JPH0673370A - ダンパシール材 - Google Patents

ダンパシール材

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JPH0673370A
JPH0673370A JP22892092A JP22892092A JPH0673370A JP H0673370 A JPH0673370 A JP H0673370A JP 22892092 A JP22892092 A JP 22892092A JP 22892092 A JP22892092 A JP 22892092A JP H0673370 A JPH0673370 A JP H0673370A
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JP
Japan
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damper
essential component
molecular weight
copolymer
tetrafluoroethylene
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Application number
JP22892092A
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English (en)
Inventor
Kenichi Sakai
賢一 酒井
Yoshiro Oki
芳郎 沖
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高いシーリング力を有し、耐摩耗性、低摩擦
特性および振動吸収に優れたダンパシール材を提供す
る。 【構成】 緩衝器またはダンパにおいてエネルギ吸収の
ため用いられる流体の漏出を防止するため、摺動可能に
設けられる部材に接するよう設けられるダンパシール材
であって、熱可塑性フルオロ樹脂、フッ素ゴムおよび低
分子量含フッ素重合体を主成分とする潤滑性ゴム組成物
で形成されるダンパシール。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車、二輪車、鉄
道車両等の車両、航空機、計測器、一般機械、構造物な
どの振動系に付加して、自由振動の防止や強制振動の振
幅低減等を図るための装置であるダンパまたは緩衝器に
用いられるシール材に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】自動
車や二輪車等の車両において、旋回時や急制動時の車体
の上下や左右動を有し、かつ衝撃緩和の役目を持たせる
ため、サスペンション装置が設けられる。このサスペン
ション装置において、板ばねやコイルばね等のばねが要
素部品として組込まれるが、さらにばねの振動を吸収
し、車体の揺れを止めるため、たとえばオイル圧により
ゆっくりばねが戻るよう制御するショックアブソーバが
装備される。
【0003】サスペンション装置に用いられるショック
アブソーバは、一般にダッシュポット機構を利用した油
圧ダンパであり、シリンダ内にピストンで押込められた
油が調圧弁を有するオリフィスから逃げるとき、ピスト
ンの両面に生ずる圧力差が振動体への抵抗力となる機構
を用いている。
【0004】このような機構において、ピストンとシリ
ンダの間から油が漏出するのを防ぐダンパシールは、シ
ョックアブソーバにおいて最も重要な部材の1つであ
る。このシール材には、ピストンの摺動に耐え得るシー
リング力を有し、かつ耐摩耗性、低摩擦特性および振動
吸収性に優れているという性能が要求される。
【0005】現在のところ、ダンパシール材には、主と
してジエン系合成ゴムが採用されている。しかしなが
ら、ジエン系合成ゴムは、長期にわたってオイル中で高
圧にさらされた場合の劣化や摺動部分の摩耗が問題とな
っている。
【0006】また、ジエン系合成ゴム等のシール材の片
表面にテフロンシートを張付けたものも用いられている
が、やはり上述したようなゴムの劣化という問題を有す
るほか、接着部の剥離という問題をさら有している。ま
た、このようなシール材は、摺動面が弾性体でないた
め、振動吸収力の点で十分満足できるものではない。
【0007】一方、振動吸収性を向上させるため、ジエ
ン系ゴム材にオイルを含浸させたタイプも検討された。
しかし、このタイプのシール材では、時間がたつにつれ
オイルが排出されて次第に摺動抵抗が大きくなり、ステ
ィックスリップ等の発生および破損発生等が起こった。
【0008】また、ゴム材へのテフロンコーティングも
試みられたが、ゴム材が耐熱性に劣り、耐摩耗性の点に
おいても十分でなかった。
【0009】さらに、ポリエチレン等のオレフィン系ポ
