JPH0995531A - ポリ乳酸の脱モノマー法及び装置 - Google Patents

ポリ乳酸の脱モノマー法及び装置

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JPH0995531A
JPH0995531A JP16468496A JP16468496A JPH0995531A JP H0995531 A JPH0995531 A JP H0995531A JP 16468496 A JP16468496 A JP 16468496A JP 16468496 A JP16468496 A JP 16468496A JP H0995531 A JPH0995531 A JP H0995531A
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仁実 小原
Seiji Sawa
誠治 澤
Yasuhiro Fujii
康宏 藤井
Masahiro Ito
正博 伊藤
Masaaki Ota
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来、ポリ乳酸ペレット中にはラクチド等の
低分子物質が含まれており、これがポリマーのガラス転
移点温度および、溶融粘度を低下させ、成形加工性、熱
安定性を著しく劣下させていた。 【解決手段】 ポリ乳酸ペレットを原料フィーダー1か
ら結晶化器2に導入して、ポリ乳酸ペレットを先ず結晶
化する。結晶化したポリ乳酸ペレットは、ホッパー型リ
アクター3に送り、ここに加熱された不活性ガスをガス
供給口cから導入し、その熱でペレット中の低分子物
質、例えばラクチドをガス化し、不活性ガスの流れに乗
せて、ガス排気口d→ガス供給口b→結晶化器2→ガス
排気口a→コンデンサ6の経路をたどり系外に排出す
る。脱低分子されたポリ乳酸ペレットは冷却器4で捕捉
されて製品となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリ乳酸ペレット
中の低分子物質、例えばラクチドを除去する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリ乳酸は生体安全性が高く、しかも分
解物である乳酸は生体内で吸収される。このようにポリ
乳酸は生体安全性の高い高分子化合物であり、手術用縫
合糸、ドラッグデリバリー(徐放性カプセル)、骨折時
の補強材など医療用にも用いられ、自然環境下で分解す
るため分解性プラスチックとしても注目されている。ま
た、一軸、二軸延伸フィルムや繊維、射出成形品などと
して種々の用途にも用いられている。
【0003】このようなポリ乳酸の製造法には、乳酸を
直接脱水縮合して目的物を得る直接法と、乳酸から一旦
環状ラクチド(二量体)を合成し、晶析法などにより精
製を行い、ついで開環重合を行う方法がある。ラクチド
の合成、精製及び重合操作は、例えば米国特許第4,0
57,537号明細書:公開欧州特許出願第261,5
72号明細書:Polymer Bulletin,14,491-495(1985);及
びMakromol.Chem.,187,1611-1628(1986)のような化学文
献で様々に記載されている。また、特公昭56−146
88号公報には2分子の環状ジエステルを中間体とし、
これをオクチル酸錫、ラウリルアルコールを触媒として
重合し、ポリ乳酸を製造することが開示されている。こ
のようにして得られたポリ乳酸は、成形加工の工程にお
ける取り扱い性を容易にするため、あらかじめ米粒大か
ら豆粒程度の大きさの球状、立方体、円柱状、破砕状等
のペレット状の製品とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、分子量
10万〜50万の高分子量のポリ乳酸の融点は175〜
200℃と高く、従来このようなポリ乳酸の最終重合物
を溶融状態で反応器から取り出し、これを融点以上に加
熱すると、ポリ乳酸の分解や着色を生じた。さらにこの
