JPH10101374A - 防曇性被膜およびその製造方法 - Google Patents
防曇性被膜およびその製造方法Info
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Abstract
優れた防曇性能を発揮し、しかも光触媒活性を持ち合
せ、その性能を長く持続できる防曇性被膜を欠陥なく簡
便に効率よく得る。 【解決手段】 基板の表面に形成した薄膜が、金属アル
コキシド系化合物と平衡水蒸気圧が低い酸化物微粒子お
よび光触媒活性なアナタ−ゼ結晶形のチタニア微粒子を
分散した溶液から成膜してなる複合酸化物膜である防曇
性薄膜。及びその製造方法。
Description
産業用等の窓ガラスなどに用いて好適な防曇性被膜に関
する。
法としては、例えばポリビニルアルコ−ルやポリエチレ
ングリコ−ル、ポリビニルピロリドンなどのポリエチレ
ンオキシドに代表される親水性有機高分子や非イオン系
界面活性剤をガラス表面に塗布処理して親水性表面に処
理するなどの方法がある(例えば、特開昭48−892
78号公報、特開平1−37268号公報)。物理的方
法には、プラズマ処理、レ−ザ−照射処理などの親水化
処理が実用化されているが、一般に処理後短期間では効
果があるが持続性に問題点があるとされている。化学的
方法には、表面にラジカルを発生させ親水性の残基を有
する重合性化合物をグラフト重合させる方法、酸、塩基
性物質などのより表面の結合を切断し親水性の残基に変
化させる方法などが行なわれている。
た物理的な処理による親水性は短期的にしか効果を維持
することができず、またポリエチレンオキシド系有機ポ
リマ−膜は、一般に耐水性および耐久性が十分でなく、
膜の強度も低いものであり、用途によっては実用上十分
なものとは言えない。無機物質からなる被膜は、膜の強
度は比較的高いが親水性を呈する物質は水に対する溶解
性も高く被膜は容易に消失するので、実用上その用途は
限られたものとなる。そこで、本発明の目的は、耐久性
に優れ高硬度でしかも透明性の高い防曇性被膜を提供す
ることにある。
課題を鑑みてなしたものであって、シリカのアルコキシ
ド溶液中に水溶性のベ−マイト型アルミナのコロイド
と、アナタ−ゼ型酸化チタンの超微粒子を分散させ、本
複合溶液を基板に塗布し、600 〜700 ℃で焼成すること
により、シリカ、アルミナおよびチタニアを含む金属酸
化物からなる防曇性被膜を形成することを特徴とする防
曇性被膜およびその製造方法を提供するものである。
た薄膜が、金属アルコキシド系化合物と平衡水蒸気圧が
低い酸化物微粒子および光触媒活性なアナタ−ゼ結晶形
のチタニア微粒子を分散した溶液から成膜してなる複合
酸化物膜であることを特徴とする防曇性薄膜。
晶形のアルミナ微粒子であって、その粒子径が10〜30nm
であることを特徴とする上述した防曇性薄膜。また、前
記チタニア微粒子の粒子径が、 5〜20nmであることを特
徴とする上述した防曇性薄膜。
成る非晶質の金属酸化物が、前記溶液中で30〜50mol %
であることを特徴とする上述した防曇性薄膜。さらに、
前記防曇性薄膜において、被膜全体に対するアルミナ微
粒子の含有率が 1〜10wt%であることを特徴とする上述
した防曇性薄膜。
体に対するチタニア微粒子の含有率が0.3 〜3.0wt %で
あることを特徴とする上述した防曇性薄膜。さらにま
た、前記防曇性薄膜における被膜の表面が数nmピッチの
凹凸状であり、表面粗さ(中心線平均粗さ)が8〜15nm
