JPH0989130A - 浄水器の流路切換バルブ用パッキン - Google Patents
浄水器の流路切換バルブ用パッキンInfo
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- JPH0989130A JPH0989130A JP25049895A JP25049895A JPH0989130A JP H0989130 A JPH0989130 A JP H0989130A JP 25049895 A JP25049895 A JP 25049895A JP 25049895 A JP25049895 A JP 25049895A JP H0989130 A JPH0989130 A JP H0989130A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 浄水器の流路切換バルブ用パッキンを、ゴム
特有の弾性によって優れたシール性を具備していると共
に、長寿命で安定した低摩擦特性および低摩耗特性を有
するものとすることである。 【解決手段】 浄水器の流路切換用の回転バルブに摺接
するパッキンを、アクリロニトリルブタジエンゴム10
0重量部に対して、表面にカーボン材を突出させたテト
ラフルオロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、球状
黒鉛5〜80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形
成する。
特有の弾性によって優れたシール性を具備していると共
に、長寿命で安定した低摩擦特性および低摩耗特性を有
するものとすることである。 【解決手段】 浄水器の流路切換用の回転バルブに摺接
するパッキンを、アクリロニトリルブタジエンゴム10
0重量部に対して、表面にカーボン材を突出させたテト
ラフルオロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、球状
黒鉛5〜80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形
成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、浄水器の流路切
換バルブ用パッキンに関する。
換バルブ用パッキンに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、家庭用水道水栓に直結するよう
取りつけて用いる小型の浄水器は、水道水の原水を用い
る場合と、活性炭や中空繊維などで濾過する処理を経て
浄水として用いる場合にそれぞれ対応するように流路の
切替え操作を頻繁に行なう必要があるため、手動で操作
可能な回転式の流路切換バルブを備えている。
取りつけて用いる小型の浄水器は、水道水の原水を用い
る場合と、活性炭や中空繊維などで濾過する処理を経て
浄水として用いる場合にそれぞれ対応するように流路の
切替え操作を頻繁に行なう必要があるため、手動で操作
可能な回転式の流路切換バルブを備えている。
【0003】すなわち、このようなバルブは、水道水の
流路を、濾過室に通じる通水路または濾過せずに給水す
る原水路に切り換えるか、または適宜に流路を遮断する
ものであり、手動操作で回転可能な球状または円柱状な
どのバルブを有し、これに摺接する漏水防止用のパッキ
ンは弁箱に固定している。
流路を、濾過室に通じる通水路または濾過せずに給水す
る原水路に切り換えるか、または適宜に流路を遮断する
ものであり、手動操作で回転可能な球状または円柱状な
どのバルブを有し、これに摺接する漏水防止用のパッキ
ンは弁箱に固定している。
【0004】流路切換バルブを密封するパッキンは、O
リング、Vリングなどの周知の形状であり、その成形材
料は、通常、アクリロニトリルブタジエンゴムまたは、
エチレン−プロピレンゴム(EPDM)などのジエン系
ゴムからなり、成形体の表面には四フッ化エチレン樹脂
をコーティングして摺動性を高めていた。
リング、Vリングなどの周知の形状であり、その成形材
料は、通常、アクリロニトリルブタジエンゴムまたは、
エチレン−プロピレンゴム(EPDM)などのジエン系
ゴムからなり、成形体の表面には四フッ化エチレン樹脂
をコーティングして摺動性を高めていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
の浄水器の流路切換バルブ用パッキンは、使用状態の初
期には四フッ化エチレン樹脂コーティングの潤滑性が良
好であるから、切換え操作に支障はないが、コーティン
グ膜が徐々に摩耗または剥離するにつれてバルブ操作が
困難になり、最終的にコーティング膜が磨滅すると、流
路の切換えが不能になる。
の浄水器の流路切換バルブ用パッキンは、使用状態の初
期には四フッ化エチレン樹脂コーティングの潤滑性が良
好であるから、切換え操作に支障はないが、コーティン
グ膜が徐々に摩耗または剥離するにつれてバルブ操作が
困難になり、最終的にコーティング膜が磨滅すると、流
路の切換えが不能になる。
【0006】このような事態を回避するために、以下の
ような諸策が検討されたが、いずれも有効な解決手段と
はならなかった。
ような諸策が検討されたが、いずれも有効な解決手段と
はならなかった。
【0007】すなわち、パッキンまたはバルブの表面に
グリースなど潤滑剤を塗布する対策がとられたが、グリ