様な温度においては、多量のラクチドがポリマー中に発
生した。これはこの様な温度においてはポリマーとラク
チドの平衡がラクチド側に傾くためと思われる。
【0005】これらラクチドや分解物はポリ乳酸ペレッ
トを原料とした射出成形や、紡糸の際に昇華し、ダイス
やノズルに付着し、操作のさまたげとなっていた。さら
にラクチドや分解物はポリマーのガラス転移点温度およ
び、溶融粘度を低下させ、成形加工性、熱安定性を著し
く劣下させていた。
【0006】そのため、ポリ乳酸の脱モノマー法が各種
提案されており、例えば特開平3−14829号があ
る。これにはポリエステルを融点以上、250℃の範囲
に保ち、5mmHg以下に減圧することにより、残存モ
ノマーや低分子揮発物を除去する方法が記載されてお
り、さらに融点未満であると未反応モノマーはほとんど
揮発しないと記載されている。しかし、この方法は、溶
融状態で低分子物質を除去するものであるので、ポリマ
ーとラクチドの平衡がラクチド側に傾き、ラクチドがポ
リマー中に再発生する。従って、この方法では低分子物
質を除くには限界があった。
【0007】また、特開平5−255488号には、5
μ〜5mmの個別的粒径を有する低分子量乳酸ポリマー
をガラス転移点温度より高く、かつその融点よりも低い
温度で加熱することにより、脱水反応による重縮合によ
り、分子量を増加させる方法が記載されている。しか
し、この方法は、実施例によれば操作に240時間を要
しており、工業的に実施できるとは考え難い。しかも、
この方法は主として医用材料を対象としており、そのた
め無触媒で分子量を上げることを特徴とし、低分子物質
を低減することに主眼がおかれていない。
【0008】そこで、本発明は、分子量を増加させず、
固相状態でも未反応モノマーなどの低分子物質などの揮
発性不純物を効率良く除去することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の課題
について鋭意研究を行った。その結果、ポリ乳酸ペレッ
トを結晶化してから未反応モノマーや低分子物質などを
除去すれば、着色、分解のないポリ乳酸を製造すること
ができるとの知見を得て本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、乳酸を直接重合あるいはラクチドを
開環重合して製造したポリ乳酸ペレットを結晶化する工
程と、該結晶化した固形のポリ乳酸ペレットより低分子
物質をガス化除去する工程とからなることを特徴とす
る。
【0010】本発明のポリ乳酸ペレットは、乳酸の直接
重合による製造あるいはラクチドの開環重合による製造
のいずれでも良いが、高分子量のものを得るためにも後
者のほうが好ましい。
【0011】ラクチドの開環重合による製造法の場合、
重合温度は140〜210℃、L−ラクチドのラセミ
化、分解着色を押さえるために好ましくは150〜18
0℃で行う。重合により重量平均分子量5万〜30万の
ポリ乳酸が得られる。但し、本明細書中におけるポリ乳
酸の重量平均分子量とは、GPCのクロマトグラムにお
けるポリマー部分のみの重量平均分子量のことである。
【0012】重合は、1つ以上の縦型反応器で、十分容
易に流動可能な状態まで行う。縦型反応器は重合の進行
に従い、ポリマー粘度が上昇するので、違った粘度に対
応する翼を持った複数の反応器で行うのが好ましい。ま
た、連続操作を行うときも滞留時間分布がシャープにな
り、体積あたりの伝熱面積を大きくするために複数の反
応器を直列につなぐ。例えば、はじめに傾斜翼、タービ
ン翼、全面翼等を備えた反応器を用い、低粘度域で触媒
を均一に攪拌する。次にヘリカルリボン翼などの高粘度
用翼を持った反応器で攪拌する。なお、複数の反応器を
用いる場合、各反応温度は必ずしも同じ温度にする必要
はない。
【0013】重合に用いる触媒としては、オクチル酸ス
ズなどのスズ系化合物、テトライソプロピルチタネート
などのチタン系化合物、ジルコニウムイソプロポキシド
