JPH0990749A - 電子写真装置のカーボンボックス用シール - Google Patents

電子写真装置のカーボンボックス用シール

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JPH0990749A
JPH0990749A JP7249705A JP24970595A JPH0990749A JP H0990749 A JPH0990749 A JP H0990749A JP 7249705 A JP7249705 A JP 7249705A JP 24970595 A JP24970595 A JP 24970595A JP H0990749 A JPH0990749 A JP H0990749A
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carbon
seal
weight
box
parts
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JP7249705A
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Noboru Umemoto
昇 梅本
Yoshiro Oki
芳郎 沖
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真装置のカーボンボックス用シール
を、ゴム特有の弾性によって優れたシール性を具備して
いると共に、長寿命で安定した低摩擦特性および低摩耗
特性を有するものとすることである。 【解決手段】 電子写真装置のカーボンボックス4に貫
通し回転する軸7に摺接してボックス内にカーボン8を
密封するシール3を、アクリロニトリルブタジエンゴム
100重量部に対して、表面にカーボン材を突出させた
テトラフルオロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、
球状黒鉛5〜80重量部を含んだ潤滑性ゴム組成物で形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複写機、印刷
機、ファクシミリなどの機器における電子写真装置のカ
ーボンボックス用シールに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真装置のカーボンボック
スは、トナーと呼ばれる熱溶融性の粉体状のカーボンを
収容しており、これを攪拌する羽を取り付けた回転軸、
または感光ドラムにカーボン粉末を供給するマグネツト
ローラの回転軸が、カーボンボックスの壁面を貫通する
ように取付けられている。
【0003】通常、このような回転軸は、カーボンボッ
クスに軸受を介して取り付けられており、軸受内に粉体
状のカーボンが侵入することを防止するため、シールと
呼ばれるリング状の密封装置を軸と軸受の間に取り付け
るようにしている。
【0004】このようなカーボンボックス用シールの材
質は、ニトリルゴム(NBR)、スチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)またはクロロプレンゴム(CR)などの
ジエン系ゴムまたはウレタン系ゴムが一般的である。上
記したシールは、シール性は良好であるが軸との摺動抵
抗が大きいので、軸とシールの摺動界面に、グリースな
どの潤滑剤を塗布する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した従来
のカーボンボックス用シールは、塗布された潤滑剤がカ
ーボン粉体を汚染するという欠点があり、時間の経過と
共に潤滑剤が流失して摩擦抵抗が大きくなり、最終的に
は軸とシールがスティックスリップ現象を起こしたり、
シールが破損するなどの問題が生じた。
【0006】シールに用いられるようなゴム材料を低摩
擦化し、かつ耐摩耗性を高めるための対策として、これ
までに以下のような諸策が検討されたが、いずれも有効
な結果が得られなかった。
【0007】すなわち、ゴム表面に四フッ化エチレン樹
脂シートを貼着する(特公昭46−23681号)方法
では、カーボンボックス用シールを取付ける回転軸が比
較的小型であるために、四フッ化エチレン樹脂シートは
剥がれやすく耐久性がなく、またシートを張りつける製
造工程は煩雑でコストが増大する。
