JPH0996637A - リポタンパク中の成分の測定法 - Google Patents

リポタンパク中の成分の測定法

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JPH0996637A
JPH0996637A JP20891896A JP20891896A JPH0996637A JP H0996637 A JPH0996637 A JP H0996637A JP 20891896 A JP20891896 A JP 20891896A JP 20891896 A JP20891896 A JP 20891896A JP H0996637 A JPH0996637 A JP H0996637A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料中の特定のリポタンパク中の測定対
象成分を、従来汎用されていた沈澱法に於て必要であっ
た特定のリポタンパクを分離する為の前処理操作なしで
直接自動分析装置等を用いて測定することを可能とする
方法を提供。 【解決手段】 生体試料と特定のリポタンパク以外のリ
ポタンパクに対する抗体を含有する第1液とを混合して
反応させた後に吸光度(OD1)を測定し、次いで該反
応液とリポタンパク中の測定対象成分測定用試薬を含有
する第2液とを混合し更に反応させた後に吸光度(OD
2)を測定し、これらOD2及びOD1を利用することに
よる特定のリポタンパク中の測定対象成分の測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は、血清、血漿などの生体
試料中の特定のリポタンパク中の測定対象成分を測定す
る方法に関するものであり、特に、臨床検査で測定が広
く普及している高比重リポタンパク(High Density Lip
oprotein。以下、HDLと略記する。)中のコレステロ
ールの自動化定量に有利に応用できる測定方法に関す
る。
【0002】
【発明の背景】特定のリポタンパク中の測定対象成分、
例えばHDL中のコレステロールを測定する方法として
は、超遠心分離法、電気泳動法、沈殿法等が知られてい
るが、臨床検査の分野に於ては、超遠心分離法及び電気
泳動法に比較して操作が簡便な沈殿法が日常的に広く実
施されている。しかしながら、該沈殿法は、血清と沈殿
分離剤を混合して特定のリポタンパク以外のリポタンパ
クを沈殿、遠心分離させた後に、上清を採取するとい
う、不要のリポタンパク画分を分別する前処理工程と、
該上清中に存在する特定のリポタンパク画分中の測定対
象成分を測定する工程とからなるものであるため、通常
の自動分析装置だけで測定を実施することができないと
いう問題を有している。
【0003】この問題を解決するために、例えば、特開
平6-242110号公報に開示された方法が開発されている。
即ち、特定のリポタンパク以外のリポタンパクを凝集剤
又は/及び抗体を使用して凝集させた後に、特定のリポ
タンパク中の特定成分の定量用試薬を該成分と反応さ
せ、その後、当該反応を停止させると同時に又は後に、
凝集させたリポタンパクを溶解させて、均一溶液として
から該溶液の吸光度を測定するという方法がそれであ
る。
【0004】しかしながら、この方法は、測定に3又は
4種の試薬が必要であるため、3又は4種の試薬を用い
て測定が可能なごく一部の自動分析装置にしか適用でき
ず、通常の臨床検査において用いられている2種の試薬
までしか使用できない自動分析装置を用いては測定を実
施することはできないという問題がある。また、3又は
4種の試薬を用いて測定を行なうため、測定値の再現性
が低下するという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した如き状況に鑑
み本発明が解決しようとする課題は、生体試料中の特定
のリポタンパク中の測定対象成分を、従来汎用されてい
た沈殿法に於て必要であった特定のリポタンパクを分離
する為の前処理操作なしで直接自動分析装置等を用いて
測定することを可能とする方法を提供することにある。
【0006】
【発明を解決するための手段】本発明は、生体試料と、
特定のリポタンパク以外のリポタンパクに対する抗体を
含有する試液とを混合して反応させた後に吸光度(OD
1)を測定し、次いで該反応液とリポタンパク中の測定
対象成分測定用試薬を含有する試液とを混合し更に反応
させた後に吸光度(OD2)を測定し、OD2とOD1
基づいて特定のリポタンパク中の測定対象成分量を求め
ることを特徴とする測定法の発明である。
【0007】また、本発明は、(i)特定のリポタンパク
以外のリポタンパクに対する抗体と緩衝剤とを含む試
液、及び(ii)リポタンパク中の測定対象成分測定用試薬
と緩衝剤とを含む試液、を含んでなる特定リポタンパク
中の測定対象成分測定用キットの発明である。
【0008】即ち、本発明者らは、特定のリポタンパク
中の測定対象成分を、不要のリポタンパクを分離分別す
る為の前処理操作なしで直接自動分析装置で測定し得る
方法を見出すべく鋭意研究を重ねた結果、生体試料と特
