JPH10100518A - リボンカセット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録動作時のインクリボンの走行安定性を向
上し、安定した記録品質を得ること。 【解決手段】 ケース本体２の内部の少なくとも巻取リ
ール３ａ側のインクリボン６の長手方向と直交する幅方
向の端縁とケース本体２の内面との間に、インクリボン
６の幅方向の端縁が当接した際に従動回転可能なリボン
ガイド部材１１を設けたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、記録ヘッドにより
所定の文字等の画像を用紙等の記録媒体に記録するイン
クリボンを収納するリボンカセットに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、熱転写プリンタ、ワイヤドット
プリンタ等の各種のプリンタ、ファクシミリ、タイプラ
イタ等の記録装置においては、用紙等の記録媒体に沿っ
て移動するキャリッジにリボンカセットを搭載し、記録
ヘッドと記録媒体との間にインクリボンを供給しながら
記録媒体上にインクリボンのインクを転写して所望の文
字等の画像の記録を行うように形成されている。

【０００３】この種の従来のリボンカセットについて、
熱転写プリンタに用いられるリボンカセットを例示して
説明すると、従来のリボンカセットは、ケース本体の内
部に配設された１対の回転自在なリールを有しており、
これらのリールにインクリボンがそれぞれ両端から巻回
されている。そして、これらのリールの一方は、記録に
供した部分のインクリボンを巻取る巻取りリールとさ
れ、他方は、インクリボンを送出する送出リールとされ
ている。さらに、インクリボンは、送出リールと巻取り
リールとの間で複数のガイドローラにより案内されて走
行経路が規制されている。また、インクリボンは、送出
リールと巻取りリールとの間でケース本体の外部に導出
されて記録に供されるようになっている。

【０００４】前記巻取りリールおよび送出リールは、記
録装置のキャリッジに配設された公知のリボン走行機構
によって駆動可能とされている。つまり、巻取りリール
は、キャリッジの走行に従動されるかあるいはキャリッ
ジに搭載されたモータ等により駆動される巻取りボビン
とフェルト等のスリップ機構を介して所定の巻取りトル
クにより駆動され、インクリボンに所定のテンションが
付与される。そして、送出リールは、キャリッジに搭載
された送出ボビンとコイルばね等のスリップ機構を介し
て所定のトルク（バックテンション）が付与される。

【０００５】このような構成によれば、記録動作時に、
記録ヘッドとしてのサーマルヘッドおよびプラテン間に
記録媒体たる用紙とともに挟持されているインクリボン
が、キャリッジの走行により送出リールから繰り出され
て順次記録に供され、記録に供された後、用紙から剥離
された部分のインクリボンは、巻取りリールに順次巻き
取られるようになっている。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のリボンカセットにおいては、記録動作時に、送
出リールから繰り出されたインクリボンが断続的に巻取
りリールに巻き取られることになるが、巻取りリールに
巻き取られるインクリボンに、その長手方向と直交する
幅方向の端縁が幅方向にずれ、インクリボンの幅方向の
端縁が同一平面内に位置せずに大きな凸凹となる段ずれ
と称される現象が生じ、この段ずれが生じるとインクリ
ボンの幅方向の端縁がケース本体の内面に当接して摺動
し、摩擦負荷を生じるという問題点があった。このイン
クリボンによる摩擦負荷は、特に、巻取りリール側にお
いて多く生じるとともに、この摩擦負荷は、パンケーキ
の径、すなわち、巻取りリールに巻き取られるインクリ
ボンの径により摺動部位の接触面積が変化することで変
動し、記録動作時のインクリボンの走行が安定せず、常
に安定した適正な記録品質を得ることができないという
問題点があった。

【０００７】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、記録動作時のインクリボンの走行安定性を向上
し、安定した記録品質を得ることのできるリボンカセッ
トを提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため特許請求の範囲の請求項１に記載の本発明のリボン
カセットの特徴は、ケース本体の内部に巻取りリールお
よび送出リールからなる１対のリールを回転自在に配設
し、前記１対のリール間にそれぞれ両端が固着されたイ
ンクリボンを巻回してなるリボンカセットであって、前
記ケース本体の内部の少なくとも前記巻取リール側の前
記インクリボンの長手方向と直交する幅方向の端縁と前
記ケース本体の内面との間に、前記インクリボンの幅方
向の端縁が当接した際に従動回転可能なリボンガイド部
材を設けた点にある。