であることを特徴とする上述した防曇性薄膜。
膜の反射色調がニュトラルであり、着色膜ではないこと
を特徴とする上述した防曇性薄膜。さらにまた、前記基
板がフロ−トガラスであることを特徴とする上述した防
曇性薄膜。
る金属酸化物ゾル溶液とアルミナ微粒子分散ゾルおよび
チタニア微粒子分散溶液とからなる複合ゾル溶液を基板
に塗布、焼成することでアルミナ、チタニアと非晶質の
金属酸化物の複合膜を基板の表面に形成することを特徴
とする防曇性薄膜の製造方法。
以下の温度でなされる熱処理であることを特徴とする上
述した防曇性薄膜の製造方法。さらに、前記防曇性薄膜
の製造方法において、該被膜と基板との間に前記記載の
焼成温度においても中間層を設ける必要がないことを特
徴とする上述した防曇性薄膜の製造方法をそれぞれ提供
するものである。
質性の金属酸化物を形成する金属酸化物ゾル溶液とアル
ミナ微粒子分散ゾルおよびチタニア微粒子分散溶液とか
らなる複合ゾル溶液を基板に塗布、焼成することでアル
ミナ、チタニアと非晶質の金属酸化物の複合膜を基板の
表面に形成することにより、金属アルコキシド系化合物
と平衡水蒸気圧が低い酸化物微粒子および光触媒活性な
アナタ−ゼ結晶形のチタニア微粒子を分散したTiO2-Al2
O3-SiO2 系複合酸化物膜である防曇性薄膜を得たもので
ある。
結晶型アルミナを含む親水性に加えて、チタニアの光触
媒活性によって、被膜表面に付着する汚れの分解除去性
能が付与され、さらに添加した微粒子は粒子径が数ナノ
メ−トルであるため透明性に優れ、かつ、添加した微粒
子により被膜の表面が凹凸となるため表面積が大幅に増
大し、耐久性に極めて優れた防曇性被膜とすることがで
きる。
ガラス、航空機用ガラス、鏡、レンズなど)、金属など
が挙げられるが、これらに限定されたものではない。以
下、本発明を詳細に説明する。
キシドでテトラエトキシシラン、テトラメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ランなどである。また、ベ−マイト型アルミナのコロイ
ドとしては、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニ
ウムトリエトキシド、モノsec −ブトキシアルミニウム
ジイソプロピレ−トなどのアルミニウム有機化合物を出
発原料として、蒸留精製して作製した超微粒子を水また
はアルコ−ルと水の混合溶媒の分散剤に分散したゾルで
ある。またアナタ−ゼ型酸化チタンは、チタンイソプロ
ポキシドやテトラエトキシチタンなどのようなチタンア
ルコキシドを加水分解、脱水縮合させた後、加熱処理す
ることによって得ることができるが、あらかじめ、アナ
タ−ゼ型結晶となっている微粒子を用いることもでき、
膜の表面積を増大させるためには、微粒子を分散したゾ
ルが好ましい。これらについては市販されているゾルを
用いることもできる。
コルコ−トP 、コルコ−ト6P(日本コルコ−ト社製)、
ス−パ−セラ〔大八化学工業(株)製〕、アトロンNSi
〔日本曹達(株)製〕などで、アルミニウム微粒子分散
ゾルとしては、アルミナゾル-10 、アルミナクリア−ゾ
ル〔川研ファインケミカル(株)製〕、チタニアゾルそ
して/または微粒子分散チタニアゾルとしてはアトロン
NTi500〔日本曹達(株)製〕、ST-K01、ST-k02〔石原産
業(株)製〕、タイノックA-6 、M-6 (多木化学製)な
どを用いることができる アルミナ微粒子分散ゾルおよ