定のリポタンパク以外のリポタンパクに対する抗体を含
有する第1液とを混合して反応させた後に吸光度(OD
1)を測定し、次いで該反応液とリポタンパク中の測定
対象成分測定用試薬を含有する第2液とを混合し更に反
応させた後に吸光度(OD2)を測定し、これらOD2
びOD1を利用すれば、不要のリポタンパクを分離分別
することなく特定のリポタンパク中の測定対象成分の測
定が可能となることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0009】リポタンパクはその比重により分類され、
例えばカイロミクロン(Chylomicrons;CM)、超低比
重リポタンパク(Very Low Density Lipoprotein;VL
DL)、低比重リポタンパク(Low Density Lipoprotei
n;LDL)、HDL等に分けられる。
【0010】本発明に於ては、これらのリポタンパクの
何れかを特定のリポタンパクとして取りあげ、その中に
含まれる特定成分を測定するに際し、まず当該測定の対
象となる特定のリポタンパク以外の上記リポタンパクに
対する抗体を用いてこれを生体試料と反応させ、吸光度
(OD1)を測定し、次いで、該反応液に特定成分(測
定対象成分)測定用試薬を反応させた後に吸光度(OD
2)を測定し、これらOD2及びOD1を利用することに
より、不要のリポタンパクを分離分別することなしに特
定のリポタンパク中の特定成分(測定対象成分)の測定
を行うことを可能ならしめたのである。
【0011】本発明に於て、特定のリポタンパク中の測
定対象成分としては、例えばコレステロール、トリグリ
セライド、リン脂質等が挙げられる。
【0012】本発明に於て用いられる、特定のリポタン
パク以外のリポタンパクに対する抗体としては、例えば
血清、血漿等の生体試料と反応させ、次いでこれにリポ
タンパク中の測定対象成分測定用試薬を反応させる際
に、特定のリポタンパク以外のリポタンパク中に含まれ
る測定対象成分が当該測定反応に関与するのを防止する
作用を有するものであればポリクローナル抗体でもモノ
クローナル抗体でもよく、特に限定することなく挙げら
れ、その由来も特に限定されるものでないが、該防止作
用の効果の程度を考慮するとポリクローナル抗体の方が
好ましく、また、モノクローナル抗体を使用する場合は
抗原認識部位が異なるものを2〜3種類以上、好ましく
は5種以上組合せて用いることが望ましい。本発明に於
て、好ましい抗体の具体例としては、例えば抗アポリポ
タンパクA抗体、抗アポリポタンパクB抗体、抗アポリ
ポタンパクC抗体、抗アポリポタンパクE抗体等の抗ア
ポリポタンパク抗体類、例えば抗αリポタンパク抗体、
抗βリポタンパク抗体等の抗リポタンパク抗体類等が挙
げられる。
【0013】これらの抗体のうちから、測定対象成分に
応じて最適のものを適宜選択使用すればよい。例えば、
HDL中の測定対象成分の測定に於て、HDL以外のリ
ポタンパク中の測定対象成分が測定対象成分測定反応に
関与するのを防止するために使用される抗体としては、
例えば、抗アポリポタンパクB抗体、抗アポリポタンパ
クC抗体、抗アポリポタンパクE抗体、抗βリポタンパ
ク抗体等が挙げられる。
【0014】これら抗体は、目的の防止作用が生ずるの
であれば単独で用いても適宜混合して用いても良い。ま
たこれら抗体は、酵素的或は化学的に分解、修飾された
例えばF(ab')2、酵素結合抗体、ハプテン結合抗体等
であってもよい。尚、本発明に係る抗体は、血清、血漿
等の生体試料と反応させ、次いでこれにリポタンパク中
の測定対象成分測定用試薬を反応させる際に、特定のリ
ポタンパク以外のリポタンパク中に含まれる測定対象成
分が当該測定反応に関与するのを防止する作用を有する
ものであるが、中でも、特定のリポタンパク以外のリポ
タンパクとの反応によって生じる凝集の程度が、目的の
測定に支障をきたさないようなものが適宜選択されて用
いられる。
【0015】これら特定のリポタンパク以外のリポタン
パクに対する抗体の使用濃度としては、特定のリポタン
パク以外のリポタンパク中に含まれる測定対象成分が測
定対象成分測定用試薬と反応しないようにし得る濃度以
上であればよく、特に限定されないが、最終の反応液中
の濃度が通常0.001〜10mgAb/ml、好ましくは0.01〜1mg
Ab/mlとなるように第1液中に添加される。
【0016】抗体を含有する試液に於ては緩衝剤をさら
に含有させることが望ましい。これらの緩衝剤として
は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、グッド
の緩衝剤、リン酸緩衝剤、ホウ酸緩衝剤等のpH5.0〜1
1.0で緩衝能を有していて測定対象成分の測定反応を阻
害しないものであれば何れでもよいが、例えば、HDL
中のコレステロールの測定に於て用いられる緩衝剤とし
てはpH5.7〜9.1で緩衝能を有する例えばN-(2-アセタ
ミド)-2-アミノエタンスルホン酸,N-(2-アセタミド)イ
ミノ2酢酸等のグリシン誘導体、ヒドロキシアルキルア