ースが濾過室中の活性炭などを汚染し、またグリースは
徐々に流失して摺動抵抗が経時的に増大した。
グリースなど潤滑剤を塗布する対策がとられたが、グリ
ースが濾過室中の活性炭などを汚染し、またグリースは
徐々に流失して摺動抵抗が経時的に増大した。
【0008】パッキンまたはバルブの表面にフッ素樹脂
製のシートを貼着する方法では、所要厚みのシートを比
較的小径の流路切換バルブ用パッキンに固定するので、
シートが剥がれやすくなって耐久性がなく、また製造工
程が煩雑になって製造コストが増大した。
製のシートを貼着する方法では、所要厚みのシートを比
較的小径の流路切換バルブ用パッキンに固定するので、
シートが剥がれやすくなって耐久性がなく、また製造工
程が煩雑になって製造コストが増大した。
【0009】また、ジエン系ゴム材に潤滑オイルを含浸
した含油ゴムからなるパッキンは、成形品の機械的強度
が極端に低下し、また摺動性は経時的に不安定であっ
た。
した含油ゴムからなるパッキンは、成形品の機械的強度
が極端に低下し、また摺動性は経時的に不安定であっ
た。
【0010】なお、ゴム材の表面を塩素系溶剤で処理し
て平滑化したり、プラズマ処理する方法を採用したパッ
キンは満足できる摺動性がなかった。
て平滑化したり、プラズマ処理する方法を採用したパッ
キンは満足できる摺動性がなかった。
【0011】さらにまた、ジエン系ゴム、シリコーンゴ
ムまたはフッ素ゴムを主成分として、これに四フッ化エ
チレン樹脂(テフロン)系やシリコーン系の固体潤滑剤
を添加した組成物でパッキンを成形すると、若干の低摩
擦係数化が可能であるが、そのような成形品は高硬度と
なってシール性が劣るか、またはこのような固体潤滑剤
は主成分ゴムとのぬれ性が悪いので、引裂強度が極端に
低下し、また耐摩耗性も良くないなどの問題点があっ
た。
ムまたはフッ素ゴムを主成分として、これに四フッ化エ
チレン樹脂(テフロン)系やシリコーン系の固体潤滑剤
を添加した組成物でパッキンを成形すると、若干の低摩
擦係数化が可能であるが、そのような成形品は高硬度と
なってシール性が劣るか、またはこのような固体潤滑剤
は主成分ゴムとのぬれ性が悪いので、引裂強度が極端に
低下し、また耐摩耗性も良くないなどの問題点があっ
た。
【0012】また、浄水器の流路切換え操作を自動化し
て、手を触れることなく動作させることが要望されてい
るが、そのためにはできるだけバルブの操作力を低く安
定させる必要もある。
て、手を触れることなく動作させることが要望されてい
るが、そのためにはできるだけバルブの操作力を低く安
定させる必要もある。
【0013】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、浄水器の流路切換バルブ用パッキンを、
ゴム特有の弾性によって優れたシール性を具備している
と共に、長寿命で安定した低摩擦特性および低摩耗特性
を有するものとすることである。
点を解決して、浄水器の流路切換バルブ用パッキンを、
ゴム特有の弾性によって優れたシール性を具備している
と共に、長寿命で安定した低摩擦特性および低摩耗特性
を有するものとすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、浄水器の流路切換用の回転バ
ルブに摺接するパッキンにおいて、前記パッキンを、ア
クリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して、
テトラフルオロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、
球状黒鉛5〜80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物
で形成したのである。
め、この発明においては、浄水器の流路切換用の回転バ
ルブに摺接するパッキンにおいて、前記パッキンを、ア
クリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して、
テトラフルオロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、
球状黒鉛5〜80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物
で形成したのである。
【0015】また、前記テトラフルオロエチレン樹脂粉
末として、乳化重合終了後にカーボン材と共沈させて表
面にカーボン材を突出させたテトラフルオロエチレン樹
脂粉末を採用したのである。
末として、乳化重合終了後にカーボン材と共沈させて表
面にカーボン材を突出させたテトラフルオロエチレン樹
脂粉末を採用したのである。
【0016】または、前記テトラフルオロエチレン樹脂
粉末として、テトラフルオロエチレン樹脂とカーボン材
を乾式混合して表面にカーボン材を突出させたテトラフ
ルオロエチレン樹脂粉末を採用したのである。
粉末として、テトラフルオロエチレン樹脂とカーボン材
を乾式混合して表面にカーボン材を突出させたテトラフ
ルオロエチレン樹脂粉末を採用したのである。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明におけるアクリロニトリ
ルブタジエンゴム(以下、NBRと略記する。)は、室
温においてゴム状弾性を有するものであればよく、周知
の合成法にて合成される広範囲のものを採用できる。