リマーもシール材として検討されたが、振動吸収がほと
んどできなかった。
【0010】一方、ジエン系ゴムにテフロン系やシリコ
ーン系等の固体潤滑剤を添加し、低摩擦特性を付与させ
たシール材も開発された。しかしながら、開発されたい
ずれのシール材も固体潤滑剤の添加のため硬度が高くな
り、シーリング力が不充分であったほか、引張り強度や
引裂き強度が極端に低下したり、耐摩耗性がジエン系ゴ
ムより劣るという問題を有していた。
【0011】また、シール材としてシリコーンゴムやフ
ッ素ゴムも対象として検討されたが、その特性において
ジエン系ゴムと有意差は特に認められなかった。
【0012】このような背景において、近年、振動吸収
初期のピストンの動きについて静摩擦特性および動摩擦
特性に優れたシール材が要望されてきた。また、耐摩耗
性および低摩擦特性に優れ、寿命が長く、かつ振動吸収
性の優れたシール材が望まれてきたことは上述したとお
りである。
【0013】この発明の目的は、以上に述べてきたダン
パシール材の要求を満足させるべく、高いシーリング力
を有し、耐摩耗性、低摩擦特性および振動吸収性に優れ
たダンパシール材を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明は、緩衝器また
はダンパにおいてエネルギ吸収のため用いられる流体の
漏出を防止するために、摺動可能に設けられる部材に接
するよう設けられるダンパシールであって、装着時に他
の部材と接触する部分を含む一部または全体が、第1必
須成分としての熱可塑性フルオロ樹脂、第2必須成分と
してのフッ素ゴムおよび第3必須成分としての低分子量
含フッ素重合体を配合した潤滑性ゴム組成物から形成さ
れることを特徴とする。
【0015】この発明は、緩衝器またはダンパにおいて
流体の漏出を防止するためのシール材であり、たとえ
ば、自動車、二輪車、鉄道車両等の車両、航空機、計測
器、一般機械、構造物などの振動系に付加して自由振動
の防止や強制振動の振幅低減を図るためのダンパまたは
緩衝器に適用できる。特に、この発明に従うダンパシー
ル材は、自動車や二輪車等のショックアブソーバに用い
られるシール材として望ましい。
【0016】この発明において、潤滑性ゴム組成物の第
1必須成分である熱可塑性フルオロ樹脂は、主鎖に炭素
鎖を有し、側鎖にフッ素の結合を有するポリマーであっ
て、たとえばテトラフルオロエチレン・パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体(以下PFAと略記す
る)、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(以下FEPと略記する)およびテトラフ
ルオロエチレン・エチレン共重合体(以下ETFEと略
記する)からなる群から選択される1種以上の重合体で
あることが望ましい。上述のいずれの樹脂も、触媒乳化
重合、懸濁重合、触媒溶液重合、気相重合および電離性
放射線照射重合などの各種重合方式により製造すること
ができる。熱可塑性フルオロ樹脂の分子量は、50,0
00以下が望ましく、5,000〜20,000が特に
望ましい。
【0017】以上の条件に該当する熱可塑性フルオロ樹
脂の代表例として、PFAである三井・デュポンフロロ
ケミカル社製PFA MP10、FEPである三井・デ
ュポンフロロケミカル社製テフロンFEP100、ET
FEである旭硝子社製アフロンCOPなどを挙げること
ができる。
【0018】この発明において、潤滑性ゴム組成物の第
2必須成分であるフッ素ゴムは、平均して1個以上のフ
ッ素原子を含む単位モノマーの重合体または共重合体で
あって、ガラス転位点が室温以下であり、室温でゴム状
弾性を有するものであれば、特に限定されるものではな
く、広範囲のものを例示することができる。
【0019】フッ素ゴムの重合方式としては、塊状重
合、懸濁重合、乳化重合、溶液重合、触媒重合、電離性
放射線重合、およびレドックス重合などを挙げることが
できる。また、フッ素ゴムの分子量は、通常50,00
0以上が望ましく、可及的に高分子量のものが良好な結
果をもたらすことから、70,000以上がより好まし
く、100,000〜250,000が特に望ましい。
【0020】以上の条件に該当するフッ素ゴムの代表例
として、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体
である旭硝子社製アフラス、フッ化ビニリデン・ヘキサ
フルオロプロピレン共重合体であるデュポン・昭和電工
社製バイトン、フッ化ビニリデン・ヘキサフルオロプロ
ピレン・テトラフルオロエチレン共重合体であるモンテ
フルオス社製 テクノフロン、フルオロシリコーン系エ
ストラマーであるダウコーニング社製シラスティックL