などのジルコニウム系化合物、三酸化アンチモンなどの
アンチモン系化合物等、いずれも乳酸の重合に従来公知
の触媒が挙げられる。また、添加する触媒量によって、
最終ポリマーの分子量を調整することもできる。触媒量
が少ないほど反応速度は遅くなるが、分子量は高くな
る。また、核剤(タルク、クレー、酸化チタン等)を添
加してもよい。
【0014】重合で使用されるラクチドはD−、L−、
DL−またはD−、L−の混合物等から選ばれ、ラクト
ン類、例えばβ−プロピオラクトン、δ−バレルラクト
ン、ε−カプロラクトングリコリド、δ−ブチルラクト
ン等との共重合も可能である。またグリセリンなど多価
アルコールにより物性をコントロールすることもでき
る。重合反応は触媒の種類によって異なるがオクチル酸
スズを用いる場合、ラクチド重量に対して0.0001
〜0.1重量%、好ましくは0.05〜0.001重量
%の触媒を用い、通常1.0〜30時間加熱重合する。
反応は窒素など不活性ガスまたは空気またはそれらの混
合ガス雰囲気または気流中にて行うのが好ましい。
【0015】重合されたポリ乳酸はペレット状に成型さ
れる。ペレットの形状としては、粉砕上、角形チップ
状、円柱状、マーブル状など特定の形状の必要はない
が、円柱状かマーブル状が好ましい。そのための装置と
しては、サンドビック社製ストリップフォーマー、ロー
トフォーマー、ダブルロールフィーダー、カイザー社製
ロータリー式ドロップフォーマー、およびピストン式ド
ロップフォーマー、三菱化成エンジニアリング製ドラム
クーラー、日本ベルディング社製スチールベルトクーラ
ーおよびハイブリッドフォーマーなどが挙げられる。ペ
レットの大きさに関しては特に指定は無いが、ペレット
の袋詰めなど製造工程におけるハンドリングおよび二次
成形の際のハンドリングを考慮すると、形状に関わら
ず、ペレットあたり0.1〜10g好ましくは1〜5g
である。
【0016】製造したポリ乳酸ペレットを結晶化する。
結晶化に際しては、結晶化熱が発生し所定の温度をオー
バーしペレット同士が融着することを防ぐため、流動性
の高い状態で行う。結晶化では、機械的または不活性ガ
スによる流動を行いながら、ジャケットかつ/または加
熱された不活性ガスを用い、ガラス転移点以上、融点以
下(55〜180℃、好ましくは80〜120℃)に1
0分〜5時間、好ましくは1〜2時間保持する。このよ
うな装置としては既存のコニカルドライヤーなどが使用
できるが、連続操作を行う場合は例えばホソカワミクロ
ン製トーラスディスクやビューラー社製OTWKやOT
WGが挙げられる。これらの装置は結晶化させるペレッ
トの分子量、添加剤、構成単位である乳酸の光学純度な
どによりペレットの融着性が高くなる場合には多段にし
て使用する。
【0017】次に結晶化したペレット中の低分子物質を
ガス化除去(脱低分子)する。除去は、ジャケットかつ
/または加熱された不活性ガスまたは空気またはそれら
の混合ガスを用い、ガラス転移点以上、融点以下(10
0〜180℃、好ましくは120〜140℃)に10〜
100時間、好ましくは20〜50時間保持する。ここ
での保持時間は除去しようとする低分子物質の量及び真
空度または不活性ガス等の通気量、温度などによって変
わる。除去するための装置は、連続的に操作する場合は
中空円筒状の反応器が用いられ、加熱された不活性ガス
等を下部より上部に通気し、ペレットは上部より仕込
む。
【0018】なお、結晶化と脱低分子の操作の区分は必
ずしも明確ではなく、結晶化装置のみを用い温度や反応
時間を操作することにより、脱低分子も行うことができ
る。結晶化装置と脱低分子装置はペレットを流動させる
能力の違いによる。すなわち、結晶化装置は結晶加熱に
よる融着を防ぐため、高い流動性が必要である。しか
し、工業的製造を前提とした装置の場合、高い流動性を
必要とするのは結晶化工程のみであり、脱低分子工程は
簡素な中空円筒型リアクターとするのが得策である。
【0019】脱低分子されたペレットは、例えば中空円