びチタニア微粒子分散ゾルの粒子径は5〜30nmの範囲で
あるものが良い。これよりも大きなサイズでは、焼成後
に得られたコ−ティング膜の透明性がやや悪くなり数%
のヘ−ズ(曇化)が発生する。好ましくは、約15nm程度
以下の粒子径が良い。
量は、複合コ−ティング溶液全体の30〜50モル%の範囲
が望ましい。30モル%未満では膜の機械的強度が充分な
ものとはなり難く、また50モル%を超えると充分な防曇
効果が発揮され難いものとなるからである。
添加量は、固形分換算で1〜10wt%の範囲が望ましい。
1wt%未満では充分な防曇性効果が発揮され難く、10wt
%を超えると膜の機械的強度が充分なものと言い難いも
のとなるからである。
ルの添加量は、固形分換算で0.3 〜3.0wt%の範囲が望
ましい。 0.3wt%未満では充分な汚れ分解機能が発揮さ
れず、また 3.0wt%を超えると膜の反射色(刺激純度)
が大きくなり、ニュ−トラル色とはならず、また被膜の
表面凹凸も大きくなり透明性が悪くなり実使用において
用途が限られてしまう。
アルコキシド溶液をオ−バ−コ−トすることによって、
反射色調を調整したり、また透明性を付与することも可
能となる。すなわち、チタニア微粒子分散ゾルの添加量
が 3.0wt%を超えてもオ−バ−コ−トとしてシリカ、ア
ルミナなどの低屈折率膜を単分子膜レベルの厚みから数
十nmの膜厚(好ましくは数nm程度)で積層すれば、光触
媒活性に影響を与えることなく反射色調をニュ−トラル
にでき、また被膜の表面凹凸も軽減できるため実使用で
は支障がないレベルまでの透明性は付与できる。また積
層膜はシリカ、アルミナ以外にもこれらチタニア、ジル
コニアなどの混合膜等にすることで、屈折率さえ調整す
れば各種の膜が採用できるものである。
有機溶媒で希釈して用いることができる。使用する有機
溶媒としては、メタノ−ル、エタノ−ル等の1級アルコ
−ル、イソプロピルアルコ−ル等の2級アルコ−ル、タ
−シャリ−ブタノ−ル等の3級アルコ−ル、その他、エ
−テル類、ケトン類、シクロヘキサン等またはジメチル
ホルムアミドなども採用することができ、これらは単独
または混合して用いてもよい。
塗布する方法としては、ディッピング法、スプレ−法、
フロ−コ−ト法、スピンコ−ト法、バ−コ−ト法、ロ−
ラ−コ−ト法、リバ−ス法、フレキソ法、印刷法などの
既知の塗布手段が適宜採用できる。
することにより、防曇性被膜となる。600 ℃未満では膜
の機械的強度が充分ではなく、また700 ℃を超える温度
では、アルミナのベ−マイト型結晶がベ−タアルミナ
に、そしてまた、アナタ−ゼ型結晶がルチル型に相転移
するため、充分な防曇特性と光触媒活性が得られなくな
る。
が望ましい。100nm 程度以下では防曇性能を長期にわた
って発揮することが困難であり、300nm 程度以上では1
回の塗布操作では焼成後に膜にクラックが発生する危険
性が大きくなったり、膜の透明性が悪くなったりする場
合がある。好ましくは 200〜250nm の範囲がよい。
均粗さ)が 8〜15nmの範囲が望ましい。これは、8nm 未
満では、膜組成中のチタニアの量が少量であるために充
分な光触媒機能を発揮することができず、15nmを超える
と膜のヘ−ズ(曇化)が大きくなり、透明性が悪くなっ
てしまうためである。
性による汚れ(有機物)の分解性能を充分に発揮させる
ためには、膜組成中のチタニアの量が固形分換算で50モ
ル%以上必要である。また、ソ−ダライムガラス基板を
採用する場合は、約400 ℃程度以上の温度で焼成すると
