JPH0988952A - スライド機構用ガイドローラ - Google Patents

スライド機構用ガイドローラ

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JPH0988952A
JPH0988952A JP24972895A JP24972895A JPH0988952A JP H0988952 A JPH0988952 A JP H0988952A JP 24972895 A JP24972895 A JP 24972895A JP 24972895 A JP24972895 A JP 24972895A JP H0988952 A JPH0988952 A JP H0988952A
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JP
Japan
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guide roller
rubber
tetrafluoroethylene resin
track
support shaft
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JP24972895A
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English (en)
Inventor
Akinari Ohira
晃也 大平
Keisuke Ishida
啓介 石田
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゴム特有の弾性を有することに加えて、耐摩
耗特性、非粘着性に優れたスライド機構用ガイドローラ
として、荷重をかけて放置した場合でもガイドローラと
軌道が固着せず、かつスライド移動時に振動が発生せず
に滑らかに移動できるようにすることである。 【解決手段】 スライド方向に沿って設けた軌道2に接
して支持軸3の周りに回転するスライド機構用のガイド
ローラ1の軌道2との接触面もしくは支持軸3との摺接
面または両面を、アクリロニトリルブタジエンゴム10
0重量部に対して、表面にカーボン材を突出させたテト
ラフルオロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、球状
黒鉛5〜80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、被支持物を所定
方向に滑らかに移動させる場合に用いるスライド機構の
ガイドローラに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、機械部品などの被支持物を所定
の方向に滑らかに移動させるために、機械装置内の機構
としてまたは独立した搬送設備として、軌道に案内され
るガイドローラを用いたスライド機構が知られている。
【0003】このようなスライド機構の代表例として、
図1および図2に示したものが挙げられる。このもの
は、断面コ字形の軌道2に接するガイドローラ1を支持
軸3で回転自在に保持し、この支持軸3を機械部品搬送
用のフレーム4に固定したものである。
【0004】前記ガイドローラ1は、ウレタンゴムまた
はEPDMのような弾性のあるゴム材で形成されてお
り、その内周および外周にグリース等の液体または半固
体状の潤滑剤が塗布または含浸されている。したがっ
て、フレーム4を軌道2に沿って移動させると、弾性質
のガイドローラ1が支持軸3の周りに回転しながら移動
時の振動を吸収して、被支持物を所定の方向に滑らかに
移動させることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のスライド機構において弾性材料から成形されたガイド
ローラは、塗布または充填された潤滑剤が時間の経過と
共に流失して摩擦抵抗が大きくなり、また、荷重をかけ
て放置した場合にはガイドローラと軌道が固着して回転
しなくなる場合があるという欠点があった。
【0006】また、ガイドローラの使用回数が多くなる
と、支持軸に接するガイドローラの内周面および軌道に
接する外周面が歪に摩耗して、スライド移動時に振動
(いわゆるガタつき)が発生するという問題点も生じ
る。