ルブタジエンゴム(以下、NBRと略記する。)は、室
温においてゴム状弾性を有するものであればよく、周知
の合成法にて合成される広範囲のものを採用できる。
【0018】すなわち、NBRは、ブタジエンとアクリ
ロニトリルの共重合体であるから、アクリロニトリル量
を約15〜50%の範囲で調整して、その物性を変化さ
せることができる。そのようなニトリル量は、例えば低
ニトリル24%未満、中ニトリル24〜30%、中高ニ
トリル30〜36%、高ニトリル36〜42%、極高ニ
トリル42%を越えるものに分類できる。このような範
囲においてゴムの耐摩耗性、耐老化性、引張強さを増す
ためには、ニトリル量を多くするほうが好ましいが、ゴ
ム弾性、耐寒性、低温特性を損なわない程度にするに
は、ニトリル量を約24%〜42%の範囲、または約2
4%を越え42%未満の範囲にすることが好ましい。
ロニトリルの共重合体であるから、アクリロニトリル量
を約15〜50%の範囲で調整して、その物性を変化さ
せることができる。そのようなニトリル量は、例えば低
ニトリル24%未満、中ニトリル24〜30%、中高ニ
トリル30〜36%、高ニトリル36〜42%、極高ニ
トリル42%を越えるものに分類できる。このような範
囲においてゴムの耐摩耗性、耐老化性、引張強さを増す
ためには、ニトリル量を多くするほうが好ましいが、ゴ
ム弾性、耐寒性、低温特性を損なわない程度にするに
は、ニトリル量を約24%〜42%の範囲、または約2
4%を越え42%未満の範囲にすることが好ましい。
【0019】このようなNBRの分子量は、通常5万以
上のものが望ましく、可及的に高分子量のものが良好な
結果を得ることから、より好ましくは7万以上、特に好
ましくは10〜50万程度のものを採用する。所要の条
件を満足する市販のNBRとしては、下記のものが挙げ
られる。 日本合成ゴム社製:JSR−N 日本ゼオン社製:NIPOL グッドイヤー(Goodyear) 社製:CHEMIGUM。
上のものが望ましく、可及的に高分子量のものが良好な
結果を得ることから、より好ましくは7万以上、特に好
ましくは10〜50万程度のものを採用する。所要の条
件を満足する市販のNBRとしては、下記のものが挙げ
られる。 日本合成ゴム社製:JSR−N 日本ゼオン社製:NIPOL グッドイヤー(Goodyear) 社製:CHEMIGUM。
【0020】また、この発明におけるテトラフルオロエ
チレン樹脂(以下、PTFEと略記する。)粉末とは、
懸濁重合法により製造されたモールディングパウダー、
乳化重合法により製造されたファインパウダーのいずれ
を使用してもよいが、加圧・加熱処理された後、粉砕ま
たは粉砕後、γ線照射処理または電子線照射処理された
もの、または重合後にγ線照射処理または電子線照射処
理された平均粒径20μm以内のものを使用することが
できる。市販品としては、下記のものを例示できる。 ダイキン工業社製:ルブロンL10 旭硝子社製:フルオンG163、フルオンCD1、ルブ
リカントL169、L182J 三井デュポンフロロケミカル社製:テフロン7J。
チレン樹脂(以下、PTFEと略記する。)粉末とは、
懸濁重合法により製造されたモールディングパウダー、
乳化重合法により製造されたファインパウダーのいずれ
を使用してもよいが、加圧・加熱処理された後、粉砕ま
たは粉砕後、γ線照射処理または電子線照射処理された
もの、または重合後にγ線照射処理または電子線照射処
理された平均粒径20μm以内のものを使用することが
できる。市販品としては、下記のものを例示できる。 ダイキン工業社製:ルブロンL10 旭硝子社製:フルオンG163、フルオンCD1、ルブ
リカントL169、L182J 三井デュポンフロロケミカル社製:テフロン7J。
【0021】より好ましいPTFE粉末としては、図1
にその形態を拡大して示すものがある。このものはPT
FE粉末11の表面に、鱗片状黒鉛からなるカーボン材
12を突出させたものであり、すなわちカーボン材12
が突き刺さった状態にあるものである。
にその形態を拡大して示すものがある。このものはPT
FE粉末11の表面に、鱗片状黒鉛からなるカーボン材
12を突出させたものであり、すなわちカーボン材12
が突き刺さった状態にあるものである。
【0022】このようなPTFE粉末を製造するには、
例えばファインパウダー製造の乳化重合終了時に、カー
ボン材と共沈させて凝析し、洗浄し、次いで乾燥して得
られるPTFE粉末が好ましい。他の製造方法として
は、PTFE粉末にカーボン材を乾式混合し、これがP
TFE粉末の表面に突き刺さるようにして製造してもよ
い。
例えばファインパウダー製造の乳化重合終了時に、カー
ボン材と共沈させて凝析し、洗浄し、次いで乾燥して得
られるPTFE粉末が好ましい。他の製造方法として
は、PTFE粉末にカーボン材を乾式混合し、これがP
TFE粉末の表面に突き刺さるようにして製造してもよ
い。
【0023】前記カーボン材としては、一般的な炭素粉
から黒鉛まで種々の結晶状態の粉末品を採用できるが、
黒鉛化による結晶構造によって潤滑性の向上が期待され
るから、特に黒鉛を採用することが好ましい。また、ゴ
ム材に汎用されるストラクチュアの大きいカーボンブラ
ックであるHAF、SAF、FEFまたはMTなどであ
ってもよい。
から黒鉛まで種々の結晶状態の粉末品を採用できるが、
黒鉛化による結晶構造によって潤滑性の向上が期待され
るから、特に黒鉛を採用することが好ましい。また、ゴ