【0008】ジエン系ゴム材に潤滑オイルを含浸した含
油ゴムからなるシールは、成形品の機械的強度が極端に
低下し、また摺動性は経時的に低下し不安定であった。
【0009】ゴム材の表面に四フッ化エチレン樹脂をコ
ーティングしたものは、四フッ化エチレン樹脂のコーテ
ィング膜焼成時にゴムが劣化するので、耐摩耗性の良好
なものが得られなかった。また、このようなコーティン
グ膜は、ゴムの変形に対する追従性が充分でないので、
シールを取り付ける際の伸び変形等によってコーティン
グ膜が剥離する問題があった。
【0010】また、ゴム材の表面を塩素系溶剤で処理し
て平滑化したり、プラズマ処理する方法を採用したシー
ルは摺動性の満足できるものではなかった。
【0011】さらにまた、ジエン系ゴム、シリコーンゴ
ムまたはフッ素ゴムを主成分として、これに四フッ化エ
チレン樹脂(テフロン)系やシリコーン系の固体潤滑剤
を添加した組成物でシールを形成すると、若干の低摩擦
係数化が可能であるが、そのような成形品は高硬度とな
ってシール性が劣るか、またはこのような固体潤滑剤は
主成分ゴムとのぬれ性が悪いので、引裂強度が極端に低
下し、また耐摩耗性も良くない等の問題点があった。
【0012】また、電子写真装置では鮮明な画像を得る
ために、カーボン粉末を微粒子化する技術が進歩し、ま
たカラー化の技術も進んでいることから、より高精度で
信頼性の高いシール特性が要求され、さらに電子写真装
置の動作の高速化に伴って、シールの低摩擦特性および
低摩耗特性の向上が要望されている。
【0013】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して、電子写真装置のカーボンボックス用シー
ルを、ゴム特有の弾性によって優れたシール性を具備し
ていると共に、長寿命で安定した低摩擦特性および低摩
耗特性を有するものとすることである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、電子写真装置のカーボンボッ
クスに貫通する回転軸に摺接しボックス内にカーボンを
密封するシールにおいて、このシールをアクリロニトリ
ルブタジエンゴム100重量部に対して、テトラフルオ
ロエチレン樹脂粉末10〜100重量部、球状黒鉛5〜
80重量部を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形成したの
である。
【0015】また、前記テトラフルオロエチレン樹脂粉
末として、乳化重合終了後にカーボン材と共沈させて表
面にカーボン材を突出させたテトラフルオロエチレン樹
脂粉末を採用したのである。
【0016】または、前記テトラフルオロエチレン樹脂
粉末として、テトラフルオロエチレン樹脂とカーボン材
を乾式混合して表面にカーボン材を突出させたテトラフ
ルオロエチレン樹脂粉末を採用したのである。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明におけるアクリロニトリ
ルブタジエンゴム(以下、NBRと略記する。)は、室
温においてゴム状弾性を有するものであればよく、周知
の合成法にて合成される広範囲のものを採用できる。
【0018】すなわち、NBRは、ブタジエンとアクリ
ロニトリルの共重合体であるから、アクリロニトリル量
を約15〜50%の範囲で調整して、その物性を変化さ
せることができる。そのようなニトリル量は、例えば低
ニトリル24%未満、中ニトリル24〜30%、中高ニ
トリル30〜36%、高ニトリル36〜42%、極高ニ
トリル42%を越えるものに分類できる。このような範
囲においてゴムの耐摩耗性、耐老化性、引張強さを増す
ためには、ニトリル量を多くするほうが好ましいが、ゴ
ム弾性、耐寒性、低温特性を損なわない程度にするに
は、ニトリル量を約24%〜42%の範囲、または約2
4%を越え42%未満の範囲にすることが好ましい。
【0019】このようなNBRの分子量は、通常5万以
上のものが望ましく、可及的に高分子量のものが良好な
結果を得ることから、より好ましくは7万以上、特に好
ましくは10〜50万程度のものを採用する。所要の条
件を満足する市販のNBRとしては、下記のものが挙げ
られる。 日本合成ゴム社製:JSR−N 日本ゼオン社製:NIPOL グッドイヤー(Goodyear) 社製:CHEMIGUM。
【0020】また、この発明におけるテトラフルオロエ