【0007】なお、一般的にゴム材料を低摩擦化し、か
つ耐摩耗性を高めるための対策として、これまでに以下
のような諸策が検討されたが、いずれも有効な結果が得
られなかった。
【0008】すなわち、ゴム表面に四フッ化エチレン樹
脂シートを貼着する(特公昭46−23681号)方法
では、特に回転軸が比較的小型である場合に、四フッ化
エチレン樹脂シートが剥がれやすくて耐久性がなく、ま
たシートを張りつける製造工程が煩雑でコストが増大し
た。
【0009】ジエン系ゴム材に潤滑オイルを含浸した含
油ゴムは、機械的強度が極端に低下し、また摺動性は経
時的に低下しかつ不安定であった。
【0010】ゴム材の表面に四フッ化エチレン樹脂をコ
ーティングしたものは、四フッ化エチレン樹脂のコーテ
ィング膜焼成時にゴムが劣化するので、耐摩耗性の良好
なものが得られなかった。また、このようなコーティン
グ膜は、ゴムの変形に対する追従性が充分でないので、
シールを取り付ける際の伸び変形等によってコーティン
グ膜が剥離する問題があった。
【0011】また、ゴム材の表面を塩素系溶剤で処理し
て平滑化したり、プラズマ処理する方法を採用したシー
ルは摺動性の満足できるものではなかった。
【0012】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、スライド機構用ガイドローラを、ゴム特
有の弾性を有することに加えて、耐摩耗特性、非粘着性
に優れたものとして、荷重をかけて放置した場合でもガ
イドローラと軌道が固着せず、かつスライド移動時に振
動が発生せずに滑らかに移動できるようにすることであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、スライド方向に沿って設けた
軌道に接して支持軸の周りに回転するスライド機構用ガ
イドローラにおいて、このガイドローラの軌道との接触
面もしくは支持軸との摺接面または両面をアクリロニト
リルブタジエンゴム100重量部に対して、テトラフル
オロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、球状黒鉛5
〜80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形成した
のである。
【0014】また、前記テトラフルオロエチレン樹脂粉
末として、乳化重合終了後にカーボン材と共沈させて表
面にカーボン材を突出させたテトラフルオロエチレン樹
脂粉末を採用したのである。
【0015】または、前記テトラフルオロエチレン樹脂
粉末として、テトラフルオロエチレン樹脂とカーボン材
を乾式混合して表面にカーボン材を突出させたテトラフ
ルオロエチレン樹脂粉末を採用したのである。
【0016】
【発明の実施の形態】この発明におけるアクリロニトリ
ルブタジエンゴム(以下、NBRと略記する。)は、室
温においてゴム状弾性を有するものであればよく、周知
の合成法にて合成される広範囲のものを採用できる。
【0017】すなわち、NBRは、ブタジエンとアクリ
ロニトリルの共重合体であるから、アクリロニトリル量
を約15〜50%の範囲で調整して、その物性を変化さ
せることができる。そのようなニトリル量は、例えば低
ニトリル24%未満、中ニトリル24〜30%、中高ニ
トリル30〜36%、高ニトリル36〜42%、極高ニ
トリル42%を越えるものに分類できる。このような範
囲においてゴムの耐摩耗性、耐老化性、引張強さを増す
ためには、ニトリル量を多くするほうが好ましいが、ゴ
ム弾性、耐寒性、低温特性を損なわない程度にするに
は、ニトリル量を約24%〜42%の範囲、または約2
4%を越え42%未満の範囲にすることが好ましい。
【0018】このようなNBRの分子量は、通常5万以
上のものが望ましく、可及的に高分子量のものが良好な
結果を得ることから、より好ましくは7万以上、特に好
ましくは10〜50万程度のものを採用する。所要の条
件を満足する市販のNBRとしては、下記のものが挙げ
られる。
【0019】日本合成ゴム社製:JSR−N 日本ゼオン社製:NIPOL グッドイヤー(Goodyear) 社製:CHEMIGUM また、この発明におけるテトラフルオロエチレン樹脂
(以下、PTFEと略記する。)粉末とは、懸濁重合法
により製造されたモールディングパウダー、乳化重合法