【０００９】そして、このような構成を採用したことに
より、回転可能なリボンガイド部材は、巻取りリールに
巻き取られるインクリボンの長手方向と直交する幅方向
の端縁の走行位置を規制することができる。さらに、回
転可能なリボンガイド部材は、巻取りリールに巻き取ら
れるインクリボンの長手方向と直交する幅方向の端縁が
段ずれを生じて当接して摺動した際に、巻取りリールと
ともに回転するので、巻取りリールに巻き取られるイン
クリボンの回転負荷はほぼ一定となり、インクリボンの
走行安定性を向上させることができる。

【００１０】また、特許請求の範囲の請求項２に記載の
本発明のリボンカセットの特徴は、請求項１において、
前記リボンガイド部材が導電性素材により形成されてい
る点にある。

【００１１】そして、このような構成を採用したことに
より、記録動作時にインクリボンに発生する静電気の影
響を防止することができる。

【００１２】また、特許請求の範囲の請求項３に記載の
本発明のリボンカセットの特徴は、請求項２において、
前記導電性素材が導電性を付与された樹脂シートである
点にある。

【００１３】そして、このような構成を採用したことに
より、導電性を付与された樹脂シートは、生産性の向上
と経済的負担の低減とを図ることができる。

【００１４】また、特許請求の範囲の請求項４に記載の
本発明のリボンカセットの特徴は、請求項１乃至請求項
３の何れか１項において、前記ケース本体の内面と前記
リボンガイド部材との相互に対向する対向面の少なくと
も一方に摩擦抵抗低減手段を設けた点にある。

【００１５】そして、このような構成を採用したことに
より、摩擦抵抗低減手段は、リボンガイド部材が回転し
てケース体の内面と当接して摺動した場合の摩擦負荷を
低減することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施の
形態により説明する。

【００１７】図１から図３は本発明に係るリボンカセッ
トの実施の形態を示すものであり、図１は全体構成を示
す分解斜視図であり、図２は内部構成を示す平面図であ
り、図３は内部構成を示す縦断面図である。

【００１８】図１から図３に示すように、本実施の形態
のリボンカセット１は、１対とされた上ケース２ａと下
ケース２ｂとからなる平面略矩形のケース本体２の内部
に、回転自在に支持された１対のリール３と、回転自在
に支持された１対のリボン送りローラ４と、回転自在に
支持されたリボン経路に臨んでいる複数の、本実施の形
態ではリボン経路の上流側から順に４個のガイドローラ
５ａ，５ｂ，５ｃ，５ｄが配設されている。

【００１９】前記１対のリール３は略円筒状に形成され
ており、各リール３の外周面には、公知のインクリボン
６の長手方向の両端が固着されるとともに、インクリボ
ン６がそれぞれ両端から巻回されている。この１対のリ
ール３は、図示しない公知のキャリッジに搭載される
と、図１左方に示すその一方は、記録に供した部分のイ
ンクリボン６を巻取る巻取りリール３ａとされ、図１右
方に示す他方は、インクリボン６を送出する送出リール
３ｂとされている。また、各リール３ａ，３ｂの内周面
には、複数のキー溝７，７…が周方向に間隔を隔ててス
プライン状に形成されており、同図左方の巻取りリール
３ａの内周面は、図示しない公知のリボン走行機構の一
部を構成する巻取りボビンが係合される巻取り孔８とさ
れ、同図右方の送出リール３ｂの内周面は、図示しない
公知のリボン走行機構の一部を構成する送出ボビンが係
合される送出孔９とされている。

【００２０】前記１対のリボン送りローラ４は、略円筒
状に形成されており、この１対のリボン送りローラ４
は、図示しない公知のキャリッジに搭載されると、図１
左方に示すその一方は、記録に供した部分のインクリボ
ン６を巻取る巻取り用のリボン送りローラ４ａとされ、
同図右方の他方は、インクリボン６を送出する送出用の
リボン送りローラ４ｂとされる。

【００２１】また、図示しない公知のプラテンと対向す
る側（図２上方）のリボンカセット１のケース本体２に
は、図示しないサーマルヘッド等の記録ヘッドが臨む凹
部１０が形成されており、凹部１０内においてインクリ
ボン６の中間部がケース本体２の外部に導出されてい
る。

