用化のために解決しなければならない新たな
問題が山積し、未だ実用化されていない。
【0007】そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決
しようとするところは、糞尿汲取車の汲取運転時に発生
する悪臭有害成分は、全て糞尿から減圧のために蒸発放
散したものであり、本来的に水溶性であることに着目
し、真空ポンプとして湿式真空ポンプを使用し、糞尿タ
ンク内部を排気減圧する際に、悪臭有害成分と湿式真空
ポンプの循環水との十分な気液接触を図り、悪臭有害成
分を循環水に溶け込ませて脱臭し、悪臭有害成分が周囲
環境に放出されないようになすとともに、悪臭有害成分
が多量に溶け込んだ循環水を交換するだけの簡単な処置
によって常に脱臭機能を回復できる糞尿汲取車を提供す
る点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題解
決のために、糞尿汲取車の糞尿タンクから大気に通じる
配管系に介装した真空ポンプを運転し、吸排切換コック
を操作することにより、前記糞尿タンク内部の気相部を
吸排切換コック、吸引管路、真空ポンプ、吐出管路、吸
排切換コック、排気筒へ排気し糞尿タンク内部を減圧状
態にして糞尿を吸引する汲取運転及び排気筒から外気を
吸排切換コック、吸引管路、真空ポンプ、吐出管路、吸
排切換コック、糞尿タンクへ吸気し糞尿タンク内部を加
圧状態にして糞尿を排出する排出運転を行うものにおい
て、前記真空ポンプとして湿式真空ポンプを使用すると
ともに、該湿式真空ポンプの吐出管路に循環水の貯水手
段を介在し、前記湿式真空ポンプから排出気体と水を貯
水手段の水面下にバブリングさせながら吐出するととも
に、貯水手段内の循環水を湿式真空ポンプに補給し、糞
尿の悪臭有害成分を循環水に溶け込ませて脱臭してなる
糞尿汲取車を構成した。
【0009】尚、本発明でいう湿式真空ポンプとは、水
及び水溶液を冷却、内部漏れ止めのために使う真空ポン
プのことであり、水リングポンプ、湿式ルーツ等があ
り、また水を吸わせても故障し難い真空ポンプも該当す
る。
【0010】ここで、前記貯水手段が、湿式真空ポンプ
から立ち上がった吐出管路の断面積を大きくした管路部
分又は湿式真空ポンプの吐出管路に介在させた水タンク
である。更に、前記貯水手段が、湿式真空ポンプの吐出
管路に並列接続して介在させた立上り管と水タンクであ
り、立上り管と水タンクのそれぞれの液相部と気相部と
を互いに連通させ且つ前記湿式真空ポンプから排出気体
と水を立上り管の底部にバブリングさせながら吐出する
とともに、水タンク内の循環水を湿式真空ポンプに補給
してなることがより好ましい。
【0011】また、前記貯水手段の水面下に多数の細孔
を有する気泡噴出体を配設し、該気泡噴出体を前記湿式
真空ポンプの吐出管路に接続し、バブリングを行って気
液接触を図っている。
【0012】更に、前記水タンクの上部であって吸排切
換コックに接続した吐出管路に連通する位置にワイヤー
デミスターを配設し、バブリングによって発生するミス
トを分離し、分離水を循環水として復流してなることが
好ましい。
【0013】先ず、糞尿の汲取運転時には、糞尿タンク
内の悪臭排気が配管系から湿式真空ポンプを通ってその
循環水とともに貯水手段の水面下にバブリングさせなが
ら吐出される。悪臭有害成分を含む排気は、大量の水
と、十分な接触面積を持って接触し、もともと水溶性の
気体ばかりであるから水に溶け込み、そして残った空気
のみが貯水手段の上部から配管系を通って排気筒より排
出される。一方、糞尿の排出運転時にも循環水を流動さ
せながら、湿式真空ポンプと吐出管路、貯水手段及び補
給管路からなる循環管路に、大気からの空気を配管系か
ら循環管路、再び配管系を通って糞尿タンク内に流入さ
せて、糞尿タンク内を加圧状態とするのである。
【0014】ここで、悪臭成分は多種類であっても全て
が水溶性であって、水に溶け込んでいたものであるが、
糞尿タンクに吸引時、糞尿タンク内が大気圧の1/10
〜1/20に減圧されているために、蒸発放散したもの
であり、これらは全て、大気圧下で十分な量の清水に十
分な接触面積を持たせて接触させれば100%近く吸収