ガラス中のアルカリ成分(Na)が膜中に拡散し、チタニ
アと複合酸化物を生成するために、通常は中間層を設け
る。
量であり、また中間層も設けずに600 ℃以上の高温で焼
成しても、光触媒性能を充分に発揮できるものである。
これは、ガラス基板上に形成された被膜の表面がピッチ
が非常に細かな凹凸状となっており、この表面特性を利
用して光触媒性能を通常以上に発揮しているからであ
り、また中間層を必要としないのは、アルミナ微粒子の
粒子径がチタニア微粒子のそれより大きいため、膜中の
厚み方向でアルミナとチタニアのそれぞれリッチな相と
なり、ガラス基板と膜の界面付近はアルミナ微粒子が多
くなっているため、ガラス基板中のアルカリ成分の拡散
がおこっても、チタニアとの複合酸化物を生成しにくい
からである。
ルコキシド系化合物と平衡水蒸気圧が低い酸化物微粒子
および光触媒活性なアナタ−ゼ結晶形のチタニア微粒子
を分散したTiO2-Al2O3-SiO2 系複合酸化物膜である防曇
性薄膜を基板の表面に形成することによって、格段に優
れた防曇性能を発揮するとともに極めて長期的に維持
し、クラック等の欠陥がなくかつ充分な可視光透過率と
耐久性等を有し、耐摩耗性に優れ、さらに光触媒活性も
持ち合わせて例えば紫外線によって優れた汚れ分解性能
を発現するものとなり、しかも反射色調がニュ−トラル
色である等、建築用窓材もしくは鏡などの産業用物品、
さらには自動車などの車両用窓材をはじめ、船舶や航空
機用窓材など各種ガラス物品等、種々の被膜に広く採用
できる有用な防曇性薄膜およびその製造方法を提供する
ことができるものである。
に、実施例により詳しく説明する。ただし、本発明はこ
れらに限定されるものではない。各実施例の防曇性被膜
の評価を下記の評価方法で行った。 防曇性能評価方法:約43℃の飽和水蒸気に約3分間接
触させた後、曇りの発生を目視で評価し、一旦乾燥させ
室温までサンプル温度が下がった時点で、再び飽和水蒸
気に接触するのを1サイクルとして、この操作を10サイ
クル繰り返し評価した。
られないものを○印、曇りの発生が認められたものを×
印とした。〔例えば、眼鏡の曇り止め剤試験(JIS S 40
30)を参照〕 [合否判定]10回のサイクルにおいても曇りの発生しな
かったものを合格とした。
放置し、サンプルの温度が−20℃になったことを確認
後、約25℃、約50%RHの環境に放置するのを1サイクル
として、曇りの発生状況を目視で評価した。
られないものを○印、曇りの発生が認められたものを×
印とした。 [合否判定]10サイクルの試験で曇りの発生がなかった
ものを合格とした。 膜強度評価方法:堅牢試験 荷重;100 g/cm2 綿帆布;キャンパス布(JIS L 3102-1961-1206) ストロ−ク回数;1000往復 後述する表3では、目視で無キズで呼気による曇りも発
生なしを○印、キズが発生し曇りの発生が認められたも
のを×印とした。
る曇りも発生しなかったものを合格とした テ−バ−摩耗試験 摩耗輪;CS−10F 荷重 ;250gf 回転数;1000回 ヘ−ズ値測定器;日電色工業(株)製、NDH-20D 後述する表3では、ヘ−ズ値測定器で試験前後の膜ヘ−
ズ値(△H)が5%未満でありかつ呼気による曇りも発
生なしを○印、試験前後の膜ヘ−ズ値(△H)が5%以
上で呼気による曇りの発生が認められたものを×印とし
た。
H)が5%未満で、呼気による曇りも発生しなかったも
を合格とした。 光触媒機能評価: 防曇性被膜表面にステアリン酸(2.