ミン誘導体〔より具体的には、例えばN,N-ビス(2ーヒド
ロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸,ビス(2ー
ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)
メタン,3-[N,N-ビス(2ーヒドロキシエチル)アミノ]
-2-ヒドロキシプロパンスルホン酸等の2-ヒドロキシエ
チルアミン誘導体、例えばトリス(ヒドロキシメチル)
アミノメタン、例えば3ー[N-トリス(ヒドロキシメチ
ル)メチルアミン]ー2ーヒドロキシプロパンスルホン
酸,N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエ
タンスルホン酸等のトリス(ヒドロキシメチル)アミン
誘導体等〕等が挙げられ、この中でもヒドロキシアルキ
ルアミン誘導体が測定精度の面から特に好ましいものと
して挙げられる。特にHDL中のコレステロールを測定
する場合に用いる緩衝剤としてはヒドロキシアルキルア
ミン誘導体が好ましい。
【0017】また、これら緩衝剤の使用濃度としては、
通常10mM〜1M、好ましくは20〜500mMの範囲から
適宜選択される。
【0018】また、本発明に於て用いられる測定対象成
分測定用試薬としては、リポタンパク中に含まれる測定
対象成分を測定するために使用可能なものであれば特に
限定されず、この分野で自体公知の測定方法に使用され
るものは全て使用できる。尚、現在、この分野では酵素
を利用した各種測定法(酵素法)が普及しており入手が
容易であるので、本発明に於てもこの酵素法に用いられ
る試薬の利用が特に有利である。
【0019】例えば、リポタンパク中のコレステロール
を測定するための試薬としては、例えばコレステロール
オキシダーゼ(COD)、コレステロール エステラー
ゼ(CHE)、ペルオキシダーゼ(POD)、被酸化性
発色剤等を含有する酸化呈色法用試薬、例えばCHE、
コレステロール脱水素酵素(CHD)、ニコチンアミド
アデニンジヌクレオチド(NAD)等を含有する紫外部
測定法用試薬等の自体公知の測定方法に於て用いられる
試薬が挙げられる。また、リポタンパク中のトリグリセ
ライドを測定するための試薬としては、例えばグリセロ
キナーゼ−グリセロール-3-ホスフェート オキシダーゼ
法、グリセロールデヒドロゲナーゼ法、グリセロキナー
ゼ−グリセロール-3-ホスフェートデヒドロゲナーゼ法
等の自体公知の測定方法に於て用いられる試薬が挙げら
れ、リポタンパク中のリン脂質を測定するための方法と
しては、例えば有機溶媒抽出法、ホスホリパーゼDとコ
リンオキシダーゼを用いた方法等の自体公知の測定方法
に於て用いられる試薬が挙げらる。
【0020】尚、これら各測定用試薬は、通常抗体を含
有しない試薬(第2液)中に含有されるが、これらの一
部、例えばPOD、被酸化性発色剤、NAD等は抗体を
含有する試薬(第1液)中に含有させておいても良い。
また、これら測定試薬の各成分の使用濃度としては、通
常この分野で測定の際に使用される濃度範囲から適宜選
択して用いれば足りる。
【0021】界面活性剤には測定対象成分(特にコレス
テロール)の測定反応速度を促進し測定に要する時間を
短縮することを可能とするという効果があるので、本発
明に於て用いられる抗体を含まない試液(第2液)中に
は界面活性剤が含まれていても良い。このような目的で
添加し得る界面活性剤としては、特定のリポタンパク中
の測定対象成分の測定反応を阻害するような性質を有さ
ないものであれば、非イオン界面活性剤、両性界面活性
剤、陽イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤の何れに
てもよく、特に限定されない。このような界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシエチレンセチルエーテル、
ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチ
レンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル(例えばポリオキシエチレンイソオクチ
ルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル等)、ポリエチレングリコールモノラウレー
ト等の非イオン性界面活性剤、例えば、ステアリルベタ
イン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエ
チルイミダゾリニウムベタイン等の両性界面活性剤、例
えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、アルキ
ルベンジルジメチル等の陽イオン性界面活性剤、例え
ば、コール酸、デオキシコール酸、ポリオキシエチレン
アルキルフェノールエーテル硫酸ナトリウム等の陰イオ
ン性界面活性剤が挙げられる。尚、本発明の方法を自動
分析装置へ適用する場合には、第2液中に上記の如き界