S、パーフルオロ系エストラマーであるダイキン工業社
製ダイエルパーフロなどを挙げることができる。
【0021】上述した熱可塑性フルオロ樹脂およびフッ
素ゴムを混合した組成物は、弾性体としての特性を有す
る。この発明において、潤滑性ゴム組成物の第3必須成
分である低分子量含フッ素重合体は、このような弾性体
にさらに優れた摺動特性を付与するために配合される。
【0022】この発明において、低分子量含フッ素重合
体とは、テトラフルオロエチレン(TFE)等のフルオ
ロオレフィン重合体、主要構造単位−Cn 2n−O−
(nは1〜4の整数)を有するフルオロポリエーテル、
主要構造単位
【0023】
【化1】
【0024】などを有するポリフルオロアルキル基含有
化合物(炭素数2〜20)のうち分子量50,000以
下のものをいう。優れた摺動特性を付与するためには、
低分子量含フッ素重合体の分子量が5,000以下であ
ることがとくに望ましい。このような低分子量含フッ素
重合体のうち、次式で示されるテトラフルオロエチレン
重合体の平均粒径5μm以下のものが特に好ましい。
【0025】
【化2】
【0026】このようなものとして、たとえば、デュポ
ン社製バイダックスAR、および旭硝子社製フルオンル
ブリカントL169などを挙げることができる。
【0027】次に、−Cn 2n−O(nは1〜4の整
数)の主要構造単位を有する平均分子量50,000以
下のフルオロポリエーテルとしては、
【0028】
【化3】
【0029】などを例示することができる。このような
重合体は、他の配合材料および添加剤に対する親和性
(密着性)の向上のために、イソシアネート基、水酸
基、カルボキシル基、およびエステル基などの官能基を
含む構造単位を有するものが望ましい。
【0030】このようなフルオロポリエーテルの具体例
としては、以下のようなものが挙げられる。
【0031】
【化4】
【0032】これらのフルオロポリエーテルは、単独で
使用してもよいし、併用してもよい。また、官能基に活
性化水素が含まれているフルオロポリエーテルとポリフ
ルオロポリエーテル基を含有しないイソシアネート化合
物とを併用してもよい。また、イソシアネート基を有す
るフルオロポリエーテルと、各種のフルオロポリエーテ
ル基を含有しないジアミン類、トリアミン類、または各
種のフルオロポリエーテル基を含有しないジオール類、
トリオール類を併用するなどの方法を採用してもよい。
【0033】特に、官能基同士が反応して分子量の増大
が起こるようなフルオロポリエーテルを組合せて使用す
ることが望ましい。このようなものとして、たとえばイ
ソシアネート基を含む単位を有するものと、水酸基を含
む単位を有するものとを組合せることは同様に望ましい
ことである。
【0034】ポリフルオロアルキル基含有化合物として
は、たとえば以下に示すようなポリフルオロアルキル基
を有するものが挙げられる。
【0035】
【化5】
【0036】以上のようなポリフルオロアルキル基(炭
素数2〜20)を有し、平均分子量が50,000以下
のものとしては、
【0037】
【化6】
【0038】など、反応性基およびポリフルオロアルキ
ル基を有する化合物と、その反応性基と反応する基を有
するエチレン性不飽和化合物との反応物(たとえば、フ
ルオロアルキルアクリレートなど)の重合体、ならびに
反応性基およびポリフルオロアルキル基を有する化合物
とその反応性基と反応する基を有する各種重合体との反
応物、または前述の化合物の重縮合物などが挙げられ
る。
【0039】ポリフルオロアルキル基含有化合物は、上
述のフルオロポリエーテルと同様に、他の配合材料およ
び添加剤を親和性(密着性)の向上のために親和性の高
い官能基、たとえばイソシアネート基、水酸基、メルカ
プト基、カルボキシル基、エポキシ基、アミノ基または
スルホン基などを含む単位を有する化合物が好ましい。
【0040】これらのポリフルオロアルキル基含有化合
物は、単独での使用または併用のいずれでもよい。ま
た、活性化水素を有する反応基を有するポリフルオロア
ルキル基含有化合物とポリフルオロアルキル基を有しな
いイソシアネート化合物とを併用してもよい。また、イ
ソシアネート基を有するポリフルオロアルキル基含有化
合物と、各種のポリフルオロアルキル基を含有しないジ
アミン類、トリアミン類または各種のポリフルオロアル
キル基を含有しないジオール基、トリオール類を併用す
るなどの方法を採用してもよい。
【0041】官能基同志の組合せは、強度増加の上から
好ましく、具体的には炭素数2〜20のポリフルオロア
ルキル基を有し、かつ、水酸基、メルカプト基、カルボ
キシル基、アミノ基から選ばれる少なくとも1種類を含
むフッ素重合体との組合せ、または炭素数2〜20のポ
リフルオロアルキル基を有し、かつイソシアネート基を