ム材に汎用されるストラクチュアの大きいカーボンブラ
ックであるHAF、SAF、FEFまたはMTなどであ
ってもよい。
【0024】このようなPTFE粉末11は、上記した
ように黒鉛等からなるカーボン材12が、粉末表面にお
いて放射状(全方向)に突出しているから、ゴム基材1
3内で物理的な杭効果があって確実に保持され、しかも
ゴム基材13とカーボン材12の親和性がよいので、ゴ
ム基材13とPTFE粉末11を混練した組成物は、カ
ーボン材を保持しないPTFE粉末を配合したゴム組成
物より高強度になる。
ように黒鉛等からなるカーボン材12が、粉末表面にお
いて放射状(全方向)に突出しているから、ゴム基材1
3内で物理的な杭効果があって確実に保持され、しかも
ゴム基材13とカーボン材12の親和性がよいので、ゴ
ム基材13とPTFE粉末11を混練した組成物は、カ
ーボン材を保持しないPTFE粉末を配合したゴム組成
物より高強度になる。
【0025】また、この発明に用いる球状黒鉛とは、ピ
ッチから紡糸する工程で副生する球状黒鉛、またはフェ
ノール樹脂を触媒下でパラフォルムアルデヒドと反応さ
せて球状に重合させたもの、さらにはその後、焼成・粉
砕した球状黒鉛が挙げられる。市販の球状黒鉛として
は、以下のものが挙げられる。 大阪ガスケミカル社製:メソカーボンビーズ 鐘紡社製:ベルパール ユニチカ社製:ユニベックス 日本カーボン社製:マイクロカーボンビーズ。
ッチから紡糸する工程で副生する球状黒鉛、またはフェ
ノール樹脂を触媒下でパラフォルムアルデヒドと反応さ
せて球状に重合させたもの、さらにはその後、焼成・粉
砕した球状黒鉛が挙げられる。市販の球状黒鉛として
は、以下のものが挙げられる。 大阪ガスケミカル社製:メソカーボンビーズ 鐘紡社製:ベルパール ユニチカ社製:ユニベックス 日本カーボン社製:マイクロカーボンビーズ。
【0026】この発明におけるNBRと、PTFE粉末
の配合重量比は、NBR100重量部に対して、PTF
E粉末10〜100重量部であることが好ましい。PT
FE粉末が10重量部未満では、NBRに充分な摩擦特
性を付与できず、100重量部を越えて多量に配合する
と、ゴム硬度が高くなって弾性特性がなくなり、または
機械的強度が極端に低下して実用に耐えないものとなる
からである。
の配合重量比は、NBR100重量部に対して、PTF
E粉末10〜100重量部であることが好ましい。PT
FE粉末が10重量部未満では、NBRに充分な摩擦特
性を付与できず、100重量部を越えて多量に配合する
と、ゴム硬度が高くなって弾性特性がなくなり、または
機械的強度が極端に低下して実用に耐えないものとなる
からである。
【0027】また、この発明に用いる球状黒鉛の配合重
量比は、NBR100重量部に対して、5〜80重量部
である。その理由は5重量部未満の配合割合では、NB
Rに充分な耐摩耗特性を付与できず、80重量部を越え
て多量に配合すると、ゴム硬度が高くなって弾性特性が
なくなり、または機械的強度が極端に低下して実用に耐
えないゴム組成物となるからである。
量比は、NBR100重量部に対して、5〜80重量部
である。その理由は5重量部未満の配合割合では、NB
Rに充分な耐摩耗特性を付与できず、80重量部を越え
て多量に配合すると、ゴム硬度が高くなって弾性特性が
なくなり、または機械的強度が極端に低下して実用に耐
えないゴム組成物となるからである。
【0028】なお、この発明には、その目的を阻害しな
い添加量にて周知のゴム用配合剤または周知の添加剤を
配合してもよい。 (1)補強剤:カーボンブラック、シリカ、クレー、炭
酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、タルク、マイカ、カオリン、ベ
ントナイト、シラス、ウォラストナイト、炭化ケイ素、
ガラス粉末、カーボン粉末、ボロン繊維、アラミド繊維
等 (2)加硫助剤:亜鉛華、脂肪酸等 (3)加硫促進剤:グアニジン類、イオウ類、アルデヒ
ド−アミン類、亜鉛類等 (4)可塑剤:ジメチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート等 (5)老化防止剤:アミン類、フェノール類等 (6)その他、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着
色剤など。
い添加量にて周知のゴム用配合剤または周知の添加剤を
配合してもよい。 (1)補強剤:カーボンブラック、シリカ、クレー、炭
酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、タルク、マイカ、カオリン、ベ
ントナイト、シラス、ウォラストナイト、炭化ケイ素、
ガラス粉末、カーボン粉末、ボロン繊維、アラミド繊維
等 (2)加硫助剤:亜鉛華、脂肪酸等 (3)加硫促進剤:グアニジン類、イオウ類、アルデヒ
ド−アミン類、亜鉛類等 (4)可塑剤:ジメチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート等 (5)老化防止剤:アミン類、フェノール類等 (6)その他、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着
色剤など。
【0029】さらに、成形時の離型性および表面の非粘
着性を向上させるために、オイル、ワックス、グリース
類を添加してもよい。その配合量は、ゴム成形品の機械