チレン樹脂(以下、PTFEと略記する。)粉末とは、
懸濁重合法により製造されたモールディングパウダー、
乳化重合法により製造されたファインパウダーのいずれ
を使用してもよいが、加圧・加熱処理された後、粉砕ま
たは粉砕後、γ線照射処理または電子線照射処理された
もの、または重合後にγ線照射処理または電子線照射処
理された平均粒径20μm以内のものを使用することが
できる。市販品としては、下記のものを例示できる。 ダイキン工業社製:ルブロンL10 旭硝子社製:フルオンG163、フルオンCD1、ルブ
リカントL169、L182J 三井デュポンフロロケミカル社製:テフロン7J。
【0021】さらに、より好ましいPTFE粉末として
は、図1にその形態を拡大して示すものがある。このも
のはPTFE粉末11の表面に、鱗片状黒鉛などのカー
ボン材12を突出させたものであり、すなわちカーボン
材12をPTFE粉末11の表面に突き刺した状態にし
たものである。
【0022】このようなPTFE粉末を製造するには、
例えばファインパウダー製造の乳化重合終了時に、カー
ボン材と共沈させて凝析し、洗浄し、次いで乾燥する。
他の製造方法としては、PTFE粉末にカーボン材を乾
式混合し、これがPTFE粉末の表面に突き刺さるよう
にして製造してもよい。
【0023】前記カーボン材としては、一般的な炭素粉
から黒鉛まで種々の結晶状態の粉末品を採用できるが、
黒鉛化による結晶構造によって潤滑性の向上が期待され
るから、特に黒鉛を採用することが好ましい。また、ゴ
ム材に汎用されるストラクチュアの大きいカーボンブラ
ックであるHAF、SAF、FEFまたはMTなどであ
ってもよい。
【0024】このようなPTFE粉末11は、図示のよ
うに黒鉛等からなるカーボン材12が、粉末表面におけ
る全方向(放射状)に突出しているから、ゴム基材13
内で物理的な杭効果があって確実に保持され、しかもゴ
ム基材13とカーボン材12の親和性がよいので、ゴム
基材13とPTFE粉末11を混練した組成物は、カー
ボン材を保持しないPTFE粉末を配合したゴム組成物
よりも高強度のものが得られる。
【0025】また、この発明に用いる球状黒鉛とは、ピ
ッチから紡糸する工程で副生する球状黒鉛、またはフェ
ノール樹脂を触媒下でパラフォルムアルデヒドと反応さ
せて球状に重合させたもの、さらにはその後、焼成・粉
砕した球状黒鉛が挙げられる。市販の球状黒鉛として
は、以下のものが挙げられる。 大阪ガスケミカル社製:メソカーボンビーズ 鐘紡社製:ベルパール ユニチカ社製:ユニベックス 日本カーボン社製:マイクロカーボンビーズ。
【0026】この発明におけるNBRと、PTFE粉末
の配合重量比は、NBR100重量部に対して、PTF
E粉末10〜100重量部であることが好ましい。PT
FE粉末が10重量部未満では、NBRに充分な摩擦特
性を付与できず、100重量部を越えて多量に配合する
と、ゴム硬度が高くなって弾性特性がなくなり、または
機械的強度が極端に低下して実用に耐えないものとなる
からである。
【0027】また、この発明に用いる球状黒鉛の配合重
量比は、NBR100重量部に対して、5〜80重量部
である。その理由は5重量部未満の配合割合では、NB
Rに充分な耐摩耗特性を付与できず、80重量部を越え
て多量に配合すると、ゴム硬度が高くなって弾性特性が
なくなり、または機械的強度が極端に低下して実用に耐
えないゴム組成物となるからである。
【0028】なお、この発明には、その目的を阻害しな
い添加量にて周知のゴム用配合剤または周知の添加剤を
配合してもよい。 (1)補強剤:カーボンブラック、シリカ、クレー、炭
酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、タルク、マイカ、カオリン、ベ
ントナイト、シラス、ウォラストナイト、炭化ケイ素、
ガラス粉末、カーボン粉末、ボロン繊維、アラミド繊維
等、 (2)加硫助剤:亜鉛華、脂肪酸等、 (3)加硫促進剤:グアニジン類、イオウ類、アルデヒ
ド−アミン類、亜鉛類等、 (4)可塑剤:ジメチルフタレート、ジオクチルフタレ
ート等、 (5)老化紡糸剤:アミン類、フェノール類等、 (6)その他、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、着
色剤など。
【0029】さらに、成形時の離型性および表面の非粘