させることができる。
【0015】そして、1日あるいは半日の汲み取り、排
出の全作業終了時に、貯水手段(立上り管、水タンク)
内の悪臭、有害成分を吸収して汚れた水を下水に流し、
合わせて湿式真空ポンプのドレン水を抜き、次に水道水
を給水すれば、それで洗浄及び翌日(又は後日)の作業
準備が完了し、次の吸引時の脱臭は清水からスタートで
きる。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明に係る糞尿汲取車の
実施形態を添付図面に基づき更に説明する。図1は、本
発明の糞尿汲取車の全体構成図を示し、図2〜図5は実
用機により近い実施形態を示し、図中1は糞尿タンク、
2は湿式真空ポンプ、3は貯水手段、4は吸排切換コッ
ク、5は配管系をそれぞれ示している。
【0017】本発明に係る糞尿汲取車は、図1に示すよ
うに、糞尿タンク1から大気に通じる配管系5に介装し
た湿式真空ポンプ2を運転し、吸排切換コック4を操作
することにより、前記糞尿タンク1内部の気相部を吸排
切換コック4、吸引管路6、湿式真空ポンプ2、吐出管
路7、吸排切換コック4、排気筒8へ排気し糞尿タンク
1内部を減圧状態にして糞尿を吸引する汲取運転と、排
気筒8から外気を吸排切換コック4、吸引管路6、湿式
真空ポンプ2、吐出管路7、吸排切換コック4、糞尿タ
ンク1へ吸気し糞尿タンク1内部を加圧状態にして糞尿
を排出する排出運転を行うことができるものである。
【0018】そして、本発明は、前記湿式真空ポンプ2
の吐出管路7に循環水3Aの貯水手段3を介在し、該湿
式真空ポンプ2から排出気体と水を貯水手段3の水面下
にバブリングさせながら吐出するとともに、貯水手段3
内の循環水を補給管路9にて湿式真空ポンプ2に補給
し、糞尿の悪臭有害成分を循環水3Aに溶け込ませて脱
臭してなることを特徴としている。尚、本発明では湿式
真空ポンプ2に循環水3Aを補給する補給管路9は、前
記吸引管路6とは別に設けている。その理由は、吸引管
路6に循環水3Aを吸い込ませることは、湿式真空ポン
プ2が圧力損失のため吸気性能が著しく低下すること、
動力増や不安定現象が発生すること等のためである。そ
のため、本発明では循環水3Aの循環管路を、湿式真空
ポンプ2と吐出管路7、貯水手段3及び補給管路9で構
成し、前記吐出管路7は糞尿タンク1から排気する悪臭
有害成分を含む気体と循環水3Aの共通流路となる。
【0019】更に詳しく、第1実施形態を図1及び図2
に基づいて、先ず糞尿の汲取運転を例として説明する。
図1に示した実線の矢印は、汲取運転時における流体の
流れを示している。先ず、前記湿式真空ポンプ2を駆動
すると、前記糞尿タンク1の内部の空気、悪臭有害成分
及び水蒸気を含む気体は、糞尿タンク1に設けた泡止め
装置を備えた主マンホール10を通り、配管11、泡切
りセパレーター12、配管13を流れて吸排切換コック
4に至り、それから吸引管路6を通って湿式真空ポンプ
2で加圧されて吐出管路7Aから貯水手段3としての水
タンク31の水面下に、同伴する少量の循環水3Aとと
もにバブリングさせながら吐出され、水タンク31の気
相部の上部に設けたワイヤーデミスター14を通過し、
吐出管路7Bから吸排切換コック4を介して配管15を
通って排気筒8から外部に排気される。また、前記水タ
ンク31内の循環水3Aは、前記吸引管路6とは別に設
けた補給管路9から湿式真空ポンプ2に補給される。つ
まり、循環水3Aは、水タンク31から補給管路9、湿
式真空ポンプ2及び吐出管路7Aを悪臭有害成分を含む
気体と共に流れて水タンク31に至る循環管路を循環す
るのである。
【0020】ここで、前記糞尿タンク1から排気された
悪臭有害成分を含む気体は、湿式真空ポンプ2の内部の
作動水と、また吐出管路7Aの内部を流動する間に少量
の循環水3Aと瞬間接触するので、水溶性の悪臭有害成
分はある程度は循環水3Aに溶け込むが、脱臭という意
味では全く不完全である。そこで、本発明では、前記吐
出管路7Aから吐出された悪臭有害成分と循環水3Aを
含む流体を、水タンク31に貯溜した循環水3Aの水面
下、好ましくは底部からバブリングさせながら噴出し、