面活性剤を添加しておくことが望ましい。また、測定精
度の面を考慮すると中でもHLB12〜17の非イオン性界面
活性剤がより好ましい。特にHDL中のコレステロール
を測定する場合に用いられる非イオン性界面活性剤とし
てはHLB12〜17のものが好ましい。尚、これら界面活
性剤は単独で用いても、或は適宜混合して用いても何れ
にてもよい。
【0022】また、これら界面活性剤の使用濃度として
は、特に限定されないが、最終の反応液中の濃度が通常
0.001〜10w/v%、好ましくは0.01〜1w/v%となるよう
に通常は第2液中に添加される。
【0023】尚、抗体を含む試液(第1液)中に界面活
性剤を添加すると特定のリポタンパク以外のリポタンパ
ク中の測定対象成分に由来する測定誤差が生じる場合が
あるので注意が必要である。
【0024】また、本発明の測定法に於て用いられる、
第1液及び第2液中には、免疫凝集反応を利用した測定
法に於て通常用いられる、所謂凝集促進剤(例えば、ポ
リエチレングリコール、ポリビニルアルコール等)は基
本的に添加されない。即ち、先にも述べたように本発明
の測定法に於て凝集の程度が強くなり過ぎるとOD1
値が高くなり過ぎて目的のリポタンパク中の特定成分の
測定に支障をきたすことになるからである。尚、このこ
とは凝集促進剤の添加を全く排除することを意味するも
のではなく、目的の測定に支障をきたさない濃度範囲で
あれば、これら所謂凝集促進剤に属する化合物が第1液
及び第2液中に共存していてもよい。
【0025】本発明の測定法を実施するには、例えば以
下の如く行えばよい。即ち、例えば血清、血漿等の生体
試料と、特定のリポタンパク以外のリポタンパクに対す
る抗体と緩衝剤とを含有する第1液とを混合し、2〜40
℃で3〜30分間反応させた後に吸光度(OD1)を測定
する。次いで、該反応液と、測定対象成分測定用試薬及
び緩衝剤、要すれば界面活性剤を含有する第2液とを混
合し2〜40℃で3〜30分間反応させた後に吸光度(OD
2)を測定する。上記のOD2から、OD1に由来する値
(例えばOD1に液量補正計数をかけて求めた値)を差
し引いた吸光度(OD3)を求め、得られたOD3を、例
えば予め特定のリポタンパク中の測定対象成分濃度既知
の標準液を試料として上記と同じ試薬を用い同様の操作
を行って求めた該測定対象成分濃度とOD3との関係を
示す検量線にあてはめることにより、生体試料中の特定
のリポタンパク中の測定対象成分の値が求められる。
【0026】本発明の特定のリポタンパク中の成分測定
用キットは、上述の特定のリポタンパク中の成分を測定
するために使用されるもので、(i)特定のリポタンパク
に対する抗体と、緩衝剤とを含む試液(第1液)と、(i
i)リポタンパク中の測定対象成分測定用試薬と、緩衝剤
と、そしてさらに望ましくは界面活性剤とを含む試液
(第2液)とを含んでなるものであり、夫々の構成要件
の好ましい態様、具体例については上で述べたとおりで
ある。
【0027】尚、上記キットに於て、測定への影響が生
じないのであれば通常第2液中に含有される測定対象成
分測定用試薬の一部を第1液に含有させておいても良
い。例えば、酵素法を用いて特定のリポタンパク中のコ
レステロールを測定する際のコレステロールの測定試薬
として、例えばコレステロール オキシダーゼ(CO
D)、コレステロール エステラーゼ(CHE)、ペル
オキシダーゼ(POD)、並びに4−アミノアンチピリ
ン及び酸化剤により4−アミノアンチピリンとカップリ
ングして発色する試薬(以下、単に発色性試薬と略記す
る。)を組み合わせた被酸化性発色剤を用いる場合、第
1液に特定のリポタンパク以外のリポタンパクに対する
抗体と緩衝剤、第2液にCODとCHEと緩衝剤とが入
っていることが必須条件であり、そして、更にこれに界
面活性剤が入っていることが望ましいが、その他の試薬
ついては第1液中、第2液中のどちらに入っていてもよ
い。尚、試液の安定性を考慮すると、例えば第1液中に
特定のリポタンパク以外のリポタンパクに対する抗体、
緩衝剤及び4−アミノアンチピリンを、また、第2液中
にCOD、CHE、POD、発色性試薬、緩衝剤及び界
面活性剤を含有させる組合せが特に好ましいものとして
挙げられる。
【0028】以下に、実施例及び参考例を挙げて本発明
を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例及び参考例に於て使
用される略称の正式名は下記の通りである。 BES;N,N-ビス(2ーヒドロキシエチル)-2-アミノエタン
スルホン酸、 COD;コレステロールオキシダーゼ、 CHE;コレステロールエステラーゼ、 POD;ペルオキシダーゼ、 DAOS;N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピ
ル)-3,5-ジメトキシアニリン、 TritonX-100(ローム アンド ハアース社商品名);ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB:13.