5wt%エタノ−ル溶液)をディッピング法でコ−ティング
し室温で乾燥後、ブラックライト(波長380nm 紫外線,
強度3mW/cm2 )を照射してステアリン酸の分解速度を上
記したヘ−ズ値測定器にて測定した膜のヘ−ズ値(曇
化、%)で評価した。
アリン酸を塗膜した直後を初期ヘ−ズ値(%)として、
本来の防曇性被膜のヘ−ズ値である0.2 〜0.3 %程度に
到る時間を測定し、時間が短い程性能がよい。 接触角測定: 測定機器 協和界面科学製CA−A型 測定環境 大気中(25℃) 水 純水(20μl ) [合否判定]接触角が5°程度以下を合格とした。 被膜形状観察: 走査型プロ−ブ顕微鏡の原子間力顕
微鏡(AFM )モ−ド(セイコ−電子製、SPI3700 、5 μ
m 四方スキャン) 被膜の表層表面および断面の写真観察し、JIS B 0601で
定義されている中心線平均粗さRa値を求めた。
) 倍率:3万 被膜の表層表面の写真観察 膜厚の測定: DEKTAK(Sloan 社製、3030)にて測
定した。 その他: クラック等の欠陥の有無。膜の各
種試験による耐久性。可視光透過率の変化等光学特性
への影響など、建築用、産業用ならびに自動車等車両
用、船舶用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス
物品に必要な事項を評価した。
フロ−トガラス(組成はソ−ダライムシリケ−ト系)を
用い、コ−ティング面を酸化セリウムで充分に研磨し、
上水で水洗、蒸留水でリンスした後、イソプロピルアル
コ−ルまたはアセトンで払拭してコ−ティング用ガラス
基板とした。
まず、シリカの出発原料としては珪酸エチル(キシダ化
学製)、アルミナ微粒子分散ゾルはアルミナゾル10(粒
子径10nm;川研ファインケミカル製)、チタニア微粒子
分散ゾルはタイノックM−6(粒子径5nm;多木化学製)
を用い、それぞれの量は固形分濃度換算(wt%)でSi
O2:Al2O3:TiO2:溶媒=30:10:3:57とし、溶媒は水とエタ
ノ−ルの混合とし、その割合は体積%で1:1 とした。
4時間還流した後、アルミナ微粒子分散ゾル、次いでチ
タニア微粒子分散ゾルを順次攪拌下で滴下し、所定量を
添加後、さらに約2時間以上室温で攪拌し、複合ゾルコ
−ティング溶液とした。
ンコ−トにより塗布した後、約150℃で約10分乾燥した
後、約650 ℃で約 5分焼成して防曇性被膜をガラス基板
上に形成した。焼成後の該被膜の膜厚は約200nm であっ
た。なお、スピンコ−トする際の回転数は、約1000rpm/
min で回転時間は約30秒間とした。
の被膜形状観察は図1および図2で示すようになり、被
膜の水に対する接触角は測定不可であって格段の親水性
能を示し、また表1および表2に示すように防曇性能
およびの評価試験でも10サイクルにおいて全く曇りの
発生が認められなく○印であり、格段に優れた防曇性能
を示すものであり、また表3に示すように膜強度の評価
試験でも、堅牢試験がキズの発生がなく呼気による曇り
も発生なく○印、テ−バ−摩耗試験が試験前後の膜ヘ−
ズ値(△H)が5%未満で、呼気による曇りも発生なく
○印であり、格段の膜強度を示し、それぞれ充分合格す
るものであった。
価でも防曇性被膜表面にステアリン酸を塗膜した直後を
初期ヘ−ズ値 7.4%に対し、本来の防曇性被膜のヘ−ズ
値である0.2 〜0.3 %程度に到る時間が約2時間程度で
あり、例えば格段の汚れ分解性能であった。
久性に優れ、安定かつ確実に厄介な工程もなく簡便な手
段で効率よく得ることができ、建築用、産業用ならびに
自動車等車両用、船舶用、航空機用などの窓材をはじ
め、各種ガラス物品に使用可能なめざす所期の防曇性被
膜を得た。
媒=30:20:1:49とした以外は実施例1と同様した。
不可であって格段の親水性能を示し、表1〜3に示すよ
うに、実施例1と同様に、全て○印であり、格段に優れ
た防曇性能、格段の膜強度を示し、それぞれ充分合格す
るものであった。
でも初期ヘ−ズ値 6.8%に対し、本来の防曇性被膜のヘ