水タンク31に貯溜した循環水3Aと悪臭有害成分とを
十分に気液接触させ、悪臭有害成分を略完全に循環水3
Aに溶け込ませて脱臭するのである。従って、水タンク
31の上部の気相部は殆ど無臭であり、この無臭気体が
前記排気筒8から排気されるのである。
【0021】また、バブリングさせる手段としては、図
1に示したように、水タンク31の底部に多数の細孔1
6A,…を有する気泡噴出体16を配設し、該気泡噴出
体16を前記吐出管路7Aに接続した構造を採用してい
る。この気泡噴出体16は、管状又は筒状あるいは箱状
の側面に細孔16Aを形成したものであるが、吐出管路
7Aから噴出した気泡を遮るように微細なメッシュを配
設することも可能である。
【0022】前記水タンク31に貯溜した循環水3Aの
内部でバブリングさせると、水面上の気相部にはミスト
3Bが多量に含まれているので、前記ワイヤーデミスタ
ー14に接触させて分離し、この分離水を循環水3A中
に復流するのである。このワイヤーデミスター14は、
最小スペースでミスト分離を最も効率良くできるもので
あり、これが本発明でワイヤーデミスター14を採用し
た理由であるが、水タンク31のスペースに余裕があれ
ばデミスターを用いずにミスト分離構造をとっても構わ
ない。また、ワイヤーデミスター14を水タンク31と
分離して設けることも可能であるが、分離水の水タンク
31への回収用配管が別途必要になる。
【0023】また、図1において符号17は吸引管路6
に設けた逆止弁、符号18は水タンク31に設けた水面
計である。
【0024】前記糞尿タンク1の出入口弁19を閉じた
状態あるいは出入口弁19を開放して該出入口弁19に
接続している図示しない吸引ホースの先端を閉じた状態
で、前記湿式真空ポンプ2を運転しつづけると、糞尿タ
ンク1の内部の圧力は、蒸発する水蒸気、糞尿に溶け込
んでいた空気や、糞尿から発生する気体の放散量と湿式
真空ポンプ2の排気能力とが釣り合う真空度となる。こ
の糞尿タンク1の内部が減圧状態で、出入口弁19又は
吸引ホースの先端を汚水槽内で開くと、糞尿タンク1内
の真空度と、糞尿タンク1の内部の液面と汚水槽の液面
の高さの差、との差と、吸引ホース内を糞尿が流れるこ
とで生ずる圧力損失が等しくなるような流速で糞尿が糞
尿タンク1内に吸引される。この場合は液体輸送とな
る。また、汚水槽の内部の糞尿が残り少なくなると、大
量の空気を吸い込みながら吸引ホース内では空気輸送に
よって糞尿が糞尿タンク1内に吸引される。この空気輸
送による吸引時には、悪臭有害成分を含んだ大量の気体
の脱臭処理が必要となるが、本発明では貯水手段3に貯
溜された多量の循環水3Aと気液接触を十分に行って循
環水3Aに悪臭有害成分を溶け込ませるので、その処理
能力は十分備えている。更に、次の汲取作業の準備のた
めの荒引時にも大量の空気を湿式真空ポンプ2は排出す
るが、これにも悪臭有害成分が含まれており、また汲取
待機中の十分に真空度が上がった状態では、水蒸気を主
体として大量の悪臭有害成分が含まれる。本発明の糞尿
汲取車はこれらの両方の処理能力を十分に持っている。
【0025】一方、前記糞尿タンク1の内部の糞尿を排
出する排出運転は、前記吸排切換コック4を切り換える
ことによって、外気を排気筒8から逆に吸い込んで湿式
真空ポンプ2によって加圧された気体を糞尿タンク1に
圧送し、該糞尿タンク1の内部を加圧状態にして糞尿を
出入口弁19から排出するのである。この排出運転時の
流体の流れを点線の矢印で示している。
【0026】尚、本実施形態では、悪臭有害成分を含む
気体と循環水3Aとを接触させる貯水手段3として水タ
ンク31を用いた例を示したが、湿式真空ポンプ2から
立ち上がった吐出管路7の断面積を大きくした管路部分
で構成しても良い。しかし、貯水手段3として吐出管路
7の管路部分を利用するものは、気液接触が水タンク3
1を用いる場合ほど十分ではなく、そのため脱臭性能が
若干劣る。
【0027】図2は、図1と原理的に同じ実施形態で、
より実用機に近い糞尿汲取車の要部を示し、前記糞尿タ
ンク1と水タンク31とを一体化した構造のものであ
る。そして、水タンク31の循環水3Aの中でバブリン
グを発生させると、水面上の気相部に多量のミスト3B