5)、 ACES;N-(2-アセタミド)-2-アミノエタンスルホン酸、 エマレックスNPL-30(日本エマルジョン(株)商品名);
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(HLB:1
7)、 トリトンX-405(ローム アンド ハアース社商品名);
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB:1
7.9)
【0029】
【実施例】
実施例1 日立7150形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用し
て、本発明の測定法により血清中のHDL中のコレステ
ロール量を測定した。 〔試料〕新鮮ヒト血清10検体を試料とした。 〔試薬〕 試液1(R−1):抗βリポタンパク抗血清(12mgAb/ml:和光純薬工業(株) 製) 1w/v% 4−アミノアンチピリン 1mM BES-NaOH緩衝液(pH7.0) 100mM 試液2(R−2):COD 3単位/ml CHE 3単位/ml POD 1単位/ml DAOS 1mM TritonX-100 0.05w/v% BES-NaOH緩衝液(pH7.0) 100mM 〔測定パラメータ(測定条件)〕 測定方法;2ポイントエンド法 [24]−[50] 試料量;4μl R−1;270μl R−2;90μl 測定波長;700/600nm 測定温度;37℃ 〔結果〕測定結果を表1に示す。
【0030】実施例2 日立7150形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用し
て、本発明の測定法により血清中のHDL中のコレステ
ロール量を測定した。 〔試料〕実施例1と同じ。 〔試薬〕 試液1(R−1):抗βリポタンパク抗血清(12mgAb/ml:和光純薬工業(株) 製) 1w/v% 4−アミノアンチピリン 1mM ACES-NaOH緩衝液(pH7.0) 100mM 試液2(R−2):COD 3単位/ml CHE 3単位/ml POD 1単位/ml DAOS 1mM TritonX-100 0.05w/v% ACES-NaOH緩衝液(pH7.0) 100mM 〔測定パラメータ(測定条件)〕実施例1と同じ。 〔結果〕測定結果を表1に併せて示す。
【0031】参考例1 実施例1で用いた血清検体について、従来法のリンタン
グステン酸・マグネシウム塩沈殿法に基づくHDL−コ
レステロールE−テストワコー(和光純薬工業(株)製)
によりHDL中のコレステロールの測定を行った。尚、
測定操作は、同キットの現品説明書の標準操作法に従っ
て行った。 〔結果〕測定結果を表1に併せて示す。
【0032】
【表1】
【0033】表1の結果から、本発明の方法によるHD
L中のコレステロールの測定値は参考例1(従来法)で
求めたコレステロール値と良好な相関を示すことが判
る。本発明の測定法により得られた測定値は、参考例1
で得られた測定値に比較して若干高くなっている。しか
し、参考例1のリンタングステン酸・マグネシウム塩沈
殿法によるHDL中のコレステロールは、標準法である
超遠心分離法で求められる値よりも若干低めに出ること
が知られている。従って、本発明の測定法(特に実施例
1)で得られた測定値は標準法の値により近いと考えら
れる。
【0034】実施例3 日立7170形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用し
て、本発明の測定法により血清中のHDL中のコレステ
ロール量を測定した。 〔試料〕新鮮ヒト血清10検体を試料とした。 〔試薬〕 試液1(R−1):抗アポリポタンパクB抗血清(12mgAb/ml:ベーリンガー・ マンハイム(株)製) 3w/v% 4−アミノアンチピリン 1mM Tris-HCl緩衝液(pH7.2) 100mM 試液2(R−2):COD 3単位/ml CHE 3単位/ml POD 1単位/ml DAOS 1mM エマレックスNPL-30 0.05w/v% Tris-HCl緩衝液(pH7.2) 100mM 〔測定パラメータ(測定条件)〕 測定方法;2ポイントエンド法 [16]−[34] 試料量;4μl R−1;270μl R−2;90μl 測定波長;700/600nm 測定温度;37℃ 〔結果〕測定結果を表2に示す。