−ズ値である0.2 〜0.3 %程度に到る時間が約4時間程
度であり、例えば優れた汚れ分解性能であった。
実施例1と同様に建築用、産業用ならびに自動車等車両
用、船舶用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス
物品に使用可能なめざす所期の防曇性被膜を得た。
の平均粒子径を約10nmとした以外は実施例1と同様し
た。
不可であって格段の親水性能を示し、表1〜3に示すよ
うに、実施例1と同様に、全て○印であり、格段に優れ
た防曇性能、格段の膜強度を示し、それぞれ充分合格す
るものであった。
でも初期ヘ−ズ値 6.7%に対し、本来の防曇性被膜のヘ
−ズ値である0.2 〜0.3 %程度に到る時間が約2時間程
度であり、例えば格段の汚れ分解性能であった。
実施例1と同様に建築用、産業用ならびに自動車等車両
用、船舶用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス
物品に使用可能なめざす所期の防曇性被膜を得た。
媒=50:1:0.3:48.7 とした以外は実施例1と同様した。
不可であって格段の親水性能を示し、表1〜3に示すよ
うに、実施例1と同様に、全て○印であり、格段に優れ
た防曇性能、格段の膜強度を示し、それぞれ充分合格す
るものであった。
でも初期ヘ−ズ値 8.0%に対し、本来の防曇性被膜のヘ
−ズ値である0.2 〜0.3 %程度に到る時間が約5時間程
度であり、例えば優れた汚れ分解性能であった。
実施例1と同様に建築用、産業用ならびに自動車等車両
用、船舶用、航空機用などの窓材をはじめ、各種ガラス
物品に使用可能なめざす所期の防曇性被膜を得た。
ル〔商品名アトロンNSi-500 、日本曹達(株)製〕をス
ピンコ−ト法によりコ−ティングした後、約300 ℃で焼
成し、その上にチタニアゾル〔商品名アトロンNTi-500
、日本曹達(株)製〕を同様にスピンコ−ト法により
コ−ティングし、約300 ℃で仮焼成後、約650 ℃で焼成
した。この際、第1層シリカ膜の膜厚は約100nm 、第2
層チタニア膜の膜厚は約100nm であった。
°であって不合格と合格の境界程度の親水性能であり、
また表1および表2に示すように防曇性能およびの
評価試験で10サイクルにおいて全て曇りの発生が認めら
れ×印であり、不合格である防曇性能を示すものであ
り、また表3に示すように膜強度の評価試験でも、堅牢
試験がキズおよび呼気による曇りが発生し×印、テ−バ
−摩耗試験が試験前後の膜ヘ−ズ値(△H)が5%を超
え、呼気による曇りも発生し×印であり、不合格の膜強
度を示すものであった。
価でも防曇性被膜表面にステアリン酸を塗膜した直後を
初期ヘ−ズ値 5.9%に対し、本来の防曇性被膜のヘ−ズ
値である0.2 〜0.3 %程度に到る時間が約5時間程度で
あり、実施例4と同様の時間であっても初期ヘ−ズ値低
く、例えばよい汚れ分解性能であるとは言えないもので
あった。
ざす所期の防曇性被膜とは言えないものであった。比較例2 実施例1においてコ−ティング溶液組成中にアルミナ微
粒子分散ゾルを添加しなかった以外はすべて同様とし
た。
°であって不合格の親水性能であり、また表1および表
2に示すように防曇性能の評価試験で5サイクル以降
において全て曇りの発生が認められ、防曇性能の評価
試験で2サイクル以降において全て曇りの発生が認めら
れそれぞれ×印であり、不合格である防曇性能を示すも
のであり、また表3に示すように膜強度の評価試験で
も、比較例1と同様堅牢試験およびテ−バ−摩耗試験と
も×印であり、不合格の膜強度を示すものであった。
価では初期ヘ−ズ値 6.5%に対し、本来の防曇性被膜の
ヘ−ズ値である0.2 〜0.3 %程度に到る時間が約4時間
程度であり、例えば実施例2程度の汚れ分解性能であっ
た。
等、めざす所期の防曇性被膜とは言えないものであっ
た。比較例3 実施例1においてコ−ティング溶液組成中にチタニア微
粒子分散ゾルを添加しなかった以外はすべて同様とし
た。
°であって合格の親水性能であるも、表1および表2に