筒型の冷却器を通過させることにより、ガラス転移点温
度以下に冷却され取り出される。この冷却器としては例
えば機械的にペレットを流動させるホソカワミクロンの
トーラスディスクを使用することができる。脱低分子さ
れた本発明のポリ乳酸は重量平均分子量10〜50万、
未反応ラクチド1.0%以下の性質を有する。
【0020】なお、本発明で除去される低分子物質は、
主として未反応のラクチドである。除去されたラクチド
は、冷却コンデンサー、サイクロン、フィルター、乳酸
または溶融ラクチドのスクラバーなどにより回収され、
再び原料として使われる。コンデンサーを用いる場合
は、ラクチドを冷却固化し捕捉するか、液状で捕捉する
かが考えられるが、液状で捕捉する方が連続操作上好ま
しい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の方法を実施する装置の一
例を図面に基づいて説明する。図1が脱モノマー装置の
一例で、図中1が原料フィーダーで、中空円筒体のタン
クからなり、上下部に開口があり、下部開口に開閉弁を
設けている(図示せず)。
【0022】原料フィーダー1の下部には結晶化器2が
接続されている。結晶化器2は、中空直方体のタンクか
らなり、上部にガス排気口a,下部にガス供給口bを有
しており、後述する脱低分子操作を行うためのホッパー
型リアクター3を経由して加熱された不活性ガスが流動
する。この不活性ガス、例えば窒素ガスの流動により、
結晶化器2内はポリ乳酸ペレットのガラス転移点以上、
融点以下(55〜180℃)に保持される。なお、ガス
供給口bは結晶化したペレットをホッパー型リアクター
3に送るための供給口も兼用している。すなわち、ペレ
ットは重力の作用で供給口から落下し、不活性ガスのみ
がガス供給口より供給される。
【0023】3のホッパー型リアクターは、中空円筒状
の反応器で、結晶化器2と同様にガス供給口c,ガス排
気口dを有しており、加熱された不活性ガスが流動す
る。この不活性ガスは、ガス源11からコンデンサ6、
ヒーター7を経由してホッパー型リアクター3のガス供
給口cより流入するようになっており、ヒーター7で所
定温度まで加熱される。なお、不活性ガスの流動経路1
0を図の破線で示しており、不活性ガスは、ガス源11
→コンデンサ6→ヒーター7→ガス供給口c→ホッパー
型リアクター3→ガス排気口d→ガス供給口b→結晶化
器2→ガス排気口a→コンデンサ6の経路をたどり系外
に排出される。コンデンサ6では、ガス排気口aより排
出されたガス化された低分子を含む不活性ガスを冷却
し、低分子を液化または固化し、系外へ取り出す。不活
性ガスは、再びヒーター7で加熱され、循環使用される
が、系外へ漏れ出た分をガス源11より新たに加える。
【0024】なお、ガス排気口dは結晶化したペレット
の供給口も兼用する。また、リアクター3の下部には制
御弁12も設けられている。
【0025】ホッパー型リアクター3の下部には、中空
円筒型の冷却器4が接続されており、リアクター3で脱
モノマーされたポリ乳酸ペレットを固化して、製品5と
して取り出す。なお、冷却器4は、容器周囲に冷却水8
を循環させて容器自体を冷却している。また、冷却器4
の下部には制御弁13も設けられている。
【0026】以上の構成で、ポリ乳酸ペレットの脱モノ
マーは次の様に行う。先ず、ポリ乳酸ペレットを原料フ
ィーダー1に供給し、下部開口の開閉弁を開け連続的に
結晶化器2にポリ乳酸ペレットを導入する。結晶化器2
では、ガス供給口bより加熱された不活性ガスが流動
し、その熱によりポリ乳酸ペレットが結晶化される。結
晶化されたポリ乳酸ペレットはホッパー型リアクター3
に送られる。このときホッパー型リアクター3の制御弁
12は閉じられており、結晶化ペレットが一定時間リア
クター3内に保持される。リアクター3内にも加熱され
た不活性ガスが導入されているので、その熱でポリ乳酸
ペレットは溶融し、低分子成分、例えばラクチドのみが
ガス化除去される。ガス化除去した低分子成分は不活性