【００２２】さらに、前記ケース本体２の内部の巻取り
リール３ａ側には、インクリボン６の長手方向と直交す
る幅方向の端縁が当接した際に回転可能な平面環状の１
対のリボンガイド部材１１が配設されている。このリボ
ンガイド部材１１は、前記巻取りリール３ａに巻き取ら
れるインクリボン６の幅方向の端縁と前記ケース本体２
の内面との間に配設されており、本実施の形態において
は、リボンガイド部材１１の内周面側が巻取りリール３
ｂの端部近傍の外周面に嵌合されるようになっている。
そして、リボンガイド部材１１の外径寸法は、本実施の
形態においては、巻取りリール３ａにインクリボン６を
すべて巻き取った際のインクリボン６の外径寸法より若
干大きくされている。さらに、リボンガイド部材１１
は、内周面側に位置する小面積環状部１１ａと外周面側
に位置する大面積環状部１１ｂとで２段に形成されてお
り、内周面側に位置する突出形成された小面積環状部１
１ａがケース本体２の内面に形成された巻取りリール３
ａのフランジ部に対向して形成された凹部１２ａに沿う
ように当接可能とされ、外周面側に位置する大面積環状
部１１ｂはケース本体２の内面に当接可能とされてい
る。

【００２３】すなわち、図１および図３において上方に
示すリボンガイド部材１１においては小面積環状部１１
ａの上面が上ケース２ａの内面の凹部１２ａに、大面積
環状部１１ｂが上ケース２ａの内面そのものに当接可能
とされ、図１および図３において下方に示すリボンガイ
ド部材１１においては小面積環状部１１ａの下面が下ケ
ース２ｂの内面の凹部１２ａに、大面積環状部１１ｂが
下ケース２ｂの内面そのものに当接可能とされており、
インクリボン６の長手方向と直交する幅方向の端縁が当
接した場合にインクリボン６および巻取りリール３ａと
ともに回転するようになっている。

【００２４】なお、リボンガイド部材１１を巻取りリー
ル３ａに固定したり、リボンガイド部材１１を送出リー
ル３ｂ側にも設ける構成としてもよい。

【００２５】また、リボンガイド部材１１の小面積環状
部１１ａのみをケース本体２の内面に当接可能とする構
成としてもよい。

【００２６】前記リボンガイド部材１１は、導電性シー
トと称される導電性を付与された厚さ０．０２〜０．２
ｍｍ程度の樹脂シートにより形成されている。この導電
性シートとしては、カーボンを含有するポリエチレンシ
ートや、カーボンを含有するふっ素樹脂シート等を例示
することができる。さらに、導電性シートとしては、ケ
ース本体２との間で摩擦係数の低いものがインクリボン
６の幅方向の端縁が当接した際のリボンガイド部材１１
の回転を円滑にするうえで好ましい。

【００２７】また、本実施の形態においては、ケース本
体２の内面の少なくともリボンガイド部材１１と対向す
る対向面には、ケース本体２を樹脂により形成する際
に、図示しない金型のキャビティに放電加工、ブラスト
加工、エッチング加工等を施すことにより形成されたし
ぼ、梨地等と称される凹凸を転写することにより形成さ
れた摩擦抵抗低減手段１２（図１に一部のみ誇張して図
示）が形成されている。この摩擦抵抗低減手段１２は、
リボンガイド部材１１ａに設けてもよい。

【００２８】なお、摩擦抵抗低減手段１２としては、摩
擦抵抗の小さい摺動部材を貼着したり、コーティングし
たりする構成でもよく、インクリボン６の幅方向の端縁
がリボンガイド部材１１に当接した際に、リボンガイド
部材１１がケース本体２の内面と摺動し、リボンガイド
部材１１がインクリボン６および巻取りリール３ａとと
もに円滑に回転し、かつ、リボンガイド部材１１がケー
ス本体２の内面との摩擦負荷たる摺動抵抗を小さくする
ことのできるものであれば、特に、本実施の形態の摩擦
抵抗低減手段１２の構成に限定されるものではない。

【００２９】また、リボンガイド部材１１の小面積環状
部１１ａのみをケース本体２の内面に当接可能とする構
成の場合には、リボンガイド部材１１の小面積環状部１
１ａと対向する対向面にのみ摩擦抵抗低減手段１２を形
成する構成としてもよい。

【００３０】つぎに、前述した構成からなる本実施の形
態の作用について説明する。

【００３１】本実施の形態のリボンカセット１によれ
ば、記録動作時におけるインクリボン６は、図示しない
リボン走行機構により、送出リール３ａからガイドロー
ラ５ａを介して送出用のリボン送りローラ４ｂの外周に
沿い、ガイドローラ５ｂを経てケース本体２の外部へ導
出されて記録ヘッドとしての例えばサーマルヘッド部分
に案内され、さらに、ガイドローラ５ｃを経て巻取り用
のリボン送りローラ４ａの外周に沿い、ガイドローラ５
ｄを介して巻取りリール３ｂに巻取られるようになって
いる。