示すように防曇性能の評価試験で8サイクル以降にお
いて全て曇りの発生が認められ、防曇性能の評価試験
で5サイクル以降において全て曇りの発生が認められそ
れぞれ×印であり、不合格である防曇性能を示すもので
あり、また表3に示すように膜強度の評価試験でも、堅
牢試験では○印で合格するもテ−バ−摩耗試験では×印
で不合格であり、必ずしもよい膜強度を示すものもので
はなかった。
等、めざす所期の防曇性被膜とは言えないものであっ
た。比較例4 基板にソ−ダライムガラスを使用し、市販の眼鏡用の曇
り止め剤「クリンビュ−」(呉工業製)を用い、実施例
1と同様に洗浄したガラス基板に手で塗布し、余分の液
を完全に拭き取り、常温で乾燥した。
不能であって格段の親水性能を示すも、表1〜2に示す
ように防曇性能の評価試験で4サイクル以降において
全て曇りの発生が認められ、防曇性能の評価試験で2
サイクル以降において全て曇りの発生が認められそれぞ
れ×印であり、不合格である防曇性能を示すものであ
り、また表3に示すように膜強度の評価試験でも、堅牢
試験では×印で不合格でありテ−バ−摩耗試験では測定
不能で不合格であり、弱い膜強度を示すものであった。
の、めざす所期の防曇性被膜とは言えないものであっ
た。比較例5 スパッタリング法でフロ−トガラス基板上にチタニア膜
を約200nm の厚みに形成した。
°であ不合格と合格の境界程度の親水性能であり、また
表1および表2に示すように防曇性能およびの評価
試験で10サイクルにおいて全て曇りの発生が認められ×
印であり、不合格である防曇性能を示すものであり、ま
た表3に示すように膜強度の評価試験でも、堅牢試験で
は×印で不合格でありテ−バ−摩耗試験では○印で合格
であり、よい膜強度を示すものものではなかった。
価では初期ヘ−ズ値 6.8%に対し、7時間でも本来の防
曇性被膜のヘ−ズ値である0.2 〜0.3 %程度に到らず、
7時間で5.3 程度であり、例えば汚れ分解性能は極く弱
いものであった。
ざす所期の防曇性被膜とは言えないものであった。
によれば、安定かつ確実に厄介な工程もなく手軽に容易
な特定の手段をもって格段に優れた防曇性能を有する酸
化物薄膜を安価に効率よく高生産性で得ることができ、
クラック等の欠陥がなくかつ充分な可視光線透過率と耐
久性等に優れ、耐摩耗性に優れる。さらに、反射色調が
ガラス基板と同じニュ−トラル色であり、優れた光触媒
活性も持ち合わせているため、建築用窓材もしくは鏡な
どの産業用、さらには自動車用をはじめ車両用窓材、船
舶や航空機の窓材など各種ガラス物品等、種々の被膜に
広く採用できる有用な防曇性被膜およびその製造方法を
提供することができるものである。
面を原子間力顕微鏡(AFM )による平面および断面観察
像を示す図である。
微鏡(SEM )による平面観察像を示す図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 基板の表面に形成した薄膜が、金属アル
コキシド系化合物と平衡水蒸気圧が低い酸化物微粒子お
よび光触媒活性なアナタ−ゼ結晶形のチタニア微粒子を
分散した溶液から成膜してなる複合酸化物膜であること
を特徴とする防曇性薄膜。 - 【請求項2】 前記酸化物微粒子が、ベ−マイト結晶形
のアルミナ微粒子であって、その粒子径が10〜30nmであ
ることを特徴とする請求項1記載の防曇性薄膜。 - 【請求項3】 前記チタニア微粒子の粒子径が、 5〜20
nmであることを特徴とする請求項1乃至2記載の防曇性
薄膜。 - 【請求項4】 前記金属アルコキシド系化合物から成る
非晶質の金属酸化物が、前記溶液中で30〜50mol %であ
ることを特徴とする請求項1乃至3記載の防曇性薄膜。 - 【請求項5】 前記防曇性薄膜において、被膜全体に対
するアルミナ微粒子の含有率が 1〜10wt%であることを
特徴とする請求項1乃至4記載の防曇性薄膜。 - 【請求項6】 前記防曇性薄膜において、被膜全体に対
するチタニア微粒子の含有率が0.3 〜3.0wt %であるこ