着性を向上させるために、オイル、ワックス、グリース
類を添加してもよい。その配合量は、ゴム成形品の機械
的強度に影響を及ぼさない程度であり、すなわちNBR
100重量部に対して2〜20重量部であることが好ま
しく、より好ましくは5〜10重量部である。
【0030】固体潤滑剤として、PTFE以外に溶融フ
ッ素樹脂であるテトラフルオロエチレン−エチレン共重
合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テト
ラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体(FEP)などを添加してもよい。
【0031】以上の各種原材料を混合する方法は特に限
定するものではなく、通常広く用いられている方法、例
えば、主原料になるNBR、その他の充填剤を個別に順
次混合または一括してロール混合機、プロペラ混合機、
ニーダ混合機その他の混合機で混合すればよい。なお、
このとき摩擦による発熱を防止する意味で温調器を設け
ることが望ましい。また、ロール混合機を使用する場合
には、仕上げ混合として、ロール間隔を3mm以下とし
て薄通しを行なうことが好ましい。
【0032】この発明におけるシールは、その成形工程
において特に限定した手段を必要とするものではなく、
通常のプレス成形方法で一時加硫(例えば140〜17
0℃で10〜30分、加圧50〜150kgf/c
2 )した後、二次加硫(例えば、150〜180℃で
2〜20時間、加圧なし)して成形することができる。
【0033】この発明のシールは、潤滑性ゴム組成物で
全体を成形したものであってもよいが、シールの非摺接
部分を前記ゴム組成物より硬質の材料で形成すれば、多
様な設計の要望に応え得るものとなる。
【0034】すなわち、図2に示すように、潤滑性ゴム
で内周側にシール用リップを形成したVリング状の潤滑
性ゴム製リング1とし、さらにリングの外周に環状の金
属フレーム2を嵌めた複合体からなるシール3であって
もよい。
【0035】図3に示すように、上記したシール3をカ
ーボンボックス4に取り付けるには、ブラケット5を介
してカーボンボックス4の対向する外壁に転がり軸受6
をそれぞれ固定し、各ブラケット5に形成した軸穴周り
の凹所にシール3を固定する。なお、図中番号7はロー
ラ付きの軸を示し、番号8は粉体のカーボンを示してい
る。
【0036】また、図4に示すように、シール3を潤滑
性樹脂組成物からなる滑り軸受9の軸穴周りの凹所に固
定すれば、部品点数を少なくすることができる。
【0037】また、この発明のシールの形状は、図示し
た形状に限定されるものではなく、周知のシール形状を
適宜に採用でき、例えばOリング、Vリング、Dリン
グ、Xリング、角リングに分類されるものであってもよ
い。特に、シール性を高めるためには、軸外周に摺接す
るリップが付設されたXリングまたはVリングであるこ
とが好ましい。マグネットローラの軸受用シールとして
は、半円形または1/3円形であってもよく、特にトナ
ーが漏れないようにするために、複数のリップを並列す
るように形成した密封性のよいシールとすることもでき
る。
【0038】
【実施例】実施例および比較例で用いた原材料を一括し
て示すと以下のとおりである。なお、各成分の配合割合
は下記のNBR基礎配合100重量部に対する重量部で
示した。
【0039】 [NBR基礎配合A](高ニトリルタイプ、ニトリル量36〜42%) 日本合成ゴム社製:JSR220S 100 重量部 ステアリン酸ナトリウム:一般工業材 1 〃 カーボンブラック:FEF 30 〃 加硫促進剤1:大内新興化学工業社製:TT 2 〃 加硫促進剤2:大内新興化学工業社製:M 2 〃 加硫助剤:酸化亜鉛(活性亜鉛華) 10 〃 加硫剤:イオウ 1.0 〃 [NBR基礎配合B](中ニトリルタイプ、ニトリル量25〜30%) 日本合成ゴム社製:JSR240S 100 重量部 ステアリン酸ナトリウム:一般工業材 1 〃 カーボンブラック:FEF 30 〃 加硫促進剤1:大内新興化学工業社製:TT 2 〃 加硫促進剤2:大内新興化学工業社製:M 2 〃 加硫助剤:酸化亜鉛(活性亜鉛華) 10 〃 加硫剤:イオウ 1.0 〃 [潤滑剤] (1)黒鉛共沈PTFE〔PTFE−1〕 乳化重合にて重合完了後に平均粒径6μmの黒鉛と7:
3の重量比で共沈させ、凝析、洗浄して得られたもので
ある。 (2)黒鉛とのドライブレンドPTFE〔PTFE−
2〕 旭硝子社製PTFE(ルブリカントL182J)を平均
粒径6μmの黒鉛と7:3の重量比にてヘンシェルミキ
サーでドライブレンドしたものである。 (3)PTFE〔PTFE−3〕 旭硝子社製:PTFEルブリカントL182J (4)ETFE(旭硝子社製:アフロンCOP Z88
20) (5)球状黒鉛(鐘紡社製:ベルパールC2000) (6)シリコーンオイル(信越シリコーン社製:KF9
6−300)。
【0040】〔実施例1〜9、比較例1〜5〕ロール間
隔5〜10mm程度に調整したロール混合機に、NBR
(220Sまたは240S)を巻き付け、基礎配合Aま
たはBに示した割合で無機充填剤、老化防止剤、カーボ
ン、イオウ、加硫促進剤を順次混合し、最後に表1また
は表2に示した割合でPTFEおよび他の充填剤を混練
した。
【0041】その後、ロール間隔を1mmに調整し、薄
通しを10回行なった。なお、このときの摩擦熱を防止
する目的で、常時ロール内に冷却水を通し、ロール温度
を60℃以下に保った。次に、冷却水を止め、ロール内
にスチームを通してゴム温度が70℃以上90℃以下に
なるように調整し、その後、ロール間隔を1mmに狭め
て薄通しを10回行ない、それぞれ10kgのコンパウ
ンドを得た。
【0042】以上のようにして得られたコンパウンドを
縦300mm、横300mm、厚さ1mmの金型でプレ
ス成形し、1次加硫(160℃、10分、プレス圧12
0kgf/cm2 )および2次加硫(フリー加熱、15
0℃、4時間)を行なった。このようにして加硫を終え
たシート状の各試験片について、動摩擦係数、摩耗係
数、機械的特性(表面硬度、引張強度、伸び率)を求め
た。
【0043】また、図2に示した形状のシール試験片に
ついて、実機耐久性を調べた。各試験方法は次の通りで
ある。
【0044】(a)摩擦・摩耗試験:内径φ17mm、
外径φ21mmのリング状シート試験片をφ17×φ2
1×t10(mm)のアルミ合金製リングに接着して摩
擦試験片とした。相手材は軸受鋼(SUJ2)の研磨品
とし、スラスト型摩擦試験機にて評価した。試験条件
は、周速1.0m/分、面圧3.0kgf/cm2 、試
験時間100時間とし、試験開始当初(表中にintで
示した)とその後(50時間後と100時間後)の動摩
擦係数と摩耗係数(×10-10 cm3 /kgf・m)を
表3または表4中に併記した。
【0045】(b)機械的特性 得られたシート状試験片に対してJIS−K6301に
準拠し、硬度(JIS−A)、引張り強度(kgf/c
2 )、伸び率(%)を調べ、結果を表3または表4中
に併記した。
【0046】(c)実機耐久性試験:(摩擦試験と漏れ
試験) 前述のように図2を参照して説明した金属複合のシール
(内径7.5mm)を図3に示したカーボンボックスに
取り付けた。そして、カーボンボックスのローラ付きの
軸(直径8.0mm)7を500回転/分で駆動しなが
ら、駆動開始後1時間後、500時間後、1000時間
後にトルクを測定した。また、このときカーボン8(ト
ナー)の漏れの有無を肉眼で調べ、1000時間後には
シールのリップ部分の損傷の有無を調べ、損傷有りを×
印、損傷無しを〇印の2段階に評価した。なお、この試
験中にグリースなどの潤滑剤の添加をせず、乾式条件で
耐久性を調べ、これらの結果は表3または表4中に併記
した。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
【表4】
【0051】〔比較例6〕比較例1と同様にして、NB
R基礎配合Bのコンパウンドを作成し、比較例1と同じ
製法で試験片を得た。この試験片に対してゴム用市販コ
ーティング剤(日本アチソン社製:エムラロン345)
をスプレーコーティング法にて約15μmの被膜を形成
した。コーティング後、電気炉にて80℃で1時間乾燥
し、さらに焼成して最終的に試験片を完成させた。
【0052】得られた試験片に対して、実施例と全く同
様の試験方法にて評価し、結果を表4中に併記した。
【0053】表3および表4の結果からも明らかなよう
に、一般的なNBRの配合物だけの比較例1では摩擦係
数が高く摩耗量が大きかった。また、NBRにPTFE
を添加した2、3は、いずれも摩擦係数がゴム基材より
若干低くなったが、摩耗係数が充分に改良されなかっ