により製造されたファインパウダーのいずれを使用して
もよいが、加圧・加熱処理された後、粉砕または粉砕
後、γ線照射処理または電子線照射処理されたもの、ま
たは重合後にγ線照射処理または電子線照射処理された
平均粒径20μm以内のものを使用することができる。
市販品としては、下記のものを例示できる。
【0020】ダイキン工業社製:ルブロンL10 旭硝子社製:フルオンG163、フルオンCD1、ルブ
リカントL169、L182J、 三井デュポンフロロケミカル社製:テフロン7J、 さらに、より好ましいPTFE粉末としては、図3にそ
の形態を拡大して示すものがある。このものはPTFE
粉末11の表面に、鱗片状黒鉛などのカーボン材12を
突出させたものであり、すなわちカーボン材12をPT
FE粉末11の表面に突き刺した状態にしたものであ
る。
【0021】このようなPTFE粉末を製造するには、
例えばファインパウダー製造の乳化重合終了時に、カー
ボン材と共沈させて凝析し、洗浄し、次いで乾燥する。
その他の製造方法としては、PTFE粉末にカーボン材
を乾式混合し、これがPTFE粉末の表面に突き刺さる
ようにして製造してもよい。
【0022】前記カーボン材としては、一般的な炭素粉
から黒鉛まで種々の結晶状態の粉末品を採用できるが、
黒鉛化による結晶構造によって潤滑性の向上が期待され
るから、特に黒鉛を採用することが好ましい。また、ゴ
ム材に汎用されるストラクチュアの大きいカーボンブラ
ックであるHAF、SAF、FEFまたはMTなどであ
ってもよい。
【0023】このようなPTFE粉末11は、図示のよ
うに黒鉛等からなるカーボン材12が、粉末表面におけ
る全方向(放射状)に突出しているから、ゴム基材13
内で物理的な杭効果があって確実に保持され、しかもゴ
ム基材13とカーボン材12の親和性がよいので、ゴム
基材13とPTFE粉末11を混練した組成物は、カー
ボン材を保持しないPTFE粉末を配合したゴム組成物
よりも高強度のものが得られる。
【0024】また、この発明に用いる球状黒鉛とは、ピ
ッチから紡糸する工程で副生する球状黒鉛、またはフェ
ノール樹脂を触媒下でパラフォルムアルデヒドと反応さ
せて球状に重合させたもの、さらにはその後、焼成・粉
砕した球状黒鉛が挙げられる。市販の球状黒鉛として
は、以下のものが挙げられる。
【0025】 大阪ガスケミカル社製:メソカーボンビーズ 鐘紡社製:ベルパール、 ユニチカ社製:ユニベックス、 日本カーボン社製:マイクロカーボンビーズ、 この発明におけるNBRと、PTFE粉末の配合重量比
は、NBR100重量部に対して、PTFE粉末10〜
100重量部であることが好ましい。PTFE粉末が1
0重量部未満では、NBRに充分な摩擦特性を付与でき
ず、100重量部を越えて多量に配合すると、ゴム硬度
が高くなって弾性特性がなくなり、または機械的強度が
極端に低下して実用に耐えないものとなるからである。
【0026】また、この発明に用いる球状黒鉛の配合重
量比は、NBR100重量部に対して、5〜80重量部
である。その理由は5重量部未満の配合割合では、NB
Rに充分な耐摩耗特性を付与できず、80重量部を越え
て多量に配合すると、ゴム硬度が高くなって弾性特性が
なくなり、または機械的強度が極端に低下して実用に耐
えないゴム組成物となるからである。
【0027】なお、この発明には、その目的を阻害しな
い添加量にて周知のゴム用配合剤または周知の添加剤を
配合してもよい。
【0028】(1)補強剤:カーボンブラック、シリ
カ、クレー、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水
酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、タルク、マイ
カ、カオリン、ベントナイト、シラス、ウォラストナイ
ト、炭化ケイ素、ガラス粉末、カーボン粉末、ボロン繊
維、アラミド繊維等、 (2)加硫助剤:亜鉛華、脂肪酸等、 (3)加硫促進剤:グアニジン類、イオウ類、アルデヒ
ド−アミン類、亜鉛類等、 (4)可塑剤:ジメチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート等、 (5)老化紡糸剤:アミン類、フェノール類等、 (6)その他、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着