ガスの流れに乗って、ガス排気口d→ガス供給口b→結
晶化器2→ガス排気口a→コンデンサ6の経路をたどり
系外に排出される。ここで、ガス化除去した低分子成分
はコンデンサ6で冷却されて、液化排出される(図の矢
印9)。この液化排出された低分子成分は、主にラクチ
ドであるので重合に再利用できる。
【0027】リアクター3内で所定時間の処理が済め
ば、低分子成分が除去されたポリ乳酸ペレットは冷却器
4に導入される。冷却器4内で室温近くまで冷却された
ポリ乳酸ペレットは、制御弁13より製品5として取り
出される。以上の操作は連続的に行われる。すなわち原
料フィーダー1より連続的に供給され、制御弁13から
連続的に取り出される。なお、ここでいう処理時間と
は、容器内での平均滞留時間をさす。
【0028】なお、以上の説明では結晶化器2およびホ
ッパー型リアクター3の加熱は、不活性ガスの通気によ
り行っていたが、これに限定されず、個々の容器にヒー
タ等を設置し個別に加熱してもよい。更に、ホッパー型
リアクター3を用いず、結晶化器2で結晶化、脱低分子
までの工程を一括して行ってもよい。
【0029】
【実施例】本発明の方法を以下の実験により確かめた。 [実験例1] (原料)自社製ラクチド50kgを神鋼パンテック製ロ
グホーン翼を持つ50/縦型反応器に仕込み、攪拌機は
60rpm.で回転させ、110℃で溶解後、オクチル
酸スズ10ppmを添加して、160℃で47時間反応
させた。この時のポリ乳酸の重量平均分子量は19.3
万、ガラス転移点は40.1℃、残存ラクチドは12%
であった。このポリ乳酸を三菱化成エンジニアリング製
ドラムクーラ(DC450)を使用し、4×4×1mm
の角形ペレットとした。
【0030】(脱モノマー)結晶化及び脱低分子器とし
てホソカワミクロン製、トーラスディスク(12-3型)
(伝熱面積;1.9m2 )を使い、これにペレット20
kgを仕込み、140℃の窒素を200NL/minを
36時間通気した。ディスクの回転数は30rpm.であっ
た。残存ラクチドは970ppm.ガラス転移点温度は
60.5℃、重量平均分子量は15.6万、MFRは
4.18であった。
【0031】[実験例2] (原料)自社製ラクチド50kgを神鋼パンテック製ロ
グホーン翼を持つ50/縦型反応器に仕込み、攪拌機は
60rpm.で回転させ、110℃で溶解後、オクチル
酸スズ10ppmを添加して、160℃で47時間反応
させた。この時のポリ乳酸の重量平均分子量は19.3
万、ガラス転移点は40.1℃、残存ラクチドは12%
であった。このポリ乳酸を三菱化成エンジニアリング製
ドラムクーラ(DC450)を使用し、4×4×1mm
の角形ペレットとした。
【0032】(脱モノマー)結晶化器としてホソカワミ
クロン製、トーラスディスク(12-3型)(伝熱面積;
1.9m2 )を使い、これの出口側に内径35cm、長
さ230cmの中空円筒形のホッパー型リアクターをつ
なぎ、さらに内径35cm、長さ100cmの中空円筒
形のホッパー型冷却器をつないだ。2.5kwの電熱器
を2つを用い、窒素を200NL/minを140℃に
加熱し、ホッパー型リアクターの下部より通気し、さら
に結晶化器に通気した。結晶化器のディスクの回転数は
30rpm.であった。結晶化器入口よりフィーダーにより
ペレットを5kg/hで連続的に供給した。冷却器は冷
却水により30℃以下に冷却されていた。
【0033】除去されたラクチドは、伝熱面積3m2
カーベイト製コンデンサーで捕捉した。捕捉されたラク
チドは液状であり、重合に再び供されたが特に品質に問
題はなかった。なお、このときのコンデンサーの冷却温
度は100℃であった。さらに窒素は循環して使用し
た。
【0034】処理されたポリ乳酸ペレットは、残存ラク
チドは850ppm.ガラス転移点温度は61.5℃、
重量平均分子量は16.6万、MFRは4.20であっ
た。
【0035】[実験例3]実験例2と同様の操作で、コ
ンデンサーの温度を20℃まで下げ、コンデンサー内で