含む単位を有する含フッ素重合体と、炭素数2〜20の
ポリフルオロアルキル基を有し、さらに活性化水素を有
する反応基を含む単位を有する含フッ素重合体との組合
せを挙げることができる。
【0042】これらの低分子量含フッ素重合体のうち、
フルオロオレフィン重合体またはフルオロポリエーテル
を用いると、潤滑性において優れた結果が得られ、特に
平均粒径5μm以下のテトラフルオロエチレン重合体を
用いると最も望ましい結果を得ることが判明している。
【0043】この発明において、フッ素ゴム,熱可塑性
フルオロ樹脂および低分子量含フッ素重合体の配合比
は、フッ素ゴムと熱可塑性フルオロ樹脂の重量比が5
0:50から95:5となることが望ましい。熱可塑性
フルオロ樹脂の配合重量比が50/100を越えると、
目的の組成物に十分な弾性特性が得られず、5/100
未満になると十分な耐摩耗性が得られないからである。
【0044】また、フッ素ゴムと熱可塑性フルオロ樹脂
の合計100重量部に対して、低分子量含フッ素重合体
は5〜50重量部であることが好ましい。低分子量含フ
ッ素重合体の配合比が5重量部未満では、十分な摺動特
性が得られず、50重量部を越えるとゴム状弾性特性が
損なわれるからである。
【0045】また、上記の潤滑性ゴム組成物に対し、3
00℃において不溶融な熱硬化性樹脂の硬化粉末、また
はガラス転移点が300℃以上の耐熱性樹脂粉末を添加
して耐摩耗性を向上させることができる。
【0046】熱硬化性樹脂の粉末としては、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化後の微粉末、ガラス転
移点が300℃以上である耐熱性樹脂としてはポリイミ
ド樹脂、芳香族アラミド樹脂などの微粉末が挙げられ
る。
【0047】市販の樹脂粉末のうち、フェノール樹脂の
硬化粉砕品としては、カネボウ社製:ベルパールH30
0,ポリイミド樹脂の硬化粉砕品としては、三笠産業社
製:PWA20、芳香族アラミド樹脂の粉砕品としては
旭化成社製:MP−P、ガラス転移点Tgが300℃以
上の熱硬化性樹脂粉末としては宇部興産社製:ユーピレ
ックスS(Tg>500)などがある。
【0048】このような熱硬化性樹脂粉末の粒径は、1
〜15μmのものがゴム状弾性の維持と混練工程の容易
性の点で好ましい。熱硬化性樹脂粉末は、第1〜第3の
必須成分に対して、5〜20重量%添加することが好ま
しい。5重量%未満では耐摩耗性向上の効果がなく、2
0重量%を越える多量ではゴム弾性が低下するので好ま
しくない。
【0049】なお、この発明の目的を損なわない範囲
で、上記成分の他に各種添加剤を配合してもよい。たと
えばフッ素ゴムの加硫材としてイソシアヌレート、有機
過酸化物など、ステアリン酸ナトリウム、酸化マグネシ
ウム、および水酸化カルシウムなどの酸化防止剤、また
は受酸剤、カーボンなどの帯電防止剤、シリカおよびア
ルミナなどの充填剤、その他金属酸化物、着色剤、およ
び難燃剤など適宜加えてもよいことはいうまでもない。
【0050】以上の各種原材料を混合する方法は特に限
定されるものではなく、通常広く用いられている方法に
より混合することができる。たとえば、主原料になるエ
ラストマー、その他の原料をそれぞれ個別に順次、また
は同時に、ロール混合機その他の混合機により混合すれ
ばよい。なお、このとき摩擦による発熱を防止する意味
で温調器を設けることが望ましい。
【0051】また、ロール混合機を使用する場合には、
仕上げの混合として、ロール間隔を3mm以下程度に締
めて薄通しを行なうとさらによい。
【0052】
【発明の作用効果】以上に述べてきた熱可塑性フルオロ
樹脂、フッ素ゴムおよび低分子量含フッ素重合体を主成
分とする潤滑性ゴム組成物は、十分な弾力特性を有し、
かつ耐摩耗性,低摩擦特性および耐熱性に優れた材料で
ある。このような材料によってダンパシール材を形成す
ることにより、高シーリング力を有し、低摩擦特性、耐
摩耗性、耐熱性に優れ、ダンパまたは緩衝器における長
期使用に耐え、安定性および信頼性に優れたシール材を
提供することができる。
【0053】また、上述した潤滑性ゴム組成物から形成
されるシール材は、振動吸収初期のピストンの動きにつ
いて静摩擦特性および動摩擦特性に優れ、優れた振動吸
収性を有する。
【0054】以上説明したように、この発明に係るダン
パシール材は、上述した要求を満足させるものであり、
ダンパまたは緩衝器に用いられる長寿命のシール材とし
て有用である。
【0055】
【実施例】まず、表1に示す配合の組成物をそれぞれ調
製した。表1において、各成分の配合割合はすべて重量
部で示されている。また、表1に示す各成分の詳細は以
下に示すとおりである。
【0056】(1) フッ化ビニリデン・フルオロプロ
ピレン共重合体[テクノフロン](旭モンテ社製:テク