【００３２】そして、本実施の形態のリボンカセット１
によれば、送出リール３ｂから繰り出されたインクリボ
ン６を巻取りリール３ａに巻き取る際に、巻取りリール
３ａに巻き取られるインクリボン６の幅方向の端縁は、
前記リボンガイド部材１１によって走行位置を規制する
ことができるので、前記段ずれを防止することができ
る。また、巻取りリール３ａに巻き取られるインクリボ
ン６の幅方向の端縁の走行位置を規制するリボンガイド
部材１１は、インクリボン６の幅方向の端縁が当接した
場合に、インクリボン６および巻取りリール３ａととも
に円滑に従動回転させることができる。

【００３３】そして、リボンガイド部材１１がインクリ
ボン６および巻取りリール３ａとともに従動回転するこ
とで、インクリボン６を巻き取る際の負荷変動が小さく
なるとともにリボンガイド部材１１により幅方向のガイ
ドがなされることにより段ずれの防止が行われるため、
インクリボン６の走行安定性をより確実に向上させるこ
とができるので、その結果、常に安定した適正な記録品
質を確実に得ることができる。

【００３４】また、本実施の形態の導電性シートにより
形成されたリボンガイド部材１１は、帯状の導電性シー
トをプレスで打ち抜くことにより容易に形成することが
できるので、生産性の向上と経済的負担の低減とを図る
ことができる。

【００３５】さらにまた、本実施の形態のリボンカセッ
ト１によれば、リボンガイド部材１１が導電性シートに
よって形成されているので、記録動作時にインクリボン
６に発生する静電気を容易に除去することができる。こ
のインクリボン６に発生する静電気を除去するための具
体的な構成としては、例えば、ケース本体２に、ケース
本体２の内外を連通するとともに、ケース本体２の内部
側でリボンガイド部材１１に当接する導電性部材を設け
る構成を例示することができる。

【００３６】なお、リボンガイド部材１１としては、小
面積環状部１１ａおよび大面積環状部１１ｂからなる２
段構成とせずに、単に平板状に形成したものであっても
全体として摩擦負荷を小さくすることができるととも
に、常に一定の接触面積をもって摺動するので本質的に
は問題ない。

【００３７】また、本発明は、前記実施の形態に限定さ
れるものではなく、必要に応じて変更することができ
る。

【００３８】

【発明の効果】以上説明したように本発明のリボンカセ
ットによれば、記録動作時のインクリボンの走行安定性
を向上し、常に安定した適正な記録品質を確実に得るこ
とができるという極めて優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明に係るリボンカセットの実施の形態の
全体構成を示す分解斜視図

【図２】 本発明に係るリボンカセットの実施の形態の
内部構成を示す平面図

【図３】 本発明に係るリボンカセットの実施の形態の
内部構成を示す縦断面図

【符号の説明】

１ リボンカセット ２ ケース本体 ３ リール ３ａ 巻取りリール ３ｂ 送出リール ６ インクリボン １１ リボンガイド部材 １１ａ 小面積環状部 １２ 摩擦抵抗低減手段

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケース本体の内部に巻取りリールおよび
   送出リールからなる１対のリールを回転自在に配設し、
   前記１対のリール間にそれぞれ両端が固着されたインク
   リボンを巻回してなるリボンカセットであって、 前記ケース本体の内部の少なくとも前記巻取リール側の
   前記インクリボンの長手方向と直交する幅方向の端縁と
   前記ケース本体の内面との間に、前記インクリボンの幅
   方向の端縁が当接した際に従動回転可能なリボンガイド
   部材を設けたことを特徴とするリボンカセット。
2. 【請求項２】 前記リボンガイド部材が導電性素材によ
   り形成されていることを特徴とする請求項１に記載のリ
   ボンカセット。
3. 【請求項３】 前記導電性素材が導電性を付与された樹
   脂シートであることを特徴とする請求項２に記載のリボ
   ンカセット。
4. 【請求項４】 前記ケース本体の内面と前記リボンガイ
   ド部材との相互に対向する対向面の少なくとも一方に摩
   擦抵抗低減手段を設けたことを特徴とする請求項１乃至
   請求項３の何れか１項に記載のリボンカセット。