的強度に影響を及ぼさない程度であり、すなわちNBR
100重量部に対して2〜20重量部であることが好ま
しく、より好ましくは5〜10重量部である。
着性を向上させるために、オイル、ワックス、グリース
類を添加してもよい。その配合量は、ゴム成形品の機械
的強度に影響を及ぼさない程度であり、すなわちNBR
100重量部に対して2〜20重量部であることが好ま
しく、より好ましくは5〜10重量部である。
【0030】固体潤滑剤として、PTFE以外に溶融フ
ッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP)などを添加してもよい。
ッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP)などを添加してもよい。
【0031】以上の各種原材料を混合する方法は特に限
定するものではなく、通常広く用いられている方法、例
えば、主原料になるNBR、その他の充填剤を個別に順
次混合または一括してロール混合機、プロペラ混合機、
ニーダ混合機その他の混合機で混合すればよい。なお、
このとき摩擦による発熱を防止する意味で温調器を設け
ることが望ましい。また、ロール混合機を使用する場合
には、仕上げ混合として、ロール間隔を3mm以下とし
て薄通しを行なうことが好ましい。
定するものではなく、通常広く用いられている方法、例
えば、主原料になるNBR、その他の充填剤を個別に順
次混合または一括してロール混合機、プロペラ混合機、
ニーダ混合機その他の混合機で混合すればよい。なお、
このとき摩擦による発熱を防止する意味で温調器を設け
ることが望ましい。また、ロール混合機を使用する場合
には、仕上げ混合として、ロール間隔を3mm以下とし
て薄通しを行なうことが好ましい。
【0032】この発明のパッキンは、潤滑性ゴム組成物
で全体を成形したものであってもよいが、パッキンの非
摺接部分は前記ゴム組成物より硬質の材料で形成すれ
ば、多様な設計の要望に応え得るものとなる。すなわ
ち、パッキンの非摺接部分を金属や合成樹脂などの硬質
の材料で形成し、バルブに摺接する部分を潤滑性ゴム組
成物を成形してこれらを接着一体化するか、または硬質
材料で成形した非摺接部分をゴム組成物と一体に成形し
てもよい。
で全体を成形したものであってもよいが、パッキンの非
摺接部分は前記ゴム組成物より硬質の材料で形成すれ
ば、多様な設計の要望に応え得るものとなる。すなわ
ち、パッキンの非摺接部分を金属や合成樹脂などの硬質
の材料で形成し、バルブに摺接する部分を潤滑性ゴム組
成物を成形してこれらを接着一体化するか、または硬質
材料で成形した非摺接部分をゴム組成物と一体に成形し
てもよい。
【0033】この発明におけるパッキンは、その成形工
程において特に限定した手段を必要とするものではな
く、通常のプレス成形方法で一時加硫(例えば140〜
170℃で10〜30分、加圧50〜150kgf/c
m2 )した後、二次加硫(例えば、150〜180℃で
2〜20時間、加圧なし)して成形することができる。
程において特に限定した手段を必要とするものではな
く、通常のプレス成形方法で一時加硫(例えば140〜
170℃で10〜30分、加圧50〜150kgf/c
m2 )した後、二次加硫(例えば、150〜180℃で
2〜20時間、加圧なし)して成形することができる。
【0034】この発明のパッキンの形状は、特に限定さ
れるものではなく周知のパッキン形状を採用できるが、
例えばその断面形状からOリング、Vリング、Dリン
グ、Xリング、角リングに分類されるものであってもよ
い。特に、シール性を考慮したものとしては、リップが
付設されたXリングまたはVリングであることが好まし
い。
れるものではなく周知のパッキン形状を採用できるが、
例えばその断面形状からOリング、Vリング、Dリン
グ、Xリング、角リングに分類されるものであってもよ
い。特に、シール性を考慮したものとしては、リップが
付設されたXリングまたはVリングであることが好まし
い。
【0035】
【実施例】実施例および比較例で用いた原材料を一括し
て示すと以下のとおりである。なお、各成分の配合割合
は下記のNBR基礎配合100重量部に対する重量部で
示した。
て示すと以下のとおりである。なお、各成分の配合割合
は下記のNBR基礎配合100重量部に対する重量部で
示した。
【0036】 [NBR基礎配合A](高ニトリルタイプ、ニトリル量36〜42%) 日本合成ゴム社製:JSR220S 100 重量部 ステアリン酸ナトリウム:一般工業材 1 〃 カーボンブラック:FEF 30 〃 加硫促進剤1:大内新興化学工業社製:TT 2 〃 加硫促進剤2:大内新興化学工業社製:M 2 〃 加硫助剤:酸化亜鉛(活性亜鉛華) 10 〃 加硫剤:イオウ 1.0 〃 [NBR基礎配合B](中ニトリルタイプ、ニトリル量25〜30%) 日本合成ゴム社製:JSR240S 100 重量部 ステアリン酸ナトリウム:一般工業材 1 〃 カーボンブラック:FEF 30 〃 加硫促進剤1:大内新興化学工業社製:TT 2 〃 加硫促進剤2:大内新興化学工業社製:M 2 〃 加硫助剤:酸化亜鉛(活性亜鉛華) 10 〃 加硫剤:イオウ 1.0 〃 [潤滑剤] (1)黒鉛共沈PTFE〔PTFE−1〕 乳化重合にて重合完了後に平均粒径6μmの黒鉛と7:
3の重量比で共沈させ、凝析、洗浄して得られたもので
ある。
3の重量比で共沈させ、凝析、洗浄して得られたもので