た。また、球状黒鉛を配合した比較例4では、耐摩耗性
が若干改善されたが、摩擦係数が大きくなり、実機試験
でも摩擦トルクが極端に増大した。シリコーンオイルを
配合した比較例5は、機械的強度(引張強度)が著しく
低下しており、それに伴って摩耗特性も極めて悪かっ
た。なお、いずれの比較例でも実機試験では摩耗量が多
く、粉状のカーボン(トナー)の漏れが確認された。
【0054】しかし、カーボン材が表面に突出した粉体
状PTFEと球状黒鉛を併用して添加した実施例1〜9
は、機械的強度の低下が少なく、低摩擦係数および優れ
た耐磨耗性があり、実機試験でも安定した低摩擦性、耐
摩耗性があり、トナーの漏れがなく良好なシール特性を
確認できた。
【0055】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、電子
写真装置のカーボンボックス用シールを、アクリロニト
リルブタジエンゴムと、表面にカーボン材を突出させた
テトラフルオロエチレン樹脂粉末と、球状黒鉛を所定量
配合した潤滑性ゴム組成物で形成したので、このものが
ゴム特有の弾性によって優れたシール性を具備している
と共に、長寿命で安定した低摩擦特性および低摩耗特性
を有するものとなる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ゴム基材中のテトラフルオロエチレン樹脂粉末
を示す模式図
【図2】実施例のシールの断面図
【図3】実施例のシールの取り付け状態を示すカーボン
ボックスの断面図
【図4】他の実施例の断面図
【符号の説明】
1 潤滑性ゴム製リング 2 金属フレーム 3 シール 4 カーボンボックス 5 ブラケット 6 転がり軸受 7 ローラ付きの軸 8 カーボン 9 滑り軸受 11 PTFE粉末 12 カーボン材 13 ゴム基材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真装置のカーボンボックスに貫通
    する回転軸に摺接しボックス内にカーボンを密封するシ
    ールにおいて、このシールをアクリロニトリルブタジエ
    ンゴム100重量部に対して、テトラフルオロエチレン
    樹脂粉末10〜100重量部、球状黒鉛5〜80重量部
    を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形成したことを特徴と
    する電子写真装置のカーボンボックス用シール。
  2. 【請求項2】 前記テトラフルオロエチレン樹脂粉末
    が、乳化重合終了後にカーボン材と共沈させて表面にカ
    ーボン材を突出させたテトラフルオロエチレン樹脂粉末
    である請求項1記載の電子写真装置のカーボンボックス
    用シール。
  3. 【請求項3】 前記テトラフルオロエチレン樹脂粉末
    が、テトラフルオロエチレン樹脂とカーボン材を乾式混
    合して表面にカーボン材を突出させたテトラフルオロエ
    チレン樹脂粉末である請求項1記載の電子写真装置のカ
    ーボンボックス用シール。
  4. 【請求項4】 電子写真装置のカーボンボックスに貫通
    する回転軸に摺接しボックス内にカーボンを密封するシ
    ールにおいて、このシールをアクリロニトリルブタジエ
    ンゴム100重量部に対して、テトラフルオロエチレン
    樹脂粉末10〜100重量部、球状黒鉛5〜80重量部
    を含んでなる潤滑性ゴム組成物で形成し、前記シールの
    非摺接部分は前記ゴム組成物より硬質の材料で形成した
    ことを特徴とする電子写真装置のカーボンボックス用シ
    ール。
JP7249705A 1995-09-27 1995-09-27 電子写真装置のカーボンボックス用シール Pending JPH0990749A (ja)

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JP2007298711A (ja) * 2006-04-28 2007-11-15 Fuji Xerox Co Ltd トナーカートリッジ
JP2015197179A (ja) * 2014-04-02 2015-11-09 ニッタ株式会社 シール材およびシール機構

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