ノフロンFOR420) (2) テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体
[AFLAS](旭硝子・日本合成ゴム社製:AFLA
S 150P) (3) フルオロシリコーン系エラストマー(ダウコー
ニング社製:シラスティックLS) (4) テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体
[ETFE](旭硝子社製:アフロンCOP) (5) テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキ
ルビニルエーテル共重合体[PFA](三井デュポンフ
ロロケミカル社製:PFA−MP10) (6) 低分子量含フッ素重合体[低分子量TFE]
(旭硝子社製:ルブリカントL169) (7) 低分子量含フッ素重合体[低分子量FPE(フ
ルオロポリエーテル)](日本エニモント社製:フォン
ブリンZ−Doll) (8) 高分子量PTFE(三井デュポンフロロケミカ
ル社製:テフロン7J) (9) カーボン(ファンデルビルト社製:MTカーボ
ン) (10) ステアリン酸ナトリウム(一般工業材) (11) 有機過酸化物(αα´−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)ジイソプロピルベンゼン) (12) 多官能製モノマー[TAIC](トリアリル
イソシアヌレイト) (13) 酸化マグネシウム(一般試薬) (14) 水酸化カルシウム(一般試薬) (15) フェノール樹脂(カネボウ社製:ベルパール
H300) (16) イミド樹脂(宇部興産社製:ユーピレックス
S) (17) イミド樹脂(三笠産業社製:PWA20) (18) NBR(日本合成ゴム社製:N237H) (19) HAFカーボン (20) JSR AROMA (21) 老化防止剤 (22) 加硫促進剤CZ (23) 加硫促進剤TT (24) イオウ 表1にそれぞれ示される組成物は、以下のようにして調
製を行なった。
【0057】実施例1〜3 まず、ロール間隔5〜10mm程度に調整したロール混
合機にフッ素ゴム(1)を巻付け、表1に示した割合で
順次、ステアリン酸ナトリウム(10)、MTカーボン
(9)、ETFE(4)を加えて混練した。その後、ロ
ール間隔を1mmに調整し、素練を10回行なった。な
お、このときの摩擦熱を防止する目的で、常時ロール内
に冷却水を通し、ロール温度を60℃以下に保った。次
に、冷却水を止め、ロール内にスチームを通しゴム温度
が70℃〜90℃になるように調整した。その後、ロー
ル間隔を5〜10mm程度に戻し、低分子量含フッ素重
合体(6)を少量ずつ添加しながら表1に示す各実施例
の配合割合で混練を行なった。次いで、再びロール間隔
を1mmに狭めて素練を10回行なった。
【0058】次に、以上の工程で得られたコンパウンド
において、150×150×2tシートを一次加硫(1
70℃、10分間、プレス圧7kgf/cm2 )して得
た。次に、二次加硫(230℃、16時間、フリー)を
行ない、加硫を完了して組成物を調製した。
【0059】実施例4〜10 表1に示す配合に従い、実施例1〜3と同様の方法を用
いて混練、成形および加硫を行なった。
【0060】比較例1〜7 表1に示す配合に従い、実施例1〜3と同様の方法を用
いて混練、シート成形および加硫を行なった。
【0061】
【表1】
【0062】以上の工程によりそれぞれ得られた組成物
のダンパシール材としての各試験片について、摩擦摩耗
試験を行なうともとに、弾性体特性について測定を行な
った。試験方法は以下のとおりである。
【0063】試験方法 (1) 摩擦摩耗試験 得られた試験片を内径φ17、外径φ21に加工し、φ
17×φ21×10のSPCCリング片へ接着してリン
グ試験片とした。相手材には、SUJ2(軸受鋼)φ6
×φ33×6の円板状試験片を用い、スラスト型摩擦摩
耗試験機を用いて評価を行なった。試験において、滑り
速度128m/min、面圧3.5kgf/cm2 の条
件下、500時間後の摩擦係数および摩耗係数を求め
た。
【0064】(2) 弾性体特性 得られた試験片に対してJIS−K6301に準拠し、
引張り強度・伸び・硬度(JIS−A)を調査した。
【0065】以上に示した試験の結果を表2に示す。
【0066】
【表2】
【0067】表2から明らかなように、この発明に従う
実施例1〜10は、摩擦係数が低く、耐摩耗性に優れて
いるとともに、十分な弾性特性を有している。これに対
して、比較例1〜7は、摩擦および摩耗に関してその特
性が劣っている。
【0068】このような結果より、この発明に従うダン
パシール材は、高いシーリング力を有し、低摩擦特性お
よび耐摩耗性に優れたものであることがわかる。