ある。
【0037】(2)黒鉛とのドライブレンドPTFE
〔PTFE−2〕 旭硝子社製PTFE(ルブリカントL182J)を平均
粒径6μmの黒鉛と7:3の重量比にてヘンシェルミキ
サーでドライブレンドしたものである。
〔PTFE−2〕 旭硝子社製PTFE(ルブリカントL182J)を平均
粒径6μmの黒鉛と7:3の重量比にてヘンシェルミキ
サーでドライブレンドしたものである。
【0038】(3)PTFE〔PTFE−3〕 旭硝子社製:PTFEルブリカントL182J (4)ETFE(旭硝子社製:アフロンCOP Z88
20) (5)球状黒鉛(鐘紡社製:ベルパールC2000) (6)シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF9
6−300) 〔実施例1〜9、比較例1〜5〕ロール間隔5〜10m
m程度に調整したロール混合機に、NBR(220Sま
たは240S)を巻き付け、基礎配合AまたはBに示し
た割合で無機充填剤、老化防止剤、カーボン、イオウ、
加硫促進剤を順次混合し、最後に表1または表2に示し
た割合でPTFEおよび他の充填剤を混練した。
20) (5)球状黒鉛(鐘紡社製:ベルパールC2000) (6)シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF9
6−300) 〔実施例1〜9、比較例1〜5〕ロール間隔5〜10m
m程度に調整したロール混合機に、NBR(220Sま
たは240S)を巻き付け、基礎配合AまたはBに示し
た割合で無機充填剤、老化防止剤、カーボン、イオウ、
加硫促進剤を順次混合し、最後に表1または表2に示し
た割合でPTFEおよび他の充填剤を混練した。
【0039】その後、ロール間隔を1mmに調整し、薄
通しを10回行なった。なお、このときの摩擦熱を防止
する目的で、常時ロール内に冷却水を通し、ロール温度
を60℃以下に保った。次に、冷却水を止め、ロール内
にスチームを通してゴム温度が70℃以上90℃以下に
なるように調整し、その後、ロール間隔を1mmに狭め
て薄通しを10回行ない、それぞれ10kgのコンパウ
ンドを得た。
通しを10回行なった。なお、このときの摩擦熱を防止
する目的で、常時ロール内に冷却水を通し、ロール温度
を60℃以下に保った。次に、冷却水を止め、ロール内
にスチームを通してゴム温度が70℃以上90℃以下に
なるように調整し、その後、ロール間隔を1mmに狭め
て薄通しを10回行ない、それぞれ10kgのコンパウ
ンドを得た。
【0040】以上のようにして得られたコンパウンドを
縦300mm、横300mm、厚さ1mmの金型でプレ
ス成形し、1次加硫(160℃、10分、プレス圧12
0kgf/cm2 )および2次加硫(フリー加熱、15
0℃、4時間)を行なった。このようにして加硫を終え
たシート状の各試験片について、動摩擦係数、摩耗係
数、機械的特性(表面硬度、引張強度、伸び率)を求め
た。
縦300mm、横300mm、厚さ1mmの金型でプレ
ス成形し、1次加硫(160℃、10分、プレス圧12
0kgf/cm2 )および2次加硫(フリー加熱、15
0℃、4時間)を行なった。このようにして加硫を終え
たシート状の各試験片について、動摩擦係数、摩耗係
数、機械的特性(表面硬度、引張強度、伸び率)を求め
た。
【0041】また、P16サイズのOリング(線径1.
9mm、内径16mm)の試験片について、実機耐久性
を調べた。各試験方法は次の通りである。
9mm、内径16mm)の試験片について、実機耐久性
を調べた。各試験方法は次の通りである。
【0042】(a)摩擦・摩耗試験:内径φ17mm、
外径φ21mmのリング状シート試験片をφ17×φ2
1×t10(mm)のアルミ合金製リングに接着して摩
擦試験片とした。相手材は軸受鋼(SUJ2)の研磨品
とし、スラスト型摩擦試験機にて評価した。試験条件
は、周速1.0m/分、面圧3.0kgf/cm2 、試
験時間100時間とし、試験開始当初(表中にintで
示した)とその後(50時間後と100時間後)の動摩
擦係数と摩耗係数 (×10-10 cm3 /kgf・m)
を表中に示した。
外径φ21mmのリング状シート試験片をφ17×φ2
1×t10(mm)のアルミ合金製リングに接着して摩
擦試験片とした。相手材は軸受鋼(SUJ2)の研磨品
とし、スラスト型摩擦試験機にて評価した。試験条件
は、周速1.0m/分、面圧3.0kgf/cm2 、試
験時間100時間とし、試験開始当初(表中にintで
示した)とその後(50時間後と100時間後)の動摩
擦係数と摩耗係数 (×10-10 cm3 /kgf・m)
を表中に示した。
【0043】(b)機械的特性 得られたシート状試験片に対してJIS−K6301に
準拠し、硬度(JIS−A)、引張り強度(kgf/c
m2 )、伸び率(%)を調べ、結果を表中に併記した。
準拠し、硬度(JIS−A)、引張り強度(kgf/c
m2 )、伸び率(%)を調べ、結果を表中に併記した。
【0044】(c)実機耐久性試験:(摩擦試験と漏れ
試験) 前記したP16サイズのOリング(パッキンの試験片)
を図2または図3に示した浄水器実機試験機に取り付け
た。この浄水器は、円筒形の弁箱1の上端面に水道水の
入り口2を有し、下端面に原水の出口3を形成し、弁箱
1の内部の上下方向に間隔を開けて2つのOリング4
(この発明におけるパッキンに相当する)を配置すると
共に、その間に球状弁5を回転可能に収容し、前記弁箱