色剤など、 さらに、成形時の離型性および表面の非粘着性を向上さ
せるために、オイル、ワックス、グリース類を添加して
もよい。その配合量は、ゴム成形品の機械的強度に影響
を及ぼさない程度であり、すなわちNBR100重量部
に対して2〜20重量部であることが好ましく、より好
ましくは5〜10重量部である。
【0029】固体潤滑剤として、PTFE以外に溶融フ
ッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP)などを添加してもよい。
【0030】以上の各種原材料を混合する方法は特に限
定するものではなく、通常広く用いられている方法、例
えば、主原料になるNBR、その他の充填剤を個別に順
次混合または一括してロール混合機、プロペラ混合機、
ニーダ混合機その他の混合機で混合すればよい。なお、
このとき摩擦による発熱を防止する意味で温調器を設け
ることが望ましい。また、ロール混合機を使用する場合
には、仕上げ混合として、ロール間隔を3mm以下とし
て薄通しを行なうことが好ましい。
【0031】この発明におけるスライド機構用ガイドロ
ーラは、その成形工程において特に限定した手段を必要
とするものではなく、通常のプレス成形方法で一時加硫
(例えば140〜170℃で10〜30分、加圧50〜
150kgf/cm2 )した後、二次加硫(例えば、1
50〜180℃で2〜20時間、加圧なし)して成形す
ることができる。
【0032】この発明のスライド機構用ガイドローラ
は、潤滑性ゴム組成物で全体を成形したものであっても
よいが、前記ガイドローラの内周面または外周面以外の
部分は前記テトラフルオロエチレン樹脂粉末および球状
黒鉛を含まないゴム材料で形成するか、または前記ゴム
組成物より硬質のプラスチックまたは金属材料で形成す
れば、多様な設計の要望に応え得るものとなる。
【0033】前記ゴム材料は、成形可能な周知のゴム材
料であってよく、たとえばニトリルゴム、クロロプレン
ゴム、ブタジエンゴム、ウレタンゴム、スチレンゴム、
ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、エチレン
ゴムおよびフッ素ゴムなどの加硫ゴム、またはウレタ
ン、ポリエステル、ポリアミド、塩化ビニル、ポリブタ
ジエンおよび軟質ナイロンなどの熱可塑性エラストマ
ー、または液状ウレタン、液状ブタジエンなどの液状エ
ラストマーなどが挙げられる。
【0034】この発明におけるスライド機構用ガイドロ
ーラ1の実施の形態としては、前記した図1または図2
に示したように、スライド方向に沿って設けた断面コ字
形の軌道2に接し、鋼製の支持軸3の周りに回転するも
のを例示できる。この場合、ガイドローラ1を潤滑性ゴ
ム組成物で厚肉の円筒状に成形したことにより、軌道2
との接触面および支持軸3との摺接面の両面が前記潤滑
性ゴム組成物からなる。
【0035】また、図外の被支持物を支持するフレーム
4の側壁に、支持軸3の一端を埋め込んで固定している
ので、フレーム4を図中矢印方向に移動させると、支持
軸3は回転するガイドローラ1に摺接し、ガイドローラ
1の外周面は軌道2に回転しながら接触して所定方向へ
案内される。
【0036】なお、図示は省略したが、ガイドローラ1
の外周面(軌道2との接触面)もしくは内周面(支持軸
3との摺接面)または両面以外の部分を、テトラフルオ
ロエチレン樹脂粉末および球状黒鉛を含まない一般的な
ゴム材料で形成すれば、コストや機械的強度の点で種々
の要望に対応するものとなる。
【0037】
【実施例】実施例および比較例で用いた原材料を一括し
て示すと以下のとおりである。なお、各成分の配合割合
は下記のNBR基礎配合100重量部に対する重量部で
示した。
【0038】 [NBR基礎配合A](高ニトリルタイプ、ニトリル量36〜42%) 日本合成ゴム社製:JSR220S 100 重量部 ステアリン酸ナトリウム:一般工業材 1 〃 カーボンブラック:FEF 30 〃 加硫促進剤1:大内新興化学工業社製:TT 2 〃 加硫促進剤2:大内新興化学工業社製:M 2 〃 加硫助剤:酸化亜鉛(活性亜鉛華) 10 〃 加硫剤:イオウ 1.0 〃 [NBR基礎配合B](中ニトリルタイプ、ニトリル量25〜30%) 日本合成ゴム社製:JSR240S 100 重量部 ステアリン酸ナトリウム:一般工業材 1 〃 カーボンブラック:FEF 30 〃 加硫促進剤1:大内新興化学工業社製:TT 2 〃 加硫促進剤2:大内新興化学工業社製:M 2 〃 加硫助剤:酸化亜鉛(活性亜鉛華) 10 〃 加硫剤:イオウ 1.0 〃 [潤滑剤] (1)黒鉛共沈PTFE〔PTFE−1〕 乳化重合にて重合完了後に平均粒径6μmの黒鉛と7:
3の重量比で共沈させ、凝析、洗浄して得られたもので
ある。
【0039】(2)黒鉛とのドライブレンドPTFE
〔PTFE−2〕 旭硝子社製PTFE(ルーブリカントL182J)を平
均粒径6μmの黒鉛と7:3の重量比にてヘンシェルミ
キサーでドライブレンドしたものである。
【0040】(3)PTFE〔PTFE−3〕 旭硝子社製:PTFEルーブリカントL182J (4)ETFE(旭硝子社製:アフロンCOP Z88
20) (5)球状黒鉛(鐘紡社製:ベルパールC2000) (6)シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF9
6−300) 〔実施例1〜9、比較例1〜5〕ロール間隔5〜10m
m程度に調整したロール混合機に、NBR(220Sま
たは240S)を巻き付け、基礎配合AまたはBに示し
た割合で無機充填剤、老化防止剤、カーボン、イオウ、
加硫促進剤を順次混合し、最後に表1または表2に示し
た割合でPTFEおよび他の充填剤を混練した。
【0041】その後、ロール間隔を1mmに調整し、薄
通しを10回行なった。なお、このときの摩擦熱を防止
する目的で、常時ロール内に冷却水を通し、ロール温度
を60℃以下に保った。次に、冷却水を止め、ロール内
にスチームを通してゴム温度が70℃以上90℃以下に
なるように調整し、その後、ロール間隔を1mmに狭め
て薄通しを10回行ない、それぞれ10kgのコンパウ
ンドを得た。
【0042】以上のようにして得られたコンパウンドを
縦300mm、横300mm、厚さ1mmの金型でプレ
ス成形し、1次加硫(160℃、10分、プレス圧12
0kgf/cm2 )および2次加硫(フリー加熱、15
0℃、4時間)を行なった。このようにして加硫を終え
たシート状の各試験片について、動摩擦係数、摩耗係
数、機械的特性(表面硬度、引張強度、伸び率)を求
め、また併せて固着試験を行なった。各試験方法は次の
通りである。
【0043】(a)摩擦・摩耗試験:内径φ17mm、
外径φ21mmのリング状シート試験片をφ17×φ2
1×t10(mm)のアルミ合金製リングに接着して摩
擦試験片とした。相手材は軸受鋼(SUJ2)の研磨品
とし、スラスト型摩擦試験機にて評価した。試験条件
は、周速1.0m/分、面圧3.0kgf/cm2 、試
験時間100時間とし、動摩擦係数と摩耗係数 (×1
-10 cm3 /kgf・m)を表3または表4中に併記
した。
【0044】(b)機械的特性 得られたシート状試験片に対してJIS−K6301に
準拠し、硬度(JIS−A)、引張り強度(kgf/c
m)、伸び率(%)を調べ、結果を表3または表4中に
併記した。
【0045】(c)固着性試験 潤滑性ゴム組成物をP16形状のOリング(内径16m
m、線径1.9mm)に成形したものを試験片とし、こ
れを軸受鋼研磨品に10kgの荷重で圧接し、そのまま
湿度60%、温度50℃の条件で24時間保持し、潤滑
性組成物の軸受鋼に対する非粘着性を調べた。評価方法
としては、Oリングを剥がした際に軸受鋼の表面に固着
物がない場合は〇印、固着物が少量の場合は△印、固着
物が多量である場合は×印の3段階に評価した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】〔比較例6〕比較例1と同様にして、NB
R基礎配合Bのコンパウンドを作成し、比較例1と同じ
製法で試験片を得た。この試験片に対してゴム用市販コ
ーティング剤(日本アチソン社製:エムラロン345)
をスプレーコーティング法にて約15μmの被膜を形成
した。コーティング後、電気炉にて80℃で1時間乾燥
し、さらに焼成して最終的に試験片を完成させた。
【0051】得られた試験片に対して、実施例と全く同
様の試験方法にて評価し、結果を表4中に併記した。
【0052】表3および表4の結果からも明らかなよう
に、一般的なNBRの配合物だけの比較例1では摩擦係