【0069】なお、この発明は上記実施例に限定される
ものではなく、熱可塑性フルオロ樹脂、フッ素ゴム、低
分子量含フッ素重合体等について上記実施例以外の原料
を配合した潤滑性ゴム組成物を調製し、上記実施例と同
様に優れた性能を有するダンパシール材を作製すること
ができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10N 30:06 40:34 50:08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 緩衝器またはダンパにおいてエネルギ吸
    収のため用いられる流体の漏出を防止するため、摺動可
    能に設けられる部材に接するよう設けられるダンパシー
    ル材であって、 装着時に他の部材と接触する部分を含む一部または全体
    が、第1必須成分としての熱可塑性フルオロ樹脂、第2
    必須成分としてのフッ素ゴム、および第3必須成分とし
    ての低分子量含フッ素重合体を配合した潤滑性ゴム組成
    物から形成されることを特徴とする、ダンパシール材。
  2. 【請求項2】 前記潤滑性ゴム組成物に、熱硬化性樹脂
    の硬化粉末およびガラス転移点が300℃以上の耐熱性
    樹脂粉末の少なくともいずれかが添加されている、請求
    項1のダンパシール材。
  3. 【請求項3】 前記第1必須成分である熱可塑性フルオ
    ロ樹脂がテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、
    テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニル
    エーテル共重合体およびテトラフルオロエチレン・ヘキ
    サフルオロプロピレン共重合体からなる群から選ばれる
    1種以上の重合体である、請求項1のダンパシール材。
  4. 【請求項4】 前記第2必須成分が、分子量100,0
    00〜250,000のフッ素ゴムである、請求項1の
    ダンパシール材。
  5. 【請求項5】 前記第2必須成分であるフッ素ゴムが、
    テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体、フッ化
    ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ
    化ビニリデン・ヘキサフルオロプロピレン・テトラフル
    オロエチレン共重合体、フルオロシリコーン共重合体お
    よびパーフルオロ系共重合体からなる群から選ばれる1
    種以上の重合体である、請求項1のダンパシール材。
  6. 【請求項6】 前記第3必須成分である低分子量含フッ
    素重合体が、50,000以下の平均分子量を有し、か
    つテトラフルオロエチレン重合体、フルオロポリエーテ
    ルおよびポリフルオロアルキル基含有化合物からなる群
    から選ばれる1種以上の重合体である、請求項1のダン
    パシール材。
  7. 【請求項7】前記第3必須成分である低分子量含フッ素
    重合体が、平均粒径5μm以下のテトラフルオロエチレ
    ン重合体である、請求項1のダンパシール材。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO1986006174A1 (en) * 1985-04-13 1986-10-23 Anritsu Corporation Heterodyne-type method and apparatus for measuring signals, having means for automatically correcting the detuning
WO2003062681A1 (fr) * 2001-12-28 2003-07-31 Mitsubishi Cable Industries, Ltd. Joint d'arbre tournant et son procede de fabrication
WO2016150941A1 (en) 2015-03-25 2016-09-29 Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. (per)fluoropolyether polymers as damping fluids
WO2018185026A1 (en) 2017-04-03 2018-10-11 Solvay Specialty Polymers Italy S.P.A. Working fluid compositions

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