1の背面には活性炭等の周知の濾過材を収容した濾過室
6に通じる水路7を設け、弁箱1の正面には球状弁5に
直結しこれを回転操作するハンドル8を取り付けたもの
である。また、球状弁5は、上下方向に貫通する原水路
9およびこの流路に対してねじれの位置に配置され球状
弁5を貫通する通水路10を有している。
試験) 前記したP16サイズのOリング(パッキンの試験片)
を図2または図3に示した浄水器実機試験機に取り付け
た。この浄水器は、円筒形の弁箱1の上端面に水道水の
入り口2を有し、下端面に原水の出口3を形成し、弁箱
1の内部の上下方向に間隔を開けて2つのOリング4
(この発明におけるパッキンに相当する)を配置すると
共に、その間に球状弁5を回転可能に収容し、前記弁箱
1の背面には活性炭等の周知の濾過材を収容した濾過室
6に通じる水路7を設け、弁箱1の正面には球状弁5に
直結しこれを回転操作するハンドル8を取り付けたもの
である。また、球状弁5は、上下方向に貫通する原水路
9およびこの流路に対してねじれの位置に配置され球状
弁5を貫通する通水路10を有している。
【0045】上記した浄水器実機試験機は、その球状弁
5を図2(a)、(b)に示した状態で水道水の原水を
出口3から吐出し、図3(a)、(b)に示した状態に
なるようにハンドル8を図中矢印方向に90°回転する
ように操作すると原水は通水路10を通って濾過室6に
入り、出口6aから浄水が吐出される。
5を図2(a)、(b)に示した状態で水道水の原水を
出口3から吐出し、図3(a)、(b)に示した状態に
なるようにハンドル8を図中矢印方向に90°回転する
ように操作すると原水は通水路10を通って濾過室6に
入り、出口6aから浄水が吐出される。
【0046】そして、試験方法は、3秒間で図2
(a)、(b)に示した状態から図3(a)、(b)に
示した状態になるように球状弁5を1/4回転(90
度)させ、このまま12秒間停止させ、さらに同一方向
に4回繰り返して1サイクル(1分間)とし、このサイ
クルを基準にして初期(1サイクル)、3000サイク
ルおよび6000サイクル時のトルクを測定した。ま
た、6000サイクル後にシール部を肉眼で観察して、
損傷や摩耗の評価を良好(○印)、不良(×印)に2段
階で行ない、これらの結果を表3または表4中に示し
た。
(a)、(b)に示した状態から図3(a)、(b)に
示した状態になるように球状弁5を1/4回転(90
度)させ、このまま12秒間停止させ、さらに同一方向
に4回繰り返して1サイクル(1分間)とし、このサイ
クルを基準にして初期(1サイクル)、3000サイク
ルおよび6000サイクル時のトルクを測定した。ま
た、6000サイクル後にシール部を肉眼で観察して、
損傷や摩耗の評価を良好(○印)、不良(×印)に2段
階で行ない、これらの結果を表3または表4中に示し
た。
【0047】なお、上記耐久試験ではグリースなどの潤
滑剤は一切添加せず、乾式の測定条件で行なった。
滑剤は一切添加せず、乾式の測定条件で行なった。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】〔比較例6〕比較例1と同様にして、NB
R基礎配合Bのコンパウンドを作成し、比較例1と同じ
製法で試験片を得た。この試験片に対してゴム用市販コ
ーティング剤(日本アチソン社製:エムラロン345)
をスプレーコーティング法にて約15μmの被膜を形成
した。コーティング後、電気炉にて80℃で1時間乾燥
し、さらに焼成して最終的に試験片を完成させた。
R基礎配合Bのコンパウンドを作成し、比較例1と同じ
製法で試験片を得た。この試験片に対してゴム用市販コ
ーティング剤(日本アチソン社製:エムラロン345)
をスプレーコーティング法にて約15μmの被膜を形成
した。コーティング後、電気炉にて80℃で1時間乾燥
し、さらに焼成して最終的に試験片を完成させた。
【0053】得られた試験片に対して、実施例と全く同
様の試験にて評価し、結果を表4中に併記した。
様の試験にて評価し、結果を表4中に併記した。
【0054】表3および表4の結果からも明らかなよう
に、一般的なNBRの配合物だけの比較例1では摩擦係
数が高く摩耗量が大きかった。また、NBRにPTFE
を添加した2、3は、いずれも摩擦係数がゴム基材より
若干低くなったが、摩耗係数が充分に改良されなかっ
た。また、球状黒鉛を配合した比較例4では、耐摩耗性
が若干改善されたが、摩擦係数が大きくなり、実機試験
でも摩擦トルクが極端に増大した。シリコーンオイルを
配合した比較例5は、機械的強度(引張強度)が著しく
低下しており、それに伴って摩耗特性も極めて悪かっ
た。なお、いずれの比較例でも実機試験では摩耗量が多
く、水の漏れが確認された。
に、一般的なNBRの配合物だけの比較例1では摩擦係
数が高く摩耗量が大きかった。また、NBRにPTFE
を添加した2、3は、いずれも摩擦係数がゴム基材より
若干低くなったが、摩耗係数が充分に改良されなかっ
た。また、球状黒鉛を配合した比較例4では、耐摩耗性
が若干改善されたが、摩擦係数が大きくなり、実機試験
でも摩擦トルクが極端に増大した。シリコーンオイルを
配合した比較例5は、機械的強度(引張強度)が著しく
低下しており、それに伴って摩耗特性も極めて悪かっ
た。なお、いずれの比較例でも実機試験では摩耗量が多
く、水の漏れが確認された。
【0055】一方、カーボン材が表面に突出した粉体状