ラクチドを固化させた。同様に窒素は循環して使用し
た。製品の物性は実験例2と同じであったが、固化した
ラクチドを溶融するためコンデンサー温度を120℃に
昇温する必要があった。
【0036】なお、実験例の分析条件は下記の通りであ
る。 <分子量の測定;GPC測定> (株)島津製作所製 検出器; RID-6A ポンプ; LC-9A カラムオーブン; CTO-6A カラム;Shim-pack GPC-801C,-804C,-806C,-8025C を直列 分析条件 溶媒;クロロフォルム 流速;1ml/min サンプル量; 200μl (サンプル0.5w/w%をクロロフォルム に溶かした。) カラム温度; 40℃ <残存ラクチドの測定>試料をアセトニトリルに一昼
夜、浸漬し、抽出液を液体クロマトグラフにより下記条
件で測定し、絶対検量線法で算出した。
【0037】 (株)島津製作所製 検出器; SPD-6AV (UV 210nm) ポンプ; LC-9A カラムオーブン; CTO-6A カラム;Asahipac GF-7MHQ(7.6mmID,300MML) 分析条件 溶媒;アセトニトリル 流速; 0.6 ml/min サンプル量; 10 μl <ガラス転移点温度の測定>JIS K7121に従い
中間点ガラス転移点温度とした。
【0038】<MFR(メルトフローレート)の測定>
JIS K7120に従測定した。
【0039】
【発明の効果】本発明の脱モノマー法を使用すれば、低
分子成分を含まない成型加工性に優れたポリ乳酸ペレッ
トが製造できる。従って、本発明の方法で処理したポリ
乳酸ペレットはフィルム、繊維、射出成型物などの成型
性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施する装置の概略図
【符号の説明】
1;原料フィーダー 2;結晶化器 3;ホッパー型リアクター 4;冷却器 6;コンデンサー 7;ヒーター 10;不活性ガスの流動経路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正博 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内 (72)発明者 大田 昌昭 京都市中京区西ノ京桑原町1番地 株式会 社島津製作所三条工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 乳酸を直接重合あるいはラクチドを開環
    重合して製造したポリ乳酸ペレットを結晶化する工程
    と、該結晶化した固形のポリ乳酸ペレットより低分子物
    質をガス化除去する工程とからなることを特徴とするポ
    リ乳酸の脱モノマー法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、不活性ガスま
    たは空気またはそれらの混合ガスを加熱し通気させて固
    形のポリ乳酸ペレットより低分子物質をガス化除去する
    ことを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸の脱モノマー
    法。
  3. 【請求項3】 請求項1の方法において除去された低分
    子物質を捕捉し、重合に供することを特徴とするポリ乳
    酸の製造法。
  4. 【請求項4】 請求項1の方法において脱モノマーされ
    た分子量10〜50万、未反応ラクチド1.0%以下の
    ポリ乳酸。
  5. 【請求項5】 ポリ乳酸ペレットを流動させながら、ペ
    レットのガラス転移点以上、融点以下の温度に保持する
    結晶化部と、前記結晶化部で結晶化した固形のポリ乳酸
    ペレットに不活性ガスまたは空気またはそれらの混合ガ
    スを加熱し通気させる反応器とからなるポリ乳酸の脱モ
    ノマー装置。
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