数が高く摩耗量が大きかった。また、NBRにPTFE
を添加した2、3は、いずれも摩擦係数がゴム基材より
若干低くなったが、摩耗係数が充分に改良されなかっ
た。また、球状黒鉛を配合した比較例4では、耐摩耗性
が若干改善されたが、摩擦係数が1.1と大きくなり、
固着性試験でも圧接した相手材に固着物が残った。シリ
コーンオイルを配合した比較例5は、機械的強度(引張
強度)が著しく低下しており、それに伴って摩耗特性も
不良であった。
【0053】これに対して、カーボン材が表面に突出し
た粉体状PTFEと球状黒鉛を併用して添加した実施例
1〜9は、機械的強度の低下が少なく、低摩擦係数およ
び優れた耐磨耗性があり、固着性試験でも相手材に固着
物がなかった。これらのことから、実施例1〜9の潤滑
性ゴム組成物からなるスライド機構用ガイドローラは、
荷重をかけて放置した場合でもガイドローラと軌道が固
着せず、かつスライド移動時に振動が発生せずに滑らか
に移動できることがわかる。
【0054】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、スラ
イド機構用ガイドローラの摺接面を、アクリロニトリル
ブタジエンゴムと、表面にカーボン材を突出させたテト
ラフルオロエチレン樹脂粉末と、球状黒鉛を所定量配合
した潤滑性ゴム組成物で形成したので、このものがゴム
特有の弾性を有することに加えて、耐摩耗特性、非粘着
性に優れたものとなり、荷重をかけて放置した場合でも
ガイドローラと軌道が固着せず、かつスライド移動時に
振動が発生せずに滑らかに移動できるようなる利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】スライド機構およびガイドローラの要部を切り
欠いて示す斜視図
【図2】スライド機構およびガイドローラの断面図
【図3】ゴム基材中のテトラフルオロエチレン樹脂粉末
を示す模式図
【符号の説明】
1 ガイドローラ 2 軌道 3 支持軸 4 フレーム 11 PTFE粉末 12 カーボン材 13 ゴム基材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライド方向に沿って設けた軌道に接し
    て支持軸の周りに回転するスライド機構用ガイドローラ
    において、このガイドローラの軌道との接触面もしくは
    支持軸との摺接面または両面をアクリロニトリルブタジ
    エンゴム100重量部に対して、テトラフルオロエチレ
    ン樹脂粉末10〜100重量部、球状黒鉛5〜80重量
    部を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形成したことを特徴
    とするスライド機構用ガイドローラ。
  2. 【請求項2】 前記テトラフルオロエチレン樹脂粉末
    が、乳化重合終了後にカーボン材と共沈させて表面にカ
    ーボン材を突出させたテトラフルオロエチレン樹脂粉末
    である請求項1記載のスライド機構用ガイドローラ。
  3. 【請求項3】 前記テトラフルオロエチレン樹脂粉末
    が、テトラフルオロエチレン樹脂とカーボン材を乾式混
    合して表面にカーボン材を突出させたテトラフルオロエ
    チレン樹脂粉末である請求項1記載のスライド機構用ガ
    イドローラ。
  4. 【請求項4】 前記ガイドローラの軌道との接触面もし
    くは支持軸との摺接面または両面以外の部分が、テトラ
    フルオロエチレン樹脂粉末および球状黒鉛を含まないゴ
    ム材料で形成されている請求項1〜3のいずれか1項に
    記載のスライド機構用ガイドローラ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003222129A (ja) * 2001-11-26 2003-08-08 Nippon Thompson Co Ltd スライド装置のシール構造
JP2020525731A (ja) * 2017-06-29 2020-08-27 ベルテック アソシエイツ インコーポレイテッドVeltek Associates, Inc. 固定された搬送プラットフォームおよび供給品搬送装置のための洗浄装置
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