とを特徴とする請求項1乃至5記載の防曇性薄膜。 - 【請求項7】 前記防曇性薄膜における被膜の表面が数
nmピッチの凹凸状であり、表面粗さ(中心線平均粗さ)
が8 〜15nmであることを特徴とする請求項1乃至4記載
の防曇性薄膜。 - 【請求項8】 前記防曇性薄膜において、被膜の反射色
調がニュトラルであり、着色膜ではないことを特徴とす
る請求項1乃至7記載の防曇性薄膜。 - 【請求項9】 前記基板がフロ−トガラスであることを
特徴とする請求項1乃至8記載の防曇性薄膜。 - 【請求項10】 非晶質性の金属酸化物を形成する金属酸
化物ゾル溶液とアルミナ微粒子分散ゾルおよびチタニア
微粒子分散溶液とからなる複合ゾル溶液を基板に塗布、
焼成することでアルミナ、チタニアと非晶質の金属酸化
物の複合膜を基板の表面に形成することを特徴とする防
曇性薄膜の製造方法。 - 【請求項11】 前記した焼成が、600 ℃以上700 ℃以下
の温度でなされる熱処理であることを特徴とする請求項
10記載の防曇性薄膜の製造方法。 - 【請求項12】 前記防曇性薄膜の製造方法において、該
被膜と基板との間に前記記載の焼成温度においても中間
層を設ける必要がないことを特徴とする請求項10乃至11
記載の防曇性薄膜の製造方法。
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---|---|---|---|
JP25576896A JP3788532B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 防曇性被膜およびその製造方法 |
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JP25576896A JP3788532B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 防曇性被膜およびその製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10101374A true JPH10101374A (ja) | 1998-04-21 |
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JP25576896A Expired - Fee Related JP3788532B2 (ja) | 1996-09-27 | 1996-09-27 | 防曇性被膜およびその製造方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003231204A (ja) * | 2002-12-09 | 2003-08-19 | Toto Ltd | 機能材及び機能性コーティング組成物 |
JP2007536137A (ja) * | 2004-05-10 | 2007-12-13 | サン−ゴバン グラス フランス | 光触媒被覆物を有する基板 |
CN107265877A (zh) * | 2017-08-03 | 2017-10-20 | 李郑松 | 一种抗酸碱玻璃涂层的制备方法 |
WO2020116541A1 (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | 国立大学法人信州大学 | コーティング剤 |
JP2020148845A (ja) * | 2019-03-12 | 2020-09-17 | マクセル株式会社 | レンズ、レンズの製造方法、および、レンズユニット |
JP2021155622A (ja) * | 2020-03-27 | 2021-10-07 | 大阪瓦斯株式会社 | 防曇剤 |
-
1996
- 1996-09-27 JP JP25576896A patent/JP3788532B2/ja not_active Expired - Fee Related
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