のPTFEと球状黒鉛を併用して添加した実施例1〜9
は、機械的強度の低下が少なく、低摩擦係数および優れ
た耐磨耗性があり、実機試験でも安定した低摩擦性、シ
ール特性が確認できた。
のPTFEと球状黒鉛を併用して添加した実施例1〜9
は、機械的強度の低下が少なく、低摩擦係数および優れ
た耐磨耗性があり、実機試験でも安定した低摩擦性、シ
ール特性が確認できた。
【0056】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、浄水
器の流路切換用の回転バルブに摺接するパッキンを、ア
クリロニトリルブタジエンゴムと、表面にカーボン材を
突出させたテトラフルオロエチレン樹脂粉末と、球状黒
鉛を所定量配合した潤滑性ゴム組成物で形成したので、
このものがゴム特有の弾性によって優れたシール性を具
備していると共に、長寿命で安定した低摩擦特性および
低摩耗特性を有するものとなる利点がある。
器の流路切換用の回転バルブに摺接するパッキンを、ア
クリロニトリルブタジエンゴムと、表面にカーボン材を
突出させたテトラフルオロエチレン樹脂粉末と、球状黒
鉛を所定量配合した潤滑性ゴム組成物で形成したので、
このものがゴム特有の弾性によって優れたシール性を具
備していると共に、長寿命で安定した低摩擦特性および
低摩耗特性を有するものとなる利点がある。
【図1】ゴム基材中のテトラフルオロエチレン樹脂粉末
を示す模式図
を示す模式図
【図2】(a)浄水器の実機試験機の一部断面正面図 (b)浄水器の実機試験機の一部断面平面図
【図3】(a)浄水器の実機試験機の一部断面正面図 (b)浄水器の実機試験機の一部断面平面図
1 弁箱 2 入り口 3 出口 4 パッキン 5 球状弁 6 濾過室 7 水路 8 ハンドル 9 原水路 10 通水路 11 PTFE粉末 12 カーボン材 13 ゴム基材
Claims (4)
- 【請求項1】 浄水器の流路切換用の回転バルブに摺接
するパッキンにおいて、前記パッキンを、アクリロニト
リルブタジエンゴム100重量部に対して、テトラフル
オロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、球状黒鉛5
〜80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形成した
ことを特徴とする浄水器の流路切換バルブ用パッキン。 - 【請求項2】 前記テトラフルオロエチレン樹脂粉末
が、乳化重合終了後にカーボン材と共沈させて表面にカ
ーボン材を突出させたテトラフルオロエチレン樹脂粉末
である請求項1記載の浄水器の流路切換バルブ用パッキ
ン。 - 【請求項3】 前記テトラフルオロエチレン樹脂粉末
が、テトラフルオロエチレン樹脂とカーボン材を乾式混
合して表面にカーボン材を突出させたテトラフルオロエ
チレン樹脂粉末である請求項1記載の浄水器の流路切換
バルブ用パッキン。 - 【請求項4】 浄水器の流路切換用の回転バルブに摺接
するパッキンにおいて、前記パッキンの摺接部分を、ア
クリロニトリルブタジエンゴム100重量部に対して、
テトラフルオロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、
球状黒鉛5〜80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物
で形成し、前記パッキンの非摺接部分は前記ゴム組成物
より硬質の材料で形成したことを特徴とする浄水器の流
路切換バルブ用パッキン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25049895A JPH0989130A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 浄水器の流路切換バルブ用パッキン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP25049895A JPH0989130A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 浄水器の流路切換バルブ用パッキン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0989130A true JPH0989130A (ja) | 1997-03-31 |
Family
ID=17208777
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP25049895A Pending JPH0989130A (ja) | 1995-09-28 | 1995-09-28 | 浄水器の流路切換バルブ用パッキン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0989130A (ja) |
-
1995
- 1995-09-28 JP JP25049895A patent/JPH0989130A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041015 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050111 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050607 |