【0035】実施例4 日立7170形自動分析装置((株)日立製作所製)を使用し
て、本発明の測定法により血清中のHDL中のコレステ
ロール量を測定した。 〔試料〕実施例3と同じ。 〔試薬〕 試液1(R−1):抗アポリポタンパクB抗血清(12mgAb/ml:ベーリンガー・ マンハイム(株)製) 3w/v% 4−アミノアンチピリン 1mM Tris-HCl緩衝液(pH7.2) 100mM 試液2(R−2):COD 3単位/ml CHE 3単位/ml POD 1単位/ml DAOS 1mM トリトンX-405 0.1w/v% Tris-HCl緩衝液(pH7.2) 100mM 〔測定パラメータ(測定条件)〕実施例3と同じ。 〔結果〕測定結果を表2に併せて示す。
【0036】参考例2 実施例3で用いた血清検体について、従来法のリンタン
グステン酸・マグネシウム塩沈殿法に基づくHDL−コ
レステロールE−テストワコー(和光純薬工業(株)製)
によりHDL中のコレステロールの測定を行った。尚、
測定操作は、同キットの現品説明書の標準操作法に従っ
て行った。 〔結果〕測定結果を表2に併せて示す。
【0037】
【表2】
【0038】表2の結果から、本発明の方法によるHD
L中のコレステロールの測定値は参考例2の従来法で求
めたコレステロール値と良好な相関を示すことが判る。
【0039】
【発明の効果】以上述べたことから明らかな如く、本発
明は、不要のリポタンパクを分別するための前処理操作
が不要で自動分析装置に直接適用することが可能な、生
体試料中の特定のリポタンパク中の測定対象成分を測定
する方法を提供するものであり、本発明を利用すること
により、2種の試液で測定可能であるので汎用の自動
分析装置を利用して測定が可能であり、且つ良好な再現
性が得られるので高精度の測定が可能となる、本発明
では凝集させた特定のリポタンパク以外のリポタンパク
を特定のリポタンパク中の測定対象成分を測定後に再度
溶解させて均一溶液とした後に吸光度の測定を行なうと
いう工程がないために2ポイントエンド法での測定が可
能であり、生体試料中の共存物質に由来する吸光度の影
響も受け難い、等の効果を奏するものであるので、斯業
に貢献するところ大なる発明である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12Q 1/44 7823−4B C12Q 1/44 1/60 7823−4B 1/60

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 生体試料と、特定のリポタンパク以外の
    リポタンパクに対する抗体を含有する試液とを混合して
    反応させた後に吸光度(OD1)を測定し、次いで該反
    応液とリポタンパク中の測定対象成分測定用試薬を含有
    する試液とを混合し更に反応させた後に吸光度(O
    2)を測定し、OD2とOD1に基づいて特定のリポタ
    ンパク中の測定対象成分量を求めることを特徴とする測
    定法。
  2. 【請求項2】 特定のリポタンパクが高比重リポタンパ
    クである請求項1に記載の測定法。
  3. 【請求項3】 測定対象成分がコレステロールである請
    求項1又は2に記載の測定法。
  4. 【請求項4】 (i)特定のリポタンパク以外のリポタン
    パクに対する抗体と緩衝剤とを含む試液、及び(ii)リポ
    タンパク中の測定対象成分測定用試薬と緩衝剤とを含む
    試液、を含んでなる特定リポタンパク中の測定対象成分
    測定用キット。
  5. 【請求項5】 (ii)にさらに界面活性剤を含んでなる請
    求項4に記載のキット。
  6. 【請求項6】 特定のリポタンパクが高比重リポタンパ
    クである請求項4又は5に記載のキット。
  7. 【請求項7】 測定対象成分がコレステロールである請
    求項4〜6の何れかに記載のキット。 【0001】
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