が発生するので、水タンク31の気相部の上部にワイヤ
ーデミスター14を設けている(図2参照)。また、ワ
イヤーデミスター14等のデミスターを用いない場合に
は、図3に示すように、前記水タンク31の内部の気相
部に仕切板20を傾斜させて配し、該仕切板20の傾斜
上端は水タンク31の内面に密閉し、傾斜下端は水面上
に位置させ、該仕切板20の下方に前記気泡噴出体16
を配して、発生したミスト3Bを仕切板20の下方に制
限するとともに、該仕切板20の上方位置に吐出管路7
Bに連続するL型管21を配したものである。その他の
構成は、図1に示したものと同様であるので、同一構成
には同一符号を付してその説明は省略する。
【0028】また、第2実施形態を図4及び図5に基づ
いて説明する。本実施形態の特徴は、前記貯水手段3
が、湿式真空ポンプ2の吐出管路7に並列接続して介在
させた立上り管22と水タンク31であり、立上り管2
2と水タンク31のそれぞれの液相部と気相部とを互い
に連通管23と噴出管24とで連通させ且つ前記湿式真
空ポンプ2から悪臭有害成分を含む排出気体と水を立上
り管22の底部にバブリングさせながら吐出するととも
に、水タンク31内の循環水3Aを湿式真空ポンプ2に
補給管路9から補給する構造にある。この場合、図5に
示すように、前記噴出管24の先端は水タンク31の気
相部の奥深くまで延長し、その噴出口から離れた位置に
前記吐出管路7Bを接続している。こうすることによっ
て、立上り管22の内部でバブリングによって発生した
ミスト3Bが、吐出管路7Bから排出されることを最小
限に抑制できる。また、前記立上り管22の底部には、
バブリングの際により微細な気泡になるように微細なメ
ッシュを気泡の上昇を遮るように配設することも好まし
い。その他の構成は、図1に示したものと同様であるの
で、同一構成には同一符号を付してその説明は省略す
る。
【0029】このように、本発明は、汲取運転時に排気
される悪臭有害成分を、湿式真空ポンプ2の循環水3A
に、バブリングによって気液接触を十分に行って溶け込
ませて脱臭する方式であり、始めは循環水3Aは清水で
あるから、100%近い脱臭率が得られる。そして、汲
取運転を続け循環水3A中の悪臭有害成分の濃度が濃く
なるにつれて、脱臭率が低下するので、1日あるいは半
日単位で循環水3Aを交換することが好ましく、この循
環水3Aの交換によって脱臭性能が更新され、同時に水
循環系路の洗浄もなされることになる。
【0030】
【発明の効果】本発明の糞尿汲取車によれば、真空ポン
プとして湿式真空ポンプを使用し、汲取運転時に排気さ
れる悪臭有害成分を、貯水手段に貯溜した湿式真空ポン
プの循環水に、バブリングによって気液接触を十分に行
って溶け込ませて脱臭するので、高価で且つ交換時に廃
棄、廃水処理が困難な脱臭剤を使わずに、悪臭有害成分
の脱臭除去が容易に且つ効果的にでき、汲取作業におけ
る悪臭を環境へ放出することがなくなり、地域住民の不
快を解消するものである。
【0031】また、多種類の悪臭、有害成分を循環水に
吸収させ、その水を一般水洗便所と同じく、下水に流す
ことができるので、その排水処理が極めて簡単且つ容易
であるため、脱臭性能を回復するための日々の作業が容
易で、しかも管路の洗浄もできる。
【0032】また、油潤滑式真空ポンプを用いた従来の
糞尿汲取車では、油分離器に溜まる凝縮水抜きが1日1
回、劣化した油の交換が週1回、主マンホール、泡切り
セパレーター、油分離器等の分解洗浄を月1回しなけれ
ばならない。悪臭を嗅ぎながらのこれらの作業は作業員
に苦痛を与え、また経費としても大きい。本発明の湿式
真空ポンプ搭載の糞尿汲取車は、単に排水、給水で良
く、また分解洗浄の代わりに水洗で可能あり、メンテナ
ンスが極めて容易となる。
【0033】糞尿タンク内で発生する糞尿気泡が2段階
の泡切りを通過して湿式真空ポンプに吸引されても、湿
式真空ポンプに支障を来すこともなく、大気に放出され
ることもなく、作業終了時に水を入れかえれば十分であ
って油潤滑式真空ポンプのような洗い油によるポンプの
洗浄も不要となり、真空ポンプのメンテナンスも極めて
容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の糞尿汲取車の説明用全体配管図であ
る。
【図2】第1実施形態を示す要部の説明用簡略側面図で
ある。
【図3】同じくワイヤーデミスターを用いないミスト分
離構造の説明用簡略正面図である。
【図4】第2実施形態を示す要部の説明用簡略側面図で
ある。
【図5】同じく説明用簡略正面図である。
【符号の説明】
1 糞尿タンク 2 湿式真空ポンプ 3 貯水手段 3A 循環水 3B ミスト 31 水タンク 4 吸排切換コック 5 配管系 6 吸引管路 7,7A,7B 吐出管路 8 排気筒 9 補給管路 10 主マンホール 11 配管 12 泡切りセパレーター 13 配管 14 ワイヤーデミスター 15 配管 16 気泡噴出体 16A 細孔 17 逆止弁 18 水面計 19 出入口弁 20 仕切板 21 L型管 22 立上り管 23 連通管 24 噴出管

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糞尿汲取車の糞尿タンクから大気に通じ
    る配管系に介装した真空ポンプを運転し、吸排切換コッ
    クを操作することにより、前記糞尿タンク内部の気相部
    を吸排切換コック、吸引管路、真空ポンプ、吐出管路、
    吸排切換コック、排気筒へ排気し糞尿タンク内部を減圧
    状態にして糞尿を吸引する汲取運転及び排気筒から外気
    を吸排切換コック、吸引管路、真空ポンプ、吐出管路、
    吸排切換コック、糞尿タンクへ吸気し糞尿タンク内部を
    加圧状態にして糞尿を排出する排出運転を行うものにお
    いて、 前記真空ポンプとして湿式真空ポンプを使用するととも
    に、該湿式真空ポンプの吐出管路に循環水の貯水手段を
    介在し、前記湿式真空ポンプから排出気体と水を貯水手
    段の水面下にバブリングさせながら吐出するとともに、
    貯水手段内の循環水を湿式真空ポンプに補給し、糞尿の
    悪臭有害成分を循環水に溶け込ませて脱臭してなること
    を特徴とする糞尿汲取車。
  2. 【請求項2】 前記貯水手段が、湿式真空ポンプから立
    ち上がった吐出管路の断面積を大きくした管路部分であ
    る請求項1記載の糞尿汲取車。
  3. 【請求項3】 前記貯水手段が、湿式真空ポンプの吐出
    管路に介在させた水タンクである請求項1記載の糞尿汲
    取車。
  4. 【請求項4】 前記貯水手段が、湿式真空ポンプの吐出
    管路に並列接続して介在させた立上り管と水タンクであ
    り、立上り管と水タンクのそれぞれの液相部と気相部と
    を互いに連通させ且つ前記湿式真空ポンプから排出気体
    と水を立上り管の底部にバブリングしながら吐出すると
    ともに、水タンク内の循環水を湿式真空ポンプに補給し
    てなる請求項1記載の糞尿汲取車。
  5. 【請求項5】 前記貯水手段の水面下に多数の細孔を有
    する気泡噴出体を配設し、該気泡噴出体を前記湿式真空
    ポンプの吐出管路に接続してなる請求項1〜4何れかに
    記載の糞尿汲取車。
  6. 【請求項6】 前記水タンクの上部であって吸排切換コ
    ックに接続した吐出管路に連通する位置にワイヤーデミ
    スターを配設し、バブリングによって発生するミストを
    分離し、分離水を循環水として復流してなる請求項3又
    は4記載の糞尿汲取車。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100941871B1 (ko) 2009-06-30 2010-02-11 차동민 오물 수거탱크의 오물 넘침 방지시스템
JP2011518651A (ja) * 2008-03-20 2011-06-30 フロテック ホールディングス リミテッド ガス処理装置−水潤滑式スクリュー圧縮機
CN109441802A (zh) * 2018-10-18 2019-03-08 东北大学 一种干式真空泵工作系统、吸污工作系统及吸料工作系统

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